JP5553294B2 - 赤外線センサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線センサの製造方法に関する。
従来、赤外線センサは、人体等から放射される赤外線を検出するとともに、自動照明や警備に用いられたり、人体の居場所や体温を検出し空調を制御することに用いられたりしている。このような赤外線センサのうち、熱型赤外線センサとしては、焦電材料を用いた焦電型、サーモパイル型、半導体や金属からなるボロメータ材料を用いたボロメータ型等が知られている。近年では、MEMS技術の発展によって、熱型赤外線センサの検出技術が大幅に向上されてきている。
熱型赤外線センサのうち、ボロメータ型の赤外線センサは、検出用画素がサーモパイル型に比べ小さく形成できることから、検出データを精細な画像に表現しやすく、温度プロファイルをエリア観察する場合等に有用である。このような理由から、高精度の赤外線カメラ用としては、ボロメータ型の赤外線センサが用いられることがある。また、近年のMEMS技術の発展により、熱的な絶縁構造が形成でき、従来ペルチェなどで冷却しなければならないところが不要になり、低価格化が実現できることにより用途が拡大してきた。
このボロメータ型の赤外線センサとしては、例えば、特許文献1〜4及び非特許文献1等に記載されたものが知られている。ボロメータ型の赤外線センサは、例えば、Siからなる基板と、ボロメータ材料からなるとともに基板から離間して配設される感熱膜(温度検知部)とを有している。また、基板の表面において、感熱膜に対向する部分には、AlやAl−Si等からなる反射膜が形成され、感熱膜は、梁部(脚部)を有するとともにこの反射膜から離間して配設されている。尚、感熱膜が反射膜から離間される距離は、一般に、検出対象の赤外線の波長λに対してλ/4に設定されている。
このように感熱膜が基板から離間して配設されることで、感熱膜と基板との間の熱交換(すなわち熱の流出又は流入)が抑制されており、熱コンダクタンスの低い熱分離構造が形成されている。また、熱コンダクタンスをより低減させる理由から、感熱膜の梁部は、通常2本のみ設けられ、感熱膜と基板との間において熱交換が極力なされないように、感熱膜及び基板に対し傾斜して延びているとともに細く長く形成されて、感熱膜と基板とを連結している。
ところで、感熱膜を基板から離間して配設する手法としては、例えば、まずSiの基板上に犠牲層としてSiOを形成し、犠牲層の表面に感熱膜を形成して、感熱膜の外周に梁部を夫々形成した後、犠牲層をエッチングにより除去するものが知られている。
このように構成される赤外線センサに、検出対象から赤外線が放射されると、赤外線の多くは感熱膜に吸収されるが、その一部(例えば3割程度)が感熱膜を透過する。透過した赤外線は、反射膜で反射されて、再び感熱膜へ戻るのだが、ここで、反射膜と感熱膜との距離がλ/4に規定されているので、戻りの赤外線が検出対象から放射される赤外線の波長に共振して、感熱膜の吸収効率が向上するようにされている。尚、赤外線センサを用いて人体の検出を行う場合には、人体から放射される8μm〜13μmの波長帯の赤外線が想定されることから、例えばλ=10μmとして、感熱膜と反射膜との距離がλ/4=2.5μmに設定される(特許文献4参照)。
米国特許第5286976号明細書 特開2007−315916号公報 特開平7−318416号公報 特開2008−2912号公報 「金属」、株式会社アグネ技術センター、2007年、Vol.77(2007)No.7、p.741−744
しかしながら、前述したボロメータ型の赤外線センサにおいては、Siからなる基板を用いていることから材料費が比較的高価であるとともに、製造プロセスが複雑であり、未だ民生用途としてはコストが高いという課題を有している。そこで、製造コストを削減するために、例えば、Si基板の代わりにガラス基板を用いることが考えられるが、ガラス基板を用いる場合には、犠牲層を除去する際のエッチング選択性を鑑みて、犠牲層としてSiOの代わりに樹脂等の高分子材料を用いる必要がある。このように犠牲層として高分子材料を用いる場合には、犠牲層の膜厚を確保するために、ポリイミドやレジスト材料等を用いることが望ましい。しかしながら、その一方で、犠牲層としてポリイミドやレジスト材料等を用いると、犠牲層を硬化した際に犠牲層の膜厚(高さ)が変動しやすくなり、感熱膜と基板との間の距離(λ/4)を精度よく設定できなくなるという課題が生じる。
また、梁部が、感熱膜及び基板に対し傾斜して延びて、感熱膜と基板とを連結しているので、感熱膜と反射膜との間の距離を精度よく設定できず、赤外線センサの検出精度を確保することが難しかった。
本発明は、前述の課題を鑑みてなされたものであって、製造コストを削減するとともに、検出精度を充分に確保できる赤外線センサの製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明の赤外線センサの製造方法は、ガラス基板の表面に、ナノインプリント技術を用いて凹部を形成する工程と、前記凹部の底面に反射膜を形成する工程と、前記凹部に犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層の表面に感熱膜を形成し、前記感熱膜の面方向に沿って該感熱膜と前記凹部の開口縁とを連結する梁部を形成する工程と、前記犠牲層をエッチングにより除去する工程と、をこの順に備え、前記犠牲層を形成する工程の後に、前記感熱膜と前記反射膜との間の距離が、検出対象の波長λに対してλ/4となるように、前記ガラス基板及び前記犠牲層の表面を削る工程を有することを特徴とする。
本発明に係る赤外線センサの製造方法によれば、ガラス基板を用いているので、従来のようにSi基板を用いるような場合に対比して、材料費を削減できる。また、ガラス基板を用いていることから、感熱膜を反射膜から離間して配設するための犠牲層を、ポリイミドやレジスト材料等の高分子材料を用いて形成でき、犠牲層の材料費が削減される。さらに、ガラス基板を用いているので、該ガラス基板の表面にナノインプリント技術により容易かつ短時間に凹部を形成することができ、製造プロセスが簡便となる。従って、赤外線センサの製造コストが大幅に削減される。また、犠牲層として高分子材料を用いることから、犠牲層の除去がより精度よく行え、検出精度が確保される。
また、ガラス基板の凹部を用いて犠牲層を形成し、この犠牲層の表面に感熱膜を形成できることから、凹部の底面に形成された反射膜と感熱膜との間の距離を精度よくλ/4に設定できる。すなわち、犠牲層として高分子材料を用いる場合、従来のように、平坦面からなる基板の表面に反射膜を形成し、該反射膜の表面に犠牲層を形成しても、犠牲層の膜厚を精度よくλ/4に設定することが難しかったが、本発明によれば、凹部に高分子材料を充填することで犠牲層の膜厚を確保できるとともに、前記距離を精度よくλ/4に決められる。
このように構成される赤外線センサに、検出対象から赤外線が放射されると、赤外線の多くは感熱膜に吸収され、その一部が感熱膜を透過するが、透過した赤外線は、反射膜で反射されて再び感熱膜へ戻る際に、反射膜と感熱膜との距離がλ/4に精度よく設定されていることから、検出対象から放射される赤外線の波長に共振して、感熱膜に吸収されやすくされている。従って、感熱膜の赤外線吸収効率が高められ、赤外線センサの検出精度が充分に確保されている。
また、梁部が、感熱膜の外周から感熱膜の面方向に沿って延び、感熱膜と凹部の開口縁とを連結していることから、従来のように、梁部が感熱膜及び基板に対し傾斜して延びて感熱膜と基板とを連結しているような構成に対比して、感熱膜と反射膜との間の距離λ/4がより精度よく設定される。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法において、前記感熱膜及び前記梁部を同一材料により一体成形することとしてもよい。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法において、前記感熱膜として、ボロメータ材料を用いることとしてもよい。
本発明に係る赤外線センサの製造方法によれば、感熱膜としてボロメータ材料を用いているので、熱抵抗を大きくでき、検出精度が充分に確保される。また、赤外線センサの製造コストをより削減できる。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法において、前記反射膜を、前記凹部における底面と開口縁との間の側面にも形成することとしてもよい。
本発明に係る赤外線センサの製造方法によれば、反射膜が、凹部の底面及び側面に形成されているので、赤外線がより感熱膜に吸収されやすくなる。すなわち、例えば、検出対象からの赤外線が、感熱膜の面方向に垂直な方向に対して傾斜して凹部へ入射した場合であっても、側面及び底面の反射膜に反射して感熱膜に戻されることから、検出感度が高められている。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法において、前記犠牲層を形成する工程では、前記凹部にポリイミドからなる犠牲層を形成し、該犠牲層をキュアして硬化させることとしてもよい。
本発明に係る赤外線センサの製造方法によれば、製造コストを削減できるとともに、検出精度を充分に確保することができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る赤外線センサの要部を示す概略側断面図、図2は本発明の一実施形態に係る赤外線センサの凹部を拡大して示す概略部分平面図、図3、図4は本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造手順を説明する図である。
本実施形態に係る赤外線センサ10は、熱型赤外線センサであり、ボロメータ型の赤外線センサに相当するものである。また、この赤外線センサ10は、例えば、車室や居室における人体の位置や温度情報を取得する手段として、空調の制御に用いられる。
図1に示すように、本実施形態の赤外線センサ10は、板状のガラス基板1を有し、ガラス基板1の表面には、略直方体穴状の凹部2が複数形成されている。また、これらの凹部2は、アレイ状に配列している。凹部2の底面には、赤外線を反射する性質のAlからなる反射膜3が夫々形成されている。
また、反射膜3の前記底面側とは反対側には、反射膜3から離間して感熱膜4が配設されている。感熱膜4は、例えば、Si、Ge、ポリエステル、酸化バナジウム(VO)又はTi等のボロメータ材料からなり、内部に熱吸収体及び配線を有している。本実施形態では、感熱膜4のボロメータ材料として、酸化バナジウムが用いられている。
また、感熱膜4と反射膜3との間の距離Dは、検出対象の波長λに対して、λ/4に設定されている。本実施形態の赤外線センサ10においては、検出対象として人体を想定していることから、人体から放射される赤外線の波長λ(約10μm)より、距離D(=λ/4)=2.5μmに設定している。
また、感熱膜4の外周には、該感熱膜4の面方向に沿って延び、感熱膜4と凹部2の開口縁とを連結する梁部5が複数形成されている。梁部5は、例えば、Poly−Si、Al−Si、Al又はSi等を用いて形成される。尚、本実施形態では、梁部5として、Poly−Siが用いられている。
図2に示すように、本実施形態では、梁部5が2本設けられており、これらの梁部5が略Z字状に夫々形成されているとともに、その両端部分が、感熱膜4の外周における隅部と凹部2の開口縁とに夫々連結されている。また、これらの梁部5は、図2の平面視において、感熱膜4を中心に互いに回転対称に配置されている。
また、図示しないが、ガラス基板1の表面において、凹部2以外の部分には、複数の導体パターンが形成されている。これらの導体パターンは、梁部5を介して、感熱膜4の配線と電気的に接続されている。
また、ガラス基板1の凹部2側とは反対側には、SiからなりCMOSIC(信号処理回路)を有する信号処理基板11が配設されている。信号処理基板11のCMOSICは、ガラス基板1の前記導体パターンと電気的に接続されている。
また、ガラス基板1の凹部2側の表面における外周縁部には、枠状のスペーサ12が形成されている。また、図示しないが、スペーサ12のガラス基板1側とは反対側には、赤外線を透過する性質の、例えばSiからなる集光基板が配設されている。集光基板には、ガラス基板1の各感熱膜4に対応して、集光レンズが複数形成されている。また、集光基板とガラス基板1との間の空隙は、略真空からなる減圧雰囲気に設定されており、前記空隙の外周部分は、スペーサ12により気密に封止されている。また、前記空隙が減圧雰囲気とされていることから、凹部2内も減圧雰囲気に設定されている。
次に、このように構成される赤外線センサ10を製造する手順について説明する。
まず、図3(a)に示すように、ガラス基板1の表面に、ナノインプリント技術を用いて、凹部2を複数形成する。すなわち、凹部2の形状を反転させた直方体状の突起部を、複数備えるSi型を予め用意し、このSi型を、加熱したガラス基板1の表面に押し込んで、凹部2を形成する。
次に、図3(b)に示すように、凹部2の底面に、スパッタ法などにより反射膜3を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、凹部2に犠牲層Sとして高分子材料のポリイミドを充填するとともに、ポリイミドでガラス基板1の表面を被覆する。また、このように形成した犠牲層Sに露光して、犠牲層Sを硬化させる。
凹部2の犠牲層Sが硬化した後、ガラス基板1及び犠牲層Sの表面を、図3(c)に2点鎖線で示す仮想面Pまで削り、図3(d)に示すように、反射膜3から犠牲層Sの表面までの距離Dを、D=2.5μmに設定する。
尚、本発明とは技術思想が異なる参考例では、このようにガラス基板1及び犠牲層Sの表面を仮想面Pまで削る工程は、削除することも可能である。すなわち、図3(a)において、前述のようにガラス基板1の表面に凹部2を形成する際、予め、凹部2の開口縁から反射膜の表面までの深さが検出対象の波長λに対してλ/4となるように設定しておく。このように凹部2を形成した後、反射膜3を形成し、犠牲層Sを凹部2の開口縁まで充填し硬化すれば、図3(d)に示すように、反射膜3から犠牲層Sの表面までの距離Dが決まる。
次いで、図4(e)に示すように、凹部2に形成した犠牲層Sの表面に、感熱膜4を夫々形成する。さらに、図4(f)に示すように、梁部5を、感熱膜4の面方向に沿って形成して、感熱膜4の外周における隅部と凹部2の開口縁とを連結する。これらの感熱膜4及び梁部5は、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて形成される。
次いで、図4(g)に示すように、凹部2に形成した犠牲層Sを、エッチングにより選択的に除去する。エッチングの除去液としては、メタル工程以降に用いられる公知のネガレジスト剥離液等を利用でき、例えば、商品名:SST(東京応化工業株式会社製)等を用いることができる。
次に、ガラス基板1の表面における外周縁部に、スペーサ12を形成する。また、略真空からなる減圧雰囲気中において、スペーサ12のガラス基板1側とは反対側に、集光基板を配設する。
また、ガラス基板1の凹部2側とは反対側に、信号処理基板11を配設する。
このようにして、赤外線センサ10が製造される。
以上説明したように、本実施形態の赤外線センサ10によれば、ガラス基板1を用いているので、従来のようにSi基板を用いるような場合に対比して、材料費を削減できる。また、ガラス基板1を用いていることから、感熱膜4を反射膜3から離間して配設するための犠牲層Sを、ポリイミドを用いて形成でき、犠牲層Sの材料費が削減される。さらに、ガラス基板1を用いているので、該ガラス基板1の表面にナノインプリント技術により容易かつ短時間に凹部2を形成することができ、製造プロセスが簡便となる。従って、赤外線センサ10の製造コストが大幅に削減される。また、犠牲層Sとしてポリイミドを用いることから、犠牲層Sの除去がより精度よく行え、検出精度が確保される。
また、ガラス基板1の凹部2を用いて犠牲層Sを形成し、この犠牲層Sの表面に感熱膜4を形成できることから、凹部2の底面に形成された反射膜3と感熱膜4との間の距離Dを精度よくλ/4に設定できる。すなわち、犠牲層Sとしてポリイミドを用いる場合、従来のように、平坦面からなる基板の表面に反射膜3を形成し、該反射膜3の表面に犠牲層Sを形成しても、犠牲層Sの膜厚を精度よくλ/4に設定することが難しかったが、本実施形態によれば、凹部2にポリイミドを充填することで犠牲層Sの膜厚を確保できるとともに、距離Dを精度よくλ/4に決められる。
尚、前述したように、ガラス基板1の凹部2に犠牲層Sを形成した後、ガラス基板1及び犠牲層Sの表面を削って、反射膜3から犠牲層Sの表面までの距離Dを決めることとしたので、距離Dがより精度よく設定される。
このように構成される赤外線センサ10に、検出対象から赤外線が放射されると、赤外線の多くは感熱膜4に吸収され、その一部が感熱膜4を透過するが、透過した赤外線は、反射膜3で反射されて再び感熱膜4へ戻る際に、反射膜3と感熱膜4との距離Dがλ/4に精度よく設定されていることから、検出対象から放射される赤外線の波長に共振して、感熱膜4に吸収されやすくされている。従って、感熱膜4の赤外線吸収効率が高められ、赤外線センサ10の検出精度が充分に確保されている。
また、梁部5が、感熱膜4の外周から該感熱膜4の面方向に沿って延び、感熱膜4と凹部2の開口縁とを連結していることから、従来のように、梁部5が感熱膜4及び基板に対し傾斜して延びて感熱膜4と基板とを連結しているような構成に対比して、感熱膜4と反射膜3との間の距離Dがより精度よく設定されるとともに、検出精度が充分に確保されている。
すなわち、従来では、梁部5が感熱膜4及び基板に対し傾斜して延びて形成されていたので、梁部5の傾斜角等を精度よく設定することが難しく、距離Dの精度が確保できなかったが、本実施形態の赤外線センサ10によれば、距離Dが精度よく設定できる。また、従来では、傾斜して形成された梁部5がばね材のように作用して、感熱膜4が振動して検出精度が確保できないことがあったが、本実施形態の赤外線センサ10によれば、梁部5が感熱膜4の面方向に沿って延びていることから感熱膜4の振動が抑制されて、検出精度が充分に確保される。
また、感熱膜4として、ボロメータ材料の酸化バナジウムを用いているので、感熱膜4の熱抵抗を大きくでき、検出精度を充分に確保できる。また、赤外線センサ10の製造コストをより削減できる。
また、犠牲層Sとして、高分子材料のポリイミドを用いているので、犠牲層Sの除去がより精度よく行え、検出精度が充分に確保される。
尚、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、感熱膜4を構成するボロメータ材料として、酸化バナジウムを用いることとして説明したが、他のボロメータ材料を用いることとしても構わない。また、感熱膜4として、ボロメータ材料以外の材料を用いても構わない。
また、本実施形態では、感熱膜4に酸化バナジウムを用い、梁部5にPoly−Siを用いることとして説明したが、感熱膜4及び梁部5を同一材料により一体成形することとしても構わない。この場合、製造工程が削減されるとともに、生産性が向上する。
また、本実施形態では、検出対象として主に人体を想定し、人体から放射される赤外線の波長λ(約10μm)より、感熱膜4と反射膜3との間の距離D(=λ/4)=2.5μmに設定することとして説明したが、距離Dは、本実施形態に限定されるものではない。すなわち、距離Dは、検出対象から放射される赤外線の波長λに合わせて、適宜設定可能である。
また、本実施形態では、反射膜3が、凹部2の底面に形成されていることとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、反射膜3が、凹部2における底面と開口縁との間の側面にも形成されていることとしてもよい。このように反射膜3が凹部2に形成されることにより、赤外線がより感熱膜4に吸収されやすくなる。すなわち、例えば、検出対象からの赤外線が、感熱膜4の面方向に垂直な方向に対して傾斜して凹部2へ入射した場合であっても、凹部2の側面及び底面の反射膜3に反射して感熱膜4に戻されることから、検出感度が高められる。
また、反射膜3が、Alで形成されていることとして説明したが、反射膜3は、赤外線を反射する性質のものであればよく、それ以外のAl−Si等であっても構わない。
また、本実施形態では、凹部2が、略直方体穴状に形成されていることとして説明したが、凹部2の形状はそれ以外の略円柱穴状や略多角柱穴状であっても構わない。また、凹部2が、アレイ状に配列していることとして説明したが、凹部2の配列は、本実施形態に限定されない。
また、本実施形態では、梁部5が2本設けられており、これらの梁部5が略Z字状に夫々形成されていることとして説明したが、梁部5の数量や形状は、本実施形態に限定されない。
また、ガラス基板1の凹部2側とは反対側に、信号処理回路としてCMOSICを有する信号処理基板11が配設されていることとして説明したが、信号処理基板11は、CMOSIC以外の信号処理回路を有していることとしても構わない。
また、本実施形態では、犠牲層Sとしてポリイミドを用い、露光してポリイミドを硬化させることとして説明したが、ポリイミドをキュア(ベーク)して完全に硬化させることとしても構わない。この場合、犠牲層Sの除去液として、加熱硝酸等を用いることができる。
また、犠牲層Sはポリイミド以外の高分子材料であってもよく、例えば、公知のレジスト材料等を用いることとしても構わない。
本発明の一実施形態に係る赤外線センサの要部を示す概略側断面図である。 本発明の一実施形態に係る赤外線センサの凹部を拡大して示す概略部分平面図である。 本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造手順を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造手順を説明する図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 凹部
3 反射膜
4 感熱膜
5 梁部
10 赤外線センサ
D 感熱膜と反射膜との間の距離
S 犠牲層

Claims (5)

  1. ガラス基板の表面に、ナノインプリント技術を用いて凹部を形成する工程と、
    前記凹部の底面に反射膜を形成する工程と、
    前記凹部に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の表面に感熱膜を形成し、前記感熱膜の面方向に沿って該感熱膜と前記凹部の開口縁とを連結する梁部を形成する工程と、
    前記犠牲層をエッチングにより除去する工程と、をこの順に備え、
    前記犠牲層を形成する工程の後に、前記感熱膜と前記反射膜との間の距離が、検出対象の波長λに対してλ/4となるように、前記ガラス基板及び前記犠牲層の表面を削る工程を有することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  2. 請求項1に記載の赤外線センサの製造方法であって、
    前記感熱膜及び前記梁部を同一材料により一体成形することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の赤外線センサの製造方法であって、
    前記感熱膜として、ボロメータ材料を用いることを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の赤外線センサの製造方法であって、
    前記反射膜を、前記凹部における底面と開口縁との間の側面にも形成することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の赤外線センサの製造方法であって、
    前記犠牲層を形成する工程では、前記凹部にポリイミドからなる犠牲層を形成し、該犠牲層をキュアして硬化させることを特徴とする赤外線センサの製造方法。
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