JP5555437B2 - 電子ビーム描画装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビームを用いて試料面上にLSIパターンを描画する電子ビーム描画装置に関する。
近年、試料面上にLSIパターンを描画するために、可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置が用いられている。この装置では、電子銃から放出された電子ビームをコンデンサレンズにより集束して第1成形アパーチャマスクに照射し、そのアパーチャ像を投影レンズにより第2成形アパーチャマスク上に結像すると共に、成形偏向器により第2成形アパーチャマスク上の結像位置を可変することにより、ビームの寸法及び形状を変更する。そして、ビーム成形された電子ビームを対物レンズにより試料面上に結像すると共に、対物偏向器により走査することにより、試料面上に所望パターンが描画される。
ここで、電子ビームをオン・オフするためのブランキング偏向器は、コンデンサレンズと第1成形アパーチャマスクとの間に設けられている。また、コンデンサレンズの励磁条件はクロスオーバ像が成形偏向器の偏向中心に一致するように決められている。
しかし、この種の装置においては次のような問題があった。即ち、ブランキング偏向器により電子ビームを大きく偏向すると、クロスオーバ像も同時に移動し、クロスオーバ像の移動は試料面への電子ビームの入射角度の移動をもたらす。このとき、対物レンズの球面収差等の収差の影響により、試料面上のビーム照射位置が移動する。また、試料面の高さが対物レンズの合焦点位置からずれていると、その影響でもビーム入射位置がずれる。そして、これらは描画精度の低下を招く大きな要因となる。
これに対して、2段に設けられたコンデンサレンズ間にブランキング偏向器を配置し、この偏向器の偏向中心にクロスオーバ像が形成されるようにし、ブランキング偏向の際のクロスオーバ像の移動を抑制する例が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、コンデンサレンズと第1成形アパーチャマスクとの間にブランキング偏向器を配置する構成では、コンデンサレンズと第1成形アパーチャマスクとの間の空間にはクロスオーバ像は形成されないので、上記特許文献1で開示されているブランキング偏向器の構成を用いることはできない。
また、ブランキング偏向器を2段に設け、ブランキング時の偏向支点がクロスオーバ像位置の付近になるように、ブランキング電源のノイズの影響を低減した荷電粒子線装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この構成は、ブランキング偏向器の上流側のレンズにより、レンズとブランキング偏向器との間にクロスオーバ像が形成される条件では簡易に実現できるが、レンズとブランキング偏向器との間にクロスオーバ像が形成されない条件については示されていない。
米国特許第4,445,041号明細書 特開2000−133183号公報
本発明の目的は、ブランキング偏向に伴う試料面上でのビーム位置の移動を抑制することができ、描画精度の向上をはかり得る電子ビーム描画装置を提供することにある。
本発明の一態様は、電子源に最も近いアパーチャマスクの電子源側に、コンデンサレンズとブランキング偏向器が設けられ、前記アパーチャマスクよりもビーム進行軸方向の下流側に投影レンズが設けられ、前記コンデンサレンズと前記投影レンズによりクロスオーバ像が形成されるリミッティングアパーチャマスクが設けられ、前記リミッティングアパーチャマスク上に前記クロスオーバ像の移動量を測定し、前記ブランキング偏向器の偏向感度を得る検出器が設けられ、前記ブランキング偏向器により前記電子ビームのオン・オフを制御する電子ビーム描画装置であって、前記ブランキング偏向器は、前記コンデンサレンズと前記アパーチャマスクとの間に配置された少なくとも2段の静電偏向電極で構成され、各々の偏向電極は、前記クロスオーバ像のブランキングに伴う移動を小さくするように、前記検出器の測定から得られる偏向感度に応じた電圧が印加され、偏向方向を逆方向にして駆動されることを特徴とする。
また、本発明の別の一態様に係わる電子ビーム描画装置は、電子ビームを発生する電子源と、前記電子ビームを集束するコンデンサレンズと、前記コンデンサレンズで集束された電子ビームが照射される第1の成形アパーチャマスクと、前記第1の成形アパーチャマスクに対し前記電子ビームの進行軸方向の下流側に設けられた第2の成形アパーチャマスクと、前記第1及び第2の成形アパーチャマスク間に離間して設けられ、前記第1の成形アパーチャマスクのアパーチャ像を前記第2の成形アパーチャマスク上に結像する2段の投影レンズと、前記コンデンサレンズと前記第1成形アパーチャマスク側の投影レンズによりクロスオーバ像が形成されるリミッティングアパーチャマスクと、前記各投影レンズ間に設けられ、前記クロスオーバ像位置を中心に前記電子ビームを偏向し、前記第2成形アパーチャマスク上で前記アパーチャ像の位置を可変する成形偏向器と、前記第2成形アパーチャマスク上に形成されるビーム像を試料面に結像する対物レンズと、前記試料面上でのビーム位置を可変する対物偏向器と、前記コンデンサレンズと第1成形アパーチャマスクとの間に設けられた2段の静電偏向電極を有し、前記電子ビームを偏向して電子ビームをオン・オフ制御するブランキング偏向器と、前記リミッティングアパーチャマスク上に設けられ、前記クロスオーバ像の移動量を測定し、前記ブランキング偏向器の偏向感度を得る検出器と、前記ブランキング偏向器の各々の偏向電極を偏向方向が逆方向となるように駆動し、且つブランキングに伴う前記クロスオーバ像の移動を前記検出器の測定によって小さくするように、前記検出器の測定から得られる偏向感度に応じた電圧を印加し、前記偏向電極組を駆動するブランキング制御回路と、を具備したことを特徴とする。
また、本発明の更に別の一態様は、電子源に最も近いアパーチャマスクの電子源側に、コンデンサレンズと2段のブランキング偏向器が設けられ、前記アパーチャマスクよりもビームの進行軸方向の下流側に投影レンズが設けられ、前記コンデンサレンズと前記投影レンズによりクロスオーバ像が形成されるリミッティングアパーチャマスクが設けられ、前記リミッティングアパーチャマスク上に前記クロスオーバ像の移動量を測定し、前記ブランキング偏向器の偏向感度を得る検出器が設けられた電子ビーム描画装置を用い、前記ブランキング偏向器により前記電子ビームのオン・オフを制御する電子ビーム描画方法であって、前記検出器の測定から得られる偏向感度に応じた電圧を前記偏向器の各々に印加し、前記偏向器を各々の偏向方向が逆方向となるように駆動し、前記クロスオーバ像のブランキングに伴う移動を小さくすることを特徴とする。
本発明によれば、ブランキング時のクロスオーバ像の移動を抑えることが可能となり、球面収差や焦点ずれによって引き起こされる試料面上のビーム照射位置のずれを抑制することができる。これにより、描画精度の向上をはかることができる。
第1の実施形態に係わる可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置を示す概略構成図。 ブランキング偏向時における電子ビームの中心軌道の変化を示す図。 ブランキング偏向時におけるクロスオーバ像の移動の様子を示す模式図。 第1の実施形態に用いた偏向電極組の一例を示す図。 第2の実施形態に係わる可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。図中細い実線でクロスオーバ結像の様子を、細い破線でアパーチャ像の結像の様子を示している。
図中の11は電子ビームを発生する電子銃、12は半導体ウェハやマスク基板等の試料、13は試料ステージ、21は第1のコンデンサレンズ、22は第2のコンデンサレンズ、23は第1の投影レンズ、24は第2の投影レンズ、25は縮小レンズ、26は対物レンズ、31はブランキング偏向器、32は成形偏向器、33は対物偏向器、41は第1成形アパーチャマスク、42は第2成形アパーチャマスク、43はリミッティングアパーチャマスクである。
電子銃11から放出された電子ビームは、ビーム進行軸方向に沿って離間配置された2段のコンデンサレンズに21,22より集束されて第1成形アパーチャマスク41に照射される。第1成形アパーチャマスク41には矩形のアパーチャ(開口)が設けてあり、透過した第1の成形電子ビームは矩形断面形状を有する。
第1成形アパーチャマスク41のアパーチャ像は2段の投影レンズ23,24により第2成形アパーチャマスク42上に結像される。投影レンズ23,24間には、第1成形アパーチャマスク41のアパーチャ像の位置を第2成形アパーチャマスク42上で可変する成形偏向器32が設けられている。第2成形アパーチャマスク42上には、様々な形状の開口が設けてあり、第1成形アパーチャマスク41のアパーチャ像を第2成形アパーチャマスク42の所望の位置を通過させることにより、所望の断面形状を有する電子ビームを得ることができる。
コンデンサレンズ21,22によるクロスオーバ像が成形偏向器32の偏向中心に一致するように決められる。この条件化で、コンデンサレンズ21,22の励磁条件を変えることにより、電流密度を調節できるようになっている。
第2のコンデンサレンズ22と第1成形アパーチャマスク41との間には、ビームをブランキングするためのブランキング偏向器31が設けられている。このブランキング偏向器31は、ビーム進行軸方向に沿って離間配置された2組の偏向電極組311,312からなり、これらの偏向電極組311,312はブランキングパルスジェネレータ(ブランキングパルス発生回路)51により駆動される。そして、偏向電極組311,312は、成形偏向器32の偏向中心に形成されるクロスオーバ像の位置が移動しないように、ビームを互いに逆方向に偏向するものとなっている。
第2成形アパーチャマスク42で得られたビーム像は、縮小レンズ25及び対物レンズ26により試料12上に結像される。縮小レンズ25と試料12との間には対物偏向器33が設けられており、この偏向器33によりビームを偏向することにより、試料面上でのビーム位置が可変される。ここで、対物偏向器33には複数の偏向電極から構成された静電偏向器を使用する。これは、電極に偏向アンプで発生させた電位を与えて、電極間に生ずる電場により電子ビームを偏向するものである。
次に、本実施形態において電子ビームをブランキングするための機構及び動作について、更に詳しく説明する。
図2は電子ビームをブランキングした時の様子を示すもので、(a)はブランキング時にビームが未だ完全には遮断されていない状態、(b)はブランキング時にビームが完全に遮断された状態である。ブランキング偏向したときの電子ビーム中心の軌道を太い破線で示している。但し、説明のために実際の軌道よりも誇張したジグザグ線で表現したものである。
ブランキング偏向器31は、第1成形アパーチャマスク41に対して入射角が変化するように電子ビームを偏向することで成形アパーチャマスク41でビームを遮断することにより電子ビームを試料面に到達しないようにする。ブランキング偏向器31を構成する偏向電極組311,312はそれぞれ、例えば2つの電極を対向配置させた静電偏向電極で形成されている。
ブランキング偏向器31を構成する偏向電極組311,312には、異なる電圧が印加される。ブランキング電圧を加えるためのブランキングパルスジェネレータ51からの偏向電圧は、電圧を調整するための減衰器52を介して偏向電極組311,312に与えられる。このとき、偏向電極組311,312に印加される電圧は互いに逆方向となっている。即ち、偏向電極組311,312を各々の偏向方向を互いに逆方向となるように駆動する。なお、図1では、ブランキングパルスジェネレータ51及び減衰器52を共に1つにしたが、偏向電極組311,312毎に独立に設けるようにしても良い。
ここで、偏向電極組311により偏向した際の投影レンズ23による、成形偏向器32の偏向中心でのクロスオーバ像位置の中心軌道から垂直方向のずれを、偏向電極組312による偏向が打ち消すように、偏向電極組311,312を構成する。偏向電極組311,312の偏向の向きや偏向量は、投影レンズ23及びコンデンサレンズ22の磁場が偏向電極組311,312の偏向領域に存在する場合は投影レンズ23及びコンデンサレンズ22の磁場の電子ビームへの影響を考慮して、偏向電極組311,312で偏向した際の成形偏向器位置での軌道の中心軌道から垂直方向の移動方向が一直線状になるように決められる。偏向電極組311,312の領域に磁場が無い場合には、偏向電極組311,312の偏向方向は互いに逆向きとなる。
偏向電極組311,312での偏向電圧をそれぞれVB1ボルト,VB2ボルトとして、成形偏向器位置での偏向電極組311,312に対する偏向感度をそれぞれCB1(ミクロン/ボルト)、CB2(ミクロン/ボルト)とすると、CB1・VB1+CB2・VB2=0となるようにVB1とVB2との比を決める。或いはブランキング偏向電極311,312の電極間隔や長さや位置を変えて、CB1+CB2=0となるようにすることもできる。この場合はVB1=VB2で良い。
CB1,CB2の測定は、例えば次のようにして行うことができる。まず、下流側の偏向電極組312の電圧を0とした状態で、上流側偏向電極組311に電圧を加え、その時のリミッティングアパーチャ43でのビームの移動量を測定する。これには図示していないアライメントコイルで電子ビームを走査させて、リミッティングアパーチャ43上の図示していない検出器で反射電子を検出して、リミッティングアパーチャ像の移動を求める。この移動量から上流側偏向電極組311による偏向感度CB1をまとめる。次に、上流側の偏向電極組311の電圧を0とした状態で、上流側偏向電極組312に電圧を加え、同様の測定を行い、CB2が得られる。
この条件で、ビームをブランキングする場合は、図2(b)のように第1成形アパーチャマスク41でビームを遮断する。ブランキング前のビーム軌道は図2(a)に示すようになり、この場合、クロスオーバ位置の移動はない。但し、第1成形アパーチャ41上の電流分布は変化する。
図3は、リミッティングアパーチャマスク43上でのクロスオーバ像の移動を模式的に示す図である。従来方法では、ブランキング偏向無しの場合のクロスオーバ像位置はアパーチャ中心のA点であったが、ブランキング偏向が始まると紙面の左側のB点に移動し、さらに最終的にC点に移動する。そして、A→B間のビーム移動が描画精度の低下をもたらすことになる。
これに対し本実施形態では、ブランキング偏向器31により第1成形アパーチャマスク41上ではビームを移動させるが、成形偏向器32の位置ではクロスオーバ像を移動させない。この場合、リミッティングアパーチャマスク43上でもクロスオーバ像は移動しない。従って、ブランキング時にもクロスオーバ像は常にA点に位置することになり、ビーム移動に伴う描画精度の低下は生じない。
また、電流分布の変化の時間を可能な限り短くするために、図4に示すような伝送線路方式の高速ブランキングシステム(例えば、特開平11−150055号公報参照)を用いることが望ましい。この高速ブランキングシステムは、内部導体61を外部導体62で覆うように構成した同軸線路60を用い、外部導体62の側壁にビームの入射口63及び出射口64を形成したものである。ブランキング電極の一方の電極は内部導体61であり、他方の電極は外部導体62である。なお、図4中の65はブランキング電圧を供給するためのブランキングパルスジェネレータ等のブランキングパルス発生回路、66は終端抵抗を示している。
このような同軸伝送線路の偏向電極組をビーム進行軸方向に沿って2段に配置することにより、前記図1のブランキング偏向器31として用いることができる。
この場合、ブランキングパルス発生回路65には極めて高速な動作が可能な回路が用いられるが、このような高速回路においては電圧を高くすることが困難である。この問題を解決するために、ブランキング偏向器31による偏向に加えて、第1投影レンズ23のレンズ効果による偏向を加えることにより、ブランキング偏向器単体による偏向量が小さい場合でも、クロスオーバ像位置を移動させないと云う条件を確保しつつブランキング動作を行うことが可能となる。
ところで、レンズの励磁は結像条件から決められるがこの条件は、設計と必ずしも一致するとは限らない。そこで、偏向電極組311,312に加わる電圧の比VB1/VB2を調整して、クロスオーバ像の移動を最小になるように調整することもできる。これには、偏向電極組312に電圧を加えるための同軸伝送線路に適当な減衰率の減衰器を設けることで可能である。
このように本実施形態によれば、ブランキング偏向器31を2段の偏向電極組311,312で構成し、ブランキング時に成形偏向器32の偏向中心におけるクロスオーバ像位置が移動しないように、偏向電極組311,312を偏向方向が逆方向となるように駆動することにより、ブランキング時のクロスオーバ像の移動を抑えることが可能となる。このため、レンズの球面収差や焦点ずれによって引き起こされる試料面上のビーム照射位置のずれを抑制することができ、描画精度の向上をはかることができる。
また、従来装置とは異なり投影レンズを2段に構成し、コンデンサレンズ21,22のみではなく投影レンズ23も用いて、成形偏向器32の偏向中心にクロスオーバが形成されるようにしているため、偏向電極組311,312による偏向量が小さい場合であっても、クロスオーバ像の移動を効果的に抑制することができる。
ここで、ブランキング偏向器31で必要な偏向角度を見積もる。図1の構成で投影レンズを1段(第2投影レンズ24のみ)にした例で、第1成形アパーチャマスク41とその下流のクロスオーバ位置を80mm、第1成形アパーチャマスク41の上流40mmと70mmの位置にブランキング偏向器31の中心があるとする。第2コンデンサレンズ22は第1成形アパーチャマスク41の上流100mmの位置にあり、薄レンズで考えて良いとし、その磁場の影響はブランキング偏向器31に及ばないと仮定する。また、ブランキングの際に第1成形アパーチャマスク41の位置で0.1mmビーム位置を偏向することが必要であると仮定する。見積のため、ブランキング偏向器31中の軌道の曲がりを考えず、中心で角度を変えると近似して考える。
下流側の偏向器312の中心とクロスオーバとの距離は120mmであるので、ブランキング時に下流側の偏向器位置でビーム軌道は0.1×120/80=0.15mmずれていなければならない。このようにするには、上流側の偏向器311での偏向角度は0.15/40rad必要である。また、下流側の偏向器312での偏向角度は(0.15/40+0.15/120)=0.15/30rad必要である。
一方で、図1の構成で、第2コンデンサレンズ22,ブランキング偏向器31、第1成形アパーチャマスク41の位置関係を同じとして、第2コンデンサレンズ22と第1投影レンズ23との間でクロスオーバ結像の軌道が軸に平行と仮定すると、ブランキング時に下側の偏向器位置でビーム軌道は0.1mmずれていれば良い。このようにするには、上側の偏向器311での偏向角度は0.1/40rad、また、下側の偏向器312での偏向角度も0.1/40で良い。図1から分るように、クロスオーバ結像の軌道を下流に向けて発散するような構成とすることでこの角度は更に緩和できる。
長さ20mmの偏向領域で、50keVの電子に対して0.15/30radの偏向角度を得るには、電場は約2.5×104 V/mが必要である。電極間隔を4mmとすると、電圧は約50V必要である。一方で、0.1/40rad得るには約25Vで良く、必要な電圧を半分にすることができる。具体的な数値は構造によって異なるが、第1投影レンズ23での偏向効果を利用することで、ブランキング偏向器31の設計条件を大幅に緩和することができる。
さらに、図1に示す構成においては、ブランキング偏向器31による偏向に設計と誤差が生じる場合に、第2コンデンサレンズ22と第1投影レンズ23の励磁を調整することでも、ブランキング偏向時のクロスオーバの移動を小さくすることが可能である。但し、アパーチャ像は第2成形アパーチャマスク42上に結像する必要があるので、第2投影レンズ24の励磁は第1投影レンズ23に対して一意的に決まり、以下、縮小レンズ25,対物レンズ26の励磁も自動的に定まる。従って、リミッティングアパーチャマスク43付近でのクロスオーバ位置は軸方向に若干移動する。また、第1成形アパーチャマスク41から第2成形アパーチャマスク42、第2成形アパーチャマスク42から試料面への結像時の倍率も若干変化する。しかし、これに伴うビーム径の変化分は、ミッティングアパーチャマスク43をビーム径変化を吸収できる程度に大きくしてあれば実用上の問題は小さい。また、倍率変化については可変成形ビーム装置のビーム寸法の校正を行えば描画時の誤差を抑えることができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係わる可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
本実施形態が先に説明した第1の実施形態と異なる点は、コンデンサレンズを1段にしたことにある。この場合、コンデンサレンズ21により第1成形アパーチャ41の上流側にクロスオーバ像が形成されることはなく、コンデンサレンズ21及び第1の投影レンズ23により、成形偏向器32の偏向中心にクロスオーバ像が形成される。従って、コンデンサレンズが1段であっても、コンデンサレンズ21と投影レンズ26により成形偏向器32の偏向中心にクロスオーバを形成することができ、ビーム電流密度を調節することができる。
ブランキング偏向器31により成形偏向器32の偏向中心におけるクロスオーバ像の移動を抑制しながらブランキングできることは第1の実施形態と同様である。従って、本実施形態においても、先の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態ではブランキング偏向器を構成する偏向電極組を2組としたが、必ずしも2組に限らず3組以上で構成としても良い。また、電子ビーム描画装置の光学系の基本構成は前記図1や図5に何ら限定されるものではなく、仕様に応じて適宜変更可能である。より具体的には、コンデンサレンズと第1成形アパーチャマスクとの間に少なくとも2段の偏向電極組からなるブランキング偏向器が配置され、ブランキング偏向器とブランキング偏向器の下流側で最も近いクロスオーバ像位置との間に投影レンズが設けられた構成であれば本発明を適用することが可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
11…電子銃
12…試料
13…試料ステージ
21…第1のコンデンサレンズ
22…第2のコンデンサレンズ
23…第1の投影レンズ
24…第2の投影レンズ
25…縮小レンズ
26…対物レンズ
31…ブランキング偏向器
311,312…偏向電極組
32…成形偏向器
33…対物偏向器
41…第1成形アパーチャマスク
42…第2成形アパーチャマスク
43…リミッティングアパーチャマスク
51…ブランキングジェネレータ
52…減衰器
60…同軸線路
61…内部導体
62…外部導体
63…ビーム入射口
64…ビーム出射口
65…ブランキングパルス発生回路
66…終端抵抗

Claims (8)

  1. 電子源に最も近いアパーチャマスクの電子源側に、コンデンサレンズとブランキング偏向器が設けられ、前記アパーチャマスクよりもビーム進行軸方向の下流側に投影レンズが設けられ、前記コンデンサレンズと前記投影レンズによりクロスオーバ像が形成されるリミッティングアパーチャマスクが設けられ、前記リミッティングアパーチャマスク上に前記クロスオーバ像の移動量を測定し、前記ブランキング偏向器の偏向感度を得る検出器が設けられ、前記ブランキング偏向器により前記電子ビームのオン・オフを制御する電子ビーム描画装置であって、
    前記ブランキング偏向器は、前記コンデンサレンズと前記アパーチャマスクとの間に配置された少なくとも2段の静電偏向電極で構成され、各々の偏向電極は、前記クロスオーバ像のブランキングに伴う移動を小さくするように、前記検出器の測定から得られる偏向感度に応じた電圧が印加され、偏向方向を逆方向にして駆動されることを特徴とする電子ビーム描画装置。
  2. 前記コンデンサレンズは、前記電子ビームの進行軸方向に離間して2段に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム描画装置。
  3. 前記各偏向電極は、内部導体を外部導体で覆うように構成した同軸線路を用い、外部導体の側壁にビームの入射口及び出射口を形成した伝送線路方式の偏向電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ビーム描画装置。
  4. 電子ビームを発生する電子源と、
    前記電子ビームを集束するコンデンサレンズと、
    前記コンデンサレンズで集束された電子ビームが照射される第1の成形アパーチャマスクと、
    前記第1の成形アパーチャマスクに対し前記電子ビームの進行軸方向の下流側に設けられた第2の成形アパーチャマスクと、
    前記第1及び第2の成形アパーチャマスク間に離間して設けられ、前記第1の成形アパーチャマスクのアパーチャ像を前記第2の成形アパーチャマスク上に結像する2段の投影レンズと、
    前記コンデンサレンズと前記第1成形アパーチャマスク側の投影レンズによりクロスオーバ像が形成されるリミッティングアパーチャマスクと、
    前記各投影レンズ間に設けられ、前記クロスオーバ像位置を中心に前記電子ビームを偏向し、前記第2成形アパーチャマスク上で前記アパーチャ像の位置を可変する成形偏向器と、
    前記第2成形アパーチャマスク上に形成されるビーム像を試料面に結像する対物レンズと、
    前記試料面上でのビーム位置を可変する対物偏向器と、
    前記コンデンサレンズと第1成形アパーチャマスクとの間に設けられた2段の静電偏向電極を有し、前記電子ビームを偏向して電子ビームをオン・オフ制御するブランキング偏向器と、
    前記リミッティングアパーチャマスク上に設けられ、前記クロスオーバ像の移動量を測定し、前記ブランキング偏向器の偏向感度を得る検出器と、
    前記ブランキング偏向器の各々の偏向電極を偏向方向が逆方向となるように駆動し、且つブランキングに伴う前記クロスオーバ像の移動を小さくするように、前記検出器の測定から得られる偏向感度に応じた電圧を印加し、前記偏向電極組を駆動するブランキング制御回路と、
    を具備したことを特徴とする可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置。
  5. 電子源に最も近いアパーチャマスクの電子源側に、コンデンサレンズと2段のブランキング偏向器が設けられ、前記アパーチャマスクよりもビームの進行軸方向の下流側に投影レンズが設けられ、前記コンデンサレンズと前記投影レンズによりクロスオーバ像が形成されるリミッティングアパーチャマスクが設けられ、前記リミッティングアパーチャマスク上に前記クロスオーバ像の移動量を測定し、前記ブランキング偏向器の偏向感度を得る検出器が設けられた電子ビーム描画装置を用い、前記ブランキング偏向器により前記電子ビームのオン・オフを制御する電子ビーム描画方法であって、
    前記検出器の測定から得られる偏向感度に応じた電圧を前記偏向器の各々に印加し、前記偏向器を各々の偏向方向が逆方向となるように駆動し、前記クロスオーバ像のブランキングに伴う移動を小さくすることを特徴とする電子ビーム描画方法。
  6. 前記ブランキング偏向器の各々の偏向電極の偏向電圧をVB1ボルト,VB2ボルトとし、前記検出器によって測定される各々の偏向電極の偏向感度をCB1(ミクロン/ボルト),CB2(ミクロン/ボルト)とした場合、CB1・VB1+CB2・VB2=0であることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム描画装置。
  7. 前記ブランキング偏向器の各々の偏向電極の偏向電圧をVB1ボルト,VB2ボルトとし、前記検出器によって測定される各々の偏向電極の偏向感度をCB1(ミクロン/ボルト),CB2(ミクロン/ボルト)とした場合、CB1・VB1+CB2・VB2=0であることを特徴とする請求項4に記載の可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置。
  8. 前記ブランキング偏向器の各々の偏向電極の偏向電圧をVB1ボルト,VB2ボルトとし、前記検出器によって測定される各々の偏向電極の偏向感度をCB1(ミクロン/ボルト),CB2(ミクロン/ボルト)とした場合、CB1・VB1+CB2・VB2=0であることを特徴とする請求項5に記載の電子ビーム描画方法。
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