JP5557747B2 - コンクリート混合物 - Google Patents

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Description

本発明は、新しい延性のある超高性能コンクリート、その製造方法及びその使用方法に関するものである。
超高性能コンクリートは、一般に100MPより大きい、さらに一般に120MPaより大きい28日圧縮強度を有している。
コンクリートは、例えば、かなりの圧縮強度を有する強い材料として、建設業において広く用いられている。しかしながら、特殊な用途に適合するようにコンクリートの特性を変更し且つ改善するために、新しいコンクリート添加剤に関する研究は継続されている。
コンクリートのための添加剤は、例えば金属繊維又は有機繊維という形で強化剤を含む。強靱化は、硬化コンクリートの破壊エネルギー及び/又は延性の増加において見ることができる。延性は、多くの用途にとって重要且つ好ましい特性である。
コンクリートにおける好ましい延性挙動を確保するために、繊維及び繊維量のパラメータは、慎重に選択されなければならない。これらは金属繊維と有機繊維とで異なる(当然のことながら、金属及び有機繊維の物理化学的特性は根本的に異なる)。繊維は、長さ(L)、直径(D)及び縦横比(LfD)に関する寸法が、一般に予め定められており、且つ、特性における所望の改善を確保するために、所定量が加えられなければならない。
金属繊維は実質的な延性を有し、それ故、それらをコンクリートに取込むことは、強化コンクリート材料に、ある特定の構造的な用途における好ましい延性挙動を与える。例えばポリビニルアルコール(PVA)などの有機繊維もまた、コンクリートの延性を得るために用いられてきた。
ガラス及びガラスから作られた繊維は壊れやすい。ガラスは、その物理化学的特性において、金属材料とも有機材料とも根本的に異なる。コンクリート混合物へ脆性を有するガラス繊維を取込んでも、ある特定の構造的な用途におけるこれらの混合物の延性を改善することは期待できなかったであろう。
現在、ガラス繊維及びコンクリートの他の成分の適切な選択、並びに、それらの相対量によって、延性のあるコンクリート混合物を得ることが可能となることが発見されている。本発明は、かかるコンクリート混合物の提供を目指す。
その結果、本発明は、相対的な重量部で、ポルトランドセメント:100と、D10〜D90が0.063mmと5mmとの間である単粒度を有する砂、又は、0.063mmと1mmとの間にD10〜D90を有する微細砂と、1mmと5mmとの間、例えば1mmと4mmとの間にD10〜D90を有する最も粗い砂とからなる、砂の混合物(2種の砂が好ましい):50〜200(好ましくは80より大きく、例えば80〜170、より好ましくは100〜150)と、15μmよりも小さい平均粒径を有する、微粒子のポゾラン又は非ポゾラン材料又はそれらの混合物:0〜70、好ましくは10〜60、例えば約50(10〜40も用いることが可能)と、減水流動化剤:0.1〜10と、水:10〜30と、を含み、且つ、硬化混合物の体積に対して0.5〜5体積%の、6〜120、好ましくは10〜80、例えば20〜40、より好ましくは約20の縦横比を有するガラス繊維を含み、各ガラス繊維は、複数のフィラメントを含んでいる、延性のある超高性能コンクリートを提供する。
その結果、個々の繊維が複数のフィラメントを含んでいる。
試験装置の形状寸法を示す。 本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す。 本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す。 本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す。 本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す。 本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す。 本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す。 本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す。
ガラス繊維は、一般に、ブッシュ又はオリフィスからの溶融ガラスの減衰流れによって形成される。水性サイジング混合物又は化学的処理を、繊維に適用することも可能である。
水性サイジング混合物は、滑剤、結合剤及び塗膜形成バインダー樹脂を含んでもよい。処理された繊維は、一般に、水分を取り除き且つ繊維の表面にサイズ混合物を硬化させるために加熱される。
化学的処理は、シランカップリング剤及び塗膜形成剤を含む混合物を用いることで達成することが可能である。
この明細書で用いられる「サイジング」という用語は、水性サイジング混合物及び化学的処理を包含する。
シランカップリング剤は、アミノシラン、シランエステル、ビニルシラン、メタクリロキシシラン、エポキシシラン、硫黄シラン、ウレイドシラン、イソシアナートシラン、及び、それらの混合物を含む。
塗膜形成剤は、塊状ポリウレタン塗膜形成要素、熱可塑性ポリウレタン樹脂塗膜形成要素、エポキシ樹脂塗膜形成要素、ポリオレフィン、変性のポリオレフィン、官能基を有するポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸塩、飽和ポリエステル樹脂塗膜形成要素、不飽和ポリエステル樹脂塗膜形成要素、ポリエーテル塗膜形成要素、及び、それらの混合物を含む。繊維中のガラスは、一般に耐アルカリ性である。摩耗抵抗及び/又はコンクリート練り混ぜ中のフィラメントの結合性を促進するために、繊維をサイズするのが好ましい。練り混ぜ中のフィラメントの分離を回避し又は減少させるために、マルチフィラメント繊維ではサイジングが好ましい。
コンクリート中のガラス繊維の体積百分率は、約1体積%より多いのが好ましく、例えば2〜5体積%であり、約2〜3体積%が好ましい。好ましい値は約2%である。
多芯繊維における個々のフィラメントの直径は、一般に約30μmよりも小さい。個々の繊維中の個々のフィラメントの数は、一般に50〜200であり、約100が好ましい。多芯繊維の複合直径は、一般に0.1〜0.5mm、好ましくは約0.3mmである。それらは一般に横断面がほぼ円形である。
ガラスは、一般に60GPa以上の、好ましくは70〜80GPaの、例えば72〜75GPaの、より好ましくは約72GPaのヤング係数を有している。
ガラス繊維の長さは、一般に骨材(又は砂)粒径より大きい。繊維長は、粒径より少なくとも3倍大きいのが好ましい。長さが入り交じったものを用いてもよい。ガラス繊維の長さは、一般に3〜20mm、例えば4〜20mmであり、4〜12mmが好ましく、例えば約6mmが好ましい。
マルチフィラメントガラス繊維の引張強度は、一般に約1700MPあるいはそれ以上である。
混合物中のガラス繊維(Sf)飽和投与量は、公式で表される:
Sf=Vf×L/D
ここで、Vfは繊維の実量である。本発明の延性のある混合物におけるSfは、一般に0.5〜5であり、0.5〜3が好ましい。生コンクリート混合物の優れた流動性を得るためのSfは、一般に約2以下である。実量は、ガラス繊維の重量及び密度から計算することができる。
本発明に係るコンクリート中のガラス繊維の表面は、親水性であることが好ましく、その場合には一般に結合がより強くなる。表面が疎水性の場合には、ガラス繊維の含有量を、2〜5%まで引き上げるのが好ましく、3〜4%まで引き上げるのがより好ましい。
砂は一般的に、ケイ砂又は石灰石砂、焼成ボーキサイト又は冶金残留物の粒子状物質である。細砂は、挽いて粉末にした硬く密度が高い鉱物材料、例えば挽いて粉末にしたビトリファイドスラグを含んでもよい。好ましい砂の混合物は、0.063mmと1mmとの間にD10〜D90を有する微細砂と、1mmと5mmとの間にD10〜D90を有する最も粗い砂とを含む混合物(2種の砂が好ましい)を含む。
本発明に係るコンクリートは、自己充填コンクリートであることが好ましい。ビカー硬化時間は、2〜18時間、例えば、4〜14時間であるのが好ましい。
UHPCは、その高いセメント量に起因して凝結において一般的に高い収縮量を示す。総収縮量は、水の添加の前に、一般的に2〜8分の1、好ましくは3〜5分の1、例えば4分の1の、クイックライム、生石灰又は酸化カルシウムを混合物に含有させることによって減少させることが可能である。
適したポゾラン材料は、シリコン又はフェロシリコン合金の製造時の副生成物である、ミクロシリカとしても知られているシリカフュームを含む。それは反応性ポゾラン材料として知られている。
その主成分は、アモルファス二酸化ケイ素である。個々の粒子は、一般に約5〜10nmの直径を有している。個々の粒子は0.1〜1μmの塊を形成するために凝集し、且つ、その結果、集合して20〜30μmの骨材となる。シリカフュームは、一般に10〜30m/gのBET比表面積を有している。
他のポゾラン材料は、例えば、メタカオリン及び火山性の天然ポゾラン、沈降物、又はダイアジェニックオリジンなどのアルミノケイ酸塩に富む材料を含む。
また、適した非ポゾラン材料は、炭酸カルシウム含有材料(例えば重質又は沈降炭酸カルシウム)、好ましくは重質炭酸カルシウムを含む。重質炭酸カルシウムは、例えば、登録商標Durcal1(OMYA、フランス)でよい。
非ポゾランは、5μmよりも小さい、例えば1〜4μmの平均粒径を有するのが好ましい。非ポゾランは、粉砕石英、例えば、フランスSifraco社から入手できる、実質的には非ポゾランシリカ充填剤であるC800でよい。
重質炭酸カルシウム又は石英の好ましいBET比表面積(既知の方法によって決定される)は、2〜10m/g、一般に8m/gよりも少なく、例えば4〜7m/gで、6m/gよりも少ないのが好ましい。
沈降炭酸カルシウムもまた、適した非ポゾラン材料である。個々の(第1の)粒子は、一般に約20nmの粒径を有している。個々の粒子は、約0.1〜1μmの(第2の)粒径を有する塊に凝集する。塊それ自体が1μmより大きい(第3の)粒径を有する塊を形成する。
例えば、重質炭酸カルシウム、粉砕石英、又は、沈降炭酸カルシウム、又は、それらの混合物といった、単一の非ポゾラン又は非ポゾランの混合物を用いることが可能である。ポゾラン材料の混合物、又は、ポゾラン及び非ポゾラン材料の混合物も用いることが可能である。
本発明に係るコンクリートは、強靱化要素、例えば金属繊維及び/又は有機繊維及び/又は後述する他の強靱化要素と共に用いることも可能である。
本発明の混合物は、金属繊維及び/又は有機繊維を含むことも可能である。繊維の体積量は、一般に硬化コンクリートの体積に対して0.5〜8%である。最終の硬化コンクリートの体積を用いて表される金属繊維の量は、一般に4%よりも少なく、例えば0.5〜3.5%、約2%が好ましい。同じ基準で表される有機繊維の量は、一般に1〜8%であり、2〜5%が好ましい。金属繊維は、一般に、例えば高強度鋼繊維、アモルファス鋼繊維又はステンレス鋼繊維などの鋼繊維から選択される。任意に、鋼繊維を、例えば、銅、亜鉛、ニッケル(又はそれらの合金)などの非鉄金属でコーティングすることが可能である。
金属繊維の個々の長さ(l)は、一般に少なくとも2mmであり、10〜30mmが好ましい。l/d比(繊維の直径d)は、一般に10〜300であり、30〜300が好ましく、30〜100がより好ましい。
ちじれ、波形又は両端がかぎ状といった様々な形状を有する繊維を用いることが可能である。繊維の粗さは様々でよく、及び/又は、様々な横断面の繊維を用いてもよい。繊維は、いくつかの金属線の編み又はより合わせを含む、捻れた集合体を形成するための適切な方法によって得ることができる。
セメント質の基材における金属繊維の結合は、繊維の表面処理によって促進される。この繊維処理は、繊維エッチング、又は、特に析出シリカ又は金属リン酸塩による繊維への無機化合物の沈着といった、一つ又はそれ以上の工程によって実施される。
エッチングは、例えば、その後に中和反応が続く、繊維の酸との接触によって実施される。
シリカは、シラン、シリコネート又はシリカゾルといったケイ素化合物を有する繊維と接触することで堆積される。それ故、当然のことながら、シリカ又はリン酸塩は実質的にはコンクリートマトリクス中の金属繊維の表面に閉じ込められており、マトリクス中に均一に分散していない。
リン酸塩処理は既知であり、例えばEyrollesから出版された、G.LORlNによる著作「金属のリン酸塩処理」(1973)に記載されている。
一般的に、金属リン酸塩は、金属リン酸塩、好ましくはリン酸マンガン又はリン酸亜鉛を含む水溶液に前もって酸洗された金属繊維を導入すること、及び、その後繊維を回収するための水溶液のフィルタリングを含むリン酸塩処理工程を用いることで堆積する。それ故、繊維は洗われ中和され且つ再び洗われる。通常のリン酸塩処理工程とは異なり、得られた繊維は、グリース型の仕上げを受ける必要はないが、防食保護を与え又はセメント質媒体による処理をより容易にするために、必要に応じて混和剤が添加される。リン酸塩処理は、繊維への金属リン酸塩溶液の塗装又は吹き付けによっても実行することが可能である。
有機繊維は、ポリビニル・アルコール繊維(PVA)、ポリアクリロニトリル繊維(PAN)、ポリエチレン繊維(PE)、高密度ポリエチレン繊維(HDPE)、ポリプロピレン繊維(PP)、単独重合体又は共重合体、ポリアミド又はポリイミド繊維を含む。これらの繊維の混合物もまた用いることができる。本発明で用いられる有機強化用繊維は、高弾性反応性繊維、低弾性非反応性繊維、及び、反応性繊維に分類することができる。有機繊維の存在は、熱や炎に対するコンクリートの性質を変更することを可能にする。
有機繊維の融解は、コンクリートが高温に曝されたときに、加圧水蒸気や高圧水が抜け出すことができる経路を作り出すことを可能とする。
有機繊維は、モノストランド又はマルチストランドとして存在することが可能である。モノ又はマルチストランドの直径は、10μm〜800μmが好ましい。有機繊維は、織物構造若しくは不織布構造の形式でも、又は、異なるフィラメントを含むハイブリッドストランドの形式でも用いることが可能である。
有機繊維の個々の長さは、5mm〜40mmが好ましく、6〜12mmが好ましい。有機繊維はPVA繊維が好ましい。
用いられる有機繊維の最適量は、一般的に、繊維形状、化学的性質及び固有の機械的性質(例えば、弾性係数、流動限界、機械的強度)によって決まる。
dが繊維直径であり且つlが長さであるl/d比は、一般に10〜300であり、30〜90が好ましい。
ガラス及び(a)金属又は(b)有機繊維を含む二成分のハイブリッド繊維、並びに、ガラス、金属及び有機繊維を含む三成分のハイブリッド繊維もまた用いることが可能である。ガラス及び有機及び/又は金属繊維の混合物もまた用いることが可能である。それ故、その機械的挙動を要求される性能に応じて適合させることが可能な「ハイブリッド」混合物が得られる。混合物は、ポリビニルアルコール(PVA)繊維を含んでいるのが好ましい。PVA繊維は、一般に6〜12mmの長さを有している。それらは一般に0.1〜0.3mmの直径を有している。
異なる特性及び長さを有する繊維を混合して用いることは、それらを含むコンクリートの特性の改良を可能にする。
本発明のコンクリートにおけるセメントは、白色セメントが好ましい。適したセメントは、Leaのセメントとコンクリートの化学的性質に記載されている、シリカフュームが含まれていないポルトランドセメントである。ポルトランドセメントは、スラグ、ポゾラン、フライアッシュ、焼頁岩、石灰石及びセメント混合物を含む。本発明で用いる好ましいセメントはCEM1(一般にPMS)である。
セメント代用土、より詳しくはポゾラン材料を用いるなら、本発明にかかる混合物の水/セメント重量比を変化させてもよい。水/バインダー比は、セメント及びポゾランの付加重量に対する水の量Eの重量比として定義づけられ、約15〜30%が一般的であり、20〜25%が好ましい。水/バインダー比は、例えば、減水剤及び/又は高性能減水剤を用いることで調整可能である。
「特性、科学及び技術」(V.S.Ramachandran著、ノイズ出版、1984)、のコンクリート混和剤ハンドブックの中では、減水剤は、一般的に10〜15%で与えられるワーカビリティーに対するコンクリートの練り混ぜ水の量を減らす混和剤と定義されている。減水剤は、例えばリグノスルフォネート、ヒドロキシカルボン酸、炭水化物、並びに、例えばグリセロール、ポリビニルアルコール、アルミニウムメチルシリコネートナトリウム、スルファニル酸、及び、カゼインといった他の特殊な有機化合物を含む。
高性能減水剤は、標準的な減水剤とは化学的に異なる新しい減水剤に属し、且つ、水分の含有量を約30%逓減することが可能である。高性能減水剤は、硫酸ナフタレンホルムアルデヒド縮合物(SNF)(一般的にはナトリウム塩)、又は硫酸メラミンホルムアルデヒド縮合物(SMF)、変性リグノスルホン酸塩(MLS)、その他、の大きく4つの部類に分けられてきた。最近の高性能減水剤は、例えばポリアクリル酸塩といったポリカルボン酸化合物を含んでいる。高性能減水剤は、例えばグラフト鎖としてポリエチレングリコールを、及び、ポリカルボン酸エーテルといった主鎖にカルボン酸機能を有する共重合体といった、新世代の高性能減水剤であることが好ましい。ポリカルボン酸塩ポリスルホンナトリウム及びポリアクリル酸塩ナトリウムもまた用いることが可能である。必要とされる高性能減水剤の量は、一般にセメントの反応性によって決まる。反応性が低いほど、必要とされる高性能減水剤の量は少なくなる。総アルカリ含有量を減少させるために、高性能減水剤は、ナトリウム塩というよりもむしろカルシウムとして用いるのがよい。
他の添加剤、例えば、消泡剤(例えばポリジメチルシロキサン)を本発明にかかる混合物に加えてもよい。これらもまた、溶体状、個体状という形で、又は好ましくは樹脂状、油状又は乳液状、好ましくは水状という形でシリコーンを含む。特に適しているのは、構成成分(RSiO0.5)及び(R2SiO)を含むシリコーンである。
これらの化学式では、同じでもよいし異なってもよいR基は、水素又は1〜8炭素原子を有するアルキル基が好ましく、メチル基が好ましい。構成成分の数は、30〜120が好ましい。
混合物中のかかる添加剤の量は、一般にセメント重量に対し最大限でも5分の1である。
本発明の混合物を含むソリッド構造における、撥水性を増大させ且つ吸水性及び透水性を減少させるために、本発明の混合物は疎水性物質も含むことが可能である。かかる疎水性物質は、シラン、シロキサン、シリコーン及びシリコネートを含む。市販製品は、水希釈及び溶媒希釈可能な液体及び固体の、例えば粒状の、製品を含む。本発明の混合物は、エフロレッセンス防止剤(第1及び/又は第2エフロレッセンスを制御する)も含むことが可能である。かかるエフロレッセンス防止剤は、例えば液状の脂肪酸混合物(例えば、不水溶性の脂肪酸、樹脂酸又はそれらの混合物を含有するトールオイル脂肪酸)などの、第1エフロレッセンスのための撥水性の酸成分を含有する調合物、及び、第2エフロレッセンスのためのステアリン酸カルシウム分散物(CSD)を含有する水溶性の混和材料、を含む。第1及び/又は第2エフロレッセンスを制御するエフロレッセンス防止剤は、一般に、脂肪酸、樹脂酸及びそれらの混合物から選択される撥水性の酸成分と、水溶性のステアリン酸カルシウム分散物とを含有する混合物を含む。ステアリン酸カルシウム分散物という用語は、一般に、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム又はそれらの組み合わせの分散物を意味する。エフロレッセンスを抑制するために、本発明の混合物中に、ケイ酸塩、例えばアルカリケイ酸塩を含むことも可能である。同等品を、本発明の硬化混合物の表面処理として用いることも可能である。
コンクリートは、固形成分と水との混合、成形(モールディング、鋳造、射出、ポンピング、押し出し成形、カレンダ加工)及び、その後の硬化を含む既知の方法によって、製造される。
それらもまた、少なくとも100MPaの圧縮強度Rcを示すことが可能である。
本発明に係るコンクリートを製造するために、構成物質及び強化用繊維が水と一緒に混ぜられる。例えば、以下の練り混ぜ順を採用してもよい。マトリクスの粉状構成物質の練り混ぜ;水及び混合剤の一部分、例えば半分の導入;練り混ぜ;混合剤の残りの一部分の導入;練り混ぜ;強化用繊維及び付加的な構成物質の導入;練り混ぜ。
コンクリートは、その機械的特性を改善するために、熱養生を受けてもよい。養生は、一般に大気温度に起因する温度(例えば、20℃〜90℃)で行われ、60℃〜90℃が好ましい。養生温度は、大気圧での水の沸点よりも低くすべきである。養生温度は、一般に100℃よりも低い。高圧で養生を行う高圧蒸気殺菌法は、より高い硬化温度を適用を可能にする。
養生時間は、例えば6時間から4日間、約2日間が好ましい。養生は、凝結後、一般的には凝結開始から少なくとも1日経った後、好ましくは20℃で1〜約7日齢のコンクリートに対して開始される。
養生は、乾燥若しくは湿潤状態で、又は、例えば、湿潤環境での24時間の養生に続いて乾燥環境での24時間養生というように、両方の環境が交替に起こるサイクルで行われる。
また、本発明に係るコンクリートと共同して用いられる強化手段は、例えば、結合ワイヤー若しくは結合緊張材によるプレテンション、又は、単一非結合緊張材による、ワイヤーの集合体若しくは緊張材を含むケーブルによる、シース若しくは棒によるポストテンションを含む。
本発明に係るコンクリートは、一般に、例えば厚さに対する長さの比が約10より大きく、一般に10〜30mmの厚さを有する、例えば、金属被膜要素である「薄い要素」に用いられる。
本発明に係るコンクリートの混合物を練り混ぜる際、セメント以外の粒子状物質材料は、予混合乾燥粉末として、又は、薄い若しくは濃い水性懸濁液として導入してもよい。
他に特に規定がなければ、添付の請求項を含む本明細書において、本発明に関して用いられる「延性のある」という用語は、寸法が「薄い要素」の定義に合致し、例えば厚さに対する長さの比が約10より大きく、例えば40mmの最大厚さを有するコンクリートプレートの、曲げモード(引張モードではなく)における挙動を意味する。延性は、与えられた撓み(又はひび割れ開口)に対する弾性限界よりも、最大荷重又は最大強度が大きいときに現れる。最大荷重が発生する、撓み又はひび割れ開口が大きいほど、延性は大きくなる。この挙動は、文字通り「撓み−硬化」として知られている。
本発明のコンクリートの延性挙動は、油圧装置DARTEC HA 250(Zwick)を用いて、コンクリートプレート(寸法450×145×20mm)の4点曲げ試験によって測定される。測定は、(経時的な荷重の一定増加ではなく)経時的な一定変形に基づいて行われる。変形速度(0.1mm/min)は、コンクリートプレートに取り付けられたLVDTセンサを用いて調節される。センサは、プレートの撓みも記録する。
試験装置の形状寸法を添付図面の図1に示し、図1における寸法は次の通りである。
L(支点間長さ):420mm
LT(プレートの長さ):450mm
E(プレートの厚さ):20mm
a(荷重Fが加えられる二点間の距離):140mm
プレートの幅(図示せず):145mm
プレートを支えるシリンダー及び荷重を加えるシリンダーの直径は約10mmである。
添付の請求項を含む本明細書で用いる「係数」という用語は、ヤング係数(弾性係数)を意味する。
圧縮強度値は、20℃で28日間湿潤養生した後に、7cmの直径及び14cmの高さを有する円筒状の試料を用いて測定される(本発明に係るコンクリートは、一般に約100MPaより大きい圧縮強度を有している)。
他に特に規定がなければ、百分率は重量百分率である(ガラス繊維の百分率は、硬化混合物の体積に対する体積百分率である)。
材料の表面積は、吸着気体として窒素を用いるBeckman Coulter SA
3100装置を使用したBET法によって計測する。
(通常20である、約1秒おきに衝撃を伴う動的な、又は、衝撃を伴わない静的な)スランプ値は、約12mmの落下を伴って、円形衝撃台(直径300mm、厚さ5.9mm、重量約4.1kg)上で測定される。試料(500ml)は、高さ50mm、上面直径70mm、底部直径100mmの扁平な円錐型枠を用いて製造される。(衝撃の前の又は衝撃なしの)静的なスランプ値は、脱型後に試料が動かなくなった後に測定される。
例えば非ポゾラン粒子状物質、例えば炭酸カルシウムといった粒子の平均粒径及び分布は、Malvern Mastersizer2000を用いたレーザー粒度分布によって測定される。
本発明は、下記の限定されない実施例によって説明される。実施例で用いられた材料は、下記の供給業者から入手できる。
(1)白色セメント:Lafarge フランス Le Teil cement
(2)灰色セメント(HTS):Lafarge フランス Le Teil cement
(3)石灰石充填剤 Durcal1:OMYA、フランス
Durcal1は、約5m/gのBET値を有している。
(4)砂Be01:Sifraco、フランス
(5)高性能減水剤 F2:Chryso、フランス
(6)シリカ質充填剤 C400:Sifraco、フランス
C400は、1.61m/gのBET値を有している。
(7)混合剤A2:Chryso、フランス
(8)PVA繊維(長さ12mm、直径0.2mm):クラレ、日本
(9)ガラス繊維:OCV 強化材
(10)白色シリカフューム MST:SEPR、フランス
(11)灰色シリカフューム 980NS:SEPR、フランス
ガラス繊維は、全径約0.3mmのサイズされた繊維の中に、直径14μmの単一フィラメントを約100本含んでいる。サイズは、単一フィラメントの分離を避けるための、混合過程に対する抵抗性がある。下記の実施例で用いられるガラス繊維は下記の特性を有している。
長さ(mm):6
直径(mm):0.3
比重:2.6
E(GPa):72
Rt(Mpa):1700
(実施例1)
白色コンクリートマトリックスの組成は、次の通りであった(量は重量部である)。
量(kg/m) 相対量
白色セメント 686 1
充填剤(Durcal1) 239 0.35
充填剤(C400) 165 0.24
砂(BE 01) 981 1.43
補助物質(F2)(体積%) 32 0.046(3%)
ガラス繊維(HP 抗ひび割れ繊維) (a)2.5%の6mmガラス繊維
(b)2%の6mmガラス繊維
及び0.7% PVA繊維
水セメント比 0.28
混合装置 Rayneri
混合物は、型で大きいプレート(寸法500×450×20mm)に成形される。プレートは、セメントと水とが接触してから24時間後に脱型される。脱型されたプレートは、20℃且つ相対湿度100%で保管される。その後、プレートは試験前に3個(寸法450×145×20mm)に切り分けられる。プレートの延性挙動は、上記の通り、油圧装置DARTEC HA 250(Zwick)を用いた4点曲げ試験によって測定される。
得られた結果を、本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す図2及び図3に示す。
(実施例2)
白色コンクリートマトリックスの組成は、次の通りであった(量は重量部である)。
量(kg/m) 相対量
白色セメント 688 1
シリカフューム(MST) 209 0.3
充填剤(C400) 167 0.24
砂(BE 01) 997 1.43
補助物質(F2)(体積%) 32 0.046(3%)
ガラス繊維(HP 抗ひび割れ繊維) 2.42%の6mmガラス繊維
水セメント比 0.28
混合装置 Rayneri
混合物は、型で大きいプレート(寸法500×450×20mm)に成形される。プレートは、セメントと水とが接触してから24時間後に脱型される。脱型されたプレートは、20℃且つ相対湿度100%で保管される。その後、プレートは試験前に3個(寸法450×l45×20mm)に切り分けられる。
プレートの延性挙動は、上記の通り、油圧装置DARTEC HA 250(Zwick)を用いた4点曲げ試験によって測定される。得られた結果を、本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す図4に示す。
(実施例3)
灰色コンクリートマトリックスの組成は、次の通りであった(量は重量部である)。
量(kg/m) 相対量
灰色セメント 772 1
充填剤(Durcal1) 386 0.5
砂(BE 01) 1057 1.37
補助物質(F2)(体積%) 26.2 0.034(2.4%)
ガラス繊維(HP 抗ひび割れ繊維) 2.25%の6mmガラス繊維
水セメント比 0.24
混合装置 Rayneri
混合物は、型で大きいプレート(寸法500×450×20mm)に成形される。プレートは、セメントと水とが接触してから24時間後に脱型される。脱型されたプレートは、20℃且つ相対湿度100%で保管される。その後、プレートは試験前に3個(寸法450×l45×20mm)に切り分けられる。
プレートの延性挙動は、上記の通り、油圧装置DARTEC HA 250(Zwick)を用いた4点曲げ試験によって測定される。得られた結果を、本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す図5に示す。
(実施例4)
白色コンクリートマトリックスの組成は、次の通りであった(量は重量部である)。
量(kg/m) 相対量
白色セメント 745 1
充填剤(Durcal1) 373 0.5
砂(BE 01) 1066 1.43
補助物質(F2)(体積%) 32.6 0.044(3%)
ガラス繊維(HP 抗ひび割れ繊維) 2.25%の6mmガラス繊維
水セメント比 0.26
混合装置 Rayneri
混合物は、型で大きいプレート(寸法500×450×20mm)に成形される。プレートは、セメントと水とが接触してから24時間後に脱型される。脱型されたプレートは、20℃且つ相対湿度100%で保管される。その後、プレートは試験前に3個(寸法450×l45×20mm)に切り分けられる。
プレートの延性挙動は、上記の通り、油圧装置DARTEC HA 250(Zwick)を用いた4点曲げ試験によって測定される。得られた結果を、本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す図6に示す。
(実施例5)
白色コンクリートマトリックスの組成は、次の通りであった(量は重量部である)。
量(kg/m) 相対量
白色セメント 754 1
充填剤 (Durcal 1) 256 0.34
シリカフューム (MST) 98 0.13
砂 (BE 01) 1078 1.43
補助物質(F2)(体積%) 27.1 0.036(2.5%)
ガラス繊維(HP 抗ひび割れ繊維) 2.5%の6mmガラス繊維
水セメント比 0.26
混合装置 Rayneri
混合物は、型で大きいプレート(寸法500×450×20mm)に成形される。プレートは、セメントと水とが接触してから24時間後に脱型される。脱型されたプレートは、20℃且つ相対湿度100%で保管される。その後、プレートは試験前に3個(寸法450×l45×20mm)に切り分けられる。
プレートの延性挙動は、上記の通り、油圧装置DARTEC HA 250(Zwick)を用いた4点曲げ試験によって測定される。得られた結果を、本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す図7に示す。
(実施例6)
灰色コンクリートマトリックスの組成は、次の通りであった(量は重量部である)。
量(kg/m) 相対量
灰色セメント 776 1
充填剤(Durcal1) 264 0.34
シリカフューム(980NS) 101 0.13
砂(BE 01) 1063 1.37
補助物質(F2)(体積%) 27.2 0.035(2.5%)
ガラス繊維(HP 抗ひび割れ繊維) 2.2%の6mmガラス繊維
水セメント比 0.24
混合装置 Rayneri
混合物は、型で大きいプレート(寸法500×450×20mm)に成形される。プレートは、セメントと水とが接触してから24時間後に脱型される。脱型されたプレートは、20℃且つ相対湿度100%で保管される。その後、プレートは試験前に3個(寸法450×l45×20mm)に切り分けられる。
プレートの延性挙動は、上記の通り、油圧装置DARTEC HA 250(Zwick)を用いた4点曲げ試験によって測定される。得られた結果を、本発明に係るコンクリート混合物の延性挙動を示す図8に示す。

Claims (7)

  1. 相対的な重量部で、
    ポルトランドセメント:100と、
    D10〜D90が0.063mmと5mmとの間である単粒度を有する砂、又は、0.063mmと1mmとの間にD10〜D90を有する微細砂と、1mmと5mmとの間にD10〜D90を有する最も粗い砂とからなる砂の混合物:50〜200と、
    15μmよりも小さい平均粒径を有する、微粒子のポゾラン又は非ポゾラン材料又はそれらの混合物:0〜70と、
    減水流動化剤:0.1〜10と、
    水:10〜30と、を含み、且つ、
    上記硬化混合物の体積に対して0.5〜5体積%の、6〜120の縦横比を有するガラス繊維を含み、
    上記各ガラス繊維は、複数のフィラメントを含んでいることを特徴とする、延性のある超高性能コンクリート。
  2. 請求項1記載のコンクリートにおいて、
    上記フィラメントは、30μmよりも小さい直径を有していることを特徴とするコンクリート。
  3. 請求項1又は2記載のコンクリートにおいて、
    上記各ガラス繊維は、50〜200のフィラメントを含んでいることを特徴とするコンクリート。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のコンクリートにおいて、
    上記ガラス繊維は、0.1〜0.5mmの直径を有していることを特徴とするコンクリート。
  5. 相対的な重量部で、
    ポルトランドセメント:100と、
    D10〜D90が0.063mmと5mmとの間である単粒度を有する砂、又は、0.063mmと1mmとの間にD10〜D90を有する微細砂と、1mmと5mmとの間にD10〜D90を有する最も粗い砂とからなる砂の混合物:50〜200と、
    15μmよりも小さい平均粒径を有する、微粒子のポゾラン又は非ポゾラン材料:0〜70と、
    減水流動化剤:0.1〜10と、
    水:10〜30と、を含み、且つ、
    上記硬化混合物の体積に対して0.5〜5体積%の、6〜120の縦横比を有するガラス繊維を含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載のコンクリートの製造で用いる混合物。
  6. 請求項1記載のコンクリートの製造方法であって、
    請求項5記載の混合物の構成材料を、水と練り混ぜる工程を含むことを特徴とするコンクリートの製造方法。
  7. 請求項1記載のコンクリートの造形品。
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