JP5554520B2 - アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 - Google Patents
アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5554520B2 JP5554520B2 JP2009171064A JP2009171064A JP5554520B2 JP 5554520 B2 JP5554520 B2 JP 5554520B2 JP 2009171064 A JP2009171064 A JP 2009171064A JP 2009171064 A JP2009171064 A JP 2009171064A JP 5554520 B2 JP5554520 B2 JP 5554520B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acetate
- mass
- communication
- alcohol
- pest
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N31/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic oxygen or sulfur compounds
- A01N31/02—Acyclic compounds
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Agronomy & Crop Science (AREA)
- Pest Control & Pesticides (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Dentistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Environmental Sciences (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Catching Or Destruction (AREA)
Description
このアセテート型のフェロモン成分をもった害虫の天然性フェロモン組成中には、アルコール体を全く含まない場合もあれば、極微量に含まれる場合や数パーセント以上含まれる場合がある。チャハマキ、チャノコカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、ハスモンヨトウ、Light brown Apple Moth(以下、LBAM)及びGrapevine Moth(以下、GVM)等では有効成分であるアセテート体の加水分解により生じるアルコール体は誘引阻害効果があるため、ルアーとしてフェロモントラップに使用するときも、交信撹乱剤として交信撹乱法に使用するときもできる限りアルコール体含量の少ない高純度品が使用されてきた。工業的には完全にアルコール体を除去する作業は困難を極めるため、実際には、アセテート体に対して不純物としてアルコール体が0.1〜0.5質量%含有されてきた。
本発明は、具体的には、天然性フェロモンとしてアルコールを実質的に含まないが、1種類以上のアセテートを含む害虫を対象とする交信撹乱剤であって、前記1種類以上のアセテートと、前記アセテートの各々に由来するアルコールとを少なくとも含んでなり、前記各アルコールが、前記各アセテートに対して0.5〜10質量%含まれる交信撹乱剤及びその交信撹乱方法を提供する。ここで、アセテートに由来するアルコールは、アセテートを加水分解した場合にて得られるアルコールであり、酸とアルコールから構成されるエステルのアルコールの意味である。
また、交信撹乱剤を用いて交信撹乱法を行った際に誘引阻害率が異常な値を示した場合、アセテート型性フェロモン中のアルコール体の含有量を指定の範囲内にしておくことで、それがアルコール体による誘引阻害効果以外の原因、例えば製剤の地上への落下、施用量の不足等によるものであることを疑うことができ、いち早く対処することができる。
具体的には、アセテートが、天然性フェロモン組成の50〜100質量%を構成する場合、対応アルコールが、アセテートに対して0.5〜5質量%、好ましくは0.8〜3.0質量%である交信撹乱剤であり、アセテートが、天然性フェロモン組成の30質量%以上で50質量%未満を構成する場合、対応アルコールが、アセテートに対して0.7〜7質量%、好ましくは1.0〜4.0%である交信撹乱剤であり、アセテートが、天然性フェロモン組成の10質量%以上で30質量%未満を構成する場合、対応アルコールが、アセテートに対して1.0〜8質量%、好ましくは1.2〜5.0質量%である交信撹乱剤であり、アセテートが、天然性フェロモン組成の10質量%未満である場合、対応アルコールが、アセテートに対して1.5〜10質量%、好ましくは1.5〜6.0質量%である交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法に関する。
また、アルコールが誘引活性のない成分として含まれる場合とは、例えば、虫の体内においてアセテートの性フェロモンが生合成される際、その前駆体がアルコールであるためアセテートになり得なかったアルコールが残るような場合及び加水分解によってアルコール体を含む等である。含まれるアルコールが誘引活性のない成分であるか否かを調べる方法は、例えば、触覚電位測定法(EAG法)等による。この測定法は、雄の触覚を切り取り、それに微小な電極を差し込んで、特定の成分を含んだ空気に触れさせることで、誘引活性のある成分では微弱な触覚電位が発生し、それを増幅して感知する仕組みのものである。
なお、ここでいう誘引活性成分とは、害虫の雌が雄を引きつけるための有効成分で、通常、天然性フェロモン成分に含まれる成分のいくつか又は全部をいう。
更に、その性フェロモン組成物には上記アセテートの性フェロモン以外の性フェロモンが含まれていても構わない。
天然性フェロモン組成物全体に占めるアセテートが50〜100質量%の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して0.5〜5.0質量%、好ましくは0.8〜3.0質量%含んでいる交信撹乱剤を用いて交信撹乱法を行うと誘引阻害率は良好か、若干低下する場合もあるが、防除効果は良好な結果が得られる。天然性フェロモン組成物全体に占めるアセテートが30質量%以上で50質量%未満の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して0.7〜7.0質量%、好ましくは1.0〜4.0質量%含んでいる交信撹乱剤、10質量%以上で30質量%未満の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して1.0〜8.0質量%、好ましくは1.2〜5.0質量%含んでいる交信撹乱剤、10質量%未満の場合は、その対応アルコールをアセテートに対して1.5〜10.0質量%、好ましくは1.5〜6.0質量%含んでいる交信撹乱剤を用いると効果が確認できる。特に、天然性フェロモン組成物全体に占めるアセテートが50質量%未満の場合(マイナー成分)は、対応するアルコールを1〜10質量%が好ましい。
アセテートの性フェロモンの含有率によってアルコールの添加範囲が異なるのは、交信撹乱剤からのアルコールの放出量によるものと考えられるが、詳しいことは分かっていない。また、それぞれの場合において、上限値以上では経済性及びアルコールによる誘引阻害効果が発現されるため望ましくなく、一方で、下限値以下では原因は不明であるがアルコールが防除効果へ及ぼす影響が少なくなる、又は無くなるため適当ではない。
従来の交信撹乱剤の中には、アセテートの性フェロモンの製造上の問題で、アルコールが極微量に含まれることもあるが、それは意図的に加えたものではないので、本発明が制限されるものではない。
(1)交信撹乱剤における全アセテート中、65〜85質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテート、10〜20質量%が(Z)−9−テトラデセニルアセテート、1〜3質量%が10−メチル−ドデシルアセテート、2〜20質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、1〜3質量%が11−ドデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−11−テトラデセノール、1〜8質量%の(Z)−9−テトラデセノール、1.5〜10質量%の10−メチル−ドデカノール、1.5〜10質量%の(Z)−9−ドデセノール、1.0〜10質量%の11−ドデセノールを含む害虫チャハマキ、チャノコカクモンハマキ、ミダレカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、及び/又はリンゴモンハマキに対する交信撹乱剤。
(2)交信撹乱剤における全アセテート中、50〜65質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテート、5〜20質量%が(Z)−9−テトラデセニルアセテート、0.5〜3質量%が10−メチル−ドデシルアセテート、15〜29質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、5〜9質量%が11−ドデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−11−テトラデセノール、1〜8質量%の(Z)−9−テトラデセノール、1.5〜10質量%の10−メチル−ドデカノール、1〜8質量%の(Z)−9−ドデセノール、1.5〜10質量%の11−ドデセノールを含む害虫チャハマキ、チャノコカクモンハマキ、ミダレカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、及び/又はリンゴモンハマキに対する交信撹乱剤。
(3)交信撹乱剤における全アセテート中、80〜99質量%が(Z、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート、1〜20質量%が(Z、E)−9,12−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z、E)−9,11−テトラデカジエノール、1〜10質量%の(Z、E)−9,12−テトラデカジエノールを含む害虫ハスモンヨトウに対する交信撹乱剤。
(4)交信撹乱剤における全アセテート中、90〜99質量%がE−11−テトラデセニルアセテート、1〜10質量%が(E、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜7質量%の(E)−11−テトラデセノール、1.5〜10質量%の(E、E)−9,11−テトラデカジエノールを含む害虫LBAMに対する交信撹乱剤。
(5)交信撹乱剤における全アセテート中、85〜100質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、0〜15質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−9−ドデセノール、1〜10質量%の(Z)−11−テトラデセノールを含む害虫EGBMに対する交信撹乱剤。
(6)(E,Z)−7,9−ドデカジエニルアセテートと、このアセテートに対して0.5〜5質量%の(E,Z)−7,9−ドデカジエノールを含む害虫GVMに対する交信撹乱剤。
アセテートの含有率によって由来するアルコールが相当量含まれるのであれば、複数の害虫を対象にした複合剤でも構わない。
本発明の交信撹乱剤に含まれる主要成分アセテート含有量は、天然性フェロモン組成中、最大含有量のアセテートを交信撹乱剤中の主要成分とする従来の交信撹乱剤の含有量と同量とすることができる。天然性フェロモンに複数のアセテートが存在する場合、主要成分以外のアセテートは、主要成分に対する質量比を天然性フェロモンの最大含有量のアセテートと対する質量比と好ましくは略同一となるように添加してもよい。本発明の交信撹乱剤は、誘引阻害効果を有するとして従来は実質的に存在しなかったアルコールが存在する以外は、従来の交信撹乱剤と特に異なるものではないからである。
なお、複数の害虫を対象にした交信撹乱剤では、各害虫に共通する成分を主要成分とすることもできる。
ポリプロピレンに例示されるポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体に例示されるエチレンを80質量%以上含む共重合体が挙げられる。これらの材質では、性フェロモン等が透過し、適度な速度でプラスチック膜の外に放出させることができる。また、生分解性のポリエステルや塩化ビニルでも構わない。
1室以上を有する容器において、各室への交信撹乱剤の収納量は、放出期間、性フェロモン物質の揮発性及び容器の材質との親和性等によって異なるが、好ましくは50〜400mg、より好ましくは150〜300mgである。
ただし、例え上記のような条件を満たしても、取り扱う際に特別な場所が要求される物質や、環境に悪影響を及ぼすような製剤は好ましくない。
<交信撹乱剤の製造>
所定の内径、肉厚を持つポリエチレンチューブからなる高分子製容器を押出成型して作製した。次に、アセテートの性フェロモン組成物全体に占める含有率に応じてアルコールを調製しながら目的の性フェロモン組成物を作成した。その溶液をポリエチレンチューブの一端から注入し、チューブの両端を高周波加熱しながら加圧して溶融封鎖し、溶融部分を切断して徐放性製剤が試作された。交信撹乱剤は害虫を防除する圃場に、必要量の性フェロモン物質が放出されるように割り振って等間隔に点在して配置した。
誘引阻害率は、交信撹乱効果の比較的容易な推定方法であり、下記式
誘引阻害率(%)={(無処理区の誘殺虫数−フェロモン処理区の誘殺虫数)/(無処理区の誘殺虫数)}×100
で表されるため、数値が高い程その効果が高いことが多い。
誘引阻害率以外の交信撹乱効果の推定方法であり、対象となる作物体の種類により幼虫数、被害果率及び被害房率等がある。
茶の場合、単位面積当たりの幼虫数(匹/m2)で表されるのが一般的である。
果樹の場合には、{(被害果数)/(調査果数)}×100の式で表される被害果率が用いられる。特にブドウでは、{(被害房数)/(調査房数)}×100で表される被害房率が効果の判定基準の一つとなっている。また、{(被害株数)/(調査株数)}×100で表される被害株率も用いられる。
LBAMに関して、従来の交信撹乱剤を用いて交信撹乱法を行ったところ1日当たりのフェロモントラップ捕集数は1匹以下のことが多く、その交信撹乱剤に含まれるアルコール(E11−TDOL)が全体の0.2〜0.5質量%であったことからその範囲内のアルコール量で防除効果が高いと言われてきた。しかしながら、アジンホスメチル等の有機リン剤が抵抗性のためか効果が低下し、密度の高い箇所が散見され始めた。そこで、アルコールを増量して高密度地帯と低密度で比較試験を行った。リンゴ圃場に下記の組成の原体200mg、HBMCBT(2-(2'−ヒドロキシ−3'−tertブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を500本/ha、11月16日に設置した。各区にフェロモントラップ2個を設置し、誘引阻害率を測定した。また、収穫時に500個の被害を測定した。
E11−TDA:(E)−11−テトラデセニルアセテート
EE9,11−TDDA:(E,E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート
Z11−TDA:(Z)−11−テトラデセニルアセテート
E11−TDOL:(E)−11−テトラデセノール
EE9,11−TDDOL:(E,E)−9,11−テトラデカジエノール
ヨーロッパ、特に北ヨーロッパのブドウの主要害虫はEGBMである。ブドウに実害を与えるのは第2世代からであり、殺虫剤も第2世代から使用されている。よって、交信撹乱剤も第2世代から使用されてきたが、性フェロモンは密度が高いと防除効果が低くなるため、これまでは十分な結果が得られていなかった。そこで、密度の低い第1世代からの使用に変更したところ安定な結果が得られるようになった。しかしながら近年では、地球温暖化に伴い、越冬世代から既に害虫密度が高い地域が見られるようになり、従来、不純物として0.2〜0.5質量%の範囲で存在していたアルコールを0.7〜5質量%に増量した交信撹乱剤を用いて交信撹乱試験を行った。ブドウ圃場に下記の組成の原体200mg、HOBP(2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を500本/ha、3月26日に設置した。各区にフェロモントラップを設置し、誘引阻害率を測定した。また、第2世代の被害房率を6月30日に測定した。
Z9−DDA:(Z)−9−ドデセニルアセテート
Z9−DDOL:(Z)−9−ドデセノール
EGBMと並んでヨーロッパのブドウの主要害虫であるGVMについてもEGBMと同様の交信撹乱試験を行った。ブドウ圃場に下記の組成の原体210mg、HBMCBT(2−(2'−ヒドロキシ−3'−tertブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を500本/ha、3月23日に設置した。各区にフェロモントラップを設置し、誘引阻害率を測定した。また、第2世代の被害房率を6月28日に測定した。
E7Z9−DDDA:(E,Z)−7,9−ドデカジエニルアセテート
E7Z9−DDDOL:(E,Z)−7,9−ドデカジエノール
野菜の害虫であるハスモンヨトウについて交信撹乱試験を行った。ネギ圃場に下記の組成の原体160mg、HBMCBT(2−(2'−ヒドロキシ−3'−tertブチル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)を含む200mmの製剤を100本/10a、8月20日に設置した。各区にフェロモントラップを設置し、誘引阻害率を測定した。また、被害株率を9月26日に測定した。
Z9E11−TDDA:(Z,E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート
Z9E12−TDDA:(Z,E)−9,12−テトラデカジエニルアセテート
Z9E11−TDDOL:(Z,E)−9,11−テトラデカジエノール
Z9E12−TDDOL:(Z,E)−9,12−テトラデカジエノール
各20aの圃場でアルコールが横の圃場に移動しないように高さ60cmの仕切りを各圃場間に設置し、アルコールの含量を変えたチャハマキを対象にした交信撹乱剤も用いて交信撹乱法試験を行った。各区のアルコール含有量、アセテート含有量は第2表の通りである。各交信撹乱剤とも長さは200mm、材質はポリエチレン製の細管で有効成分を360mg及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)含んでおり、これらを3月26日に10a当たり250本設置した。この際、各区の中心部にフェロモントラップを設置し、第1世代、第2世代の誘引阻害率を測定した。また6月13日に第1世代の、7月26日に第2世代の幼虫数を30cm×30cmの枠を用いて各区20箇所で測定した。
Z11−TDA:(Z)−11−テトラデセニルアセテート
Z9−TDA:(Z)−9−テトラデセニルアセテート
10Me−DDA:10−メチル−ドデシルアセテート
Z9−DDA:(Z)−9−ドデセニルアセテート
11−DDA:11−ドデセニルアセテート
Z11−TDOL:(Z)−11−テトラデセノール
Z9−TDOL:(Z)−9−テトラデセノール
10Me−DDOL:10−メチル−ドデカノール
Z9−DDOL:(Z)−9−ドデセノール
11−DDOL:11−ドデセノール
各10aの圃場でアルコールが横の圃場に移動しないように高さ60cmの仕切りを各圃場間に設置し、アルコールの含量を変えたチャノコカクモンハマキを対象にした交信撹乱剤も用いて交信撹乱法試験を行った。各区のアルコール含有量、アセテート含有量は表6の通りである。各交信撹乱剤とも長さは200mm、材質はポリエチレン製の細管で有効成分を360mg及びBHT(2,6−ジtertブチル−4−メチルフェノール)含んでおり、これらを3月23〜24日に10a当たり250本設置した。この際、各区の中心部にフェロモントラップを設置し、第1世代、第2世代の誘引阻害率を測定した。また、6月12日に第1世代の、7月25日に第2世代の各幼虫数を30cm×30cmの枠を用いて各区40箇所で測定した。なお、対照区は、トラップで捕獲される一晩あたりの害虫数が5〜10匹である害虫密度の高い圃場である。
Z11−TDA:(Z)−11−テトラデセニルアセテート
Z9−TDA:(Z)−9−テトラデセニルアセテート
10Me−DDA:10−メチル−ドデシルアセテート
Z9−DDA:(Z)−9−ドデセニルアセテート
11−DDA:11−ドデセニルアセテート
Z11−TDOL:(Z)−11−テトラデセノール
Z9−TDOL:(Z)−9−テトラデセノール
10Me−DDOL:10−メチル−ドデカノール
Z9−DDOL:(Z)−9−ドデセノール
11−DDOL:11−ドデセノール
以上のことから、これまで、害虫密度が高いときには誘引阻害率が高くても防除効果は必ずしも良くないと言われてきたが、有効成分であるアセテートにアルコールがある範囲で存在するときには、逆に誘引阻害率がやや低下するものの、意外にも防除効果が高いことが判明した。
Claims (5)
- 交信撹乱剤における全アセテート中、80〜99質量%が(Z、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテート、1〜20質量%が(Z、E)−9,12−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z、E)−9,11−テトラデカジエノール、1〜10質量%の(Z、E)−9,12−テトラデカジエノールを含む害虫ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)に対する交信撹乱剤。
- 交信撹乱剤における全アセテート中、90〜99質量%がE−11−テトラデセニルアセテート、1〜10質量%が(E、E)−9,11−テトラデカジエニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜7質量%の(E)−11−テトラデセノール、1.5〜10質量%の(E、E)−9,11−テトラデカジエノールを含む害虫LBAM(Light Brown Apple Moth、Epiphyas postvittana)に対する交信撹乱剤。
- 交信撹乱剤における全アセテート中、85〜100質量%が(Z)−9−ドデセニルアセテート、0〜15質量%が(Z)−11−テトラデセニルアセテートであって、由来する各アセテートに対してそれぞれ0.5〜5質量%の(Z)−9−ドデセノール、1〜10質量%の(Z)−11−テトラデセノールを含む害虫EGBM(European Grape Berry Moth、Eupoecilia ambiguella)に対する交信撹乱剤
- (E,Z)−7,9−ドデカジエニルアセテートと、このアセテートに対して0.5〜5質量%の(E,Z)−7,9−ドデカジエノールを含む害虫GVM(Grapevine Moth、Lobesia botrana)に対する交信撹乱剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の交信撹乱剤を用いた交信撹乱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009171064A JP5554520B2 (ja) | 2008-07-24 | 2009-07-22 | アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008190700 | 2008-07-24 | ||
JP2008190700 | 2008-07-24 | ||
JP2009171064A JP5554520B2 (ja) | 2008-07-24 | 2009-07-22 | アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010047564A JP2010047564A (ja) | 2010-03-04 |
JP5554520B2 true JP5554520B2 (ja) | 2014-07-23 |
Family
ID=41568837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009171064A Active JP5554520B2 (ja) | 2008-07-24 | 2009-07-22 | アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20100021417A1 (ja) |
EP (4) | EP2191717B1 (ja) |
JP (1) | JP5554520B2 (ja) |
ES (4) | ES2647493T3 (ja) |
PT (4) | PT2932845T (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5393579B2 (ja) * | 2010-04-20 | 2014-01-22 | 信越化学工業株式会社 | 性フェロモン誘導体を用いた徐放性フェロモン製剤及びそれを用いた害虫の防除方法 |
AU2011345452B2 (en) * | 2010-12-21 | 2015-07-30 | The New Zealand Institute For Plant And Food Research Limited | Pheromone composition |
PT2532231T (pt) * | 2011-06-09 | 2019-11-15 | Shinetsu Chemical Co | Método de interrupção de acasalamento com utilização de produto de interrupção de acasalamento que contém acetato |
US20180271088A1 (en) | 2017-03-24 | 2018-09-27 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Sustained release pheromone preparation |
JP6823544B2 (ja) | 2017-05-31 | 2021-02-03 | 信越化学工業株式会社 | チェスナットトートリクス防除用徐放性製剤及びこれを用いた防除方法 |
CN107467021B (zh) * | 2017-07-12 | 2020-06-09 | 中国农业科学院植物保护研究所 | 一种用于防治旋幽夜蛾的诱剂组合物 |
JP7145728B2 (ja) * | 2018-10-25 | 2022-10-03 | 信越化学工業株式会社 | ハスモンヨトウの防除方法 |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4575458A (en) * | 1982-09-29 | 1986-03-11 | Canadian Patents And Development Limited | Multicomponent attractant for armyworm moths |
CH669712A5 (ja) * | 1985-05-08 | 1989-04-14 | Basf Ag | |
JPS62212305A (ja) * | 1986-03-13 | 1987-09-18 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 性フエロモン組成物 |
JPS6324630A (ja) | 1986-07-17 | 1988-02-02 | Mitsubishi Electric Corp | ワイヤボンデイング装置 |
JPH0637363B2 (ja) * | 1987-03-31 | 1994-05-18 | 信越化学工業株式会社 | 交信撹乱による害虫防除方法 |
JPH0637363A (ja) * | 1992-05-20 | 1994-02-10 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 炭素クラスタ超電導膜を用いた素子およびその製造方法 |
JPH0665007A (ja) * | 1992-08-19 | 1994-03-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 交信攪乱によるワタアカミムシの防除方法 |
JP3793356B2 (ja) * | 1997-09-05 | 2006-07-05 | 信越化学工業株式会社 | 交信撹乱剤及び交信撹乱方法 |
JP4235473B2 (ja) * | 2003-03-14 | 2009-03-11 | 信越化学工業株式会社 | 交信撹乱剤及び交信撹乱方法 |
JP5128043B2 (ja) * | 2003-03-17 | 2013-01-23 | 信越化学工業株式会社 | 複数の性フェロモン物質を含む徐放性製剤及び防除方法 |
JP4546195B2 (ja) * | 2004-09-15 | 2010-09-15 | 信越化学工業株式会社 | 複数の性フェロモン物質を含む徐放性製剤及び防除方法 |
JP4530804B2 (ja) * | 2004-10-29 | 2010-08-25 | 信越化学工業株式会社 | 徐放性フェロモン製剤 |
WO2007053926A1 (en) * | 2005-11-09 | 2007-05-18 | Melanie Hart | Pheromonal and sonic signals for monitoring and control of peach twig borers |
SE530575C2 (sv) * | 2006-11-20 | 2008-07-08 | Forskarpatent I Syd Ab | Feromonblandning från korngallmygga |
-
2009
- 2009-07-22 US US12/507,498 patent/US20100021417A1/en not_active Abandoned
- 2009-07-22 JP JP2009171064A patent/JP5554520B2/ja active Active
- 2009-07-24 PT PT151596541T patent/PT2932845T/pt unknown
- 2009-07-24 ES ES15159659.0T patent/ES2647493T3/es active Active
- 2009-07-24 EP EP09009617.3A patent/EP2191717B1/en active Active
- 2009-07-24 EP EP15159659.0A patent/EP2932847B1/en active Active
- 2009-07-24 ES ES15159657.4T patent/ES2647589T3/es active Active
- 2009-07-24 ES ES09009617.3T patent/ES2576727T3/es active Active
- 2009-07-24 PT PT90096173T patent/PT2191717T/pt unknown
- 2009-07-24 PT PT151596590T patent/PT2932847T/pt unknown
- 2009-07-24 PT PT151596574T patent/PT2932846T/pt unknown
- 2009-07-24 EP EP15159657.4A patent/EP2932846B1/en not_active Not-in-force
- 2009-07-24 ES ES15159654.1T patent/ES2645865T3/es active Active
- 2009-07-24 EP EP15159654.1A patent/EP2932845B1/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2932847A1 (en) | 2015-10-21 |
PT2932846T (pt) | 2017-12-20 |
EP2932845A1 (en) | 2015-10-21 |
US20100021417A1 (en) | 2010-01-28 |
ES2647589T3 (es) | 2017-12-22 |
PT2191717T (pt) | 2016-07-20 |
ES2576727T3 (es) | 2016-07-11 |
EP2932847B1 (en) | 2017-09-27 |
ES2647493T3 (es) | 2017-12-21 |
EP2932845B1 (en) | 2017-09-27 |
EP2191717A3 (en) | 2013-05-01 |
JP2010047564A (ja) | 2010-03-04 |
EP2932846A1 (en) | 2015-10-21 |
EP2191717A2 (en) | 2010-06-02 |
PT2932845T (pt) | 2017-11-17 |
ES2645865T3 (es) | 2017-12-11 |
PT2932847T (pt) | 2017-12-12 |
EP2932846B1 (en) | 2017-09-27 |
EP2191717B1 (en) | 2016-05-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5554520B2 (ja) | アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法 | |
EP2532231B1 (en) | Mating Disruption method using acetate-containing mating disruptant | |
US10278391B2 (en) | Antimicrobial compositions and related methods of use | |
EP2488037B1 (en) | Insect attractant compositions | |
Zhu et al. | Novel use of aliphatic n‐methyl ketones as a fumigant and alternative to methyl bromide for insect control | |
Yang et al. | Control of the oriental fruit moth, Grapholita molesta (Busck)(Lepidoptera: Tortricidae) by mating disruption with sex pheromone in pear orchards | |
Das et al. | Electroantennogram responses of the potato tuber moth, Phthorimaea operculella (Lepidoptera; Gelichiidae) to plant volatiles | |
ES2673576T3 (es) | Limoneno. Formulación y uso como insecticida | |
Lo et al. | Prospects for the control of apple leaf midge Dasineura mali (Diptera: Cecidomyiidae) by mass trapping with pheromone lures | |
Allache et al. | Population changes of Tuta absoluta (Mey.)(Lepidoptera, Gelichiidae): a new introduced tomato crop pest at Biskra in Algeria | |
Maxwell et al. | Suppression of Plutella xylostella and Trichoplusia ni in cole crops with attracticide formulations | |
EP0333747A4 (en) | Improved pheromone formulation | |
EP2465349A2 (en) | Method for disrupting mating of Tuta absoluta | |
Yathom | Phenology of the potato tuber moth (Phthorimaea operculella), a pest of potatoes and of processing tomatoes in Israel | |
JP4657981B2 (ja) | 徐放性フェロモン製剤 | |
JP7285339B2 (ja) | ワタアカミムシ及びオオタバコガ類の同時防除方法 | |
JPH11279011A (ja) | 徐放性フェロモン製剤 | |
US6589521B1 (en) | Sex attractant and mating disruptant for the omniverous leafroller and orange tortrix moth | |
CN117693291A (zh) | 植物保护剂的液体前体脂质体组合物及其制备方法 | |
WO2010134460A1 (ja) | グレープバインモス及びヨーロピアングレープベリーモスの交信撹乱方法 | |
Fatu et al. | LABORATORY STUDY OF BIOLOGICAL INTERRACTION BETWEEN ENTOMOPATHOGENIC FUNGI BEAUVERIA BASSIANA (BALS.) VUILL. AND SOME PESTICIDES USED IN INTEGRATED PLANT PROTECTION SYSTEMS | |
Anfora et al. | Control of Cydia pomonella L. and Cydia molesta (Busck)(Lepidoptera: Tortricidae) in pome-fruit orchards with ecodian sex pheromone dispensers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110624 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130718 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130917 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140430 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140529 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5554520 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |