JP5551392B2 - Rfidロータ・マグネット位置検出を備えたブラシレス直流モータ、ブラシレス直流モータシステムおよびそれらの校正方法 - Google Patents

Rfidロータ・マグネット位置検出を備えたブラシレス直流モータ、ブラシレス直流モータシステムおよびそれらの校正方法 Download PDF

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Description

本発明は、多様な用途に使用されるブラシレス直流モータに関する。より詳細には、本発明は、マグネット上に設置されたRFIDタグ、および関連するタグ読取り要素を使用するこの種のモータに関するロータ・マグネット位置センサの技術に関する。
ブラシレス直流モータは既知であり、広範な種類の用途で利用が増加している。かかるモータは、モータを作動させるのに要する必要な電力整流を行うために、電力分配システムのスイッチング回路を利用する。スイッチング回路は、ステータ・コイルへの電力の印加の時間を適切に合わせる目的で、モータロータ上に設置されたマグネットの回転位置を示す位置フィードバック信号を利用する。最も広く実装される現在のロータ位置フィードバック信号生成器のタイプは、複数のロータ・マグネット位置センサ、通常はホール効果センサを使用して、必要なロータ・マグネット位置フィードバック信号を生成する。図1は、ホール効果ロータ・マグネット位置センサを使用する知られたブラシレス直流モータの一例を示す。モータの回転軸に直交する概略断面図を示すこの図に見られるように、ロータ11は、矢印12によって示される方向に回転するように配設される。複数の永久磁石13−1...13−4が、ロータ11の外面に固定される。磁石13−1のN極の側面に13−2および13−4のS極が配置され、磁石13−2のS極の側面に磁石13−1および13−3のN極が配置されるなど、磁石13−1...13−4は、互い違いの極性に配置される。ロータ11は、鋼板の積層スタックなど磁化可能な材料から作製され、複数の極歯16−1...16−3および対応する複数の軸方向に延在するスロット17−1...17−3を有するステータ15の中に同心円状に設置される。電力分配コイル18−1...18−3が、極歯16−1...16−3の周りに個々に巻き付けられ、これらのコイルは、図2に示す電源に星形配置で接続される。コイル18−1...18−3に適切な順序で電力を印加することによってロータ11が回転させられ、これが、ロータ・マグネット13−1...13−4によって永続的に生成される磁界と相互作用することが可能な磁界を生成して、ロータ11に回転力を与える。
図1の従来例において、ロータ・マグネット位置フィードバック信号は、ホール効果センサ19−1...19−3によって得られ、それらのセンサは、よく知られたホール効果を使用して、これによるロータ・マグネット13−1...13−4によって生成された磁界の通過に応答して、電気的ロータ・マグネット位置フィードバック信号を生成する。図2は、図1に示されるブラシレス直流モータ用の電力スイッチングおよび分配回路の概略的部分ブロック図であり、センサ19−1...19−3によって生成されたロータ・マグネット位置フィードバック信号は、モータ制御および駆動装置ユニット21に結合される。ユニット21は、マイクロコントローラを内蔵し、このマイクロコントローラが、これらのフィードバック信号を処理し、含まれる位置情報を使用して、直流電源(バッテリ24で示される)からの電力をステータ・コイル18−1...18−3に印加するのに使用する、図示接続の電力スイッチング・トランジスタ22−1...22−6のバンクの作動を制御する。コイル18−1...18−3に適切な順序で電力を印加することによって、ロータ11が、所望の速度で回転し、これによりモータを作動させる。ホール効果ロータ・マグネット位置センサを使用するブラシレス直流モータの構造、機能および作動特性に関するさらなる情報は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、以下の2004年11月16日発行された米国特許第6,819,068号、2005年8月23日発行された6,934,468号、2005年9月13日発行された6,941,822号、および2005年10月11日発行された6,954,042号に見ることができる。
ホール効果のロータ・マグネット位置フィードバック・センサを装備したブラシレス直流モータは、過去に広く実装されてきたが、この設計の構成には、ある欠点がある。まず、ホール効果センサの作動特性は、温度依存性である。その結果、最小限度を上回る精度を要する用途においては、モータ制御および駆動装置ユニット21内に作動特性の温度依存を補償するための何らかの手段を組み込む必要がある。少なくともこれは、ホール効果センサに隣接する温度検知要素、およびモータ制御および駆動装置ユニット21内に組み込まれた特定の温度補償ルーチンを加える必要がある。さらに、ホール効果センサは、およそ摂氏120度を超える高い温度での作動が確実ではない。このような温度に対する感度は、確実な作動範囲(温度補償ルーチンを併用したとき)内の比較的低い温度では、センサの作動および信頼性に悪影響を与えないが、多くの用途において、モータが曝される環境温度は、しばしば摂氏120度を超える。このような環境温度では、温度補償は、ホール効果センサの確実な作動を保証しない。その結果、特別な冷却技術をブラシレス直流モータ内に組み込む必要がある、またはホール効果センサ設計を何らかの他の位置信号フィードバック技法で置き換える必要がある。さらに、ホール効果センサは、温度問題に関わらず、埃の多いまたは油で汚れた状況に直面する用途などの汚れた環境では十分に機能しない。このような汚染された環境における唯一の解決法は、モータの内部を定期的に清掃することである。
上記に記載した短所のないロータ・マグネット位置フィードバック・センサを有するブラシレス直流モータを設計する取り組みは、今日まで成功していない。
米国特許第6,819,068号 米国特許第6,934,468号 米国特許第6,941,822号 米国特許第6,954,042号 米国特許第6,154,137号 米国特許第6,373,708B1号
1999 IEEE International Solid−State Circuits Conference publication 0−7803−5129−0/99、図9.1.1:RFIDトランスポンダICブロック図
本発明は、ホール効果センサの使用により直面する短所がなく、本明細書に記載されるような付加的利点を提供するロータ・マグネット位置フィードバック技法を有する。
装置の見地からすると、本発明は、
複数の永久磁石のロータ・マグネットが分布された面を有するロータを備え、各ロータ・マグネットには当該ロータ・マグネットを識別する固有の識別文字を含むRFIDタグがあり、
軸方向に延在するスロットによって分離された複数の極歯を有するステータを備え、それらの極歯それぞれには、周囲に巻回された電力コイルがあり、
複数のRFID問い合わせアンテナであって、それぞれ異なる極歯に隣接してRFIDタグに無線周波数の問い合わせ信号を提供する目的で配設された、複数のRFID問い合わせアンテナを備え、RFIDタグの所与の1つが、アンテナの所与の1つの送信(放送)範囲内にあるとき、RFIDタグから、固有の識別文字を含む無線信号を問い合わせをするアンテナに送信(放送)することができるようにされ、当該固有の識別信号が、ロータ・マグネットの特定の送信範囲に入る1つを識別するように機能する、
ブラシレス直流モータを備える。
好ましい実施形態において、ロータ面に沿って隣接するマグネット同士は、逆の磁気極性で配置され、ロータ面は、ほぼ円筒形の外面であり、ロータは、ステータ内で回転するように構成される。
一実施形態において、電力コイルは、星形配置で接続される。別の実施形態において、電力コイルは、個別に電力を制御するために、電力駆動装置ユニットに個別に接続される。
無線周波数の問い合わせ信号を生成するために、RFIDリーダがアンテナに結合され、RFIDリーダは、固有の識別信号を明示するための出力装置を有し、モータ制御および駆動装置ユニットは、固有の識別信号を受信するための入力装置と、固有の識別信号に少なくとも一部依存する電力コイル駆動信号を供給するための出力装置とを有する。
代替の実施形態において、各電力コイルは、電力コイルのそれぞれに別個に電力を印加することができるように、モータ制御および駆動装置ユニットに個別に結合される。
システムの見地からすると、本発明は、
永久磁石の複数のロータ・マグネットが分布された面を有するロータを備え、各ロータ・マグネットには当該、ロータ・マグネットを識別する固有の識別文字を含むRFIDタグがあり、
軸方向に延在するスロットによって分離された複数の極歯を有するステータを備え、それらの極歯のそれぞれに、その周囲に巻回された電力コイルを有しており、
複数のRFID問い合わせアンテナであって、それぞれ異なる極歯に隣接してRFIDタグに無線周波数の問い合わせ信号を提供する目的で配設された、複数のRFID問い合わせアンテナを備え、RFIDタグの所与の1つが、アンテナの所与の1つの送信(放送)範囲内にあるとき、RFIDタグから、固有の識別文字を含む無線信号を問い合わせをするアンテナに送信(放送)することができるようにされ、当該固有の識別信号が、ロータ・マグネットの特定の送信範囲に入る1つを識別するように機能し、
無線問い合わせ信号を生成するためにアンテナに結合されたRFIDリーダを備え、
固有の識別信号を受信するためにRFIDリーダの出力装置に結合された入力を含み、固有の識別信号に少なくとも一部依存する電力コイル駆動信号を提供する出力を含む、モータ制御および駆動装置ユニットを備え、
ブラシレス直流モータを構成する。
好ましい実施形態において、該面に沿って隣接するマグネットは好ましくは、逆磁極で配置され、ロータ面は、好ましくはほぼ円筒形の外面である。
各電力コイルは、星形配置で接続されてよい。より正確な整流制御のために、各電力コイルは、電力コイルそれぞれに個別に電力を印加することができるように、モータ制御および駆動装置ユニットに個別に結合される。
プロセスの見地から、本発明は、
組み立てた後のブラシレス直流モータの最初の較正方法を有し、
当該モータが、
複数のロータ・マグネットが面に沿って分布されたロータを備え、各ロータ・マグネットにはロータ・マグネットを識別するように働く固有の識別文字を含むRFIDタグがあり、
軸方向に延在するスロットによって分離された複数の極歯を有するステータを備え、極歯のそれぞれが、周囲に巻回された電力コイルを有し、
複数のRFID問い合わせアンテナであって、それぞれのアンテナが、RFIDタグの所与の1つが、アンテナの所与の1つの送信(放送)範囲内にあるとき、RFIDタグが、固有の識別文字を含む無線信号をアンテナのうちの問い合わせをするアンテナに送信(放送)することができるように、RFIDタグに無線問い合わせ信号を提供する目的で極歯のそれぞれに隣接して設置され、固有の識別信号で、ロータ・マグネットのうち送信範囲に入る特定の1つを識別できる、複数のRFID問い合わせアンテナを備え、
そして、その較正方法が:
(a)ロータを回転させることによって、少なくともいくつかの極歯の電力コイル内に起電力を生成させるステップと、
(b)ステップ(a)での起電力の生成を担当する各ロータ・マグネットの識別を相関させるステップと、
(c)ステップ(a)で生成されたそれぞれの起電力波形を検査するステップと、
(d)各波形を標準波形と比較するステップと、
(e)ロータ・マグネットの識別と電力コイルの識別を相関させた補正率を計算するステップとを含む。
較正後、所与の電力コイルの磁気範囲内に対応するロータ・マグネットが配置される際、所与の電力コイルへの電力の印加を制御するために、モータは、ステップ(e)で計算した補正率を使用して動作させられる。
本発明は、ホール効果ロータ・マグネット位置センサを使用するブラシレス直流モータ設計固有の欠陥を、幾つかのやり方で回避する。まずRFIDタグおよび関連するアンテナは、ホール効果センサ固有の温度依存性を被ることがなく、その結果、所与の温度範囲にわたって作動がより確実になる。さらに、RFIDタグおよびアンテナ・システムは、およそ摂氏250度まで確実に作動することが可能であり、これは、ホール効果センサの最大作動温度(およそ摂氏120度)を大きく上回る。大半のブラシレス直流モータの作動温度は、摂氏250度を下回る。さらに、RFIDタグおよびアンテナ・システムは、比較的環境汚染に影響されず、油で汚れた埃の多い環境で確実に作動することができる。恐らく最も重要なことは、本発明が、それぞれ特定のロータ・マグネットを識別し、ロータが回転する際、ステータの極歯に対して各マグネットの位置を相関させることを可能にすることである。これにより、各マグネットと極歯の組み合わせに適した方法でステータ・コイルに電力を印加することが可能になり、これは、モータ作動の効率を大きく向上させる。
本発明の本質および利点をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下に続く詳細な説明を参照されたい。
ホール効果センサを使用する知られたタイプのブラシレス直流モータの回転軸に垂直に切り取った概略断面図である。 図1に示されるブラシレス直流モータ用の電力スイッチングおよび分配回路の概略部分ブロック図である。 本発明を組み込むブラシレス直流モータの回転軸に垂直に切り取った概略断面図である。 図3に示されるブラシレス直流モータ用の電力スイッチングおよび分配回路の概略部分ブロック図である。 相対的に多数の永久磁石およびマグネット位置識別子を有する、本発明の一実施形態を示す、図3と同様の図である。 図5に示す実施形態の電力コイルに対して個別に電力制御を行う電力スイッチングおよび分配回路のブロック図を示す、図4と同様の図である。
図面に戻って、図3は、本発明の第1の実施形態の断面図である。この図に見られるように、ブラシレス直流モータ30は、矢印32によって示される方向に回転するように設置されたロータ31を含む。ロータ31の外面に複数の永久磁石33−1...33−4が固定される。磁石33−1...33−4は、33−1のN極の方に33−2および33−4のS極の方が配置され、磁石33−2のS極の方に磁石33−1および33−3のN極の方が配置されると言うように、相互に逆の磁極で配置される。ロータ31は、鋼板の積層スタックなど磁化可能な材料から作製され、複数の極歯36−1...36−3を有し、極歯36−1...36−3の相互間で軸方向に延在する番号なしの対応する複数のスロットを有するステータ35の中に同心円状に設置される。電力分配コイル18−1...18−3が、極歯36−1...36−3の周りに個々に巻き付けられ、これらのコイルは、図4に示す電源に星形配置で接続される。コイル18−1...18−3に適切な順序で電力を印加することによってロータ31が回転させられ、これが、ロータ・マグネット33−1...33−4によって永続的に生成される磁界と相互作用することが可能な磁界を生成して、ロータ31に回転力を与える。
各ロータ・マグネット33−1...33−4に、RFIDタグ37−1...37−4が取り付けられる。各RFIDタグ37−1...37−4は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2000年11月28日に発行された米国特許第6,154,137号に示され記載されるループ・アンテナおよびRFIDチップを含む。一般に、RFIDタグは、アンテナ、および、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2002年4月16日に発行された米国特許第6,373,708B1号に開示されるポリエチレンテレフタレート(PET)基板など薄形基板上に設置された、またはその中に保護されたRFIDチップを有する。RFIDタグは、マグネット面に強力な接着接合を形成することができる好適な接着剤を使用して、関連するロータ・マグネットに接合される。RFIDチップは、商業的に入手可能な集積回路デバイス(日立製作所より入手可能なμチップなど)、またはRFID(無線周波数識別)集積回路内に共通して見られる標準的内部機能構成要素を有するカスタム集積回路デバイスであってよい。このような標準構成要素は、RFおよびアナログ部、CPU、ROMおよびEEPROM(1999 IEEE International Solid−State Circuits Conference publication 0−7803−5129−0/99、図9.1.1:RFIDトランスポンダICブロック図を参照)を含む。RFIDチップは、RFIDリーダによって問い合わせされる際、およびISO14443プロトコルまたはISO15693プロトコルなど標準プロトコルを使用してRFIDリーダと通信する際、以下に記載する問い合わせループ・アンテナ39−1...39−3から電力を受信する。標準RFIDチップのサイズは、1.4X1.3mm程度の大きさであり、約0.13mmの厚みを有する。日立μチップのサイズは、0.4mmX0.4mmである。各RFIDチップのEEPROM部分にそのチップ固有の識別文字が記憶され、これが、チップを担うRFIDタグが上に設置されたマグネットに関する固有の識別を行う。
各ループ・アンテナ39−1...39−3は、極歯36−1...36−3の関連する1つに隣接して、好ましくは、関連する極歯の前縁に密接に近接して配置される。前縁は、図3に時計回りに示されるロータ31の回転方向によって画定される。所与のループ・アンテナ39−1...39−3と、所与の極歯36−1...36−3との関連性は、以下に記載するモータ制御および駆動装置41内に記憶される。
図4を参照すると、この図は、図3に示されるブラシレス直流モータ用の電力スイッチングおよび分配回路の概略部分ブロック図であり、各ループ・アンテナ39−1...39−3は、モータ30の作動中、RFIDリーダ43によって継続して付勢される。所与のRFIDタグ37−1...37−4が、アンテナ39−1...39−3の送信フィールドに進入する際、このタグ、RFIDチップを始動させるのに十分な電磁エネルギーを包含する無線問い合わせ信号を受信する。これに応答して、RFIDタグが、その識別文字を含む無線信号を生成し、この信号は、近傍のアンテナ39−1...39−3によって検出される。この検出された文字情報は、RFIDリーダ43に結合される。RFIDリーダ43によって受信された文字情報は、デジタル形式にデコードされ、位置信号およびロータ・マグネット識別情報としてモータ制御および駆動装置ユニット41に結合される。ユニット41は、マイクロコントローラを内蔵し、このマイクロコントローラが、これらのフィードバック信号を処理し、中に含まれる位置情報を使用して、直流電源(バッテリ24として示される)からの電力を、ステータ・コイル18−1...18−3に印加するのに使用される、示されるように接続された電力スイッチング・トランジスタ22−1...22−6のバンクの作動を制御する。コイル18−1...18−3に適切な順序で電力を印加することによって、ロータ31が、所望の速度で回転され、これによりモータを作動させる。
個々のロータ・マグネット37−1...37−4上に設置されたRFIDタグ37−1...37−4と、RFID問い合わせアンテナ39−1...39−3と、RFIDリーダ43とを組み合わせた使用は、ホール効果によるロータ・マグネット位置センサシステムに対するいくつかの利点をもたらす。まず、RFIDタグ37−1...37−4の構成要素および問い合わせアンテナ39−1...39−3の作動特性は、比較的周囲の温度変化に影響されない。その結果、本発明を組み込むシステムには、温度補償ルーチンは、通常必要ではない。さらに、RFIDタグによるシステムは、摂氏250度までの温度で確実に作動することが可能である。この上限は、大半のブラシレス直流モータの最大作動温度より高い。さらにRFIDタグによるシステムの性能は、比較的油または埃によって生じる周辺汚染に影響されず、したがって、ホール効果によるセンサシステムに付随するモータ内部の頻繁な清掃の必要性が低減される。
上記の利点に加えて、本発明は、ブラシレス直流モータの作動をさらに向上させる。RFIDタグ37−1...37−3によって生成された無線信号が、固有の識別文字を含むことから、モータ制御および駆動装置41に供給された情報信号は、所与の電力分配コイル18−1...18−3の作動フィールドに進入する特定のロータ・マグネットを識別する。これに応答して、モータ制御および駆動装置41は、電力分配コイルの作動フィールドに進入する特定のマグネットの磁界特性に対して、電力分配コイル18−1...18−3に印加する電力量および時間を合わせることができる。これは、より正確さの劣る電力分配技法によって生じるいずれの機械的振動も実質的に減少させる、または完全になくし、モータ30に対してより正確な作動状況を提供する。
システムを較正する目的で、組み立てた後、モータ30は、ロータ31が、矢印32の回転方向に機械的に回転される発電機モードで作動される。コイルのフィールド領域を通過するロータ・マグネット33−1...33−4の動きによってコイル18−1...18−3内に誘起された起電力は、モータ制御および駆動装置41によって検査され、波形を処理して、各コイルとマグネットの組み合わせに関する補正率を計算する。より具体的には、所与のロータ・マグネットと所与のコイルの磁気的相互作用は、ロータ・マグネットによって生成された磁界の強度および分布、各極歯の物理的形状、角度位置、および磁化率、ならびにコイルの電磁特性によって変化し得る。これら全てのパラメータの全作用は、モータ30が発電機モードで作動される際、各マグネットとコイルの組み合わせに関して取得された起電力波形によって明白に示される。理想的波形からのいずれの偏移も、所与のコイルとマグネットの組み合わせに電力を印加する際、計算された補正率を使用して補正することができる。例えば、所与の極歯の角度位置が、設計値からずれた(円対称性を欠く)場合、この非対称性を補償するために、対応するコイルへの電力を遅らせるまたは進ませる(角度のずれの方向によって)ことができる。同様に、極歯の形が歪んだ場合、この不規則性は、起電力波形によって明白に示され、この不規則性を補償するために、これに関する補正率を計算することができる。このようにして、モータ30は、理想に近づく高い効率で作動させることができ、これは、結果として、非理想的な電力整流および分配によって生じるモータ振動を最小限にし、出力効率が最大となる。
図3および図4を参照して上記に記載した実施形態は、電力分配コイル18−1...18−3に関して、図1および図2の従来技術の例で示されるものと同様の星形配置を使用する。この配置において、コイル18−1...18−3は、各コイルが共通して接続される1つのターミナルを有して、示されるように相互接続される。電力分配コイルを駆動装置回路に独立して接続し、各コイルを独立して作動させることによって、本発明によるブラシレス直流モータによって、さらに別の効果を得ることができる。この実施形態は、図5および図6に示される。これらの図に見られるように、ブラシレス直流モータは、複数のロータ永久磁石53−nを備えるロータ51を有する。複数のRFIDタグ52−nが、磁石53−nに取り付けられ、各RFIDタグ52−iは、そのRFIDタグが取り付けられたロータ・マグネット53−iを識別するように働く固有の識別文字が中に記憶されている。複数の極歯56−mが、ステータの内周の周囲に分配され、各極歯56−iは、そこに結合された電力コイル58−iを有する。複数の問い合わせアンテナ59−mが、極歯56−mに近接して1つに1つずつ配置される。問い合わせアンテナ59−mは、導線66を介してRFIDリーダ63に結合され、このリーダは、マイクロプロセッサ62に接続される出力を有する。マイクロプロセッサ62からの出力は、モータ駆動装置61に監視および制御信号を供給する。モータ駆動装置61からの個々の出力は、個々の電力コイル58−mに個別に電力を印加することができるような方法で電力コイル58−mに個別に接続される。より詳細には、電圧および電流が、個別ベースで各電力コイルに供給されるように、導線グループ64からの一組の導線が、所与の電力コイル58iの各端部に結合される。コイル58−mに駆動電力を個別に印加することを可能にすることによって、図5および図6のモータは、最も精密に制御され、モータの作動を最適にし、星形配列に固有の電力整流エラーによって生じる電力消費および機械的振動を最小限にすることができる。
ここで既に明らかであるように、本発明の技法に従って作製されたブラシレス直流モータ組立体は、ホール効果センサ、または温度補償要件、制限された最大温度作動制約、および汚染環境条件に影響を受けやすい他のロータ・マグネット位置センサを使用するこのようなモータと比べて、はるかに有効な作動が可能である。さらに、RFIDタグを位置センサとして使用することによってもたらされるロータ・マグネット識別力は、付加的に電力分配回路の作動を最適化することを可能にする。
本発明を特定の実施形態を参照して記載してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、多様な修正形態、代替の構造および等価物を利用することができる。例えば、例示の記載される実施形態は、ロータが、取り囲んでいるステータの内部に配置されるモータ構造に向けられているが、本発明の原理は、ステータが、取り囲んでいるロータの内部に配置される反対の配置に対しても同等の力を与える。このような構成において、ロータ・マグネットは、RFIDタグと共にロータの内部設置面の周囲に分配され、極歯、電力コイルおよび問い合わせアンテナは、ステータの外面の周囲に分配される。したがって、上記は、本発明を限定するものと解釈されるべきではなく、これは、添付の特許請求の範囲によって定義されるものである。
11、31、51 ロータ;
13−1...4、33−1...4、53―n ロータ・マグネット;
15、35 ステータ;
16−1...3、36−1...3、56−m 極歯;
17−1...3 スロット;
18−1...3、58−m 電力分配コイル;
19−1...3 ホール効果センサ;
21 モータ制御および駆動装置ユニット;
22−1...6 スイッチング・トランジスタ;
24 電源(バッテリ);
30 ブラシレス直流モータ;
37−1...4、52−n RFIDタグ;
39−1...3、59−m ループ・アンテナ;
41 モータ制御および駆動装置ユニット:
43 RFIDリーダ;
61 モータ駆動装置;
62 マイクロプロセッサ;
64 導線グループ;
66 導線。

Claims (10)

  1. 複数の永久磁石のロータ・マグネットが分布された面を有するロータを備え、各ロータ・マグネットには当該ロータ・マグネットを識別する固有の識別文字を含むRFIDタグがあり、
    軸方向に延在するスロットによって分離された複数の極歯を有するステータを備え、それらの極歯それぞれには、周囲に巻回された電力コイルがあり、
    複数のRFID問い合わせアンテナであって、それぞれ異なる極歯に隣接してRFIDタグに無線周波数の問い合わせ信号を提供する目的で配設された、複数のRFID問い合わせアンテナを備え、RFIDタグの所与の1つが、アンテナの所与の1つの送信範囲内にあるとき、RFIDタグから、固有の識別文字を含む無線信号を問い合わせをするアンテナに送信することができるようにされ、当該固有の識別文字を含む無線信号が、ロータ・マグネットの特定の送信範囲に入る1つを識別するように機能
    前記無線問い合わせ信号を生成するために、前記アンテナに結合され、出力装置を有するRFIDリーダを備え、
    前記固有の識別文字を含む無線信号を受信するために前記RFIDリーダの出力装置に結合された入力装置と、前記固有の識別文字を含む無線信号に少なくとも一部依存する電力コイル駆動信号を提供するための出力装置とを有するモータ制御および駆動装置ユニットとをさらに備え、
    前記各電力コイルに個別に電力を印加することができるように、前記電力コイルがそれぞれ個別に前記モータ制御および駆動装置ユニットに結合される
    ブラシレス直流モータ。
  2. 前記面に沿って隣接するロータ・マグネットが、逆極性の磁極に配置される、請求項1に記載の発明。
  3. 前記ロータ面が、ほぼ円柱形の外面である、請求項1に記載の発明。
  4. 前記電力コイルのそれぞれが、星形配置で接続される、請求項1に記載の発明。
  5. 永久磁石の複数のロータ・マグネットが分布された面を有するロータを備え、各ロータ・マグネットには当該、ロータ・マグネットを識別する固有の識別文字を含むRFIDタグがあり、
    軸方向に延在するスロットによって分離された複数の極歯を有するステータを備え、それらの極歯のそれぞれに、その周囲に巻回された電力コイルを有しており、
    複数のRFID問い合わせアンテナであって、それぞれ異なる極歯に隣接してRFIDタグに無線周波数の問い合わせ信号を提供する目的で配設された、複数のRFID問い合わせアンテナを備え、RFIDタグの所与の1つが、アンテナの所与の1つの送信(放送)範囲内にあるとき、RFIDタグから、固有の識別文字を含む無線信号を問い合わせをするアンテナに送信(放送)することができるようにされ、当該固有の識別文字を含む無線信号が、ロータ・マグネットの特定の送信範囲に入る1つを識別するように機能し、
    無線問い合わせ信号を生成するためにアンテナに結合されたRFIDリーダを備え、
    固有の識別文字を含む無線信号を受信するためにRFIDリーダの出力装置に結合された入力装置を含み、固有の識別文字を含む無線信号に少なくとも一部依存する電力コイル駆動信号を提供する出力装置を含む、モータ制御および駆動装置ユニットを備える、
    前記各電力コイルに個別に電力を印加することができるように、前記電力コイルがそれぞれ個別に前記モータ制御および駆動装置ユニットに結合される
    ブラシレス直流モータ・システム。
  6. 前記面に沿って隣接するロータ・マグネットが、逆極性の磁極に配置される、請求項に記載の発明。
  7. 前記ロータ面が、ほぼ円柱形の外面である、請求項に記載の発明。
  8. 前記電力コイルのそれぞれが、星形配置で接続される、請求項に記載の発明。
  9. 組み立てた後のブラシレス直流モータの最初の較正方法であって、
    当該モータが、
    複数のロータ・マグネットが面に沿って分布されたロータを備え、各ロータ・マグネットにはロータ・マグネットを識別するように働く固有の識別文字を含むRFIDタグがあり; 軸方向に延在するスロットによって分離された複数の極歯を有するステータを備え、極歯のそれぞれが、周囲に巻回された電力コイルを有し; 複数のRFID問い合わせアンテナであって、各アンテナが、RFIDタグの所与の1つが、アンテナの所与の1つの送信範囲内にあるとき、当該RFIDタグから、固有の識別文字を含む無線信号を問い合わせ中のアンテナへと送信をすることができるように、RFIDタグに無線問い合わせ信号を提供する目的で極歯のそれぞれに隣接して設置され、固有の識別文字を含む無線信号で、ロータ・マグネットのうち送信範囲に入る特定の1つを識別できる、複数のRFID問い合わせアンテナを備えており、
    (a)ロータを回転させることによって、少なくともいくつかの極歯の電力コイル内に起電力を生成させるステップと、
    (b)ステップ(a)での起電力の生成を担当する各ロータ・マグネットの識別を相関させるステップと、
    (c)ステップ(a)で生成されたそれぞれの起電力波形を検査するステップと、
    (d)各波形を標準波形と比較するステップと、
    (e)ロータ・マグネットの識別と電力コイルの識別を相関させた補正率を計算するステップと
    を含む、較正方法。
  10. 前記モータの作動中、所与の電力コイルの磁気範囲内に前記対応するロータ・マグネットが配置される際、所与の電力コイルへの電力の印加を制御するために、ステップ(e)で計算した補正率を使用するステップ(f)をさらに含む、請求項に記載の方法。
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