以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の一構成例を表すものである。なお、本発明の実施の形態に係る出力電流検出装置および出力電流検出方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。スイッチング電源装置1は、例えば、入力端子T1,T2に接続された高圧バッテリBHから入力された直流電圧Vinを電圧変換する(降圧する)ことにより、直流の出力電圧Voutを生成すると共に、この出力電圧Voutを出力端子T3、T4を介して低圧バッテリBLへ供給するようになっている。なお、高圧バッテリBHは、100Vから500V程度の電圧を蓄電するバッテリであり、低圧バッテリBLは、12Vから15V程度の電圧を蓄電するバッテリである。
このスイッチング電源装置1は、入力平滑コンデンサCinと、電圧検出回路7,9と、電流検出回路8と、スイッチング回路10と、トランス20と、整流回路30と、平滑回路40と、制御部50と、演算処理部60とを備えている。
入力平滑コンデンサCinは、入力端子T1に接続された1次側高圧ラインL1Hと入力端子T2に接続された1次側低圧ラインL1Lとの間に配置されており、高圧バッテリBHから入力端子T1、T2間に入力された直流の入力電圧Vinを平滑化するためのものである。
電圧検出回路7は、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとの間に配置されており、入力端子T1、T2間の入力電圧Vinを検出すると共に、この検出した入力電圧Vinに対応する検出信号を演算処理部60へ出力するものである。このような電圧検出回路7の具体的な回路構成としては、例えば、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとの間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって電圧を検出し、これに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
電流検出回路8は、1次側高圧ラインL1H上において、入力端子T1とスイッチング回路10との間に配置されており、この1次側高圧ラインL1H上を流れる入力電流Iinを検出すると共に、この検出した入力電流Iinに対応する検出信号を演算処理部60へ出力するものである。このような電流検出回路8の具体的な回路構成としては、例えばカレントトランスを含んだものが挙げられる。
スイッチング回路10は、入力電圧Vinを交流電圧に変換するフルブリッジ型のスイッチング回路である。このスイッチング回路10は、スイッチング素子SW11〜SW14を有している。
スイッチング素子SW11〜SW14は、例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの素子が使用可能である。この例では、スイッチング素子SW11〜SW14は、全てNチャネルのMOS−FETにより構成されている。スイッチング素子SW11のゲートにはSW制御信号S11が供給され、ソースがスイッチング素子SW12のドレインに接続され、ドレインが1次側高圧ラインL1Hに接続されている。また、スイッチング素子SW12のゲートにはSW制御信号S12が供給され、ソースが1次側低圧ラインL1Lに接続され、ドレインがスイッチング素子SW11のソースに接続されている。また、スイッチング素子SW13のゲートにはSW制御信号S13が供給され、ソースがスイッチング素子SW14のドレインに接続され、ドレインが1次側高圧ラインL1Hに接続されている。また、スイッチング素子SW14のゲートにはSW制御信号S14が供給され、ソースが1次側低圧ラインL1Lに接続され、ドレインがスイッチング素子SW13のソースに接続されている。また、スイッチング素子SW11のソースおよびスイッチング素子SW12のドレインは、後述するトランス20の1次側巻線21(後述)の一端に接続されている。また、スイッチング素子SW13のソースおよびスイッチング素子SW14のドレインは、共振用インダクタLrを介して、この1次側巻線21(後述)の他端に接続されている。この共振用インダクタLrは、スイッチング素子SW11〜SW14内の寄生容量素子、およびトランス20のリーケージインダクタと共に所定のLC共振回路を構成するためのものである。
この構成により、スイッチング回路10では、制御部50のSW駆動部55(後述)から供給されるSW制御信号S11〜S14に応じてスイッチング素子SW11〜SW14をオンオフ制御することにより、入力電圧Vinを交流電圧に変換するようになっている。
トランス20は、1次側と2次側とを直流的に絶縁するとともに交流的に接続するものであり、1次側巻線21および2次側巻線22A,22Bを含んで構成された3巻線型のトランスである。トランス20の1次側巻線21と2次側巻線22A,22Bとは、フォワード接続されている。1次側巻線21の一端はスイッチング回路10に接続され、他端は共振用インダクタLrを介してスイッチング回路10に接続されている。また、2次側巻線22Aの一端および2次側巻線22Bの一端は、整流回路30に接続されている。そして、2次側巻線22A,22Bの他端同士はセンタタップCTで互いに接続され、さらに2次側高圧ラインL2Hに接続されている。1次側巻線21の巻数はNpであり、2次側巻線22A,22Bの巻数はそれぞれNsである。これらの巻数比Np:Nsは、例えば10:1に設定される。
この構成により、トランス20は、1次側巻線21の両端間に供給された交流電圧をNs/Np倍に降圧し、2次側巻線22A,22Bから出力するようになっている。
整流回路30は、トランス20から供給される交流電圧を整流する回路である。この整流回路30は、ダイオード31,32を有している。ダイオード31のカソードは2次側巻線22Bの一端に接続され、アノードは2次側低圧ラインL2Lに接続されている。ダイオード32のカソードは2次側巻線22Aの一端に接続され、アノードは2次側低圧ラインL2Lに接続されている。
平滑回路40は、チョークコイルLchと出力平滑コンデンサCoutとを有している。チョークコイルLchは、2次側高圧ラインL2H上に挿入配置されており、その一端はトランス20のセンタタップCTに接続され、他端は端子T3に接続されている。出力平滑コンデンサCoutは、端子T3に接続された2次側高圧ラインL2Hと端子T4に接続された2次側低圧ラインL2Lとの間に配置されている。
この構成により、平滑回路40は、整流回路30によって整流されセンタタップCTから出力される信号を平滑化して直流の出力電圧Voutを生成し、これを出力端子T3、T4間に接続された低圧バッテリBLに給電するようになっている。
電圧検出回路9は、2次側高圧ラインL2Hと2次側低圧ラインL2Lとの間に配置されており、出力端子T3、T4間の出力電圧Voutを検出すると共に、この検出した出力電圧Voutに対応する検出信号を制御部50へ出力するものである。このような電圧検出回路9の具体的な回路構成としては、例えば、電圧検出回路7と同様に、2次側高圧ラインL2Hと2次側低圧ラインL2Lとの間に配置された分圧抵抗(図示せず)によって電圧を検出し、これに応じた電圧を生成するものなどが挙げられる。
制御部50は、電圧検出回路9が検出した出力電圧Voutの検出結果に基づいて、この出力電圧Voutが所定の電圧を保つように、スイッチング回路10におけるスイッチング動作を制御するものである。制御部50は、バッファ51と、抵抗器R52と、SW制御部53と、トランス54と、SW駆動部55とを有している。
バッファ51は、インピーダンス変換の機能を有するとともに、例えば電圧検出回路9から供給された信号の電圧レンジを変換して出力する回路である。抵抗器R52は、バッファ51の出力信号のノイズを除去し、あるいは、サージ電圧、過電流などを制限することにより、バッファ51および演算部69(後述)を保護する機能を有する。SW制御部53は、バッファ51から抵抗器R52を介して供給された信号に基づいて、出力電圧Voutが所定の電圧を保つように、SW駆動部55を制御するものである。具体的には、SW制御部53は、SW制御信号S11〜S14の基となる制御信号を生成し、トランス54を介してSW駆動部55へ供給する機能を有する。SW駆動部55は、SW制御部53からトランス54を介して供給された制御信号に基づいて、SW制御信号S11〜S14を生成し、スイッチング回路10のスイッチング素子SW11〜SW14へそれぞれ供給するものである。
この構成により、スイッチング回路10は、SW制御信号S11〜S14に基づいてスイッチング動作を行い、スイッチング電源装置1は、出力電圧Voutが所定の電圧を保つように動作するようになっている。
演算処理部60は、後述するように、入力電圧Vin、出力電圧Vout、および入力電流Iinに基づいて、出力電流Ioutを求めるとともに、これらの4つの情報を外部に供給するものである。すなわち、スイッチング電源装置1では、2次側高圧ラインL2Hに出力電流Ioutを検出するための電流検出回路を設けることなく、入力電圧Vin、出力電圧Vout、および入力電流Iinに基づいて、出力電流Ioutを演算により求めるようになっている。演算処理部60は、トランス61,65と、平滑回路62,66と、バッファ63,67と、抵抗器R64,R68と、演算部69とを有している。
トランス61は、電流検出回路8から供給される検出信号を低圧の信号に変圧して、平滑回路62へ出力する機能を有する。平滑回路62は、電流検出回路8からトランス61を介して供給された検出信号を平滑化するための回路である。バッファ63は、インピーダンス変換の機能を有するとともに、例えば平滑回路62から供給された信号の電圧レンジを変換して出力する回路である。抵抗器R64は、抵抗R52と同様に、バッファ63の出力信号のノイズを除去し、あるいは、サージ電圧、過電流などを制限することにより、バッファ63および演算部69を保護する機能を有する。
図2は、平滑回路62およびバッファ63の構成例を表すものである。この例では、トランス61は、1次側巻線611と2次側巻線612を有する2巻線型のトランスであり、1次側巻線611の巻数はNcpであり、2次側巻線612の巻数はNcsである。また、この例では、電流検出回路8はこのトランス61を用いて構成されており、1次側巻線611には、入力電流Iinが流れるようになっている。
平滑回路62は、ダイオードD1、抵抗器R1,Rf、およびコンデンサCfを有している。ダイオードD1のアノードは、トランス61の2次側巻線612の一端に接続され、カソードは抵抗器R1の一端に接続されている。抵抗器R1は、一端がダイオードD1のカソードに接続され、他端は2次側巻線612の他端に接続されるとともに接地されている。抵抗器Rfは、一端がダイオードD1のカソードに接続され、他端がコンデンサCfの一端に接続されている。コンデンサCfは、一端が抵抗器Rfの他端に接続され、他端が抵抗器R1の他端に接続されるとともに接地されている。これにより、平滑回路62では、ダイオードD1および抵抗器R1が整流回路を構成し、抵抗器RfおよびコンデンサCfが低域通過フィルタ(LPF)を構成するようになっている。
バッファ63は、抵抗器R2,R3および演算増幅器OPAを有している。抵抗器R2は、一端が演算増幅器OPAの負入力端子に接続され、他端が接地されている。抵抗器R3は、一端は演算増幅器OPAの負入力端子に接続され、他端が演算増幅器OPAの出力端子に接続されている。演算増幅器OPAは、正入力端子が抵抗器Rfの他端およびコンデンサCfの一端に接続され、負入力端子が抵抗器R2の一端および抵抗器R3の一端に接続され、出力端子が抵抗器R3の他端に接続されている。演算増幅器OPAの出力信号は、抵抗器R64を介して演算部69に供給される。この構成により、バッファ63は、いわゆる非反転増幅器として機能するようになっている。
図2に示した、トランス61、平滑回路62、バッファ63は、入力電流Iinを電圧に変換し、抵抗器R64を介して演算部69に供給するように機能する。これらの回路の利得Gは、次式で表すことができる。
ここで、利得Gは、入力電流Iinからバッファ63の出力電圧Vopaへの直流における伝達度を表すものである。そして、演算部69は、後述するように、バッファ63から供給された電圧に基づいて、入力電流Iinの直流成分を取得するようになっている。
トランス65は、電圧検出回路7から供給される検出信号を低圧の信号に変圧して、平滑回路66へ出力する機能を有する。平滑回路66は、電圧検出回路7からトランス65を介して供給された検出信号を平滑化するための回路である。バッファ67は、インピーダンス変換の機能を有するとともに、例えば平滑回路66から供給された信号の電圧レンジを変換して出力する回路である。抵抗器R68は、抵抗R64等と同様に、バッファ67の出力信号のノイズを除去し、あるいは、サージ電圧、過電流などを制限することにより、バッファ67および演算部69を保護する機能を有する。
演算部69は、バッファ63から供給される入力電流Iinに係る電圧、バッファ67から供給される入力電圧Vinに係る電圧、およびバッファ51から供給される出力電圧Voutに係る電圧に基づいて演算を行い、出力電流Ioutを求めるものである。その際、演算部69は、後述するように、入力電圧Vinおよび出力電圧Voutに基づいてスイッチングデューティ比Dを求め、入力電流Iinとそのスイッチングデューティ比Dに基づいて出力電流Ioutを求めるようになっている。そして、演算部69は、入力電圧Vin、出力電圧Vout、入力電流Iin、出力電流Ioutに関する情報を、端子T5に接続された外部の装置に対して送信する。この外部の装置は、例えば、このスイッチング電源装置1が属するシステム全体を制御する制御装置であり、このスイッチング電源装置1の状態(入出力電圧、入出力電流、温度など)をモニタする目的で、これらのデータを収集するものであり、例えば、ECUが挙げられる。
なお、この演算部69としては、例えば、マイクロコントローラ(MCU)などを用いて構成することができる。また、演算部69に加え、例えばSW制御部53またはその一部をマイクロコントローラなどで実現してもよい。
[動作および作用]
次に、本実施の形態のスイッチング電源装置1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず最初に、図1を参照して、スイッチング電源装置1の動作を説明する。スイッチング回路10は、SW制御信号S11〜S14に基づいてスイッチング素子SW11〜SW14をスイッチングすることにより、高圧バッテリBHから供給された直流電圧Vinを交流電圧に変換し、トランス20の1次側巻線21の両端間に供給する。そしてトランス20は、この交流電圧をNs/Np倍に変圧(降圧)し、2次側巻線22A,22Bから、変圧された交流電圧を出力する。整流回路30は、この交流電圧を整流する。平滑回路40は、この整流された信号を平滑化して直流電圧Voutを生成し、端子T3,T4に接続された低圧バッテリBLに給電する。
制御部50は、電圧検出回路9が検出した出力電圧Voutの検出結果に基づいて、SW制御信号S11〜S14を生成してスイッチング回路10に供給し、出力電圧Voutが所定の電圧を保つように制御する。演算処理部60は、入力電圧Vin、出力電圧Vout、および入力電流Iinに基づいて、出力電流Ioutを求めるとともに、これらの4つの情報を外部に供給する。
(スイッチング動作について)
図3は、スイッチング電源装置1の動作を表すものであり、(A)〜(D)はSW制御信号S11〜S14の波形をそれぞれ示す。この例では、スイッチング素子SW11〜SW14は、そのゲートに印加されたSW制御信号S11〜S14が高レベルの時にオン状態となり、低レベルの時にオフ状態になるものである。
図3に示したように、SW駆動部55は、SW制御信号S11,S14が同時に高レベルになる期間T11を有するように、SW制御信号S11,S14を生成する(図3(A),(D))。これにより、図3(E)に示したように、この期間T11(電力伝達期間P)において、入力電流Iin(電流値Iinac)が、トランス20の1次側巻線21に流れ、電力がトランス20の1次側から2次側へ伝達される。ここで、周期Tの時間における電力伝達期間Pの時間(T11+T12)の占める割合をスイッチングデューティ比Dと定義する。
同様に、SW駆動部55は、SW制御信号S12,S13が同時に高レベルになる期間T12を有するように、SW制御信号S12,S13を生成する(図3(B),(C))。これにより、図3(E)に示したように、この期間T12(電力伝達期間P)において、入力電流Iin(電流値Iinac)が、トランス20の1次側巻線21に流れ、電力がトランス20の1次側から2次側へ伝達される。
その際、SW駆動部55が生成するSW制御信号S11,S12は、同時に高レベルになることはなく(図3(A),(B))、同様に、SW制御信号S13,S14は、同時に高レベルになることはない(図3(C),(D))。言い換えれば、スイッチング素子SW11,SW12は、同時にオン状態になることはなく、同様に、スイッチング素子SW13,SW14は、同時にオン状態になることはない。つまり、スイッチング電源装置1では、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとが電気的に短絡しないようになっている。なお、SW制御信号S11が高レベルになる期間と、SW制御信号S12が高レベルになる期間とは、互いにデッドタイムTdだけ離れて設定されており、同様に、SW制御信号S13が高レベルになる期間と、SW制御信号S14が高レベルになる期間とは、互いにデッドタイムTdだけ離れて設定される。このデッドタイムTdは、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとが電気的に短絡するのを回避するためにとられる時間である。
図4,5は、スイッチング電源装置1の動作を表すものであり、図4は、期間T11における動作を示し、図5は、期間T12における動作を示す。なお、これらの図では、説明の便宜上、スイッチング素子SW11〜SW14を、その動作状態(オン状態もしくはオフ状態)を表すスイッチの形状で示す。また、説明の便宜上、その説明に直接必要のない回路ブロックや素子などについては、適宜図示を省略する。
期間T11では、スイッチング回路10のスイッチング素子SW11,SW14がオン状態になるとともに、スイッチング素子SW12,SW13がオフ状態になる(図3(A)〜(D))。これにより、スイッチング電源装置1の1次側では、図4に示したように、スイッチング素子SW11、トランス20の1次側巻線21、共振用インダクタLr、スイッチング素子SW14、高圧バッテリBHおよび入力平滑コンデンサCinを順に通る、1次側ループ電流Ia1が流れる。一方、2次側では、電力がトランス20の1次側から2次側へ伝達されることにより、ダイオード32、トランス20の2次側巻線22A、インダクタLch、低圧バッテリBLおよび出力平滑コンデンサCoutを順に通る2次側ループ電流Ia2が流れる。
一方、期間T12では、スイッチング回路10のスイッチング素子SW12,SW13がオン状態になるとともに、スイッチング素子SW11,SW14がオフ状態になる(図3(A)〜(D))。これにより、スイッチング電源装置1の1次側では、図5に示したように、スイッチング素子SW13、共振用インダクタLr、トランス20の1次側巻線31、スイッチング素子SW12、高圧バッテリBHおよび入力平滑コンデンサCinを順に通る、1次側ループ電流Ib1が流れる。一方、2次側では、電力がトランス20の1次側から2次側へ伝達されることにより、ダイオード31、トランス20の2次側巻線22B、インダクタLch、低圧バッテリBLおよび出力平滑コンデンサCoutを順に通る2次側ループ電流Ib2が流れる。
このように、スイッチング電源装置1では、期間T11,T12(電力伝達期間P)において、トランス20の1次側から2次側へ電力が伝達され、2次側ループ電流Ia2,Ib2が流れる。この期間T11,T12の長さは、図3に示したように、SW制御信号S11,S14間の位相差φ、およびSW制御信号S12,S13間の位相差φにより制御される。すなわち、例えば、位相差φが小さくなると、期間T11,T12(電力伝達期間P)の長さが長くなってスイッチングデューティ比Dが大きくなり、2次側ループ電流Ia2,Ib2が流れる時間が長くなるため、生成される出力電圧Voutが高くなる。制御部50は、出力電圧Voutが所定の電圧を保つように、この位相差φを制御する。
(出力電流Ioutの取得について)
スイッチング電源装置1では、演算処理部60は、入力電圧Vin、出力電圧Vout、および入力電流Iinに基づいて、出力電流Ioutを求めるとともに、これらの4つの情報を外部に供給する。その際、演算処理部60の演算部69は、入力電圧Vinおよび出力電圧Voutに基づいてスイッチングデューティ比Dを求め、入力電流Iinとそのスイッチングデューティ比Dに基づいて出力電流Ioutを求める。以下にその詳細を説明する。
図3(E)に示した波形を有する入力電流Iinは、演算処理部60のトランス61,平滑回路62,バッファ63により電圧に変換され平滑化される。これにより、図3(E)に示した入力電流の平均値(直流成分)Iindcに対応する電圧Vindc(=Iindc×G)が、抵抗器R64を介して演算部69に対して供給される。この電圧値Vindcは、次式で表すことができる。
ここで、回路定数Aは利得Gの逆数である。また、出力電流Ioutは、電流Iinacを用いて次式のように表すことができる。
式(2)を式(3)に代入することにより、次式を得る。
すなわち、出力電流Ioutは、電流Iindcに対応する電圧Vindcおよびスイッチングデューティ比Dの関数である。
このように、式(4)を用いることにより、実動作時における電流Iindc(電圧Vindc)およびスイッチングデューティ比Dに基づいて、出力電流Ioutを求めることができる。言い換えれば、検出した電流Iindc(電圧Vindc)およびスイッチングデューティ比Dに基づいて、式(2)を用いて電流Iinacを求め、その電流Iinacを、式(3)を用いて出力電流Ioutに変換することにより、出力電流Ioutを求めるようになっている。
スイッチングデューティ比Dは、入力電圧Vinおよび出力電圧Voutを用いて、次式のように表すことができる。
ここで、電圧Vfは、ダイオード31,32の順方向電圧である。すなわち、スイッチングデューティ比Dは、検出した入力電圧Vinおよび出力電圧Voutに基づいて求めることができる。式(5)を式(4)に代入することにより、次式を得る。
すなわち、出力電流Ioutは、電流Iindcに対応する電圧Vindc、入力電圧Vin、および出力電圧Voutの関数である。
このように、式(6)を用いることにより、実動作時における電流Iindc(電圧Vindc)、入力電圧Vinおよび出力電圧Voutに基づいて、出力電流Ioutを求めることができる。
スイッチング電源装置1では、次数が1である3つの変数(電圧Vindc、入力電圧Vin、および出力電圧Vout)に基づいて、単に数式(式(6))に代入することにより出力電流Ioutを求めるようにしたので、シンプルな演算方法を実現できる。これにより、演算をリアルタイムに、高速に、かつ軽快に行うことができるとともに、ハードウェアに要求される性能を低減することもできる。
また、式(6)において、実動作時に検出するこれらの3つの変数以外は、全て設計段階で決まる値であるため、量産時におけるコストを削減することができる。すなわち、例えば、特許文献3に示した方法では、あらかじめ様々な条件で測定を行い、その測定データを用いて演算用パラメータセットを取得する必要があるため、手間や時間がかかりコストが増大するおそれがある。一方、スイッチング電源装置1では、このようにあらかじめパラメータなどを取得する必要がないため、コストを削減することができる。
また、平滑回路62として低域通過フィルタ(LPF)を用いたので、入力電流Iinの平均値(電流Iindc)を得ることができる。すなわち、例えば、平滑回路62においてピークホールド回路を用いた場合には、スイッチングデューティ比Dの情報が失われてしまい、入力電流Iinの平均値(電流Iindc)を得ることができず、上述したような方法で出力電流Ioutを求めることができない。一方、スイッチング電源装置1では、低域通過フィルタを用いたので、スイッチングデューティ比Dの情報を反映した入力電流Iinの平均値を得ることができ、上述したような方法で出力電流Ioutを求めることができる。
(出力電流Ioutの演算精度例)
図6(A)は、スイッチング電源装置1における出力電流Ioutの演算精度を表すプロット図である。横軸は実際の出力電流Iout(測定値)を示し、縦軸は演算された出力電流Ioutを示す。この測定結果例では、特性は入力電圧Vinや出力電圧Voutに依らず、精度の目安として示した±5%以内に余裕を持って収まっていることが確認できる。
上述したように、本実施の形態では、スイッチング電源装置1は、電流Iindcに対応する電圧Vindc、入力電圧Vin、および出力電圧Voutを式(6)に代入することにより、出力電流Ioutを求める。これにより、図6(A)に示したように、出力電流Ioutは、様々な入力電圧Vinや出力電圧Voutに対しても、式(6)を用いて計算されるため、広い動作範囲において良い精度を実現できる。また、スイッチング電源装置1では、出力電流Ioutが増えると、一般に入力電流Iinも増加することとなるが、この場合でも、その入力電流Iinに応じて出力電流Ioutが計算されるため、良い精度を実現できる。
(比較例)
次に、比較例に係るスイッチング電源装置1Rと対比して、本実施の形態に係るスイッチング電源装置1の効果を説明する。本比較例は、入力電流Iin、入力電圧Vin、および出力電圧Voutに基づいて、ルックアップテーブルにより出力電流Ioutを求める演算部69Rを用いて、スイッチング電源装置1Rを構成したものである。具体的には、演算部69Rは、様々な入力電流Iin、入力電圧Vin、および出力電圧Voutにおける出力電流Ioutの値を、ルックアップテーブルとしてあらかじめ記憶しており、実動作時において、検出された入力電流Iin、入力電圧Vin、および出力電圧Voutに基づいて、そのルックアップテーブル内のデータを検索し、これらの検出値と一番近い条件における出力電流を選択することにより、出力電流Ioutを得るものである。その他の構成は、本実施の形態(図1など)と同様である。
図6(B)は、比較例に係るスイッチング電源装置1Rにおける出力電流Ioutの演算精度を表すプロット図である。この測定結果例では、特性は入力電圧Vinと出力電圧Voutに依存して大きく変化し、精度の目安として示されている±5%を一部超えていることが確認できる。
この比較例では、上述したように、スイッチング電源装置1Rは、ルックアップテーブルの中から対応する出力電流Ioutを選び出すことにより、出力電流Ioutを求める。つまり、求められた出力電流Ioutの値は量子化されているため、図6(B)に示したように、得られる出力電流Ioutは、入力電圧Vinや出力電圧Voutに依存して、理想特性からずれるおそれがある。
一方、本実施の形態に係るスイッチング電源装置1では、電流Iindcに対応する電圧Vindc、入力電圧Vin、および出力電圧Voutを式(6)に代入することにより、出力電流Ioutを求めるため、テーブルデータを用いる場合と異なり量子化されていないため、この比較例に比べて、より高い演算精度を実現することができる。
また、本比較例では、設計段階において、ルックアップテーブルのテーブルデータを作成するために、様々な条件においてあらかじめデータを収集する必要があり、その作成に要する手間と時間が大きくなり、コストアップを招くおそれがある。
一方、本実施の形態では、出力電流Ioutの演算に用いる式(6)は、実動作時に検出するパラメータ(電圧Vindc、入力電圧Vin、および出力電圧Vout)以外はすべて設計段階で決まる値であるため、設計段階においてデータ収集を行う必要がないため、コストアップを抑えることができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、入力電流と、スイッチングデューティ比に基づいて、出力電流を求めるようにしたので、シンプルな演算方法を実現でき、演算をリアルタイムに、高速に、かつ軽快に行うことができる。
本実施の形態では、入力電流およびスイッチングデューティ比を変数とする式を用いて出力電流を求めるようにしたので、出力電流を精度良く求めることができる。
本実施の形態では、検出した入力電圧および出力電圧に基づいてスイッチングデューティ比を求めるようにしたので、特別な回路や特別な検出デバイスを必要とすることなく、実効的なスイッチングデューティ比を得ることができるため、より精度良く出力電流を得ることができる。
本実施の形態では、実動作時に検出するパラメータと、設計段階で決まる値のみにより出力電流を求めるようにしたので、設計段階においてあらかじめデータ収集を行う必要がないため、コストアップを抑えることができる。
[変形例]
上記実施の形態では、入力電圧Vinおよび出力電圧Voutに基づいてスイッチングデューティ比Dを求めたが、これに限定されるものではない。以下に、スイッチングデューティ比Dを求める他の方法について、いくつかの例をあげて説明する。
図7は、変形例に係るスイッチング電源装置1Bの一構成例を表すものである。スイッチング電源装置1Bは、トランス20における磁束の変化に基づいてスイッチングデューティ比Dを求めるものである。スイッチング電源装置1Bは、トランス20Bと、演算処理部60Bとを備えている。
トランス20Bは、上記実施の形態のトランス20に、磁束の変化を検出するホール素子23を付したものである。具体的には、トランス20Bは、例えば、ギャップ付きのトランスを用いた場合において、ホール素子23をそのギャップ部分に配置したものである。ホール素子23は、磁束の変化を検出し、その検出信号を演算処理部60Bに供給するようになっている。
演算処理部60Bは、トランス61と、平滑回路62と、バッファ63と、抵抗器R64と、演算部69Bとを有している。すなわち、演算処理部60Bは、上記実施の形態に係る演算処理部60において、トランス65、平滑回路66、バッファ67、および抵抗器R68を省くとともに、演算部69を演算部69Bに変更したものである。
演算部69Bは、バッファ63から抵抗器64を介して供給される信号に基づいて入力電流Iinを取得するとともに、ホール素子23から供給される検出信号に基づいてスイッチングデューティ比Dを求める。その際、演算部69Bは、ホール素子23から供給される検出信号に基づいて電力伝達期間Pおよび周期Tを求め、これらによりスイッチングデューティ比Dを求める。そして、演算部69Bは、入力電流Iinとそのスイッチングデューティ比Dに基づいて出力電流Ioutを求めることができる。
なお、この例では、トランス20における磁束の変化を検出したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば共振用インダクタLrにおける磁束の変化を検出してもよいし、トランス61における磁束の変化を検出してもよい。
図8は、他の変形例に係るスイッチング電源装置1Cの一構成例を表すものである。スイッチング電源装置1Cは、スイッチング回路10におけるスイッチング動作を制御する制御部50からの信号に基づき、スイッチングデューティ比Dを求めるものである。スイッチング電源装置1Cは、演算処理部60Cを備えている。
演算処理部60Cは、トランス61と、平滑回路62と、バッファ63と、抵抗器R64と、演算部69Cとを有している。演算部69Cは、バッファ63から抵抗器64を介して供給される信号に基づいて入力電流Iinを取得するとともに、制御部50のSW制御部53から供給された制御信号に基づいてスイッチングデューティ比Dを求める。すなわち、SW制御部53は、トランス54に供給する制御信号を演算部69Cにも供給し、演算部69Cがこの制御信号に基づいてスイッチングデューティ比Dを求める。つまり、この制御信号はSW制御信号S11〜S14の基となる制御信号であり、図3に示した電力伝達期間Pおよび周期Tの情報を含んでいるものである。演算部69Cは、この制御信号に基づいて電力伝達期間Pおよび周期Tを求め、これらによりスイッチングデューティ比Dを求める。そして、演算部69Cは、入力電流Iinとそのスイッチングデューティ比Dに基づいて出力電流Ioutを求めることができる。
なお、この例では、演算部69Cは、SW制御部53がトランス54に供給する制御信号に基づいてスイッチングデューティ比Dを求めたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、SW制御部53がこの制御信号とは別の信号を演算部69Cに供給し、演算部69Cがその信号に基づいてスイッチングデューティ比Dを求めてもよい。
図9は、他の変形例に係るスイッチング電源装置1Dの一構成例を表すものである。スイッチング電源装置1Dは、入力電流Iinの波形からスイッチングデューティ比Dを求めるものである。スイッチング電源装置1Dは、演算処理部60Dを備えている。演算処理部60Dは、トランス61と、平滑回路62と、バッファ63と、抵抗器R64と、バッファ63Dと、演算部69Dとを有している。
図10は、平滑回路62およびバッファ63Dの一構成例を表すものである。バッファ63Dは、平滑回路62のダイオードD1のカソードにおける信号を増幅して、高レベル電圧VHおよび低レベル電圧VLの間で遷移する論理信号に変換するものである。そして、バッファ63Dは、生成した論理信号を演算部69Dに供給する。
演算部69Dは、バッファ63から抵抗器64を介して供給される信号に基づいて入力電流Iinを取得するとともに、バッファ63Dから供給された論理信号に基づいてスイッチングデューティ比Dを求める。すなわち、バッファ63Dから供給される論理信号の波形は、図3(E)に示した入力電流Iinの波形に対応するものであるため、その論理信号は、電力伝達期間Pおよび周期Tの情報を含んでいる。演算部69Dは、この論理信号に基づいて電力伝達期間Pおよび周期Tを求め、これらによりスイッチングデューティ比Dを求める。なお、演算部69Dが例えばMCUにより構成されている場合には、そのMCUが有するパルス計測機能を用いて、スイッチングデューティ比Dを求めることができる。そして、演算部69Dは、入力電流Iinとそのスイッチングデューティ比Dに基づいて出力電流Ioutを求めることができる。
なお、図10の例では、トランス61として2巻線型のトランスを用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、トランス61として2次側に2つの巻線を有する3巻線型のトランスを用い、その2次側巻線の一方については、図2と同様の構成の回路を接続して入力電流Iinの直流成分を求め、2次側巻線の他方から、図10に示した回路と同様な回路によりスイッチングデューティ比Dを求めるように構成してもよい。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置2について説明する。本実施の形態に係るスイッチング電源装置2は、入力電流Iin、入力電圧Vin、および出力電圧Voutに加え、温度Tempをも検出し、これらに基づいて出力電流Ioutを求めるものである。なお、上記第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図11は、スイッチング電源装置2の一構成例を表すものである。スイッチング電源装置2は、温度センサ71と、演算処理部70とを備えている。
温度センサ71は、温度を検出し、その温度に対応する検出信号を演算処理部70へ供給するものである。
演算処理部70は、演算部79を有している。演算部79は、上記第1の実施の形態に係る演算部69と同様に、バッファ63から供給される入力電流Iinに係る電圧、バッファ67から供給される入力電圧Vinに係る電圧、およびバッファ51から供給される出力電圧Voutに係る電圧に基づいて演算を行い、出力電流Ioutを求めるものである。その際、演算部79は、温度センサ71において検出された温度にも基づいて、その出力電流Ioutを求める。具体的には、式(1)〜式(6)において、回路定数Aを温度Tの関数(A(T))に置き換え、ダイオードの順方向電圧を示す電圧Vfを、温度Tの関数(Vf(T))に置き換えた一連の式を用いて、出力電流Ioutを求める。演算部79は、例えば、次式を用いて、上記第1の実施の形態の場合と同様に出力電流Iout(T)を求めることができる。
以上のように、本実施の形態では、出力電流を求める際、温度の検出結果を用いるようにしたので、使用環境の温度に依らず、より高精度な演算が実現できる。
また、本実施の形態では、回路定数Aおよび電圧Vfをそれぞれ温度Tの関数としたので、シンプルな演算方法を実現でき、演算をリアルタイムに、高速に、かつ軽快に行うことができる。
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置2に、上記第1の実施の形態の各変形例を適用してもよい。
また、例えば、上記実施の形態等では、整流回路30はダイオードにより整流を行うものとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、いわゆる同期整流を行うものであってもよい。以下にその詳細を説明する。
図12は、同期整流を行うスイッチング電源装置4の一構成例を表すものである。スイッチング電源装置4は、整流回路80と、制御部90とを備えている。
整流回路80は、トランス20から供給される交流電圧を整流する整流回路として機能するものである。この整流回路80は、スイッチング素子SW21,SW22を有している。スイッチング素子SW21,SW22は、スイッチング回路10のスイッチング素子SW11〜SW14と同様に、例えば、MOS−FETやIGBTなどの素子が使用可能である。この例では、スイッチング素子SW21,SW22は、NチャネルのMOS−FETにより構成されている。スイッチング素子SW21のゲートにはSW制御信号S21(後述)が供給され、ソースが2次側低圧ラインL2Lに接続され、ドレインがトランス20の2次側巻線22Bの一端に接続されている。また、スイッチング素子SW22のゲートにはSW制御信号S22(後述)が供給され、ソースが2次側低圧ラインL2Lに接続され、ドレインがトランス20の2次側巻線22Aの一端に接続されている。
制御部90は、SW制御部93と、SW駆動部96とを有している。SW制御部93は、SW制御信号S11〜S14の基となる制御信号を生成し、トランス54を介してSW駆動部55へ供給するとともに、SW制御信号S21,S22の基となる制御信号を生成し、SW駆動部96へ供給するものである。SW駆動部96は、SW制御部93からの指示に基づいてSW制御信号S21,S22を生成して、スイッチング素子SW21,SW22に対して供給するものである。SW制御信号S21は、例えば、図3において、期間T12において高レベルとなり、他の期間において低レベルとなる信号である。また、SW制御信号S22は、例えば、図3において、期間T11において高レベルとなり、他の期間において低レベルとなる信号である。
本変形例では、演算部69は、式(1)〜式(6)において、ダイオード31,32の順方向電圧を示す電圧Vfを、スイッチング素子S21,S22のオン抵抗に起因する電圧降下量Vonに置き換えた一連の式を用いて、出力電流Ioutを求める。演算部69は、例えば、次式を用いて、上記第1の実施の形態の場合と同様に出力電流Ioutを求めることができる。
また、例えば、上記実施の形態では、トランス20の1次側巻線21と2次側巻線22A,22Bとはフォワード接続したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、フライバック接続してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、スイッチング回路10は、フルブリッジ構成としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばハーフブリッジ構成やプッシュプル構成などにしてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、スイッチング電源装置1などは、直流入力電圧Vinを変圧して直流出力電圧Voutを生成したが、これに限定されるものではない。すなわち、出力電流Ioutが直流になるものであればどのようなものであってもよく、例えば、交流入力電圧を変圧して直流出力電圧Voutを生成してもよい。同様に、直流入力電圧Vinを変圧して交流出力電圧を生成してもよいし、交流入力電圧を変圧して交流出力電圧を生成してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、トランス20を用いてスイッチング電源装置を構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、トランス20を用いず、チョッパ方式によりスイッチング電源装置を構成してもよい。