本発明に係る放送受信装置は、アンテナ、チューナ部、信号増幅減衰部、復調部および切り替え制御部を有する。信号増幅減衰部は、アンテナとチューナ部との間に配設され、アンテナからの受信信号を、Ampで増幅させてまたはATTで減衰させてから、チューナ部に入力させる。復調部は、受信チャンネルのC/N値を検出する。そして、切り替え制御部は、前記検出したC/N値と信号増幅減衰部の設定状態(増幅状態:上記Amp設定または減衰状態:上記ATT設定)との比較により、受信チャンネルの電界強度状態を判別する。さらに、切り替え制御部は、当該判別結果に基づいて、信号増幅減衰部の増幅・減衰の切り替えを制御する。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る放送受信装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、放送受信装置100は、アンテナ1、信号増幅減衰部5、チューナ部7、A(アナログ)/D(デジタル)変換部8、復調部9、復号部10、および切り替え制御部11を備えている。
信号増幅減衰部5は、Amp(増幅器)3と、ATT(減衰器)4と、切り替えスイッチ2とを有する。切り替えスイッチ2は、切り替え制御部11により制御され、Amp設定のときはAmp3の側に、ATT設定のときはATT4の側に切り替わる。アンテナ1で受信された受信信号は、信号増幅減衰部5に入力される。信号増幅減衰部5は、切り替えスイッチ2の状態に応じて、受信信号を、Amp3で増幅またはATT4で減衰する。信号増幅減衰部5から出力された放送信号は、チューナ部7に入力される。ここで、放送信号には、少なくとも1以上の放送チャンネルの情報が含まれている。
チューナ部7からの出力されたアナログ信号は、A/D変換8により、デジタル信号に変換される。当該デジタル信号に変換された信号は、復調部9により、デジタル放送データに復調され、当該復調された信号は、復号部10により、音声映像信号に復号される。ここで、復調部9では、現在受信中である放送チャンネルのC/N値を検出することもできる。
切り替え制御部11は、復調部9から、現在受信中である放送チャンネルのC/N値を取得する。また、切り替え制御部11は、制御している信号増幅減衰部5の現在の切り替え状態(設定状態と把握でき、増幅設定または減衰設定)と取得したC/N値とに基づいて、受信している放送チャンネルの電界強度範囲を判別する。そして、切り替え制御部11は、電界強度範囲の前記判別結果に基づき、信号増幅減衰部5の切り替えスイッチ2を制御し、信号増幅減衰部5をAmp設定またはATT設定に設定する。
図2は、信号増幅減衰部5の設定状態、放送チャンネルの電界強度範囲およびC/N値との関係を示すモデル図である。また、図3は、信号増幅減衰部5の設定状態、C/N値および放送チャンネルの電界強度範囲の関係を表として示した図である。
ここで、図1に示す閾値Aは、良好に放送チャンネルを受信できるときの、C/N値の下限値(基準C/N値と把握できる。)を示している。当該閾値Aは、切り替え制御部11に予め設定され、保持されている。閾値Aの値は、映像や音声の出力が可能なC/N値の下限値であって、放送受信装置100の受信性能に依存する数値であり、例えば、閾値A=22dBのよう固定値でよい。
以下、図2および図3を参照して、切り替え制御部11による放送チャンネルの電界強度範囲判別動作、および当該判別結果に基づく信号増幅減衰部5に対する設定切り替え動作について、説明する。
放送受信装置100が受信している放送チャンネル毎において、切り替え制御部11は、Amp設定でのC/N値と、ATT設定でのC/N値とを、各々順次取得する。具体的に、切り替え制御部11は、信号増幅部5をAmp設定に制御し、当該Amp設定の結果、復調部9から取得するC/N値を、Amp設定でのC/N値として取得する。また、切り替え制御部11は、信号増幅部5をATT設定に制御し、当該ATT設定の結果、復調部9から取得するC/N値を、ATT設定でのC/N値として取得する。
切り替え制御部11は、取得したC/N値と信号増幅減衰部5の設定状態とに基づいて、現在受信していている放送チャンネルの電界強度範囲を判別する。ここでは、切り替え制御部11は、Amp設定でのC/N値と、ATT設定でのC/N値とから、現在受信していている放送チャンネルの電界強度範囲を判別する。
たとえば、Amp設定でのC/N値が閾値A以上で、かつ、ATT設定でのC/N値が閾値A以上であるとする。当該場合には、切り替え制御部11は、現在受信している放送チャンネルが、良好に受信可能であると判別する共に、図2の電界強度範囲c,d,eのいずれかの電界強度範囲(中電界範囲)であると、判別する。当該判別の場合には、信号増幅減衰部5がAmp設定であっても、ATT設定であっても、C/N値は閾値A以上となり、当該受信している放送チャンネルを良好に受信できる。よって、信号増幅減衰部5に対する切り替え制御は必要としない。しかしながら、一般的には、Amp設定の方がC/N値が高くなるケースが多い。したがって、当該判別結果の場合には、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える制御を行うことが好ましい。
上記と異なり、Amp設定でのC/N値が閾値A未満で、かつ、ATT設定でのC/N値も閾値A未満であるとする。当該場合には、切り替え制御部11は、現在受信している放送チャンネルが、良好には受信不可能な電界範囲(つまり、図1の電界強度範囲aの弱電界、または電界強度範囲gの強電界)であると、判別する。このように、受信困難な電界範囲と判別した場合には、信号増幅減衰部5がAmp設定であっても、ATT設定であっても、C/N値は閾値A未満となり、当該受信している放送チャンネルを良好に受信することは困難である。よって、信号増幅減衰部5に対する切り替え制御は必要としない。しかしながら、一般的には、電界強度範囲aの弱電界の場合では、Amp設定の方がC/N値が高くなるケースが多い。したがって、当該判別結果の場合には、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える制御を行うことが好ましい。
上記と異なり、Amp設定でのC/N値が閾値A以上で、かつ、ATT設定でのC/N値が閾値A未満であるとする。当該場合には、切り替え制御部11は、現在受信している放送チャンネルが、良好に受信可能であると判別する共に、図2の電界強度範囲bの電界強度範囲(弱電界範囲)であると、判別する。当該判別の場合には、信号増幅減衰部5がAmp設定である場合には当該受信している放送チャンネルの良好な受信が可能であり、ATT設定である場合には当該受信している放送チャンネルの良好な受信が困難である。よって、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える。
上記と異なり、Amp設定でのC/N値が閾値A未満で、かつ、ATT設定でのC/N値が閾値A以上であるとする。当該場合には、切り替え制御部11は、現在受信している放送チャンネルが、良好に受信可能であると判別する共に、図2の電界強度範囲fの電界強度範囲(強電界範囲)であると、判別する。当該判別の場合には、信号増幅減衰部5がATT設定である場合には当該受信している放送チャンネルの良好な受信が可能であり、Amp設定である場合には当該受信している放送チャンネルの良好な受信が困難である。よって、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をATT設定に切り替える。
上記判別動作および切り替え動作は、放送受信装置100が受信している放送信号に含まれる各放送チャンネル毎に、実施される。
以上のように、本実施の形態に係る放送受信装置100では、Amp設定およびATT設定のときの放送チャンネルのC/N値を得るだけで、受信している放送チャンネルにおける電界強度範囲を判別できる。また、当該放送受信装置100では、受信している放送チャンネルにおける当該電界強度範囲の判別により、信号増幅減衰部5の設定状態を適切にかつ自動的に切り替えている。したがって、放送受信装置100は、簡単な方法により、弱電力から強電力までの広い電界強度範囲の受信信号に対して、良好な放送受信を行うことができる。
また、本実施の形態に係る放送受信装置100では、Amp設定でのC/N値と、ATT設定でのC/N値と、閾値Aとを用いて、各放送チャンネル毎に、電界強度範囲を判別している。したがって、放送受信装置100は、簡単かつ正確に、受信している放送チャンネルの電界強度範囲を判別できる。よって、放送受信装置100は、当該判別を通じて、信号増幅減衰部5の設定を正確(適切)に切り替えることができる。
また、本実施の形態に係る放送受信装置100では、受信している放送チャンネルが、良好に受信可能な強電界範囲であると判別したときのみ、信号増幅減衰部5をATT設定に切り替え、それ以外の判別の場合には、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替えている。したがって、放送受信装置100は、良好に受信可能とした放送チャンネルの受信はもちろん、良好な受信が困難と判断した放送チャンネルに対しても受信できる確率を増大させることができる。
なお、図1の構成とは異なり、アンテナで受信した受信信号を同一の信号増幅減衰部が入力し、当該信号増幅減衰部の出力をスプリッタで分岐させ、複数のチューナ部に並列入力する構成の放送受信装置を採用しても良い。
当該構成では、複数のチューナ部で受信している放送チャンネルが全て受信可能弱電界チャンネルの時は信号増幅減衰部をAmp設定に、受信可能強電界チャンネルの時は信号増幅減衰部をATT設定にする。これにより、全てのチューナ部で受信可能である。しかしながら、同時に受信させたい放送チャンネルが受信可能弱電界チャンネルと受信可能強電界チャンネルである時は、当該構成・動作の放送受信装置では、前記各放送チャンネルの同時受信が困難となる。
そこで、上記構成の放送受信装置の場合には、一般に、信号増幅減衰部の設定をAmp設定またはATT設定のどちらかに固定する。信号増幅減衰部の設定を選択する方法として、受信可能弱電界チャンネルの数と、受信可能強電界チャンネルの数を比較し、信号増幅減衰部をAmp設定またはATT設定のどちらかに固定した時、受信できなくなるチャンネル数よりも受信可能となるチャンネル数の方が多くなる方の設定にすることができる。または、一般に受信可能強電界チャンネルは、放送受信装置の設置場所から最近傍の送信所からの受信であることが多く、受信地域にとって重要性の高い放送チャンネルであることがある。この時は、受信可能強電界チャンネルが存在する場合に、受信可能弱電界チャンネルの有無に関わらず、信号増幅減衰部をATT設定に固定しても良い。当該放送受信装置の具体的説明は、実施の形態2で行う。
また、上記では、特定の放送チャンネルについて、電界強度範囲の判別と、それに基づく信号増幅減衰部5の設定の切り替えをする方法を示した。しかし、複数の放送チャンネルでチャンネル切り替えをする場合は、チャンネル切り替え時に、その都度、電界強度範囲の判別と信号増幅減衰部の切り替えをして、最適な信号増幅減衰部5の設定にすることができる。または、各放送チャンネルに最適な信号増幅減衰部5の設定値を事前に記憶しておき、チャンネル切り替え時に、この設定値を読み出して、信号増幅減衰部5をAmp設定またはATT設定に切り替えてもよい。当該放送受信装置の具体的説明は、実施の形態3で行う。
一方、複数のチューナ部の前段に、それぞれのチューナ部専用の信号増幅減衰部を有し、アンテナからの受信信号をスプリッタで分岐させてから、それぞれの信号増幅減衰部に入力し、それを各チューナ部に入力する構成の放送受信装置も採用できる。
当該構成の放送受信装置の場合には、各チューナ部の信号増減部を個別にAmp設定またはATT設定に切り替え制御することができる。例えば、受信可能弱電界チャンネルを受信するチューナ部の信号増幅減衰部はAmp設定とし、受信可能強電界チャンネルを受信するチューナ部の信号増幅減衰部はATT設定とする。これにより、受信可能弱電界チャンネルと受信可能強電界チャンネルとを、同時受信することも可能である。当該放送受信装置の具体的説明は、実施の形態4で行う。
なお、他の実施の形態において、他の変形例である本発明に係る放送受信装置の説明を行う。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態では、アンテナからの受信信号を信号増幅減衰部に入力し、その信号増幅減衰部の出力を分岐させ、複数のチューナ部に入力する構成の放送受信装置について説明する。当該放送受信装置では、各放送チャンネルの電界強度範囲をC/N値から判別し、良好に受信可能な弱電界チャンネル数と良好に受信可能な強電界チャンネル数とを比較する。当該比較の結果、受信可能強電界チャンネル数の方が多ければ、信号増幅減衰部をATT設定に切り替え、固定し、そうでなければAmp設定に切り替え、固定する。
図4は、本発明の実施形態に係る放送受信装置200の構成を示す、ブロック図である。
当該放送受信装置200では、一つのアンテナ1、一つの信号増幅減衰部5、一つのスプリッタ6、一つの切り替え制御部11と、二つのチューナ部7a,7b、二つのA/D変換部8a,8b、二つの復調部9a,9b、二つの復号部10a,10bとから、構成されている。
なお、図1に示す放送受信装置100と図4に示す放送受信装置200とにおいて、各ブロックで同じ名称のブロックは、同じ動作・機能を有する。
チューナ部7a、A/D変換部8a、復調部9a、および復号部10aは、当該順に、直列接続されている(第一の系統と称する)。また、チューナ部7b、A/D変換部8b、復調部9b、および復号部10bは、当該順に、直列接続されている(第二の系統と称する)。信号増幅減衰部5からの出力は、スプリッタ6で分岐され、第一の系統および第二の系統に各々入力する。また、復調部9aで検出したC/N値および復調部9bで検出したC/N値は、各々切り替え制御部11に入力する。
なお、図4の構成では、二つの系統を有する放送受信装置200について図示しているが、三つ以上の系統を有する放送受信装置であっても良い。各系統は、チューナ部、A/D変換部、復調部、および復号部が、当該順に直列接続された構成である。当該構成の場合には、スプリッタ6で分岐された信号は各々、各系統に入力する。また、各復調部で検出したC/N値は各々、切り替え制御部11に入力する。
また、実施の形態1での説明と同様に、図4の構成では、アンテナ1から出力された信号は、信号増幅減衰部5に入力される。当該信号増幅減衰部5は、Amp3と、ATT4と、切り替えスイッチ2とを有し、切り替えスイッチ2は、切り替え制御部11により制御される。
実施の形態1でも説明したように、チューナ部7a,7bの出力は、A/D変換8a,8bでデジタル信号に変換された後、復調処理9a,9bにより復調され、復号処理10a,10bで音声映像信号に復号される。切り替え制御部11は、復調処理9a,9bより現在受信中である放送チャンネルのC/N値を各々取得し、信号増幅減衰部5の切り替え状態と取得したC/N値とから、放送チャンネルの電界強度範囲を判別する。また、切り替え制御部11は、放送チャンネルの電界強度範囲の判別結果に基づき、信号増幅減衰部5の切り替えスイッチ2を制御し、信号増幅減衰部5をAmp設定またはATT設定に設定する。
本実施の形態に係る放送受信装置200では、例えば、放送受信装置200を使用する際に、受信に最適な信号増幅減衰部5の設定が、Amp設定とATT設定のどちらかであるかを調べるためのチャンネルスキャンをはじめに行う。その後、最適な信号増幅減衰部5の設定にした後で、放送受信装置200は、再度チャンネルスキャンを行い、各放送チャンネルの放送波ストリームの復調と復号を行う。
はじめのチャンネルスキャンでは、放送受信装置200は、フレームロックされた放送チャンネルそれぞれで、信号増幅減衰部5をAmp設定およびATT設定のそれぞれに切り替えたときのC/N値を各々取得し、取得したC/N値から受信中の放送チャンネルの電界強度範囲を判別する。当該判別の結果、受信している放送チャンネルが、良好に受信可能な弱電界範囲であると判別した場合は、放送受信装置200は、受信可能弱電界チャンネル数(第一のチャンネル数と把握できる)をカウントする変数に、「1」を加算する。また、当該判別の結果、受信している放送チャンネルが、良好に受信可能な強電界範囲であると判別した場合は、放送受信装置200は、受信可能強電界チャンネル数(第二のチャンネル数と把握できる)をカウントする変数に、「1」を加算する。
全てのフレームロック可能な放送チャンネルについて、上記電界強度範囲の判別と上記チャンネル数のカウントが終了した後、切り替え制御部11は、当該カウントの結果に応じて、次の動作を行う。つまり、切り替え制御部11は、受信可能強電界チャンネル数が、受信可能弱電界チャンネル数以上であれば、信号増幅減衰部5をATT設定に切り替える。これに対して、切り替え制御部11は、受信可能強電界チャンネル数が、受信可能弱電界チャンネル数未満であれば、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える。
当該信号増幅減衰部5の切り替え制御の後、放送受信装置200は、信号増幅減衰部5の切り替え設定を固定する。そして、当該設定を固定した状態で、放送受信装置200は、再度、フレームロック可能であった放送チャンネルについて、チャンネルのTS(Transport Stream)解析までを含むチャンネルスキャンを行い、放送受信装置200に放送局情報等のチャンネル登録を行う。
図5は、実施の形態2に係る放送受信装置200の動作を説明するフローチャートである。
図5において、まずステップS1で、放送受信装置200は、チャンネルスキャンが開始する。そして、放送受信装置200は、ステップS2で、変数ch_attと変数ch_ampを各々、「0」に初期化する。ここで、変数ch_attは、受信可能強電界チャンネルの数をカウントする変数であり、ch_ampは、受信可能弱電界チャンネルの数をカウントする変数である。
ステップS3において、信号増幅減衰部5の設定がAmp設定に切り替わる。この状態で、ステップS4において、放送受信装置200は、スキャンする放送チャンネルをチューナ部7a,7bで設定(選局)する。そして、放送受信装置200は、ステップS5において、フレームロック(同調)できたか否かの確認を行う。ステップS5でフレームロックできない判定された場合には(ステップS5で「N」)、次の放送チャンネルのスキャンを行うために、放送受信装置200はステップS10の動作へと移行する。これに対して、ステップS5でフレームロックできたと判定された場合には(ステップS5で「Y」)、放送受信装置200は、ステップS6の動作へと移行する。
さて、ステップS3により信号増幅減衰部5は、Amp設定となっている。そこで、ステップS6において、復調部9a,9bは、受信している放送チャンネルのAmp設定でのC/N値を検出する。そして、ステップS6では、切り替え制御部11は、当該検出したC/N値を取得し、変数cn_ampに格納する。そして、ステップS7において、信号増幅減衰部5の設定がATT設定に切り替わる。次に、ステップS8において、復調部9a,9bは、受信している放送チャンネルのATT設定でのC/N値を検出する。そして、ステップS8では、切り替え制御部11は、当該検出したC/N値を取得し、変数cn_attに格納する。
次に、ステップS9において、切り替え制御部11は、変数cn_ampとcn_attとに格納された各C/N値をもとに、受信している放送チャンネルの電界強度範囲を判別する。そして、受信している放送チャンネルが受信可能弱電界チャンネルであると判別されれば、切り替え制御部11は、変数ch_ampに「1」を加算する。他方、受信している放送チャンネルが受信可能強電界チャンネルであると判別されれば、切り替え制御部11は、変数ch_attに「1」を加算する。ステップS9の後、ステップS10に移行する。なお、当該ステップ9の詳細な動作は、別途図6を用いて後述する。
ステップS10において、放送受信装置200は、全ての放送チャンネルのスキャンが完了したか否かを判断する。まだスキャンすべき放送チャンネルが残っている場合には(ステップS10で「N」)、ステップS3に戻り、次の放送チャンネルのフレームロックと電界強度範囲判別を継続する。他方、スキャンすべき放送チャンネルが無い場合には(ステップS10で「Y」)、放送受信装置200の動作はステップS11に移行する。
ステップS11において、切り替え制御部11は、全放送チャンネルについてのチャンネルスキャンの結果計数した、変数ch_ampと変数ch_attとを比較する。当該比較の結果、受信可能強電界チャンネル数である変数ch_attが、受信可能弱電界チャンネル数である変数ch_amp以下であるとする(ステップS11で「Y」)。当該場合には、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をATT設定に切り替える(ステップS12)。これに対して、当該比較の結果、受信可能強電界チャンネル数である変数ch_attが、受信可能弱電界チャンネル数である変数ch_amp未満であるとする(ステップS11で「N」)。当該場合には、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える(ステップS13)。
ステップS12,S13により設定された信号増幅減衰部5の設定(最適設定と把握できる)を、放送受信装置200は固定する。そして、当該設定固定状態において、図5のステップS14〜ステップS17に示す、放送波ストリームの復調、復号およびチャンネル登録を含むチャンネルスキャン処理を、放送受信装置200は実施する。
まず、ステップS14で、放送受信装置200は、スキャンする放送チャンネルをチューナ部7a,7bで設定(選局)する。そして、ステップS15で、放送受信装置200は、フレームロック(同調)できたか否かを確認する。フレームロックできない場合には(ステップS15で「N」)、放送受信装置200は、次の放送チャンネルのスキャンに進めるために、ステップS17の動作に移行する。他方、フレームロックできた場合には(ステップS15で「Y」)、放送受信装置200は、ステップS16の動作に移行する。
ステップS16において、放送受信装置200は、放送波ストリームの復調(復調部9a,9b)と復号(復号部10a,10b)とを行って、受信している放送チャンネルのストリームを解析する(TS解析)。そして、ステップS16において、放送受信装置200は、放送局名などの情報取得や自装置200へのチャンネル登録等を行う。なお、前記TS解析に失敗し、正常に受信できない放送チャンネルがあった場合には、放送受信装置200は、前記情報の取得や前記登録等を実施せず、ステップS17に進む。
ステップS17において、放送受信装置200は、全ての放送チャンネルのスキャンが完了したか否かを判断する。まだスキャンすべき放送チャンネルが残っている場合(ステップS17で「N」)は、未スキャンの放送チャンネルに対してステップS14からの処理を、放送受信装置200は実施する。他方、全ての放送チャンネルに対してスキャンが完了した場合には(ステップS17で「Y」)、ステップS18により、放送受信装置200は、チャンネルスキャンを終了する。
次に、上記ステップS9の動作の詳細を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS9で説明した電界強度範囲の判別では、受信している放送チャンネルについて取得した、Amp設定の時のC/N値(変数cn_amp)と、ATT設定の時のC/N値(変数cn_att)とを用いて、当該放送チャンネルの電界強度範囲が判別される。当該判別の結果、図2の弱電界範囲b(受信可能な弱電界範囲)であれば、切り替え制御部11は、受信可能弱電界チャンネル数をカウントする変数ch_ampを、1つカウントアップする。他方、当該判別の結果、図2の弱電界範囲f(受信可能な強電界範囲)であれば、切り替え制御部11は、受信可能強電界チャンネル数をカウントする変数ch_attを、1つカウントアップする。当該一連の処理が、ステップS20〜ステップS27である。
つまり、ステップS20で、切り替え制御部11は、電界強度範囲の判別処理を開始する。そして、ステップS21において、切り替え制御部11は、変数cn_ampと変数cn_attの両方が、実施の形態1で説明した閾値A未満かを判断する。両変数が共に閾値A未満である場合には(ステップS21で「Y」)、受信している放送チャンネルは、図2の弱電界範囲aまたは強電界範囲gである。当該場合には、信号増幅減衰部5の設定がAmp設定かATT設定かにかかわらず、良好に放送チャンネルを受信できない。したがって、信号増幅減衰部5の切り替え制御は必要ではなく、ステップS27に進み、切り替え制御部11は、電界強度範囲の判別処理を終了する。これに対して、少なくとも一方の変数が閾値A以上である場合には(ステップS21で「N」)、切り替え制御部11は、ステップS22の処理を行う。
ステップS22では、切り替え制御部11は、変数cn_ampと変数cn_attとの両方が、閾値A以上であるか否かを判断する。両変数が共に閾値A以上である場合には(ステップS22で「Y」)、受信している放送チャンネルは、図2の中電界範囲c,d,eである。当該場合には、信号増幅減衰部5の設定がAmp設定かATT設定かにかかわらず、良好に放送チャンネルを受信できる。したがって、信号増幅減衰部5の切り替え制御は必要ではなく、ステップS27に進み、切り替え制御部11は、電界強度範囲の判別処理を終了する。これに対して、一方の変数のみが閾値A以上である場合には(ステップS22で「N」)、受信している放送チャンネルは、図2の良好受信可能な弱電界範囲bまたは良好受信可能な強電界範囲fである。したがって、当該場合には、信号増幅減衰部5の切り替え制御が必要となる。そこで、切り替え制御部11は、ステップS23以降の動作を行う。
ステップS23において、切り替え制御部11は、変数cn_ampと変数cn_attの間に、明確な差があるかを判断する。具体的に、切り替え制御部11は、|(変数cn_amp)−(変数cn_att)|≦閾値B、つまり、変数cn_ampと変数cn_attとの差の絶対値が閾値B以下、であるか否かを判断する。ここで、当該閾値Bは、切り替え制御部11に予め設定されている。閾値Bの値は、例えばB=2dBなど、取得されるC/N値の変動範囲程度にすると良い。
|(変数cn_amp)−(変数cn_att)|≦閾値Bを満たす場合とは、受信している放送チャンネルにおいて、Amp設定でのC/N値とATT設定でのC/N値との間に明確な差がない状態である。当該場合には、信号増幅減衰部5の切り替え制御を行っても受信している放送チャンネルのC/N値が改善される可能性が低い。したがって、信号増幅減衰部5の切り替え制御は必要ではなく、ステップS23で「Y」でステップS27に進み、切り替え制御部11は、電界強度範囲の判別処理を終了する。
これに対して、|(変数cn_amp)−(変数cn_att)|≦閾値Bを満たさない場合とは、受信している放送チャンネルにおいて、Amp設定でのC/N値とATT設定でのC/N値との間に明確な差がある状態である。当該場合には、信号増幅減衰部5の切り替え制御により、受信している放送チャンネルのC/N値が、大きく向上する可能がある。そこで、切り替え制御部11は、ステップS24移行の動作を行う。
ここで、図7は、取得されるC/N値とその変動(誤差)範囲との関係を示す図である。図7の縦軸は、C/N値である。また、図7に示す「A」は、閾値Aであり、「B」は、閾値Bである。また、「○」は、取得されたC/N値である。なお、図7には、C/N値のゆらぎの範囲(変動範囲)も示している。
図7の(a)は、取得されたC/N値が閾値A以下であるが、C/N値の変動範囲の中心は閾値A以上の場合を表している。図7の(b)は、取得されたC/N値が閾値A以上であるが、C/N値の変動範囲の中心は閾値A以下の場合を表している。図7の(a)がAmp設定、(b)がATT設定のときに取得されたC/N値であったと仮定する。本来は、Amp設定の方がATT設定よりも、C/N値が閾値A以上となる確率が高くなるが、前記仮定では、ATT設定が有効となる可能性がある。上記ステップS23の動作により、前記可能性を除去することがきる。
さて、図6の説明に戻り、ステップS24では、切り替え制御部11は、変数cn_attと変数cn_ampとを比較する。つまり、ステップS24において、切り替え制御部11は、変数cn_attと変数cn_ampとの大小関係を比較する。
変数cn_attが変数cn_ampより小さい場合とは、受信している放送チャンネルは、図2の弱電界範囲bである。そこで、当該場合には、ステップS24で「N」となり、ステップS25で、切り替え制御部11は、受信可能弱電界チャンネルをカウントする変数ch_ampに「1」を加算する。そして、ステップS27に進み、切り替え制御部11は、電界強度範囲の判別処理を終了する。
これに対して、変数cn_attが変数cn_ampより大きい場合とは、受信している放送チャンネルは、図2の弱電界範囲fである。そこで、当該場合には、ステップS24で「Y」となり、ステップS26で、切り替え制御部11は、受信可能強電界チャンネルをカウントする変数ch_attに「1」を加算する。そして、ステップS27に進み、切り替え制御部11は、電界強度範囲の判別処理を終了する。
以上のように、受信している放送チャンネルのAmp設定およびATT設定のときのC/N値を用いて、受信している放送チャンネルが受信可能弱電界チャンネルであれば、変数ch_ampをカウントアップし、当該放送チャンネルが受信可能強電界チャンネルであれば変数ch_attをカウントアップする。また、前記カウントアップの処理は、チャンネルスキャン中に、フレームロックされた放送チャンネルを対象に実施される。
以上のように、本実施の形態に係る放送受信装置200では、Amp設定でのC/N値とATT設定のC/N値とを用いて、受信している放送チャンネルの電界強度範囲を判別し、放送信号に含まれる全ての放送チャンネルについて、当該判別を行う。そして、その結果得られる、受信可能弱電界チャンネル数と受信可能強電界チャンネル数との比較に基づいて、信号増幅減衰部5の設定を切り替え、固定している。したがって、放送受信装置200は、弱電界から強電界の広い電界強度の放送信号に対して、より多くの放送チャンネルを良好に受信することが可能となる。
ここで、図6の動作では、ステップS23において、Amp設定でのC/N値(変数cn_amp)とATT設定でのC/N値(変数cn_att)との差が、大きいか否かの判断をしている。ところで、図2の電界強度範囲bまたは電界強度範囲fにおいては、本来、変数cn_ampと変数cn_attとの差は、取得されるC/N値の誤差範囲以上であることが多い。また、取得されるC/N値が安定していて、取得値のばらつきが小さい場合、図7で示したような、取得されるC/N値のばらつきによる判定の誤りは発生しにくい。したがって、図6において、ステップS23の動作を省略しても良い。なお、ステップS23を省略する場合には、ステップS24において、変数cn_amp=変数cn_attと、判断される可能性が生じる。当該判断が発生した場合には、ステップS25,S26を実施せず、ステップS27に進めば良い。
また、図5のステップS6とステップS8とにおいてC/N値が取得される。ここで、信号増幅減衰部5の設定を切り替えた(ステップS3、ステップS7)直後では、復調部9a,9bで検出されるC/N値の値は大きく変動する。また、取得対象であるC/N値は時間経過とともにある程度変動ことが多い。そこで、信号増幅減衰部5の設定切り替え後に、ある程度の時間インターバルをおいてから、Amp設定でのC/N値およびATT設定でのC/N値を取得することが望ましい。または、Amp設定でのC/N値を複数回に渡り取得し、またATT設定でのC/N値を複数回に渡り取得し、ステップS6の変数cn_ampとして、Amp設定での平均のC/N値を取得し、ステップS8の変数cn_attとして、ATT設定での平均のC/N値を取得しても良い。この場合には、当該平均のC/N値を各々使用して、ステップS9の動作が実施される。
また、図5の動作では、信号増幅減衰部5の設定を固定した後、ステップS14移行において第2のチャンネルスキャンを行っている。しかしながら、図5における第1のチャンネルスキャンのステップS5で、フレームロックできなかった放送チャンネルは、ステップS15でもフレームロックできないことが多い。そこで、ステップS5でフレームロックできた放送チャンネルを放送受信装置200は記憶し、当該記憶した放送チャンネルのみを、ステップS14移行の第2のチャンネルスキャンの対象とすることが望ましい。これにより、第1のチャンネルスキャンでフレームロックできた放送チャンネルのみを対象に、第2のチャンネルスキャンを行うことができるので、第2のチャンネルスキャン回数を削減することができる。
また、図5、および後述する図8、実施の形態3の図10、その他の実施の形態の図14と図15の動作では、前もって信号増幅減衰部の設定をAmp設定に切り替え、この状態で受信する放送チャンネルを選局して、フレームロックできたか否かの確認を行う。しかしながら、信号増幅減衰部をATT設定に切り替えた状態もしくはAmp設定とATT設定の両方で、放送チャンネルを選局し、フレームロックできたか否かの確認を行っても良い。例えば前述の図5の動作においては、ステップS3を「ATT設定に切り替え」に変更し、ステップS5とステップS6との間で、信号増幅減衰部をAmp設定に切り替える処理を行うことで、上記ATT設定に切り替えた状態でのフレームロックできたか否かの確認を実施することができる。
また一般に、放送受信装置の設置場所は、強電界である放送信号の受信環境よりも、弱電界・中電界である放送信号の受信環境であることが多い。そこで、はじめのチャンネルスキャン中にAmp設定であるときのTS解析と、受信可能放送チャンネルの登録とを行う。これにより、弱電界・中電界である放送信号の受信環境においては、第2のチャンネルスキャンを省略することもできる。図8は、当該事項に基づき図5に示す処理に変更を加えた、フローチャートである。図8に示す処理では、図5で説明したチャンネルスキャンにおける処理に対して、放送チャンネルの受信状態の判定を行う第1のチャンネルスキャン中に、信号増幅減衰部5がAmp設定であるときのTS解析までを行う。以下、図8に示す処理の流れを説明する。
図8の処理では、まずステップS30で、放送受信装置200は、チャンネルスキャンを開始する。そして、ステップS31において、放送受信装置200は、変数ch_attと変数ch_ampとを各々、初期化する。そして、ステップS32において、信号増幅減衰部5は、Amp設定に切り替えられる。次に、ステップS33において、放送受信装置200は、スキャンするチャンネルを設定する。その後、ステップS34において、放送受信装置200は、フレームロックしたか否かを判断する。
フレームロックしないときは(ステップS34で「N」)、次のチャンネルのスキャンをするために、放送受信装置200は、ステップS41の処理に進む。他方、フレームロックしたときは(ステップS34で「Y」)、ステップS35で、復調部9a,9bで検出されたAmp設定でのC/N値を、切り替え制御部11は取得する。そして、ステップS35において、切り替え制御部11は、当該取得したAmp設定でのC/N値を、変数cn_ampに格納する。
次に、ステップS36において、信号増幅減衰部5は、ATT設定に切り替えられる。その後、ステップS37で、復調部9a,9bで検出されたATT設定でのC/N値を、切り替え制御部11は取得する。そして、ステップS37において、切り替え制御部11は、当該取得したATT設定でのC/N値を、変数cn_attに格納する。
次に、ステップS38において、切り替え制御部11は、変数cn_ampと変数cn_attとを用いて、図6で説明した受信状態の判定(電界強度範囲の判別)を行う。その後、ステップS39において、信号増幅減衰部5は、Amp設定に切り替えられる。そして、ステップS40において、放送受信装置200はTS解析を行い、Amp設定のときの受信している放送チャンネルの情報取得やチャンネル登録等を行う。
次に、ステップS41では、放送受信装置200は、まだ第1のチャンネルスキャンの終わっていない放送チャンネルがあるか否かを判断する。全放送チャンネルに対する第1のチャンネルスキャンが終了していなければ(ステップS41で「N」)、ステップS32に戻って、他の放送チャンネルに対して、第1のチャンネルスキャンを継続する。他方、全放送チャンネルに対する第1のチャンネルスキャンが終了していれば(ステップS41で「Y」)、放送受信装置200は、ステップS42の処理に進む。
ステップS42では、ステップS38でカウントされた、受信可能弱電界チャンネルの数である変数ch_ampと受信可能強電界チャンネルの数である変数ch_attとを、切り替え制御部11は比較する。
変数ch_ampが変数ch_att以上であれば(ステップS42で「Y」)、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5の最適設定はAmp設定であると判断する。ここで、ステップS39の処理により、信号増幅減衰部5はAmp設定であるので、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える処理を省略することができる。また、ステップS40により、既に第1のチャンネルスキャンでAmp設定でのTS解析とチャンネル登録は行われている。よって、チャンネルスキャン結果としては、Amp設定でのTS解析で得られたチャンネル情報が放送受信装置200に適用される。これにより、ステップS42で「Y」の場合には、放送受信装置200は、ステップS48でチャンネルスキャンを終了する。
これに対して、変数ch_ampが変数ch_att未満であれば(ステップS42で「N」)、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5の最適設定がATT設定であると判断する。したがって、放送受信装置200は、第1のチャンネルスキャンで登録された、登録チャンネル情報を破棄し、ステップS43移行の処理を行う。
さて、ステップS42の結果を受けて、ステップS43において、信号増幅減衰部5は、最適設定と判断されたATT設定に切り替えられる。その後、ステップS44からの第2のチャンネルスキャンにより、ATT設定でのTS解析とチャンネル登録を行う。具体的に、ステップS44において、法送受信装置200は、スキャンをする放送チャンネルを設定する。そして、ステップS45で、放送受信装置200は、フレームロックができたか否かを判断する。
フレームロックしなければ(ステップS45で「N」)、放送受信装置200はステップS47に進む。他方、フレームロックができれば(ステップS45で「Y」)、放送受信装置200は、ステップS46でTS解析を行い、ATT設定でのチャンネル登録を行ってから、ステップS47に進む。
ステップS47では、放送受信装置200は、全放送チャンネルに対して第2のチャンネルスキャンがされたか否かを判断する。全放送チャンネルに対する第2のチャンネルスキャンが完了していなければ(ステップS47で「N」)、放送受信装置200は、ステップS44に戻り、他の放送チャンネルに対してステップS44移行の処理を再度行う。他方、全放送チャンネルに対する第2のチャンネルスキャンが完了していれば(ステップS47で「Y」)、放送受信装置200は、ステップS48によりチャンネルスキャンを終了する。
上記図8に示す処理では、信号増幅減衰部5の最適設定がATT設定となる場合のみ、第2のチャンネルスキャンが行われ、Amp設定が最適設定である場合は、第1のチャンネルスキャンのみで終了する利点がある。
なお、本実施の形態で説明した放送受信装置200では、良好に受信できる放送チャンネル数が多くなるように、信号増幅減衰部5の設定(切り換え)が決定される。ところで、例えば、受信可能強電界チャンネルが、放送受信装置200を設置している地域の放送局であり、他の放送チャンネルより優先度が高い場合もある。したがって、受信可能強電界チャンネルが1つでも存在した場合には、受信可能弱電界チャンネルの有無に関わらず、信号増幅減衰部5をATT設定としても良い。当該場合には、図5のステップS11および図8のステップS42を、切り替え制御部11が「変数ch_att>0」の判断を行う処理に変更すれば良い。これにより、受信可能強電界チャンネルが1以上存在するときに、信号増幅減衰部5はATT設定となる。したがって、前記判断および信号増幅減衰部5の切り替えを行う放送受信装置200は、受信可能強電界チャンネルを優先的に受信できる。
また、信号増幅減衰部5の構成として、図9に示す各バリエーションを採用することができる。図9に示す信号増幅部5の構成は、本実施の形態に係る放送受信装置のみならず、他の実施の形態に係る放送受信装置において適用できる。
図9の(1)に示す信号増幅減衰部5は、図1,4で示した信号増幅減衰部5の構成と同じである。図9の(2)に示す信号増幅減衰部5は、Amp3と切り替えスイッチ2とで構成されており、受信信号をAmp3で増幅または直通させて、チューナ部に入力させる。図9の(3)に示す信号増幅減衰部5は、ATT4と切り替えスイッチ2とで構成されており、受信信号をATT4で減衰または直通させて、チューナ部に入力させる。
図9の(1)に示す構成の変わりに、図9の(2)に示す構成を採用する場合には、「ATT設定」を「受信信号の直通」と読み替えれば良い。また、図9の(1)に示す構成の変わりに、図9の(3)に示す構成を採用する場合には、「Amp設定」を「受信信号の直通」と読み替えれば良い。
<実施の形態3>
本実施の形態に係る放送受信装置では、アンテナで受信した放送信号を信号増幅減衰部に入力し、当該信号増幅減衰部の出力を1つのチューナ部に入力する構成に関する。つまり、実施の形態2で説明した「系統」が一つの場合の構成であり、ブロック構成は図1に示すものである。したがって、本実施の形態に係る放送受信装置は、図1を用いて説明する。これにより、本実施の形態に係る放送受信装置も、放送受信装置100と記すこととする。
また、本実施の形態に係る放送受信装置100では、受信している放送チャンネルの電界強度範囲をC/N値から判別し、受信可能強電界チャンネル数を用いて、信号増幅減衰部をAmp設定またはATT設定に切り替る。当該放送受信装置100では、設置時にはじめに行われるチャンネルスキャンにおいて、受信可能な各放送チャンネルにおける最適な信号増幅減衰部の設定(Amp設定、ATT設定)を、最適設定値として記録しておく。そして、視聴チャンネルの切り替え時に、当該放送受信装置100は、記録された当該最適設定値に従って、信号増幅減衰部の設定切り替えを行う。
以下、本実施の形態に係る放送受信装置100を、図10のフローチャートを用いて具体的に説明する。
図10に示す処理では、図6で示した処理を流用する。そして、受信している放送チャンネルが受信可能強電界チャンネルであるときは、当該放送チャンネルをATT設定のチャンネルとして記録する。他方、受信している放送チャンネルが受信可能強電界チャンネル以外の電界強度範囲のものであれば、当該放送チャンネルをAmp設定のチャンネルとして記録する。
図10において、まずステップS50で、放送受信装置100は、チャンネルスキャンを開始する。そして、放送受信装置100は、ステップS51において、実施の形態2で説明した変数ch_attを「0」に初期化する。その後、ステップS52において、信号増幅減衰部5は、Amp設定に切り替えられる。そして、ステップS53では、当該Amp設定の状態で、スキャンする放送チャンネルにチューナ部7を設定する。その後、放送受信装置100は、ステップS54で、当該設定された放送チャンネルがフレームロックできたか否かを判断する。
フレームロックできなければ(ステップS54で「N」)、次の放送チャンネルのスキャンのために、放送受信装置100はステップS65に進む。他方、フレームロックできれば(ステップS54で「Y」)、ステップS55において、切り替え制御部11は、Amp設定のときのC/N値を取得し、当該取得したC/N値を、実施の形態2で説明した変数cn_ampとして格納する。次に、ステップS56において、信号増幅減衰部5はATT設定に切り替えられる。その後、ステップS57で、切り替え制御部11は、ATT設定のときのC/N値を取得し、当該取得したC/N値を実施の形態2で説明した変数cn_attとして格納する。
ステップS58では、切り替え制御部11は、変数cn_ampと変数cn_attとを用いて、図6に示した処理を行う。そして、ステップS58では、受信している放送チャンネルが図2の電界強度範囲fで示される受信可能強電界チャンネルであると判断されれば、切り替え制御部11は、変数ch_attに「1」を設定する。他方、ステップS58では、受信している放送チャンネルが図2の電界強度範囲f以外で示される電界強度範囲であると判断されれば、切り替え制御部11は、変数ch_attを「0」のままとする。
次に、ステップS59において、切り替え制御部11は、変数ch_attが「0」であるか否かを判断する。変数ch_attが「0」であれば(ステップS59で「Y」)、ステップS60で、切り替え制御部11は、現在選局中の放送チャンネルを、Amp設定の放送チャンネルとして記録する。その後、ステップS61で、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5の設定をAmp設定に切り替える。これに対して、変数ch_attが「1」であれば(ステップS59で「N」)、ステップS62で、切り替え制御部11は、現在選局中の放送チャンネルを、ATT設定の放送チャンネルとして記録する。その後、ステップS63で、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5の設定をATT設定に切り替える。
ステップS61またはステップS63の動作後、ステップS64において、放送受信装置100は、TS解析とチャンネル登録を行う。その後は、ステップS65で、放送受信装置100は、全放送チャンネルのチャンネルスキャンが完了したか否かを判断する。全放送チャンネルのチャンネルスキャンが完了していなければ(ステップS65で「N」)、他の放送チャンネルに対するチャンネルスキャン継続のため、放送受信装置100は、ステップS51に戻る。他方、全放送チャンネルのチャンネルスキャンが完了していれば(ステップS65で「Y」)、ステップS66で、放送受信装置100はチャンネルスキャンを終了する。
図10の処理により、受信可能な放送チャンネルそれぞれについて、信号増幅減衰部5の最適な設定の記録・切り替えを行うことができる。なお、全ての放送チャンネルに対して、ステップS61またはステップS63で説明した記録処理が行われた結果、図11に示す表を切り替え制御部11は得る。当該図11に示す表では、各放送チャンネルと、当該放送チャンネルに対して最適な設定値として記録された信号増幅減衰部5の各設定値情報(状態情報と把握できる)とから、構成される。
たとえば、図11に示す例では、放送チャンネル「18」に対応して、信号増幅減衰部5の設定として「Amp設定」が記録されている。放送チャンネル「20」に対応して、信号増幅減衰部5の設定として「ATT設定」が記録されている。さらに、放送チャンネル「34」に対応して、信号増幅減衰部5の設定として「ATT設定」が記録されている。
次に、図12に示すフローチャートを用いて、視聴チャンネルの切り替え(チャンネル選局処理と把握できる)時における放送受信装置100の動作について説明する。
これから視聴する放送チャンネルへのチャンネル切り替え操作が、放送受信装置100に対して実施される。すると、ステップS70で、放送受信装置100は、チャンネル切り替え動作を開始する。その後、ステップS71で、切り替え制御部11は、図11に例示した表を参照し、これから視聴する放送チャンネルに対応して記録されている設定値を、当該表から読み出す。そして、切り替え制御部11は、ステップS71で読み出した設定値が、「ATT設定」であるか否かを判断する(ステップS72)。
ステップS71で読み出した設定値が「ATT設定」であれば(ステップS72で「Y」)、ステップS74において、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をATT設定に切り替える。他方、ステップS71で読み出した設定値が「Amp設定」であれば(ステップS72で「N」)、ステップS73において、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える。
そして、放送受信装置100は、ステップS75で、これから視聴しようとする放送チャンネルを、チューナ部7に設定する。これにより、チャンネル切り替えが実行され、ステップS76で放送受信装置100におけるチャンネル切り替え処理が終了する。
以上のように、本実施の形態に係る放送受信装置100では、チャンネルスキャンなどで得られた、各放送チャンネルに対する信号増幅減衰部5の最適設定値を記録する。そして、当該放送受信装置100は、当該記録された情報に従って、信号増幅減衰部5の設定切り替えを行う。これにより、チャンネル切り替え時に、放送チャンネルの受信状態の判定処理などを行わなくても、放送受信装置100は、受信している放送チャンネルに対して信号増幅減衰部5を適切な状態に設定できる。
<実施の形態4>
本実施の形態に係る放送受信装置は、信号増幅減衰部、チューナ部、A/D変換部、復調部および復号部が、当該順に直列に接続された系統が、複数設けられている。そして、当該放送受信装置では、当該複数の系統が並列に配設されている。そして、切り替え制御部は、各系統毎に、電界強度範囲の判別および信号増幅減衰部の切り替えを行う。
図13は、本実施の形態に係る放送受信装置300の構成を示すブロック図である。ここで、図13の例では、上記系統が2系統の場合を図示しているが、3つ以上の系統の場合であっても良い。なお、各系統における各ブロックの動作は、上記各実施の形態で説明した構成における同じ名称の各ブロックと同じである。
図13に示すように、本実施の形態に係る放送受信装置300では、アンテナ1からの放送信号を、スプリッタ6で、系統の数だけ分岐させている。そして、スプリッタ6で分岐された放送信号は各々、各系統に属する信号増幅減衰部5a,5bに並列に入力する。本実施の形態に係る放送受信装置300では、各系統におけるチューナ部7a,7b毎に、固有の信号増幅減衰部5a,5bを有している。したがって、放送受信装置300では、各チューナ7a,7bに対して、信号増幅減衰部5a,5bを個別に、Amp設定またはATT設定に切り替え制御できる。
各信号増幅減衰部5a,5bでは、切り替えスイッチ2a,2bの状態により、受信した信号を、Amp3aで増幅またはATT4aで減衰し、チューナ7a,7bに向けて出力する。チューナ部7a,7bから出力される信号は、各系統毎に、A/D変換部8a,8b、復調部9a,9b、復号部10a,10bと伝達し、音声や映像信号等になる。また、各復調部9a,9bで検出されたC/N値は各々、一つの切り替え制御部11に入力される。
当該切り替え制御部11は、各系統毎に、信号増幅減衰部5a,5bの設定状態と取得したC/N値とを用いて、各系統毎に、受信している放送チャンネルの電界強度範囲を判別する。そして、切り替え制御部11は、当該判別の結果に基づいて、各信号増幅減衰部5a,5bの設定切り換えを制御する。当該各系統毎における、上記判別動作および切り替え動作は、他の実施の形態で説明した動作と同様である。
たとえば、切り替え手段11は、受信している放送チャンネルが受信可能強電界チャンネルと判断したときは、切り替えスイッチ2a,2bを制御して信号増幅減衰部5a,5bをATT設定とし、それ以外の電界強度範囲でると判断した時には、切り替えスイッチ2a,2bを制御して信号増幅減衰部5a,5bをAmp設定とする。
また、例えば、各系統の信号増幅減衰部5a,5bとチューナ部7a,7bとを用いて、チャンネルスキャンのときに受信している放送チャンネルの信号増幅減衰部5a,5bの最適設定値を求めるためには、実施の形態3と同様に、図10の処理手順を実施すれば良い。視聴チャンネル切り替え時に、放送チャンネルが良好に受信できるように信号増幅減衰部5a,5bの切り替えを行う方法についても、実施の形態3と同様に、図12の処理を各系統毎に実施することで、放送チャンネルを最適な信号増幅減衰部5a,5bの設定で視聴することができる。
また、本実施の形態に係る放送受信装置300では、上記構成・動作を行うので、各チューナ部7a,7bについて、それぞれ個別に信号増幅減衰部5a,5bを設定することができる。よって、受信可能弱電界チャンネルと受信可能強電界チャンネルとの同時受信を、当該放送受信装置300は可能となる。例えば、一方系統の信号増幅減衰部5aをAmp設定として受信可能弱電界チャンネルを受信し、他方系統の信号増幅減衰部5bをATT設定として受信可能強電界チャンネルを受信することで、放送受信装置300は上記同時受信も可能となる。
なお、図10に示す、各放送チャンネルに対する信号増幅減衰部5a,5bの最適設定を判別するチャンネルスキャンにおいて、いずれか一方の系統単独で行うこともできるが、スキャンの対象チャンネルを各系統に割り振り、各系統それぞれ平行動作させてチャンネルスキャンを行ってもよい。
また、一方系統の信号増幅減衰部5aをAmp設定とし、他方系統の信号増幅減衰部5bをATT設定として同一放送チャンネルを受信させ、当該放送チャンネルについて、Amp設定でのC/N値およびATT設定でのC/N値を同時に取得させても良い。これにより、所定の放送チャンネルについて、Amp設定でのC/N値およびATT設定でのC/N値を同時に取得することが可能となるので、チャンネルスキャン時間を短縮させることができる。
本実施の形態による放送受信装置300を採用することにより、例えば送信所近隣で強電界の放送信号を受信するときや、外付けのブースタによって放送信号を過度に増幅して放送受信装置300に入力する場合などにおいても、当該放送信号を良好に受信できる。これと共に、当該放送受信装置300では、弱電界の放送信号を受信する場合においても、当該放送信号を良好に受信することができる。このように、複数のチューナ部7a,7bを有する放送受信装置300では、それぞれのチューナ部7a,7bを用いて、弱電界範囲の放送信号と強電界範囲の放送信号とを同時に良好に受信できる。
<他の実施の形態>
実施の形態3では、各チャンネルに対する信号増幅減衰部5の設定値が固定されている。これは、実施の形態3では、放送受信装置100が固定設置されることを想定しているからである。したがって、例えば、放送受信装置が移動体であって、放送チャンネルの電界強度が変動する場合には、信号増幅減衰部5の設定における受信電界強度範囲を外れる可能性がある。そこで、放送受信装置が移動体等である場合における、視聴チャンネルの切り替え時の、受信状態の判定処理および信号増幅減衰部の設定処理(切り換え処理)を、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
なお、図14のフローチャートの実施は、実施の形態3で説明したブロック構成を有する放送受信装置100において実施される。
図14において、まずステップS80で、放送受信装置100は、チャンネル切り替えを開始する。そして、放送受信装置100は、ステップS81において、実施の形態2で説明した変数ch_attを「0」に初期化する。その後、ステップS82において、信号増幅減衰部5は、Amp設定に切り替えられる。そして、ステップS83では、当該Amp設定の状態で、切り替える放送チャンネルにチューナ部7を設定する。その後、放送受信装置100は、ステップS84で、当該設定された放送チャンネルがフレームロックできたか否かを判断する。
フレームロックできなければ(ステップS84で「N」)、放送受信装置100はステップS93に進み、図14に示す一連の処理を終了する。他方、フレームロックできれば(ステップS84で「Y」)、ステップS85において、切り替え制御部11は、Amp設定のときのC/N値を取得し、当該取得したC/N値を、実施の形態2で説明した変数cn_ampとして格納する。次に、ステップS86において、信号増幅減衰部5はATT設定に切り替えられる。その後、ステップS87で、切り替え制御部11は、ATT設定のときのC/N値を取得し、当該取得したC/N値を実施の形態2で説明した変数cn_attとして格納する。
ステップS88では、切り替え制御部11は、変数cn_ampと変数cn_attとを用いて、図6に示した処理を行う。そして、ステップS88では、受信している放送チャンネルが図2の電界強度範囲fで示される受信可能強電界チャンネルであると判断されれば、切り替え制御部11は、変数ch_attに「1」を設定する。他方、ステップS88では、受信している放送チャンネルが図2の電界強度範囲f以外で示される電界強度範囲であると判断されれば、切り替え制御部11は、変数ch_attを「0」のままとする。
次に、ステップS89において、切り替え制御部11は、変数ch_attが「0」であるか否かを判断する。変数ch_attが「0」であれば(ステップS89で「Y」)、ステップS90で、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5の設定をAmp設定に切り替える。これに対して、変数ch_attが「1」であれば(ステップS89で「N」)、ステップS91で、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5の設定をATT設定に切り替える。
ステップS90またはステップS91の動作後、ステップS92において、放送受信装置100は、TS解析とチャンネル登録を行う。その後は、ステップS93で、放送受信装置100は、チャンネル切り替え処理を終了する。
以上の図14に示す処理により、放送受信装置100において、チャンネル切り替え毎に、放送チャンネルの電界強度範囲の判定と、最適な信号増幅減衰部5の設定とを行うことができる。これにより、放送受信装置100が移動等することにより、放送チャンネルの受信状態が変化する場合でも、当該放送受信装置100は、良好に放送信号を受信できる。
なお、上記図14の処理からステップS81およびステップS88を省略し、ステップS89の分岐条件を「cn_amp≧cn_att」に変更しても良い。当該処理のフローチャートを図15に示す。
当該図15の処理では、図6で説明した放送チャンネルの受信状態の判定処理を使用せず、Amp設定またはATT設定においてC/N値の高い方の設定を、信号増幅減衰部5の設定とする。
図15において、まずステップS100で、放送受信装置100は、チャンネル切り替えを開始する。そして、放送受信装置100は、ステップS101において、信号増幅減衰部5は、Amp設定に切り替えられる。そして、ステップS102では、当該Amp設定の状態で、切り替える放送チャンネルにチューナ部7を設定する。その後、放送受信装置100は、ステップS103で、当該設定された放送チャンネルがフレームロックできたか否かを判断する。
フレームロックできなければ(ステップS103で「N」)、放送受信装置100はステップS111に進み、図15に示す一連の処理を終了する。他方、フレームロックできれば(ステップS103で「Y」)、ステップS104において、切り替え制御部11は、Amp設定のときのC/N値を取得し、当該取得したC/N値を、実施の形態2で説明した変数cn_ampとして格納する。次に、ステップS105において、信号増幅減衰部5はATT設定に切り替えられる。その後、ステップS106で、切り替え制御部11は、ATT設定のときのC/N値を取得し、当該取得したC/N値を実施の形態2で説明した変数cn_attとして格納する。
次に、ステップS107では、変数cn_ampが変数cn_att以上であるか否かを、切り替え制御部11は判断する。変数cn_attが変数cn_ampより大きければ(ステップS107で「N」)、ATT設定である方がC/N値が高く、より良好に受信できる可能性が高い。したがって、ステップS109で、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をATT設定に切り替える。他方、変数cn_ampが変数cn_att以上である場合には(ステップS107で「Y」)、Amp設定である方がC/N値が高く、より良好に受信できる可能性が高い。したがって、ステップS108で、切り替え制御部11は、信号増幅減衰部5をAmp設定に切り替える。
ステップS108またはステップS109の動作後、ステップS110において、放送受信装置100は、TS解析とチャンネル登録を行う。その後は、ステップS111で、放送受信装置100は、チャンネル切り替え処理を終了する。
このように、図15の処理を採用することにより、信号増幅減衰部5の設定をC/N値が高い方に設定でき、放送受信装置100は、良好に放送信号を受信できる可能性が高くなる。ただし、この場合、各放送チャンネル間で最適な信号増幅減衰部5の設定が異なる可能性が高くなり、視聴チャンネル切り替えの度に、信号増幅減衰部5の切り替えが発生する可能性が高くなる。