以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、情報処理装置100の通信環境の一例を概略的に示す。情報処理装置100は、ネットワーク10を介して、複数の無線基地局と接続されている。図1では、情報処理装置100が、無線基地局302、無線基地局304、無線基地局306、及び無線基地局308と接続されている例を示す。無線基地局302、無線基地局304、無線基地局306、及び無線基地局308をまとめて無線基地局300と呼ぶ場合がある。ネットワーク10は、インターネット及び電話網を含んでよい。
通信エリア312、通信エリア314、通信エリア316、及び通信エリア318は、それぞれ無線基地局302、無線基地局304、無線基地局306、無線基地局308によって提供される通信エリアである。通信エリア314は、通信エリア312及び通信エリア316に隣接する。
通信端末210及び通信端末220は、無線基地局300のいずれかを介して通信を実行する。図1では、通信端末210が通信エリア314に所属しており、通信端末220が通信エリア318に所属している状態を示す。通信端末210と通信端末220とは、無線基地局304及び無線基地局308を介して、通話及びメール通信などの通信を実行する。
情報処理装置100は、通信端末210の位置情報を管理してよい。例えば、情報処理装置100は、通信端末210の位置履歴を格納する。情報処理装置100は、通信端末210が位置登録をする毎に、通信端末210の位置を示す位置情報及び時刻情報を取得して、位置履歴として格納してよい。
情報処理装置100は、通信端末210に関する要求を、通信端末220から受信してよい。通信端末210は、第1通信端末の一例であってよい。通信端末220は、第2通信端末の一例であってよい。
通信端末210に関する要求は、例えば、通信端末210の位置情報の取得要求である。情報処理装置100は、通信端末220から、通信端末210の位置情報の取得要求を受信したのに応じて、通信端末210の現在の位置を示す現在位置情報を取得してよい。
例えば、情報処理装置100は、通信端末210に対して位置情報の取得要求を送信する。通信端末210は、情報処理装置100から位置情報の取得要求を受信した場合、通信端末210の現在位置情報を情報処理装置100に送信する。通信端末210は、現在所属する通信エリアを示すデータを送信してよい。情報処理装置100は、通信端末210から受信した、通信端末210が現在所属する通信エリアを示すデータを、現在位置情報として取得してよい。
一方、情報処理装置100は、通信端末210から現在位置情報を取得できない場合、予め格納していた通信端末210の位置履歴に基づいて通信端末210の現在の位置を予測することにより、予測位置情報を取得してよい。情報処理装置100は、一例として、通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況と、当該通信エリアに隣接する通信エリアの電波状況とに基づいて、予測位置情報を取得してよい。
例えば、通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアが通信エリア314であり、通信エリア314及び通信エリア316の電波状況が良好であり、通信エリア312が通信できない状況である場合、情報処理装置100は、通信エリア312を、予測位置情報として取得する。通信エリア312が通信できない状況である場合とは、例えば、通信エリア312の無線基地局302が災害などによって電力の供給を受けることができず無線基地局として動作できない状態である。
そして、情報処理装置100は、通信エリア312の電波状況を示す情報を、通信端末220を介して、通信端末220のユーザに提示してよい。例えば、情報処理装置100は、通信端末210の位置を表す画像及び通信エリア312の電波状況を示す画像を、地図画像上にマッピングして、通信端末220の図示しない表示部に表示させる。
一例として、情報処理装置100は、赤色を施した通信エリア312を表す画像と、通信エリア312内に配置した通信端末210を表す画像とを、地図画像上にマッピングして、通信端末220の図示しない表示部に表示させる。これにより、通信端末220のユーザは、通信端末210が、通信できない状況にある通信エリア内に位置していることを把握できる。
図2は、情報処理装置100の機能構成を概略的に示す。情報処理装置100は、位置履歴格納部102、要求受信部104、位置情報取得部106、電波状況取得部108、表示制御部110、メッセージ送信部112、アプリ送信部114、通話処理実行部116、無線基地局制御部118、緊急通報用データ通信部120及び制御部122を備えてよい。
位置履歴格納部102は、通信端末210の位置履歴を格納する。位置履歴格納部102は、例えば、通信端末210が位置登録をする毎に、通信端末210から、通信端末210が所属する通信エリアの情報を受信する。また、位置履歴格納部102は、通信端末210が位置登録をする毎に、例えばHLR(Home Location Register)から、通信端末210が所属する通信エリアの情報を受信してもよい。
要求受信部104は、通信端末210に関する要求を受信する。例えば、要求受信部104は、通信端末220から、通信端末210に関する要求を受信する。通信端末210に関する要求は、通信端末210の識別情報を含んでよい。通信端末210の識別情報は、例えば、通信端末210の電話番号である。通信端末210に関する要求は、例えば、通信端末210の位置情報の取得要求である。また、通信端末210に関する要求は、通信端末210への音声通話の要求であってもよい。
位置情報取得部106は、通信端末210の位置情報を取得する。位置情報取得部106は、通信端末210の位置情報として、通信端末210の現在の位置を示す現在位置情報を取得してよい。位置情報取得部106は、通信端末210に対して位置情報の取得要求を送信して、取得要求に対する返信として、通信端末210から現在位置情報を受信してよい。
また、位置情報取得部106は、要求受信部104が通信端末220からの要求を受信した後に、通信端末210の現在位置情報を取得できない場合、通信端末210の位置履歴を位置履歴格納部102から取得してよい。そして、位置情報取得部106は、通信端末210の位置情報として、位置履歴から予測された現在の位置を示す予測位置情報を取得してよい。
電波状況取得部108は、位置情報取得部106が取得した位置情報が示す位置を含む通信エリアの電波状況を取得する。例えば、電波状況取得部108は、当該通信エリアの電波状況として、当該通信エリアにおける無線通信ができるか否かを取得する。
電波状況取得部108は、当該通信エリアの電波状況として、当該通信エリアの無線基地局の状態を取得してもよい。電波状況取得部108は、当該通信エリアの無線基地局による無線通信ができるか否かを示す電波状況を取得してよい。例えば、電波状況取得部108は、当該通信エリアの無線基地局と通信できなかった場合、当該通信エリアにおける無線通信ができないと判断してよい。また、電波状況取得部108は、当該通信エリアの無線基地局から、当該無線通信エリアにおける無線通信が可能か否かを示す情報を受信してもよい。
また、電波状況取得部108は、当該通信エリアの無線基地局の状態として、当該無線基地局による通話確立状況を取得してもよい。通話確立状況とは、当該無線基地局による通話許容数に対する通話確立数に基づいて決定される状況であってよい。例えば、当該無線基地局による通話確立数が通話許容数を満たしてしまっており、新たな通話が確立しにくい状態である場合、電波状況取得部108は、電波状況が良好でないと判断してよい。
また、電波状況取得部108は、当該無線基地局による通話許容数に対する通話確立数の割合が予め定められた閾値より低い場合に、電波状況が良好であると判断してよい。また、電波状況取得部108は、当該無線基地局による通話許容数に対する通話確立数の割合が予め定められた閾値より高い場合に、電波状況が良好でないと判断してよい。
また、電波状況取得部108は、当該通信エリアに隣接する通信エリアの電波状況を取得してもよい。電波状況取得部108は、通信エリア同士の位置関係を示すデータを参照することによって、当該通信エリアに隣接する通信エリアの電波状況を判断してよい。
また、電波状況取得部108は、位置履歴格納部102に格納された通信端末210の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況を取得してもよい。そして、位置情報取得部106は、電波状況取得部108が取得した通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況に基づいて、通信端末210の予測位置情報を取得してもよい。例えば、位置情報取得部106は、最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況が通信できない状況を示す場合、予測位置情報として、当該通信エリアを示す情報を取得してよい。この場合、最新の位置履歴が取得された後に、当該通信エリアにおける通信ができない状況に変わったことが予想される。
表示制御部110は、電波状況取得部108が取得した電波状況を、例えば通信端末220に表示させる。表示制御部110は、電波状況取得部108が取得した電波状況を、通信端末220に送信することにより、通信端末220の図示しない表示部に表示させてよい。これにより、表示制御部110は、通信端末220を介して、通信端末220のユーザに、通信端末210の位置情報が示す位置を含む通信エリアの電波状況を提示することができる。表示制御部110は、電波状況提示部の一例であってよい。
表示制御部110は、電波状況取得部108が取得した電波状況を表す画像を、地図画像上にマッピングして通信端末220の図示しない表示部に表示させてよい。また、表示制御部110は、位置情報取得部106が取得した通信端末210の位置情報が示す位置を表す画像を、通信端末220の図示しない表示部に表示させてもよい。例えば、表示制御部110は、通信端末210の位置を表す画像及び電波状況取得部108が取得した電波状況を表す画像を、地図画像上にマッピングして通信端末220の図示しない表示部に表示させてよい。
メッセージ送信部112は、電波状況取得部108が取得した電波状況に応じたメッセージを、例えば通信端末220に送信する。例えば、要求受信部104が通信端末220から通信端末210への音声通話の要求を受信した場合であって、通信端末210の現在位置情報が示す通信エリアの電波状況が通信できない状況を示す場合、メッセージ送信部112は、通信端末210が、通話できない状況の通信エリアにいる旨を示すメッセージを送信する。また、メッセージ送信部112は、通信端末210の予測位置情報が示す通信エリアの電波状況が良好でない旨を示す場合、通話が難しい通信エリアにいる可能性がある旨を示すメッセージを送信してよい。メッセージ送信部112は、電波状況提示部の一例であってよい。
メッセージ送信部112は、電波状況に応じたメッセージを、音声ガイダンスによって送信してよい。例えば、メッセージ送信部112は、通信端末220から受信した通信端末210への音声通話の要求に対する返信として、通話が難しい通信エリアに通信端末210がいる可能性がある旨を示す音声ガイダンスを通信端末220に送信する。これにより、通信端末210が電波の届かない場所にいるか電源が入っていない可能性がある旨を示す音声ガイダンスを出力するのに比べて、通信端末210のユーザの状況をより詳細に通信端末220のユーザに提示することができる。
なお、メッセージ送信部112は、通話が難しい通信エリアに通信端末210がいる可能性がある旨とともに、通信端末210に対してデータ通信を実行することを促す旨を含む音声ガイダンスを通信端末220に送信して、通信端末220の図示しないスピーカから当該音声ガイダンスを出力させてもよい。これにより、例えば、通話ができない場合であってもデータ通信であれば通信できる可能性があるという知識を持たないユーザに対して、データ通信による通信によって、相手先と通信させることができる。
アプリ送信部114は、データ通信によって通話処理を実行できるアプリケーションを送信する。例えば、アプリ送信部114は、メッセージ送信部112が、通信端末210に対してデータ通信を実行することを促す旨を含む音声ガイダンスを通信端末220に送信する場合に、データ通信によって通話処理を実行できるアプリケーションを通信端末220に送信する。これにより、通信端末220のユーザは、受信したアプリケーションを利用することにより、速やかに通信端末210のユーザと、データ通信を利用した音声通話を実行することができる場合がある。
通話処理実行部116は、通信端末210と通信端末220との間での通話処理を実行させる。例えば、通話処理実行部116は、要求受信部104が、通信端末220から、通信端末210への音声通話の要求を受信した場合であって、音声通話できる場合に、通信端末220と通信端末210とに音声通話処理を実行させる。
無線基地局制御部118は、無線基地局300を制御する。無線基地局制御部118は、例えば、無線基地局300による通話サービス及びデータ通信サービスの提供の可否を制御する。
緊急通報用データ通信部120は、無線基地局300を介して、通信端末210から緊急通報用データを受信する。また、緊急通報用データ通信部120は、通信端末210から受信した緊急通報用データを、予め定められた宛先に転送する。緊急通報用データは、例えば、警察などの機関宛に、緊急事態が発生していることを通知するためのメールである。
制御部122は、位置履歴格納部102、要求受信部104、位置情報取得部106、電波状況取得部108、表示制御部110、メッセージ送信部112、アプリ送信部114、通話処理実行部116、無線基地局制御部118、及び緊急通報用データ通信部120を制御する。
図3は、表示制御部110による表示の一例を概略的に示す。表示制御部110は、地図画像320上に通信エリアの電波状況を表す画像をマッピングして、例えば通信端末220に表示させてよい。表示制御部110は、通信エリアの電波状況を表す画像を、電波状況に応じた異なる態様で表示させてよい。
図3では、3種類の電波状況を表す通信エリアの画像を例示している。画像322は、無線通信できない通信エリアを表す。画像324は、通話確立状況が良好でない通信エリアを表す。画像326は、通話確立状況が良好な通信エリアを表す。
図3に示す例では、表示制御部110は、画像322、画像324、画像326の網掛けの種類によって、通信エリアの電波状況を異なる態様で表示させている。異なる態様での表示はこれに限らず、色、透明度、又は形状を異ならせてもよい。例えば、表示制御部110は、無線通信できない通信エリアを赤色、通話確立状況が良好でない通信エリアを黄色、通話確立状況が良好である通信エリアを緑色で表示させてよい。また、表示制御部110は、網掛けの種類、色、透明度、及び形状のうち複数を組み合わせることによって、通信エリアの電波状況を異なる態様で表示させてもよい。
画像332は、通信端末210の現在位置を表す。画像342は、通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を表す。画像342は、1番新しい位置履歴であることを示すべく、数字の1を含んでよい。画像344は、通信端末210の2番目に新しい位置履歴が示す位置を表す。画像344は、2番目に新しい位置履歴であることを示すべく、数字の2を含んでよい。
画像350は、各位置情報が取得された時刻を示す。図3に示す例では、通信端末210の17:30における位置を画像344が表す。また、通信端末210の18:40における位置を画像342が表す。また、通信端末210の19:00における位置を画像332が表す。
表示制御部110は、通信端末220に、図3に示す表示をさせることによって、通信端末220のユーザに、通信端末210の移動履歴と、通信端末210が、通話確立状況が良好でない通信エリア内に現在位置していることを提示できる。
なお、表示制御部110は、位置情報取得部106が通信端末210の現在位置情報を取得できなかった場合、通信端末220の図示しない表示部に位置履歴が示す位置を表す画像のみを表示させてもよい。これにより、現在連絡が取れない通信端末210が、通信できる状態にあった最後の位置と、その時刻とを、通信端末220のユーザに提示することができる。
図4は、表示制御部110による表示の一例を概略的に示す。ここでは、図3に示す表示例と異なる点を主に説明する。画像334は、通信端末210の予測位置情報が示す位置を表す。
表示制御部110は、通信端末210の予測位置情報が示す位置を表す画像と、現在位置が示す位置を表す画像とを、異なる態様で表示させてよい。図4に示す例では、画像334に網掛けを施すことにより、現在位置が示す画像332と異なる態様で表示させている。表示制御部110は、予測位置情報が示す位置を表す画像と、現在位置情報が表す位置を示す画像とを識別できれば、他の態様によって表示させてもよい。
図4では、19:00の時点において、位置情報取得部106が通信端末210の現在位置情報を取得できない場合を例示している。位置情報取得部106は、位置履歴格納部102から取得した通信端末210の最新の位置履歴に基づいて、予測位置情報を取得する。
図4に示す例では、位置情報取得部106は、最新の位置履歴として、画像342が表す位置を取得する。また、位置情報取得部106は、画像342が表す位置を含む通信エリアに隣接する6つの通信エリアの電波状況を取得する。
そして、位置情報取得部106は、隣接する6つの通信エリアのうちの1つである無線通信できない通信エリアを、通信端末210の予測位置情報として取得する。通信端末210が、隣接する6つの通信エリアのうちの他の通信エリアのいずれかに位置していれば、位置登録されている可能性が高い。よって、図4に示す例の場合では、通信端末210が通信不可の通信エリアに位置している蓋然性が高い。
したがって、位置情報取得部106が、隣接する6つの通信エリアのうちの1つである通信不可の通信エリア内を予測位置情報として取得することにより、通信端末210が位置している蓋然性が高い通信エリアを、予測位置情報として取得することができる。
このように、位置情報取得部106は、通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況と、当該通信エリアに隣接する通信エリアの電波状況とに基づいて、予測位置情報を取得してよい。例えば、位置情報取得部106は、最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況が良好であり、隣接する通信エリアの電波状況が通話不可である場合に、予測位置情報として、当該隣接する通信エリアを示す情報を取得してもよい。これにより、通信端末210が最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリア内から隣接する通信エリアに移動した蓋然性が高い場合に、通信端末210の予測位置情報として隣接する通信エリアを示す情報を取得できる。
また、位置情報取得部106は、通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況と、最新の位置履歴を取得した時刻情報とに基づいて、予測位置情報を取得してもよい。例えば、位置情報取得部106は、最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況が通信不可である場合であって、最新の位置履歴を取得した時刻情報が示す時刻と現在時刻との差が予め定められた閾値よりも小さい場合に、予測位置情報として、当該通信エリアを示す情報を取得してよい。
図5は、表示制御部110による表示の一例を概略的に示す。ここでは、図4に示す表示例と異なる点を主に説明する。画像362は、通信端末210の予測位置情報が示す位置を表す。画像364は、通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を表す。画像366は、通信端末210の2番目に新しい位置履歴が示す位置を表す。
図5に示す例では、表示制御部110は、位置情報が取得された時刻が現在時刻に近いほど、画像の外枠の太さを太く表示させている。また、表示制御部110は、通信端末210の現在の位置が、現在位置情報が示す位置であるか予測位置情報が示す位置であるかを、画像の外枠の線種の違いによって表現している。ここでは、予測位置情報が示す位置である場合に、画像の外枠を点線で示している。
画像372、画像374、画像376はそれぞれ、通信端末210の位置情報が取得された時刻を表している。このように、表示制御部110は、各位置情報が示す位置を含む通信エリアの電波状況を表す画像に対して、各位置情報が取得された時刻を表す画像を対応付けて表示させてもよい。
図6は、情報処理装置100による処理のフローチャートの一例を示す。図6に示すフローチャートは、要求受信部104が、通信端末210の位置情報の取得要求を取得した場合に開始する。ここでは、要求受信部104が、通信端末220から、通信端末210の位置情報の取得要求を取得した場合を例に挙げて説明する。
ステップS602では、位置情報取得部106が通信端末210の現在位置情報を取得できたか否かを、制御部122が判断する。制御部122により、現在位置情報を取得できなかったと判断された場合、ステップS604に進み、取得できたと判断された場合、ステップS612に進む。
ステップS604では、位置情報取得部106が、位置履歴格納部102から、通信端末210の位置履歴を取得する。ここでは、位置情報取得部106は、通信端末210の最新の位置履歴を取得する。位置情報取得部106は、通信端末210の位置情報の取得要求に含まれる通信端末210の識別情報を用いて、位置履歴格納部102から、通信端末210の位置履歴を取得してよい。
ステップS606では、ステップS604で取得した位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況を、電波状況取得部108が取得する。電波状況取得部108は、電波状況として、当該通信エリアの無線基地局から通話確立状況を示すデータを受信してよい。また、電波状況取得部108は、当該通信エリアの無線基地局にアクセスできない場合に、通信できない状況であると判断してよい。また、電波状況取得部108は、当該通信エリアに隣接する通信エリアの電波状況をさらに取得してもよい。
ステップS608では、位置情報取得部106が、通信端末210の予測位置情報を取得する。位置情報取得部106は、ステップS606で取得された電波状況に基づいて、通信端末210の予測位置情報を取得してよい。また、位置情報取得部106は、ステップS606において、電波状況取得部108が、通信端末210の最新の位置履歴が示す位置を含む通信エリアに隣接する通信エリアの電波状況を取得していた場合、当該隣接する通信エリアの電波状況にさらに基づいて、予測位置情報を取得してよい。
ステップS610では、表示制御部110が、ステップS604で取得された通信端末210の位置履歴及びステップS608で取得された予測位置情報に基づいて、例えば図4及び図5に例示した表示制御を実行する。そして、処理が終了する。
ステップS602において、現在位置情報を取得できたと制御部122が判断した場合、ステップS612に進む。ステップS612では、表示制御部110が現在位置情報に基づいて、例えば図3に例示した表示制御を実行する。そして、処理が終了する。
本フローチャートで示したように、情報処理装置100によれば、通信端末210の現在位置が取得できた場合は、通信端末220に対して、現在位置情報に基づく表示制御が実行される。そして、通信端末210の現在位置が取得できなかった場合でも、通信端末210に対して予測位置情報に基づいて表示制御が実行される。
図7は、情報処理装置100による処理のフローチャートの一例を示す。図7に示すフローチャートは、要求受信部104が、通信端末220から通信端末210への音声通話の要求を受信した場合に開始する。通信端末220は、例えば、通信端末210の電話番号を指定した音声通話の要求を情報処理装置100に対して送信する。
ステップS702では、制御部122が、通信端末220から通信端末210への音声通話ができるか否かを判断する。制御部122は、通信端末210の位置登録がされていない場合に、音声通話ができないと判断してよい。
また、制御部122は、通信端末210の位置登録がされている場合に、通信端末210が所属する通信エリアの無線基地局において、通話確立数が通話許容数に達していることによって、通話が確立されない場合に、音声通話ができないと判断してよい。また、制御部122は、通信端末210が所属する通信エリアの無線基地局と通信できない場合に、音声通話ができないと判断してよい。制御部122により、音声通話ができないと判断された場合、ステップS704に進み、音声通話ができると判断された場合、ステップS710に進む。
ステップS704では、位置情報取得部106が、通信端末210の位置情報を取得する。位置情報取得部106は、通信端末210の現在位置情報を取得してよい。また、位置情報取得部106は、通信端末210の現在位置情報が取得できない場合、位置履歴格納部102から、通信端末210の位置履歴を取得してよい。また、位置情報取得部106は、通信端末210の位置履歴に基づいて、通信端末210の予測位置情報を取得してもよい。
ステップS706では、ステップS704で取得した位置情報が示す位置を含む通信エリアの電波状況を、電波状況取得部108が取得する。電波状況取得部108は、例えば、通信端末210の現在位置情報が示す位置を含む通信エリアの電波状況を取得する。また、電波状況取得部108は、例えば、通信端末210の予測位置情報が示す位置を含む通信エリアの電波状況を取得する。また、例えば、電波状況取得部108は、通信端末210の位置履歴が示す位置を含む通信エリアの電波状況を取得する。
ステップS708では、ステップS706で取得した電波状況に基づくメッセージを、メッセージ送信部112が通信端末220に送信する。例えば、通信端末210の現在位置情報が示す位置を含む通信エリアの通話確立状況が良好でない場合、メッセージ送信部112は、通信端末210のユーザが、通話が難しいエリアにいる旨を示すメッセージを送信する。
メッセージ送信部112は、通信端末210に対してデータ通信を実行することを促すメッセージを送信してもよい。また、データ通信を実行することを促すメッセージとともに、又はデータ通信を実行することを促すメッセージの代わりに、アプリ送信部114が、データ通信に基づく通話を実現するアプリケーションを通信端末220に送信してもよい。
また、例えば、通信端末210の予測位置情報が示す位置を含む通信エリアが通話できない状況である場合、メッセージ送信部112は、通信端末210のユーザが、通話できないエリアにいることが予測される旨のメッセージを送信する。また、例えば、通信端末210の予測位置情報が示す位置を含む通信エリアの通話確立状況が良好でない場合、メッセージ送信部112は、通信端末210のユーザが、通話が難しいエリアにいる旨を示すメッセージを送信する。
ステップS702において、制御部122により、音声通話ができると判断された場合、ステップS710に進む。ステップS710では、通話処理実行部116が、通信端末210と通信端末220との間における通話処理を実行する。そして処理を終了する。
図8は、情報処理装置100による処理のフローチャートの一例を示す。図8に示すフローチャートは、無線基地局制御部118に対して、無線基地局300に通話サービスの提供を停止させる指示が入力された場合に開始する。
ステップS802では、無線基地局制御部118が、無線基地局300に通話サービスの提供を停止させる。通話サービスの提供を停止した無線基地局300は、通話サービス及びデータ通信サービスのうち、データ通信サービスのみを提供している状態となる。
ステップS804では、制御部122が、ステップS802で停止された通話サービスを再開する指示が入力されたか否かを判断する。制御部122により、入力されていないと判断された場合、ステップS804に進む。
ステップS806では、緊急通報用データ通信部120が、通話サービスの提供を停止した無線基地局の通話エリア内における通信端末210から、緊急通報用データを受信したか否かを、制御部122が判断する。制御部122により、緊急通報用データを受信していないと判断された場合、ステップS804に戻り、受信したと判断された場合、ステップS808に進む。
ステップS808では、緊急通報用データ通信部120が、予め定められた緊急用宛先に、緊急通報用データを転送する。予め定められた緊急用宛先は警察などであってよい。これにより、通話サービスの提供が停止されている通信エリアにおいて、警察に対して緊急事態を通知することができる。緊急通報用データは位置情報を含むので警察による迅速な対応に貢献することもできる。
そして、ステップS804に戻る。ステップS804において、制御部122により、通話サービスを再開する指示が入力されたと判断された場合、ステップS810に進む。ステップS810では、無線基地局制御部118が、無線基地局300に通話サービスの提供を再開させる。そして、処理が終了する。
情報処理装置100が、本フローチャートに示す処理を実行することにより、通話サービスの提供が停止された通信エリア内において、データ通信を利用した、緊急用宛先に対する緊急通報用データの送信を可能とすることができる。
図8に示すフローチャートにおいて、情報処理装置100はさらに、ステップS808において緊急通報用データを転送した後に、ステップS806で受信した緊急通報用データを送信した通信端末210と、緊急用宛先との間の通話処理の実行を無線基地局300に許可させてよい。例えば、無線基地局300が、緊急通報用データを送信した通信端末210に対する通話要求を緊急用宛先から受信した場合、無線基地局制御部118は、無線基地局300に、当該通信端末210と当該緊急用宛先との通話処理の実行を許可させる。これにより、情報処理装置100は、通話サービスの提供を停止することにより無線通信網の通信負荷を低減しつつも、緊急の場合には通話による情報交換を実行させることができる。
なお、ここでは、緊急通報用データを送信した通信端末210と緊急用宛先との間の通話処理の実行を許可させる例を挙げて説明したが、これに限らない。情報処理装置100は、通話サービスの提供が停止されている通信エリア又は通信負荷が高い状態の通信エリアに所属する通信端末210からの、警察などの緊急機関に対する通話要求を受信した場合に、当該通信端末210と緊急用宛先との間の通話処理の実行を無線基地局300に許可させてよい。また、情報処理装置100は、通話サービスの提供が停止されている通信エリア又は通信負荷が高い状態の通信エリアに所属する通信端末210への緊急機関からの通話要求を受信した場合に、当該通信端末210と緊急用宛先との間の通話処理の実行を許可させてもよい。
また、図8に示すフローチャートにおいて、無線基地局300に通話サービスの提供を停止させた後、要求受信部104が通信端末210から通話要求を受信した場合に、メッセージ送信部112が、通話サービスの提供が停止されている旨を示すメッセージを通信端末210に送信してもよい。例えば、メッセージ送信部112は、通話サービスの提供が停止されている旨及びデータ通信の実行を促す旨を含む音声ガイダンスを通信端末210に送信する。これにより、通信端末210のユーザに、通話が実行できない状態であることを把握させるとともに、データ通信によって相手先と通信できる可能性があることを把握させることができる。
情報処理装置100は、例えば、地震などの災害が発生した場合に、通話サービスの提供を停止させるべく無線基地局300を制御してよい。また、情報処理装置100は、災害の発生以外の理由によって無線通信回線のトラフィックが増大した場合に、通話サービスの提供を停止させるべく無線基地局300を制御してもよい。これにより、例えば、多数の人が集まるイベントの開催などによって、無線通信回線のトラフィックが増大した場合に、通話による無線通信回線の占有を防止することができる。そしてこれによって、より多くの通信端末にデータ通信を実行させることができる。
図9は、情報処理装置100のハードウェア構成を概略的に示す。情報処理装置100は、ホストコントローラ502、CPU504、RAM506、入出力コントローラ508、ROM510、及び通信インターフェース512を備える。ホストコントローラ502は、RAM506と、RAM506にアクセスするCPU504とを接続する。CPU504は、ROM510及びRAM506に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部を制御する。入出力コントローラ508は、ホストコントローラ502と、ROM510、通信インターフェース512とを接続する。
情報処理装置100にインストールされて実行されるプログラムは、CPU504などに働きかけて、情報処理装置100を、図1から図7にかけて説明した、位置履歴格納部102、要求受信部104、位置情報取得部106、電波状況取得部108、表示制御部110、メッセージ送信部112、アプリ送信部114、通話処理実行部116、無線基地局制御部118、緊急通報用データ通信部120及び制御部122として機能させる。
本実施形態では、位置履歴格納部102が、通信端末210が位置登録をする毎に、通信端末210又はHLRから、通信端末210が所属する通信エリアの情報を受信する例を挙げて説明した。しかし、これに限らない。通信端末210がGPS機能を備え、位置履歴格納部102は、通信端末210から受信したGPSデータを、位置履歴として格納してもよい。位置履歴格納部102がGPSデータを位置履歴として格納した場合、表示制御部110は、位置履歴が示す位置を表す画像を、GPSデータにより示される緯度経度に従って、地図画像上にマッピングしてよい。
また、位置履歴格納部102は、通信端末210がWi−Fi等の無線LAN通信を実行している場合に、Wi−Fiのアクセスポイントから、アクセスポイントの位置を示す位置情報を通信端末210の位置情報として取得してもよい。また、通信端末210から、当該アクセスポイントの情報を取得してもよい。また、位置履歴格納部102は、通信端末210が位置登録をする毎に、通信端末210が所属する通信エリアの無線基地局300が測位した通信端末210の測位情報を、通信端末210の位置情報として無線基地局300から取得してもよい。
位置履歴格納部102は、通信端末210のGPSデータ、無線基地局300からの測位情報、アクセスポイントからの位置情報、及びHLRからの通信エリアの情報など、複数の位置情報を受信した場合、優先順位が最も高い位置情報を格納してよい。当該優先順位は、例えば、通信端末210のGPSデータ、無線基地局からの測位情報、アクセスポイントからの位置情報、HLRからの通信エリアの情報の順である。
また、本実施形態では、メッセージ送信部112が、電波状況に応じた音声ガイダンスを送信する例を主に説明したが、これに限らない。メッセージ送信部112は、電子メール、SMS(Short Message Service)、又はMMS(Multimedia Messaging Service)によってメッセージを送信してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。