JP5555001B2 - マスキング用治具 - Google Patents

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Description

この発明は、マスキング用治具に関し、特に、被塗装体への塗装の際に、被塗装体における特定部位に塗料を附着させないように被覆するマスキング用治具の改良に関する。
被塗装体への塗装の際に、被塗装体における特定部位に塗料を附着させないように被覆するマスキング用治具としては、これまでに種々の提案があるが、その中には、旧来から利用されているものとして、可撓性に富むなどして剥離可能とされるテープ状体あるいはフィルム状体からなるのものがある。
しかし、このテープ状体あるいはフィルム状体からなるマスキング用治具にあっては、その展設や撤去に手間を要すだけでなく再利用をし難くすることから、たとえば、特許文献1に開示のマスキング用治具の提案がある。
すなわち、この特許文献1に開示のマスキング用治具は、円柱状のロッド体における端部の被覆を可能にするもので、具体的には、ほぼ有頭円筒状に形成されて、内側の円柱状の穴にロッド体における端部の挿し込みを許容する。
一方、被塗装体が、たとえば、流体圧の利用でシリンダ体に対してロッド体を出没可能にする筒型に形成のシリンダあるいは緩衝器である場合には、シリンダ体に対する塗装の際に特定部位たるロッド体への塗料の附着を阻止する必要がある。
それゆえ、この筒型に形成のシリンダあるいは緩衝器におけるシリンダ体を塗装する際に、シリンダ体におけるヘッド端から突出するロッド体の端部を上記の特許文献1に開示のマスキング用治具で被覆すれば、ロッド体に対する塗料の附着を阻止し得る。
特開2001‐179144号公報(要約,請求項1,図1,図2参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示のマスキング用治具にあっては、筒型に形成のシリンダあるいは緩衝器におけるシリンダ体に対する塗装の際に、ロッド体への塗料の附着を阻止し得る点で、基本的に、問題がある訳ではないが、利用の実際を勘案すると、些かの不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記したマスキング用治具にあっては、ロッド体の端部を被覆し得るようにほぼ有頭円筒状に形成されるが、このマスキング用治具の利用の際には、上記のシリンダあるいは緩衝器において、シリンダ体内にロッド体を可能な限りに押し込むようにしてシリンダ体から突出するロッド体の端部の長さを短くすることで、マスキング用治具における軸線方向の長さを短くし、コスト的にも有利になるようにすると共に、その装着や撤去の作業に手間を要しないように配慮するのが好ましい。
しかし、シリンダの場合には、シリンダ体内へのロッド体の押し込みは容易であるが、緩衝器となると、シリンダ体内へのロッド体の押し込みの際に反力を具有するから、シリンダ体内にロッド体を可能な限りに押し込むとしてもこれが容易でない。
このことからすると、筒型に形成の緩衝器におけるシリンダ体への塗装の際に、上記のほぼ有頭円筒状に形成のマスキング用治具を利用して、ロッド体への塗料の附着を阻止するとしても、緩衝器がほぼ最伸長状態にあるままで、すなわち、ロッド体がシリンダ体のヘッド端から大きく突出した状態のままで、上記のマスキング用治具を利用することになる。
その結果、マスキング用治具を軸線方向に長く形成することが必須になり、部品コストで不利になることが危惧されるだけでなく、装着や撤去の作業に手間を要し、緩衝器におけるシリンダ体への塗装の際におけるロッド体への塗料附着の阻止を面倒なものにすることが危惧される。
この発明は、上記した現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、流体圧利用の筒型に形成のシリンダあるいは緩衝器におけるシリンダ体への塗装の際に、ロッド体に対する塗料の附着阻止を可能にするのはもちろんのこと、装着や撤去の作業に手間を要せず、また、部品コスト的にも不利にならずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるマスキング用治具を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明の課題解決手段は、 流体圧シリンダ又は流体圧緩衝器がシリンダ体と、上記シリンダ体内に出没自在に挿通したロッド体と、上記ロッド体の挿通を許容する孔を有するシリンダ体のヘッド端部とを備え、上記シリンダ体への塗装の際に上記ヘッド端部に位置する上記ロッド体におけるシール摺接許容部への塗料の附着を阻止するマスキング用治具において、内周を上記ロッド体の外周に摺接させながら内側に上記ロッド体を挿通させる合成樹脂からなる筒部と、この筒部の基端から放射方向に延設されたフランジ部とを有し、上記筒部の肉厚を上記孔の内周と上記ロッド体の外周との間の環状隙間における隙間寸法より小寸法に形成し、上記筒部が先端部を上記環状隙間に挿通させながら上記シール摺接許容部を挿通させる際に上記フランジ部を当該フランジ部が対向する上記ヘッド端部の端面に着座させることを特徴とする。
それゆえ、この発明によるマスキング用治具にあっては、内周をロッド体の外周に摺接させながら内側にロッド体を挿通させる筒部が先端部をシリンダ体のヘッド端においてヘッド端部の孔の内周とロッド体の外周との間の環状隙間に挿通させるとき、シリンダ体のヘッド端部に位置するロッド体におけるシール摺接許容部が筒部で覆われて外部と遮断されるから、シリンダ体への塗装時に、ロッド体におけるシール摺接許容部に塗料が附着することを阻止し得る。
そして、このマスキング用治具にあっては、筒部の先端部が上記の環状隙間に挿通されるとき、この筒部の基端にあって放射方向に張り出すフランジ部がシリンダ体におけるヘッド端に着座可能とされるから、シリンダ体におけるヘッド端への塗料の附着を阻止できる。
そしてまた、このマスキング用治具にあっては、これが合成樹脂材からなるから、部品コストを安価にするのに向き、また、その装着時に、筒部によるロッド体の外周への傷付き現象、特に、ロッド体におけるシール摺接許容部の外周およびその近傍部への傷付き現象を発現させない。
さらに、マスキング用治具におけるフランジ部のヘッド端への着座が基台への押圧で実現されるとき、ロッド体が基台内にいたずらな隙間なく嵌挿されることで、ロッド体に対する塗料の附着をより一層阻止できる。
この発明によるマスキング用治具を部分図で表す緩衝器に上方側から照準させた状態を示す縦断面図である。 この発明によるマスキング用治具を緩衝器に装着した利用状態を示す一部断面正面図である。 この発明によるマスキング用治具を上面側から看る斜視図である。 従来例とされるマスキングの態様を図2とほぼ同様に示す図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるマスキング用治具10は、基本的には、ロッド体の外周に塗料が附着することを阻止する際の利用に向く。
そして、この発明によるマスキング用治具10は、具体的には、図1および図2に示すように、被塗装体たる筒型に形成の緩衝器、すなわち、流体圧の利用でシリンダ体1に対してロッド体2を出没可能にする流体圧緩衝器においてシリンダ体1に塗装を施す際の利用に向く。
もっとも、この発明によるマスキング用治具10が被塗装体における特定部位たるロッド体2に塗料が附着することを阻止するとの趣旨からすれば、被塗装体が流体圧緩衝器とされるのに代えて、図示しないが、流体圧の利用でシリンダ体に対してロッド体を出没可能にする筒型に形成のシリンダ、すなわち、流体圧シリンダが被塗装体とされても良い。
そして、この流体圧シリンダにおけるシリンダ体に塗装を施す際に、特定部位たるロッド体に塗料が附着することを阻止するのにこのマスキング用治具10が利用されても良い。
ちなみに、この発明の具現化にあって、その適用が流体圧を利用する流体圧緩衝器や流体圧シリンダとされるのは、これらがシリンダ体に対してロッド体を出没させるのが油圧利用による、つまり、好ましい油圧の利用には、後述するメインシールにおけるシール性が重要であり、このメインシールにおけるシール性がロッド体におけるシール摺接許容部に附着した塗料の固化によって傷付けられて、シール性を損なうことが問題となるからである。
また、この発明によるマスキング用治具10が利用されるのは、静電塗装でシリンダ体に塗装を施す場合であって、鉄材からなるシリンダ体への塗装に向くとされるカチオン塗装の場合には、いわゆるジャブ漬けとなるので、この発明のマスキング用治具10を利用するのには向かない。
なお、以下の説明では、説明の都合上、流体圧緩衝器を単に緩衝器と称し、また、流体圧シリンダについても単にシリンダと称する。
ところで、図示する緩衝器は、たとえば、シリンダ体1が単筒とされる単筒型とされながら図示しない車両に搭載される緩衝器とされ、たとえば、シリンダ体1が下端側部材とされて車両における車輪(図示せず)側に連結される。
そして、この緩衝器にあって、シリンダ体1に対して先端側が出没可能に挿通されるロッド体2は、上端側部材とされて車両における車体(図示せず)側に基端部が連結され、先端部がシリンダ体1内に摺動可能に収装の図示しないピストン体に連結される。
そしてまた、同じく図示しないが、ピストン体は、シリンダ体1内にピストン体の上方となり作動流体たる作動油を充満する上方室と、ピストン体の下方となり作動油を収容する下方室とを画成する。
このとき、下方室は、たとえば、フリーピストンを有してこのフリーピストンの下方に閉鎖された空間たる空気室を画成し、この空気室は、フリーピストンの摺動で膨縮してエアバネ力を具有し、シリンダ体1内からロッド体2が突出する方向に、すなわち、緩衝器を伸長方向に附勢する。
さらに、ピストン体は、多くの場合に減衰手段を有し、上方室からの作動油が減衰手段を介して下方室に流出するときに、所定の伸側の減衰作用を具現化し、下方室の作動油が減衰手段を介して上方室に流入するときに、所定の圧側の減衰作用が具現化される。
ところで、図示する緩衝器にあっては、図1および図2に示すように、シリンダ体1におけるヘッド端部(符示せず)を構成するバンププレート3を有すると共に、このバンププレート3を一体的に連結させるシールケース4を有し、このシールケース4内には、メインシール5が収装される。

バンププレート3は、図1中で上端となり、図2中で下端となるバンプクッション接触端3aをシリンダ体1におけるヘッド端にし、このヘッド端、つまり、バンプクッション接触端3aには、これに対向するようにロッド体2の基端部側に固定的に保持されるバンプクッション(図示せず)が緩衝器の最収縮作動時に当接し、このとき、バンプクッションが弾性変形することで、緩衝器の最収縮作動時における衝撃を吸収する。
そして、このバンププレート3は、軸芯部にロッド体2の挿通を許容する孔(符示せず)を有し、この孔にロッド体2を挿通させるときにこの孔の内周とロッド体2の外周との間に環状隙間S(図1参照)を出現させて、シリンダ体1に対してロッド体2が出没するときに、このロッド体2がバンププレート3に干渉しないようにする。
また、このバンププレート3は、バンプクッション接触端3aに図1中で上側となる外側に向けて突出し放射方向に延びる複数本のリブ3bを有すると共に、バンプクッション接触端3aと反対側となる図1中での下端たる後端に上記の環状隙間Sに連通して放射方向に延びる複数本の通気路3cを有する。
ちなみに、上記のリブ3bは、上記の通気路3cをプレス整形で形成するときに形成され、また、図示するところでは、四本とされて上面視で十字形を呈し、したがって、上記の通気路3cも同様に四本とされて底面視で十字形を呈する。
そして、上記のリブ3bが形成されるのは、バンププレート3にバンプクッションが衝突することに対する機械的強度を向上させると共に、バンププレート3にバンプクッションが衝突するときの消音効果を期待できるからであり、上記の通気路3cが形成されるのは、バンププレート3にバンプクッションが衝突するときに、バンププレート3とバンプクッションとの間に篭り勝ちになる空気を上記の環状隙間Sおよびこの通気路3cを介していわゆる外部に放出させるためである。
シールケース4は、図1に示すように、上記したバンプストッパ3をスポット溶接で一体的に連設させる図中で上端部となる外側端部4aの軸芯部に隙間を有してロッド体2を挿通させる孔(符示せず)を有するキャップ状に形成され、下端部4bがシリンダ体1における本体部を形成する筒体(符示せず)におけるヘッド端側部1aの内周に液密構造下に連結されて筒体のヘッド端側開口を閉塞する。
なお、図示しないが、後述するメインシール5の下方、すなわち、シールケース4の下端部の内側には、ロッドガイドが配設され、このロッドガイドの軸芯部をロッド体2がブッシュの配在下に貫通する。
メインシール5は、シリンダ体1の外部からのダスト、たとえば、微細な砂粒などのシリンダ体1内への侵入を阻止すると共に、シリンダ体1内からの作動流体たる作動油のシリンダ体1外への漏出を阻止する。
なお、このメインシール5、特に、シリンダ体1の外部からのダストの侵入を阻止するダストリップ部(符示せず)には、後述するように、この発明によるマスキング用治具10が干渉しない。
以上のように緩衝器が形成されるのに対して、この発明によるマスキング用治具10は、この発明にあっては、合成樹脂材からなり、その利用時に、ロッド体2の外周への傷付き現象を発現し難くすると共に、部品コストを安価にし易くする。
そして、このマスキング用治具10は、図3に示すように、筒部11と、フランジ部12とを有してなり、その利用時には筒部11が前記した環状隙間Sに挿し込まれると共に、フランジ部12が前記したバンププレート3おけるバンプクッション接触端3aに当接される(図2参照)。
このとき、このマスキング用治具10は、使い回しを可能にするように形成されるが、材質としては、合成樹脂材が選択されて、ロッド体2の外周への装着時およびロッド体の外周からの撤去時にロッド体2の外周に傷付き現象を発現させないのが良い。
そして、筒部11が環状隙間Sに挿し込まれることや、後述するが、フランジ部12が弾性を有して湾曲されたりすることからすると、全体的に比較的薄肉に形成されるのが好ましいであろう。
つまり、このマスキング用治具10が合成樹脂材で比較的薄肉に形成されることで、部品コストの上から有利になり、また、後述することであるが、フランジ部12が押圧力によって平坦状態から湾曲状態になるのも容易になる。
少し説明すると、この発明によるマスキング用治具10にあって、筒部11は、図2に示すように、内周をロッド体2の外周に摺接させながら内側にロッド体2におけるシール摺接許容部2a(図2参照)を挿通させる。
そして、この筒部11にあっては、肉厚を前記した緩衝器における環状隙間Sにおける隙間寸法より小寸法にし、図3中で上端部となり、図1中で下端部となる先端部(符示せず)の上記の環状隙間Sへの挿通を可能にする。
また、この筒部11は、その軸線方向の長さ、つまり、環状隙間Sへの挿し込みが許容される長さについては、基本的には自由であるが、特に、先端が緩衝器におけるシリンダ体1のヘッド端部に挿し込まれることを考慮すると、このヘッド端部に配設されているメインシール5に先端が干渉しない長さに設定されるのが良い。
一方、フランジ部12は、筒部11の図3中での下端たるおよび図1中での上端たる基端から放射方向に延設され、このとき、フランジ部12の外径寸法を当該フランジ部12が対向するヘッド端部の端面の外径、すなわち、図示するところでは、バンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aにおける外径以上に形成されて外方に張り出す。
ちなみに、フランジ部12の外径がシリンダ体1のヘッド端における外径、すなわち、バンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aの外径以上とされるのは、このフランジ部12がバンプストッパ3のバンプクッション接触端3aに当接された状態でシリンダ体1に静電塗装されることを鑑みると、フランジ部12の外径が上記のバンプクッション接触端3aの外径以下とされる場合に比較して、バンプクッション接触端3aへの塗料附着を確実に阻止できるからである。
また、フランジ部12の外径がバンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aの外径以上とされるのは、バンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aをフランジ部12に当接させるとき、バンプクッション接触端3aがフランジ部12からはみ出して基台Bに接触することを回避でき、バンプクッション接触端3aに傷付き現象を発現させないで済むからである。
そして、この発明のマスキング用治具10を利用して静電塗装する実際には、バンプストッパ3の図2中での下端たるバンプクッション接触端3aがフランジ部12の図中で上面となる言わば裏面に-強く押し付けられるから、フランジ部12の外径がバンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aの外径以上となる場合には、図中に仮想線で示すように、フランジ部12の外周部が図中で起き上がるように湾曲して、ババンプストッパ3の外周を覆うような傾向になり、したがって、バンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aへの塗料の附着をより効果的に阻止し得る。
また、このフランジ部12にあっては、図1中に実線図で示すところでは、水平方向に、つまり、真っ直ぐに張り出すとしているが、これに代えて、図1中に仮想線図で示すように、外周側部が弾性の具有下に筒部11側に湾曲されて外周側部が筒部11の外側に位置決められる、すなわち、図3中に示すところにあっては、外周側部が持ち上がるようになるとしても良い。
フランジ部12が筒部11の基端から水平方向に真っ直ぐに張り出すのに代えて、弾性の具有化に湾曲されてなるとする場合には、このフランジ部12をバンプストッパ3のバンプクッション接触部3aに押し付けるとき、この押し付け力でフランジ部12の外周部がより一層起き上がる傾向になり、バンプストッパ3の外周への塗料の附着をより一層効果的に阻止し得る。
ちなみに、このマスキング用治具は、合成樹脂材からなるから、上記した湾曲したフランジ部12は、押し付け力を解除すると、弾性で水平状態あるいは湾曲状態に戻り、つまり、バンプストッパ3のバンプクッション接触部3aから言わば自動的に後退して離座することになり、爾後のこのマスキング治具10の撤去作業を容易にする。
この発明によるマスキング用治具10が以上のように形成されることで、その利用にあっては、図1に示すように、マスキング用治具10を緩衝器におけるロッド体2の上方でいわゆる下向きにして、筒部11をロッド体2に照準させながら降し、筒部11にロッド体2を挿通させる。
この状態から、筒部11の先端部をバンプストッパ3とロッド体2との間に出現する環状隙間Sに挿し込み、フランジ部12をシリンダ体のヘッド端たるバンプストッパ3のバンプクッション接触端3aに当接させる。
そして、この状態の緩衝器を、図2に示すように、倒立させて、ロッド体2を基台Bの孔(符示せず)に挿し込んで倒立させ、この状態で静電塗装を実行する。
このとき、緩衝器の言わば自重でシリンダ体1が下方の基台Bに押し付けられるようになり、したがって、マスキング用治具10におけるフランジ部12の一端面(裏面)が、バンプストッパ3のバンプクッション接触端3aに押し付けられて当接し、フランジ部12の他端面(上面)が基台Bに当接し、爾後のこのバンプクッション接触端3aへの塗料の附着を効果的に阻止する。
このとき、筒部11は、上記の環状隙間S内にあって、ロッド体2におけるシール摺接許容部2a(図2参照)を被覆することになり、このシール摺接許容部2aにシリンダ体1に対する静電塗装の際の塗料が附着されなくなる。
そして、このとき、環状隙間Sに筒部11が挿し込まれることで、バンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aの反対側となる後端に形成の通気路3cが環状溝Sに連通されなくなり、したがって、静電塗装時の塗料がこの通気孔3cを介して上記の環状隙間Sに流入されなくなり、ロッド体2におけるシール摺接許容部2aに塗料が附着されなくなる。
その結果、ロッド体2におけるシール摺接許容部2aに塗料が附着されないから、附着した塗料が固化することでロッド体2に摺接するメインシール5への傷付き現象の発現を危惧しなくて済む。
以上のように、この発明によるマスキング用治具10を利用する際には、図2に示すように、緩衝器におけるロッド体2を基台Bの孔に挿し込んで倒立させるが、この基台Bを利用する方策を鑑みると、図4に示すように、基台Bの周部に筒状に立ち上がる壁B1を設け、この壁B1の内側にバンプストッパ3を挿入して倒立する緩衝器を安定させれば、この状態で本願における場合と同様に、静電塗装を実践し得る。
したがって、この図4に示す基台Bを利用する方策による場合には、この発明によるマスキング用治具10を利用しなくても済むと言い得るが、いくつかの不具合がある。
すなわち、基台Bの周部に筒状に立ち上がる壁B1を設けるので、この壁B1の内側に緩衝器におけるバンプストッパ3が収納されない限り、その利用が不能になり、逆に、汎用性を高めるために壁B1の内径を大きく設定する場合には、いわゆる余裕ができるために、バンプストッパ3に形成の通気路3cを介してロッド体2におけるシール摺接許容部2aに塗料が附着するのを阻止できなくなる不具合を招く。
のみならず、基台Bの周部に筒状に立ち上がる壁B1を設けるから、同じく治具として機能する基台Bのコストを高くする不具合があり、また、径の異なる筒状に形成されたものを分離可能に設けて壁にする場合には、基台Bについての一層のコスト高を招く不具合がある。
一方、基台Bに壁B1を設ける場合に、その高さがバンプストッパ3の肉厚に比較して大き過ぎると、バンプストッパ3の外周への塗装が思うに任せられなくなり、また、小さ過ぎると、バンプストッパ3におけるバンプクッション接触端3aへの塗料の附着を阻止できなくなる不具合があり、最適な高さを設定するのが容易でない不利もある。
以上からすれば、この発明にあっては、基台Bがロッド体2を挿通させる孔を有すれば足り、基台Bのコストをいたずらに高騰化させないし、また、バンプストッパ3の径や肉厚が区々になっても利用可能となる点でも有利になる。
前記したところでは、この発明によるマスキング用治具10が緩衝器に利用されるとしたが、この発明が意図するところからすると、被塗装体における特定部位への塗料附着の阻止である限りには、たとえば、ガススプリングに利用されても良く、その場合のマスキング用治具10を利用する際の作用効果についても異ならない。
そして、前記したところでは、この発明によるマスキング用治具10が利用される緩衝器が単筒型からなるとしたが、この発明が意図するところからすると、緩衝器が内筒と内筒の外に配設される外筒とを有する複筒型からなるとしても良いことはもちろんであり、その場合のマスキング用治具10を利用する際の作用効果についても異ならない。
また、前記したところでは、マスキング用治具10が使い回しを前提に形成されるとしたが、これが使い捨て用に設定されても良く、その場合には、使い回しを前提にしてマスキング用治具10を撤去する作業に比較して、マスキング用治具10の撤去作業を迅速に終了でき、したがって、マスキング用治具10を利用するマスキング作業の作業性を向上させるであろう。
そしてまた、マスキング用治具10を使い捨て用に設定する場合には、図3中に仮想線図で示すように、フランジ部12の上面から筒部11の外周にかけて、たとえば、溝からなる破断用薄肉部13を形成しても良い。
流体圧利用の筒型に形成のシリンダあるいは緩衝器におけるシリンダ体への塗装の際に、ロッド体に対する塗料の附着阻止を可能にするのに最適となる。
1 シリンダ体
1a ヘッド端側部
2 ロッド体
2a シール摺接許容部
3 ヘッド端部を構成するバンプストッパ
3a ヘッド端たるバンプクッション接触端
3b リブ
3c 通気路
4 シールケース
4a 上端部
4b 下端部
5 メインシール
10 マスキング用治具
11 筒部
12 フランジ部
13 破断用薄肉部
基台
S 環状隙間

Claims (6)

  1. 流体圧シリンダ又は流体圧緩衝器がシリンダ体と、上記シリンダ体内に出没自在に挿通したロッド体と、上記ロッド体の挿通を許容する孔を有するシリンダ体のヘッド端部とを備え、上記シリンダ体への塗装の際に上記ヘッド端部に位置する上記ロッド体におけるシール摺接許容部への塗料の附着を阻止するマスキング用治具において、内周を上記ロッド体の外周に摺接させながら内側に上記ロッド体を挿通させる合成樹脂からなる筒部と、この筒部の基端から放射方向に延設されたフランジ部とを有し、上記筒部の肉厚を上記孔の内周と上記ロッド体の外周との間の環状隙間における隙間寸法より小寸法に形成し、上記筒部が先端部を上記環状隙間に挿通させながら上記シール摺接許容部を挿通させる際に上記フランジ部を当該フランジ部が対向する上記ヘッド端部の端面に着座させることを特徴とするマスキング用治具。
  2. 環状隙間に挿通される筒部の先端が上記シリンダ体のヘッド端部に配設されて上記ロッド体の外周に摺接するメインシールに干渉しない請求項1に記載のマスキング用治具。
  3. 上記フランジ部の外径寸法を上記ヘッド端部の端面の外径以上に形成し、上記フランジ部が裏面に作用する押し付け力で基台に押し付けられるとき、上記フランジ部の外周側部を上記シリンダ体のヘッド端部側へ湾曲させてなる請求項1または請求項2に記載のマスキング用治具。
  4. 上記シリンダ体のヘッド端部をバンププレートで構成し、このヘッド端部の端面が上記バンププレートのバンプクッション接触端とされ、上記筒部が上記バンプクッション接触端側から先端部を上記環状隙間に挿通させ、上記フランジ部が上面を上記バンプクッション接触端に接触させてなる請求項1,請求項2または請求項3に記載のマスキング用治具。
  5. 上記シリンダ体のヘッド端部をバンププレートで構成し、このヘッド端部の端面が上記バンププレートのバンプクッション接触端とされ、上記バンププレートが上記バンプクッション接触端に外側に向けて突出し放射方向に延びる複数本のリブを有すると共に上記バンプクッション接触端と反対側となる後端に上記環状隙間に連通して放射方向に延びる複数本の通気路を有し、この通気路と上記環状隙間との連通がこの環状隙間に挿通される筒部で遮断されてなる請求項1,請求項2,請求項3または請求項4に記載のマスキング用治具。
  6. 上記シリンダ体のヘッド端部をバンププレートで構成し、このヘッド端の端面が上記バンププレートのバンプクッション接触端とされ、上記バンプクッション接触端に上記フランジ部の一端面を当接させ、このフランジ部の他端面を基台に当接し、上記ロッド体が上記基台に開穿の孔内に挿通されてなる請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5に記載のマスキング用治具。
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