JP5553825B2 - 繊維強化ポリマーをベースとする物品のリサイクル方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化ポリマー(好ましくは塩化ビニルポリマー)をベースとする物品の、特にシートのリサイクリング方法に関する。
塩化ビニルポリマー(PVC)は様々な物品の製造のために広く使用されている。それらは、例えば、土壌を覆うため、車両(トラック)を覆うため、作業を実施中の建物の遮蔽のため、エンターテイメントもしくは展示会用セットの建造のため、または広告目的のためを意図される−強化繊維で一般に強化されている−シートの製造のために使用されている。これらのシートは一般に大きな表面積を有する。さらに、現在かなり成長しつつある、多くの用途で、最も特に広告用途でまたはエンターテイメントもしくは展示会用のセットを含む用途で、それらの寿命は短く、典型的には数週または数ヶ月である。これらの理由から、大量のかかるシートが毎年廃棄されている。それらのリサイクル方法は、従って、主要な環境保護的および経済的問題を構成する。
同じ状況は、1種以上の柔軟なまたは硬質のポリマー(好ましくはPVC)をベースとする他の物品に関して、例えば、コンベヤーベルト、被覆布ならびに車両の内部装備品、パイプおよびホース、窓枠またはポリマー絶縁電力ケーブルのための他の要素に関して適用される。
これらの物品の完全な破砕は通常、精製して再使用することが困難である、不均一な組成の微細粒子の混合物をもたらす。さらに、繊維強化物品(例えば、ポリエステルまたはナイロン繊維強化物品)の場合に、繊維はしばしば、破砕粒子を再使用することをはるかにより複雑にする一種の詰め物を形成する。
有機溶剤を使用する、溶解をベースとする様々な方法が既に提案されているが;それらは多くの場合安全性の問題および汚染問題を引き起こす。
SOLVAYに付与されたEP945481号明細書、EP1232204号明細書およびEP1268628号明細書は、任意の添加剤がそれから抽出されることを実質的に防ぎながら、簡単で、経済的でおよび信頼できる、汚染をあまり生み出さない、かつ、高純度および有利な形態のプラスチックが回収されることを可能にするリサイクリング方法を提供することによって当該問題を解決することを目指している。この方法は、ポリマーを溶解させることができる、かつ、水と共沸混合物を形成することが可能は適切な溶剤へのポリマーの溶解と、このようにして得られた溶液にスチームを注入することによるその沈澱とを含み、その方法は、その後の溶解のための溶剤相およびその後の沈澱のための「水」相の両方を回収するためにストリッピングに由来する蒸気が凝縮させられ、デカンテーションされながら、水−溶剤共沸混合物のストリッピングをもたらし、そのようにして、水と回収される固体ポリマー粒子とから本質的になる混合物を残す。
これらの特許は、物品が繊維で強化されている場合に、前記繊維もまた同様にうまく回収される可能性があり、かつ、それらの純度を上げるために、いかなる残存する微量のポリマーも除去する目的で、例えば同じ溶剤を使用する、その後の遠心分離および/または洗浄工程にそれらがかけられてもよいことを明記している。それらの教示によれば、洗浄のために使用された溶剤は、溶解工程のために使用される新鮮溶剤と有利に混合されてもよく;それが微量の溶解したポリマーを含有するという事実は、溶解操作の有効性を決して低下させない。これらの繊維は、プラスチックベースの強化物品の製造のために直接再使用されてもよい。
特開2008−062186号公報は、その実施例に、回収された繊維が先ず「濾過洗浄」(すなわち繊維は、最終的には数回、溶剤が通されるフィルター上でポリマー溶液から回収される)によって洗浄され、次に、それらが(1)熱風でただ乾燥されるだけか、または(2)それらが先ずスラリーを形成するために溶剤中に再び分散され、溶剤を除去するためにスラリーにスチームが注入され、その後繊維が濾過によって回収され、熱風を使用して乾燥される洗浄処理を記載している。しかしながら、かかる方法は、繊維上の溶剤の残存含量が高すぎる(代替案(1))か、それとも多くの溶剤を蒸発させなければならない(代替案(2))ので、または熱風の使用のために(代替案(1)および(2))この方法が経済的に魅力的ではないという不利点を与える。さらに、両代替案では、塩化ビニルの残存ポリマーは、非常に効率的であるわけでないが、フィルター上に保持された繊維を通して溶剤でリンスすることによって除去される。
本発明は、繊維強化ポリマー物品のリサイクル方法であって、
− 最終的に断片に切断された前記物品が、このポリマーを溶解させることができるが繊維を溶解させることができない、かつ、水と共沸混合物を形成することが可能である溶剤に溶解させられ、溶液を形成し;
− 繊維が前記溶液から回収され;
− 前記繊維が、それらを前記溶剤中のスラリーの形態にすることによって、およびこのスラリーをかき混ぜることによっておよび/またはそれを通して溶剤を循環させることによって溶剤で洗浄され;
− 洗浄された繊維が前記スラリーから回収され;そして
− 前記回収された繊維が、この溶媒を実質的に除去するためにスチームでのストリッピングを受ける
方法を提供することによってこれらの問題を解決することを目指している。
問題になっている繊維で強化された物品は好ましくは、繊維で強化された1種以上の塩化ビニル(VC)ポリマー(PVC)からなるが、それらは任意の種類のポリマーのものであってもよい。VCポリマー(PVC)は、任意のホモポリマーまたは少なくとも50重量%のVCを含有するコポリマーを意味すると理解されるべきである。塩化ビニルのホモポリマーが一般に使用される。1種以上のポリマーおよび繊維は別として、物品はまた、例えば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、顔料、フィラーなどの通常の添加剤の1種以上を含有してもよい。
物品は、任意の形態に、例えば柔軟なパイプもしくはホースまたは硬質のパイプ、容器、土壌を覆うためのシート(例えばカーペットタイル)、防水布、窓枠、電力ケーブルの絶縁被覆、壁紙などの形態にあってもよい。それらは、任意の公知の技法:押出、コーティング、射出成形などによって製造されたものであってもよい。
用語「シート」は、プラスチック中に埋め込まれた強化繊維によって強化されていてもされていなくてもよい、任意の薄い、柔軟なまたは硬質の、単一層または多層物品を意味すると理解されるべきである。これらのシートは、任意の厚さを有するが、これは一般に10mm未満であり;それらの厚さは通常0.1〜5mmである。本方法は、カーペットタイルまたは防水布、すなわち、土壌を覆うため、車両を覆うため、作業を実施中の建物を隠すため、エンターテイメントもしくは展示会用セットの建造のため、または広告目的のためをとりわけ意図される、繊維強化シートをリサイクルするために特に有利である。シートは、任意の技法によって、例えばカレンダー掛けによってまたはコーティングによって製造されたものであってもよく;強化シートは多くの場合、プラスチゾルおよび加熱を用いて繊維の網状構造をコートすることによって製造される。
強化繊維は、任意の種類−天然または合成−のものであってもよく;ガラス繊維、セルロース繊維またはプラスチック繊維がとりわけ使用されてもよい。多くの場合これらはプラスチック繊維、特にポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)のような)またはポリアミド(ナイロン)繊維である。繊維の直径は通常、ほぼ10〜100μm程度のものである。それらは多くの場合、その長さが数メートルまでであってもよい、長繊維である。しかしながら、それらはまた、おそらく織布、不織布またはフェルトを形成する−長さが数ミリメートル〜数センチメートルの範囲である−より短い繊維であってもよい。例として、繊維は、強化シートの重量の1〜50%、一般に10〜40%に相当してもよい。
本発明による方法は繊維強化ポリマー物品をリサイクルすることを可能にすると同時に、この方法はまた、好ましくは5〜99重量%の金属を含有するポリマー(好ましくはPVC)/金属複合材料をリサイクルするために用いることができる。任意の金属がかかる複合材料中に存在してもよい。好ましくは、銅、アルミニウム、鉄合金またはスチールなどの金属が複合材料中に存在する。複合材料は、任意の形態に、例えばプレート、ケーブル、棒または糸の形態にあってもよい。それらは、任意の公知の技法によって製造されたものであってもよい。本発明による方法のための本明細書で後に詳述される特性および優先傾向は全て、回転タンブラーの使用が特に好ましいことを除いて、かかる複合材料のリサイクル方法のために適用される。
本発明による方法の第1工程は、必要ならば、取り扱うのが容易である断片へ物品を縮小するために物品を切断することにある。物品が既に好適な寸法の断片の形態にある場合には、この切断工程が余分であることは明らかである。
こうして得られた物品の断片は次に、幾つかの特有の特性を有する溶剤の作用にかけられる。この操作は、任意の好適な装置、とりわけ安全性および環境要件を考慮しているもので、例えば十分な耐化学薬品性を示す密閉型反応器で実施することができる。装置は好ましくは、水平にまたは垂直に置くことができる円筒形の密閉型反応器である。使用することができるかかる装置の中に、スクリーンが底部濾過プレートとして組み込まれている垂直に置かれた円筒形の密閉型反応器である溶解機−フィルター、円筒形の有孔バスケットを含有する水平に置かれた円筒形の密閉型反応器である回転タンブラー、および円筒形の有孔バスケットを含有する垂直に置かれた他の円筒形の密閉型反応器を挙げることができる。
反応混合物は好ましくは撹拌され(これは特に、軸方向ポンピング羽根車を好ましくは備え付けられている溶解機−フィルターでの事例である)、たった一つの方向にまたはあるいはまた各方向に交互に回転され(これは特に、その回転がエンジンによって駆動される、円筒形の有孔バスケットを含有する回転タンブラーでの事例である)および/またはポンプが装置内部に溶剤を循環させるために使用される(これは特に、円筒形の有孔バスケットを含有する垂直に置かれた他の円筒形の密閉型反応器での事例である)。
使用される溶剤は、処理される物品中に含有される、ポリマー、好ましくは塩化ビニルポリマーを溶解させることができる物質−または物質の混合物−である。しかしながら溶剤は、強化繊維を溶解させてはならない。本発明による方法との関連で、使用される溶剤が有利には少なくとも部分的に水と混和性であり、水と共沸混合物を形成することがまた必要である。
特にポリマーがPVCである場合、溶剤は有利には、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、N−メチルピロリドン(NMP)およびテトラヒドロフラン(THF)から選択される。とりわけポリマーがPVCである場合、水と、(大気圧で)11重量%の水と89重量%のMEKとを含有する共沸混合物を形成するMEK(好ましくは物品を溶解させるためおよび繊維の洗浄のための両方に)を使用することが好ましい。この溶剤は、ガラス、ポリエステルまたはナイロン繊維を溶解させず、極めて良好な結果を与える。
実際に、反応体(reactives)(水および溶剤)がリサイクルされ、ならびに(相分離剤(PSA)のような)添加物およびSOLVAYの名義の特許出願FR2921372号明細書に記載されているようなアルコールが使用される、ループで機能する回分式プロセスか、それとも、連続プロセスである工業的プロセスとの関連で、溶剤は一般に純粋ではなく、数重量パーセント(例えば10%以下、31%さえ)のこれらの添加物を含む。用語「溶剤」はそれ故、単一物質および物質の混合物の両方を意味すると理解されるべきである。
PSAの例は、5〜7個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素である。特に溶剤としてのMEKで、優れた結果は、相分離剤としてn−ヘキサンまたはイソヘキサン(2−メチルペンタン)を選択することによって得られた。アルコールの例は、メタノールは別として線状の脂肪族アルコールである。特に、C2〜C6線状の脂肪族アルコール、最も特にC3〜C5線状の脂肪族アルコールがとりわけ好適である。イソプロパノールおよび第三ブチルアルコール(2−メチル−2−プロパノール)がそれ故特に好適である。溶剤はまた一定量の水を含有してもよい。
ポリマーがPVCであるとき、良好な結果は、物品を溶解させるためおよび繊維の洗浄のための両方に使用される溶剤が2%〜8重量%のアルコール(好ましくはイソプロパノール)、13%〜17%のPSA(好ましくはイソヘキサン)および4〜6%の水を含有し、残り(すなわち69%〜81重量%)はMEKで構成されるときに得られた。
溶解操作は任意の温度で実施されるが、勿論、溶剤は有利にはこの温度で液体である。自発圧力下におよび有利には20〜120℃、好ましくは50〜100℃の温度で操作することが好ましい。
溶解操作は任意の圧力で実施されてもよい。しかしながら、2〜10bargの圧力(圧力計で測定されるゲージ圧である、相対圧力)、好ましくは2〜4バールの圧力でこの操作を実施することが好ましい。
溶解操作が実施される時間は、有利には少なくとも5分、好ましくは10分のものである。この時間は有利には、多くとも120分、好ましくは多くとも40分である。
本発明の好ましい実施形態によれば、溶解される前に、物品(の断片)は、底部濾過プレートとして組み込まれたスクリーンより上の溶解機−フィルターへか、それとも回転タンブラー中にまたは他の円筒形の密閉型反応器中に含有される円筒形の有孔バスケットへ直接入れられる。スクリーンのまたは円筒形の有孔バスケットの穴は、それらが繊維をほとんど容器の内部に保つが、効率的な溶解が起こり得るように溶剤を依然として循環させるようなサイズから好ましくは選択される。
装置への物品(の断片)の導入に好ましくは、安全上の理由から、窒素のような不活性ガスによる酸素除去および置き換えが続く。
溶解工程の後に、一方で、ポリマーが溶解している溶剤からなる液相と、他方で、強化繊維を含む任意の非溶解成分とを含む溶液が有利に得られる。本発明によれば、これらは、好ましくは濾過によって、より好ましくはその開口部がほぼ0.1〜10mm程度の寸法を有する溶解機−フィルターのスクリーンによって、またはその開口部がほぼ0.1〜10cm程度の寸法を有する回転タンブラーにもしくは他の円筒形の密閉型反応器に含有される円筒形の有孔バスケットによって液相から分離されることにより前記溶液から回収される。
本発明の好ましい第1実施形態では、溶解は、スクリーンが底部濾過プレートとして溶解機へ組み込まれている溶解機−フィルターで行われ、その結果溶解工程の終わりに、ポリマー溶液は別々に処理されるために前記プレートを通して排出され、一方繊維および全ての結果として生じる他の不溶物は、特許請求されるように、すなわち先ずそれらを洗浄し、それらを再び実質的に乾燥状態で回収し、次にそれらをスチームでストリッピングすることによってその中でさらに処理されるために溶解機内部にとどまる。それ故に、当該実施形態では、溶解、分離、洗浄およびスチームストリッピング工程が全てその中で起こるので、溶解機は溶解機−フィルターと呼ばれる。
本発明の好ましい第2実施形態では、溶解は、円筒形の有孔バスケットを含有する回転タンブラーで行われ、その結果溶解工程の終わりに、ポリマー溶液は別々に処理されるために前記有孔バスケットを通して排出され、一方繊維および全ての結果として生じる他の不溶物は、特許請求されるように、すなわち先ずそれらを洗浄し、それらを再び実質的に乾燥状態で回収し、次にそれらをスチームでストリッピングすることによってバスケットおよびタンブラー内部でさらに処理されるために前記バスケット内部にとどまる。それ故に、当該実施形態では、溶解、分離、洗浄およびスチームストリッピング工程は全てバスケットおよびタンブラー内部で起こる。
繊維がポリマー溶液からのそれらの分離後のものであるような繊維でストリッピング工程が行われる場合、繊維上のポリマー(好ましくはPVC)の残存含量は、それらがくっつくであろうようなものである。それ故に、残存ポリマー含有率は非常に低いものでなければならないおよび/または前記ポリマーは、それらをストリッピングする前に繊維上に沈澱されなければならない。
それ故に、本発明によれば、繊維は、それらをスチームストリッピングする前に、有利には少なくとも1回、溶剤で、それらを前記溶剤(好ましくは熱い、より好ましくは物品の溶解のために使用されたものと同じもの)中のスラリーの形態にすることによって洗浄される。好ましくは、それらは、それらをスチームストリッピングする前に少なくとも2回、さらにより好ましくは、少なくとも3回洗浄される。各洗浄工程に由来する溶剤は、その後のバッチで、それを例えば洗浄および/または溶解のために再使用することができるように好ましくは緩衝タンクに貯蔵される。洗浄中に、スラリーは好ましくはかき混ぜられるおよび/または溶剤がそれを通って循環する。
あるいはまたまたはさらに、溶剤で(最終的に数回)洗浄された後に、繊維は、(ポリマーを繊維上に沈澱させるために)スチームストリッピングされる前に、それらを水中のスラリーの形態にすることによって(好ましくは熱い)水で洗浄されてもよい。洗浄中に、スラリーは好ましくはかき混ぜられるおよび/または溶剤がそれを通って循環する。
好ましくは、繊維の回収は洗浄工程/各洗浄工程後に溶解後のままで起こる、すなわち繊維は溶解機−フィルターの底部濾過プレート上にまたは回転タンブラーの円筒形の有孔バスケット内部に保持され、スチームストリッピング工程は、それらの中にスチームを吹き付けることによって、繊維がこれらのアイテム上に/中に依然として保持されている間に起こる。溶解機−フィルターの特定の場合には、スチームは、底部からかそれとも最上部から、好ましくは最上部から導入することができる。回転タンブラーの特定の場合には、スチームが導入される方法は決定的に重要であるわけではない。蒸発した溶剤は有利には、凝縮部門に送られ、回収される。
ストリッピング後に、繊維は有利には、冷水の添加によって撹拌下に懸濁液にされ、底部濾過プレートを迂回させることによって溶解機−フィルターから大気に排出されるかそれともタンブラーは有利には開けられ、次にバスケットが機械装置によってタンブラーから抜き出され、開かれ、その結果繊維はその中に保持され、大気に排出される。
他方で、ポリマー溶液は有利には沈澱器に送られる。この容器で、溶剤は有利には、直接のスチーム注入によって減圧およびかき混ぜ下に蒸発させられる。ある瞬間に、有機相はもはやポリマーにとって溶剤ではなく、その結果前記ポリマーは有利にはフィラーおよび可塑剤と共に小粒子で沈澱する。ポリマー粒子の粒径および嵩密度は有利には、このプロセス中の水および界面活性剤の注入によって制御される。有機相は有利には水相によって置き換えられ、水中へリサイクルされるポリマー粒子の、溶剤を含まないスラリーが、プロセスの終わりに得られる。このスラリーは有利にはスラリータンクに排出され、連続的に遠心分離される。水は有利には廃水処理に送られ、リサイクルされるポリマーは有利には流動床で乾燥され、篩にかけられ、大きな袋に梱包される。
蒸発した溶剤は有利には凝縮部門に送られ、水相からデカンテーションされ、使える状態で、貯蔵される。窒素および溶剤を含有する、非凝縮ガスは有利には焼却される。
本発明は、本発明の好ましい第1実施形態を実施する一最良モードに基づいてもっと詳細にさらに記載され、それは、とりわけ可塑剤としてのDOP(ジオクチルフタレート)、ポリエステルならびに不活性フィラーとしてのCaCOを含有する可塑化PVCでできた防水布の処理に関する。
防水布は先ず、それらの寸法が最大10〜15cmのものである、断片へ切断され、次に、軸方向ポンピング羽根車をおよび底部濾過プレートとして組み込まれたスクリーンを備え付けられた、垂直に置かれた、円筒形の溶解機−フィルターへ供給される。この溶解機−フィルターは密閉され、酸素が窒素によって除去され、置き換えられる。この工程は、酸素と混合された溶剤の蒸気が爆発性であるので、安全上の理由から必要である。
(最終バッチの第1洗浄の溶剤を含有する緩衝タンクから来る)熱い溶剤が溶解機−フィルターへ導入される。溶解は典型的には95℃、3bargで起こり、かき混ぜ下に10分を要する。
典型的には、溶剤は、75%のMEK、15%のイソヘキサン、5%の水および5%のイソプロパノールを含有する。
この溶剤は、PVC樹脂および可塑剤を選択的に溶解させるであろう。フィラー(CaCO)は溶解されないが、溶液中に懸濁している。ポリエステルおよびナイロン繊維は溶解されない。
PVCの完全な溶解後に、溶液は、底部濾過プレートを通して溶解機−フィルターから沈澱器に排出される。この濾過プレートは、繊維を保つのに十分に小さい、そして閉塞を回避し、かつ、高い濾過速度を有するのに十分に大きい穴で穿孔されている。
濾過が完了した時点で、繊維は依然として湿っており、PVC樹脂を含有するある量の溶液を含有する。
繊維中のPVC樹脂の最大許容濃度に依存して、数回の洗浄工程が必要とされる可能性がある。この(これらの)洗浄工程は、熱い溶剤で繊維を溶解機−フィルターへ懸濁液にすることによって行われる。この熱い溶剤は、前のバッチの洗浄溶剤を含有する緩衝タンプから来る。一般に、繊維へのPVC含有率がスチームストリッピング工程中に繊維をくっつけるリスクを最小限にするのに十分に低いことは、3回の洗浄工程後にようやくである。好ましくは、最終洗浄工程のみがきれいな熱い溶剤で行われる。あらゆる工程のために、洗浄溶剤は、別々の緩衝タンクに貯蔵され、次のバッチのために使用される。
洗浄された繊維は湿っており、依然として溶剤を含有する。この溶剤は、繊維を安全に大気に排出するために除去されなければならない。溶剤の除去は、スチームを溶解機の最上部を通してその中に注入することによって溶解機−フィルターで行われる。蒸発した溶剤は凝縮部門に送られ、回収される。ストリッピング後に、繊維は、冷水の添加によって撹拌下に懸濁液にされ、溶解機−フィルターから繊維処理施設近くの大気へ排出される。
溶解機フィルターはそのとき次のバッチを受け入れる準備ができている。
他方で、PVC溶液は沈澱器に送られる。この容器で、溶剤は、直接のスチーム注入によって減圧およびかき混ぜ下に蒸発させられる。ある瞬間に、有機相はもはやPVCにとって溶剤ではなく、その結果前記PVCはフィラーおよび可塑剤と共に小粒子で沈澱するであろう。PVC粒子の粒径および嵩密度は、このプロセス中の水および界面活性剤の注入によって制御される。有機相は水相によって置き換えられ、水中へリサイクルされるPVC粒子の、溶剤を含まないスラリーが、プロセスの終わりに得られる。このスラリーはスラリータンクに排出され、連続的に遠心分離される。水は廃水処理に送られ、リサイクルされるPVCは流動床で乾燥され、篩にかけられ、大きな袋に梱包される。
蒸発した溶剤は凝縮部門に送られ、水相からデカンテーションされ、使える状態で、貯蔵される。窒素および溶剤を含有する、非凝縮ガスは焼却される。
本発明はさらに、本発明の好ましい第2実施形態を実施する一最良モードに基づいてもっと詳細にさらに記載され、それは、とりわけ可塑剤としてのDOP(ジオクチルフタレート)、ポリエステルおよび/またはナイロン繊維、ならびに不活性フィラーとしてのCaCOを含有する可塑化PVCでできたカーペットの処理に関する。
それらの寸法が50cm×50cm平方である、これらのタイルが、予め切断されることなく、円筒形の有孔バスケットへ供給され、このバスケットは、その回転をエンジンによって駆動することができる、タンブラーへ機械装置で導入される。このタンブラーは密閉され、酸素が窒素によって除去され、置き換えられる。この工程は、酸素と混合された溶剤の蒸気が爆発性であるので、安全上の理由から必要である。
(最終バッチの第1洗浄の溶剤を含有する緩衝タンクから来る)熱い溶剤がタンブラーへ導入される。溶解は典型的には95℃、3bargで起こり、タンブラーおよびバスケットの回転下に10分を要する。
典型的には、溶剤は、75%のMEK、15%のイソヘキサン、5%の水および5%のイソプロパノールを含有する。
この溶剤は、PVC樹脂および可塑剤を選択的に溶解させるであろう。フィラー(CaCO)は溶解されないが、溶液中に懸濁している。ポリエステルおよびナイロン繊維は溶解されない。
PVCの完全な溶解後に、溶液は、円筒形の有孔バスケットを通してタンブラーから沈澱器に排出される。このバスケットは、繊維を保つのに十分に小さい、そして閉塞を回避し、かつ、高い濾過速度を有するのに十分に大きい穴で穿孔されている。
濾過が完了した時点で、繊維は依然として湿っており、PVC樹脂を含有するある量の溶液を含有する。
繊維中のPVC樹脂の最大許容濃度に依存して、数回の洗浄工程が必要とされる可能性がある。この(これらの)洗浄工程は、熱い溶剤で繊維をタンブラーへ懸濁液にすることによって行われる。この熱い溶剤は、前のバッチの洗浄溶剤を含有する緩衝タンプから来る。一般に、繊維へのPVC含有率がスチームストリッピング工程中に繊維をくっつけるリスクを最小限にするのに十分に低いことは、3回の洗浄工程後にようやくである。好ましくは、最終洗浄工程のみがきれいな熱い溶剤で行われる。あらゆる工程のために、洗浄溶剤は、別々の緩衝タンクに貯蔵され、次のバッチのために使用される。
洗浄された繊維は湿っており、依然として溶剤を含有する。この溶剤は、繊維を安全に大気に排出するために除去されなければならない。溶剤の除去は、スチームをその中に注入することによってタンブラーで行われる。蒸発した溶剤は凝縮部門に送られ、回収される。ストリッピング後に、タンブラーは開けられ、次にバスケットが機械装置によってタンブラーから抜き出され、開かれ、その結果その中に保持された繊維は、繊維処理施設近くの大気に排出される。タンブラーはそのとき次バッチを受け入れる準備ができている(カーペットタイルで満ちた別のバスケットがこの瞬間に準備されているべきである)。
他方で、PVC溶液は沈澱器に送られる。この容器で、溶剤は、直接のスチーム注入によって減圧およびかき混ぜ下に蒸発させられる。ある瞬間に、有機相はもはやPVCにとって溶剤ではなく、その結果前記PVCはフィラーおよび可塑剤と共に小粒子で沈澱するであろう。PVC粒子の粒径および嵩密度は、このプロセス中の水および界面活性剤の注入によって制御される。有機相は水相によって置き換えられ、水中へリサイクルされるPVC粒子の、溶剤を含まないスラリーが、プロセスの終わりに得られる。このスラリーはスラリータンクに排出され、連続的に遠心分離される。水は廃水処理に送られ、リサイクルされるPVCは流動床で乾燥され、篩にかけられ、大きな袋に梱包される。
蒸発した溶剤は凝縮部門に送られ、水相からデカンテーションされ、使える状態で、貯蔵される。窒素および溶剤を含有する、非凝縮ガスは焼却される。

Claims (9)

  1. 繊維強化ポリマー物品のリサイクル方法において、
    − 最終的に断片に切断された前記物品を、ポリマーを溶解させることができるが繊維を溶解させることができず、かつ水と共沸混合物を形成する溶剤に溶解させて溶液を形成するポリマー溶解工程と;
    − 前記溶液から繊維を回収する繊維回収工程と;
    − 前記繊維を溶剤中のスラリーの形態にし、該スラリーを攪拌しおよび/または該溶剤をスラリー中で循環させることによって、前記繊維を溶剤で洗浄し、スラリーによる洗浄で繊維からポリマーを実質的に除去して繊維のくっつきを防止する繊維洗浄工程と;
    − 前記洗浄された繊維を前記スラリーから回収する洗浄繊維回収工程と;
    − 前記回収された繊維をスチームストリッピングに供して、溶剤を実質的に除去するスチームストリッピング工程と
    を具備する方法。
  2. 前記物品を溶解させるための溶剤と前記繊維の洗浄のために使用される溶剤が同じものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリマーが塩化ビニルポリマーであり、前記物品の溶解と前記繊維の洗浄の両方に使用される溶剤が2重量%〜8重量%のアルコール、13重量%〜17重量%の相分離剤および4重量%〜6重量%の水を含有し、残り(すなわち69重量%〜81重量%)がメチルエチルケトンで構成される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ポリマー溶解工程が、スクリーンが底部濾過プレートとして溶解機へ組み込まれている溶解機−フィルターで行われ、溶解工程の終わりに、ポリマー溶液が前記プレートを通して排出されて別に処理される一方、繊維とあらゆる最終の他の不溶物が溶解機内部にとどまってさらに処理される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ポリマー溶解工程が、円筒形の有孔バスケットを収容した回転タンブラーで行われ、溶解工程の終わりに、ポリマー溶液が前記有孔バスケットを通して排出されて別に処理される一方、繊維とあらゆる最終の他の不溶物がバスケット内部にとどまって前記バスケットおよびタンブラー内部でさらに処理される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記繊維が、スチームストリッピングの前に少なくとも2回洗浄される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 各洗浄工程から生じる溶剤が緩衝タンクに貯蔵され、その後のバッチにおいて、例えば洗浄および/または溶解のために再使用される、請求項に記載の方法。
  8. 溶剤で洗浄された後、スチームストリッピングされる前に、前記繊維を水で洗浄し、繊維上へポリマーを沈澱させる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記洗浄工程後に、前記繊維が前記溶解機−フィルターの底部濾過プレート上にかまたは前記回転タンブラーの円筒形の有孔バスケット内部に保持され、繊維がこれらのアイテム上/中に依然として保持されている間に、その中にスチームを吹き付けることによって、前記スチームストリッピング工程がなされる、請求項4〜のいずれか一項に記載の方法。
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