以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、可搬型の放射線撮影装置(以下「電子カセッテ」ともいう。)に適用した場合の形態例について説明する。
[第1の実施の形態]
図1には、本実施の形態に係る電子カセッテ10の構成が示されている。
同図に示すように、電子カセッテ10は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体55を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ10は、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ10を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ10を繰り返し続けて使用することができる。
この筐体55の内部に、撮影の際に被検者を透過した放射線Xが照射される筐体55の照射面56側から順に、被検者を透過した放射線Xを検出する放射線検出器60、及び当該放射線検出器60を制御する制御基板22が順に設けられている。照射面56は、放射線検出器60が配置された範囲に対応し、放射線検出器60により放射線画像が撮影される領域が撮影領域56Aとされている。
図2には、本実施の形態に係る放射線検出器60の構成を模式的に示した断面図が示されている。
放射線検出器60は、絶縁性基板64に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor、以下「TFT」という)70、及び蓄積容量68が形成されたTFTアクティブマトリクス基板(以下、「TFT基板」という)66を備えている。
このTFT基板66上には、入射される放射線を光に変換するシンチレータ71が配置される。
シンチレータ71としては、例えば、CsI:Tl、GOS(Gd2O2S:Tb)を用いることができる。なお、シンチレータ71は、これらの材料に限られるものではない。シンチレータ71が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、この放射線検出器60によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
ここで、本実施の形態では、シンチレータ71を、例えば、CsI:Tl等の柱状結晶としている。シンチレータ71は、蒸着基板73にCsI:Tl等の材料を蒸着することによって形成されており、蒸着基板73側に非柱状結晶領域71Aが形成され、先端側(TFT基板66側)に柱状結晶から成る柱状結晶領域71Bが形成されいる。
このように蒸着によってシンチレータ71を形成する場合、蒸着基板73は、X線の透過率、コストの面からAlの板がよく使用され、蒸着の際のハンドリング性、自重による反り防止、輻射熱による変形等からある程度(数mm程度)の厚みが必要となる。
シンチレータ71は、柱状結晶領域71B側がTFT基板66と対向するように配置され、TFT基板66に接着されている。
絶縁性基板64としては、放射線の吸収が少ないものであれば何れでもよく、例えば、ガラス基板、透明セラミック基板、樹脂基板を用いることができる。なお、絶縁性基板64は、これらの材料に限られるものではない。
TFT基板66には、シンチレータ71によって変換された光が入射されることにより電荷を発生するセンサ部72が形成されている。本実施の形態に係るTFT基板66では、TFT70とセンサ部72を別な層で重なるように形成している。これにより、センサ部72でのシンチレータ71からの光の受光面積を大きくすることができる。また、TFT基板66には、TFT基板66上を平坦化するための平坦化層67が形成されている。また、TFT基板66とシンチレータ71との間であって、平坦化層67上には、シンチレータ71をTFT基板66に接着するための接着層69が形成されている。
センサ部72は、上部電極72A、下部電極72B、及び該上下の電極間に配置された光電変換膜72Cを有している。
上部電極72A、及び下部電極72BはITO(酸化インジウムスズ)やIZO(酸化亜鉛インジウム)などの光透過性の高い材料を用いて形成しており、光透過性を有する。
光電変換膜72Cは、シンチレータ71から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。光電変換膜72Cは、光が照射されることにより電荷を発生する材料により形成すればよく、例えば、アモルファスシリコンや有機光電変換材料などにより形成することができる。アモルファスシリコンを含む光電変換膜72Cであれば、幅広い吸収スペクトルを持ち、シンチレータ71による発光を吸収することができる。有機光電変換材料を含む光電変換膜72Cであれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ71による発光以外の電磁波が光電変換膜72Cに吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光電変換膜72Cで吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
有機光電変換材料としては、例えば、キナクリドン系有機化合物及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えば、キナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ71の材料としてCsI:Tlを用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜72Cで発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。この光電変換膜72Cとして適用可能な有機光電変換材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。なお、光電変換膜72Cは、さらにフラーレン若しくはカーボンナノチューブを含有させて形成してもよい。
図3には、本実施の形態に係るTFT基板66に形成されたTFT70及び蓄積容量68の構成が概略的に示されている。
絶縁性基板64上には、下部電極72Bに対応して、下部電極72Bに移動した電荷を蓄積する蓄積容量68と、蓄積容量68に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力するTFT70が形成されている。蓄積容量68及びTFT70の形成された領域は、平面視において下部電極72Bと重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素部における蓄積容量68及びTFT70とセンサ部72とが厚さ方向で重なりを有することとなり、少なく面積で蓄積容量68及びTFT70とセンサ部72を配置できる。
蓄積容量68は、絶縁性基板64と下部電極72Bとの間に設けられた絶縁膜65Aを貫通して形成された導電性材料の配線を介して対応する下部電極72Bと電気的に接続されている。これにより、下部電極72Bで捕集された電荷を蓄積容量68に移動させることができる。
TFT70は、ゲート電極70A、ゲート絶縁膜65B、及び活性層(チャネル層)70Bが積層され、さらに、活性層70B上にソース電極70Cとドレイン電極70Dが所定の間隔を開けて形成されている。活性層70Bは、例えば、アモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブなどにより形成することができる。なお、活性層70Bを構成する材料は、これらに限定されるものではない。
活性層70Bを構成する非晶質酸化物としては、In、Ga及びZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えば、In−O系)が好ましく、In、Ga及びZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えば、In−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、Ga及びZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO3(ZnO)m(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnO4がより好ましい。なお、活性層70Bを構成可能な非晶質酸化物は、これらに限定されるものではない。
活性層70Bを構成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
TFT70の活性層70Bを非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブで形成したものとすれば、X線等の放射線を吸収せず、あるいは吸収したとしても極めて微量に留まるため、ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、活性層70Bをカーボンナノチューブで形成した場合、TFT70のスイッチング速度を高速化することができ、また、可視光域での光の吸収度合の低いTFT70を形成できる。なお、カーボンナノチューブで活性層70Bを形成する場合、活性層70Bに極微量の金属性不純物が混入するだけで、TFT70の性能は著しく低下するため、遠心分離などにより極めて高純度のカーボンナノチューブを分離・抽出して形成する必要がある。
ここで、TFT70の活性層70Bを構成する非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブや、光電変換膜72Cを構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、絶縁性基板64としては、石英基板、及びガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、プラスチック等の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば、持ち運び等に有利となる。なお、絶縁性基板64には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
アラミドは、200度以上の高温プロセスを適用できるために、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドは、ITO(indium tin oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて薄く基板を形成できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して絶縁性基板64を形成してもよい。
バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂との複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60−70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3−7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄く絶縁性基板64を形成できる。
図4には、本実施の形態に係る放射線検出器60の構成を示す平面図が示されている。
TFT基板66には、上述のセンサ部72、蓄積容量68、TFT70と、を含んで構成される画素74が一定方向(図4の行方向)及び一定方向に対する交差方向(図4の列方向)に2次元状に複数設けられている。
また、TFT基板66には、一定方向(行方向)に延設され各TFT70をオン・オフさせるための複数本のゲート配線76と、交差方向(列方向)に延設されオン状態のTFT70を介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線78が設けられている。
放射線検出器60は、平板状で平面視において外縁に4辺を有する四辺形状をしている。具体的には矩形状に形成されている。
本実施の形態に係る放射線検出器60は、図2に示すように、このようなTFT基板66の表面にシンチレータ71が貼り付けられて形成される。
シンチレータ71は、照射されたX線やγ線などの放射線Xを光に変換する。センサ部72は、シンチレータ71から照射された光を受けて電荷を蓄積する。
そして、各データ配線78には、データ配線78に接続された何れかのTFT70がONされることによりセンサ部72に蓄積された電荷量に応じて放射線画像を示す電気信号(画像信号)が流れるようになっている。
放射線検出器60のデータ配線78方向の一端側には、結線用のコネクタ38が複数個並んで設けられ、ゲート配線76方向の一端側には、コネクタ40が複数個並んで設けられている。そして、各データ配線78は所定本ずつコネクタ38に接続され、各ゲート配線76は所定本ずつコネクタ40に接続されている。
これらコネクタ38には、フレキシブルケーブル42の一端が電気的に接続されている。また、コネクタ40には、フレキシブルケーブル44の一端が電気的に接続されている。
そして、これらフレキシブルケーブル42及びフレキシブルケーブル44は、制御基板22に電気的に接続される。
制御基板22には、放射線検出器60による撮影動作の制御、及び各データ配線78に流れる電気信号に対する信号処理の制御を行う制御部46が設けられ、制御部46は、信号検出回路48と、スキャン信号制御回路50と、を備えている。
信号検出回路48には、複数個のコネクタ52が設けられており、これらのコネクタ52に、上述したフレキシブルケーブル42の他端が電気的に接続されている。信号検出回路48は、データ配線78毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路を内蔵している。この構成により、信号検出回路48は、各データ配線78より入力される電気信号を増幅回路により増幅して検出することで、画像を構成する各画素の情報として、各センサ部72に蓄積された電荷量を検出する。
一方、スキャン信号制御回路50には、複数個のコネクタ54が設けられており、これらのコネクタ54に、上述したフレキシブルケーブル44の他端が電気的に接続されており、スキャン信号制御回路50が各ゲート配線76にTFT70をON/OFFするための制御信号を出力可能とされている。
図5には、本実施の形態に係る電子カセッテ10内部の構成を示す断面図が示されている。
電子カセッテ10の筐体55は、フロントパネル57と、バックパネル58により構成されている。フロントパネル57は、撮影面56を構成する天板57Aと、天板57Aを保持する保持部57Bにより構成されている。
放射線検出器60は、筐体55の天板57A部分の放射線Xが入射する面の反対側の面にTFT基板66側が対向するように配置されている。
ここで、放射線検出器60は、図6に示すように、シンチレータ71が形成された側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の裏面側に設けられたTFT基板66により放射線画像を読み取る、いわゆる裏面読取方式(所謂PSS(Penetration Side Sampling)方式)とされた場合、シンチレータ71の同図上面側(TFT基板66の反対側)でより強く発光し、TFT基板66側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の表面側に設けられたTFT基板66により放射線画像を読み取る、いわゆる表面読取方式(所謂ISS(Irradiation Side Sampling)方式)とされた場合、TFT基板66を透過した放射線がシンチレータ71に入射してシンチレータ71のTFT基板66側がより強く発光する。TFT基板66に設けられた各センサ部72には、シンチレータ71で発生した光により電荷が発生する。このため、放射線検出器60は、表面読取方式とされた場合の方が裏面読取方式とされた場合よりもTFT基板66に対するシンチレータ71の発光位置が近いため、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
本実施の形態では、図5に示すように、電子カセッテ10内部に、撮影面56から入射する放射線Xに対して表面読取方式となるように放射線検出器60が配置されている。
放射線画像の撮影を行う場合、放射線検出器60には被検者を透過した放射線Xが照射される。照射された放射線Xはシンチレータ71で光に変換され、センサ部72に照射される。センサ部72は、シンチレータ71から照射された光を受けて電荷を蓄積する。
画像読出時には、スキャン信号制御回路50から放射線検出器60のTFT70のゲート電極にゲート配線76を介して順次ON信号(+10〜20V)が印加される。これにより、放射線検出器60のTFT70が順次ONされることによりセンサ部72に蓄積された電荷量に応じた電気信号がデータ配線78に流れ出す。信号検出回路48は、放射線検出器60のデータ配線78に流れ出した電気信号に基づいて各センサ部72に蓄積された電荷量を、画像を構成する各画素の情報として検出する。これにより、放射線検出器60に照射された放射線により示される画像を示す画像情報を得る。
次に、本実施の形態に係る放射線検出器60の封止について説明する。
図7には、放射線検出器60の断面構成を概略的に示されている。また、図8には、第1の実施の形態に係る放射線検出器60のコネクタ38とフレキシブルケーブル42の接続部分の断面構成が示されている。なお、放射線検出器60のコネクタ40とフレキシブルケーブル44の接続部分についても同様の構成であるため、対応する箇所にコネクタ40及びフレキシブルケーブル44の符号を括弧で付して説明する。
放射線検出器60は、蒸着基板73にCsI:Tl等の材料を蒸着させて形成されたCsI:Tlの柱状結晶によるシンチレータ71を、柱状結晶領域71B側をTFT基板66に対向させるようにしてTFT基板66に接着している。
TFT基板66のコネクタ38(40)には、電極90A上に異方性導電フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))90Bが設けられている。TFT基板66のコネクタ38には、フレキシブルケーブル42の一端の電極92が接続され、コネクタ40にフレキシブルケーブル44の一端の電極92が接続される。
このフレキシブルケーブル42、44の制御基板22に接続される他端側の電極94には、剥離可能な保護部材を設けている。本実施の形態では、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂によるカバー96で覆った後にマスキングテープ97で覆っている。
本実施の形態に係る放射線検出器60は、このようにコネクタ38、40にフレキシブルケーブル42、44を接続した状態で放射線検出器60、及びフレキシブルケーブル42、44を一体的に覆うように保護膜100を形成する。
保護膜100は、ポリパラキシリレン樹脂(例えば、パリレン(登録商標))等の大気中の水分に対してバリア性を有する有機材料が用いられ、熱CVD(Chemical vapor deposition)法等の気相重合などにより形成される。なお、保護膜100は、有機膜と無機膜の積層構造を用いることもでき、無機膜の材料としては、例えば、窒化珪素(SiNx)膜、酸化珪素(SiOx)膜、酸窒化珪素(SiOxNy)膜、Al2O3等が好適である。
保護膜100の膜厚は、5〜50μm程度が好ましく、さらに10〜30μm程度であることがより好ましい。膜厚が、5μm未満であると、防湿効果を発揮されず、50μmを超えると、フレキシブルケーブル42、44の柔軟性が確保できなくなる。
このように、放射線検出器60にフレキシブルケーブル42、44を接続した状態で保護膜100を形成することにより、コネクタ38、40部分での防湿性が悪化を防止できる。また、一度の封止処理で、放射線検出器60と共に、コネクタ38、40とフレキシブルケーブル42、44の接続部分も保護することができる。
フレキシブルケーブル42、44は、制御基板22に接続する場合、マスキングテープ97及びカバー96が除去される。これにより、図9に示すように、フレキシブルケーブル42、44は、マスキングテープ97と共に保護膜100が取り除かれて電極94部分が露出するため、接続端子部分を制御基板22と接続させた際に保護膜100によって絶縁されることを防止できる(図11も参照)。
以上のように、本実施の形態によれば、放射線検出器60のコネクタ38、40にフレキシブルケーブル42、44を接続した状態で放射線検出器60及びフレキシブルケーブル42、44とコネクタ38、40の接続部分を保護膜100で覆って一体的に封止しているので、コネクタ38、40を再度封止する手間を省きつつ、コネクタ38、40での防湿性の低下を抑制できる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態に係る電子カセッテ10の構成、TFT基板66の構成は、上記第1の実施の形態(図1〜図3参照)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
図10には第2の実施の形態に係る放射線検出器60のコネクタ38とフレキシブルケーブル42の接続部分の断面構成が示されている。なお、放射線検出器60のコネクタ40とフレキシブルケーブル44の接続部分についても同様の構成であるため、対応する箇所にコネクタ40及びフレキシブルケーブル44の符号を括弧で付して説明する。
本実施の形態では、フレキシブルケーブル42、44をそれぞれフレキシブルな配線基板とする。また、信号検出回路48及びスキャン信号制御回路50をそれぞれ集積回路化し、信号検出回路48として機能するアンプIC(Integrated Circuit)102をフレキシブルケーブル42にTCP(Tape Carrier Package)実装させ、スキャン信号制御回路50として機能するゲートIC104をフレキシブルケーブル44にTCP実装させる。
そして、本実施の形態に係る放射線検出器60は、コネクタ38、40にフレキシブルケーブル42、44を接続した状態で放射線検出器60、及びフレキシブルケーブル42、44を一体的に覆うように保護膜100を形成する。
これにより、フレキシブルケーブル42、44に実装されたアンプIC102及びゲートIC104も一体的に保護膜100で封止できる(図12も参照)。
以上のように、本実施の形態よれば、フレキシブルケーブル42、44にアンプIC102及びゲートIC104を実装させ、アンプIC102及びゲートIC104も一体的に保護膜100で封止することにより、アンプIC102及びゲートIC104も一体的に保護でき、また、アンプIC102及びゲートIC104に外部からノイズが入ることを防止できる。
以上、本発明を第1、第2の実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記各実施の形態では、可搬型の放射線撮影装置である電子カセッテ10に本発明を適応した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、据置型の放射線撮影装置に適用してもよい。
また、上記各実施の形態では、放射線検出器60のコネクタ38、40にフレキシブルケーブル42、44を接続した状態でパリレン(登録商標)等により1回封止を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、蒸着基板73に蒸着によりCsI:Tlの柱状結晶を形成したシンチレータ71全体に保護膜を形成して一度封止を行い、保護膜が形成されたシンチレータ71とTFT基板66を接着し、TFT基板66のコネクタ38、40にフレキシブルケーブル42、44を接続した状態でパリレン(登録商標)等により封止を行うものとしてもよい。シンチレータ71の防湿性を高めるため、保護膜100の膜厚を厚くした場合、フレキシブルケーブル42、44の柔軟性が確保できなくなるが、シンチレータ71を個別に封止することにより、フレキシブルケーブル42、44の柔軟性を確保しつつ、シンチレータ71の防湿性を高めることができる。
また、上記各実施の形態では、間接変換方式の放射線検出器60に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、アモルファスセレン等を用いた光導電層により、放射線を電荷へ直接変換して蓄積する直接変換方式の放射線検出器に本発明を適用してもよい。
直接変換方式の放射線検出器120の一例を図13に示す。この放射線検出器120では、入射される放射線を電荷に変換する光導電層122がTFT基板124上に形成されている。光導電層122としては、アモルファスSe、Bi12MO20(M:Ti、Si、Ge)、Bi4M3O12(M:Ti、Si、Ge)、Bi2O3、BiMO4(M:Nb、Ta、V)、Bi2WO6、Bi24B2O39、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、MNbO3(M:Li、Na、K)、PbO、HgI2、PbI2、CdS、CdSe、CdTe、BiI3、GaAs等のうち少なくとも1つを主成分とする化合物などが用いられるが、暗抵抗が高く、照射された放射線に対して良好な光導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好適である。
光導電層122上には、光導電層122の表面側に形成され、光導電層122にバイアス電圧を印加するためのバイアス電極126が形成される。またTFT基板124には、間接変換方式の放射線検出器60と同様に、光導電層122で発生した電荷を収集する電荷収集電極128が形成されている。一方、直接変換方式の放射線検出パネルのTFT基板124は、各電荷収集電極128で収集された電荷を蓄積する電荷蓄積容量130が設けられている。各電荷蓄積容量130に蓄積された電荷はスイッチング素子132がオンされることで読み出される。
また、一例として図14に示すように、直接変換方式の放射線検出器120には、バイアス電極126と電気的に接続された印加用電極部134が設けられる。この印加用電極部134には、印加用接続配線136の一端部が、導電性を有する接着剤等によって接着される。また、印加用接続配線136の他端部には電極138が形成され、電極138は、バイアス電圧を発生させる電圧発生部140に設けられたコネクタ142に接続される。
放射線検出器120における保護膜100の形成は、印加用接続配線136の一端部を印加用電極部134に接着し、印加用接続配線136の電極138をカバー96及びマスキングテープ97で覆った状態で、これらを保護膜100で一体的に覆うように行う。これにより、印加用電極部134の防湿性が低下することを抑制できる。また、一度の封止処理で、放射線検出器120、コネクタ38,40とフレキシブルケーブル42,44の接続部分に加えて、印加用電極部134と印加用接続配線136との接続部分も保護することができる。
なお、印加用接続配線136の電極138を覆うカバー96及びマスキングテープ97は、保護膜100が形成された後で除去され、その後、電極138は電圧発生部140に設けられたコネクタ142に接続される。そして、電極138とコネクタ142との接続部分は、絶縁性の封止剤によって封止することができる。
また図14には、放射線検出器120として、第1の実施の形態に係る放射線検出器60と同様に、フレキシブルケーブル42,44を介して制御基板22に電気的に接続される構成を示したが、これに限定されるものではなく、図15に示す構成でもよい。図15に示す放射線検出器120は、第2の実施の形態と同様に、フレキシブルケーブル42,44を各々フレキシブルな配線基板とし、フレキシブルケーブル42にアンプIC102を、フレキシブルケーブル44にゲートIC104を各々TCP実装させている。
この態様における保護膜100の形成についても、印加用接続配線136の一端部を印加用電極部134に接着し、印加用接続配線136の電極138をカバー96及びマスキングテープ97で覆った状態で、これらを保護膜100で一体的に覆うように行う。これにより、印加用電極部134の防湿性が悪化することを防止できる。また、一度の封止処理で、放射線検出器120、コネクタ38、40とフレキシブルケーブル42、44の接続部分に加えて、印加用電極部134と印加用接続配線136との接続部分も保護することができる。
また、保護膜100の形成は、図14,15に示す態様のように、印加用接続配線136の一端部を印加用電極部134に接着した状態で行うことに限られるものではない。図16,17には、放射線検出器120、コネクタ38,40及びフレキシブルケーブル42,44を保護膜100で封止した後に、一端部が電圧発生部140に接続された印加用接続配線144の他端部が印加用電極部134に接着される態様を示す。この態様では、印加用電極部134をカバー96及びマスキングテープ97で覆った状態で保護膜100の形成が行われ、保護膜100が形成された後で印加用電極部134を覆うカバー96及びマスキングテープ97が除去される。その後、導電性を有する接着剤等によって印加用接続配線144の他端部が印加用電極部134に接着され、印加用接続配線144と印加用電極部134との接続部分が絶縁性の封止剤によって封止される。
また、上記各実施の形態では、放射線としてX線を検出することにより放射線画像を撮影する放射線撮影装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、検出対象とする放射線は、X線の他、ガンマ線、粒子線等いずれであってもよい。
また、上記各実施の形態では、制御基板22を1つで形成した場合について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されるものではなく、制御基板22が機能毎に複数に分かれていてもよい。さらに、制御基板22を、放射線検出器60と垂直方向(筐体55の厚み方向)に並んで配置する場合を説明したが、放射線検出器60と水平方向に並んで配置するようにしてもよい。
その他、上記各実施の形態で説明した構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。