(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線伝送方法を用いて、映像データ及び音声データを無線伝送する無線伝送システムの一構成例を示すブロック図である。図1に示される無線伝送システムは、無線伝送装置101、102と、音声出力装置103と、映像音声再生装置104、111と、映像音声出力装置108とを備える。なお、上記構成の無線伝送システムにおいて、映像音声再生装置104、111、及び映像音声出力装置108のいずれかが、映像音声データの供給元であるソースデバイスとなり得る。
ここで、映像音声再生装置104がソースデバイスとなる場合、映像音声再生装置111は必須の構成要素ではなく、省略することができる。また、映像音声再生装置111がソースデバイスとなる場合、映像音声再生装置104は必須の構成要素ではなく、省略することができる。さらに、映像音声出力装置108がソースデバイスとなる場合、映像音声再生装置104、111は必須の構成要素ではなく、省略することができる。
図1において、無線伝送装置101、102は無線を用いて、相互に映像データ、音声データ、及び制御コマンドの送受信が可能な装置である。
音声出力装置103は、音声データに基づいて音声を出力することが可能な装置である。音声出力装置103の具体例は特に限定されないが、例えば、AV(Audio/Visual)アンプである。
映像音声再生装置104、111は、映像データ及び音声データを再生し、他の装置(例えば、音声データを音声出力装置103に、映像データを映像音声出力装置108に)へ供給することが可能な装置である。映像音声再生装置104、111の具体例は特に限定されないが、例えば、BD(Blu−ray Disc)プレーヤ、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等である。
映像音声出力装置108は、映像データに基づいて映像を表示し、音声データに基づいて音声を出力することが可能な装置である。また、映像音声出力装置108は、図示しない放送局から放送波を受信し、当該放送波に含まれる映像音声データを他の装置(例えば、映像データを映像音声出力装置108自身に、音声データを音声出力装置103に)に供給することが可能な装置である。
映像音声出力装置108の具体例は特に限定されないが、例えば、TV(Television)である。または、本発明の他の形態に係る無線伝送システムは、図24に示されるように、図1の映像音声出力装置108に代えて、映像の出力のみが可能な映像出力装置(典型例は、プロジェクタ)113を備えてもよい。つまり、無線伝送装置101に有線接続される機器は、少なくとも映像の出力が可能であればよい。
また、映像音声伝送ケーブル105、106、109、112は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルなどの映像データ及び音声データを伝送することが可能なケーブルである。また、音声伝送ケーブル107、110は、SPDIF(Sony Philips Digital Interface)ケーブルなどの音声データを伝送することが可能なケーブルである。
映像音声再生装置104と音声出力装置103とは、映像音声伝送ケーブル105によって有線接続されており、映像データ及び音声データを映像音声再生装置104から音声出力装置103の一方向に、制御コマンドを双方向に伝送することができる。
音声出力装置103と無線伝送装置102とは、映像音声伝送ケーブル106によって有線接続されており、映像データ及び音声データを音声出力装置103から無線伝送装置102の一方向に、制御コマンドを双方向に伝送することができる。また、音声出力装置103と無線伝送装置102とは、音声伝送ケーブル107によって有線接続されており、音声データを無線伝送装置102から音声出力装置103の一方向に伝送することができる。
無線伝送装置101、102は、例えば、ワイヤレスHD(High−Definition)に準拠した方式で無線伝送を行う。具体的には、HRP(High Rate PHY)とLRP(Low Rate PHY)とを必要に応じて切り替えて、無線伝送を行う。HRPは、4.0G(bps)の帯域を持ち、一方向(無線伝送装置102から無線伝送装置101に向かう方向)のみの無線伝送が可能である。第1の実施形態においては、HRPを用いて主に非圧縮の映像データ及び音声データを無線伝送する。LRPは、40M(bps)の帯域を持ち、双方向の無線伝送が可能である。第1の実施形態においては、主に音声データやCEC(Consumer Electronics Control)メッセージ等の制御コマンドを無線伝送する。
無線伝送装置101と映像音声出力装置108とは、映像音声伝送ケーブル109によって有線接続されており、映像データ及び音声データを無線伝送装置101から映像音声出力装置108の一方向に、制御コマンドを双方向に伝送することができる。また、無線伝送装置102と映像音声出力装置108とは、音声伝送ケーブル110によって有線接続されており、音声データを映像音声出力装置108から無線伝送装置101の一方向に伝送することができる。
映像音声出力装置108と映像音声再生装置111とは、映像音声伝送ケーブル112によって有線接続されており、映像データ及び音声データを映像音声再生装置111から映像音声出力装置108の一方向に、制御コマンドを双方向に伝送することができる。
図1に示される無線伝送システムは、2つの出力形態(シアターモード、通常モード)を備えている。シアターモードは、映像音声出力装置108で映像を表示し、音声出力装置103から音声を出力する。通常モードは、映像音声出力装置108に映像を表示すると共に、内蔵されているスピーカから音声も出力する。この出力形態の切替は、各装置に対して手動で設定してもよいし、1つの装置に対して手動で設定すると、当該手動設定された装置から他の装置に通知されてもよい。一方、図24に示される無線伝送システムは、常に、映像出力装置113で映像を表示し、音声出力装置103から音声を出力する(つまり、シアターモードのみ)。
また、映像音声出力装置108、音声出力装置103、及び映像音声再生装置104、111には、HDMIで規定されているCEC物理アドレス(以下、単に「物理アドレス」という)が割り当てられる。映像音声出力装置108には物理アドレス[0.0.0.0]が割り当てられ、映像音声出力装置108の入力側に接続されている音声出力装置103には物理アドレス[1.0.0.0]が割り当てられ、映像音声出力装置108の入力側に接続されている映像音声再生装置111には物理アドレス[2.0.0.0]が割り当てられ、音声出力装置103の入力側に接続されている映像音声再生装置104には物理アドレス[1.1.0.0]が割り当てられる。なお、第1の実施形態に示した物理アドレスの割当は一例であり、装置の接続方法によっては、各装置には異なる物理アドレスが割り当てられることもあるが、その場合でも、第1の実施形態に示す処理と同様の処理を実施することが可能である。
図2は、本発明の第1の実施形態における無線伝送装置101の一構成例を示すブロック図である。図2において、無線伝送装置101は、アンテナ206を備えたパケット無線送受信回路202と、パケット処理回路203と、映像データ及び音声データの送信機能を有する有線送受信回路204と、音声データの受信機能を有する音声有線受信回路205と、これらの回路等202〜205の動作を制御するコントローラ201とを備えて構成される。
アンテナ206は、無線伝送装置102から無線受信した搬送波信号を、パケット無線送受信回路202に出力する。また、パケット無線送受信回路202から入力された搬送波信号を、無線伝送装置102に無線送信する。
パケット無線送受信回路202は、アンテナ206を介して受信された搬送波信号をベースバンド信号に復調し、パケット処理回路203に出力する。また、パケット処理回路203から入力されるベースバンド信号を搬送波信号に変調し、アンテナ206に出力する。
パケット処理回路203は、パケット無線送受信回路202より入力されるベースバンド信号から所定のパケット分離処理により映像データ、音声データ及び所定の制御コマンドのみを取り出すことにより、受信されたパケットをデコードする。そして、映像データ及び音声データを有線送受信回路204に出力し、制御コマンドをコントローラ201に出力する。また、音声有線受信回路205からから入力される音声データ、またはコントローラ201から入力される制御コマンドを、所定のパケット形式のデジタル信号に変換してパケット無線送受信回路202に出力する。
有線送受信回路204は、映像音声データもしくは映像データのみを、アンテナ206、パケット無線送受信回路202、及びパケット処理回路203を介して無線伝送装置102から受信し、映像音声伝送ケーブル109に伝送するためのデータ形式に変換して、映像音声伝送ケーブル109に出力する。また、有線送受信回路204は、映像音声伝送ケーブル109のCEC信号線を用いて、映像音声出力装置108とコントローラ201との間のCECメッセージを中継する。
音声有線受信回路205は、音声伝送ケーブル110を介して映像音声出力装置108から受信した音声データを、パケット処理回路203に出力する。
コントローラ201は、アンテナ206を介して無線信号を受信した場合、及び、音声有線受信回路205により音声データを受信した場合において、パケット無線送受信回路202、パケット処理回路203、有線送受信回路204、音声有線受信回路205との間で制御データの交換を行い、それぞれの制御を行う。また、コントローラ201は、アンテナ206、パケット無線送受信回路202、及びパケット処理回路203を介して、無線伝送装置102と制御コマンドの送受信を行う。さらに、コントローラ201は、有線送受信回路204を介して映像音声出力装置108と制御コマンドの送受信を行う。
ここで、アンテナ206、パケット無線送受信回路202、パケット処理回路203、及び有線送受信回路204は、制御コマンドとしてのCECメッセージを受信する受信部として機能する。また、コントローラ201は、受信部で受信したCECメッセージに基づいて、無線伝送装置101、102の接続形態を選択し、選択した接続形態で両者を接続する接続形態選択部として機能する。これらの機能の詳細は、後述する。
図3は、本発明の第1の実施形態における無線伝送装置102の一構成例を示すブロック図である。図3において、無線伝送装置102は、アンテナ306を備えたパケット無線送受信回路302と、パケット処理回路303と、映像データ及び音声データの受信機能を有する有線送受信回路304と、音声データの送信機能を有する音声有線送信回路305と、これらの回路等302〜305の動作を制御するコントローラ301とを備えて構成される。
なお、図3に示される各構成要素301〜306は、図1に示される同一名称の構成要素201〜206に対応するので、共通する機能の詳しい説明は省略し、相違点について詳しく説明する。
有線送受信回路304は、映像音声伝送ケーブル106を介して音声出力装置103から受信した映像データ及び音声データを、パケット処理回路303に出力する。また、有線送受信回路304は、映像音声伝送ケーブル106のCEC信号線を用いて、音声出力装置103とコントローラ301との間のCECメッセージを中継する。
パケット処理回路303は、有線送受信回路304から入力される映像データ及び音声データを、所定のパケットの形式のデジタル信号に変換して、パケット無線送受信回路302に出力する。また、パケット処理回路303は、パケット無線送受信回路302から入力されるベースバンド信号から所定のパケット分離処理により、所定の制御コマンドのみを取り出した後にコントローラ301に出力する。さらに、入力されるベースバンド信号に音声データが含まれる場合は、当該音声データを音声有線送信回路305に出力する。
パケット無線送受信回路302は、パケット処理回路303から入力されるベースバンド信号を搬送波信号に変調し、変調後の無線信号を、アンテナ306を介して無線伝送装置101に無線送信する。また、パケット無線送受信回路302は、アンテナ306を介して無線伝送装置101から受信した搬送波信号をベースバンド信号に復調し、パケット処理回路303に出力する。
音声有線送信回路305は、パケット処理回路303から入力される音声データを、音声伝送ケーブル107を介して音声出力装置103に出力する。
また、コントローラ301は、上記処理において、有線送受信回路304、パケット処理回路303、パケット無線送受信回路302、及び音声有線送信回路305との間で制御データの交換を行い、それぞれの制御を行う。
図4は、本発明の第1の実施形態における音声出力装置103の一構成例を示すブロック図である。図4において、音声出力装置103は、映像データ及び音声データの受信機能を有する有線送受信回路402と、映像音声処理回路403と、映像データ及び音声データの送信機能を有する有線送受信回路404と、音声データの受信機能を有する音声有線受信回路405と、スピーカ406と、これらの回路等402〜405の動作を制御するコントローラ401とを備えて構成される。
まず、映像音声再生装置104から映像音声伝送ケーブル105を介してデータが入力された場合の動作について説明する。
有線送受信回路402は、映像音声伝送ケーブル105を介して映像音声再生装置104から受信した映像データ及び音声データを、映像音声処理回路403に出力する。また、有線送受信回路402は、映像音声伝送ケーブル105のCEC信号線を用いて、映像音声再生装置104とコントローラ401との間のCECメッセージを中継する。
有線送受信回路404は、映像音声処理回路403から入力された映像音声データもしくは映像データを、所定のデータ形式に変換して、映像音声伝送ケーブル106を介して無線伝送装置102に出力する。また、有線送受信回路404は、映像音声伝送ケーブル106のCEC信号線を用いて、無線伝送装置102とコントローラ401との間のCECメッセージを中継する。
映像音声処理回路403は、シアターモードの時、コントローラ401の指示に従って、有線送受信回路402又は音声有線受信回路405から入力された音声データに所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、スピーカ406に出力する。また、有線送受信回路402から入力された映像データを有線送受信回路404に出力する。一方、映像音声処理回路403は、通常モードの時、コントローラ401の指示に従って、有線送受信回路402から入力された映像データ及び音声データを有線送受信回路404に出力する。
次に、無線伝送装置102から、音声伝送ケーブル107を介して音声データが入力された場合の動作について説明する。
音声有線受信回路405は、音声伝送ケーブル107を介して無線伝送装置102から受信した音声データを、映像音声処理回路403に出力する。この場合、映像音声処理回路403は、シアターモードの時、コントローラ401の指示に従って、入力された音声データに所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、スピーカ406に出力する。一方、映像音声処理回路403は、通常モードの時、コントローラ401の指示に従って、入力された音声データを破棄する。
コントローラ401は、上記処理において、有線送受信回路402、映像音声処理回路403、有線送受信回路404、及び音声有線受信回路405との間で制御データの交換を行い、それぞれの制御を行う。
図5は、本発明の第1の実施形態における映像音声再生装置104の一構成例を示すブロック図である。図5において、映像音声再生装置104は、映像音声再生回路502と、映像音声処理回路503と、映像データ及び音声データの送信機能を有する有線送受信回路504と、これらの回路等502〜504の動作を制御するコントローラ501とを備えて構成される。
映像音声再生回路502は、例えば、DVDドライブであって、DVDなどの記録媒体から映像データ及び音声データを再生して、映像音声処理回路503に出力する。映像音声処理回路503は、映像音声再生回路502から入力される映像データ及び音声データに所定の信号処理を実行した後、有線送受信回路504に出力する。
有線送受信回路504は、映像音声処理回路503から入力される映像データ及び音声データを、映像音声伝送ケーブル105に伝送するためのデータ形式に変換して、映像音声伝送ケーブル105に出力する。また、有線送受信回路404は、映像音声伝送ケーブル105のCEC信号線を用いて、音声出力装置103とコントローラ501との間のCECメッセージを中継する。また、コントローラ501は、映像音声再生回路502、映像音声処理回路503、及び有線送受信回路504との間で制御データの交換を行い、それぞれの制御を行う。
なお、映像音声再生装置111は、映像音声伝送ケーブル112を介して映像音声出力装置108と有線接続されている点を除いて、映像音声再生装置104の構成と同一であるので、説明を省略する。
図6は、本発明の第1の実施形態における映像音声出力装置108の構成を示すブロック図である。
図6において、映像音声出力装置108は、映像データ及び音声データの受信機能を有する有線送受信回路602と、音声データの送信機能を有する音声有線送信回路603と、映像音声処理回路604と、スピーカ605と、ディスプレイ606と、放送波受信回路607と、これらの回路等602〜604、607の動作を制御するコントローラ601とを備えて構成される。なお、図24に示される映像出力装置113は、スピーカ605を有しない点で映像音声出力装置108と異なり、その他の構成要素は映像音声出力装置108と共通する。
まず、映像音声伝送ケーブル109、もしくは映像音声伝送ケーブル112から映像データ及び音声データを受信した場合の映像音声出力装置108の動作を説明する。
有線送受信回路602は、映像音声伝送ケーブル109を介して無線伝送装置101から受信した映像音声データ若しくは映像データを、映像音声処理回路604に出力する。また、映像音声伝送ケーブル112を介して映像音声再生装置111から受信した映像データ及び音声データを、映像音声処理回路604に出力する。また、有線送受信回路602は、映像音声伝送ケーブル109のCEC信号線を用いて、無線伝送装置101とコントローラ601との間のCECメッセージを中継する。さらに、有線送受信回路602は、映像音声伝送ケーブル112のCEC信号線を用いて、映像音声再生装置111とコントローラ601との間のCECメッセージを中継する。
映像音声処理回路604は、有線送受信回路602から入力される映像データを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、ディスプレイ606に出力して表示する。また、映像音声処理回路604は、通常モードの場合、有線送受信回路602から入力される音声データを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、スピーカ605に出力するとともに音声有線送信回路603に出力する。一方、映像音声処理回路604は、シアターモードの場合、有線送受信回路602から入力される音声データをスピーカ605へ出力せず、音声有線送信回路603に出力する。一方、映像出力装置113の映像音声処理回路604は、音声データを常に音声有線送信回路603に出力する。
音声有線送信回路603は、映像音声処理回路604から入力される音声データを、音声伝送ケーブル110を介して無線伝送装置101に出力する。また、コントローラ601は、有線送受信回路602、音声有線送信回路603、映像音声処理回路604、及び放送波受信回路607との間で制御データの交換を行い、それぞれの制御を行う。
次に、放送波を受信した場合の映像音声出力装置108の動作を説明する。
放送波受信回路607は、放送波を受信し、所定の信号処理を実行して得られる映像データ及び音声データを、映像音声処理回路604に出力する。放送波の具体例は特に限定されないが、アナログ放送、地上波デジタル放送、BS(Broadcast Satellite)放送、CS(Communication Satellite)放送等のあらゆる放送波を受信することができる。ただし、放送波受信回路607は、映像音声出力装置108及び映像出力装置113の必須の構成要素ではなく、省略することができる。
映像音声処理回路604は、映像データを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、ディスプレイ606に出力して表示する。また、映像音声処理回路604は、通常モード時、入力される音声データを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、スピーカ605に出力するとともに、音声有線送信回路603に出力する。一方、シアターモード時、映像音声処理回路604は、スピーカ605への音声出力は行わず、音声有線送信回路603に音声データを出力する。
なお、図2〜図6に示される各回路は、当該回路の処理の一部又は全部をプログラムによって実現した処理部に置き換えることができる。
図7Aは、接続形態選択部として機能する無線伝送装置101のコントローラ201の処理のフローチャートの一例を示す図である。
コントローラ201は、まず、映像音声伝送ケーブル109のHPD(Hot Plug Detect)信号線の状態を、有線送受信回路204から取得する(S701)。HPD信号線の信号レベルがLowである場合(S701でNo)、コントローラ201は、映像音声出力装置108が停止状態であると判断して、処理を完了する。一方、HPD信号線の信号レベルがHighの場合(S701でYes)、コントローラ201は、映像音声出力装置108が稼動状態であると判断して、CECメッセージを受信するまで待機する(S702)。
同様に、無線伝送装置102は、音声出力装置103が稼動しているか否かを判断する。このとき、無線伝送装置102のコントローラ301は、映像音声伝送ケーブル106の“+5V POWER”信号線の信号レベルを有線送受信回路304から取得することによって、判断する。
次に、コントローラ201は、アンテナ206、パケット無線送受信回路202、及びパケット処理回路203を経由して、又は有線送受信回路204を経由してCECメッセージを受信したとき(S702)、受信したCECメッセージのオペコードを参照することにより、受信したCECメッセージのメッセージ種別が“Set Stream Path”メッセージ、もしくは“Active Source”メッセージのいずれかであるか否かを確認する(S703)。なお、この例では、位置特定メッセージの一例として、“Set Stream Path”メッセージ、及び“Active Source”メッセージを挙げたが、これに限ることなく、ソースデバイスの位置を特定可能なあらゆるメッセージで代替することができる。
受信したCECメッセージが上記のいずれでもない場合(S703でNo)、コントローラは、処理を完了する。一方、上記のいずれかであった場合(S703でYes)、コントローラ201は、受信したメッセージのオペランド領域に含まれる物理アドレスを確認する(S704)。なお、ここでは、物理アドレスの一例として、CEC物理アドレスを用いて説明する。また、上記のCECメッセージのオペランド領域に含まれる物理アドレスは、映像データ及び音声データを出力するソースデバイスの物理アドレスである。
物理アドレスが無線伝送装置102の入力側(以下「上流」という)に接続された装置であることを示す物理アドレスであった場合(S704でYes)、コントローラ201は、順方向接続処理を実施する(S706)。一方、物理アドレスが無線伝送装置102の上流に接続された装置であることを示す物理アドレスでなかった場合(S704でNo)、コントローラ201は、逆方向接続処理を実施する(S705)。
ここで、「順方向接続」とは、ソースデバイスが無線伝送装置102の入力側に存在する場合に、無線伝送装置102から無線伝送装置101に向かって、HRPを用いて無線伝送を行う第1の無線接続形態を指す。このとき無線伝送されるデータは、映像データ及び音声データの両方(通常モード)、又は映像データのみ(シアターモード)である。
一方、「逆方向接続」とは、ソースデバイスが無線伝送装置101の入力側に存在する場合に、無線伝送装置101から無線伝送装置102に向かって、LRPを用いて無線伝送を行う第2の無線接続形態を指す。このとき無線伝送されるデータは、音声データのみ(通常モード、シアターモード両方)である。
第1の実施形態において、無線伝送装置102の入力側(上流)には、物理アドレス[1.0.0.0]の音声出力装置103、及び物理アドレス[1.1.0.0]の映像音声再生装置104が接続されている。つまり、コントローラ201は、受信したCECメッセージのオペランド領域に設定されている物理アドレスが[1.x.x.x](xは自然数)であるか否かを確認する。
ここで、物理アドレスの割り当て方法の一例を説明する。まず、ルートデバイスである映像音声出力装置108には、デフォルトで物理アドレス[0.0.0.0]が割り当てられる。次に、映像音声伝送ケーブル109を介して映像音声出力装置108の有線送受信回路602に接続された無線伝送装置101は、映像音声出力装置108のEDID(Extended Display Identification Data:表示手段の設定情報)を読み出し、EDIDに含まれる物理アドレスを参照する。これにより、無線伝送装置101は、有線送受信回路602に接続される機器に割り当てられる物理アドレス[1.0.0.0]を検出することができる。また、無線伝送装置101は、読み出したEDIDをコントローラ201に記憶させると共に、無線伝送装置102に無線伝送する。
一方、無線伝送装置102は、自身のEDIDに無線伝送装置101から受信したEDIDに含まれる物理アドレスを設定する。これにより、無線伝送装置102の入力側に接続される音声出力装置103に物理アドレス[1.0.0.0]が設定される。さらに、音声出力装置103に接続される映像音声再生装置104には、従来の割り当て方法に従って、物理アドレス[1.1.0.0]が設定される。
なお、上記に示す物理アドレスは一例であり、他の物理アドレスであっても、同様の処理を実施することにより、無線伝送装置101は物理アドレスが無線伝送装置102の上流に接続されている装置に割り当てられたものか否かを判別することが可能である。
また、「入力側」及び「上流」とは、HDMIのソース機器が接続される側を指す。具体的には、例えば、音声出力装置103及び映像音声再生装置104は、無線伝送装置102に対してソース機器として機能する。従って、音声出力装置103及び映像音声再生装置104は、無線伝送装置102の入力側(若しくは、上流)に接続されている。同様に、無線伝送装置101及び映像音声再生装置111は、映像音声出力装置108に対してソース機器として機能する。従って、無線伝送装置101及び映像音声再生装置111は、映像音声出力装置108の入力側(若しくは、上流)に接続されている。他の機器間の関係についても、映像音声伝送ケーブル105、106、109、112の接続状態を参照することにより、同様に表現することができる。また、上記の対義語として、「出力側」及び「下流」とは、HDMIのシンク機器が接続される側を指す。
図7Bは、接続形態選択部として機能する無線伝送装置101のコントローラ201の処理のフローチャートの他の例を示す図である。図7Aに示されるフローチャートとの相違点は、S703とS704との間に、接続開始条件を満たすか否かを判断する処理(S707)が追加されている点である。以下、図7Aとの共通点の説明は省略し、相違点を中心に説明する。
コントローラ201は、接続開始条件を確認する(S707)。そして、コントローラ201は、全ての接続開始条件を満たしている場合(S707でYes)に、受信したメッセージのオペランド領域に含まれる物理アドレスを確認する処理(S704)を実行する。一方、接続開始条件を1つでも満たしていない場合(S707でNo)、以降の処理をスキップする。
接続開始条件の具体例及びその確認方法は、後述する。なお、接続開始条件は、無線伝送装置101、102の間でのデータの送受信の向き(順方向接続、又は逆方向接続)等によって異なってもよい。その場合、図7Bに示される接続開始条件の判断処理(S707)を、S704とS705又はS706の間で実行してもよい。
次に、図8〜図12を参照して、映像音声再生装置104がソースデバイスとなる場合の処理について説明する。図8は、映像音声再生装置104によって再生されたコンテンツを、シアターモードで視聴する場合の映像データ及び音声データの流れを示す図である。図9〜図12は、無線伝送システムを構成する各装置の処理シーケンスを示す図である。
図8に示される例では、映像音声再生装置104から出力された映像データは、音声出力装置103、無線伝送装置102、及び無線伝送装置101を経由して映像音声出力装置108のディスプレイ606から出力される。また、映像音声再生装置104から出力された音声データは、音声出力装置103のスピーカ406から出力される。ここで、無線伝送装置102と無線伝送装置101との間で、映像データの伝送を行うためには、順方向接続を確立する必要がある。
そこで、上記のように映像データ及び音声データを伝送する以前に、例えば、映像音声再生装置104は、オペランド領域に映像音声再生装置104の物理アドレス[1.1.0.0]を設定した“Active Source”メッセージをブロードキャストする。または、映像音声出力装置108は、オペランド領域に映像音声再生装置104の物理アドレス[1.1.0.0]を設定した“Set Stream Path”メッセージをブロードキャストする。これらのCECメッセージを用いて、順方向接続を行う処理について、図9〜図12を用いて説明する。
図9に、映像音声出力装置108から“Set Stream Path”メッセージが送信される場合のシーケンスの一例を示す。“Set Stream Path”メッセージは、オペランド領域に設定される物理アドレスで識別される機器がソースデバイスであることを示すCECメッセージである。このCECメッセージは、ソースデバイス自身(この例では、映像音声再生装置104)が送信してもよいし、ソースデバイスでない他の機器(この例では、映像音声出力装置108)が送信してもよい。
映像音声出力装置108の有線送受信回路602は、映像音声伝送ケーブル109、112のCEC信号線に、“Set Stream Path”メッセージを送信する。このCECメッセージのオペランド領域には、ソースデバイスとなる映像音声再生装置104の物理アドレス[1.1.0.0]が設定されている。
無線伝送装置101の有線送受信回路204は、このCECメッセージを受信し、コントローラ201に出力する。コントローラ201は、有線送受信回路204から入力されたCECメッセージを、パケット処理回路203、パケット無線送受信回路202、及びアンテナ206を介して無線伝送装置102に送信する。そして、このCECメッセージは、無線伝送装置102及び音声出力装置103で中継されて、映像音声再生装置104に到達する。
また、コントローラ201は、有線送受信回路204から入力されたCECメッセージに含まれる物理アドレス[1.1.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスであることを認識する。
ここで、無線伝送装置101のコントローラ201は、接続開始条件を満たしているか否かを確認してもよい。この例においては、例えば、下記の接続開始条件(a1)〜(d1)を判断してもよい。なお、この接続開始条件(a1)〜(d1)は、図10〜図12に示される例でも共通して利用することができる。
(a1)システム全体がシアターモードで動作している。
(b1)無線伝送装置101が映像データの有線出力機能を保有している。
(c1)無線伝送装置101が映像データの無線受信機能を保有している。
(d1)無線伝送装置101と映像音声出力装置108とが接続されている。
まず、(a1)の確認は、無線伝送装置101のコントローラ201が音声出力装置103のコントローラ401、及び/又は、映像音声出力装置108のコントローラ601との間で制御信号を交換し、シアターモードで動作するか通常モードで動作するかを決定することで行われる。
例えば、映像音声出力装置108のコントローラ601は、現在の動作モードがシアターモードであるか通常モードであるかを記憶する。例えば、動作モードは、ユーザによって設定される。無線伝送装置101のコントローラ201は、映像音声出力装置108のコントローラ601から動作モードを取得する。一方、(b1)〜(d1)で示す伝送状態情報については、無線伝送装置101自身が保持している情報で判断可能であるので、詳しい説明は省略する。
コントローラ201は、上記4つの接続開始条件(a1)〜(d1)を全て満たしている場合に、無線伝送装置102との無線接続を確立する処理に進む。一方、コントローラ201は、上記4つの接続開始条件(a1)〜(d1)のいずれか1つでも満たされていない場合、無線伝送装置102との無線接続を開始せずに処理を完了する。この時、コントローラ201は、無線接続を開始しなかった原因を映像音声出力装置108に送信し、映像音声出力装置108のディスプレイ606もしくはスピーカ605を通してユーザに通知してもよい。例えば、(d1)が満たされていなかった場合は、「映像ケーブルが接続されていません。」や「ディスプレイに映像ケーブルを接続してください。」などのメッセージをディスプレイ606に表示したり、スピーカ605を通して音声で通知する。
そして、コントローラ201は、順方向接続を確立するための接続要求を、LRPを用いて無線伝送装置102に送信する。つまり、接続形態選択部として機能するコントローラ201は、第1の接続形態を選択する。
無線伝送装置102は、無線伝送装置102から接続要求を受信したとき、接続を許可する接続応答を、LRPを用いて無線伝送装置101に送信する。さらに、無線伝送装置102は、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)を予約する。その後、映像データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を、LRPを用いて無線伝送装置101に送信する。
以上の処理により、映像音声再生装置104から出力される映像データは、順方向接続された無線を介して、映像音声出力装置108まで伝送される。なお、上記は「シアターモード」を前提として説明したが、予約した無線帯域を用いて映像データ及び音声データの両方を無線伝送する点で相違する以外は、「通常モード」の場合も同一の処理が実行される。
また、図9では無線伝送装置101が接続要求を送信した例を説明したが、これに限ることなく、無線伝送装置102が接続要求を送信し、無線伝送装置101が接続応答を送信してもよい。この場合、上記の接続開始条件(a1)〜(d1)は、無線伝送装置102によって確認される。この場合の(b1)〜(d1)の確認方法は、図28〜図30を用いて後述する。なお、図28では、無線伝送装置101側からデバイス情報要求信号が送信され、無線伝送装置102側からデバイス情報応答信号が送信される例を説明するが、この場合においては、信号の送信方向が逆向きとなる。
一方、帯域予約及びストリーム開始通知の送信は、データの送信側、つまり、順方向接続の場合は無線伝送装置102、逆方向接続の場合は無線伝送装置101によって実行される。以降のシーケンスについても同様である。
図10に、音声データを送信するための逆方向接続が既に確立されている場合において、新たに順方向接続を確立するためのシーケンスの一例を示す。このような状況は、例えば、映像音声出力装置108の放送波受信回路607で受信したコンテンツをシアターモードで視聴している時に、映像音声再生装置104に挿入されたDVDのコンテンツをシアターモードで視聴し始める場合に起こり得る。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
まず、無線伝送装置101、102の間では、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)が予約されており、映像音声出力装置108から音声出力装置103に音声データが伝送されている。この状況で、ソースデバイスが映像音声出力装置108から映像音声再生装置104に切り替えられると、映像音声出力装置108は、物理アドレス[1.1.0.0]が設定された“Set Stream Path”メッセージを送信する。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[1.1.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスであることを認識する。
次に、無線伝送装置101は、既に確立している逆方向接続を切断するための切断通知を、LRPを用いて無線伝送装置102に送信する。なお、無線伝送装置101、102の間で送受信される制御コマンド(CECメッセージ、接続要求、接続応答、切断通知、ストリーム開始通知等)は、所定の時間間隔毎に割り当てられたランダムアクセス区間に、LRPを用いて送受信されるので、図10のように、LRPを用いて音声データが伝送されている場合においても、送受信可能である。他の例についても同様である。
無線伝送装置101は、予約帯域を解放する帯域解放処理を実施した後、順方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。そして、無線伝送装置102は、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)を予約する。その後、無線伝送装置102は、映像データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置101に送信する。
以上の処理により、映像音声再生装置104から出力される映像データは、順方向接続された無線を介して、映像音声出力装置108まで伝送される。なお、図10では無線伝送装置101が切断要求を送信した例を説明したが、これに限ることなく、無線伝送装置102が切断要求を送信してもよい。一方、帯域解放処理は、データの送信側、つまり、順方向接続の場合は無線伝送装置102、逆方向接続の場合は無線伝送装置101によって実行される。以降のシーケンスについても同様である。
図11に、映像音声再生装置104から“Active Source”メッセージが送信される場合のシーケンスの一例を示す。“Active Source”メッセージは、オペランド領域に設定される物理アドレスで識別される機器がソースデバイスであることを示すCECメッセージである。このCECメッセージは、ソースデバイス自身(この例では、映像音声再生装置104)が送信する。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
映像音声再生装置104の有線送受信回路504は、映像音声伝送ケーブル105のCEC信号線に、“Active Source”メッセージを送信する。このCECメッセージのオペランド領域には、ソースデバイスとなる映像音声再生装置104の物理アドレス[1.1.0.0]が設定されている。また、このCECメッセージは、音声出力装置103及び無線伝送装置102で中継されて、無線伝送装置101に到達する。
無線伝送装置101のアンテナ206は、このCECメッセージを受信し、パケット無線送受信回路202及びパケット処理回路203を介してコントローラ201に出力する。コントローラ201は、パケット処理回路203から入力されたCECメッセージを、有線送受信回路204を介して映像音声出力装置108に送信する。そして、このCECメッセージは、映像音声出力装置108で中継されて、映像音声再生装置111に到達する。
また、コントローラ201は、パケット処理回路203から入力されたCECメッセージに含まれる物理アドレス[1.1.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスであることを認識する。そして、無線伝送装置101は、順方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。
接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。そして、無線伝送装置102は、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)を予約する。その後、無線伝送装置102は、映像データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置101に送信する。以上の処理により、映像音声再生装置104から出力される映像データは、順方向接続された無線を介して、映像音声出力装置108まで伝送される。
図12に、音声データを送信するための逆方向接続が既に確立されている場合において、新たに順方向接続を確立するためのシーケンスの一例を示す。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
まず、無線伝送装置101、102の間では、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)が予約されており、映像音声出力装置108から音声出力装置103に音声データが伝送されている。この状況で、映像音声再生装置104は、物理アドレス[1.1.0.0]が設定された“Active Source”メッセージを送信する。
無線伝送装置101は、無線伝送装置102から受信したCECメッセージを映像音声出力装置108に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[1.1.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスであることを認識する。
次に、無線伝送装置101は、既に確立している逆方向接続を切断するための切断通知を無線伝送装置102に送信する。無線伝送装置101は、帯域解放処理を実施した後、順方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。また、無線伝送装置102は、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)を予約する。その後、無線伝送装置102は、映像データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置101に送信する。以上の処理により、映像音声再生装置104から出力される映像データは、順方向接続された無線を介して、映像音声出力装置108まで伝送される。
次に、図13〜図17を参照して、映像音声出力装置108がソースデバイスとなる場合の処理について説明する。図13は、映像音声出力装置108に入力される放送波からの番組を、シアターモードで視聴している場合の映像データ及び音声データの流れを示す図である。図14〜図17は、無線伝送システムを構成する各装置の処理シーケンスを示す図である。
図13に示される例では、映像データは、映像音声出力装置108のディスプレイ606から出力される。また、映像音声出力装置108から出力される音声データは、無線伝送装置101、及び無線伝送装置102を経由して音声出力装置103のスピーカ406から出力される。ここで、無線伝送装置101と無線伝送装置102の間で音声データの伝送を行うためには、逆方向接続を確立する必要がある。
そこで、上記のように音声データを伝送する以前に、例えば、映像音声出力装置108は、オペランド領域に映像音声出力装置108の物理アドレス[0.0.0.0]を設定した“Active Source”メッセージブロードキャストする。または、映像音声出力装置108は、オペランド領域に映像音声出力装置108の物理アドレス[0.0.0.0]を設定した“Set Stream Path”をブロードキャストする。これらのCECメッセージを用いて、逆方向接続を行う処理について、図14〜図17を用いて説明する。
図14に、映像音声出力装置108から“Set Stream Path”メッセージが送信される場合のシーケンスの一例を示す。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
映像音声出力装置108の有線送受信回路602は、映像音声伝送ケーブル109、112のCEC信号線に、“Set Stream Path”メッセージを送信する。このCECメッセージのオペランド領域には、ソースデバイスとなる映像音声出力装置108の物理アドレス[0.0.0.0]が設定されている。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[0.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。
ここで、無線伝送装置101のコントローラ201は、接続開始条件を満たしているか否かを確認してもよい。この例においては、例えば、下記の接続開始条件(a1)〜(d2)を判断してもよい。なお、この接続開始条件(a1)〜(d2)は、図15〜図17、図19〜図22に示される例でも共通して利用することができる。
(a1)システム全体がシアターモードで動作している。
(b2)無線伝送装置102が音声データの有線出力機能を保有している。
(c2)無線伝送装置102が音声データの無線受信機能を保有している。
(d2)無線伝送装置102と音声出力装置103とが接続されている。
まず、(a1)の確認は、既に説明しているので、再度の説明は省略する。
次に、(b2)〜(d2)の確認方法について、図28を用いて説明する。但し、第1の実施形態においては、図28の映像音声出力装置701に代えて、無線伝送装置101が処理を実行するものとする。
無線伝送装置101は、デバイス情報要求信号を無線伝送装置102に送信する。無線伝送装置102は、デバイス情報要求信号を受信したとき、デバイス情報応答信号を無線伝送装置101に送信する。
図29にデバイス情報要求信号のメッセージフォーマットの一例を示す。図29において、オペコードフィールド801は、メッセージの種別を示すフィールドである。第1の実施形態においては、デバイス能力要求信号であることを示す値がセットされる。要求タイプフィールド802は、要求するタイプをビットマップで示すフィールドである。第1の実施形態においては、デバイス情報を要求するビットが1にセットされる。リザーブフィールド803は、将来のための予約フィールドである。全体メッセージ長フィールド804は、メッセージ内にさらにサブメッセージを含む場合に、その長さの合計がセットされるフィールドである。
図30にデバイス情報応答信号のメッセージフォーマットの一例を示す。図30において、オペコードフィールド901は、メッセージの種別を示すフィールドである。第1の実施形態においては、デバイス能力応答信号であることを示す値がセットされる。全体メッセージ長フィールド902は、メッセージ内にさらにサブメッセージを含む場合にその長さの合計がセットされるフィールドである。タイプフィールド903は、サブメッセージのタイプがセットされるフィールドである。第1の実施形態においては、デバイス情報メッセージであることを示す値がセットされる。サブメッセージ長フィールド904は、サブメッセージの長さがセットされるフィールドである。デバイス種別フィールド905は、デバイスの種別がセットされるフィールドである。バージョンフィールド906は、デバイスのバージョンがセットされるフィールドである。AVタイプフィールド907は、無線伝送における映像データ送信機能、映像データ受信機能、音声データ送信機能、音声データ受信機能に対応するビットから構成され、デバイスが各機能を有する場合は、1にセットされるフィールドである。無線タイプフィールド908は、無線の種別がセットされるフィールドである。フラグフィールド909は、映像データ又は音声データの有線出力機能、映像伝送ケーブル又は音声伝送ケーブルの接続状態などのデバイスの能力に対応するフラグが格納され、接続状態や能力に応じてフラグがセットされるフィールドである。
このように、デバイス情報応答信号には、無線伝送装置102のパケット無線送受信回路302が音声データ受信機能を有しているか否かの情報、無線伝送装置102が音声有線送信回路305を備えているか否かの情報、及び音声伝送ケーブル107の接続状態を含めることができる。
上記音声伝送ケーブルの接続状態は、無線伝送装置102が音声出力装置103に音声伝送ケーブル107を介して接続されているか否かを示す接続状態を示す。具体的には、デバイス情報応答信号送信時に、上記フラグフィールド909内の特定のフラグに接続状態を反映させる。
なお、(b2)及び(d2)をまとめて、例えば1つのフラグとして無線伝送装置102が無線伝送装置101に通知してもよい。この場合は、例えば、音声データの有線出力機能の有無と、無線伝送装置102と音声出力装置103との間の音声伝送ケーブル107の接続状態の組み合わせに対して、所定値を付与することで実現できる。
なお、(b2)、(c2)及び(d2)をまとめた情報を、AVタイプフィールド907に格納し、無線伝送装置102が無線伝送装置101に通知してもよい。この場合は、例えば、音声データの有線出力機能の有無、音声データの無線受信機能の有無、及び無線伝送装置102と音声出力装置103との間の音声伝送ケーブル107の接続状態の組み合わせに対して、所定値を付与することで実現できる。
以下に、デバイス情報応答信号の設定の具体例を挙げる。
デバイス種別フィールド905には、無線伝送装置102がアダプタであることを示す値がセットされる。AVタイプフィールド907には、映像データ送信機能、音声データ送信機能、音声データ受信機能に対応するそれぞれのビットが1にセットされる。無線タイプフィールド908には、映像データ及び音声データの高速送信が可能で、かつ音声データの低速受信が可能である無線タイプを示す値がセットされる。フラグフィールド909には、音声有線伝送機能を持っていることを示すフラグ及び音声伝送ケーブルの接続状態を示すフラグに1がセットされる。
無線伝送装置101は、デバイス情報応答信号を参照し、無線伝送装置102がアダプタで、音声データの受信機能を有し、音声データの低速受信が可能であるという情報から、(c2)の条件を満たすことを確認する。また、フラグフィールド909から、(b2)および(d2)の条件を満たすことを確認する。
また、AVタイプフィールド907の音声データ受信機能に対応するビットを、無線伝送装置102が音声出力装置103に音声伝送ケーブル107を介して接続されている場合にのみ1にセットすることにより、(b2)、(c2)および(d2)の条件をそのビットから確認することも可能である。また、デバイス情報応答信号ではなく異なるメッセージを受信し、無線伝送装置102が音声出力装置103に音声伝送ケーブル107を介して接続されていることを示すビットを参照することにより、(d2)の条件を判断してもよい。
コントローラ201は、上記4つの接続開始条件(a1)〜(d2)を全て満たしている場合に、無線伝送装置102との無線接続を確立する処理に進む。一方、コントローラ201は、上記4つの接続開始条件(a1)〜(d2)のいずれか1つでも満たされていない場合、無線伝送装置102との無線接続を開始せずに処理を完了する。この時、コントローラ201は、無線接続を開始しなかった原因を映像音声出力装置108に送信し、映像音声出力装置108のディスプレイ606もしくはスピーカ605を通してユーザに通知してもよい。例えば、(d1)が満たされていなかった場合は、「音声ケーブルが接続されていません。」や「AVアンプに音声ケーブルを接続してください。」などのメッセージをディスプレイ606に表示したり、スピーカ605を通して音声で通知する。
そして、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置101は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置101は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を、LRPを用いて無線伝送装置102に送信する。以上の処理により、映像音声出力装置108から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
図15に、映像データを送信するための順方向接続が既に確立されている場合において、新たに逆方向接続を確立するためのシーケンスの一例を示す。このような状況は、例えば、映像音声再生装置104に挿入されたDVDのコンテンツをシアターモードで視聴している時に、映像音声出力装置108の放送波受信回路607で受信したコンテンツをシアターモードで視聴し始める場合に起こり得る。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
まず、無線伝送装置101、102の間では、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)が予約されており、映像音声再生装置104から映像音声出力装置108に映像データが伝送されている。この状況で、ソースデバイスが映像音声再生装置104から映像音声出力装置108に切り替えられると、映像音声出力装置108は、物理アドレス[0.0.0.0]が設定された“Set Stream Path”メッセージを送信する。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[0.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。
次に、無線伝送装置101は、順方向接続を切断するための切断通知を無線伝送装置102に送信する。切断通知を受信した無線伝送装置102は、予約帯域を解放する帯域解放処理を実施する。帯域解放処理が実施された後、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置101は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置101は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置102に送信する。以上の処理により、映像音声出力装置108から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
図16に、映像音声出力装置108から“Active Source”メッセージが送信される場合のシーケンスの一例を示す。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
映像音声出力装置108の有線送受信回路504は、映像音声伝送ケーブル109、112のCEC信号線に、“Active Source”メッセージを送信する。このCECメッセージのオペランド領域には、ソースデバイスとなる映像音声出力装置108の物理アドレス[0.0.0.0]が設定されている。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[0.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。そして、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置101は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置101は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置102に送信する。以上の処理により、映像音声出力装置108から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
図17に、映像データを送信するための順方向接続が既に確立されている場合において、新たに逆方向接続を確立するためのシーケンスの一例を示す。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
まず、無線伝送装置101、102の間では、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)が予約されており、映像音声再生装置104から映像音声出力装置108に映像データが伝送されている。この状況で、映像音声出力装置108は、物理アドレス[0.0.0.0]が設定された“Active Source”メッセージを送信する。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[0.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。
次に、無線伝送装置101は、順方向接続を切断するための切断通知を無線伝送装置102に送信する。切断通知を受信した無線伝送装置102は、予約帯域を解放する帯域解放処理を実施する。帯域解放処理が実施された後、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置101は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置101は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置102に送信する。以上の処理により、映像音声出力装置108から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
次に、図18〜図22を参照して、映像音声再生装置111がソースデバイスとなる場合の処理について説明する。図18は、映像音声再生装置111によって再生されたコンテンツを、シアターモードで視聴している場合の映像データ及び音声データの流れを示す図である。図19〜図22は、無線伝送システムを構成する各装置の処理シーケンスを示す図である。
映像音声再生装置111から出力される映像データは、映像音声出力装置108のディスプレイ606から出力される。また、映像音声再生装置111から出力される音声データは、映像音声出力装置108、無線伝送装置101、及び無線伝送装置102を経由して音声出力装置103のスピーカ406から出力される。ここで、無線伝送装置101と無線伝送装置102の間で音声データの伝送を行うためには、逆方向接続を確立する必要がある。
そこで、上記のように音声データが伝送される以前に、例えば、映像音声再生装置111は、オペランド領域に映像音声再生装置111の物理アドレス[2.0.0.0]を設定した“Active Source”メッセージをブロードキャストする。または、映像音声出力装置108は、オペランド領域に映像音声再生装置111の物理アドレス[2.0.0.0]を設定した“Set Stream Path”メッセージをブロードキャストする。これらのCECメッセージを用いて、逆方向接続を行う処理について、図19から図22を用いて説明する。
図19に、映像音声出力装置108から“Set Stream Path”メッセージが送信される場合のシーケンスの一例を示す。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
まず、映像音声出力装置108は、物理アドレス[2.0.0.0]が設定された“Set Stream Path”メッセージを送信する。無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[2.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。そして、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置101は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置101は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置102に送信する。以上の処理により、映像音声再生装置111から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
図20に、映像データを送信するための順方向接続が既に確立されている場合において、新たに逆方向接続を確立するためのシーケンスの一例を示す。このような状況は、例えば、映像音声再生装置104に挿入されたDVDのコンテンツをシアターモードで視聴している時に、映像音声再生装置111のHDD(Hard Disk Drive)に記録されているコンテンツをシアターモードで視聴し始める場合に起こり得る。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
まず、無線伝送装置101、102の間では、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)が予約されており、映像音声再生装置104から映像音声出力装置108に映像データが伝送されている。この状況で、ソースデバイスが映像音声再生装置104から映像音声再生装置111に切り替えられると、映像音声出力装置108は、物理アドレス[2.0.0.0]が設定された“Set Stream Path”メッセージを送信する。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[2.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。
次に、無線伝送装置101は、順方向接続を切断するための切断通知を無線伝送装置102に送信する。切断通知を受信した無線伝送装置102は、予約された無線帯域(HRP)を解放する帯域解放処理を実施する。帯域解放処理が実施された後、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置101は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置101は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置102に送信する。以上の処理により、映像音声再生装置111から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
図21に、映像音声再生装置111から“Active Source”メッセージが送信される場合のシーケンスの一例を示す。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
映像音声再生装置111の有線送受信回路504は、映像音声伝送ケーブル112のCEC信号線に、“Active Source”メッセージを送信する。このCECメッセージのオペランド領域には、ソースデバイスとなる映像音声再生装置111の物理アドレス[2.0.0.0]が設定されている。また、このCECメッセージは、映像音声出力装置108で中継されて、無線伝送装置101に到達する。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[2.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。そして、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置101は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置101は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置102に送信する。以上の処理により、映像音声再生装置111から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
図22に、映像データを送信するための順方向接続が既に確立されている場合において、新たに逆方向接続を確立するためのシーケンスの一例を示す。なお、既に説明したシーケンスとの共通点の詳しい説明は省略し、相違点を詳しく説明する。
まず、無線伝送装置101、102の間では、映像データを伝送するための無線帯域(HRP)が予約されており、映像音声再生装置104から映像音声出力装置108に映像データが伝送されている。この状況で、映像音声再生装置111は、物理アドレス[2.0.0.0]が設定された“Active Source”メッセージを送信する。
無線伝送装置101は、映像音声出力装置108から受信したCECメッセージを無線伝送装置102に中継すると共に、当該CECメッセージに含まれる物理アドレス[2.0.0.0]を参照し、無線伝送装置102の上流に接続された装置の物理アドレスでないことを認識する。
次に、無線伝送装置101は、順方向接続を切断するための切断通知を無線伝送装置102に送信する。切断通知を受信した無線伝送装置102は、予約された無線帯域(HRP)を解放する帯域解放処理を実施する。帯域解放処理が実施された後、無線伝送装置101は、逆方向接続を確立するための接続要求を無線伝送装置102に送信する。接続要求を受信した無線伝送装置102は、接続を許可する接続応答を無線伝送装置101に送信する。接続応答を受信した無線伝送装置102は、音声データを伝送するための無線帯域(LRP)を予約する。その後、無線伝送装置102は、音声データのストリーム伝送を開始することを示すストリーム開始通知を無線伝送装置101に送信する。以上の処理により、映像音声再生装置111から出力される音声データは、逆方向接続された無線を介して、音声出力装置103まで伝送される。
図23は、無線伝送装置101のコントローラ201の切断処理のフローチャートの一例を示す図である。
無線伝送装置101のコントローラ201は、無線伝送装置102との無線接続が確立している間(S2301)に、有線送受信回路204から映像音声伝送ケーブル109のHPD信号線の信号レベルを取得する(S2302)。そして、HPD信号線の信号レベルがLowの状態が所定時間継続した場合(S2302でYes)、コントローラ201は、無線伝送装置102との間で切断処理を行う(S2303)。なお、切断処理とは、無線伝送装置102に切断通知を送信し、予約されている帯域を解放する処理である。一方、HPD信号線の信号レベルがLowの状態が所定時間継続しない場合(S2302でNo)、コントローラ201は、処理を終了する。
なお、本発明の映像音声出力装置108は、スピーカ605及びディスプレイ606は装置に内蔵されているが、STB(Set Top Box)のようにスピーカ及びディスプレイを内蔵せず、外部に設置されたスピーカ及びディスプレイに接続されてもよい。その場合、スピーカ及びディスプレイに代わり、映像音声処理回路に有線送受信回路が接続され、有線送受信回路及び映像音声伝送ケーブル、音声伝送ケーブルなどを介して、外部のスピーカ及びディスプレイに接続される。また、音声出力装置も同様に、スピーカを内蔵せず、装置外部のスピーカと接続されていてもよい。また、音声出力装置に接続されるスピーカは2台以上でもよい。
(第2の実施形態)
図25は、本発明の第2の実施形態に係る音声データの無線伝送方法を用いて音声データを伝送する無線通信システムの一構成例を示すブロック図である。なお、第1の実施形態との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図25において、映像音声出力装置701は、TVなどの映像データ出力及び音声データ出力が可能な装置である。無線伝送装置102は、無線を用いて映像データ及び音声データの送受信が可能な装置である。音声出力装置103は、AVアンプなどの音声データを出力することが可能な装置である。映像音声再生装置104は、映像データ及び音声データを再生し、他の装置へ出力することが可能な装置である。
また、映像音声伝送ケーブル105、映像音声伝送ケーブル106は、HDMI(HighDefinition Multimedia Interface)ケーブルなどの映像データ及び音声データを伝送することが可能なケーブルである。音声伝送ケーブル107は、SPDIF(Sony Philips Digital Interface)ケーブルなどの音声データを伝送することが可能なケーブルである。
第2の実施形態における無線通信システムは、音声データの出力において、2つの出力形態(シアターモード、通常モード)を備えている。シアターモードは、音声データを、映像データを出力する映像音声出力装置701外部のスピーカから出力するモードである。一方、通常モードは、映像データを出力する映像音声出力装置701から音声データも出力するモードである。
なお、無線伝送装置102及び音声出力装置103の各構成は、以下の各実施形態に適用される。
図26は、第2の実施形態における映像音声出力装置701の一構成例を示すブロック図である。図26において、映像音声出力装置701は、アンテナ206を備えたパケット無線送受信回路202と、パケット処理回路203と、映像音声処理回路604と、スピーカ605と、ディスプレイ606と、放送波受信回路607と、これらの回路等202、203、604、607の動作を制御するコントローラ201とを備える。つまり、この映像音声出力装置701は、第1の実施形態に係る無線伝送装置101及び映像音声出力装置108を一体構成したものに相当する。
まず、アンテナ206を介して無線信号を受信した場合の映像音声出力装置701の動作について説明する。
パケット無線送受信回路202は、アンテナ206を介して受信された無線信号をベースバンド信号に復調した後、パケット処理回路203に出力する。パケット処理回路203は、パケット無線送受信回路202より入力されるベースバンド信号から所定のパケット分離処理により映像データ、音声データ及び所定の制御コマンドのみを取り出すことにより受信されたパケットをデコードし、映像データ及び音声データを映像音声処理回路604に出力する一方、制御コマンドをコントローラ201に出力する。
映像音声処理回路604は、パケット処理回路203から入力される映像データ及び音声データ、もしくは映像データのみを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、ディスプレイ606に出力して表示する。また、映像音声処理回路604は、通常モード時は、コントローラ201の制御に従って、入力される音声データを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、スピーカ605に出力する。一方、シアターモード時は、映像音声処理回路604は、コントローラ201の制御に従って、スピーカ605への音声データ出力は行わない。
次に、放送波を受信した場合の映像音声出力装置701の動作を説明する。
放送波受信回路607は、放送波を受信し、所定の信号処理を実行した後、映像データ及び音声データを映像音声処理回路604に出力する。映像音声処理回路604は、映像データを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、ディスプレイ606に出力して表示する。また、映像音声処理回路604は、通常モード時は、コントローラ201の制御に従って、入力される音声データを所定の信号処理やD/A変換処理を実行した後、スピーカ605に出力して音声データの出力を行う。一方、シアターモード時は、映像音声処理回路604は、コントローラ201の制御に従って、スピーカ605への音声出力は行わず、パケット処理回路203に音声データを出力する。
パケット処理回路203は、入力される音声データを、所定のパケットの形式のデジタル信号に変換してパケット無線送受信回路202に出力する。パケット無線送受信回路202は、パケット処理回路203から入力されるデジタル信号に従って搬送波信号をデジタル変調し、変調後の無線信号を、アンテナ206を介して無線伝送装置102に無線送信する。
また、コントローラ201は、アンテナ206を介して無線信号を受信した場合、及び、放送波を受信した場合において、パケット無線送受信回路202、パケット処理回路203、映像音声処理回路604、及び放送波受信回路607と制御データの交換を行い、それぞれの制御を行う。
無線伝送装置102、音声出力装置103、及び映像音声再生装置104の構成は、図3〜5を用いて既に説明しているので、再度の説明は省略する。
以下、ユーザが映像音声再生装置104によって再生されたコンテンツを、音声出力装置103及び無線伝送装置102を経由して、映像音声出力装置701のディスプレイ606及びスピーカ605もしくは音声出力装置103のスピーカ406を用いて視聴しているときに、ユーザが映像音声出力装置701に入力される放送波からの番組を視聴するために、映像音声出力装置701の入力切替を行った場合の処理について図27〜図30を用いて説明する。
図27は、映像音声出力装置701のコントローラ201で行われる接続処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS2701において、コントローラ201は、映像音声出力装置701に対して、映像音声再生装置104から放送波への入力切替操作がユーザによって行われたことを検出すると、ステップS2702に進む。ここで、入力切替操作の検出は、本発明の要旨ではないので、どのような方法でも構わない。例えば、図示しない操作受付部などからコントローラ201に出力される信号によって行う。
ステップS2702において、コントローラ201は、パケット処理回路203、パケット無線送受信回路202、及びアンテナ206を制御して、無線通信の切断通知信号を無線伝送装置102に送信し、ステップS2703に進む。
ステップS2703において、コントローラ201は、パケット処理回路203、パケット無線送受信回路202、及びアンテナ206を制御して、無線伝送装置102との無線通信において使用していた伝送帯域の帯域解放処理を実施し、ステップS2704に進む。
ステップS2704において、コントローラ201は、接続開始条件を満たすか否かの判断を行う。接続開始条件として、コントローラ201は、以下の(a1)〜(d3)の4つの項目を確認する。
(a1)システム全体がシアターモードで動作している。
(b3)無線伝送装置102が音声データの有線出力機能を保有している。
(c3)無線伝送装置102が音声データの無線受信機能を保有している。
(d3)無線伝送装置102と音声出力装置103間の接続状態。
ここで、各項目の確認方法について、説明する。
まず、(a1)の確認は、映像音声出力装置701のコントローラ201と音声出力装置103のコントローラ401との間で制御信号を交換し、シアターモードで動作するか通常モードで動作するかを決定することで行われる。
映像音声出力装置701のコントローラ201は、現在の動作モードがシアターモードであるか通常モードであるかを記憶する。例えば、動作モードはユーザによって設定される。音声出力装置103のコントローラ401は、映像音声出力装置701のコントローラ201から動作モードを取得する。
次に、(b3)〜(d3)で示す伝送状態情報の確認について、図28を用いて説明する。図28は、映像音声出力装置701が無線伝送装置102に音声有線送信回路305を備えているか否かなどのデバイス情報を取得するときのシーケンスを示す図である。
映像音声出力装置701は、デバイス情報要求信号を無線伝送装置102に送信する。無線伝送装置102は、デバイス情報要求信号を受信したとき、デバイス情報応答信号を映像音声出力装置701に送信する。
図29にデバイス情報要求信号のメッセージフォーマットの一例を示す。図29において、オペコードフィールド801は、メッセージの種別を示すフィールドである。第2の実施形態においては、デバイス能力要求信号であることを示す値がセットされる。要求タイプフィールド802は、要求するタイプをビットマップで示すフィールドである。第2の実施形態においては、デバイス情報を要求するビットが1にセットされる。リザーブフィールド803は、将来のための予約フィールドである。全体メッセージ長フィールド804は、メッセージ内にさらにサブメッセージを含む場合にその長さの合計がセットされるフィールドである。
図30にデバイス情報応答信号のメッセージフォーマットの一例を示す。図30において、オペコードフィールド901は、メッセージの種別を示すフィールドである。第2の実施形態においては、デバイス能力応答信号であることを示す値がセットされる。全体メッセージ長フィールド902は、メッセージ内にさらにサブメッセージを含む場合にその長さの合計がセットされるフィールドである。タイプフィールド903は、サブメッセージのタイプがセットされるフィールドである。第2の実施形態においては、デバイス情報メッセージであることを示す値がセットされる。サブメッセージ長フィールド904は、サブメッセージの長さがセットされるフィールドである。デバイス種別フィールド905は、デバイスの種別がセットされるフィールドである。バージョンフィールド906は、デバイスのバージョンがセットされるフィールドである。AVタイプフィールド907は、無線伝送における映像データ送信機能、映像データ受信機能、音声データ送信機能、音声データ受信機能に対応するビットから構成され、デバイスが各機能を有する場合は、1にセットされるフィールドである。無線タイプフィールド908は、無線の種別がセットされるフィールドである。フラグフィールド909は、音声データの有線出力機能、音声伝送ケーブルの接続状態などのデバイスの能力に対応するフラグが格納され、接続状態や能力に応じてフラグがセットされるフィールドである。
このように、デバイス情報応答信号には、無線伝送装置102のパケット無線送受信回路302が音声データ受信機能を有しているか否かの情報や無線伝送装置102が音声有線送信回路305を備えているか否かの情報や音声伝送ケーブル107の接続状態を含めることができる。
上記音声伝送ケーブル107の接続状態は、無線伝送装置102が音声出力装置103に音声伝送ケーブル107を介して接続されているか否かを示す接続状態を監視し、デバイス情報応答信号送信時に上記フラグフィールド909内の特定のフラグに接続状態を反映させる。
なお、(b3)及び(d3)をまとめて、例えば1つのフラグとして無線伝送装置102が映像音声出力装置701に通知してもよい。この場合は、例えば、音声データの有線出力機能の有無と、無線伝送装置102と音声出力装置103との間の音声伝送ケーブル107の接続状態の組み合わせに対して、所定値を付与することで実現できる。
なお、(b3)、(c3)及び(d3)をまとめた情報を、AVタイプフィールド907に格納し、無線伝送装置102が映像音声出力装置701に通知してもよい。この場合は、例えば、音声データの有線出力機能の有無と、音声データの無線受信機能の有無と、無線伝送装置102と音声出力装置103との間の音声伝送ケーブルの接続状態との組み合わせに対して、所定値を付与することで実現できる。
以下に、デバイス情報応答信号の設定の具体例を挙げる。
デバイス種別フィールド905には、無線伝送装置102がアダプタであることを示す値がセットされる。AVタイプフィールド907は、映像データ送信機能、音声データ送信機能、音声データ受信機能に対応するそれぞれのビットが1にセットされる。無線タイプフィールド908には、映像データ及び音声データの高速送信が可能かつ音声データの低速受信が可能である無線タイプを示す値がセットされる。フラグフィールド909には、音声有線伝送機能を持っていることを示すフラグ及び音声伝送ケーブルの接続状態を示すフラグに1がセットされる。
映像音声出力装置701は、デバイス情報応答信号を参照し、無線伝送装置102がアダプタでかつ、音声データの受信機能を有し、音声データの低速受信が可能であるという情報から、(c3)の条件を満たすことを確認する。また、フラグフィールド909から、(b3)および(d3)の条件を満たすことを確認する。
また、AVタイプフィールド907の音声データ受信機能に対応するビットを無線伝送装置102が音声出力装置103に音声伝送ケーブル107を介して接続されている場合にのみ1にセットすることにより、(b3)、(c3)および(d31)の条件をそのビットから確認することも可能である。また、デバイス情報応答信号ではなく異なるメッセージを受信し、無線伝送装置102が音声出力装置103に音声伝送ケーブル107を介して接続されていることを示すビットを参照することにより、(d3)の条件を判断してもよい。
コントローラ201は、上記4つの接続開始条件(a1)〜(d3)を全て満たしている場合は、パケット処理回路203、パケット無線送受信回路202、及びアンテナ206を制御して、無線伝送装置102との無線接続を開始し、ステップS2705に進む。また、コントローラ201は、上記4つの接続開始条件(a1)〜(d3)のいずれか1つでも満たされていない場合、無線伝送装置102との無線接続を開始せずに処理を完了する。
この時、コントローラ201は、映像音声処理回路604を制御して、無線接続を開始しなかった原因をディスプレイ606もしくはスピーカ605を通してユーザに通知してもよい。例えば、(d3)が満たされていなかった場合は、「音声ケーブルが接続されていません。」や「AVアンプに音声ケーブルを接続してください。」などのメッセージをディスプレイ606に表示したり、スピーカ605を通して音声で通知する。
ステップS2705において、コントローラ201は、パケット処理回路203、パケット無線送受信回路202、及びアンテナ206を制御して、無線接続要求信号を無線伝送装置102に送信し、ステップS2706に進む。ステップS2706において、コントローラ201は、無線伝送装置102より、接続を許可する接続応答(許可)信号を受信するまで待機する。コントローラ201は、アンテナ206、パケット無線送受信回路202、及びパケット処理回路203を介して、無線伝送装置102からの接続応答(許可)信号を受信すると、ステップS2707に進む。また、コントローラ201は、接続応答信号を一定期間受信しないか、あるいは、無線伝送装置102から接続の拒否を示す接続応答(拒否)信号を受信すると、処理を完了する。
ステップS2707において、コントローラ201は、パケット処理回路203、パケット無線送受信回路202、及びアンテナ206を制御して、帯域予約処理を実施し、音声データを送信するための帯域もしくは時間を予約する。コントローラ201は、帯域予約処理を完了すると、ステップS2708に進む。ステップS2708において、コントローラ201は、パケット処理回路203、パケット無線送受信回路202、及びアンテナ206を制御して、音声データの伝送を開始することを示すストリーム開始通知信号を無線伝送装置102に送信する。ステップS2709において、コントローラ201は、放送波受信回路607が受信した音声信号を無線伝送装置102へ送信するよう、放送波受信回路607、映像音声処理回路604、パケット処理回路203、及びパケット無線送受信回路202を制御する。
図31は、無線伝送装置102のコントローラ301の接続処理のフローチャートである。
ステップS3101において、コントローラ301は、アンテナ306、パケット無線送受信回路302、及びパケット処理回路303を介して映像音声出力装置701からの接続要求信号を受信すると、ステップS3102に進む。ステップS3102において、コントローラ301は、接続許可条件を満たすか否かを確認する。接続許可条件として、以下の(a2)、(d4)の2つの項目を確認する。
(a2)システム全体がシアターモードで動作している。
(d4)無線伝送装置102が音声出力装置103に音声伝送ケーブル107を介して接続されている。
ここで、(a2)、(d4)の確認方法について説明する。(a2)は、(a1)と同様、映像音声出力装置701と音声出力装置103の間で制御信号を交換し、シアターモードで動作するか通常モードで動作するかを決定する。なお、映像音声出力装置701において、(a1)の確認が行われる場合は、必ずしも(a2)の確認を行う必要はない。また(d4)は、コントローラ301が音声有線送信回路305に音声伝送ケーブル107が接続されているかを問い合わせることで確認する。なお、(d4)の確認が行われる場合は、必ずしも(d3)の確認を行う必要はない。
コントローラ301は、上記の接続開始条件(a2)、(d4)を全て満たしている場合、S3103に進み、パケット処理回路303、パケット無線送受信回路302、及びアンテナ306を制御して、接続応答(許可)信号を映像音声出力装置701に送信する。一方、コントローラ301は、上記の接続開始条件(a2)、(d4)のいずれか1つでも満たされていない場合、ステップS3104に進む。ステップS3104において、コントローラ301は、パケット処理回路303、パケット無線送受信回路302、及びアンテナ306を制御して、接続応答(拒否)信号を映像音声出力装置701に送信する。
図32は、システム全体がシアターモードで動作しており、接続が許可される場合のシステム全体のシーケンスを示す図である。
初期状態として、映像音声出力装置701の入力が映像音声再生装置104になっている。この場合、映像音声再生装置104において、コントローラ501の制御に従って、映像音声再生回路502が再生した映像データ及び音声データは映像音声処理回路503において信号処理が施され、有線送受信回路504を介して、音声出力装置103に出力される。
音声出力装置103においては、コントローラ401の制御に従って、有線送受信回路402に入力された音声データは、映像音声処理回路403を介してスピーカ406から出力され、映像データは映像音声処理回路403、及び有線送受信回路404を介して無線伝送装置102に出力される。無線伝送装置102においては、音声出力装置103から入力された映像データは、有線送受信回路304を介して入力され、コントローラ301の制御に従って、パケット処理回路303、パケット無線送受信回路302、及びアンテナ306を介して、映像音声出力装置701に無線送信される。
映像音声出力装置701では、アンテナ206、及びパケット無線送受信回路202を介して受信された映像データは、コントローラ201の制御に従って、パケット処理回路203、及び映像音声処理回路604を介してディスプレイ606に出力される。ここで、音声出力装置103は、無線伝送装置102に対して、映像データとともに音声データを送信してもよい。その場合、映像音声出力装置701のコントローラ201は、映像音声出力装置701をミュート状態にし、スピーカ605から音声が出力されないよう映像音声処理回路604を制御する。
ここで、ユーザによって、映像音声出力装置701の入力が映像音声再生装置104から放送波に切り替えられる。このとき、映像音声出力装置701は、切断通知信号を無線伝送装置102に送信する。無線伝送装置102は、切断通知信号を受信し、映像音声出力装置701との無線通信を切断する。その後、映像音声出力装置701は、無線伝送装置102との無線通信のために確保していた帯域の帯域解放処理を実施する。
次に、映像音声出力装置701は、接続開始条件の確認を行い、(a1)〜(d3)の条件を全て満たしていることを確認する。接続開始条件(a1)〜(d3)を全て満たしている場合、映像音声出力装置701は、接続要求信号を無線伝送装置102に送信する。一方、接続開始条件(a1)〜(d3)を1つでも満たしていない場合は、映像音声出力装置701は、接続信号を無線伝送装置102に送信しない。
無線伝送装置102は、接続要求信号を受信すると、接続開始条件(a4)、(d4)を全て満たしていることを確認する。そして、接続開始条件(a4)、(d4)を全て満たしている場合には、接続応答(許可)信号を映像音声出力装置701に送信する。映像音声出力装置701は、接続応答(許可)を受信すると、無線通信に必要な帯域を確保する帯域予約処理を行い、その後、ストリーム開始通知信号を無線伝送装置102に送信するとともに音声データを無線伝送装置102に送信する。無線伝送装置102は、受信した音声データを音声出力装置103に出力し、音声出力装置103はスピーカ406から音声データを出力する。
図33は、映像音声出力装置701で行われる接続処理のフローチャートである。
まず、S3301において、電源がオンされると、S2704に進む。S2704以降は、図27のS2704以降と同一なので、同符号を付与し、説明を省略する。
なお、第2の実施形態では、音声出力装置103と無線伝送装置102とは、映像音声伝送ケーブル106及び音声伝送ケーブル107で接続されているが、映像データ及び音声データの伝送が可能な通信路と、音声データの伝送が可能な通信路との両方を有する1本のケーブルで実現することも可能である。その場合は、(d3)及び(b4)においては、音声伝送ケーブル107の代わりにその一本のケーブルの接続状況を用いて判断を行う。その一本のケーブルがHDMIケーブルである場合は、5V信号の状態で接続状況を判断することが可能である。
(第3の実施形態)
図34は、本発明の第3の実施形態に係る音声データの伝送方法を用いて音声データを伝送する無線通信システムの構成を示すブロック図である。
第2の実施形態と第3の実施形態との相違点は、第2の実施形態における映像音声出力装置701より無線処理部が独立し、無線伝送装置101と映像音声出力装置108とで構成されていることである。
図34において、映像音声出力装置108は、TVなどの映像出力及び音声出力が可能な装置である。映像音声伝送ケーブル109は、HDMIケーブルなどの映像データ及び音声データを伝送することが可能なケーブルである。音声伝送ケーブル110は、SPDIFケーブルなどの音声データを伝送することが可能なケーブルである。
無線伝送装置102、音声出力装置103、及び映像音声再生装置104の構成と動作は、第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、無線伝送装置101及び映像音声出力装置108は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、第3の実施形態では、音声出力装置103と無線伝送装置102とは、映像音声伝送ケーブル106及び音声伝送ケーブル107で接続されているが、映像データ及び音声データの伝送が可能な通信路と音声データの伝送が可能な通信路の両方を有する1本のケーブルで実現することも可能である。その場合は、(d3)及び(b4)においては、音声伝送ケーブル107の代わりにその一本のケーブルの接続状況を用いて判断を行う。上記一本のケーブルがHDMIケーブルである場合は、5V信号の状態で接続状況を判断することが可能である。
また、第3の実施形態では、映像音声出力装置108と無線伝送装置101とは、映像音声伝送ケーブル109及び音声伝送ケーブル110で接続されているが、映像データ及び音声データの伝送が可能な通信路と、音声データの伝送が可能な通信路との両方を有する1本のケーブルで実現することも可能である。
以下、図面を用いて、ユーザによって、映像音声出力装置108において、映像音声再生装置104から放送波への入力切替が行われたときの無線伝送装置101の処理について説明する。
コントローラ601は、入力が放送波に切り替えられたことを検知すると、入力が放送波に切り替えられたことを示す切替通知信号を、有線送受信回路602、及び映像音声伝送ケーブル109を介して、無線伝送装置101に送信する。なお、切り替えの検知方法は、第2の実施形態と同様とする。無線伝送装置101において、コントローラ201は、有線送受信回路204、及びパケット処理回路203を介して、映像音声出力装置108からの切替通知信号を受信し、映像音声出力装置108の入力が放送波に切り替えられたことを認識する。
また、無線伝送装置101は、システム全体がシアターモードで動作しているか否かを映像音声出力装置108と音声出力装置103とで交換される制御信号を参照し判断する。無線伝送装置101のその他の接続処理は、第2の実施形態の図27で示されるフローチャートと同様であるので説明を省略する。また、無線伝送装置102の処理は、第2の実施形態の図31で示されるフローチャートと同様であるので説明を省略する。
なお、本発明の映像音声出力装置108は、スピーカ605及びディスプレイ606を内蔵しているが、STV(Set Top Box)のように内蔵せず、外部に設置されてもよい。その場合、スピーカ605及びディスプレイ606に代わり、映像音声処理回路604に有線送受信回路が接続され、有線送受信回路及び映像音声伝送ケーブル、音声伝送ケーブルなどを介して、外部のスピーカ、ディスプレイに接続される。また、音声出力装置103も同様に、スピーカ406を内蔵せず、装置外部のスピーカと接続されていてもよい。また、音声出力装置103に接続されるスピーカ406は2台以上でもよい。
(その他変形例)
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成要素を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶さている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。