JP5560857B2 - N−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類混合物、及びそれを用いた2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の製造方法 - Google Patents

N−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類混合物、及びそれを用いた2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の製造方法 Download PDF

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本発明はN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類混合物、及びそれを用いたヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の製造方法に関する。
本発明のN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類混合物は、2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の原料として有用である。
2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類は、医農薬中間体、有機合成用触媒、ウレタン樹脂化触媒、化学吸着剤、抗菌剤等に有用であることが知られている。
従来の2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の製造方法としては、例えば、N−(ジヒドロキシアルキル)エチレンジアミン類から中間体となるヒドロキシアルキルピペラジン類を合成し(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、次いで、得られたヒドロキシアルキルピペラジン類を、アルキレンオキサイドとの反応でジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類として、更に酸触媒の存在下で分子内縮合反応させる製法が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記の製造法は反応の工程数が多く、更に簡略化した製法が求められていた。
また他の合成法として、ピペラジンと2,3−ジブロモプロピオン酸エチルとをトルエン又はベンゼンのような不活性溶媒中で反応させて1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸エチルを調製し、次いで得られたエステルを、例えば水素化リチウムアルミニウムを用いて還元する二段階での合成方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この製造方法では、ピペラジンと2,3−ジブロモプロピオン酸エチルとを低い基質濃度で反応させる必要があるため生産性に劣るという欠点を有する。また次反応を効率良く行うため、第一工程で得られる生成物は単離、精製する必要があった。次に第二工程では、還元剤として発火の危険性が高い水素化リチウムアルミニウムを使用するため、工業的にも好ましいとは言えない。更にまた、原料として用いるピペラジンが高価であり、特に2,3−ジブロモプロピオン酸エチルが非常に高価であるため、実用的とは言い難い。
以上のように、安価で工業的に安定的に得られる原料を用いて、発火の危険性が高い還元剤を用いることなく、簡便且つ安全に少ない工程数でヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類を効率的に合成することは極めて困難であった。
一方、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとエポキシ化合物との反応例としては、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンを主とするジエチルトリアミン、アミノエチルピペラジン、及びヒドロキシエチルピペラジンとの混合物に、エチレンオキサイドを反応させた例が示されている(例えば、特許文献4参照)。また、得られたエチレンオキサイド付加反応物から、リン酸担持触媒を用いて分子内で脱水環化するとトリエチレンジアミンが得られることが報告されている。
他のN−(2−アミノエチル)エタノールアミン誘導体の例としては、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンと炭素数12から14個のアルキルグリシジルエーテルとを反応させ、次いで、クロロ酢酸ナトリウムを反応させて界面活性剤を得た例がある(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の合成に有用と考えられる、N−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類の生成を確認した例は、これまで報告されていなかった。
オーストリア国特許227,268号明細書 国際公開2009/145320号パンフレット 特開2001−504855号公報 米国特許第4,757,143号明細書 米国特許第4,214,102号明細書
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、安価で工業的に安定的に得られる原料を用いて、発火の危険性が高い還元剤を用いることなく、簡便且つ安全に少ない工程数でヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミンを製造する方法を提供すること、及びこのような原料として、新規なN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類混合物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すとおり、N−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類混合物、及びそれを用いた2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の製造方法に関するものである。
[1]下記式(1)
Figure 0005560857
(式中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは0〜6の整数を表す。)
で示される化合物と、下記式(2)
Figure 0005560857
(式中、R、nは上記と同じ定義である。)
で示される化合物とを含有することを特徴とするN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類の混合物。
[2]式(1)で示される化合物に対し、式(2)で示される化合物を、60:40〜40:60(重量比)の割合で含有することを特徴とする上記[1]に記載の混合物
[3]下記式(3)
Figure 0005560857
(上記式中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは0〜6の整数を表す。)
で示されるハロゲン化ジオールと、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとを反応させることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の混合物の製造方法。
[4]上記[1]又は[2]に記載の混合物を、酸触媒及び/又はラネー金属触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させて、下記式(4)
Figure 0005560857
(式中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜6の整数を表す。)
で示される化合物、下記式(5)
Figure 0005560857
(式中、R、nは上記と同じ定義である。)
で示される化合物、並びに下記式(6)
Figure 0005560857
(式中、R、nは上記と同じ定義である。)
で示される化合物からなる群より選択される1種又は2種以上の化合物を得ることを特徴とするジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類の製造方法。
[5]上記[4]に記載の方法で得られるジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類を、酸触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させることを特徴とする下記式(7)
Figure 0005560857
(式中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜6の整数を表す。)
で示される2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の製造方法。
[6]ラネー金属触媒が、ラネー銅触媒を含むことを特徴とする上記[4]に記載の製造方法。
[7]酸触媒が、無機リン化合物、該無機リン化合物の金属塩、及び有機リン化合物からなる群より選択される化合物を含むことを特徴とする上記[4]乃至[6]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、安価で工業的に安定的に得られる原料として、上記したN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類の混合物を用いて、発火の危険性が高い還元剤を用いることなく、簡便且つ安全に、比較的少ない工程数でヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類を効率的に合成することができる。
実施例1で得られたN−(ジヒドロキシプロピル)N−(2−アミノエチル)エタノールアミン(ピーク1化合物)のH−NMR(溶媒DO、酢酸含有品)ピークを示す図である。 実施例1で得られたN−((N’−ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン(ピーク2化合物)のH−NMR(溶媒DO、酢酸含有品)ピークを示す図である。 実施例1で得られたN−(ジヒドロキシプロピル)N−(2−アミノエチル)エタノールアミン(ピーク1化合物)の13C−NMR(溶媒DO、酢酸含有品)ピークを示す図である。 実施例1で得られたN−((N’−ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン(ピーク2化合物)13C−NMR(溶媒DO、酢酸含有品)ピークを示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類の混合物(以下、「本発明の混合物」と称する場合がある。)は、上記式(1)で示される化合物と、上記式(2)で示される化合物とを含有することをその特徴とする
上記式(1)及び式(2)中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基を表す。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が例示される。これらのうち、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
また、上記式(1)及び式(2)中、nは0〜6の整数を表し、0〜2の整数がより好ましい。
上記式(1)又は式(2)で示されるN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類としては、特に限定するものではないが、例えば、N−((ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン、N−((ジヒドロキシブチル)2−アミノエチルエタノールアミン、N−((ジヒドロキシヘキシル)2−アミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。
本発明の混合物の製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、従来の合成法を応用して、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとエポキシ化合物との付加反応(例えば、米国特許第4,757,143号明細書、国際公開第2009/145320号パンフレット等参照)、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとトリヒドロキシ化合物とを酸触媒の存在下で脱水縮合反応すること(例えば、WO−2009/145320参照)や、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとハロゲン化アルキルジヒドロキシ化合物との付加反応(例えば、国際公開第2009/145320号パンフレット、Journal of the American Chemical Sociaty (1952)74,4102−4103頁等を参照)により得ることができる。
本発明の混合物は、具体的には、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとグリシドールの付加反応により得られるし、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとグリセリンを酸触媒存在下で脱水縮合反応することによっても得られる。また、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンと上記式(3)で示されるハロゲン化ジオールとを反応することによっても得ることができる。
このようにして得られた本発明の混合物は、上記式(1)で示される化合物と、上記式(2)で示される化合物とを、通常60:40〜40:60(重量比)の割合で含有する。
本発明の上記式(7)で示される2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の製造方法は、
(i)上記した本発明の混合物を、酸触媒及び/又はラネー金属触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させて、上記式(4)で示される化合物、上記式(5)で示される化合物、及び上記式(6)で示される化合物からなる群より選択される1種又は2種以上のジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類を得る工程、並びに
(ii)得られたジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類を、酸触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させて上記式(7)で示される2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類を得る工程からなることをその特徴とする。
なお、本発明において、上記式(7)で示される2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類とは、2−ヒドロキシトリエチレンジアミン(n=0の場合)又は2−ヒドロキシアルキルトリエチレンジアミン類(n=1〜6の場合)を意味する。かかる2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類としては、特に限定するものではないが、例えば、2−ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルトリエチレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルトリエチレンジアミン、2−ヒドロキシブチルトリエチレンジアミン等が挙げられる。
まず、本発明の混合物を、酸触媒及び/又はラネー金属触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させて、上記したジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類を得る工程について説明する。
上記工程において、酸触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、金属リン酸塩、有機リン化合物等のリン含有物質、窒素含有物質、硫黄含有物質、ニオブ含有物質、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、ゼオライト、ヘテロポリ酸、第4B族金属酸化物縮合触媒、第6B族金属含有縮合触媒、ブレンステッド酸、ルイス酸等が挙げられる。これらのうち、金属リン酸塩、有機リン化合物等のリン含有物質が特に好ましい。
金属リン酸塩としては、特に限定するものではないが、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸等の金属塩が挙げられる。リン酸と塩を形成する金属としては、特に限定するものではないが、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、鉛等が挙げられる。
有機リン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、リン酸メチル等のリン酸エステル、リン酸ジメチル等のリン酸ジエステル、リン酸トリフェニル等のリン酸トリエステル、亜リン酸、亜リン酸メチル、亜リン酸フェニル等の亜リン酸エステル、亜リン酸ジフェニル等の亜リン酸ジエステル、亜リントリフェニル等の亜リン酸トリエステル、フェニルホスホン酸等のアリールホスホン酸、メチルホスホン酸等のアルキルホスホン酸、メチル亜ホスホン酸等のアルキル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等のアリール亜ホスホン酸、ジメチルホスフィン酸等のアルキルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等のアリールホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸等のアルキルアリールホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸等のアルキル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等のアリール亜ホスフィン酸、フェニルメチル亜ホスフィン酸等のアルキルアリール亜ホスフィン酸、ラウリルアシッドホスフェイト、トリデシルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト等の酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルの塩類等が挙げられる。
上記工程においては、これらの酸触媒から選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。
酸触媒の使用量は、特に限定するものではないが、原料である、上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物の合計の使用量に対し、通常0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。0.01重量%よりも少ない場合、反応が著しく遅くなるおそれがあり、20重量%を超えて使用しても経済的に不利となるおそれがある。
一方、上記工程において、ラネー金属触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、ラネー銅、金属銅、銅クロム触媒、銅リン酸塩等が挙げられる。これらのうち、ラネー銅を含むことが特に好ましい。
ラネー金属触媒の使用量は、特に限定するものではないが、原料である、上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物の合計の使用量に対し、通常0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。0.01重量%よりも少ない場合、反応が著しく遅くなるおそれがあり、20重量%を超えて使用しても経済的に不利となるおそれがある。
なお、上記工程において、酸触媒とラネー金属触媒とを併用して、分子内脱水縮合反応させてもよい。
上記工程において、反応は、通常、水素雰囲気下で行われる。かかるガスの使用量は、上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物の合計の使用量に対し、通常1〜20倍モル、好ましくは2〜10倍モルの範囲である。
上記工程において、反応圧力は、通常1〜200気圧、好ましくは30〜100気圧の範囲である。200気圧以下とすることで、原料及び生成物の分解が抑制されるため、ジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類の選択率が向上し、30気圧以上とすることで十分な反応速度が得られる。
上記工程において、反応温度は、通常150〜500℃、好ましくは100〜400℃の範囲である。500℃以下とすることで、原料及び生成物の分解が抑制されるため、ジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類の選択率が向上し、130℃以上とすることで十分な反応速度が得られる。
上記工程により得られるジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類は、上記式(4)で示される化合物、上記式(5)で示される化合物、及び上記式(6)で示される化合物を、それぞれ0〜64モル比%、3〜41モル比%、及び33〜59モル比%の範囲で通常含む(ただし、上記式(4)で示される化合物、上記式(5)で示される化合物、及び上記式(6)で示される化合物の合計量が100モル比%を超えることはない。)。
次に、得られたジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類を、酸触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させて上記式(7)で示される2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類を得る工程について説明する。
上記工程において、酸触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、金属リン酸塩、有機リン化合物等のリン含有物質、窒素含有物質、硫黄含有物質、ニオブ含有物質、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、ゼオライト、ヘテロポリ酸、第4B族金属酸化物縮合触媒、第6B族金属含有縮合触媒、ブレンステッド酸、ルイス酸等が挙げられる。これらのうち、金属リン酸塩、有機リン化合物等のリン含有物質が特に好ましい。
金属リン酸塩としては、特に限定するものではないが、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸等の金属塩が挙げられる。リン酸と塩を形成する金属としては、特に限定するものではないが、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、鉛等が挙げられる。
有機リン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、リン酸メチル等のリン酸エステル、リン酸ジメチル等のリン酸ジエステル、リン酸トリフェニル等のリン酸トリエステル、亜リン酸、亜リン酸メチル、亜リン酸フェニル等の亜リン酸エステル、亜リン酸ジフェニル等の亜リン酸ジエステル、亜リントリフェニル等の亜リン酸トリエステル、フェニルホスホン酸等のアリールホスホン酸、メチルホスホン酸等のアルキルホスホン酸、メチル亜ホスホン酸等のアルキル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等のアリール亜ホスホン酸、ジメチルホスフィン酸等のアルキルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等のアリールホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸等のアルキルアリールホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸等のアルキル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等のアリール亜ホスフィン酸、フェニルメチル亜ホスフィン酸等のアルキルアリール亜ホスフィン酸、ラウリルアシッドホスフェイト、トリデシルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト等の酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルの塩類等が挙げられる。
上記工程においては、これらの酸触媒から選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。
酸触媒の使用量は、特に限定するものではないが、原料である、上記式(4)で示される化合物、上記式(5)で示される化合物、及び上記式(6)で示される化合物の合計の使用量に対し、通常0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。0.01重量%よりも少ない場合、反応が著しく遅くなるおそれがあり、20重量%を超えて使用しても経済的に不利となるおそれがある。
上記工程において、反応は気相で行っても液相で行っても良い。また、反応は懸濁床による回分、半回分、連続式でも、また固定床流通式でも実施できるが、工業的には、固定床流通式が操作、装置、経済性の面から有利である。
上記工程においては、希釈剤として、窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、水蒸気、炭化水素等の不活性ガスや、水、不活性な炭化水素等の不活性溶媒を用いて、原料である、上記したジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類を希釈し、反応を進行させることができる。これらの希釈剤は任意の量で使用でき、その使用量としては特に限定するものではないが、[上記式(4)で示される化合物、上記式(5)で示される化合物、及び上記式(6)で示される化合物の合計の使用量]/[希釈剤の使用量](モル比)は、0.01〜1の範囲とすることが好ましく、0.05〜0.5の範囲とすることがさらに好ましい。モル比を0.01以上とすると、上記式(7)で示されるヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の生産性が向上する。また、モル比を1以下とすると、上記式(7)で示されるヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の選択性が向上する。
上記工程において、希釈剤は、上記したジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類と同時に反応器内に導入してもよいし、上記したジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類を予め希釈剤に溶解させた後に、原料溶液として反応器に導入してもよい。
上記工程において、反応が気相で行われる場合、通常は、窒素ガス、アルゴンガス等の反応に不活性なガスの共存下で行われる。かかるガスの使用量は、上記式(4)で示される化合物、上記式(5)で示される化合物、及び上記式(6)で示される化合物の合計の使用量に対して、通常1〜20倍モル、好ましくは2〜10倍モルの範囲である。
上記工程において、反応温度は、通常150〜500℃、好ましくは200〜400℃の範囲である。500℃以下とすることで、原料及び生成物の分解が抑制されるため、上記式(7)で示されるヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の選択率が向上し、150℃以上とすることで十分な反応速度が得られる。
上記工程において、反応が気相で行われる場合、反応終了後、上記式(7)で示されるヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類を含有する反応混合ガスを、水又は酸性水溶液に通じて溶解させ、上記式(7)で示されるヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類を含有する反応混合液を得る。そして、得られた反応混合液から、抽出、濃縮等の所望の分離精製操作により、上記式(7)で示されるヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類を得ることができる。また、ハロゲン化水素酸を用いて、ハロゲン化水素酸塩として得ることもできる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。なお、本実施例における生成物の収率は、ガスクロマトグラフィーで確認した。
分析装置:島津製作所社製、GC−17A,
カラム:J&W Scientific社製キャピラリーカラム、NB−5,
検出器:水素炎イオン化検出器(FID),
カラム温度条件:昇温。
また、分子量の確認はガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS、日本電子社製、GC−MSJMS−K9)を用い、カラムはJ&W Scientific社製キャピラリーカラム、DB−1を用い、昇温条件で行った。
更に、化合物のH−NMR及び13C−NMRの測定には、Varian社製VXR−300Sを使用した。
実施例1 N−((ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン類の混合物の合成.
200mlの三口フラスコに、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン41.7g(0.40モル)、溶媒としてメタノール41.7gを仕込み、窒素雰囲気下で3−クロロ−1,2−プロパンジオール11.1g(0.10モル)を0.5時間かけて滴下した。三口フラスコをオイルバス中に保持することで、反応液の温度は60〜72℃に保たれた。3−クロロプロパンジオール滴下終了後、更に反応温度を72℃に保ち14時間反応を継続した。反応後、32%の水酸化ナトリウム水溶液13.0g(0.10モル)を加えて中和し、単蒸留により反応液中の溶媒であるメタノール、未反応のN−(2−アミノエチル)エタノールアミンを留去した。得られた粘調物にイソプロパノールを加えてろ過後、再濃縮して粗製N−((ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン16.9gを得た。濃縮品のガスクロマトグラフィー分析を行ったところ、2本の特徴的なピークが観察された。ピーク1/ピーク2の組成比(モル比)は、28/72であった。これらをGC−MS測定したところ、それぞれの分子量はいずれも178であり、生成物が2種のN−((ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン類であることが判明した。
更に、粗製N−((ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン混合物のうち、3.1gをシリカゲルカラム(和光純薬製 ワコーゲルC−300、クロロホルム/メタノール/酢酸=20/10/1混合溶媒で展開)を用いて精製後、中和処理したところ、ピーク1化合物を1.0gとピーク2化合物1.1gをそれぞれ単離できた。各化合物のH−NMR及び13C−NMRについて測定した結果を図1と図2、図3、及び図4に示す。
これらの結果より、ピーク1の化合物は、下記式(8)
Figure 0005560857
で示されるN−(ジヒドロキシプロピル)N−(2−アミノエチル)エタノールアミン(以下、表現を簡潔にするため、「AEEA−2PD」と略す。)であることが確認された。これは上記式(2)で示される化合物に該当する。
また、ピーク2の化合物は、下記式(9)
Figure 0005560857
で示されるN−((N’−ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン(以下、表現を簡潔にするため、「AEEA−1PD」と略す。)であることが確認された。これは上記式(1)で示される化合物に該当する。
なお、濃縮液のガスクロマトグラフィーでの測定から、これら2種のAEEA−PD合計の収率は95%であった。
実施例2 N−((ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン類の合成.
20リットルの四つ口反応器に、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン6.9kg(66.25モル)、溶媒としてメタノール5.3kgを仕込み、窒素雰囲気下、冷却状態で98%グリシドール1.5kg(19.84モル)を3時間かけて滴下した。四つ口反応器を冷却バス中に保持することで、反応液の温度は29〜34℃に保たれた。グリシドール滴下終了後、更に反応温度を34℃以下に保ち2時間反応を継続した。反応後、単蒸留により反応液中の溶媒であるメタノール、未反応のN−(2−アミノエチル)エタノールアミンを留去して粗製N−((ジヒドロキシプロピル)2−アミノエチル)エタノールアミン3.2kgを得た。濃縮液のガスクロマトグラフィーでの測定からAEEA−1PD/AEEA−2PDの組成比(モル比)はそれぞれ66/34であり、合計の収率は79%であった。
実施例3 ジ置換ヒドロキシプロピルピペラジン類の合成.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物18.7g(0.11モル)、溶媒として水106.3g、触媒としてラネー銅(商品名CDT−60:川研ファインケミカル(株)社製)1.9gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素雰囲気下で165℃に加熱した。この時の反応容器圧力は8.0MPaであった。反応時間は6時間であった。
反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ100%と69%であり、生成物は3本の特徴的なピーク(ピーク3〜ピーク5)であることが観察された。ピーク3/ピーク4/ピーク5の組成比(モル比)はそれぞれ38/3/59であった。これらをGC−MS測定したところ、それぞれの分子量はいずれも160であり、GC−MSのスペクトルパターンから生成物が3種のジ置換ヒドロキシプロピルピペラジン類であることが判明した。
すなわち、ピーク3の生成物は、下記式(10)
Figure 0005560857
で示されるN−(ジヒドロキシプロピル)ピペラジン(以下、表現を簡潔にするため、「DHPP」と略す。)であることが確認された。これは、上記式(6)に該当する化合物である。
また、ピーク4の化合物は、下記式(11)
Figure 0005560857
で示されるN−((ヒドロキシエチル)3−ヒドロキシメチルピペラジン(以下、表現を簡潔にするため、「4−HE−PIPOH」と略す。)であることが確認された。これは、上記式(5)に該当する化合物である。
さらに、ピーク5の化合物は、下記式(12)
Figure 0005560857
で示されるN−((ヒドロキシエチル)2−ヒドロキシメチルピペラジン(以下、表現を簡潔にするため、「1−HE−PIPOH」と略す。)であることが確認された。これは上記式(4)に該当する化合物である。
尚、ガスクロマトグラフィーでの測定から3種のジ置換ヒドロキシプロピルピペラジン類の合計の収率は49%であった。
実施例4.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物37.5g(0.21モル)、溶媒として水87.5g、触媒としてラネー銅の添加量を1.9gに代えて、3.8gに増やした以外は実施例3と同様にして、200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素雰囲気下で165℃に加熱した。この時の反応容器圧力は8.0MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ100%と93%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ40/5/55(モル比)であり、合計の収率は50%であった。
実施例5.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物37.5g(0.21モル)、溶媒として水87.5g、触媒としてラネー銅(商品名:CDT−60、川研ファインケミカル社製)3.8gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素雰囲気下で165℃に加熱した。この時の反応容器圧力は8.0MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ97%と68%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ35/5/60(モル比)であり、合計の収率は47%であった。
実施例6.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物18.7g(0.11モル)、溶媒として水53.2gとトルエン46.8gの2層液、触媒としてラネー銅(商品名CDT−60:川研ファインケミカル(株)社製)1.9gを混合物17.5g(0.11モル)、を200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素雰囲気下で165℃に加熱した。この時の反応容器圧力は8.0MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ100%と70%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ38/4/58(モル比)であり、合計の収率は44%であった。
実施例7.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物37.5g(0.21モル)、溶媒として水87.5g、触媒としてラネー銅(商品名CDT−60:川研ファインケミカル(株)社製)1.5gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素雰囲気下で165℃に加熱し、実施例3と同様にして、反応を実施した。この時の反応容器圧力は7.7MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ81%と38%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ33/4/63(モル比)であり、合計の収率は39%であった。
実施例8.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物37.5g(0.21モル)、溶媒として水87.5g、触媒としてラネー銅(商品名:CDT−60、川研ファインケミカル社製)1.5gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素雰囲気下で150℃に加熱し、実施例3と同様にして、反応を実施した。この時の反応容器圧力は7.3MPaであった。反応時間は10時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ53%と33%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ33/3/64(モル比)であり、合計の収率は27%であった。
実施例9.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物37.5g(0.21モル)、溶媒として水87.5g、触媒としてラネー銅(商品名:CDT−60、川研ファインケミカル社製)1.5gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素雰囲気下で180℃に加熱し、実施例3と同様にして、反応を実施した。この時の反応容器圧力は8.2MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ98%と79%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ38/4/58(モル比)であり、合計の収率は41%であった。
実施例10.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物21.3g(0.12モル)、溶媒として水103.8g、触媒として亜りん酸(キシダ化学社製、試薬化学用)2.1gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、250℃に加熱した。実施例3と同様にして、反応を実施した。この時の反応容器圧力は3.3MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ100%と99%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ62/31/7(モル比)であり、合計の収率は9%であった。同時に、更に分子内脱水縮合反応が進行した2−ヒドロキシ(メチル)トリエチレンジアミンが4モル%得られた。
実施例11.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物21.3g(0.12モル)、溶媒として水103.8g、触媒として次亜りん酸カルシウム(和光純薬製、試薬化学用)4.4gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、250℃に加熱した。実施例3と同様にして、反応を実施した。この時の反応容器圧力は4.0MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ100%と99%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ55/40/5(モル比)であり、合計の収率は10%であった。同時に、更に分子内脱水縮合反応が進行した2−ヒドロキシ(メチル)トリエチレンジアミンが3モル%得られた。
実施例12.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物18.1g(0.10モル)、溶媒として水88.2g、触媒としてりん酸アルミニウム(キシダ化学製、試薬化学用)1.8gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、250℃に加熱した。実施例3と同様にして、反応を実施した。この時の反応容器圧力は3.2MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率はそれぞれ100%と100%であった。選択率は、DHPP/4−HE−PIPOH/1−HE−PIPOHがそれぞれ59/41/0(モル比)であり、合計の収率は11%であった。同時に、更に分子内脱水縮合反応が進行した2−ヒドロキシ(メチル)トリエチレンジアミンが2モル%得られた。
参考例1. 2−ヒドロキシ(アルキル)トリエチレンジアミン類の合成.
実施例5で得られたDHPP、4−HE−PIPOH、及び1−HE−PIPOHの混合物が含まれる反応液からラネー銅触媒をろ過し除去して、これら混合物の濃度(基質濃度)を17重量%に調製した。この液125gと亜りん酸(キシダ化学社製、試薬化学用)2.1gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、250℃に加熱した。このときの反応容器圧力は3.6MPaであった。反応時間は4時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、DHPP、4−HE−PIPOH、及び1−HE−PIPOHの混合物の転化率は88%であり、分子内脱水縮合反応が進行して、対応する2−ヒドロキシ(メチル)トリエチレンジアミンが15モル%得られた。
参考例2
実施例7と実施例9で得られたDHPPと4−HE−PIPOH、1−HE−PIPOHの混合物が含まれる反応液からラネー銅触媒をろ過し除去して、これら混合物の濃度(基質濃度)を25重量%に調製した。
市販のリン酸アルミニウム(和光純薬工業社製、化学用)20mlを充填した石英管(内径23mm、長さ590mm)を固定床反応器とし、窒素を60ml/minの流量で流しながら320℃に昇温後、水を30ml/hr−1で1時間流通させた。環化反応は、固定床反応器に上記の調製液を、同温度でガス空間速度(GHSV:溶液がガス化した際の供給速度を見かけ触媒体積で除した値)1,616hr−1の流量で流通させて、反応器から留出する溶液をフラスコで受けた。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、DHPP、4−HE−PIPOH、及び1−HE−PIPOHの混合物の転化率は90%であり、分子内脱水縮合反応が進行して、対応する2−ヒドロキシ(メチル)トリエチレンジアミン類が29モル%得られた。
比較例1.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物18.7g(0.11モル)、溶媒として水106.3gを触媒を加えずに200mlオートクレーブに充填し、水素雰囲気下で実施例1と同様にして、反応を実施した。この時の反応容器圧力は8.0MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率は0%であった。
比較例2.
実施例2で得られたAEEA−1PDとAEEA−2PDの混合物18.7g(0.11モル)、溶媒として水106.3g、ラネーニッケル触媒10.0g(乾燥重量5.0g)を200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素加圧した状態で165℃に加熱した。この時の反応容器圧力は8.0MPaであった。反応時間は6時間であった。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、AEEA−1PDとAEEA−2PDの転化率は0%であった。

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005560857
    (式中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは0〜6の整数を表す。)
    で示される化合物と、下記式(2)
    Figure 0005560857
    (式中、R、nは上記と同じ定義である。)
    で示される化合物とを含有することを特徴とするN−((ジヒドロキシアルキル)2−アミノエチル)エタノールアミン類の混合物。
  2. 式(1)で示される化合物に対し、式(2)で示される化合物を、60:40〜40:60(重量比)の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載の混合物。
  3. 下記式
    Figure 0005560857
    (上記式中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは0〜6の整数を表す。)
    で示されるハロゲン化ジオールと、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンとを反応させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の混合物の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の混合物を、酸触媒及び/又はラネー金属触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させて、下記式(4)
    Figure 0005560857
    (式中、Rは水素原子又は直鎖状若しくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜6の整数を表す。)
    で示される化合物、下記式(5)
    Figure 0005560857
    (式中、R、nは上記と同じ定義である。)
    で示される化合物、並びに下記式(6)
    Figure 0005560857
    (式中、R、nは上記と同じ定義である。)
    で示される化合物からなる群より選択される1種又は2種以上の化合物を得ることを特徴とするジ置換ヒドロキシアルキルピペラジン類の製造方法。
  5. ラネー金属触媒が、ラネー銅触媒を含むことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
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