JP5585088B2 - N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法 - Google Patents

N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法 Download PDF

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本発明は医薬・農薬等の中間体、ウレタン発泡触媒、界面活性剤等、種々の用途での利用が期待されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法に関する。さらに詳しくは、ピペラジンとグリセリンとを、リンを含有する酸触媒を用いて反応させることによって、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを工業的に有利な方法で製造する方法に関するものである。
一般に、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを得る製造方法としては、ピペラジンと、エポキシ化合物であるグルシドールとを、不活性溶媒(例えば、メタノール等)中で付加反応する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この製造方法では、N,N’−ジ(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンが多量に副生するため、選択的にN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを得ることは困難であった。また原料として用いるグリシドールが高価であり、且つ工業的に入手が困難であり、実用的な製造方法とはいえなかった。
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの一般的な製造方法として、他には、ピペラジンと3−クロロ−1,2−プロパンジオール類とを、不活性溶媒(例えば、メタノール等)中で反応させる方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、この製造方法では、反応後に生成するアミンの無機塩を水酸化ナトリウム等のアルカリにより中和処理する必要があり、さらに無機ハロゲン化物が副生するといった問題を有しており、その副生塩を除くための脱塩処理設備が必要となることから工業的に好ましいとはいえなかった。
ところで、近年、バイオディーゼルは、大豆油等の植物油や廃食用油中の油脂を塩基触媒存在下、アルコールとのエステル交換することにより、対応するカルボン酸エステルとして製造され、石油代替燃料として利用が広がりつつある。
一方、この製造過程ではグリセリンが副生することが知られており、副生するグリセリンの化学利用として、アミン化合物の原料に有効利用することが望まれている。例えば、ニッケル、銅、コバルト等の金属触媒を用いて、アンモニア等のアミノ化剤により水素雰囲気下でグリセリンをアミノ化する反応が報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、同公報に記載の方法に従い、グリセリンとピペラジンとを直接反応させても、低収率でしか目的物が得られなかった。
国際公開第2009/027248号
Zhunal Prikladnoi Khimii(Sankt−Peterburg,Russian Federation) (1984),57(9),2138頁 Journal of Pharmacy and Pharmacology (1960),12,37頁
本発明は、上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で入手が容易な原料であるグリセリンと、ピペラジンを用いて、簡便で効率良く、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リンを含有する酸触媒の存在下で反応させることにより目的物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法である。
[1]リンを含有する酸触媒の存在下、グリセリンとピペラジンとを反応させることを特徴とする下記式(1)
Figure 0005585088
で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法。
[2]リンを含有する酸触媒が、無機リン化合物、亜リン酸若しくは次亜リン酸の金属塩、及び有機リン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含むことを特徴とする上記[1]に記載のN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法。
[3]リンを含有する酸触媒が、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、及びメチルホスホン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含むことを特徴とする上記[1]に記載のN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法。
[4]リンを含有する酸触媒の使用量が、グリセリンに対して、0.01〜20重量%の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法。
本発明の製造方法によれば、酸触媒の存在下、安価で入手が容易な原料であるグリセリンと、ピペラジンとを反応させることにより、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを簡便で、且つ効率的に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、リンを含有する酸触媒の存在下、グリセリンとピペラジンとを反応させることをその特徴とする。
本発明において、グリセリンとピペラジンとの反応は、例えば、リンを含有する酸触媒とピペラジンとの混合物中にグリセリンを滴下する方法、これとは逆に、リンを含有する酸触媒とグリセリンとの混合物中にピペラジンを添加する方法、ピペラジンとグリセリンとの混合物中にリンを含有する酸触媒を添加する方法、等により行われる。
本発明において、リンを含有する酸触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、無機リン化合物、亜リン酸若しくは次亜リン酸の金属塩、及び有機リン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を用いることが好ましい。
本発明において、無機リン化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸や、ピロリン酸、トリポリリン酸等の縮合リン酸、メタリン酸等が好適なものとして挙げられる。
また、亜リン酸若しくは次亜リン酸の金属塩において、亜リン酸若しくは次亜リン酸と塩を形成する金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、鉛等が好適なものとして挙げられる。
さらに、有機リン化合物としては、例えば、リン酸メチル等のリン酸エステル、リン酸ジメチル等のリン酸ジエステル、リン酸トリフェニル等のリン酸トリエステル、亜リン酸メチル、亜リン酸フェニル等の亜リン酸エステル、亜リン酸ジフェニル等の亜リン酸ジエステル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸トリエステル、フェニルホスホン酸等のアリールホスホン酸、メチルホスホン酸等のアルキルホスホン酸、メチル亜ホスホン酸等のアルキル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等のアリール亜ホスホン酸、ジメチルホスフィン酸等のアルキルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等のアリールホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸等のアルキルアリールホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸等のアルキル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等のアリール亜ホスフィン酸、フェニルメチル亜ホスフィン酸等のアルキルアリール亜ホスフィン酸、ラウリルアシッドホスフェイト、トリデシルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト等の酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルの塩類等が好適なものとして挙げられる。
本発明においては、これらより選ばれる1種又は2種以上の化合物を用いることができる。また、これらのリンを含有する化合物のうち、特に好ましくは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸である。
本発明の製造方法において、リンを含有する酸触媒の使用量は、原料であるグリセリンに対して、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜15重量%の範囲である。かかる範囲の使用量が高収率で目的物を得るのに好適である。リンを含有する酸触媒の使用量が、原料であるグリセリンに対して、0.01重量%よりも少ない場合でも反応は進行するが、反応が著しく遅くなったり、経済的に不利となったりするおそれがある。また、リンを含有する酸触媒の使用量が、原料であるグリセリンに対して、20重量%を超えた場合、副反応を促進することとなり、反応選択率が低下して収率が低下するおそれがある。
本発明において、グリセリンとピペラジンとのモル比([グリセリン]:[ピペラジン])は、1:0.1〜50の範囲とすることが好ましく、1:1〜20の範囲とすることがさらに好ましい。
グリセリン1モルに対して、ピペラジンが0.1モル未満であると、酸触媒の存在下、グリセリン同士が分子間で縮合反応した高分子量化合物が多量に副生するおそれがある。
また、グリセリン1モルに対して、ピペラジンが50モルを超えると、ピペラジンが未反応として残存し、酸触媒の存在下で未反応のピペラジンが更に反応生成物である、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンと脱水反応を起こし、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの収率や、選択性が低下するおそれがある。また、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを抽出、濃縮等で分離精製する際の操作が煩雑になるおそれがある。
本発明において、反応は気相で行っても液相で行っても良い。また、反応は懸濁床による回分、半回分、連続式でも、また固定床流通式でも実施できるが、工業的には固定床流通式が操作、装置、経済性の面から有利である。
本発明においては、希釈剤として、窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、炭化水素等の不活性ガスや、不活性な炭化水素等の不活性溶媒を用いて、原料であるピペラジンと、グリセリンとを希釈して反応を進行させることも可能である。これらの希釈剤は任意の量で使用でき、特に限定するものではないが、原料であるピペラジンとグリセリンとの合計量と希釈剤のモル比([ピペラジンとグリセリンとの合計量]/[希釈剤])は0.01〜1の範囲とすることが好ましく、0.05〜0.5の範囲とすることがさらに好ましい。モル比を0.01以上とすると、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの生産性が向上し、また、モル比を1以下とすると、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの選択性が向上する。
本発明において、希釈剤を用いる場合は、原料であるピペラジン、及び/又はグリセリンと同時に反応器内に導入してもよいし、予め原料であるピペラジン、及び/又はグリセリンを希釈剤に溶解させた後に、原料溶液として反応器に導入してもよい。
本発明において、反応が気相で行われる場合、通常は、窒素ガス、アルゴンガス等の反応に不活性なガスの共存下で行われる。かかるガスの使用量は上記式(1)で示されるピペラジン1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルの範囲である。
本発明における反応温度は、通常200〜500℃、好ましくは250〜400℃である。500℃以下とすることで、生成物の分解が抑制されるため、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの選択性が向上し、200℃以上とすることで十分な反応速度が得られる。
本発明においては、反応が気相で行われる場合、反応終了後、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを含有する反応混合ガスを、水又は酸性水溶液に通じて溶解させ、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを含有する反応混合液を得る。そして、得られた反応混合液から、抽出、濃縮等の所望の分離精製操作により、上記式(1)で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンを得ることができる。また、ハロゲン化水素酸を用いて、ハロゲン化水素酸塩として得ることもできる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
なお、本実施例における生成物の選択率、及び純度は、ガスクロマトグラフィーで確認した。ここで、ガスクロマトグラフィーは、分析装置(島津製作所製、製品名:GC−2014)、キャピラリーカラム(J&W Scientific社製 DB−1)、検出器(FID)を用い、50℃から300℃まで10℃/分で昇温して行った。
また、化合物のH−NMR、及び13C−NMRの測定には、Varian社製、製品名:Gemini−200を使用した。
実施例1.
グリセリン(キシダ化学社製、試薬特級)58.8g(0.64モル)、ピペラジン(東京化成工業社製、試薬特級)55.0g(0.64モル)、酸触媒として85%−リン酸(キシダ化学社製、試薬特級)0.69gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、280℃に加熱し、280℃で2時間保持した。
反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの選択率は36.5%であった。
さらに未反応のピペラジンと、グリセリンとを減圧濃縮して留去した後、減圧蒸留したところ、沸点150〜152℃/40Paでの留出物23.4g(収率22.8%)を得た。
得られた留出物は、ガスクロマトグラフィーでの分析で純度98.8%であり、H−NMR、及び13C−NMRからN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンであることが確認できた。
H−NMR(CDOD、200MHz)
δ:3.80ppm(m、1H)、3.50ppm(m、2H)、3.30ppm(m、1H)、2.84ppm(m、4H)、2.54〜2.39ppm(m、6H).
13C−NMR(CDOD、200MHz)
δ:69.67ppm(CH)、66.30ppm(CH)、63.23ppm(CH)、55.52ppm(CH)、46.27ppm(CH
実施例1の結果を表1に示す。
Figure 0005585088
実施例2.
グリセリン26.7g(0.29モル)、ピペラジン75.0g(0.87モル)、酸触媒として85%−リン酸0.30gを200mlオートクレーブに充填し、実施例1と同様に反応を行った。実施例2の結果を表1に併せて示す。
実施例3.
グリセリン8.0g(0.09モル)、ピペラジン75.0g(0.87モル)、酸触媒として85%−リン酸0.09gを200mlオートクレーブに充填し、実施例1と同様に反応を行った。実施例3の結果を表1に併せて示す。
実施例4.
グリセリン8.0g(0.09モル)、ピペラジン75.0g(0.87モル)、酸触媒として85%−リン酸0.03gを200mlオートクレーブに充填し、実施例1と同様に反応を行った。実施例4の結果を表1に併せて示す。
実施例5.
実施例3で85%−リン酸を使用した代わりに亜リン酸(キシダ化学社製、試薬特級)0.08gを使用した以外は全て実施例3と同様に反応を行った。実施例5の結果を表1に併せて示す。
実施例6.
実施例3で85%−リン酸を使用した代わりに31%−次亜リン酸(和光純薬工業社製、試薬一級)0.26gを使用した以外は全て実施例3と同様に反応を行った。実施例6の結果を表1に併せて示す。
実施例7.
実施例3で85%−リン酸を使用した代わりに次亜リン酸カルシウム(和光純薬工業社製、試薬化学品)0.40gを使用した以外は全て実施例3と同様に反応を行った。実施例7の結果を表1に併せて示す。
実施例8.
実施例3で85%−リン酸を使用した代わりにフェニルホスホン酸(和光純薬工業社製、試薬化学品)0.08gを使用した以外は全て実施例3と同様に反応を行った。実施例8の結果を表1に併せて示す。
比較例1.
グリセリン8.0g(0.09モル)、ピペラジン75.0g(0.87モル)、触媒を添加せずに、200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、280℃に加熱し、280℃で2時間保持した。
反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンは検出されなかった。比較例1の結果を表1に併せて示す。
比較例2.
グリセリン8.0g(0.09モル)、ピペラジン75.0g(0.87モル)、酸触媒として、SiO/Al比が40のH−ZSM−5ゼオライト(プロトン交換型ZSM−5)0.40gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、280℃に加熱し、280℃で2時間保持した。
反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンは検出されなかった。比較例2の結果を表1に併せて示す。
比較例3.
特許文献1に従って、グリセリンを、金属触媒存在下、水素雰囲気下でアミノ化する反応を行った。すなわち、グリセリン16.0g(0.17モル)、ピペラジン15.0g(0.17モル)、金属触媒としてラネーニッケル触媒1.5g(乾燥重量0.75g、Degussa社製、Type−B 111W)、溶媒として水85.0gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素加圧した状態で200℃に加熱し、200℃で2時間保持した。この時の反応容器圧力は2.0MPaであった。
反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの選択率は2.4%と低かった。
さらに溶媒の水、未反応のピペラジンと、グリセリンとを減圧濃縮して留去した後、減圧蒸留したところ、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンが0.2g(収率0.7%)しか得られなかった。比較例3の結果を表1に併せて示す。
比較例4.
比較例3と同様に、比較例3でラネーニッケル触媒を使用した代わりにラネー銅触媒1.5g(乾燥重量0.75g、川研ファインケミカル社製、CDT−60)、溶媒として水85.0gを200mlオートクレーブに充填し、窒素パージ後、水素加圧した状態で200℃に加熱し、200℃で2時間保持した。この時の反応容器圧力は2.4MPaであった。
反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの選択率は8.8%と低かった。
さらに溶媒の水、未反応のピペラジンと、グリセリンとを減圧濃縮して留去した後、減圧蒸留したところ、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンが0.3g(収率1.%)しか得られなかった。比較例4の結果を表1に併せて示す。

Claims (2)

  1. リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、及びメチルホスホン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する酸触媒の存在下、グリセリンとピペラジンとを反応させることを特徴とする下記式(1)
    Figure 0005585088

    で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法。
  2. リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、及びメチルホスホン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する酸触媒の使用量が、グリセリンに対して、0.01〜20重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載のN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの製造方法。
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