JP5560659B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
しかし、このような印刷装置において、背景用インク(例えば白インク)を用いて背景画像を印刷する場合、背景用インクを常に同一条件で仮硬化すると画質が劣化するおそれがあった。
そこで、本発明は、画質の改善を図ることを目的とする。
このような印刷装置によれば、画質の改善を図ることができる。
このような印刷装置によれば、カートリッジの交換に応じて自動的に印刷モードを設定することができる。
このような印刷装置によれば、カートリッジが装着されることによって、カートリッジに収容されているインクに関する情報を読み取ることができる。
このような印刷装置によれば、第1印刷モードと第2印刷モードの切り替えを簡易に行うことができる。
このような印刷装置によれば、背景色インクを吐出するヘッドを変更することで第1印刷モードと第2印刷モードをそれぞれ実行することができる。
このような印刷装置によれば、第1印刷モードでは、カラー画像と背景画像との間の滲みを抑制することができ、第2印刷モードでは印刷面側の表面を平滑にすることができる。
<プリンターの構成について>
図1は、プリンター1の全体構成のブロック図である。また、図2は、印刷領域周辺の概略図である。また、図3は図2を上から見た図である。
プリンター1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置であり、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。
そして、コンピューター110は、プリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
図4は、プリンター1の印刷時にプリンタードライバーが行なう処理のフロー図である。
プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから画像データを受け取り、プリンター1が解釈できる形式の印刷データに変換し、印刷データをプリンターに出力する。アプリケーションプログラムからの画像データを印刷データに変換する際に、プリンタードライバーは、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理・コマンド付加処理などを行う。以下に、プリンタードライバーが行う各種の処理について説明する。
プリンター1がコンピューター110から印刷データを受信すると、コントローラー60は、まず、搬送ユニット20によって給紙ローラ(不図示)を回転させ、印刷すべき媒体をベルト24上に送る。媒体はベルト24上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット30、及び照射ユニット40の下を通る。この間に、コントローラー60は、ヘッドユニット30の各ヘッドのノズルからインクを断続的に吐出させることによって媒体にドットを形成するとともに、照射ユニット40の各照射部からUVを照射させる。例えば、コントローラー60は、媒体がヘッド31aの下を通るときにヘッド31aからインクを吐出させる。そして、ヘッド31aを通過した媒体が仮硬化照射部42aの下を通るとき仮硬化照射部42aから仮硬化用のUVを照射させる。これにより、ヘッド31aによって媒体に形成されたドットは仮硬化される。以下、同様に媒体が搬送方向に搬送されるのに従って、各ヘッドからインクを吐出させ、その後、各ヘッドに対応する仮硬化用照射部42から仮硬化用のUVを照射させる。そして最後に、媒体が本硬化用照射部44の下を通る際に本硬化用照射部44から本硬化用のUVを照射させる。これにより媒体に形成されたドットは完全に硬化される。こうして媒体に画像が印刷される。そして、コントローラー60は、画像の印刷が終了した媒体を排紙する。
プリンターでは、様々な色を表現するために「減法混色」が用いられている。減法混色の原色はシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の3色である。シアン(C)は、レッド(R)を吸収し、グリーン(G)とブルー(B)を反射する。マゼンダ(M)は、グリーン(G)を吸収し、レッド(R)とブルー(B)を反射する。イエロー(Y)は、ブルー(B)を吸収し、レッド(R)とグリーン(G)を反射する。つまり、シアンインク、マゼンダインク、イエローインクは、光の3原色RGBの吸収量を調整することによって、視認される画像を表現する。以下、シアンインク、マゼンダインク、イエローインクのことを、それぞれ、Cインク、Mインク、Yインクともいう。
Kインクを用いるのは、CMYの3色のインクを混ぜても、強い黒(深い黒)が表現できないためである。
例えば、風景写真では、空の鮮やかなブルーを表現することが重要である。この場合、ブルーインク(以下、Bインクともいう)を用いると鮮やかなブルーを表現することが可能になる。
さらに、本実施形態では、白インク(以下、Wインクともいう)も使用する。なお、以下の説明において、Wインクによって生成されたドットのことを背景用ドットともいう。
Wインクは、例えば透明媒体に印刷を行うときに、カラー画像の背景色(白色)を印刷するための白色のインクである。このように、背景を白色にすることによって、カラー画像が見やすくなる。
図5は、各ヘッドのノズル配置の一例の説明図である。これらの各ヘッドは、図に示すように「A列」「B列」の2個のノズル列を備える。
各列のノズルは、搬送方向と交差する方向(ノズル列方向)に沿って、1/180インチの間隔(ノズルピッチ)で並んでいる。また、A列のノズルのノズル列方向の位置と、B列のノズルのノズル列方向の位置は、半ノズルピッチ分(1/360インチ)だけずれている。これにより、1/360インチの解像度で各色のドットを形成可能になっている。
次にヘッドの構成について説明する。
図6は、ヘッドの断面図である。なお、図6は、図4のノズル1つ分に相当する部分の断面を示している。図に示すようにヘッドは、駆動ユニット32と、駆動ユニット32を収納するためのケース33と、ケースに装着される流路ユニット34とを備えている。
図7は、カートリッジおよびカートリッジ装着部38の構造の一例を示す概略図である。なお、カートリッジ装着部38は、各ヘッドにそれぞれ対応して設けられている。つまり、カートリッジはヘッド毎に装着されることになる。各ヘッドに対するカートリッジ及びカートリッジ装着部38の構成はすべて同様であるので、そのうちの一つについて説明する。なお、カートリッジの搭載方式としては、カートリッジがヘッドに搭載される方式(オンキャリッジ方式)であってもよいし、カートリッジがヘッドから離れて(プリンター本体に)搭載され、カートリッジからチューブを介してヘッドにインクを供給する方式(オフキャリッジ方式)であってもよい。
本実施形態では、媒体に着弾したUVインクにUVを照射することで、ドットを硬化させている。本実施形態のプリンター1では、照射ユニット40として、UVインクの仮硬化用のUV照射を行なう仮硬化用42a〜42fと、本硬化用のUV照射を行なう本硬化用照射部44を備えており、2段階の硬化を行なっている。なお、仮硬化とは、媒体に着弾したUVインクの間の滲みやドットの広がりを抑制するためのものであり、本硬化とは、UVインクを完全に硬化させるためのものである。このため、本硬化のUVの照射エネルギーは、仮硬化のUVの照射エネルギーよりも大きい。なお、UVの照射エネルギー(mJ/cm2)とは、UVの照射強度(mW/cm2)×時間(sec)のことである。具体的には、仮硬化のUV照射エネルギーが3〜30mJ/cm2(好ましくは、5〜15mJ/cm2)であるのに対して、本硬化のUV照射エネルギーは200〜500mJ/cm2である。
このように仮硬化は、媒体に着弾したUVインクの間の滲みやドットの広がりを制御するものであり、仮硬化によって、ドットの形状がほぼ定まる。
仮硬化のUV照射エネルギーが大きい場合、例えば図8Aのようになる。この場合、インク間の滲みやドットの広がりを抑制することができるが、ドットによって構成される媒体表面の凹凸が大きくなるため光沢が悪化する。
一方、仮硬化のUV照射エネルギーが小さい場合、例えば図8Cのようになる。この場合、光沢は良好になる。但し、他のインクとの間で滲みが生じやすくなり、また、ドットの広がりが大きくなる。
本実施形態では、前述したようにプリンター1のカートリッジ装着部38に装着するカートリッジに応じて各ヘッドに供給するインクを変更することができる。
図9は、第1実施形態の印刷モードとインクとの関係を示す図である。また、図10は、第1実施形態の印刷モードによって形成される画像の説明図である。
本実施形態では、印刷面から画像を見る印刷物を印刷するモード(以下、表刷りモード)と、透明な媒体を用いて媒体側から画像を見る印刷物を印刷するモード(以下、裏刷りモード)との2種の印刷モードを行う。なお、表刷りモードは第1印刷モードに対応し、裏刷りモードは第2印刷モードに対応する。
この表刷りモードでは、まず、搬送方向の最上流側のヘッド31aからWインクを吐出する。これにより媒体上に白色の背景画像が印刷される。その後、背景画像上にヘッド31b〜ヘッド31fからそれぞれ5色のカラーインク(Kインク、Yインク、Mインク、Cインク、Bインク)を吐出してカラー画像を印刷する。なお、ここでは説明を省略したが、各ヘッドからインクが吐出された後には、対応する仮硬化用照射部から仮硬化用のUVが照射され、ドット形成直後に仮硬化が行われる。以下の説明においても同様である。
この裏刷りモードでは、例えば透明な媒体上に、5色のカラーインク(Kインク、Yインク、Mインク、Cインク、Bインク)を用いてカラー画像を印刷する。そして、最も搬送方向下流側のヘッド31fからカラー画像上にWインクを吐出して背景画像の形成を行う。これにより媒体側から見る画像が印刷される
コントローラー60は、各カートリッジの記憶素子392から情報を読み取ることにより、各ヘッドに対して搭載されているカートリッジの種類(色)を検出することができ、対応する印刷モードを選択することができる。そして、コントローラー60は、読み取った情報をコンピューター110のプリンタードライバーに送信する。プリンタードライバーは、各印刷モードに応じた印刷データを作成し、プリンター1に送信する。このように、本実施形態では、カートリッジの交換によって、印刷モードを自動的に変更することができる。
まず、コントローラー60は、各ヘッドに対応するカートリッジが交換されたか否かの判断を行う(S101)。カートリッジが交換されたと判断すると(S101でYES)、コントローラー60は、装着されたカートリッジにWインク用のカートリッジがあるか否かを判断する(S102)。
第1実施形態では、カートリッジを交換することによって、各ヘッドが吐出するインクを変更していたが、第2実施形態では、各ヘッドが吐出するインクは固定となっている。すなわち、各ヘッドには予め定められた色のカートリッジが装着される。また、第1実施形態では、各ヘッドに対して装着されるカートリッジによってコントローラー60が自動的に印刷モードを設定していたが、第2実施形態では、例えば、コンピューター110表示装置(不図示)に表示されるユーザーインターフェイスに対するユーザーの入力に応じて印刷モードが設定される。
図12に示すように、各ヘッドには対応する色インクのカートリッジが装着されている。例えば、ヘッド31aにはWインクのカートリッジが装着されており、ヘッド31aからはWインクが吐出される。なお、Wインクは、プリンター1の各ヘッドのうち最も搬送方向上流側のヘッド31aと、最も搬送方向下流側のヘッド31fから吐出可能になっている。
この表刷りモードでは、まず、搬送方向の最上流側のヘッド31aからWインクを吐出する。これにより、図13に示すように、媒体上に背景画像(背景用ドット)が形成される。その後、背景画像上にヘッド31b〜31eからそれぞれ4色のカラーインク(Kインク、Yインク、Mインク、Cインク)を吐出してカラー画像を印刷する。
なお、表刷りモードでは、ヘッド31a〜31eに対応する仮硬化用照射部42a〜42eからそれぞれ仮硬化のUV照射を行ない、インクを吐出しないヘッド31fに対応する仮硬化用照射部42fからは仮硬化のUV照射を行わない。
この裏刷りモードでは、まず、媒体上にヘッド31b〜31eからそれぞれ4色のカラーインク(Kインク、Yインク、Mインク、Cインク)を吐出してカラー画像を印刷する。そして、そのカラー画像上に搬送方向の最下流側のヘッド31fからWインクを吐出する。これにより、図13に示すように、カラー画像上に背景画像(背景用ドット)が形成される。
なお、第2印刷モードでは、ヘッド31b〜31fに対応する仮硬化用照射部42b〜42fからそれぞれ仮硬化のUV照射を行ない、ヘッド31aと対応する仮硬化用照射部42aからは仮硬化のUV照射を行わない。
まず、プリンタードライバーから印刷モードを受信する(S201)と、コントローラー60は、その印刷モードにインクを吐出しないヘッドがあるか否かを判断する(S202)。インクを吐出しないヘッドがある場合(S202でYES)、コントローラー60は、インクを吐出しないヘッドに対応する仮硬化用照射部からUVを照射しないようにする(S203)。本実施形態の場合、表刷りモード及び裏刷りモードともインクを吐出しないヘッドがある。例えば表刷りモードの場合、コントローラー60は、インクを吐出しないヘッド31fに対応する仮硬化用照射部42fからUVを照射しないようにする。
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、印刷装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の印刷装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、前述の実施形態ではラインプリンターであったがこれには限られない。例えば、円筒形の搬送ドラムの周面と対向して複数のヘッドと複数の仮硬化用照射部が交互に設けられ、最も搬送方向の下流側に本硬化用照射部が設けられたプリンターであってもよい。この場合も、前述した実施形態と同様に、仮硬化用照射部の照射条件を設定することができる。
前述の実施形態は、紫外線(UV)の照射を受けることによって硬化するインク(UVインク)をノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、UV光で硬化するインクには限られず、可視光によって硬化するインクでも良い。この場合、各照射部は、インクが硬化する波長の可視光(光)を照射する。
また、本実施形態ではカラーインクとして、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック、ブルーのインクを用いたが、これ以外の色のインク(例えばレッド、グリーン、オレンジなど)を用いてもよい。また、カラーインク以外にも、無色透明のクリアインクを用いてもよい。
また、本実施形態では背景用インクとして白インク(Wインク)を用いたが、これには限られない。例えば、媒体と異なる色のインクを用いて、媒体と異なる色の背景を印刷してもよい。
前述の実施形態では、ヘッド(及び対応する仮硬化用照射部)の数が6個であったがこれには限定されない。例えばヘッド(及び対応する仮硬化用照射部)の数が5個であってもよいし、7個以上であってもよい。また、前述の実施形態では1つのカラーインクについて1つのヘッドを用いるようにしていたが、これには限られず、1つのカラーインクについて複数のヘッドを用いてもよい。
図4のプリンタードライバーの処理をプリンター側で行っても良い。その場合、プリンターとプリンタードライバーをインストールしたPCとで印刷装置が構成される。
20 搬送ユニット、23A 上流側搬送ローラ、
23B 下流側搬送ローラ、24 ベルト、
30 ヘッドユニット、31a〜31f ヘッド、32 駆動ユニット、
321 ピエゾ素子、323 固定板、324 フレキシブルケーブル、
33 ケース、331 収納空部、332 インク供給管、
34 流路ユニット、35 流路形成基板、351 圧力室、352 インク供給口、
353 リザーバー、36 ノズルプレート、37 弾性板、373 島部、
38 カートリッジ装着部、381 コネクタ
391K インク収容部、391 カートリッジ本体、392 記憶素子、
392 記憶素子、
40 照射ユニット、42a〜42f 仮硬化用照射部、44 本硬化用照射部、
50 検出器群、60 コントローラー、
61 インターフェイス部、62 CPU、63 メモリー、
64 ユニット制御回路、110 コンピューター
Claims (6)
- 光の照射によって硬化するインクを吐出するヘッドが媒体の搬送方向に並んだ複数のヘッドと、
前記複数のヘッド毎に対応して設けられ、各ヘッドによって前記媒体に形成されたドットにそれぞれ仮硬化用の光を照射する複数の仮硬化用光源と、
前記複数の仮硬化用光源よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記ドットに本硬化用の光を照射する本硬化用光源と、
を備えた印刷装置であって、
カラーインクを吐出するヘッドよりも前記搬送方向の上流側のヘッドから背景用インクを吐出する第1印刷モードと、カラーインクを吐出するヘッドよりも前記搬送方向の下流側のヘッドから背景用インクを吐出する第2印刷モードがあり、
前記第2印刷モードでは、前記背景用インクを吐出するヘッドに対応した前記仮硬化用光源から光を照射しない
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
光の照射によって硬化するインクを収容した複数のカートリッジであって、それぞれ着脱可能に搭載される複数のカートリッジを有し、
各カートリッジの交換に応じて、前記第1印刷モード又は前記第2印刷モードが選択される
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項2に記載の印刷装置であって、
前記複数のカートリッジは、それぞれ、収容されているインクの種類に関する情報が記憶された記憶素子を備えている
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記複数のヘッドがそれぞれ吐出するインクは、ヘッド毎に予め定められている
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項4に記載の印刷装置であって、
前記第1印刷モードのときに背景用インクを吐出するヘッドは、前記第2印刷モードのときに背景用インクを吐出せず、
前記第2印刷モードのときに背景用インクを吐出するヘッドは、前記第1印刷モードのときに背景用インクを吐出しない
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1〜5の何れかに記載の印刷装置であって、
前記第1印刷モードは、印刷面側から見る画像を印刷するためのモードであり、
前記第2印刷モードは、媒体側から見る画像を印刷するためのモードである
ことを特徴とする印刷装置。
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