JP5554209B2 - 放射線検出器および放射線画像撮影装置 - Google Patents

放射線検出器および放射線画像撮影装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射線検出器および放射線画像撮影装置に係り、特に、撮影対象部位を透過した放射線を検出する放射線検出器および当該放射線検出器を用いて放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置に関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、照射されたX線やγ線、α線等の放射線を検出し、照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ直接変換して出力するFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等のパネル型の放射線検出器と、画像メモリを含む電子回路及び電源部を内蔵し、放射線検出器から出力される放射線画像データを画像メモリに記憶する可搬型の放射線画像撮影装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)も実用化されている。なお、上記の放射線感応層としては、例えば照射された放射線をCsI:Tl、GOS(GdS:Tb)等のシンチレータ(蛍光体層)で光に一旦変換し、シンチレータから放出された光をPD(Photo Diode)等からなる光検出基板によって電荷へ再変換して蓄積する構成(間接変換方式)が知られている。電子カセッテは可搬性に優れているので、ストレッチャーやベッドに載せたまま被検者を撮影できると共に、電子カセッテの位置を変更することで撮影部位の調整も容易であるため、動けない被検者を撮影する場合にも柔軟に対処することができる。
上記放射線検出器に関する技術として、特許文献1には、CsIからなる単結晶蛍光体と、前記単結晶蛍光体で発生した光を反射するための金属膜を有するウエハーシートとを、前記ウエハーシートに塗布された熱可塑性接着剤で貼り合わせ、前記単結晶蛍光体が貼り合わせられた前記ウエハーシートの面の反対側の面に第1の基板を装着させる第1の貼り合わせ工程と、前記第1の貼り合わせ工程の後に前記単結晶蛍光体を研磨して平坦化する工程と、平坦化した後に前記単結晶蛍光体をカットする工程と、前記単結晶蛍光体が発する光を電気に変換する画像読取装置を形成した第2の基板上に前記第1の基板上の単結晶蛍光体の平坦化した面を熱硬化性接着剤を用いた材料により貼り合わせる第2の貼り合わせ工程と、前記第2の貼り合わせ工程の後、前記第1の基板を取り去る工程と、前記第1の基板を取り去る工程の後に前記単結晶蛍光体の周囲を封止剤で封止する工程と、を有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、アモルファスカーボンにより形成されている基板と、前記基板の放射線入射面と反対の表面上に堆積された柱状結晶からなるシンチレータと、前記シンチレータを被覆し、前記シンチレータから出力される光画像を透過すると共に、前記基板の表面全体を被覆している保護膜とを備えることを特徴とするシンチレータパネルが開示されている。
さらに、特許文献3には、一対の光電変換素子とスイッチ素子とが複数配置されたセンサ基板上に、入射した放射線を該光電変換素子が検知可能な光に変換するシンチレータ層を設けてなる放射線検出装置において、前記シンチレータ層と接する面が平坦面である平坦化層を、前記センサ基板と前記シンチレータ層との間に設けたことを特徴とする放射線検出装置が開示されている。
特許第4444380号公報 特許第3566926号公報 特開2000−131444号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、シンチレータの支持体としてAl基板等の金属板を用いるため、シンチレータと光検出基板とを貼り合わせることにより構成された放射線検出器の上記金属板と光検出基板との熱膨張係数の差によって放射線検出器に反りが生じる結果、シンチレータと光検出基板とが剥離しやすくなってしまう、という問題点があった。
特に、一例として図15に示すように、シンチレータと光検出基板とを粘着層によって貼り合わせる場合で、かつ粘着層の端部がシンチレータの光検出基板と貼り合わされる面の端部と一致している場合、この一致点に放射線検出器の反りに起因する応力が集中するため、シンチレータと光検出基板とが著しく剥離しやすい。
これに対し、上記特許文献2に開示されている技術では、シンチレータの支持体としてアモルファスカーボンによる基板を用いているため、当該支持体として金属板を用いる場合に比較して上記反りの発生を抑制することができるが、アモルファスカーボンによる基板は金属板より非常に高価である、という問題点や、支持体としての剛性が非常に高いため、光検出基板との間に空隙を生じさせずに貼り合わせることが難しい、という問題点があった。
さらに、上記特許文献3に開示されている技術では、光検出基板上にシンチレータを直接成膜する直接蒸着方式を用いているため、放射線検出器に生じる上記熱膨張係数の差に起因する反りについては無視することができるものの、シンチレータの蒸着初期における層が十分に結晶化されず、当該層が光検出基板に近接して位置されてしまう結果、上記特許文献1に開示されているようなシンチレータと光検出基板とを貼り合わせる方式に比較して、撮影によって得られる放射線画像の品質が劣る、という問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、撮影によって得られる放射線画像の品質の劣化を招くことなく、容易かつ低コストでシンチレータと光検出基板との剥離を防止することのできる放射線検出器および放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線検出器は、保護膜により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータと、前記シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板と、前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされ、前記シンチレータの前記保護膜が設けられた面と前記光検出基板とを貼り合わせる粘着層と、を備え、前記粘着層は、前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面との密着力が前記保護膜との密着力より小さく、かつ前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面から連続的に当該面における前記シンチレータと貼り合わされる領域より外側の少なくとも一部に貼り付けられる
請求項1記載の放射線検出器によれば、保護膜により覆われた板状のシンチレータにより、照射された放射線が光に変換され、板状の光検出基板により、前記シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光が検出される。
ここで、本発明では、前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされた粘着層により、前記シンチレータの前記保護膜が設けられた面と前記光検出基板とが貼り合わされる。
すなわち、本発明では、粘着層の面積を、シンチレータの光検出基板と貼り合わされる面より広いものとしており、これによって、放射線検出器の反りに起因して応力が集中する位置と粘着層の端部の位置とをずらすことができる結果、シンチレータと光検出基板との剥離を防止することができるようにしている。
また、本発明では、シンチレータの支持体として金属板を用いることができるため、当該支持体としてアモルファスカーボンによる基板を用いる技術のように、コストの上昇や、貼り合わせの困難性を招くこともない。
さらに、本発明では、粘着層によってシンチレータと光検出基板とを貼り合わせているので、前述した直接蒸着方式により形成された放射線検出器に比較して、撮影によって得られる放射線画像の品質が高い。
このように、請求項1に記載の放射線検出器によれば、保護膜により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータと、シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板とを、シンチレータの光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされた粘着層によって貼り合わせているので、撮影によって得られる放射線画像の品質の劣化を招くことなく、容易かつ低コストでシンチレータと光検出基板との剥離を防止することができる。
また、請求項1に記載の放射線検出器では、前記粘着層が、前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面との密着力が前記保護膜との密着力より小さく、かつ前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面から連続的に当該面における前記シンチレータと貼り合わされる領域より外側の少なくとも一部に貼り付けられる。これにより、粘着層の光検出基板と貼り合わされる面積を、シンチレータ(より詳細には保護膜)と貼り合わされる面積より広くすることができる結果、粘着層と光検出基板との密着力が、粘着層とシンチレータとの密着力より小さいことに起因する粘着層と光検出基板との間の剥離を防止することができる。
ところで、故障や経時劣化等に対応するために、シンチレータおよび光検出基板の何れか一方を交換したい場合があり、この場合には、シンチレータと光検出基板とを分離する必要がある。
そこで、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明のように、前記粘着層が、端部が前記光検出基板の外側まで延設されていてもよい。これにより、粘着層を当該光検出基板の外側に位置する端部を把持してシンチレータまたは光検出基板から引き剥がすことにより、容易にシンチレータと光検出基板とを分離することができる。
また、請求項1または請求項2に記載の発明は、請求項に記載の発明のように、前記シンチレータの周囲を封止する封止剤をさらに備えてもよい。これにより、シンチレータと光検出基板との剥離の防止効果を、より高めることができる。
特に、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明のように、前記封止剤を、前記保護膜との密着力が、前記保護膜と前記粘着層との密着力より大きいものとしてもよい。これにより、シンチレータと光検出基板との剥離の防止効果を、より高めることができる。
また、請求項または請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明のように、前記封止剤が、前記粘着層の端部における予め定められた領域が露出するように前記シンチレータの周囲を封止してもよい。これにより、粘着層を露出された領域を把持してシンチレータまたは光検出基板から引き剥がすことにより、容易にシンチレータと光検出基板とを分離することができる。
また、請求項1から請求項の何れか1項に記載の発明は、請求項に記載の発明のように、前記粘着層が、熱または光により接着力が低下するものとしてもよい。これにより、熱または光を付与することにより、容易にシンチレータと光検出基板とを分離することができる。
さらに、本発明は、請求項に記載の発明のように、前記シンチレータが、柱状結晶領域を有してもよく、請求項に記載の発明のように、前記シンチレータが、前記光検出基板と貼り合わされる面から当該面の反対側の面に向けて断面積が広くなるように側面が傾斜していてもよい。
一方、上記目的を達成するために、請求項9に記載の放射線検出器は、保護膜により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータと、前記シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板と、前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされ、前記シンチレータの前記保護膜が設けられた面と前記光検出基板とを貼り合わせる粘着層と、を備え、前記粘着層が、前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面との密着力が前記保護膜との密着力より大きく、かつ前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面から連続的に当該シンチレータの側面の少なくとも一部に貼り付けられる。
このように、請求項9に記載の放射線検出器では、保護膜により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータと、シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板とを、シンチレータの光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされた粘着層によって貼り合わせているので、撮影によって得られる放射線画像の品質の劣化を招くことなく、容易かつ低コストでシンチレータと光検出基板との剥離を防止することができる。
また、請求項9に記載の放射線検出器では、粘着層のシンチレータ(より詳細には保護膜)と貼り合わされる面積を、光検出基板と貼り合わされる面積より広くすることができる結果、粘着層とシンチレータとの密着力が、粘着層と光検出基板との密着力より小さいことに起因する粘着層とシンチレータとの間の剥離を防止することができる。
ところで、故障や経時劣化等に対応するために、シンチレータおよび光検出基板の何れか一方を交換したい場合があり、この場合には、シンチレータと光検出基板とを分離する必要がある。
そこで、請求項9に記載の発明は、請求項10に記載の発明のように、前記シンチレータが、支持体として機能する金属基板に蒸着されて構成されており、前記粘着層が、端部が前記金属基板の外側まで延設されていてもよい。これにより、粘着層を当該金属基板の外側に位置する端部を把持してシンチレータまたは光検出基板から引き剥がすことにより、容易にシンチレータと光検出基板とを分離することができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項11に記載の放射線画像撮影装置は、請求項1から請求項10の何れか1項記載の放射線検出器と、前記放射線検出器によって検出された放射線に基づいて放射線画像の撮影を行う撮影手段と、を備えている。
請求項11記載の放射線画像撮影装置によれば、撮影手段により、請求項1から請求項10の何れか1項記載の放射線検出器によって検出された放射線に基づいて放射線画像の撮影が行われる。
このように、請求項11に記載の放射線画像撮影装置によれば、本発明の放射線検出器を備え、当該放射線検出器を用いて放射線画像の撮影を行っているので、当該放射線検出器と同様に、撮影によって得られる放射線画像の品質の劣化を招くことなく、容易かつ低コストでシンチレータと光検出基板との剥離を防止することができる。
本発明によれば、保護膜により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータと、シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板とを、シンチレータの光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされた粘着層によって貼り合わせているので、撮影によって得られる放射線画像の品質の劣化を招くことなく、容易かつ低コストでシンチレータと光検出基板との剥離を防止することができる、という効果が得られる。
実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す斜視図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の一例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係るシンチレータの結晶構成の一例を模式的に示す概略図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の一例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る粘着層の構成の一例を示す断面図である。 実施の形態に係る電子カセッテの電気系の要部構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の他の例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の他の例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の他の例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の他の例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の他の例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の他の例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る放射線検出器の構成の他の例を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る粘着層の構成の他の例を示す断面図である。 従来の技術の問題点の説明に供する図であり、従来の放射線検出器の構成の一例を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を電子カセッテに適用した場合の形態例について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る電子カセッテ32は、放射線Xを透過させる材料からなり、矩形状で放射線Xが照射される照射面56が形成された直方体状の筐体54を備えている。電子カセッテ32は、手術室等で使用される際に血液やその他の雑菌が付着することがある。このため、電子カセッテ32は筐体54によって密閉され、防水性も確保された構造とされており、必要に応じて殺菌洗浄することで同一の電子カセッテ32を繰り返し使用可能とされている。
電子カセッテ32の筐体54内には、被検者を透過した放射線Xの到来方向に沿って、筐体54の放射線Xの照射面56側から順に、放射線検出器50、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板51が配置されている。また、筐体54の内部には、照射面56の長手方向に沿った一端側に、マイクロコンピュータを含む各種の電子回路や、充電可能かつ着脱可能なバッテリ96Aを収容するケース31が配置されている。放射線検出器50や上記の各種電子回路は、ケース31内に収容されたバッテリ96Aから供給される電力によって作動する。ケース31内に収容された各種電子回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、筐体54内のうちケース31の照射面56側には鉛板等からなる放射線遮蔽部材が配設されている。
また、筐体54の照射面56には、複数個のLEDからなり、電子カセッテ32の動作モード(例えば「レディ状態」や「データ送信中」等)やバッテリ96Aの残容量の状態等の動作状態を表示するための表示部56Aが設けられている。なお、表示部56AはLED以外の発光素子で構成してもよいし、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示手段で構成してもよい。また、表示部56Aは照射面56以外の部位に設けてもよい。
図2,図3に示すように、本実施の形態に係る放射線検出器50は、TFTアクティブマトリクス基板(以下、「TFT基板」という。)60とシンチレータ71とが粘着層52によって貼り合わされて構成されている。
次に、本実施の形態に係るシンチレータ71について説明する。シンチレータ71は、被検者の体を透過して筐体54の照射面56に照射され、筐体54の天板およびTFT基板60を透過して照射された放射線Xを吸収して光を放出する。一般に、シンチレータとしては、例えばCsI:Tl(タリウムを添加したヨウ化セシウム)や、CsI:Na(ナトリウム賦活ヨウ化セシウム)、GOS(GdS:Tb)等の材料を用いることができる。
ただし、本実施の形態では、一例として図3に示すように、シンチレータ71を、放射線入射/光射出側(TFT基板60側)に柱状結晶71Aからなる柱状結晶領域が形成され、シンチレータ71の放射線入射側とは反対側に非柱状結晶71Bからなる非柱状結晶領域が形成された構成としており、シンチレータ71としてCsIを含む材料を用い、当該材料を蒸着基板75に蒸着させることで、柱状結晶領域および非柱状結晶領域が形成されたシンチレータ71を得ている。なお、蒸着基板75としては耐熱性の高い材料が望ましく、例えば、低コストという観点からアルミニウムが好適である。なお、本実施の形態に係るシンチレータ71は、柱状結晶71Aの平均径が柱状結晶71Aの長手方向に沿っておよそ均一とされている。
上記のように、シンチレータ71を柱状結晶領域および非柱状結晶領域が形成された構成にすると共に、高効率の発光が得られる柱状結晶71Aからなる柱状結晶領域をTFT基板60側に配置することで、シンチレータ71で発生された光は柱状結晶71A内を進行してTFT基板60へ射出され、TFT基板60側へ射出される光の拡散が抑制されることで、電子カセッテ32によって検出される放射線画像のボケが抑制される。また、シンチレータ71の深部(非柱状結晶領域)に到達した光も、非柱状結晶71BによってTFT基板60側へ反射されることで、TFT基板60に入射される光の光量(シンチレータ71で発光された光の検出効率)が向上する。
なお、シンチレータ71の放射線入射側に位置する柱状結晶領域の厚みをt1とし、シンチレータ71の蒸着基板75側に位置する非柱状結晶領域の厚みをt2としたときに、t1とt2が下記の関係式を満たすことが好ましい。
0.01≦(t2/t1)≦0.25
柱状結晶領域の厚みt1と非柱状結晶領域の厚みt2とが上記関係式を満たすことで、発光効率が高く光の拡散を防止する領域(柱状結晶領域)と、光を反射する領域(非柱状結晶領域)と、のシンチレータ71の厚み方向に沿った比率が好適な範囲となり、シンチレータ71の発光効率、シンチレータ71で発光された光の検出効率、および放射線画像の解像度が向上する。非柱状結晶領域の厚みt2が厚過ぎると発光効率の低い領域が増え、電子カセッテ32の感度の低下に繋がることから、(t2/t1)は0.02以上かつ0.1以下の範囲であることがより好ましい。
また、上記では柱状結晶領域と非柱状結晶領域が連続的に形成された構成のシンチレータ71を説明したが、例えば上記の非柱状結晶領域に代えてアルミニウム等からなる光反射層が設けられ、柱状結晶領域のみが形成された構成であってもよいし、他の構成であってもよい。
続いてTFT基板60について説明する。TFT基板60は、シンチレータ71の光射出側から射出された光を検出するものであり、図2に示すように、フォトダイオード(PD:Photo Diode)等からなる光電変換部72、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)70、および蓄積容量68を備えた画素部74が、平板状で平面視における外形形状が矩形状とされた絶縁性基板64上にマトリクス状に複数形成されて構成されている。
なお、本実施の形態では、シンチレータ71の放射線照射面側にTFT基板60が配置されているが、シンチレータと光検出基板(TFT基板60)をこのような位置関係で配置する方式は「表面読取方式(ISS:Irradiation Side Sampling)」と称する。シンチレータは放射線入射側がより強く発光するので、シンチレータの放射線入射側に光検出基板(TFT基板60)を配置する表面読取方式(ISS)は、シンチレータの放射線入射側と反対側に光検出基板(TFT基板60)を配置する「裏面読取方式(PSS:Penetration Side Sampling)」よりも光検出基板とシンチレータの発光位置とが接近することから、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高く、また光検出基板(TFT基板60)の受光量が増大することで、結果として放射線画像撮影装置(電子カセッテ32)の感度が向上する。
光電変換部72は、下部電極72Aと上部電極72Bとの間に、シンチレータ71から放出された光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する光電変換膜72Cが配置されて構成されている。なお、下部電極72Aは、シンチレータ71から放出された光を光電変換膜72Cに入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ71の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、下部電極72AとしてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、90%以上の光透過率を得ようとすると抵抗値が増大し易くなるため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnO等を用いることが好ましく、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からITOが最も好ましい。なお、下部電極72Aは、全画素部共通の一枚構成としてもよいし、画素部毎に分割してもよい。
また、光電変換膜72Cはシンチレータ71から放出された光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。光電変換膜72Cを構成する材料は光を吸収して電荷を発生する材料であればよく、例えば、アモルファスシリコンや有機光電変換材料等を用いることができる。光電変換膜72Cをアモルファスシリコンで構成した場合、シンチレータ71から放出された光を広い波長域に亘って吸収するように構成することができる。ただし、アモルファスシリコンからなる光電変換膜72Cの形成には蒸着を行う必要があり、絶縁性基板64が合成樹脂製である場合、絶縁性基板64の耐熱性が不足する可能性がある。
一方、光電変換膜72Cを、有機光電変換材料を含む材料で構成した場合は、主に可視光域で高い吸収を示す吸収スペクトルが得られ、光電変換膜72Cによるシンチレータ71から放出された光以外の電磁波の吸収が殆ど無くなるので、X線やγ線等の放射線が光電変換膜72Cで吸収されることで発生するノイズを抑制できる。また、有機光電変換材料からなる光電変換膜72Cは、インクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドを用いて有機光電変換材料を被形成体上に付着させることで形成させることができ、被形成体に対して耐熱性は要求されない。このため、本実施の形態では、光電変換部72の光電変換膜72Cを有機光電変換材料で構成している。
光電変換膜72Cを有機光電変換材料で構成した場合、光電変換膜72Cで放射線が殆ど吸収されないので、放射線が透過するようにTFT基板60が配置される表面読取方式(ISS)において、TFT基板60を透過することによる放射線の減衰を抑制することができ、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。従って、光電変換膜72Cを有機光電変換材料で構成することは、特に表面読取方式(ISS)に好適である。
光電変換膜72Cを構成する有機光電変換材料は、シンチレータ71から放出された光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ71の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ71の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ71から放出された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ71の放射線に対する発光ピーク波長との差が10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物およびフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ71の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜72Cで発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
放射線画像撮影装置に適用可能な光電変換膜72Cについて具体的に説明する。放射線画像撮影装置における電磁波吸収/光電変換部位は、電極72A,72Bと、該電極72A,72Bに挟まれた光電変換膜72Cを含む有機層である。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、および層間接触改良部位等を積み重ねるか、若しくは混合することで形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質を有する有機化合物である。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物である。従って、ドナー性有機化合物としては、電子供与性を有する有機化合物であれば何れの有機化合物も使用可能である。有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容し易い性質を有する有機化合物である。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物である。従って、アクセプター性有機化合物は、電子受容性を有する有機化合物であれば何れの有機化合物も使用可能である。
有機p型半導体および有機n型半導体として適用可能な材料や、光電変換膜72Cの構成については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
また、光電変換部72は、少なくとも電極対72A,72Bと光電変換膜72Cを含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜および正孔ブロッキング膜の少なくとも何れかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
電子ブロッキング膜は、上部電極72Bと光電変換膜72Cとの間に設けることができ、上部電極72Bと下部電極72Aとの間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極72Bから光電変換膜72Cに電子が注入されて暗電流が増加してしまうことを抑制することができる。電子ブロッキング膜には電子供与性有機材料を用いることができる。実際に電子ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜72Cの材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜72Cの材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIp、若しくはそれより小さいIpを有するものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
電子ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させると共に、光電変換部72の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
正孔ブロッキング膜は、光電変換膜72Cと下部電極72Aとの間に設けることができ、上部電極72Bと下部電極72Aとの間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極72Aから光電変換膜72Cに正孔が注入されて暗電流が増加してしまうことを抑制することができる。正孔ブロッキング膜には電子受容性有機材料を用いることができる。実際に正孔ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜72Cの材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜72Cの材料の電子親和力(Ea)と同等のEa、若しくはそれより大きいEaを有するものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
正孔ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させると共に、光電変換部72の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
なお、光電変換膜72Cで発生した電荷のうち、正孔が下部電極72Aに移動し、電子が上部電極72Bに移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜の位置を逆にすればよい。また、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜は両方設けることは必須ではなく、何れかを設けておけば、或る程度の暗電流抑制効果を得ることができる。
TFT70は、ゲート電極、ゲート絶縁膜および活性層(チャネル層)が積層され、さらに活性層上にソース電極とドレイン電極が所定の間隔を隔てて形成されている。活性層は、例えばアモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブ等のうちの何れかにより形成することができるが、活性層を形成可能な材料はこれらに限定されるものではない。
活性層を形成可能な非晶質酸化物としては、例えば、In、GaおよびZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えばIn−O系)が好ましく、In、GaおよびZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えばIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、GaおよびZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。なお、活性層を形成可能な非晶質酸化物はこれらに限定されるものではない。
また、活性層を形成可能な有機半導体材料としては、例えば、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報で詳細に説明されているため、説明を省略する。
TFT70の活性層を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブ等のうちの何れかによって形成すれば、X線等の放射線を吸収せず、或いは吸収したとしても極めて微量に留まるため、TFT70におけるノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、活性層をカーボンナノチューブで形成した場合、TFT70のスイッチング速度を高速化することができ、また、TFT70における可視光域の光の吸収度合いを低下させることができる。なお、活性層をカーボンナノチューブで形成する場合、活性層にごく微量の金属性不純物が混入しただけでTFT70の性能が著しく低下するため、遠心分離等により非常に純度の高いカーボンナノチューブを分離・抽出して活性層の形成に用いる必要がある。
なお、有機光電変換材料で形成した膜および有機半導体材料で形成した膜は何れも十分な可撓性を有しているので、有機光電変換材料で形成した光電変換膜72Cと、活性層を有機半導体材料で形成したTFT70と、を組み合わせた構成であれば、患者の体の重みが荷重として加わる放射線検出器50の高剛性化は必ずしも必要ではなくなる。
また、絶縁性基板64は光透過性を有し、かつ放射線の吸収が少ないものであればよい。ここで、TFT70の活性層を構成する非晶質酸化物や、光電変換部72の光電変換膜72Cを構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、絶縁性基板64としては、半導体基板、石英基板、およびガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、合成樹脂製の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このような合成樹脂製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。なお、絶縁性基板64には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
なお、アラミドは200度以上の高温プロセスを適用できるため、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドはITO(indium tin oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて基板を薄型化できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して絶縁性基板64を形成してもよい。
また、バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂とを複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60〜70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3−7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて絶縁性基板64を薄型化できる。
絶縁性基板64としてガラス基板を用いた場合、TFT基板60全体としての厚みは、例えば0.7mm程度になるが、本実施の形態では電子カセッテ32の薄型化を考慮し、絶縁性基板64として、光透過性を有する合成樹脂からなる薄型の基板を用いている。これにより、TFT基板60全体としての厚みを、例えば0.1mm程度に薄型化できると共に、TFT基板60に可撓性をもたせることができる。また、TFT基板60に可撓性をもたせることで、電子カセッテ32の耐衝撃性が向上し、電子カセッテ32に衝撃が加わった場合にも破損し難くなる。また、プラスチック樹脂や、アラミド、バイオナノファイバ等は何れも放射線の吸収が少なく、絶縁性基板64をこれらの材料で形成した場合、絶縁性基板64による放射線の吸収量も少なくなるため、表面読取方式(ISS)によりTFT基板60を放射線が透過する構成であっても、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。
なお、電子カセッテ32の絶縁性基板64として合成樹脂製の基板を用いることは必須ではなく、電子カセッテ32の厚さは増大するものの、ガラス基板等の他の材料からなる基板を絶縁性基板64として用いるようにしてもよい。
図4には、本実施の形態に係る放射線検出器50の端部付近の断面図が模式的に示されている。なお、同図では、平面視矩形状に構成された放射線検出器50の一辺のみの端部近傍について示されているが、残りの三辺の端部近傍についても同様の構成とされている。以下、図4を参照して、本実施の形態に係る放射線検出器50の粘着層52によるシンチレータ71とTFT基板60との貼り合わせ部分に関する構成を詳細に説明する。
同図に示すように、本実施の形態に係る粘着層52は、シンチレータ71のTFT基板60と貼り合わされる面(以下、「シンチレータ貼り合わせ面」という。)より広い面積とされており、シンチレータ貼り合わせ面から連続的に当該シンチレータ71の側面に至るまで貼り付けられている。
なお、粘着層52に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性・耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート等を主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等と、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
本実施の形態に係る粘着層52は、図5に示すように、両面に対して不要な粘着を防止するために離けい紙52A,52Bが貼り付けられた状態で供給されるものであり、シンチレータ71とTFT基板60とを貼り付ける際に、これらの離けい紙52A,52Bが剥離されて用いられる。
一方、シンチレータ71は、蒸着基板75の外縁より内側に積層され、同様に、TFT基板60の外縁より内側に配置されている。これにより、TFT基板60と蒸着基板75との間に隙間50Aが形成される。また、シンチレータ71は、蒸着基板75側の面から反対側の面にかけて断面積を徐々に狭くすることにより、側面が傾斜するように形成されている。
なお、本実施の形態に係る放射線検出器50では、シンチレータ71が潮解性のあるCsI等からなる材料で構成されているため、シンチレータ71に対する防湿性が必要となる。そこで、本実施の形態に係る放射線検出器50では、シンチレータ71の側面および粘着層52側の面(下面)が、防湿性のある第1保護膜71Cで覆われている。
この第1保護膜71Cは、大気中の水分に対してバリア性を有する材料が用いられ、材料として、熱CVD法またはプラズマCVD法等の気相重合で得られる有機膜が用いられる。また、TFT基板60と蒸着基板75の反りに追従するという観点から弾性変形するものであることが好ましい。
上記有機膜としては、例えば、ポリパラキシリレン製樹脂の熱CVD法によって形成された気相重合膜、または含フッ素化合物不飽和炭化水素モノマーのプラズマ重合膜が用いられる。また、有機膜と無機膜の積層構造を用いることもでき、無機膜の材料としては、例えば、窒化珪素(SiNx)膜、酸化珪素(SiOx)膜、酸窒化珪素(SiOxNy)膜またはAl等が好適である。
シンチレータ71の上面には、シンチレータ71を気相堆積法により形成(蒸着)する際に使用した蒸着基板75が設けられている。
蒸着基板75の材料としては、前述したように、耐熱性およびX線透過率がよく、コストが安いという観点からアルミニウムが好適に使用されるが、蒸着基板75をアルミニウム等の塩で侵食する材料で構成すると、潮解性のあるCsI等からなるシンチレータ71を蒸着する際に侵食が進み、シンチレータ71を確実に形成できないおそれがある。
したがって、この蒸着基板75には、前述した第1保護膜71Cと同様の材料からなる第2保護膜75Aで全面が覆われている。なお、第1保護膜71Cと同様、第2保護膜75Aも弾性体であることが好ましい。
次に、本実施の形態に係る放射線検出器50のシンチレータ71およびTFT基板60の貼り付け工程について説明する。
まず、粘着層52を、シンチレータ貼り合わせ面より広く、かつシンチレータ貼り合わせ面の中心部に中心部が一致するように貼り付けられた際にシンチレータ71の側面の一部までおよぶ面積となり、かつ予め定められた形状(本実施の形態では、矩形状)となるように切り出し、離けい紙52A,52Bの一方を剥離する。
次に、粘着層52の離けい紙を剥離した側の面をシンチレータ貼り合わせ面と対向させた状態で、粘着層52の一端部を、シンチレータ貼り合わせ面に貼り付けられた際にシンチレータ貼り合わせ面の中心部に粘着層52の中心部がほぼ一致する位置となるように位置決めした後、粘着層52の全体を、上記一端部側から当該一端部の反対側の端部側に向けて、粘着層52とシンチレータ71との貼り合わせ領域に空気が極力入り込まないように徐々にシンチレータ71に対して貼り付ける。
次いで、粘着層52における離けい紙52A,52Bの他方を剥離し、シンチレータ貼り合わせ面とTFT基板60とが予め定められた位置関係で対向するように位置決めした後、TFT基板60およびシンチレータ71の一端部側から当該一端部の反対側の端部側に向けて、粘着層52とTFT基板60とを、粘着層52とTFT基板60との貼り合わせ領域に空気が極力入り込まないように徐々に貼り付ける。
なお、粘着層52とシンチレータ71との貼り付け、および粘着層52とTFT基板60との貼り付けは、一例として株式会社サンテック製のMPFシリーズ等の既存のフイルム・パネル貼付装置を用いて行ってもよいし、ローラ等を用いて人手により行ってもよい。また、これらの貼り付けの少なくとも一方を行った後に、既存の加圧脱泡装置を用いて加圧することにより、より密着度を上げるようにしてもよい。
ここで、本実施の形態に係る放射線検出器50では、粘着層52とTFT基板60との密着力が、粘着層52とシンチレータ71の第1保護膜71Cとの密着力に比較して大きくなるようにしている。なお、本実施の形態では、粘着層52の一方の面に対して表面処理(例えば、大気圧プラズマ処理や、シランカップリング剤の塗布等)を施すことで密着力に差をつけるようにしているが、これに限らず、粘着層52とシンチレータ71とを貼り付ける際の押圧力(貼付力)と、粘着層52とTFT基板60とを貼り付ける際の押圧力(貼付力)とを変えることや、シンチレータ貼り合わせ面およびTFT基板60の粘着層52に貼り付けられる領域の少なくとも一方に対する表面処理等によって密着力に差をつける形態としてもよい。
次に、図6を参照して、本実施の形態に係る電子カセッテ32の電気系の要部構成について説明する。
同図に示すように、TFT基板60には、一定方向(行方向)に沿って延設され、個々のTFT70をオンオフさせるための複数本のゲート配線76と、前記一定方向と交差する方向(列方向)に沿って延設され、蓄積容量68(および光電変換部72の上部電極72Aと下部電極72Bの間)に蓄積された電荷をオン状態のTFT70を介して読み出すための複数本のデータ配線78が設けられている。
TFT基板60の個々のゲート配線76はゲート線ドライバ81に接続されており、個々のデータ配線78は信号処理部83に接続されている。被検者を透過した放射線(被検者の画像情報を担持した放射線)が電子カセッテ32に照射されると、シンチレータ71の照射面56上の各位置に対応する部分からは、前記各位置における放射線の照射量に応じた光量の光が放出され、個々の画素部74の光電変換部72では、シンチレータ71のうちの対応する部分から放出された光の光量に応じた大きさの電荷が発生され、この電荷が個々の画素部74の蓄積容量68(および光電変換部72の上部電極72Aと下部電極72Bの間)に蓄積される。
上記のようにして個々の画素部74の蓄積容量68に電荷が蓄積されると、個々の画素部74のTFT70は、ゲート線ドライバ81からゲート配線76を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFT70がオンされた画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は、アナログの電気信号としてデータ配線78を伝送されて信号処理部83に入力される。従って、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積された電荷は行単位で順に読み出される。
信号処理部83は、個々のデータ配線78毎に設けられた増幅器およびサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線78を伝送された電気信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電気信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
信号処理部83には画像メモリ90が接続されており、信号処理部83のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ90に順に記憶される。画像メモリ90は複数フレーム分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ90に順次記憶される。
画像メモリ90は電子カセッテ32全体の動作を制御するカセッテ制御部92と接続されている。カセッテ制御部92はマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPU92A、ROMおよびRAMを含むメモリ92B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部92Cを備えている。
また、カセッテ制御部92には無線通信部94が接続されている。無線通信部94は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部92は、無線通信部94を介して、電子カセッテ32や放射線源等の放射線画像の撮影に用いる各種装置を統括的に制御するコンソール等の外部機器と無線通信が可能とされており、当該外部機器との間で各種情報の送受信が可能とされている。
また、電子カセッテ32には電源部96が設けられており、上述した各種電子回路(ゲート線ドライバ81や信号処理部83、画像メモリ90、無線通信部94、カセッテ制御部92等)は電源部96と各々接続され(図示省略)、電源部96から供給された電力によって作動する。電源部96は、電子カセッテ32の可搬性を損なわないように、前述のバッテリ(二次電池)96Aを内蔵しており、充電されたバッテリ96Aから各種電子回路へ電力を供給する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、保護膜(本実施の形態では、第1保護膜71C)により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータ(本実施の形態では、シンチレータ71)と、シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板(本実施の形態では、TFT基板60)とを、シンチレータの光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされた粘着層(本実施の形態では、粘着層52)によって貼り合わせているので、撮影によって得られる放射線画像の品質の劣化を招くことなく、容易かつ低コストでシンチレータと光検出基板との剥離を防止することができる。
また、本実施の形態では、前記粘着層が、前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面との密着力(以下、「第1密着力」という。)が前記保護膜との密着力(以下、「第2密着力」という。)より大きく、かつ前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面から連続的に当該シンチレータの側面の少なくとも一部に貼り付けられているので、前記粘着層の前記シンチレータ(より詳細には前記保護膜)と貼り合わされる面積を、前記光検出基板と貼り合わされる面積より広くすることができる結果、第2密着力が第1密着力より小さいことに起因する粘着層とシンチレータとの間の剥離を防止することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記実施の形態では、本発明の放射線検出器の一例として図4に示したものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7〜図13に示すものを本発明の放射線検出器として適用する形態としてもよい。以下、これらの形態について説明する。なお、図7〜図13における図4に示した放射線検出器50と同一の部位については図4と同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示す形態は、粘着層52による第1密着力が第2密着力より小さく、かつ粘着層52が、TFT基板60のシンチレータ71と貼り合わされる面から連続的に当該面におけるシンチレータ71と貼り合わされる領域より外側の一部まで貼り付けられている場合の形態例である。この場合、粘着層52のTFT基板60と貼り合わされる面積を、シンチレータ71(より詳細には第1保護膜71C)と貼り合わされる面積より広くすることができる結果、第1密着力が第2密着力より小さいことに起因する粘着層52とTFT基板60との間の剥離を防止することができる。
なお、この形態に係る放射線検出器50のシンチレータ71およびTFT基板60の粘着層52による貼り付け工程は、粘着層52をTFT基板60に貼り付けた後に、シンチレータ71を粘着層52に貼り付ける点を除いて上記実施の形態に示した工程と同一である。また、この形態や上記実施の形態における第1密着力と第2密着力との大小関係は必ずしも記載したものに限らず、記載したものとは逆の大小関係としてもよく、第1密着力と第2密着力とを等しくしてもよい。
一方、図8に示す形態は、図4に示した形態に対して、シンチレータ71の周囲を封止する封止剤73を設けた場合の形態例である。
すなわち、この形態では、シンチレータ71に対する防湿性を高めるために、第1保護膜71C(および第2保護膜75A)だけでなく、封止剤73も設けられている。具体的には、封止剤73は、隙間50A(図4も参照。)に充填されてシンチレータ71の側面(厳密には、当該側面における粘着層52および第1保護膜71C)を全て覆う弾性体である。
なお、封止剤73は、隙間50Aに充填されることで、第1保護膜71C、第2保護膜75A、粘着層52、およびTFT基板60のそれぞれに密着(結合)している。
封止剤73の材料は、弾性体の材料であれば、特に限定されないが、粘着性のあるものが好ましく、例えばアクリル樹脂やシリコン樹脂を用いることができる。また、封止剤73が硬化した後の弾性体のヤング率は、封止剤73と密着する第1保護膜71Cや第2保護膜75A等との剥離を抑制できるという観点から、0.1MPa以上100MPa以下であることが好ましく、0.1MPa以上3MPa以下であることがより好ましい。
同様に、図9に示す形態は、図7に示した形態に対して、図8に示した放射線検出器50と同様の封止剤73を設けた場合の形態例である。
図8および図9に示した形態では、封止剤73により、シンチレータ71に対する防湿性を高める効果に加えて、シンチレータ71とTFT基板60との剥離の防止効果を、より高めることができる。
ところで、故障や経時劣化等に対応するために、シンチレータ71およびTFT基板60の何れか一方を交換したい場合があり、この場合には、シンチレータ71とTFT基板60とを分離する必要がある。
この要望に応えるため、図10に示す形態は、図4に示した形態の変形例であり、粘着層52を、端部を蒸着基板75の外側まで延設させる場合の形態例である。この形態では、粘着層52を蒸着基板75の外側に位置する端部を把持してシンチレータ71またはTFT基板60から引き剥がすことにより、容易にシンチレータ71とTFT基板60とを分離することができる。なお、この場合、同図に示すように、粘着層52における上記引き剥がす際に把持する端部には、離けい紙52A,52Bを残すようにすることが作業性を向上させるうえで好ましい。
また、図11に示す形態は、図10に示した形態に対して、図8に示した放射線検出器50と同様の封止剤73を設けた場合の形態例であり、図12に示す形態は、図7に示した形態に対して、粘着層52を、端部をTFT基板60の外側まで延設させる場合の形態例であり、さらに、図13に示す形態は、図12に示した形態に対して、図8に示した放射線検出器50と同様の封止剤73を設けた場合の形態例である。
図11に示した形態では、図10に示した形態と同様の効果に加えて、シンチレータ71に対する防湿性を高める効果、およびシンチレータ71とTFT基板60との剥離の防止効果を、より高める効果が得られる。また、図12に示した形態では、図7に示した形態と同様の効果に加えて、図10に示した形態と同様に、容易にシンチレータ71とTFT基板60とを分離することができる。さらに、図13に示した形態では、図12に示した形態と同様の効果に加えて、シンチレータ71に対する防湿性を高める効果、およびシンチレータ71とTFT基板60との剥離の防止効果を、より高める効果が得られる。
なお、図8,図9,図11,図13に示した封止剤73を有する各形態例では、封止剤73を、第1保護膜71Cとの密着力が、第1保護膜71Cと粘着層52との密着力より大きいものとすることが好ましい。これにより、シンチレータ71とTFT基板60との剥離の防止効果を、より高めることができる。
また、上記実施の形態では、短期的には粘着層52の密着力が低下しない場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、粘着層52における粘着剤として、加熱によって密着力が低下する加熱解体型接着剤や、UV照射によって分解して密着力が低下するUV照射解体型接着剤等を使用する形態としてもよい。
上記加熱解体型接着剤としては、所定の熱分解温度以上に加熱することによって熱分解により接着力を低下させる形態のものや、加熱により軟化して接着力が低下するもの、通常の接着剤に熱膨張性のマイクロカプセルを配合したものなどが使用できる。熱分解により接着力を低下させる形態の接着剤においては、通常の接着剤に種々の機能性基を導入して熱分解温度を70〜120℃に設定することにより、放射線検出器50のTFT基板60にダメージを与えることなく、シンチレータ71およびTFT基板60を分離させることができる。
一方、上記UV照射解体型接着剤としては、通常の接着剤にUV分解性の機能性基を導入したものや、UV照射するとラジカルを生成してこのラジカルによって接着剤が分解されるもの等が使用できる。
このように、粘着層52における粘着剤として加熱解体型接着剤やUV照射解体型接着剤等を使用することにより、熱または光を付与することによって容易にシンチレータ71とTFT基板60とを分離することができる。
また、上記実施の形態では、本発明の粘着層として内部に支持体を有しないものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一例として図14に示すように、内部に支持体52Cを有するものを適用する形態としてもよい。なお、同図に示す例では、粘着層がフイルム状の支持体52Cを備え、支持体52Cの一方の面に第1粘着層52Dが形成される一方、支持体52Cの反対側の面に第2粘着層52Eが形成され、さらに各粘着層の表面に離けい紙52A,52Bが設けられて構成されている。
また、上記実施の形態では、放射線検出器50を表面読取方式(ISS)として用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、放射線検出器50を裏面読取方式(PSS)として用いる形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、TFT基板60が、シンチレータ71で発生した光を受光することにより電荷が発生する有機光電変換材料を含んで構成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、TFT基板60として有機光電変換材料を含まずに構成されたものを適用する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、電子カセッテ32の筐体54の内部に、マイクロコンピュータを含む各種の電子回路やバッテリ96A等を収容するケース31と放射線検出器50とを重ならないように配置した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、放射線検出器50と上記電子回路やバッテリ96A等を重なるように配置してもよい。
また、上記実施の形態では、電子カセッテ32と外部機器との間で無線にて通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、有線にて通信を行う形態としてもよい。
その他、上記の実施形態で説明した本発明に係る放射線検出器50および電子カセッテ32の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
32 電子カセッテ(放射線画像撮影装置)
50 放射線検出器
52 粘着層
60 TFT基板(光検出基板)
71 シンチレータ
71A 柱状結晶
71B 非柱状結晶
71C 第1保護膜
73 封止剤
75 蒸着基板(金属基板)
75A 第2保護膜
92 CPU(撮影手段)

Claims (11)

  1. 保護膜により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータと、
    前記シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板と、
    前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされ、前記シンチレータの前記保護膜が設けられた面と前記光検出基板とを貼り合わせる粘着層と、
    を備え
    前記粘着層は、前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面との密着力が前記保護膜との密着力より小さく、かつ前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面から連続的に当該面における前記シンチレータと貼り合わされる領域より外側の少なくとも一部に貼り付けられる
    放射線検出器。
  2. 前記粘着層は、端部が前記光検出基板の外側まで延設されている
    請求項記載の放射線検出器。
  3. 前記シンチレータの周囲を封止する封止剤をさらに備えた
    請求項1または請求項2記載の放射線検出器。
  4. 前記封止剤は、前記保護膜との密着力が、前記保護膜と前記粘着層との密着力より大きい
    請求項記載の放射線検出器。
  5. 前記封止剤は、前記粘着層の端部における予め定められた領域が露出するように前記シンチレータの周囲を封止する
    請求項または請求項記載の放射線検出器。
  6. 前記粘着層は、熱または光により接着力が低下する
    請求項1から請求項の何れか1項記載の放射線検出器。
  7. 前記シンチレータは、柱状結晶領域を有する
    請求項1から請求項の何れか1項記載の放射線検出器。
  8. 前記シンチレータは、前記光検出基板と貼り合わされる面から当該面の反対側の面に向けて断面積が広くなるように側面が傾斜している
    請求項1から請求項の何れか1項記載の放射線検出器。
  9. 保護膜により覆われており、照射された放射線を光に変換する板状のシンチレータと、
    前記シンチレータに貼り合わされた状態で当該シンチレータにより変換された光を検出する板状の光検出基板と、
    前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面より広い面積とされ、前記シンチレータの前記保護膜が設けられた面と前記光検出基板とを貼り合わせる粘着層と、
    を備え
    前記粘着層は、前記光検出基板の前記シンチレータと貼り合わされる面との密着力が前記保護膜との密着力より大きく、かつ前記シンチレータの前記光検出基板と貼り合わされる面から連続的に当該シンチレータの側面の少なくとも一部に貼り付けられる
    放射線検出器。
  10. 前記シンチレータは、支持体として機能する金属基板に蒸着されて構成されており、
    前記粘着層は、端部が前記金属基板の外側まで延設されている
    請求項記載の放射線検出器。
  11. 請求項1から請求項10の何れか1項記載の放射線検出器と、
    前記放射線検出器によって検出された放射線に基づいて放射線画像の撮影を行う撮影手段と、
    を備えた放射線画像撮影装置。
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