JP5560705B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば携帯電話等に搭載されるカメラ用レンズを駆動するレンズ駆動装置に関する。
この種の分野の技術として、例えば特許文献1に記載のレンズ駆動装置がある。この従来のレンズ駆動装置は、レンズを保持すると共に被摩擦部材を側面に有するレンズホルダと、レンズホルダを光軸方向に移動可能に支持する案内部を備えるベースと、被摩擦部材に接する摩擦部材を有し、レンズホルダに光軸方向の駆動力を与える圧電アクチュエータと、被摩擦部材と摩擦部材との接触状態を維持するように圧電アクチュエータをレンズホルダ側に押圧する押圧部材とを備えて構成されている。
また、上記特許文献1には、案内部である2本のシャフトを通す切欠部及び挿通孔がレンズホルダに設けられた構成が開示されている(図5参照)。この構成では、切欠部及び挿通孔が押圧部材の押圧方向に延びており、押圧部材によって押圧されたレンズホルダが、挿通孔の内壁に設けられた突起部に線接触した状態となっている。
特開2008−40076号公報
しかしながら、上述した従来のレンズ駆動装置では、レンズホルダとシャフトとの間の摩擦を小さくすることは可能なものの、切欠部及び挿通孔がいずれも押圧方向と同一方向に延びているので、レンズホルダの姿勢を保持する作用が不十分となり易い。このため、このレンズ駆動装置では、圧電アクチュエータによってレンズホルダを光軸方向に駆動させる際のガタツキが生じ易いという問題があった。一方、レンズホルダの姿勢を保持させるために複雑な構成を採用すると、部品点数が増加し、装置の小型化及び低コスト化を妨げるおそれがあった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、部品点数を抑えつつ、圧電アクチュエータによってレンズホルダを光軸方向に駆動させる際の摩擦とガタツキの双方を低減できるレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係るレンズ駆動装置は、レンズを保持可能な貫通孔を有するレンズホルダと、レンズホルダをレンズの光軸方向に移動可能に、かつ軸周りに回動可能に支持する断面真円形の第1のシャフトと、レンズホルダを挟んで第1のシャフトに対向する位置で第1のシャフトと略平行に配置された断面真円形の第2のシャフトと、レンズホルダの側面に当接して配置され、レンズホルダを光軸方向に沿って移動させる圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータをレンズホルダの側面に対して押圧する押圧部材と、を備え、レンズホルダには、第2のシャフトが通る挿通孔又は切欠溝が設けられ、挿通孔又は切欠溝の断面形状は、第2のシャフトの直径と略等幅で第1のシャフトの位置と第2のシャフトの位置とを結ぶ第1の方向に延びており、押圧部材は、第1の方向に交差する第2の方向に圧電アクチュエータを介してレンズホルダを押圧していることを特徴としている。
このレンズ駆動装置では、断面真円形の第1のシャフトによってレンズホルダが光軸方向に移動可能に、かつ軸周りに回動可能に支持されており、レンズホルダの傾きが規制されている。また、レンズ駆動装置では、断面真円形の第2のシャフトが通る挿通孔又は切欠溝の断面形状が、第1のシャフトの位置と第2のシャフトの位置とを結ぶ第1の方向に沿って延びている。これにより、プレート部材が第1の方向に交差する第2の方向に沿って圧電アクチュエータを介してレンズホルダを押圧した状態において、第2のシャフトの周面が挿通孔又は切欠溝を形成する内壁面に当接し、摩擦を抑えた状態でレンズホルダの回動を規制できる。このレンズ駆動装置では、第2のシャフトが通る挿通孔の断面形状が第1の方向に延びているという簡単な構成を採用しているので、部品点数の増加も避けることができ、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。
また、第1のシャフト及び第2のシャフトが立設された矩形のベース部を更に備え、第1のシャフト及び第2のシャフトは、ベース部において対角線上で対向する隅部に対応してそれぞれ配置されていることが好ましい。この場合、レンズホルダにおいて、挿通孔又は切欠溝を形成する領域を十分に確保できる。
また、圧電アクチュエータは、ベース部の辺のうち、第1のシャフトが配置された隅部を画成する2つの辺のいずれか一方の辺に対応して配置されていることが好ましい。この場合、押圧部材によって圧電アクチュエータを介してレンズホルダを好適に押圧できる。また、ベース部において第1のシャフト及び第2のシャフトが配置されていない領域を利用することにより、装置の小型化が図られる。
また、ベース部の隅部には、第1のシャフト及び第2のシャフトよりも外側の位置に支柱が設けられ、圧電アクチュエータは、支柱間に架け渡された弾性部材に固定された状態で、レンズホルダの側面に当接していることが好ましい。この構成では、レンズホルダからの押圧を受ける圧電アクチュエータが弾性部材によって支持されることで弾性部材に一定の変形が生じ、レンズホルダ側に向かう方向の反力が圧電アクチュエータに作用する。これにより、圧電アクチュエータとレンズホルダの側面との当接状態がより確実に維持される。
本発明によれば、部品点数を抑えつつ、圧電アクチュエータによってレンズホルダを光軸方向に駆動させる際の摩擦とガタツキの双方を抑制できる。
本発明の第1実施形態に係るレンズ駆動装置を示す斜視図である。 図1に示したレンズ駆動装置の分解斜視図である。 図1に示したレンズ駆動装置をカバー部を取り除いた状態で示す斜視図である。 図3の平面図である。 図1に示したレンズ駆動装置における圧電アクチュエータユニットの正面図である。 圧電アクチュエータの駆動時の様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレンズ駆動装置を示す斜視図である。 図7に示したレンズ駆動装置の分解斜視図である。 図7に示したレンズ駆動装置をカバー部を取り除いた状態で示す斜視図である。 図9の平面図である。 図7に示したレンズ駆動装置における圧電アクチュエータユニットの正面図である。 変形例に係る第2の張出部を示す要部拡大図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るレンズ駆動装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るレンズ駆動装置を示す斜視図である。また、図2は、その分解斜視図であり、図3は、図1に示したレンズ駆動装置をカバー部を取り除いて示す斜視図である。さらに、図4は、図3の平面図である。図1〜図4に示すレンズ駆動装置1Aは、例えば携帯電話等に搭載されるカメラ用レンズを駆動する装置であり、ベース部2と、カバー部3と、レンズホルダ4と、圧電アクチュエータユニット5Aとを備えて構成されている。
ベース部2は、例えばガラスファイバや無機質等のフィラーを含んだ液晶ポリマーによって形成され、扁平な略直方体形状をなしている。ベース部2の一面側には、図2及び図3に示すように、一方の対角線上で対向する隅部2b,2bに対応して磁性体からなる断面真円形の第1のシャフト11及び第2のシャフト12が立設されている。また、ベース部2の一面側において、第1のシャフト11及び第2のシャフト12の周りには、四隅に対応して4つの支柱13が立設されている。
カバー部3は、例えばSPCC(冷間圧延鋼)によって形成され、一面側が開口した中空の略直方体形状をなしている。カバー部3の表面の中央部分には、図1及び図2に示すように、レンズホルダ4に取付けられるレンズ(不図示)を露出させる円形の開口部3aが形成されている。また、開口部3aの周りには、第1のシャフト11、第2のシャフト12、及び支柱13の位置に対応して、円形の開口部3bがそれぞれ形成されている。カバー部3は、図1に示すように、第1のシャフト11の先端部11a、第2のシャフト12の先端部12a、及び支柱13の先端部13aを開口部3bにそれぞれ通した状態で、例えば熱カシメによってベース部2に固定されている。
レンズホルダ4は、例えばカーボンファイバを含んだ液晶ポリマーによって形成され、断面略八角形の筒状をなしている。レンズホルダ4の中央部分には、図2及び図3に示すように、レンズを保持可能な貫通孔4aが形成されている。また、レンズホルダ4の側面には、図4に示すように、レンズホルダ4の高さと同程度で外側に向かって張り出す第1の張出部16が形成され、第1の張出部16には、第1のシャフト11に対応する挿通孔16aが形成されている。
挿通孔16aの断面形状は、第1のシャフト11の断面形状に対応した真円形となっており、レンズホルダ4は、第1の張出部16の挿通孔16aに第1のシャフト11を通すことにより、第1のシャフト11の軸方向(レンズの光軸方向)に移動可能、かつ第1のシャフト11周りに回動可能に支持されている。この第1のシャフト11により、レンズホルダ4の傾きが規制される。
また、レンズホルダ4の側面において、第1の張出部16に対向する位置には、レンズホルダ4におけるベース部2寄りの部分から外側に向かって張り出す第2の張出部17が形成されている。第2の張出部17には、第2のシャフト12に対応する挿通孔17aが形成されている。挿通孔17aの断面形状は略楕円状となっており、図4に示すように、第2のシャフト12の直径と略等幅で第1のシャフト11の位置と第2のシャフト12の位置とを結ぶ第1の方向L1に沿って延びている。第2のシャフト12は、挿通孔17aの略中央部分に通されており、第2のシャフト12の周面は、挿通孔17aを形成する内壁面に当接した状態となっている。これにより、第1のシャフト11によって許容されるレンズホルダ4の移動のうち、第1のシャフト11回りの回動が規制される。
一方、図5に示すように、圧電アクチュエータユニット5Aは、圧電アクチュエータ21と、プレート部材(押圧部材)22と、フレキシブルプリント基板26とによって構成されている。圧電アクチュエータユニット5Aは、第1のシャフト11に近接配置されている支柱13(以下「支柱13A」と称す)と、第1のシャフト11及び第2のシャフト12のいずれにも近接していない2つの支柱13のうちの一方の支柱13(以下「支柱13B」と称す)との間に配置されている(図3参照)。
圧電アクチュエータ21は、印加された電圧値に応じて伸縮する複数の圧電素子を有している。圧電アクチュエータ21の一面側には、圧電素子の配列方向に沿って例えば半円筒状のバンプ21aが複数設けられており、他面側には、圧電素子の伸縮が生じない位置(ノードポイント)に対応して、外部電極23A、外部電極23B、及び接地電極24が設けられている。
この圧電アクチュエータ21では、圧電素子が配列方向に振動する縦振動モードと、厚さ方向に振動する曲げ振動モードの重ね合わせによって駆動時の伸縮がなされる。図6は、圧電アクチュエータ21の駆動時の様子を示した図であり、外部電極23A,23Bと接地電極24との間に所定の電圧が印加されると、図6(a)及び図6(b)に示すように、圧電アクチュエータ21のバンプ21aがレンズホルダ4を光軸方向に沿って駆動させる。
同図に示す例では、圧電素子の境界部分と、圧電アクチュエータ21の配列(光軸)方向の長さをLとした場合に圧電アクチュエータの端部から1/6L程度内側となる位置とに、3箇所のノードポイントN1,N2,N3が存在している。なお、ノードポイントN1は、圧電素子の配列方向にも厚さ方向にも変位せず、ノードポイントN2,N3は、圧電素子の配列方向には変位するが厚さ方向には変位しないようになっている。
外部電極23A及び外部電極23Bは、例えば矩形状をなし、中央のノードポイントN1に対応するように互いに離間して設けられている。また、接地電極24は、中央のノードポイントN1の一方側にあるノードポイントN2から、中央のノードポイントN1の他方側にあるノードポイントN3にかけて帯状に形成されている。
プレート部材22は、例えば板バネのような弾性部材によって略長方形状に形成され、圧電アクチュエータ21を固定する固定部材としての機能と、圧電アクチュエータ21をレンズホルダ4の側面に向けて押圧する押圧部材としての機能を兼ね備えている。より具体的には、プレート部材22は、支柱13に固定される枠部22aと、圧電アクチュエータ21が固定される支持部22bと、枠部22aと支持部22bとを連結する一対の連結部22c,22cとを有している。
枠部22aの両端部は、例えば接着によって支柱13Aと支柱13Bとにそれぞれ固定され、これにより、プレート部材22は、支柱13Aと支柱13Bとの間に架け渡されている。支持部22bは、プレート部材22の略中央部分において、支柱13Aと支柱13Bとを結ぶ方向に帯状に延びている。支持部22bの幅は、例えば0.2mm〜0.3mm程度となっている。
また、連結部22cは、枠部22aの両端部から所定の間隔をもって互いに略平行に支持部22b側に突出する第1の部分28a,28aと、第1の部分28a,28aの先端部分同士を繋ぐ第2の部分28bとを有している。そして、一方の連結部22cにおける第2の部分28bの中間部分と他方の連結部22cにおける第2の部分28bの中間部分とは、支持部22bによって連結されている。
フレキシブルプリント基板26は、圧電アクチュエータ21の外部電極23A、外部電極23B、及び接地電極24にハンダで接続される配線部26aと、配線部26aから延びる外部端子26bとを有している。配線部26aは、例えば接着によって支持部22bに固定されている。外部端子26bは、ベース部2とカバー部3との間の開口部27を通して外部に引き出されている。
以上の構成を有する圧電アクチュエータユニット5Aでは、バンプ21aがレンズホルダ4の側面に当接した状態で、フレキシブルプリント基板26を介して圧電アクチュエータ21がプレート部材22に固定されている。これにより、圧電アクチュエータ21に所定の電圧が印加されると、圧電素子の伸縮によってバンプ21aが光軸方向に振動し、レンズホルダ4が光軸方向に沿って所定の距離だけ移動するようになっている。
また、圧電アクチュエータ21は、レンズホルダ4に当接することにより、レンズホルダ4の側面によってプレート部材22側に押圧される。このとき、弾性部材で形成されているプレート部材22の連結部22c,22cが弾性変形し、図3及び図4に示すように、圧電アクチュエータ21は、プレート部材22の法線方向に沿って枠部22a,22aの外側にわずかに押し出された状態となる。これにより、圧電アクチュエータ21には、第1の方向L1に交差する第2の方向L2に沿ってレンズホルダ4側に向かう反力が作用し、圧電アクチュエータ21のバンプ21aとレンズホルダ4の側面との当接状態が維持される。
また、プレート部材22が圧電アクチュエータ21を介してレンズホルダ4を押圧することで、第2のシャフト12の周面が挿通孔17aを形成する内壁面にしっかりと当接し、レンズホルダ4における第1のシャフト11回りの回動がより確実に規制される。なお、上述した圧電アクチュエータユニット5Aにおいて、圧電アクチュエータ21の中央のノードポイントN1の位置と支持部22bの位置とが一致していることが好ましい。こうすると、支持部22bによって圧電アクチュエータ21の動きが阻害されてしまうことを抑制できる。
また、レンズホルダ4を樹脂によって形成する場合には、カーボンファイバをフィラーとして樹脂に含有させておくことが好ましい。この場合、バンプ21aの振動の減衰が抑えられ、レンズホルダ4の移動効率を十分に確保できる。また、レンズホルダ4の軽量化及び耐磨耗性の向上が図られるほか、レンズホルダ4に導電性が付与されることにより、塵の付着を防止できる。
以上説明したように、レンズ駆動装置1Aでは、断面真円形の第1のシャフト11が通る挿通孔16aの断面形状が断面真円形となっており、レンズホルダ4の傾きが規制されている。また、レンズ駆動装置1Aでは、断面真円形の第2のシャフト12が通る挿通孔17aの断面形状が、第1のシャフト11の位置と第2のシャフト12の位置とを結ぶ第1の方向L1に沿って延びている。
これにより、プレート部材22が第1の方向L1に交差する第2の方向L2に圧電アクチュエータ21を介してレンズホルダ4を押圧した状態において、第2のシャフト12の周面が挿通孔17aを形成する内壁面に当接し、摩擦を抑えた状態でレンズホルダ4の回動を規制できる。このレンズ駆動装置1Aでは、第2のシャフト12が通る挿通孔17aの断面形状が第1の方向L1に延びているという簡単な構成を採用しているので、部品点数の増加も避けることができ、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。
また、レンズ駆動装置1Aでは、第1のシャフト11及び第2のシャフト12が立設された矩形のベース部2が設けられ、第1のシャフト11及び第2のシャフト12は、ベース部2において一方の対角線上で対向する隅部2b,2bに対応してそれぞれ配置されている。これにより、レンズホルダ4において挿通孔17aを形成する領域を十分に確保できるので、挿通孔17aが第1の方向L1に延びていても、装置の小型化を担保できる。
また、レンズ駆動装置1Aでは、ベース部2の隅部2bにおいて、第1のシャフト11及び第2のシャフト12よりも外側の位置に支柱13が設けられ、圧電アクチュエータ21は、支柱13,13間に架け渡されたプレート部材22に固定された状態で、レンズホルダ4の側面に当接している。この構成では、レンズホルダ4からの押圧を受ける圧電アクチュエータ21がプレート部材22によって支持されることでプレート部材22に一定の変形が生じ、第2の方向L2に沿ってレンズホルダ4側に向かう反力が圧電アクチュエータ21に作用する。これにより、圧電アクチュエータ21とレンズホルダ4の側面との当接状態がより確実に維持される。
さらに、レンズ駆動装置1Aでは、圧電アクチュエータ21が固定されたプレート部材22が、第1のシャフト11に近接配置されている支柱13Aと、第1のシャフト11及び第2のシャフト12のいずれにも近接していない2つの支柱13のうちの一方の支柱13Bとの間に架け渡されており、これにより、圧電アクチュエータ21が、ベース部2の辺のうち、第1のシャフト11が配置された隅部2bを画成する2つの辺の一方に対応して配置されている。このような構成により、プレート部材22によって圧電アクチュエータ21を介してレンズホルダ4を好適に押圧できる。また、ベース部2において第1のシャフト11及び第2のシャフト12が配置されていない領域を利用することにより、装置の一層の小型化が図られる。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係るレンズ駆動装置を示す斜視図である。また、図8は、その分解斜視図であり、図9は、図7に示したレンズ駆動装置をカバー部を取り除いて示す斜視図である。さらに、図10は、図9の平面図であり、図11は、図7に示したレンズ駆動装置における圧電アクチュエータユニットの正面図である。
図7〜図11に示すように、第2実施形態に係るレンズ駆動装置1Bは、圧電アクチュエータユニット5Bにおいて、フレキシブルプリント基板26が設けられておらず、プレート部材30の構成がプレート部材22と異なっていることで、圧電アクチュエータ21の外部電極23A,23B及び接地電極24に接続される配線部材としての機能を更に兼ね備えている点で第1実施形態と異なっている。
より具体的には、プレート部材30は、図11に示すように、圧電アクチュエータ21の接地電極24の一方端に接続される第1の配線31と、接地電極24の他方端に接続される第2の配線32と、外部電極23Aに接続される第3の配線33と、外部電極23Bに接続される第4の配線34とを有し、全体として略長方形の板状をなしている。
第1の配線31は、支柱13A及び支柱13Bに沿って延びる枠部31a,31aと、圧電アクチュエータ21よりも支柱13A及び支柱13Bの先端側となる位置で支柱13Aと支柱13Bとの間に延びる枠部31bと、枠部31bと接地電極24の一方端とを繋ぐ配線部31cとを有している。配線部31cは、接地電極24の一方端に固定される接続部31dと、圧電アクチュエータ21の両側で枠部31bに接続される端部31e,31eと、接続部31dの両端から端部31e,31eに延びる連結部31f,31fとを有している。
第2の配線32は、圧電アクチュエータ21よりも支柱13A及び支柱13Bの基端側となる位置で支柱13Aと支柱13Bとの間に延びる枠部32aと、枠部32aと接地電極24の他方端とを繋ぐ配線部32bと、枠部32aの略中央からベース部2側に延びる枠部32cとを有している。配線部32bは、接地電極24の他方端に固定される接続部32dと、圧電アクチュエータ21の両側で枠部32aに接続される端部32e,32eと、接続部32dの両端から端部32e,32eに延びる連結部32f,32fとを有している。第2の配線32の配線部32bは、接地電極24に沿って延びる連結部35により、第1の配線31の配線部31cと繋がった状態となっている。
また、第3の配線33は、第1の配線31の枠部31aよりも内側で支柱13Bに沿って延びる枠部33aと、外部電極23Aに固定される接続部33bと、枠部33aと接続部33bとを繋ぐ連結部33cとを有している。第4の配線34は、第1の配線32の枠部31aよりも内側で支柱13Aに沿って延びる枠部34aと、外部電極23Bに固定される接続部34bと、枠部34aと接続部34bとを繋ぐ連結部34cとを有している。
このような構成を有するプレート部材30は、第1の配線31の枠部31a,31aが支柱13A及び支柱13Bの内側に接着されることにより、圧電アクチュエータ21のバンプ21aがレンズホルダ4の側面に当接した状態で、支柱Aと支柱Bとの間に架け渡されて固定されている。圧電アクチュエータ21は、レンズホルダ4に当接することにより、レンズホルダ4の側面によってプレート部材30側に押圧される。
このとき、弾性部材で形成されている第1の配線31の連結部31f,31f、第2の配線32の連結部32f,32f、第3の配線33の連結部33c、及び第4の配線34の連結部34cがそれぞれ弾性変形し、圧電アクチュエータ21は、プレート部材30の法線方向に沿って、枠部31a,31b,32a,33aの外側にわずかに押し出された状態となる。これにより、圧電アクチュエータ21には、第1の方向L1に交差する第2の方向L2に沿ってレンズホルダ4側に向かう反力が作用し、圧電アクチュエータ21のバンプ21aとレンズホルダ4の側面との当接状態が維持される(図10参照)。
なお、図11に示すように、第1の配線31の連結部31f,31f、及び第2の配線32の連結部32f,32fは、複数回にわたって略直角に折れ曲がっている。これにより、第1の配線31の連結部31f,31f、及び第2の配線32の連結部32f,32fの長さが確保され、圧電アクチュエータ21がレンズホルダ4の側面を押圧するための所定のバネ定数が得られる。
また、圧電アクチュエータ21のノードポイントN1において、外部電極23Aと接続部33bとの固定、外部電極23Bと接続部34bとの固定、及び接地電極24と連結部35との固定には、例えばハンダが用いられる。そして、圧電アクチュエータ21のノードポイントN2,N3において、圧電素子の素体部分と接続部31dとの固定、及び圧電素子の素体部分と接続部32dとの固定には、例えばシリコーン接着剤が用いられる。
これにより、圧電素子の配列方向にも厚さ方向にも変位しないノードポイントN1で圧電アクチュエータ21とプレート部材30とが強固に固定され、圧電素子の配列方向には変位するが厚さ方向には変位しないノードポイントN2,N3で圧電アクチュエータ21とプレート部材30とがフレキシブルに固定されるので、プレート部材30に対する圧電アクチュエータ21の姿勢を安定させることが可能となる。
また、第1の配線31の枠部31a,31aの端部31g,31g、第2の配線32の枠部32cの端部32g、第3の配線33の枠部33aの端部33g、第4の配線34の枠部34aの端部34gは、ベース部2に設けられた挿通孔2a(図8参照)を通ってベース部2の底面側に引き出されている。各端部31g,31g,32g,33g,34gは、圧電アクチュエータ21の外部端子として機能する。
これらの外部端子は、ベース部2の底面側に引き出される部分を互いに連結した形で作製し、ベース部2と共にインサート成形した後、連結部分をカットすることによって形成することが好ましい。また、連結部分を形成しない場合には、ベース部2の挿通孔2aに各端部31g,31g,32g,33g,34gをそれぞれ通して外部端子とすることもできる。
以上のようなレンズ駆動装置1Bにおいても、断面真円形の第1のシャフト11が通る挿通孔16aの断面形状が断面真円形となっており、レンズホルダ4の傾きが規制されている。また、断面真円形の第2のシャフト12が通る挿通孔17aの断面形状が、第1のシャフト11の位置と第2のシャフト12の位置とを結ぶ第1の方向L1に沿って延びている。
これにより、プレート部材30が第1の方向L1に交差する第2の方向L2に圧電アクチュエータ21を介してレンズホルダ4を押圧した状態において、第2のシャフト12の周面が挿通孔17aを形成する内壁面に当接し、摩擦を抑えた状態でレンズホルダ4の回動を規制できる。このレンズ駆動装置1Bにおいても、第2のシャフト12が通る挿通孔17aの断面形状が第1の方向L1に延びているという簡単な構成を採用しているので、部品点数の増加も避けることができ、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。
また、レンズ駆動装置1Bでは、第1のシャフト11及び第2のシャフト12が立設された矩形のベース部2が設けられ、第1のシャフト11及び第2のシャフト12は、ベース部2において一方の対角線上で対向する隅部2b,2bに対応してそれぞれ配置されている。これにより、レンズホルダ4において挿通孔17aを形成する領域を十分に確保できるので、挿通孔17aが第1の方向L1に延びていても、装置の小型化を担保できる。
また、レンズ駆動装置1Bでは、ベース部2の隅部2bにおいて、第1のシャフト11及び第2のシャフト12よりも外側の位置に支柱13が設けられ、圧電アクチュエータ21は、支柱13,13間に架け渡されたプレート部材30に固定された状態で、レンズホルダ4の側面に当接している。この構成では、レンズホルダ4からの押圧を受ける圧電アクチュエータ21がプレート部材30によって支持されることでプレート部材30に一定の変形が生じ、第2の方向L2に沿ってレンズホルダ4側に向かう反力が圧電アクチュエータ21に作用する。これにより、圧電アクチュエータ21とレンズホルダ4の側面との当接状態がより確実に維持される。
さらに、レンズ駆動装置1Bでは、圧電アクチュエータ21が固定されたプレート部材30が、第1のシャフト11に近接配置されている支柱13Aと、第1のシャフト11及び第2のシャフト12のいずれにも近接していない2つの支柱13のうちの一方の支柱13Bとの間に架け渡されており、これにより、圧電アクチュエータ21が、ベース部2の辺のうち、第1のシャフト11が配置された隅部2bを画成する2つの辺の一方に対応して配置されている。このような構成により、プレート部材30によって圧電アクチュエータ21を介してレンズホルダ4を好適に押圧できる。また、ベース部2において第1のシャフト11及び第2のシャフト12が配置されていない領域を利用することにより、装置の一層の小型化が図られる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、第1の方向L1に沿って延びる挿通孔17aをレンズホルダ4の第2の張出部17に設けているが、挿通孔17aに代えて、例えば図12に示すように、断面形状が第1の方向L1に沿って延びる切欠溝17bをレンズホルダ4の第2の張出部17に設けてもよい。このような形態であっても、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
1A,1B…レンズ駆動装置、2…ベース部、2b…隅部、4…レンズホルダ、4a…貫通孔、11…第1のシャフト、12…第2のシャフト、13A,13B…支柱、17a…挿通孔、17b…切欠溝、21…圧電アクチュエータ、22,30…プレート部材(押圧部材)、L1…第1の方向、L2…第2の方向。

Claims (4)

  1. レンズを保持可能な貫通孔を有するレンズホルダと、
    前記レンズホルダを前記レンズの光軸方向に移動可能に、かつ軸周りに回動可能に支持する断面真円形の第1のシャフトと、
    前記レンズホルダを挟んで前記第1のシャフトに対向する位置で前記第1のシャフトと略平行に配置された断面真円形の第2のシャフトと、
    前記レンズホルダの側面に当接して配置され、前記レンズホルダを前記光軸方向に沿って移動させる圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータを前記レンズホルダの側面に対して押圧する押圧部材と、を備え、
    前記レンズホルダには、前記第2のシャフトが通る挿通孔又は切欠溝が設けられ、
    前記挿通孔又は前記切欠溝の断面形状は、前記第2のシャフトの直径と略等幅で前記第1のシャフトの位置と前記第2のシャフトの位置とを結ぶ第1の方向に延びており、
    前記押圧部材は、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの間の位置で、前記第1の方向に交差する第2の方向に前記圧電アクチュエータを介して前記レンズホルダを押圧していることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトが立設された矩形のベース部を更に備え、
    前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトは、前記ベース部において対角線上で対向する隅部に対応してそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記圧電アクチュエータは、前記ベース部の辺のうち、前記第1のシャフトが配置された隅部を画成する2つの辺のいずれか一方の辺に対応して配置されていることを特徴とする請求項2記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記ベース部の隅部には、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトよりも外側の位置に支柱が設けられ、
    前記圧電アクチュエータは、前記支柱間に架け渡された弾性部材に固定された状態で、前記レンズホルダの前記側面に当接していることを特徴とする請求項2又は3記載のレンズ駆動装置。
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