JP5555492B2 - 医療用具及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用具、より詳細には、(補助)人工心臓用血液ポンプ、人工弁、ステント、ペースメーカなどの、血液及び生体組織と接触する可能性のある医療用具や、歯科インプラントに関する。
現在、医療用具(例えば、(補助)人工心臓、人工弁、ステント、ペースメーカなど)に使用されている金属材料は、機械的性質についてはほぼ条件を満たしているが、生体適合性(血液適合性を含む)については必ずしも十分ではない。医療用具の生体適合性が不十分で、例えば、血液成分が医療用具の表面に接触して血栓を形成すると、血液の流れを阻害し、人体に多大な危害を加えることになる。したがって、臨床現場では、医療用具を使用した治療行為において生体の防御反応を抑制する薬物が必要となっており、この薬物を長期間使用することによる副作用は大きな問題となっている。長期間生体の中に埋め込んで使用できる医療用具の開発にとって、生体適合性(血液適合性を含む)材料は必要不可欠である。
現在の医療現場では、医療用具、例えば人工臓器等の表面を抗血栓性とするため、血栓形成を阻害するような生理活性物質を用いる方法が用いられている。これには、例えば生成した血栓を溶解させる働きをもつウロキナーゼ、凝固因子であるトロンビンの働きを阻害するヘパリン、あるいは血小板活性化抑制剤であるプロスタグランジンなどの生理活性物質を材料表面に固定化する方法がある。しかしながら、これらの薬剤による副作用は無視できるものではなく、大きな問題である。また、薬剤の放出速度のコントロールは非常に困難であり、薬剤放出後にはその効果も期待できない。さらには、薬剤溶出タイプの医療用具(特にステント)の多くは非生分解性ポリマー、例えばポリ(ラクチド−co−ε−カプロラクトン)(poly(lactide-co-ε-caprolactone))、ポリ(n−ブチルメタクリレート)(poly(n-butyl methacrylate))、ポリ(ジメチルシロキサン)(poly(dimethylsiloxane))などを使用しており、薬剤が溶出した後、ステント表面に残存するポリマーが炎症反応、血栓形成を引き起こすことがあり、さらにはステント表面では内皮化しないといった問題が報告されている。
また、医療用具、例えば人工臓器等の表面を抗血栓性とするため、生体反応を利用する方法が採られている。すなわち、凝固因子及び血小板を材料表面に適度に凝集させて血栓膜を形成させ、この血栓膜を足場にして、血管内壁を形成している内皮細胞を生着させ、さらにそれを増殖させることによって材料表面に薄い新生内膜を形成させる方法である。しかしながら、医療用具を内皮細胞が覆ってしまう手術後約一ヶ月の間は血栓が発生する虞があり、この間は抗血小板薬の投与が必須となり、薬剤による副作用は無視できない。
さらに、生理活性物質や薬剤を用いずに、材料自身の表面特性によって抗血栓性を得る方法も採られている。ところで、血栓形成は、血漿タンパク質の吸着とそれに続く血小板の活性化によって起こり、材料表面への血漿タンパク質の吸着は物理化学的に進行する。そこで、材料と血液との相互作用を小さくするために、材料表面を改質して、材料表面をできるだけ血液に近い状態にする。
このような改質の方法として、例えば、材料表面の水酸基やアミノ基などの官能基を利用して水溶性高分子をカップリング反応によって結合させる方法がある。
例えば、医療材料にアリルアミンとホスホリルコリン基を有するモノマー等からなるコポリマーとを固定化する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、コポリマーを用いるとホスホリルコリン基の割合が低くなり、生体適合性(血液適合性を含む)、親水性、表面潤滑性が劣るという問題が生じてくる。一方、コポリマー中のホスホリルコリン基の割合が過多であると、そのコポリマーは水溶性となり、長時間の使用では被着が持続しないという問題が生じてくる。実際、MPCコポリマーが被覆されたチタン金属製人工心臓においては、溶解性の問題からMPCコポリマー中のうちMPCは30%しかふくまれていない(非特許文献1)。
また、別の改質方法として、酸素の存在下で紫外線や電子線、イオンビームなどを照射して、材料表面に重合開始剤として過酸化物を生成させ、その後、水溶性ビニルモノマーをラジカル重合させて材料表面に水溶性高分子鎖を形成させる方法がある。この水溶性高分子鎖がタンパク質と材料表面とが直接接触するのを妨げ、材料表面へのタンパク質の吸着を抑制すると報告されている。
例えば、石原一彦等は、ポリエチレン表面にモノマーとしてのMPCを、紫外線を照射することによりグラフトし、タンパク質抗吸着特性を向上させた。これは、高分子基板上での技術であり、金属基板ではその表面を容易に改質できない。また、コバルトクロム合金を、4−メタクリロキシエチルトリメリテートアンヒドリド(4−META)をバインダーとして用い、MPC処理した報告も公開されており、優れた親水性と潤滑特性が報告されている(非特許文献2)。しかし、コバルトクロム合金を完全に覆うことができないという課題も同時に報告されている。
他方、歯科インプラントに目を向ければ、歯周病やう蝕による歯の欠損に対しては、従来から、可撤性の局部義歯や架橋義歯による欠損補綴処置が行われてきた。しかし、可撤性局部義歯は金属鉤等の審美的問題や実装に対する抵抗感の問題があり、また、架橋義歯に関しては支台歯の削合という負担が避けられないという問題がある。近年、欠損補綴として歯科インプラント治療が注目され治療選択肢の一つとなっており、その症例数は飛躍的に増加している。歯槽骨骨折による歯の欠損においては、歯と共に周囲の歯槽骨も喪失しており、インプラント埋入に十分な骨幅や骨高径が得られない症例が多かったが、骨移植術、骨再生誘導(GBR:guided bone regeneration)法、骨延長法、骨補填材、サイトカインなどを応用した骨造成法が適用されるようになってきており、歯科インプラント適用症例の数を増加させる一因となっている。また、インプラントの表面性状の改良や埋入後のインプラント体への荷重をコントロールすることによって、症例によっては1回法による埋入や埋入後早期に上部構造を装着して、咬合機能を付与することが可能になっている。オッセオインテグレーション(Osseointegration)をより早期に、確実に獲得する方法が確立されることは、歯科インプラントの臨床成績の安定に大きく寄与するものである。しかしながら、たとえオッセオインテグレーションが獲得されていても、あくまで異物であるインプラント体が上皮を貫通するという環境は、歯科インプラント治療では避けられない。したがって、この歯肉貫通部においてプラークの沈着を抑制し、いかにインプラント体周囲に炎症を起こさせないようにするかは長期にわたり歯科インプラントを機能させるための重要な課題であった。特に2回法インプラントでは、アバットメントとフィクスチャー接合部に介在する微小間隙はインプラント周囲の炎症を惹起しやすくし、また、二次手術時にいわゆるヒーリングキャップ上やインプラント体の頂部に形成された骨を除去することによって一時的に局所の骨吸収が生じ、歯肉上皮のダウングロースが引き起こされやすい。その結果、よりプラーク沈着の生じやすい状況を招き、場合によっては審美性が損なわれてしまうことも臨床上問題である。
国際特許公開WO01−05855号公報 In Vivo Evaluation of a MPC Polymer Coated Continuous Flow Left Ventricular Assist System, ARTIFICIAL ORGANS, VOL27,NO.2, 2003 High lubricious surface of cobalt-chromium-molybdenum alloy prepared by grafting poly(2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine), Biomaterials VOL28,2007
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、長期間生体内で使用しても血栓等が発生しにくく、そのため、例えば生体防御反応を抑制する薬物等の使用を排除しうる、抗血栓性及び摺動特性に優れる医療用具及びその製造方法を提供することにある。さらには、細胞接着抑制効果が得られ、歯垢の付着及び歯周病の抑制が可能な歯科インプラントを提供することにある。
そこで、本発明に係る医療用具は、水酸基を形成可能な基材と、該基材の適宜箇所に積層された生体適合性材料層と、を備える医療用具であって、
上記基材には、その表面の少なくとも所要箇所に表面処理によって水酸基が形成される一方、上記生体適合性材料層はホスホリルコリン基を含むポリマーからなり、
上記基材と上記生体適合性材料層とは、上記水酸基と共有結合する一方上記生体適合性材料とも共有結合するシリカからなる接着層を介して接合されることを特徴とする。
また、本発明に係る医療用具の製造方法は、医療用具の適宜箇所に生体適合性材料層が積層された医療用具を製造するに当たり、a)水酸基を形成可能な金属成分を含む材料からなる基材を表面処理してその表面に水酸基を形成する工程と、b)上記水酸基を起点として、上記基材上に、光重合開始剤を含むシリカからなる接着層を形成する工程と、c)生体適合材料を含む溶液に上記基材を浸漬し、紫外線を照射することにより生体適合材料を適宜箇所で重合させ上記接着層上に生体適合性材料層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
なお、本発明において、医療用具とは、生体内で用いられる装置、及びその構成部品をいい、生体内で用いられる装置としては、例えば、(補助)人工心臓、人工弁、ステント、ペースメーカ、歯科インプラントなどが挙げられる。そして、当該装置の構成部品としては、例えば(補助)人工心臓の場合では、ポンプケーシング、インペラ、インペラを構成するシャフト、ロータ、及びフィン、さらにはポンプケーシングに連通する流入口及び流出口が挙げられる。さらに、歯科インプラントの場合では、当該構成部品としてはフィクスチャー、アバットメント、アバットメントスクリューなどが挙げられる。
本発明によれば、医療用具の表面が、生体適合性を有する材料により被覆されており、当該医療用具を長期間生体の中で使用しても血栓等が発生しにくく、そのため副作用のおそれがある、例えば生体防御反応を抑制する薬物等を使用する必要がない。また、医療用具等の基材と生体適合性材料とが、シリカ層を介して接着されているため、強固な接着を実現することができるとともに、作製に際しシリカ層中のアクリロイル基、又は、メタクリロイル基から直接的に生体適合性材料層を成長させる、いわゆるグラフトフロム重合を用いるため、生体適合性材料層における生体適合材料の濃度を高めることができ、より抗血栓性及び摺動性に優れる医療用具とすることができる。また、本発明を歯科インプラントとして用いた場合、生体適合性材料層により、細胞接着抑制効果が得られ、歯垢の付着及び歯周病の抑制が可能となる。
したがって、本発明によれば、長期間生体内で使用しても血栓等が発生しにくく、そのため、例えば生体防御反応を抑制する薬物等の使用を排除しうる、抗血栓性及び摺動特性に優れる医療用具、細胞接着抑制効果が得られ歯垢の付着及び歯周病の抑制が可能な歯科インプラントを提供することができる。
図1(A)は、本発明の実施の形態1に係る心臓用血液ポンプを示した概略断面図であり、図1(B)は、心臓用血液ポンプを示した平面図である。 図2は、基材の表面付近の断面を示した概略断面図である。 図3は、本発明に係るステントを示した斜視図である。 図4は、本発明に係るペースメーカを示した斜視図である。 図5は、本発明に係る人工弁を示した斜視図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る人工歯根の斜視図である。 図7は、図6に示した人工歯根の断面図である。 図8は、図6に示した人工歯根の分解図である。 図9は、当該心臓用血液ポンプ断面のTEM図である。 図10は、実施例1に係る心臓用血液ポンプに対するアルブミンの吸着特性を示したグラフである。 図11は、実施例1に係る心臓用血液ポンプに対するフィブリノーゲンの吸着特性を示したグラフである。
符号の説明
1 基材
2 表面処理層
3 接着層
4 生体適合性材料層
101 心臓用血液ポンプ
102 インペラ
105 磁石
110 ポンプケーシング
120 シャフト
121 ロータ
122 フィン
141 流入口
142 流出口
201 人工歯根
202 フィクスチャー
230 アバットメント
240 アバットメントスクリュー
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る医療用具について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を例示するものであって、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明の実施の形態1に係る心臓用血液ポンプ101を示した概略断面図であり、図1(B)は、心臓用血液ポンプ101を示した平面図である。心臓用血液ポンプ101は、人工心肺装置における送血ポンプなどに使用される。図1(A)に示すように、本実施の形態1に係る心臓用血液ポンプ101は、ポンプケーシング110と、該ポンプケーシング110内に回転可能に軸支されたインペラ102と、を備える。インペラ102は、円錐状のロータ121とそのシャフト120を有し、このロータ121の円錐面にはケーシング内面側に向けた複数のフィン122が遠心方向に植設されて構成されている。上記ケーシング110の頂部付近にはロータ121の頂部に連通する血液の流入口141、上記ポンプケーシング110の底部103の外周側に、ロータ121の底部に通じる血液の流出口142が配置されている。ロータ121には、磁石105が埋設されており、ロータ121はポンプ外(例えばポンプの下側)の磁石(不図示)の回転により発生する回転磁場により回転駆動する。これらのポンプケーシング110、インペラ102(シャフト120、ロータ121、及びフィン122)、流入口141、若しくは流出口142は本発明に係る基材1を構成する。
図2は、心臓用血液ポンプ101及びその構成部品の表面付近の断面を示した概略断面図である。基材1は、心臓用血液ポンプ101、これを構成するポンプケーシング110及びインペラ102、並びにインペラ102を構成するシャフト120、ロータ121、及びフィン122、さらにはポンプケーシングに連通する流入口141若しくは流出口142のベース部分に相当する。図2に示すように、基材1には、表面が処理されて表面処理層2が形成され、表面処理層2にシリカからなる接着層3が積層され、さらに接着層3の上に生体適合性材料層4が積層されている。
表面処理層2は、基材1の表面が、例えば硝酸等の酸により処理されることにより形成される。基材1の表面が上述のように処理されることにより、基材1の表面に水酸基が形成され、この水酸基が、シランカップリング剤の脱水縮合反応の起点となる。
シランカップリング剤は加水分解されてシラノール基が形成され、当該シラノール基は、表面処理層2の表面に形成された水酸基と脱水縮合反応により結合する。さらに、シラノール基が連続的に結合して、シリカからなる接着層3が形成される。
接着層3の表面には例えばメタクリロイル基が存在しており、これが、例えばMPC等の生体適合性材料の成長の基点となる。接着層3表面のメタクリロイル基は、生体適合材料の官能基(例えば、メタクリロイル基)と結合して、さらに生体適合材料が連続的に成長して、接着層3の上に生体適合性材料層4が形成される。
シリカからなる接着層3は共有結合により、基材1と生体適合性材料層4とにそれぞれ強固に接着される。したがって、激しい摺動動作にも充分耐えることができ、機械的安定性の高い信頼性のある医療用具を提供することができる。
基材1としては、例えば、金属、合金、セラミックス等の高強度の材料を用いることができる。これらを用いることにより、頑丈な信頼性のある医療用具とすることができる。
金属、合金、セラミックス等からなる基材1の摺動面は生体適合性材料層4により被覆されている。そのため、生体毒性による人体への影響が危惧されている、基材1の摩耗粉の発生が抑制される。また、生体適合性材料層4は、例えばMPC等の、生体に悪影響を与えない高分子材料からなるため、例え摺動動作により生体適合性材料層4から摩耗粉が発生したとしてもこれらは人体に悪影響を及ぼすことはない。
(接着層)
接着層3は、上述のように、例えば、シリコンアルコキシドから構成され、基材1と生体適合性材料層4とを強固に接着することができる。上記シリコンアルコキシドとして、人体への影響のないもの、すなわち生体適合性を有するものであれば如何なる種類のものを用いてもよい。
接着層3に使用されるシリコンアルコキシドは、R Si(OR4−X(X=0〜3)のように表される。一方側のORは加水分解基であり、加水分解反応によりシラノール基(−SiOH)が形成される。ORとしては、例えばCHO−、CO−、CHOCO−が挙げられる。このシラノール基の中のOHは、親水性の極性基であり、シラノール基同士が脱水縮合反応により結合する。他方側のRは、有機官能基であり、Rとしては、好適には例えばアクリロイル基、メタクリロイル基が挙げられる。これらの有機官能基は、重合性を有するため好ましい。シラノール基(−SiOH)は、脱水縮合反応により架橋して、シロキサンネットワーク(−Si−O−Si−)という架橋構造を形成し、これによりシリカからなる接着層3が形成される。
ここで、接着層3に使用されるシリコンアルコキシドとしては、具体的には、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、ラジカル共重合性を考慮すると重合性基としてアクリロイル基、又は、メタクリロイル基が望ましい。
(生体適合性材料層)
生体適合性材料とは、生体組織を構成する細胞と同様の化学構造を有し、そのためその摩耗粉が人体内にあっても、生体内の組織が拒絶反応を起こさず、人体に悪影響を及ぼさない材料である。
本発明に係る生体適合性材料は、生来の生体細胞の組織と非常に近い化合物により形成されているため、タンパク質吸着、血栓の生成等が引き起こされない。
生体適合性材料として、ホスホリルコリン基を有する高分子材料を好適に用いることができる。このような高分子材料として、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン、4−スチリルオキシブチルホスホリルコリンが好ましい。特に、重合性、及び入手のし易さの点でMPCであることが好ましい。
また、他の生体適合性材料として、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−メタクリロイルオキシペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2´−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2´−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2´−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシブチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシヘキシル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−メタクリロイルオキシブチル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、5−メタクリロイルオキシペンチル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、6−メタクリロイルオキシヘキシル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−メタクリロイルオキシブチル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、5−メタクリロイルオキシペンチル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート及び6−メタクリロイルオキシヘキシル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート等が挙げられる。
生体適合性材料層は、上述のホスホリルコリン基を含むポリマーがグラフト鎖として共有結合して形成されていることが好ましい。このようにグラフトさせることにより、所定の厚さを有する生体適合性材料層とすることができる。ここで、上記ポリマーをグラフトさせるためには、電子線、ガンマ線、紫外線などのエネルギー線の照射もしくは加熱により基材の上にラジカルを発生させればよい。特に、紫外線および光重合開始剤を用いることで、基材の特性を損なうことなく、新しい機能を効率よく付加できる。
生体適合性材料層の厚さは、10〜500nmであることが好ましく、特に好ましくは、100〜200nmである。このような厚さとすれば、タンパク質吸着、血栓の生成等が引き起こされず、また、基材と接触する組織の損傷を抑制することができる。
生体適合性材料層の水に対するぬれ性に関して、接触角が30°以下であることが好ましい。接触角が30°以下とすることにより、医療用具の潤滑性を高めることができ、医療用具と接触する組織の損傷を抑制することができる。
また、生体適合性材料層の表面のリン原子濃度は、4atom%(原子%)以上であることが好ましい。さらに、生体適合性材料層の表面のリン原子濃度、窒素原子濃度は、ともに4.6atom%以上であることが好ましい。さらには、MPCポリマーをグラフトした表面とMPCポリマーをグラフトした表面とを組み合わせた場合において、摩擦係数を極めて低くすることができる。ここで、生体適合性材料層の表面のリン原子は、X線光電子分光分析により測定することが好ましい。
(基材)
基材1を構成する金属としては、表面処理することにより表面に水酸基を形成可能な金属を使用することが肝要である。これにより、表面の水酸基が共有結合により結合し、より強固な接着を可能とすることができる。このような金属としては、水酸基を形成しやすいチタン(Ti)、クロム(Cr)等が挙げられ、また、基材1を構成する合金としては、ステンレス鋼、Cr合金、Ti合金等が挙げられる。Cr合金の好ましい具体例としては、ニッケルクロム合金(Ni−Cr合金)、コバルトクロム合金(Co−Cr合金)、及びコバルトクロムモリブデン合金(Co−Cr−Mo合金)等が挙げられる。これらは生体適合性を有するため好適に用いられる。また、Ti合金の好ましい具体例としては、Ti−6Al−4V合金、Ti−15Mo−5Zr−3Al合金、Ti−6Al−7Nb合金、Ti−6Al−2Nb−1Ta合金、Ti−15Zr−4Nb−4Ta合金、Ti−15Mo−5Zr−3Al合金、Ti−13Nb−13Zr合金、Ti−12Mo−6Zr−2Fe合金、Ti−15Mo合金及びTi−6Al−2Nb−1Ta−0.8Mo合金等が挙げられる。これらも上記同様生体適合性に優れるため好適に用いられる。さらに、基材1を構成する材料としてセラミックスを用いることができる。このようなセラミックスとしては、水酸基を形成可能な金属酸化物であるアルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。これらの材料では、プラズマ処理により表面に水酸基が形成され易く、当該水酸基と接着層のシラノール基が共有結合することにより、強固に接続される。しかし、基材1を構成する材料としては、基材1の上に形成される接着層3のシラノール基と共有結合等できる官能基を形成可能なものであれば如何なる材料であってもよい。基材1の上に形成される接着層3のシラノール基と共有結合できる官能基としては、水酸基であることが好ましいが、水酸基に限られるものではない。
Ni−Cr合金、Co−Cr合金、ステンレス、Ti合金などの合金は、アルミナサンドブラスト処理をするだけで、表面に酸化被膜が自然に形成され、より高い接着強度が得られる。特に、シリコンアルコキシドは、Ni−Cr合金やCo−Cr合金などの合金に含まれるクロム酸化物から形成されるクロム水酸化物に対して高い接着性を示すためクロム含有合金が好適に用いられる。
(製造方法)
以下、本実施形態1に係る心臓用血液ポンプの作製方法に関して概略的に説明する。
まず、図1に示す、心臓用血液ポンプとして成形された基材1を準備する。そして、基材1を、溶剤を用いて超音波洗浄する。上記溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール等を使用することができる。
基材1を構成する材料としてNi−Cr合金、Co−Cr合金、ステンレス等を選択した場合、基材1の表面を硝酸処理すれば、上記基材表面上のクロム濃度を上昇させることができる。これにより、次工程において基材表面に形成されるCr−OHの濃度を上昇させることができ、基材1と接着層3との接着性を向上させることができる。
そして、この硝酸処理された基材1を、プラズマ処理機に入れ、2〜10分間酸素プラズマ処理し、基材1の表面に高密度の水酸化物の層(Cr−OH)を形成する。このように処理されることにより、基材1の表面が表面処理層2となる。
続いて、シリコンアルコキシドを、光重合開始剤を添加した有機溶媒に溶解しこれに基材1を浸漬する。有機溶媒としてはメタノール、エタノール等を使用することができる。ここで、シリコンアルコキシドとしては、上述のものを用いることができる。当該シリコンアルコキシドの濃度は、0.1wt%〜10wt%であることが好ましく、更に好ましくは、2wt%〜5wt%である。このような範囲の濃度であれば、基材1と生体適合性材料層4との接着を良好に行うことができる。さらに、光重合開始剤として、イルガキュア(D2959)、イルガキュア(D369)又はベンゾフェノンを用いることが好ましく、最も好ましくはイルガキュア(D2959)である。
続いて、上述のようにして被覆した基材を常圧で乾燥させる。ここで、乾燥させるための温度は、40℃〜120℃であることが好ましく、更に好ましくは、70℃〜120℃である。乾燥時間としては、0.5時間〜3時間であり、更に好ましくは、1時間〜3時間である。
さらに、生体適合性材料モノマーを溶媒に溶解させた溶液に、基材を浸漬する。ここで、生体適合性材料モノマーとして、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン、4−スチリルオキシブチルホスホリルコリン、3−メタクリロイルオキシプロピル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−メタクリロイルオキシペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2´−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2´−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2´−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシブチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシペンチル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシヘキシル−2´−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−メタクリロイルオキシブチル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、5−メタクリロイルオキシペンチル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、6−メタクリロイルオキシヘキシル−3´−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−メタクリロイルオキシブチル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、5−メタクリロイルオキシペンチル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート及び6−メタクリロイルオキシヘキシル−4´−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェートを用いることができる。好適には、MPCを用いることができる。また、上記溶媒として水であることが好ましい。上記水は、エタノールを含有していても良い。
その後、上記基材1に光を照射してその表面付近で生体適合材料を重合させ、生体適合性材料層4を形成する。当該光として適切な波長は、300nm〜400nmである。このような波長の光を用いれば生体適合材料の重合を良好に行うことができる。生体適合性材料のモノマー濃度としては、0.25〜1.00mol/Lであることが好ましく、0.50〜1.00mol/Lであることがさらに好ましい。重合温度としては、20℃〜80℃であることが好ましく、60℃付近であることがさらに好ましい。さらに照射時間としては、20分〜180分であることが好ましく、45分〜90分であることがさらに好ましい。上記設定により良好に光照射ラジカル重合反応を行うことができる。
当該光照射ラジカル重合反応の後、水または有機溶剤により基材1を浸漬洗浄する。当該有機溶剤として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を用いることができ、最も好ましいのは、エタノールである。
上述の工程により、本実施形態1に係る心臓用血液ポンプを作製することができる。
上述の生体適合性材料の被覆は、図3〜5に示す、ステント、ペースメーカ、人工弁にも適用することができる。
図3は本発明に係るステントを示した斜視図である。ステントとは、生体の管状の部分(血管、気管、食道など)を内部から拡張する医療用具である。ステントは、図3に示すように、金属からなる網目の筒状体150により構成される。ステントを例えば血管内で使用する場合、ステント表面に血液が接触するため血栓が形成される可能性がある。しかしながら、本発明においては、網目の筒状体150の内表面及び外表面を上述のように、生体適合性材料層で被覆しているため、血栓形成が抑制される。
図4は、本発明に係るペースメーカを示した斜視図である。ペースメーカとは、例えば心臓に対する電気刺激を発生させる装置であり、心筋に人工的な刺激を与えることで心収縮を発生させる。ペースメーカには、恒久的な使用を前提とした体内埋め込み式と、一時的な使用を前提とした体外式とがある。体内埋め込み式の場合、血液や体液等に接触するため、血栓形成等の問題が発生するが、本発明においては、上述のように、生体適合性材料層でペースメーカを被覆しているため、血栓形成が抑制される。
図5は、本発明に係る人工弁を示した斜視図である。人工弁とは、心臓弁が損傷した場合、これを補綴するものであり、血液の逆流を防ぐ働きを持つ。当該人工弁において、その内面183および開閉部分182は常に血液と接触するため、血栓が形成される可能性がある。しかしながら、本発明においては、上記同様、弁内面183及び開閉部分182を生体適合性材料層で被覆しているため、血栓形成が抑制される。
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2に係る歯科インプラントについて図6〜8を参照しながら詳細に説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る人工歯根1の斜視図である。図7は、図6に示した人工歯根1の断面図、図8はその分解図である。
図8に示すように、人工歯根201は、フィクスチャー202と、アバットメント230と、アバットメントスクリュー240と、から構成されおり、これが上記の基材1に対応する。
人工歯根201の材料としては、公知の材料、例えば、チタンやTi合金やCo−Cr合金、モリブデン合金等の金属材料や、アルミナセラミックス等のセラミック材料が使用される。
フィクスチャー202は、ベース体210及び歯間乳頭形成体220という二つの要素から構成されている。ベース体210及び歯間乳頭形成体220の外面は、連続的な輪郭を形成しており、いわゆる面一になっている。
本実施の形態2においては、歯科インプラント体の頂部の鏡面研磨部分223、アバットメント表面(傾斜部)234が例えばMPC等の生体適合性材料により被覆されている。上記のように生体適合性材料により被覆することにより、二次手術後のインプラント辺縁の骨吸収の抑制、歯肉上皮、歯肉結合組織の付着状態を改善することができる。インプラント体の歯肉貫通部へのプラーク付着をかなりの程度で抑制することができるため、歯科インプラントの長期予後をより確実なものとし、従来では適応とされなかった易感染性の条件下においてもインプラントの適用を可能にすることができる。被覆の方法としては、実施の形態1に係る方法と同様であり、用いる生体適合性材料および接着層を構成する接着剤も実施の形態1に係るものと同様である。ここで、インプラント表面のMPCポリマー層は、薬剤徐放のためのキャリヤーとしての利用可能である。
ベース体210は、わずかに先細の大略円筒形状をしていて、その外周面に外ネジ212が形成されている。外ネジ212は、先端側に行くにしたがって、そのネジ山が高くなっている。また、先端側のネジ山が部分的に切り欠かれており、埋入後に骨成分が切欠部に入り込むことによって埋入後のネジの回動を阻止する働きを有している。このような外ネジ212によって、フィクスチャー202は、歯槽骨内に強固に埋入固定される。
ベース体210の内部には、中空有底穴214が形成されており、その内壁面には内ネジ217が形成されている。この内ネジ217は、後述するアバットメントスクリュー240のネジ243と螺合する。ベース体210の中空有底穴214の末端部には、歯間乳頭形成体220の接続端224を回動自在に受け入れる凹状の受け部216が設けられている。ベース体210の末端端は、歯間乳頭形成体220の基部端と密接する接続端部218を構成している。
歯間乳頭形成体220は、大略円筒形状をしていて、その末端側に主面部221を有し、その基部側に凸状の接続端224を有している。円筒形状をした接続端224の径は、円筒形状をした主面部221の径よりも小さい。円筒形状をした凸状の接続端224は、ベース体210の受け部216に回動自在に挿入される。
歯間乳頭形成体220の内部には、貫通穴が形成されており、その内壁面には内ネジ227が形成されている。この内ネジ227は、歯槽骨内に埋入固定されたベース体210に対して、骨が修復して固着するまでの間に蓋の役割をするネジ付きカバーキャップとともに運搬・装着するために使用される。歯間乳頭形成体220の貫通穴の末端側には、アバットメント230の嵌合端236を受け入れる正六角形の凹状の空隙部が設けられている。
歯間乳頭形成体220の主面部221において、少なくとも、頬側に対応する側周面では歯槽骨の基部側に向かって凸状に湾曲した鏡面223が形成され、他の部分が粗面222に構成されている。すなわち、歯肉と接触する部位は鏡面加工されており、骨乳頭と接合する部位は機械的手段及び/又は化学的手段によって粗面加工されている。粗面加工の機械的手段としてはサンドブラスト等があり、骨との親和性を高めるために、リン酸カルシウムのコーティング等がある。円筒形状をした歯間乳頭形成体220の側周面に粗面222及び鏡面223を形成したものであるから、非常に製造しやすいという利点を有している。
アバットメント230は、大略円筒形状をしていて、その末端側に義歯装着部232を、その中間部に傾斜部234を有し、その基部側に嵌合端236を有している。正六角形をした嵌合端236の外寸は、円筒形状をした義歯装着部232及び傾斜部234の径よりも小さい。正六角形をした凸状の嵌合端236は、歯間乳頭形成体220の空隙部に嵌合挿入される。また、図8に示すように、義歯装着部232は長手方向に延在する係止溝233を有しており、義歯が係止溝233に沿って義歯装着部232に嵌合挿入される。
図7に示すように、アバットメント230の内部には、末端側が大径であり基部側が小径である二段構成の貫通穴が形成され、貫通穴の基部側の内壁面には、内ネジ237が形成されている。この内ネジ237は、歯槽骨内に埋入固定されたフィクスチャー2の歯間乳頭形成体220に対して、アバットメント230とアバットメントスクリュー240とを一体的に運搬・装着するために使用される。末端側の大径部分は、アバットメントスクリュー240の軸部242が挿入可能なサイズであり、基部側の小径部分は、アバットメントスクリュー240のネジ243が挿入可能なサイズである。末端側の大径部分から基部側の小径部分に切り替わる貫通穴の中ほどには、アバットメントスクリュー240の軸部242を受け止めるストッパー部245が形成されている。
したがって、ベース体210の中空有底穴214と、歯間乳頭形成体220の貫通穴と、アバットメント230の二段構成の貫通穴とは、同軸上に形成されており、それらが一列に連通した穴の中にアバットメントスクリュー240が挿通される。
アバットメントスクリュー240は、図8に示すように、末端側が大径であり基部側が小径である二段構成の大略円柱形状をしている。すなわち、アバットメントスクリュー240は、大径頭部244の凹状頭部に装入器具(いわゆるドライバー)が装着される大径頭部244と、大径頭部244の基部側に延在する小径の軸部242と、から構成されている。軸部242の基部部には、ネジ243が形成されている。既に説明したように、このネジ243は、ベース体210の内ネジ217とアバットメント230の内ネジ237とに対して、それぞれ螺合する。
本発明に係る心臓用血液ポンプを以下の要領で製造した。基材を構成する材料として組成がCo−28Cr−6MoであるCo−Cr−Mo合金を使用した。また、接着層としてシリカを使用し、生体適合材料としてMPCを使用した。
1)まず、Co−Cr−Mo合金(組成:Co−28Cr−6Mo合金)からなる心臓用血液ポンプを従来の方法により成形し、これをアセトン液中で超音波洗浄した。
2)ついで、これを20〜40%硝酸中に30分浸漬し、高Cr化処理(硝酸処理)を行った。
3)この硝酸処理された心臓用血液ポンプを、プラズマ処理機に入れ、5分間、酸素プラズマ処理し、当該表面に酸化物を形成し、続いて高密度のCr−OHを形成した。
4)これを速やかに5wt%メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン/0.1wt%イルガキュア(D2959)/93.9wt%エタノール(無水)/0.1wt%こはく酸・エタノール(95)溶液に浸漬した。
5)続いてこれを70℃、3時間(常圧)で熱処理した。
6)ついで、0.25〜1.00mol/L MPC水溶液に上記心臓用血液ポンプを浸漬し、350nm紫外線を60℃にて23分〜180分照射し、MPCポリマーを形成した。
7)MPCポリマーの形成後、エタノールにて一晩浸漬洗浄した。
上記工程により、生体適合性材料であるMPCが均一にかつ高濃度に被覆された心臓用血液ポンプを作製することができた。
図9は、当該心臓用血液ポンプ断面のTEM図である。図9に示すように、均一な生体適合性材料層がその表面上に形成されているのが確認された。
(タンパク質吸着特性の測定)
以下の各試料について、タンパク質吸着特性の測定を行った。その結果を図10〜図11に示す。試料として、未処理のコバルトクロム合金、MPCコポリマー処理コバルトクロム合金(PMB30)、MPCコポリマー処理コバルトクロム合金(PMB90)、MPCグラフト処理コバルトクロム合金(Co−Cr−Mo−g−MPC)を用いた。
生体適合性材料層においてMPCの含有量が多い方が、これに吸着するアルブミン若しくはフィブリノーゲンの量が少なく、MPCの含有量が少ない方が、当該タンパク質の吸着量が多いことが分かった。
したがって、本発明によれば、生体内で使用しても安定して生体適合性を発現する効果があり、生体防御反応を抑制する薬物が不要となり、薬物による副作用を回避することができる。
また、表面の生体適合性ポリマー層は、薬剤溶出タイプの医療用具(特にステント)としても利用可能であり、薬剤が溶出した後、ステント表面に残存しても、そのポリマー層が炎症反応、血栓形成を引き起こさない。
本発明に係る歯科インプラントを上記と同様の要領で製造して、これについて試験を行なった。
上記同様、生体適合性材料層においてMPCの含有量が多い方が、アルブミン若しくはフィブリノーゲンの吸着量が少なく、MPCの含有量が少ない方が、当該タンパク質の吸着量が多いことが分かった。
したがって、インプラント体頂部の鏡面研磨部分、アバットメント表面、いわゆるヒーリングキャップ表面にMPCをグラフト処理することによって、二次手術後のインプラント辺縁の骨吸収の抑制、歯肉上皮、歯肉結合組織の付着状態を改善することができる。
インプラント体の歯肉貫通部へのプラーク付着をかなりの程度で抑制することができ、歯科インプラントの予後をより確実なものとし、従来では適応とされなかった易感染性の条件下においてもインプラントの適用を可能にしうる。

Claims (10)

  1. 水酸基を形成可能な基材と、該基材の適宜箇所に積層された生体適合性材料層と、を備える医療用具であって、
    上記基材には、その表面の少なくとも所要箇所に表面処理によって水酸基が形成される一方、上記生体適合性材料層はホスホリルコリン基を含むポリマーからなり、
    上記基材と上記生体適合性材料層とは、上記水酸基と共有結合する一方上記生体適合性材料とも共有結合するシリカからなり、光重合開始剤を含有する接着層を介して接合され、人工心臓用血液ポンプ、人工弁、ステント、ペースメーカ、又は、歯科インプラントとして使用されることを特徴とする医療用具。
  2. 上記接着層が、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種のシリコンアルコキシドが脱水縮重合してなることを特徴とする請求項1記載の医療用具。
  3. 上記生体適合性材料層が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーがグラフト鎖として共有結合してなることを特徴とする請求項1記載の医療用具。
  4. 上記基材が、チタン、又は、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、ニッケルクロム、ステンレススチール及びチタン系合金からなる群から選択される少なくとも1種の合金からなることを特徴とする請求項1記載の医療用具。
  5. 上記基材には、その表面の少なくとも所要箇所に表面処理によって水酸基が形成される一方、上記生体適合性材料層は、グラフトされたホスホリルコリン基を含むポリマーからなり、上記生体適合性材料層の厚さが、10〜200nmであり、上記基材と上記生体適合性材料層とは、上記水酸基と共有結合する一方上記生体適合性材料のアクリロイル基、又は、メタクリロイル基とも共有結合するシリカからなる接着層を介して接合されていることを特徴とする請求項1記載の医療用具。
  6. 上記生体適合性材料層の水に対する接触角が30°以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医療用具。
  7. 上記生体適合性部材のX線光電子分光分析から得られたリン原子濃度が、4.6原子%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の医療用具。
  8. 基材の適宜箇所に生体適合性材料層が積層された医療用具であって人工心臓用血液ポンプ、人工弁、ステント、ペースメーカ、又は、歯科インプラントとして使用される医療用具を製造する方法であって、
    a)水酸基を形成可能な金属成分を含む材料からなる基材を表面処理してその表面に水酸基を形成する工程と、
    b)上記水酸基を起点として、上記基材上に、光重合開始剤を含むシリカからなる接着層を形成する工程と、
    c)生体適合性材料を含む溶液に上記基材を浸漬し、紫外線を照射することにより生体適合性材料を適宜箇所で重合させ上記接着層上に生体適合性材料層を形成する工程と、を備えることを特徴とする製造方法。
  9. 上記工程a)が、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、ニッケルクロム、ステンレススチール系合金からなる群から選択される少なくとも1種の合金基材の表面を硝酸処理して、上記基材上のクロム濃度を上昇させる前工程を含むことを特徴とする請求項記載の製造方法。
  10. 上記接着層が、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つのシリコンアルコキシドの脱水縮重合反応により形成されることを特徴とする請求項記載の製造方法。
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