JP5554520B2 - アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 - Google Patents

アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 Download PDF

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Description

本発明は、害虫の性フェロモン物質を圃場に漂わせ、害虫の交尾行動を撹乱させる害虫防除方法、いわゆる交信撹乱方法とそれに使用される交信撹乱剤に関するものである。
交信撹乱による害虫の防除は、人工的に合成した対象害虫の性フェロモンを大気中に放散、浮遊させ、雄雌間の交信を撹乱させて交尾率を下げ、次世代の誕生を抑制することにより行われる。性フェロモンは、アセテート、アルコール及びアルデヒド等の官能基をもった脂肪族炭化水素が多く、中でもアセテート型が多い。
このアセテート型のフェロモン成分をもった害虫の天然性フェロモン組成中には、アルコール体を全く含まない場合もあれば、極微量に含まれる場合や数パーセント以上含まれる場合がある。チャハマキ、チャノコカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、ハスモンヨトウ、Light brown Apple Moth(以下、LBAM)及びGrapevine Moth(以下、GVM)等では有効成分であるアセテート体の加水分解により生じるアルコール体は誘引阻害効果があるため、ルアーとしてフェロモントラップに使用するときも、交信撹乱剤として交信撹乱法に使用するときもできる限りアルコール体含量の少ない高純度品が使用されてきた。工業的には完全にアルコール体を除去する作業は困難を極めるため、実際には、アセテート体に対して不純物としてアルコール体が0.1〜0.5質量%含有されてきた。
特に、茶やリンゴのハマキムシ類(Leaf Roller)に対する交信撹乱剤において、従来は、共通の成分である(Z)−11−テトラデセニルアセテート(以下、「Z11−TDA」とも略す。)のみが使用されてきた。しかしながら、ハマキ類のZ11−TDAに対する抵抗性の発現が顕著になり、その対策としてコカクモンハマキにはZ11−TDAに対して8〜30質量%の(Z)−9−テトラデセニルアセテート(以下、「Z9−TDA」とも略す。)を、チャハマキにはZ11−TDAに対して2〜30質量%の(Z)−9−ドデセニルアセテート(以下、「Z9−DDA」とも略す。)が添加されるようになった。
特開昭62−212305号公報 特開昭63−246301号公報 特開平6−65007号公報
Z11−TDAにして8〜30質量%のZ9−TDAを添加した結果、交信撹乱による防除効果は回復したが、その効果にはバラツキが見られた。そこで、その際に用いた交信撹乱剤を調べたところ、有効成分であるZ9−TDAに対してその不純物として含有するアルコール体((Z)−9−テトラデセノール、以下、「Z9−TDOL」とも略す。)が0.1〜0.5質量%(有効成分全体に対しては0.02〜0.12質量%)とばらついていることが分かった。一般にアルコール体は誘引阻害効果を有するものが多いので、交信撹乱用として使用する場合には、対応するアセテートに対して0.1〜0.5質量%と低く抑える傾向にあった。そのため、虫が高密度である場合、特に交信撹乱効果が低下することが分かった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、アルコールを実質的に含まず、アセテートを含む害虫の性フェロモン組成物において、従来含有量を極力抑えていた当該アセテートを加水分解して得られる全ての又は少なくとも主要成分に対応するアルコールを添加することで交信撹乱効果を向上させることを目的としている。
前記の目的を達成するため、アルコールを実質的に含まず、アセテートを含む害虫の性フェロモン組成物において、当該アセテートを加水分解して得られる全ての又は少なくとも主要成分に対応するアルコールを当該アセテートに対して0.5〜10質量%添加した性フェロモン組成物を用いた交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法が有用であることを見いだした。
本発明は、具体的には、天然性フェロモンとしてアルコールを実質的に含まないが、1種類以上のアセテートを含む害虫を対象とする交信撹乱剤であって、前記1種類以上のアセテートと、前記アセテートの各々に由来するアルコールとを少なくとも含んでなり、前記各アルコールが、前記各アセテートに対して0.5〜10質量%含まれる交信撹乱剤及びその交信撹乱方法を提供する。ここで、アセテートに由来するアルコールは、アセテートを加水分解した場合にて得られるアルコールであり、酸とアルコールから構成されるエステルのアルコールの意味である。
従来、アセテート型性フェロモン、例えば、Z11−TDAを主成分とする交信撹乱剤を用いた交信撹乱法において、害虫の密度が高い場合には交信撹乱の機構から考えて性フェロモン以外の手段、例えば、視覚、接触等でも交尾する可能性があるので防除効果が低下することはやむをえないと言われてきたが、本発明により有効成分であるアセテート型性フェロモンのアルコール体の含有量を規定することにより、交信撹乱防除効果は安定することができる。
また、交信撹乱剤を用いて交信撹乱法を行った際に誘引阻害率が異常な値を示した場合、アセテート型性フェロモン中のアルコール体の含有量を指定の範囲内にしておくことで、それがアルコール体による誘引阻害効果以外の原因、例えば製剤の地上への落下、施用量の不足等によるものであることを疑うことができ、いち早く対処することができる。
本発明の交信撹乱剤は、天然性フェロモン組成物中の含まれるものと同じである1種類以上のアセテートと、前記アセテートの各々に由来するアルコールを少なくとも含んでなり、前記各アルコールが、由来する前記各アセテートに対して0.5〜10質量%、好ましくは0.8〜10質量%、更に好ましくは1〜6質量%含まれる。
具体的には、アセテートが、天然性フェロモン組成の50〜100質量%を構成する場合、対応アルコールが、アセテートに対して0.5〜5質量%、好ましくは0.8〜3.0質量%である交信撹乱剤であり、アセテートが、天然性フェロモン組成の30質量%以上で50質量%未満を構成する場合、対応アルコールが、アセテートに対して0.7〜7質量%、好ましくは1.0〜4.0%である交信撹乱剤であり、アセテートが、天然性フェロモン組成の10質量%以上で30質量%未満を構成する場合、対応アルコールが、アセテートに対して1.0〜8質量%、好ましくは1.2〜5.0質量%である交信撹乱剤であり、アセテートが、天然性フェロモン組成の10質量%未満である場合、対応アルコールが、アセテートに対して1.5〜10質量%、好ましくは1.5〜6.0質量%である交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法に関する。
ここで、アルコールを実質的に含まないとは、アルコールを全く含まない場合に限定されるものではなく、そのアルコールが誘引活性のない成分であれば、含まれていても構わない場合も含まれている。例えば、天然性フェロモン組成の50〜100質量%を構成するアセテートの場合、由来するアルコールが前記アセテートに対して0.5質量%未満、30質量%以上50質量%未満であれば0.7質量%未満、10質量%以上30質量%未満であれば1.0質量%未満、10質量%未満であれば1.5質量%未満である。
また、アルコールが誘引活性のない成分として含まれる場合とは、例えば、虫の体内においてアセテートの性フェロモンが生合成される際、その前駆体がアルコールであるためアセテートになり得なかったアルコールが残るような場合及び加水分解によってアルコール体を含む等である。含まれるアルコールが誘引活性のない成分であるか否かを調べる方法は、例えば、触覚電位測定法(EAG法)等による。この測定法は、雄の触覚を切り取り、それに微小な電極を差し込んで、特定の成分を含んだ空気に触れさせることで、誘引活性のある成分では微弱な触覚電位が発生し、それを増幅して感知する仕組みのものである。
なお、ここでいう誘引活性成分とは、害虫の雌が雄を引きつけるための有効成分で、通常、天然性フェロモン成分に含まれる成分のいくつか又は全部をいう。
交信撹乱剤に含まれるアセテートは、性フェロモンであればその種類や数に制限はないが、特に、炭素数10〜20の脂肪族アセテートを含む場合に最適である。例えば、デシルアセテート、デセニルアセテート、デカジエニルアセテート、ウンデシルアセテート、ウンデセニルアセテート、ドデシルアセテート、ドデセニルアセテート、ドデカジエニルアセテート、トリデシルアセテート、トリデセニルアセテート、トリデカジエニルアセテート、テトラデシルアセテート、テトラデセニルアセテート、テトラデカジエニルアセテート、ヘキサデシルアセテート、ヘキサデセニルアセテート、ヘキサデカジエニルアセテート、オクタデシルアセテート、オクタデセニルアセテート、オクタデカジエニルアセテート等が挙げられる。
更に、その性フェロモン組成物には上記アセテートの性フェロモン以外の性フェロモンが含まれていても構わない。
交信撹乱剤に含まれるアルコールは、例えば、上記アセテートを加水分解して得られるものであり、デシルアルコール、デセニルアルコール、デカジエニルアルコール、ウンデシルアルコール、ウンデセニルアルコール、ドデシルアルコール、ドデセニルアルコール、ドデカジエニルアルコール、トリデシルアルコール、トリデセニルアルコール、トリデカジエニルアルコール、テトラデシルアルコール、テトラデセニルアルコール、テトラデカジエニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、ヘキサデカジエニルアルコール、オクタデシルアルコール、オクタデセニルアルコール、オクタデカジエニルアルコール等が挙げられる。
天然性フェロモン組成物中には、その組成比率が高い成分と低い成分及びその中間的な比率の成分があり、害虫の種類により含まれる成分は様々である。一般的に、組成比率が50質量%以上あれば高い成分であり、また、10質量%未満であれば低い成分と考えられている。
また、交信撹乱剤は、交信撹乱法に用いるものであれば、対象とする害虫の種類や数に制限はなく、更に、対象とする作物体にも制限はない。
以上の天然性フェロモンの組成比率及び1種類以上の害虫を対象にした交信撹乱剤の各害虫成分の組成比率から、天然性フェロモン組成物全体に占めるアセテートの含有率を50〜100質量%、30質量%以上で50質量%未満、10質量%以上で30質量%未満及び10%未満の4区分に場合分けした。
天然性フェロモン組成物全体に占めるアセテートが50〜100質量%の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して0.5〜5.0質量%、好ましくは0.8〜3.0質量%含んでいる交信撹乱剤を用いて交信撹乱法を行うと誘引阻害率は良好か、若干低下する場合もあるが、防除効果は良好な結果が得られる。天然性フェロモン組成物全体に占めるアセテートが30質量%以上で50質量%未満の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して0.7〜7.0質量%、好ましくは1.0〜4.0質量%含んでいる交信撹乱剤、10質量%以上で30質量%未満の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して1.0〜8.0質量%、好ましくは1.2〜5.0質量%含んでいる交信撹乱剤、10質量%未満の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して1.5〜10.0質量%、好ましくは1.5〜6.0質量%含んでいる交信撹乱剤を用いると効果が確認できる。特に、天然性フェロモン組成物全体に占めるアセテートが50質量%未満の場合(マイナー成分)は、対応するアルコールを1〜10質量%が好ましい。
アセテートの性フェロモンの含有率によってアルコールの添加範囲が異なるのは、交信撹乱剤からのアルコールの放出量によるものと考えられるが、詳しいことは分かっていない。また、それぞれの場合において、上限値以上では経済性及びアルコールによる誘引阻害効果が発現されるため望ましくなく、一方で、下限値以下では原因は不明であるがアルコールが防除効果へ及ぼす影響が少なくなる、又は無くなるため適当ではない。
アセテートに添加するアルコールは、そのアセテートを加水分解して得られるアルコールが望ましいが、構造が同じであればその製造上は特段の制限はない。
ルコールを実質的に含まず、アセテートを含む性フェロモン組成物をもつ害虫であれば特に限定されないが、好ましくはハマキガ科(Tortricidae)、ヤガ科(Noctuidae)、ツトガ科(Pyralidae)等の害虫であることが望ましい。具体的には、チャハマキ(Homona magnanima)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)等のハマキガ科、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、LBAM(Epiphyas postvittana)、European Grape Berry Moth(以下、EGBM)(Eupoecilia ambiguella)、GVM(Lobesia botrana)、トビハマキ(Pandemisheparana)、トマトピンワーム(Keiferia lycopersicella)、ピーチツリーボーラー(Synanthedon exitiosa)、レッサーピーチツリーボーラー(Synanthedon pictipes)、コスカシバ(Synanthedon hector)等のスカシバ類等が挙げられる。
従来の交信撹乱剤の中には、アセテートの性フェロモンの製造上の問題で、アルコールが極微量に含まれることもあるが、それは意図的に加えたものではないので、本発明が制限されるものではない。
本発明の交信撹乱剤は、以下の(3)〜(6)であり、参考例として以下の(1)〜(2)が挙げられる。
(1)交信撹乱剤における全アセテート中、65〜85質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテート、10〜20質量%が(Z)−9−テトラデセニルアセテート、1〜3質量%が10−メチル−ドデシルアセテート、2〜20質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、1〜3質量%が11−ドデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−11−テトラデセノール、1〜8質量%の(Z)−9−テトラデセノール、1.5〜10質量%の10−メチル−ドデカノール、1.5〜10質量%の(Z)−9−ドデセノール、1.0〜10質量%の11−ドデセノールを含む害虫チャハマキ、チャノコカクモンハマキ、ミダレカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、及び/又はリンゴモンハマキに対する交信撹乱剤。
(2)交信撹乱剤における全アセテート中、50〜65質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテート、5〜20質量%が(Z)−9−テトラデセニルアセテート、0.5〜3質量%が10−メチル−ドデシルアセテート、15〜29質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、5〜9質量%が11−ドデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−11−テトラデセノール、1〜8質量%の(Z)−9−テトラデセノール、1.5〜10質量%の10−メチル−ドデカノール、1〜8質量%の(Z)−9−ドデセノール、1.5〜10質量%の11−ドデセノールを含む害虫チャハマキ、チャノコカクモンハマキ、ミダレカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、及び/又はリンゴモンハマキに対する交信撹乱剤。
(3)交信撹乱剤における全アセテート中、80〜99質量%が(Z、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート、1〜20質量%が(Z、E)−9,12−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z、E)−9,11−テトラデカジエノール、1〜10質量%の(Z、E)−9,12−テトラデカジエノールを含む害虫ハスモンヨトウに対する交信撹乱剤。
(4)交信撹乱剤における全アセテート中、90〜99質量%がE−11−テトラデセニルアセテート、1〜10質量%が(E、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜7質量%の(E)−11−テトラデセノール、1.5〜10質量%の(E、E)−9,11−テトラデカジエノールを含む害虫LBAMに対する交信撹乱剤。
(5)交信撹乱剤における全アセテート中、85〜100質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、0〜15質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−9−ドデセノール、1〜10質量%の(Z)−11−テトラデセノールを含む害虫EGBMに対する交信撹乱剤。
(6)(E,Z)−7,9−ドデカジエニルアセテートと、このアセテートに対して0.5〜5質量%の(E,Z)−7,9−ドデカジエノールを含む害虫GVMに対する交信撹乱剤。
セテートの含有率によって由来するアルコールが相当量含まれるのであれば、複数の害虫を対象にした複合剤でも構わない。
交信撹乱剤に含まれるアセテート含有量は、天然性フェロモン組成を基本に決定される。天然性フェロモン組成中、最大含有量のアセテートを一般的に交信撹乱剤中の最大含有量の成分(主要成分)とすることができる。しかし、天然性フェロモン組成中、最大含有量の成分に次ぐ成分であるアセテートの割合が最大含有量の成分の好ましくは20〜80質量%、より好ましくは40〜80質量%の場合、最大含有量の成分に次ぐ成分を交信撹乱剤中の最大含有量の成分(主要成分)として用いてもよい。この場合には、最大含有量のアセテートと第2含有量のアセテートを互いに入れ替えた同一組成の天然性フェロモンが存在するとして交信撹乱剤の組成を構成すればよい。
本発明の交信撹乱剤に含まれる主要成分アセテート含有量は、天然性フェロモン組成中、最大含有量のアセテートを交信撹乱剤中の主要成分とする従来の交信撹乱剤の含有量と同量とすることができる。天然性フェロモンに複数のアセテートが存在する場合、主要成分以外のアセテートは、主要成分に対する質量比を天然性フェロモンの最大含有量のアセテートと対する質量比と好ましくは略同一となるように添加してもよい。本発明の交信撹乱剤は、誘引阻害効果を有するとして従来は実質的に存在しなかったアルコールが存在する以外は、従来の交信撹乱剤と特に異なるものではないからである。
なお、複数の害虫を対象にした交信撹乱剤では、各害虫に共通する成分を主要成分とすることもできる。
本発明の交信撹乱剤は、性フェロモン物質の他に、抗酸化剤、紫外線吸収剤等の安定化剤や着色剤を20質量%以下で含有することもできる。
交信撹乱剤の形状は、アセテートの性フェロモンやそれを加水分解して得られるアルコールを保持するとともに、徐々に放出させるような容器状又は担持体であれば制限はないが、好ましくは、チューブ、カプセル、アンプル又は袋状のものが良い。形状がチューブのものは、性フェロモン等を放出する期間が長く、放出が均一であるため最適である。その内径は0.5〜2.0mm、その肉厚は0.2〜1.0mmの範囲にあると適度な速度での放出が保たれる。
容器の材質としては、ポリオレフィン系重合体が好ましい。これには、ポリエチレンや
ポリプロピレンに例示されるポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体に例示されるエチレンを80質量%以上含む共重合体が挙げられる。これらの材質では、性フェロモン等が透過し、適度な速度でプラスチック膜の外に放出させることができる。また、生分解性のポリエステルや塩化ビニルでも構わない。
上記のような形状を有する容器は、溶液を封入する室が1つに限定されるものではなく、また、2室以上持つ場合にはその内径や肉厚は異なっていても良く、更に、この混合溶液はその中の少なくとも1室以上に封入されていれば良い。
1室以上を有する容器において、各室への交信撹乱剤の収納量は、放出期間、性フェロモン物質の揮発性及び容器の材質との親和性等によって異なるが、好ましくは50〜400mg、より好ましくは150〜300mgである。
ただし、例え上記のような条件を満たしても、取り扱う際に特別な場所が要求される物質や、環境に悪影響を及ぼすような製剤は好ましくない。
以下、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<交信撹乱剤の製造>
所定の内径、肉厚を持つポリエチレンチューブからなる高分子製容器を押出成型して作製した。次に、アセテートの性フェロモン組成物全体に占める含有率に応じてアルコールを調製しながら目的の性フェロモン組成物を作成した。その溶液をポリエチレンチューブの一端から注入し、チューブの両端を高周波加熱しながら加圧して溶融封鎖し、溶融部分を切断して徐放性製剤が試作された。交信撹乱剤は害虫を防除する圃場に、必要量の性フェロモン物質が放出されるように割り振って等間隔に点在して配置した。
<誘引阻害率>
誘引阻害率は、交信撹乱効果の比較的容易な推定方法であり、下記式
誘引阻害率(%)={(無処理区の誘殺虫数−フェロモン処理区の誘殺虫数)/(無処理区の誘殺虫数)}×100
で表されるため、数値が高い程その効果が高いことが多い。
<幼虫数、被害果率、被害房率及び被害株率>
誘引阻害率以外の交信撹乱効果の推定方法であり、対象となる作物体の種類により幼虫数、被害果率及び被害房率等がある。
茶の場合、単位面積当たりの幼虫数(匹/m)で表されるのが一般的である。
果樹の場合には、{(被害果数)/(調査果数)}×100の式で表される被害果率が用いられる。特にブドウでは、{(被害房数)/(調査房数)}×100で表される被害房率が効果の判定基準の一つとなっている。また、{(被害株数)/(調査株数)}×100で表される被害株率も用いられる。
実施例1
LBAMに関して、従来の交信撹乱剤を用いて交信撹乱法を行ったところ1日当たりのフェロモントラップ捕集数は1匹以下のことが多く、その交信撹乱剤に含まれるアルコール(E11−TDOL)が全体の0.2〜0.5質量%であったことからその範囲内のアルコール量で防除効果が高いと言われてきた。しかしながら、アジンホスメチル等の有機リン剤が抵抗性のためか効果が低下し、密度の高い箇所が散見され始めた。そこで、アルコールを増量して高密度地帯と低密度で比較試験を行った。リンゴ圃場に下記の組成の原体200mg、HBMCBT(2-(2'−ヒドロキシ−3'−tertブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を500本/ha、11月16日に設置した。各区にフェロモントラップ2個を設置し、誘引阻害率を測定した。また、収穫時に500個の被害を測定した。
Figure 0005554520
表1において、略号で示されたアセテートとアルコールは、以下の通りである。
E11−TDA:(E)−11−テトラデセニルアセテート
EE9,11−TDDA:(E,E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート
Z11−TDA:(Z)−11−テトラデセニルアセテート
E11−TDOL:(E)−11−テトラデセノール
EE9,11−TDDOL:(E,E)−9,11−テトラデカジエノール
LBAMにとって有効成分であるアセテートの性フェロモンのアルコールは有効成分では無いが、害虫密度が高い場合にはアルコールの含有量が多い交信撹乱剤を用いた方が防除効果はよい。ただし、その原因は明らかではない。天然性フェロモン組成物全体に占める比率が50質量%を超える成分(E11−TDA)に対しては、アセテートに対するアルコールの質量比が0.3%よりも1.6%の方が良く、10質量%未満の成分(E,E−9,11−TDDA)に対しては0.2%以下よりも3.6%の方が良かった。
実施例2
ヨーロッパ、特に北ヨーロッパのブドウの主要害虫はEGBMである。ブドウに実害を与えるのは第2世代からであり、殺虫剤も第2世代から使用されている。よって、交信撹乱剤も第2世代から使用されてきたが、性フェロモンは密度が高いと防除効果が低くなるため、これまでは十分な結果が得られていなかった。そこで、密度の低い第1世代からの使用に変更したところ安定な結果が得られるようになった。しかしながら近年では、地球温暖化に伴い、越冬世代から既に害虫密度が高い地域が見られるようになり、従来、不純物として0.2〜0.5質量%の範囲で存在していたアルコールを0.7〜5質量%に増量した交信撹乱剤を用いて交信撹乱試験を行った。ブドウ圃場に下記の組成の原体200mg、HOBP(2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を500本/ha、3月26日に設置した。各区にフェロモントラップを設置し、誘引阻害率を測定した。また、第2世代の被害房率を6月30日に測定した。
Figure 0005554520
表2において、略号で示されたアセテートとアルコールは、以下の通りである。
Z9−DDA:(Z)−9−ドデセニルアセテート
Z9−DDOL:(Z)−9−ドデセノール
天然性フェロモン組成物全体に占める比率が50質量%を超える主要成分のZ9−DDAに対して、試験区2のようにそのアルコールが0.5%以下である0.1%では誘引阻害率は高いものの防除効果が無い一方、試験区4のように5.0%以上である8.8%では防除効果は得られるものの誘引阻害率は低下してしまう。試験区1や3のようにアセテートに対してアルコールが0.5〜5.0%の範囲内にあれば、誘引阻害率及び防除効果とも良いことが分かる。ただし、範囲内であっても、試験区3のように0.6%と下限値に近い場合には加害房率が若干高くなり、好ましくは1.0〜3.0%のような範囲の中心付近であることが良い。
実施例3
EGBMと並んでヨーロッパのブドウの主要害虫であるGVMについてもEGBMと同様の交信撹乱試験を行った。ブドウ圃場に下記の組成の原体210mg、HBMCBT(2−(2'−ヒドロキシ−3'−tertブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を500本/ha、3月23日に設置した。各区にフェロモントラップを設置し、誘引阻害率を測定した。また、第2世代の被害房率を6月28日に測定した。
Figure 0005554520
表3において、略号で示されたアセテートとアルコールは、以下の通りである。
E7Z9−DDDA:(E,Z)−7,9−ドデカジエニルアセテート
E7Z9−DDDOL:(E,Z)−7,9−ドデカジエノール
天然性フェロモン組成物全体に占める比率が50%を超える主要成分のE7Z9−DDDAに対して、試験区2のようにそのアルコールが0.5%以下である0.2%では誘引阻害率は高いものの防除効果が無く、一方、試験区4のように5.0%以上である9.7%では防除効果は得られるものの誘引阻害率は低下してしまう。試験区1や3のようにアセテートに対してアルコールが0.5〜5.0%の範囲内にあれば、誘引阻害率及び防除効果とも良いことが分かる。ただし範囲内であっても、試験区3のように4.8%と上限値に近い場合には誘引阻害率が若干低くなり、好ましくは0.7〜3.0%のような範囲の中心付近であることが良い。
実施例4
野菜の害虫であるハスモンヨトウについて交信撹乱試験を行った。ネギ圃場に下記の組成の原体160mg、HBMCBT(2−(2'−ヒドロキシ−3'−tertブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を100本/10a、8月20日に設置した。各区にフェロモントラップを設置し、誘引阻害率を測定した。また、被害株率を9月26日に測定した。
Figure 0005554520
表4において、略号で示されたアセテートとアルコールは、以下の通りである。
Z9E11−TDDA:(Z,E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート
Z9E12−TDDA:(Z,E)−9,12−テトラデカジエニルアセテート
Z9E11−TDDOL:(Z,E)−9,11−テトラデカジエノール
Z9E12−TDDOL:(Z,E)−9,12−テトラデカジエノール
天然性フェロモン組成物全体に占める比率が50%を超える主要成分のZ9E11−TDDAに対して、試験区2のようにそのアルコールが0.5%以下である0.4%では誘引阻害率は高いものの防除効果が無い。一方、試験区4のように5.0%以上では防除効果は得られるものの誘引阻害率は低下してしまう。試験区1のようにアセテートに対してアルコールが0.5〜5.0%の範囲内にあれば、誘引阻害率及び防除効果とも良いことが分かる。一方、試験区3では誘引阻害率や被害株数が若干低くなり、好ましくは全ての成分が範囲の中心付近であることが良い。
参考例5
各20aの圃場でアルコールが横の圃場に移動しないように高さ60cmの仕切りを各圃場間に設置し、アルコールの含量を変えたチャハマキを対象にした交信撹乱剤も用いて交信撹乱法試験を行った。各区のアルコール含有量、アセテート含有量は第2表の通りである。各交信撹乱剤とも長さは200mm、材質はポリエチレン製の細管で有効成分を360mg及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)含んでおり、これらを3月26日に10a当たり250本設置した。この際、各区の中心部にフェロモントラップを設置し、第1世代、第2世代の誘引阻害率を測定した。また6月13日に第1世代の、7月26日に第2世代の幼虫数を30cm×30cmの枠を用いて各区20箇所で測定した。
Figure 0005554520
表5において、略号で示されたアセテートとアルコールは、以下の通りである。
Z11−TDA:(Z)−11−テトラデセニルアセテート
Z9−TDA:(Z)−9−テトラデセニルアセテート
10Me−DDA:10−メチル−ドデシルアセテート
Z9−DDA:(Z)−9−ドデセニルアセテート
11−DDA:11−ドデセニルアセテート
Z11−TDOL:(Z)−11−テトラデセノール
Z9−TDOL:(Z)−9−テトラデセノール
10Me−DDOL:10−メチル−ドデカノール
Z9−DDOL:(Z)−9−ドデセノール
11−DDOL:11−ドデセノール
天然性フェロモン組成物全体に占める比率が30〜50質量%未満の範囲内にあるアセテート(Z11−TDA)に対するアルコール(Z11−TDOL)の質量比が0.6%以下の試験区2では、第1世代の防除効果は多少認められるが、その効果が弱かったため第2世代の密度を上昇させてしまったこともあり、第2世代の防除効果は対照の慣行防除区よりも悪い。また、アルコールの質量比が0.7〜1.0%未満の試験区4では、防除効果は認められるものの十分ではない。一方で、アルコールの質量比が7%を越えてしまう試験区3では防除効果は認められるが、誘引阻害率が極端に低下し、交信撹乱法の評価方法として活用することができない欠点となるので好ましくない。
参考例6
各10aの圃場でアルコールが横の圃場に移動しないように高さ60cmの仕切りを各圃場間に設置し、アルコールの含量を変えたチャノコカクモンハマキを対象にした交信撹乱剤も用いて交信撹乱法試験を行った。各区のアルコール含有量、アセテート含有量は表6の通りである。各交信撹乱剤とも長さは200mm、材質はポリエチレン製の細管で有効成分を360mg及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)含んでおり、これらを3月23〜24日に10a当たり250本設置した。この際、各区の中心部にフェロモントラップを設置し、第1世代、第2世代の誘引阻害率を測定した。また、6月12日に第1世代の、7月25日に第2世代の各幼虫数を30cm×30cmの枠を用いて各区40箇所で測定した。なお、対照区は、トラップで捕獲される一晩あたりの害虫数が5〜10匹である害虫密度の高い圃場である。
Figure 0005554520
表6において、略号で示されたアセテートとアルコールは、以下の通りである。
Z11−TDA:(Z)−11−テトラデセニルアセテート
Z9−TDA:(Z)−9−テトラデセニルアセテート
10Me−DDA:10−メチル−ドデシルアセテート
Z9−DDA:(Z)−9−ドデセニルアセテート
11−DDA:11−ドデセニルアセテート
Z11−TDOL:(Z)−11−テトラデセノール
Z9−TDOL:(Z)−9−テトラデセノール
10Me−DDOL:10−メチル−ドデカノール
Z9−DDOL:(Z)−9−ドデセノール
11−DDOL:11−ドデセノール
上述したようにハマキムシ類の抵抗性の発現が見られたため、有効成分としてZ11−TDAだけでなく、Z9−TDAも加えた交信撹乱剤を用いた場合でも防除効果がばらついた原因が、不純物として含有するアルコールの含量にあることが分かったため、実施例1は、交信撹乱剤に含まれるZ9−TDAに対するZ9−TDOLの質量比を0.3、1.0、2.3、4.2及び8.0%と変えて試験した。試験区1〜5において98.2以上の誘引阻害率を示したが、0.3%の場合の試験区1では全く防除効果がなく、8.0%の場合の試験区5では良好な結果を示した。
参考例6は、主成分Z11−TDAに対するZ11−テトラデセノール(以下、「Z11−TDOL」とも略す。)の添加効果についても検討した。その結果、1.8%の場合の試験区7では誘引阻害率が高く、十分な防除効果を発揮した。一方、0.4%の場合の試験区6では誘引阻害率は高いが防除効果が劣り、一定量以上のアルコールの添加が好ましいことが分かった。逆に、8.1%の試験区8のように多量のZ11−TDOLを含んだZ11−TDAを用いると誘引阻害率が顕著に低下するが、防除効果は高いことが分かった。
以上のことから、これまで、害虫密度が高いときには誘引阻害率が高くても防除効果は必ずしも良くないと言われてきたが、有効成分であるアセテートにアルコールがある範囲で存在するときには、逆に誘引阻害率がやや低下するものの、意外にも防除効果が高いことが判明した。
天然性フェロモン組成物全体に対するアルコールの含有量が1質量%以下で、しかも、そのアセテートに対しても0.5質量%以下しか添加されていない試験区1(Z9−TDAに対するZ9−TDOLが0.3質量%)や試験区6(Z11−TDAに対するZ11−TDOLが0.4質量%)では、防除効果が低かった。しかしながら、試験区3のようにZ9−TDOLの天然性フェロモン組成物全体に対する含有量が0.42質量%と1質量%を割っていてもZ9−TDAに対する比率が2.3%とやや高い場合には期待できる。

Claims (5)

  1. 交信撹乱剤における全アセテート中、80〜99質量%が(Z、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート、1〜20質量%が(Z、E)−9,12−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z、E)−9,11−テトラデカジエノール、1〜10質量%の(Z、E)−9,12−テトラデカジエノールを含む害虫ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)に対する交信撹乱剤。
  2. 交信撹乱剤における全アセテート中、90〜99質量%がE−11−テトラデセニルアセテート、1〜10質量%が(E、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜7質量%の(E)−11−テトラデセノール、1.5〜10質量%の(E、E)−9,11−テトラデカジエノールを含む害虫LBAM(Light Brown Apple Moth、Epiphyas postvittana)に対する交信撹乱剤。
  3. 交信撹乱剤における全アセテート中、85〜100質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、0〜15質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−9−ドデセノール、1〜10質量%の(Z)−11−テトラデセノールを含む害虫EGBM(European Grape Berry Moth、Eupoecilia ambiguella)に対する交信撹乱剤
  4. (E,Z)−7,9−ドデカジエニルアセテートと、このアセテートに対して0.5〜5質量%の(E,Z)−7,9−ドデカジエノールを含む害虫GVM(Grapevine Moth、Lobesia botrana)に対する交信撹乱剤。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の交信撹乱剤を用いた交信撹乱方法。
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