JP5549495B2 - 光学素子、その製造方法及びその使用方法 - Google Patents

光学素子、その製造方法及びその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂層上にナノオーダーの複数の金属パターンを配置した光学素子及びその製造方法に関する。
従来、光学素子として、例えば、回折格子が広く利用されている。回折格子は、ガラスや石英等の基板を用いて形成されており、回折格子の形状や寸法等は光の波長に応じて個別に設計されている。
近年、上記従来の光学素子とは異なる材料を利用する新規な構成の光学素子が、例えば、非特許文献1に提案されている。この光学素子では、適当に形状が制御された金属ナノ構造体を伸長可能な柔軟な基板上に配置してある。基板に外力を加えることで金属ナノ構造体間の配置が変化し、その結果、金属ナノ構造体間の近接場相互作用が変化し、光学応答が変化する。また、特許文献1に開示された光学素子では、偏光方向に依存せずに物質界面での反射率をゼロとし、光を100%透過させることができるようにしたメタマテリアルを構成している。この光学素子では、メタマテリアルとして銀をC字形状に形成したナノ構造体である磁気共振器をガラス基板上に複数配置した構造を有している。
特開2006−350232号公報 王暁星ほか、第56回応用物理学会関係連合講演会(2009春、筑波大学)1p−H−9
上述の光学素子を伸長可能な柔軟な基板上に形成すると、基板に外力を加えることでC字形状の開口部距離が変化するので、共振波長の変化が生じることが期待されるが、伸長可能な柔軟な基板にナノ構造体を形成することは、基板の平坦性を確保することが難しく、ナノオーダーの金属パターンを精度よく、かつ伸長時に剥がれないよう密着性を確保しながら形成することは困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、樹脂層上に配置するナノオーダーの金属パターンの樹脂層との密着性を改善する光学素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光学素子は、透光性及び弾性を有する樹脂層と、前記樹脂層上に配置された複数の金属パターンと、を備え、前記金属パターンは、前記樹脂層上に配置される第1の金属層と、前記第1の金属層上に配置される第2の金属層とが積層して構成され、隣接する前記第2の金属層の間隔が1000nm以下であり、前記樹脂層を変形させることで隣接する前記第2の金属層の間隔が変化することを特徴とする。この光学素子によれば、第1の金属層を樹脂層上に配置し、第1の金属層上に第2の金属層を配置したため、樹脂層と金属パターンとの密着性を改善でき、樹脂層から金属パターンが剥がれることを防止できる。また、所定の外力を加えて隣接する金属パターン間の間隔を変化させることにより、隣接する金属パターン間に発生する近接場光相互作用を変化させて、入射する光の偏光を変化させる等の機能を発揮することができる。
本発明の一実施形態に係る光学素子は、透光性及び弾性を有する樹脂層と、前記樹脂層上に配置された複数の金属パターンと、を備え、前記金属パターンは、前記樹脂層上に配置される第1の金属層と、前記第1の金属層上に配置される第2の金属層とが積層して構成され、前記第2の金属層は少なくとも一部に切り欠き部を有する略リング形状であり、前記切り欠き部の間隔が1000nm以下であり、前記樹脂層を変形させることで前記切り欠き部の間隔が変化することを特徴とする。この光学素子によれば、第1の金属層を樹脂層上に配置し、第1の金属層上に第2の金属層を配置したため、樹脂層と金属パターンとの密着性を改善でき、樹脂層から金属パターンが剥がれることを防止できる。また、所定の外力を加えて隣接する金属パターン間の間隔を変化させることにより、隣接する金属パターン間に発生する近接場光相互作用を変化させて、入射する光の偏光を変化させる等の機能を発揮することができる。
また、本発明の一実施形態に係る光学素子は、前記第1の金属層と前記第2の金属層が上面視において同一形状であってもよい。この光学素子によれば、透光性を維持することができる。
また、本発明の一実施形態に係る光学素子は、前記第1の金属層が前記樹脂層の全面に配置されてもよい。この光学素子によれば、第1の金属層のパターンニング工程が不要となり、より簡便に光学素子を製造することができる。
また、本発明の一実施形態に係る光学素子は、前記第1の金属層がCr、Ti、Ni、W、これらの酸化物及び窒化物のいずれかを含んでもよい。この光学素子によれば、樹脂層と金属パターンとの密着性を改善でき、樹脂層から金属パターンが剥がれることを防止できる。
また、本発明の一実施形態に係る光学素子は、前記第1の金属層の厚さが1nm以上、5nm以下であってもよい。この光学素子によれば、第1の金属層の厚さを透光性に影響を与えない程度に形成することができる。
また、本発明の一実施形態に係る光学素子は、前記樹脂層がシリコン樹脂からなってもよい。この光学素子によれば、透光性及び弾性を有する樹脂基板を光学素子の構成として用いることができる。
本発明の一実施形態に係る光学素子の製造方法は、第1の基板上に透光性及び弾性を有する樹脂層を形成し、前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、前記第1の金属層上にレジストを塗布し、その露光、現像を行ない、少なくとも複数の開口の幅が1000nm以下となるようにレジストパターンを形成し、少なくとも前記レジストパターンの開口により露出した前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、前記レジストパターンを除去し、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする。この光学素子の製造方法によれば、第1の金属層を樹脂層上に配置し、第1の金属層上に第2の金属層を配置したため、樹脂層と金属パターンとの密着性を改善でき、樹脂層から金属パターンが剥がれることを防止できる。
本発明の一実施形態に係る光学素子の製造方法は、第1の基板上に透光性及び弾性を有する樹脂層を形成し、前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、前記第2の金属層上にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして、隣接する前記第2の金属層の間隔が1000nm以下となるように前記第2の金属層をエッチングして、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする。この光学素子の製造方法によれば、第1の金属層を樹脂層上に配置し、第1の金属層上に第2の金属層を配置したため、樹脂層と金属パターンとの密着性を改善でき、樹脂層から金属パターンが剥がれることを防止できる。
本発明の一実施形態に係る光学素子の製造方法は、第1の基板上に透光性及び弾性を有する樹脂層を形成し、前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、前記第1の金属層上にレジストを塗布し、その後露光、現像を行ない、少なくとも一部に切り欠き部を有する略リング形状の開口を有し、前記切り欠き部の間隔が1000nm以下となるようにレジストパターンを形成し、少なくとも前記レジストパターンの開口により露出した前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、前記レジストパターンを除去し、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする。この光学素子の製造方法によれば、第1の金属層を樹脂層上に配置し、第1の金属層上に第2の金属層を配置したため、樹脂層と金属パターンとの密着性を改善でき、樹脂層から金属パターンが剥がれることを防止できる。
本発明の一実施形態に係る光学素子の製造方法は、第1の基板上に透光性及び弾性を有する樹脂層を形成し、前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、前記第2の金属層上にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして、少なくとも一部に切り欠き部を有する略リング形状の開口を有し、前記切り欠き部の幅が1000nm以下となるように前記第2の金属層をエッチングして、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする。この光学素子の製造方法によれば、第1の金属層を樹脂層上に配置し、第1の金属層上に第2の金属層を配置したため、樹脂層と金属パターンとの密着性を改善でき、樹脂層から金属パターンが剥がれることを防止できる。
また、本発明の一実施形態に係る光学素子の製造方法は、前記樹脂層の形成後に、平坦面を有する第2の基板を前記樹脂層に押し当て、前記第2の基板の平坦面を前記樹脂層に転写すること、を更に含んでもよい。この光学素子の製造方法によれば、樹脂層の平滑性を改善でき、樹脂層上に配置する第1の金属層表面の平滑性も改善でき、金属パターンの形成位置の精度を向上させることができる。
本発明によれば、樹脂層上に配置するナノオーダーの金属パターンの樹脂層との密着性を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図であり、(A)は光学素子の概略構成を示す平面図、(B)は(A)のA−A´線から見た断面図、(C)は金属パターンの構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の他の概略構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の金属パターンの配置例を示す図であり、(A)は隣接する金属パターン間の間隔をD1に設定した場合を示す図、(B)は隣接する金属パターン間の間隔をD2に設定した場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法の一例を示す図であり、(A)は下基板の準備工程、(B)はPDMSの滴下工程、(C)は押付け基板準備工程、(D)は離型層形成工程、(E)は押付け工程、(F)は分離工程、(G)は下基板準備工程、(H)はCr層形成工程、(I)はレジスト塗布工程、(J)はEB描画・現像工程、(K)はAu層形成工程、(L)リフトオフ工程、(M)PDMS分離工程を、それぞれ示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法の他の例を示す図であり、(A)はCr層形成工程、(B)はAu層形成工程、(C)はレジスト塗布工程、(D)はEB描画・現像工程、(E)はCr層及びAu層のエッチング工程、(F)はPDMS分離工程を、それぞれ示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子に外力を加える例を示す図であり、(A)は光学素子を曲げた状態を示す図、(B)曲げる前と曲げた後の隣接する金属パターン間の間隔の変化を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図であり、(A)は光学素子の概略構成を示す平面図、(B)は(A)のB−B´線から見た断面図、(C)は金属パターンの構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の他の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の金属パターンの配置例を示すであり、(A)は隣接する金属パターン間の間隔をD21に設定した場合を示す図、(B)は隣接する金属パターン間の間隔をD22に設定した場合を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子に外力を加える例を示す図であり、(A)は光学素子を曲げた状態を示す図、(B)曲げる前と曲げた後の隣接する金属パターン間の間隔の変化を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図であり、(A)は光学素子の概略構成を示す平面図、(B)は(A)のC−C´線から見た断面図、(C)は金属パターンの構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学素子の他の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学素子に外力を加える例を示す図であり、(A)は光学素子を曲げた状態を示す図、(B)曲げる前と曲げた後の隣接する金属パターン間の間隔の変化を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図であり、(A)は光学素子の概略構成を示す平面図、(B)は(A)のD−D´線から見た断面図、(C)は金属パターンの構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る光学素子の他の概略構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る光学素子に外力を加える例を示す図であり、(A)は光学素子を曲げた状態を示す図、(B)曲げる前と曲げた後の隣接する金属パターン間の間隔の変化を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図であり、(A)は光学素子の概略構成を示す平面図、(B)は(A)のE−E´線から見た断面図、(C)は金属パターンの構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る光学素子の他の概略構成を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る光学素子に外力を加える例を示す図であり、(A)は光学素子を曲げた状態を示す図、(B)曲げる前と曲げた後の隣接する金属パターン間の間隔の変化を示す図である。 本発明の第6の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す斜視図である。
(発明に至る経緯)
新規の光学素子として、例えば、非特許文献1において金属ナノ構造体の配置の変化に応じて生じる近接場光相互作用を利用して放射場の変調を行う光学素子が検討されている。この非特許文献1では、伸縮可能で柔軟な基板上に複数のナノ構造体を配置し、基板に対して一様に加えられた外力によりナノ構造体間の配置関係、すなわち、相互作用が変化し、全体システムの光学応答が制御可能と期待される、としている。
しかし、上記非特許文献1の光学素子では、基板に対して一様に加えられた外力によりナノ構造体間の配置関係、すなわち、相互作用が変化することを利用するため、基板には繰り返し外力が加えられることになる。このため、基板上に配置される金属ナノ構造体は、繰り返し加えられる外力に耐えられる構造が必要である。また、基板上に金属ナノ構造体を精度よく形成する製造方法が必要である。また、金属ナノ構造体の材料には、Au、Ag、Al等が一般的に使用される。しかし、これらの金属層を伸縮可能な材料である樹脂基板に直接形成すると、樹脂基板に対する金属ナノ構造体の密着力が弱いため、変形により金属ナノ構造体に剥がれが生じる虞がある。上記光学素子を実現するためには、金属ナノ構造体と樹脂基板の密着性を改善する必要がある。そこで、本発明の発明者らは、この光学素子の構造と製造方法について検討した。以下の実施の形態では、透光性及び弾性を有する樹脂基板上にナノオーダーの複数の金属パターンを配置する光学素子において、樹脂基板と金属ナノ構造体との密着性を改善し、繰り返し加えられる外力に耐えられる構造及び製造方法について説明する。また、樹脂基板上に金属ナノ構造体を精度良く形成する製造方法について説明する。
以下、図面を参照して本発明に係る光学素子及びその製造方法について説明する。但し、本発明の光学素子は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す多数の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(第1の実施の形態)
本発明に係る第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
<光学素子の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図である。図1(A)は第1の実施の形態に係る光学素子100の概略構成を示す平面図、図1(B)は図1(A)のA−A´線から見た断面図、図1(C)は金属パターンの構成を示す図である。図1(A)及び(B)において、光学素子100は、樹脂基板101(樹脂層)上に配置される第1の金属層102と、第1の金属層102上に配置される第2の金属層103とを備え、第1の金属層102と第2の金属層103が積層した構造を有する金属パターン104を含んでいる。
樹脂基板101としては、柔軟性を有する透光性の樹脂からなり、例えば、シリコン樹脂を用いることができる。透光性及び材料強度の観点からPDMS(Polydimethylsiloxane:ポリジメチルシロキサン)を用いることが望ましい。この樹脂基板101は、光学素子としての利用に支障を来さない程度の透光性を有していればよく、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の光透過率を有する。光に対する透過率が80%未満であると、光学素子としての機能を発現しにくくなるためである。なお、透過率は大塚電子株式会社製透過スペクトル測定機MCPD2000により測定した値である。また、樹脂基板101は、その弾性率が引張り強度において100KPa以上、10MPa以下の弾性を有するものを用いることが望ましい。弾性率が100KPa未満であると、樹脂基板101の外力に対する変形量が小さくなり、例えば、光変調機能の効果を発現しにくくなるからである。なお、引っ張り強度は万能試験機インストロン5565を用いダンベル試験片の破断強度により測定した値である。
第1の金属層102としては、樹脂基板101と第2の金属層103との密着性を向上させる金属材料を含み、例えば、Cr、Ti、Ni、Wまたはこれらの酸化物、窒化物を用いてもよく、特に、樹脂基板101との密着性が強く、樹脂基板101の透光性を維持するため薄く成膜できる金属材料を用いることが望ましい。なお、第1の金属層102は導電性を有していてもよいし、導電性に乏しいものであってもよく、目的とする光学素子の機能に応じて適宜選択しうる。
第2の金属層103は、図1(A)に示す形状にパターンニングされており、複数の金属パターン104を構成している。この金属パターン104は、図1(C)に示すように、長方形の左右端部に矩形の凸部を有する形状であり、図中に示す寸法L1は、例えば、100nm、寸法L2は、例えば、200nm、寸法L3は、例えば、100nmとする。これらの寸法L1,L2,L3の各値は一例であり、特に限定するものではないが、1000nm以下の寸法に設定することが望ましい。また、図1(A)に示す隣接する金属パターン104間の最接近した部分の間隔Dは、ナノオーダーに設定されており、例えば、40nmとする。この間隔Dの値は一例であり、特に限定するものではないが、適用する光の波長に応じて適宜設定しうる値であり、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下の寸法に設定することが望ましい。なお、間隔Dの下限値は加工上の制約を考慮すると、20nm以上とすることが好ましい。したがって20nm〜100nmの範囲でDを設定するのが最も好ましい。また、第2の金属層103は、金属材料を含み、例えば、貴金属であるAu、Ag、やAl等の金属材料を用いてもよい。樹脂基板101と第2の金属層103の間に第1の金属層102を介在させることにより、各層の密着性を向上させることができる。
図1(B)に示す断面図では、第1の金属層102が樹脂基板101の上面全面に形成した場合を示しているが、この構成に限定するものではなく、例えば、図2に示すように、第2の金属層103に形成される金属パターン104の形状に実質的に合わせて形成してもよい。また、図1(A)に示した隣接する金属パターン104間の間隔Dは、例えば、図3(A)に示すように、間隔D1としてもよく、また、図3(B)に示すように、間隔D1よりも広い間隔D2としてもよい。この隣接する金属パターン104間の間隔Dによって、上述した金属ナノ構造体間に発生する近接場光相互作用の程度が変化する。また、上述したように、柔軟性を有する樹脂基板101に対して外力が加えられ、樹脂基板101が曲げられた場合、隣接する金属パターン104間の間隔Dが変化し、金属ナノ構造体間に発生する近接場光相互作用に変化をもたらす。なお、変形は曲げ以外に、伸縮、ねじれ等を含むものとする。個々の金属パターン104間の間隔は、樹脂基板101の面内において均一に設定してもよいし、第1の領域とそれとは異なる第2の領域において間隔を異ならせて面内分布を持たせてもよい。
<光学素子の製造方法>
次に、図1に示した光学素子100の製造方法について図4を参照して説明する。
(1)下基板の準備(図4(A)参照)
まず、樹脂基板101を形成するために用いる下基板110(第1の基板)を準備する。この下基板110としては、例えば、6インチの石英基板を用いるものとする。なお、下基板110は、石英基板に限るものではなく、シリコン基板を用いてもよい。
(2)PDMS滴下(図4(B)参照)
次に、下基板110の上面に樹脂層としてPDMS101を所定量(例えば、15g)滴下して、厚さを1mm程度に設定する。
(3)押付け基板の準備(図4(C)参照)
次に、下基板110の上面に滴下したPDMS101を平坦化するための押付け基板111(第2の基板)を準備する。この押付け基板111としては、例えば、シリコン基板を用いるものとする。押付け基板111の表面は、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下であることが好ましい。
(4)離型層形成(図4(D)参照)
次に、押付け基板111の一方の面上に、フッ素系の離型剤を塗布して離型層112を形成する。この離型剤は、PDMS101を平坦化した後、PDMS101から押付け基板111を分離することを容易にするためのものである。
(5)押付け(図4(E)参照)
次に、押付け基板111の離型層112を形成した面を硬化前のPDMS101の表面に押し付けた状態を保持し、PDMSを硬化させ押付け基板111の平坦面をPDMS101の表面に転写することで、PDMS101の表面を平坦化する。その際、2時間以上室温で放置することでPDMSは硬化するが、100℃以上に加熱することにより短時間で硬化させることも出来る。基板上に平坦な樹脂層を形成する方法としてスピンコート法が一般的であるが、硬化前のPDMSのような粘性の高い材料を平坦性よく塗布することが困難である。本方法では押付け基板111の平坦面をPDMSに転写することで、押付け基板111の平坦面と同等の平坦性を容易に実現できる。PDMS101の表面を平坦化することにより、後述する工程において形成される第1の金属層102であるCr層102及び第2の金属層103であるAu層103の平滑性を向上できる。
(6)分離(図4(F)参照)
次に、PDMS101表面を平坦化した後、PDMS101から押付け基板111を分離する。
(7)下基板の準備(図4(G)参照)
次に、押付け基板111を分離し、PDMS101表面を平坦化した下基板110を準備する。
(8)Cr層の形成(図4(H)参照)
次に、例えば、スパッタ法、蒸着法等の真空成膜法を用いてPDMS101表面上にCr層102を形成する。このCr層102の厚さは、例えば、2nmである。Cr層102の厚さは、特に限定するものではないが、PDMS101の透光性に影響を与えない程度のナノオーダーの厚さ1nm〜5nm程度に形成することが望ましい。
(9)レジスト塗布(図4(I)参照)
次に、Cr層102上にレジスト114を厚さ300nm程度塗布する。このレジスト114としては、例えば、電子線レジストZEP520(日本ゼオン株式会社製)等を用いてもよい。なお、レジスト材料は、特に限定するものではない。
(10)EB描画・現像(図4(J)参照)
次に、EB描画及び現像により、図1(C)に示した金属パターン104に対応する開口を有するレジストパターン114を形成する。PDMS101上に導電性を有するCr層102が形成されているため、電子線描画における電子のチャージアップを防止することができる。また、PDMS101上にCr層102を成膜した後でレジストを形成するため、PDMS101表面でレジストが剥がれてしまうのを防ぐことができる。なお、レジストパターンの形成は、ナノインプリントリソグラフィや集束イオンビームリソグラフィなどで行うことも可能である。
(11)Au層の形成(図4(K)参照)
次に、例えば、スパッタ法、蒸着法等の真空成膜法を用いてCr層102上及びレジストパターン114上にAu層103を形成する。このAu層103の厚さは、例えば、200nm程度である。
(12)リフトオフ(図4(L)参照)
次に、レジストパターン114及びレジストパターン114上のAu層103を除去し(リフトオフ)、Cr層102上にAu層103が積層した金属パターン104を形成する。
(13)PDMS分離(図4(M)参照)
次に、PDMS101から下基板110を分離して光学素子100の製造を完了する。なお、完成したPDMS101の厚さは、0.1mm〜5mm程度にすることが望ましい。0.1mm未満であると、PDMS101分離の際に、機械的強度が足りず破損が生じる。5mmより大きいと弾性が生じにくくなるため、好ましくない。すなわち、PDMS101は、曲げることが可能な厚さにすることが望ましい。
以上の製造方法によりPDMSを樹脂基板101とし、樹脂基板101上に第1金属層102としてCr層102及び第2金属層103としてAu層103からなる金属パターン104を積層した光学素子100の製造が可能になる。この製造方法により製造された光学素子100は、金属との密着性が強いCr層102を樹脂基板101上に成膜し、Cr層102上に金属パターン104を形成するAu層103を成膜するため、樹脂基板と金属ナノ構造体との密着性を改善でき、繰り返し加えられる外力に耐えられる構造とすることができる。また、上記製造方法では、押付け基板111を用いて樹脂基板101となるPDMS101表面を平坦化したため、その平滑性を改善でき、その後に成膜するCr層102表面の平滑性も改善でき、Au層103による金属パターン104の形成位置の精度を向上させることができる。
図1に示した光学素子100の製造方法は、図4に示したリフトオフ法を用いる他、後述するように積層した金属をエッチングすることにより金属パターン104を作製してもよい。このエッチング法を用いる光学素子の製造方法について図5を参照して説明する。なお、Cr層の形成〜PDMS分離以前の工程は上述の工程と略同様であり、図5ではその図示及び説明を省略する。
(1)Cr層の形成(図5(A)参照)
次に、例えば、スパッタ法、蒸着法等の真空成膜法を用いてPDMS101表面上にCr層102を形成する。このCr層102の厚さは、例えば、2nmである。Cr層102の厚さは、特に限定するものではないが、PDMS101の透光性に影響を与えない程度のナノオーダーの厚さ1nm〜5nm程度に形成することが望ましい。
(2)Au層の形成(図5(B)参照)
次に、例えば、スパッタ法、蒸着等の真空成膜法を用いてCr層102上にAu層103を形成する。このAu層103の厚さは、例えば、200nm程度である。
(3)レジスト塗布(図5(C)参照)
次に、Cr層102上にレジスト114を厚さ300nm程度塗布する。このレジスト114としては、例えば、電子線レジストZEP520(日本ゼオン株式会社製)等を用いてもよい。なお、レジスト材料は、特に限定するものではない。
(4)EB描画・現像(図5(D)参照)
次に、EB描画及び現像により、レジスト114に図1(C)に示した金属パターン104に対応したレジストパターン114を形成する。PDMS101上に導電性を有するCr層102が形成されているため、電子線描画における電子のチャージアップを防止することができる。
(5)Cr層及びAu層のエッチング(図5(E)参照)
次に、レジストパターン114をマスクにしてCr層102、Au層103をエッチングする。その後、レジストパターン114を除去し、Cr層102にAu層103が積層して構成された金属パターン104を得る。
(6)PDMS分離(図5(F)参照)
次に、PDMS101から下基板110を分離して光学素子100の製造を完了する。
次に、第1の実施の形態に係る光学素子100の動作について図6を参照して説明する。図6(A)は光学素子100に外力が加えられた状態を示す図、図6(B)は外力が加えられたことにより隣接する金属パターン104間の間隔Dが変化する状態を示す図である。
図6(A)において、図中に示すy方向に曲げられる外力が光学素子100に加えられると、樹脂基板101はy方向に曲げられる。このように樹脂基板101が曲げられると、図6(B)に示すように、隣接する金属パターン104間の間隔Dは、曲げられる前の間隔Dよりも曲げられた後の間隔Dが広がる。この隣接する金属パターン104間の間隔Dの変化は、隣接する金属パターン104間に発生する近接場光相互作用を変化させる。このため、図1(A)に示すように、光学素子100に対して紙面の手前から奥方向に垂直に入射する光は、偏光状態が変化する。また、図示はしていないが、樹脂基板101を引っ張って伸長させて、隣接する金属パターン104間の間隔Dを変化させて近接場光相互作用を変化させてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る光学素子100は、所定の外力を加えて隣接する金属パターン104間の間隔Dを変化させることにより、隣接する金属パターン104間に発生する近接場光相互作用を変化させて、入射する偏光を変化させる等の機能を発揮することができる。この光学素子100の機能と偏光フィルタを利用することにより、例えば、入射光の透過と遮断を行う光スイッチ等として適用することが可能になる。また、光学素子100は、金属パターン104の大きさ及び隣接する金属パターン104間の間隔Dを可視光領域(400nm〜700nm)に適用するように設計すれば、所定の外力を加えて隣接する金属パターン104間の間隔Dを変化させることにより、可視光領域の入射光の偏光を変化させることが可能になる。したがって、樹脂基板101上に金属パターン104を配置した光学素子100は、従来のガラスや石英等の基板を用いる光学素子に比べて利用範囲を拡大できる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る光学素子200について図7〜図10を参照して説明する。第2の実施の形態に係る光学素子200は、金属パターンの形状を短冊形状にしたことに特徴がある。なお、図7〜図10に示す光学素子200の構成では、第1の実施の形態に示した光学素子100と同一の構成部分には同一符号を付しており、その構成説明は省略する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図である。図7(A)は第2の実施の形態に係る光学素子200の概略構成を示す平面図、図7(B)は図7(A)のB−B´線から見た断面図、図7(C)は金属パターンの構成を示す図である。図7(A)及び(B)において、光学素子200は、樹脂基板101(樹脂層)上に配置される第1の金属層102と、第1の金属層102上に配置される第2の金属層203とを備え、第1の金属層102と第2の金属層203が積層した構造を有する金属パターン204を含んでいる。
第2の金属層203は、図7(A)に示す形状にパターンニングされており、複数の金属パターン204を構成している。この金属パターン204は、図7(C)に示すように、短冊形状であり、図中に示す寸法L21は、例えば、100nm、寸法L21は、例えば、200nmとする。これらの寸法L21,L22の各値は一例であり、特に限定するものではないが、1000nm以下の寸法に設定することが望ましい。また、図7(A)に示す隣接する金属パターン204間の最接近した部分の間隔Dは、ナノオーダーに設定されており、例えば、80nmとする。この間隔Dの値は一例であり、特に限定するものではないが、適用する光の波長に応じて適宜設定しうる値であり、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下の寸法に設定することが望ましい。なお、間隔Dの下限値は加工上の制約を考慮すると、20nm以上であることが好ましい。したがって20nm〜100nmの範囲でDを設定するのが最も好ましい。また、第2の金属層203は、例えば、貴金属であるAu、Ag、やAl等の金属材料を用いてもよい。樹脂基板101と第2の金属層203の間に第1の金属層102を介在させることにより、各層の密着性を向上させることができる。
図7(B)に示す断面図では、第1の金属層102が樹脂基板101の上面全面に形成した場合を示しているが、この構成に限定するものではなく、例えば、図8に示すように、第2の金属層203に形成される金属パターン204の形状に実質的に合わせて形成してもよい。また、図7(A)に示した隣接する金属パターン204間の間隔Dは、例えば、図9(A)に示すように、間隔D21としてもよく、また、図9(B)に示すように、間隔D21よりも広い間隔D22としてもよい。この隣接する金属パターン204間の間隔Dによって、上述した金属ナノ構造体間に発生する近接場光相互作用の程度が変化する。また、上述したように、柔軟性を有する樹脂基板101に対して外力が加えられ、樹脂基板101が曲げられた場合、隣接する金属パターン204間の間隔Dが変化し、金属ナノ構造体間に発生する近接場光相互作用に変化をもたらす。なお、変形は曲げ以外に、伸縮、ねじれ等を含むものとする。個々の金属パターン204間の間隔は、樹脂基板101の面内において均一に設定してもよいし、第1の領域とそれとは異なる第2の領域において間隔を異ならせて面内分布を持たせてもよい。
第2の実施の形態に係る光学素子200の製造方法は、第1の実施の形態において図4又は図5に示した製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
次に、第2の実施の形態に係る光学素子200の動作について図10を参照して説明する。図10(A)は光学素子200に外力が加えられた状態を示す図、図10(B)は外力が加えられたことにより隣接する金属パターン204間の間隔Dが変化する状態を示す図である。
図10(A)において、図中に示すy方向に曲げられる外力が光学素子200に加えられると、樹脂基板101はy方向に曲げられる。このように樹脂基板101が曲げられると、図10(B)に示すように、隣接する金属パターン204間の間隔Dは、曲げられる前の間隔Dよりも曲げられた後の間隔Dが広がる。この隣接する金属パターン204間の間隔Dの変化は、隣接する金属パターン204間に発生する近接場光相互作用を変化させる。このため、図7(A)に示すように、光学素子200に対して紙面の手前から奥方向に垂直に入射する光は、その偏光が変化する。また、図示はしていないが、樹脂基板101を引っ張って伸長させて、隣接する金属パターン204間の間隔Dを変化させて近接場光相互作用を変化させてもよい。
本発明の第2の実施の形態に係る光学素子200は、所定の外力を加えて隣接する金属パターン204の間隔Dを変化させることにより、隣接する金属パターン204間に発生する近接場光相互作用を変化させて、入射する光の偏光状態を変化させる等の機能を発揮することができる。この光学素子200の機能を利用することにより、例えば、入射光の透過と遮断を行う光スイッチ等として適用することが可能になる。また、光学素子200は、金属パターン204の大きさ及び隣接する金属パターン204間の間隔Dを可視光領域(400nm〜700nm)に適用するように設計すれば、所定の外力を加えて隣接する金属パターン204間の間隔Dを変化させることにより、可視光領域の入射光の偏光を変化させることが可能になる。したがって、樹脂基板101上に金属パターン204を配置した光学素子200は、従来のガラスや石英等の基板を用いる光学素子に比べて利用範囲を拡大できる。また、光学素子200は、密着性が強いCr層102を樹脂基板101上に成膜し、Cr層102上に金属パターン204を形成するAu層103を成膜したため、樹脂基板と金属ナノ構造体との密着性を改善でき、繰り返し加えられる外力に耐えられる構造とすることができる。また、上記製造方法では、押付け基板111を用いて樹脂基板101となるPDMS101表面を平坦化したため、その平滑性を改善でき、その後に成膜するCr層102表面の平滑性も改善でき、Au層203による金属パターン204の形成位置の精度を向上させることができる。
上述の第1の実施形態の形態および第2の実施の形態に記載した金属パターン104、204の形態は一例であって、例えば「十」字形状、「卍」形状、「T」字形状等の模様の組合せを用いることもできる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る光学素子300について図11〜図13を参照して説明する。第3の実施の形態に係る光学素子300は、金属パターンとして略リング形状の一部に切り欠き部を有する金属ナノ構造体を複数配置したことに特徴がある。光学素子300はメタマリアルを構成するためのメタマリアル用部材である。なお、図11〜図13に示す光学素子300の構成では、第1の実施の形態に示した光学素子100と同一の構成部分には同一符号を付しており、その構成説明は省略する。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図である。図11(A)は第3の実施の形態に係る光学素子300の概略構成を示す平面図、図11(B)は図11(A)のC−C´線から見た断面図、図11(C)は金属パターンの構成を示す図である。図10(A)及び(B)において、光学素子300は、樹脂基板101(樹脂層)上に配置される第1の金属層102と、第1の金属層102上に配置される第2の金属層303とを備え、第1の金属層102と第2の金属層303が積層した構造を有する金属パターン304を含んでいる。なお、樹脂基板101としてはPDMSを用い、第1の金属層102としてはCr層を用いることができる。
第2の金属層303は、図11(A)に示す略リング形状の一部に切り欠き部を有する複数の金属パターン304が形成されている。この金属パターン304は、図11(C)に示すように、直径L31が130nm程度の略リング形状であり、その左側部に間隔D31が20nm程度の切り欠き部304aが形成されている。なお、略リング形状とは、第2の金属層が少なくとも1つの切り欠き部を有しながら、全体として環状であることをさすものとする。なお、環状とは円環状、方環状、多角形の環状等の種々の形態を包含する。これらの寸法L31,D31の値は一例であり、特に限定するものではないが、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下の寸法に設定する。また、図10(A)に示す隣接する金属パターン304の中心間の間隔D32は、例えば、160nmとする。この間隔D32の値は一例であり、特に限定するものではないが、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下の寸法に設定する。例えば、適用する光の波長が可視光領域(400nm〜700nm)である場合、L31の値は、その適用する光の波長内に収まるように設定し、L31の値に応じてD31及びD32の各値を変更することが望ましい。また、第2の金属層303としては、例えば、Au、Ag、Al等の金属材料を用いてもよい。樹脂基板101と第2の金属層303の間に第1の金属層102を介在させることにより、各層の密着性を向上させることができる。第2の実施の形態では、第2の金属層303としてAuを用いるものとする。図10(C)に示す金属パターン304の形状は、負屈折率などの自然界に存在しない機能を有する、いわゆるメタマテリアル機能を発現する。
図11(B)に示す断面図では、第1の金属層102が樹脂基板101の上面全面に形成した場合を示しているが、この構成に限定するものではなく、例えば、図12に示すように、第2の金属層303に形成される金属パターン304の形状に実質的に合わせて形成してもよい。また、上述したように、樹脂基板101に対して外力が加えられ、樹脂基板101が曲げられた場合、金属パターン304の切り欠き部304aの間隔D31が変化し、金属ナノ構造体の容量が変化することで、メタマテリアルとしての特性が変化する。
第3の実施の形態に係る光学素子300の製造方法は、第1の実施の形態において図4又は図5に示した製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
次に、第3の実施の形態に係る光学素子300の動作について図13を参照して説明する。図13(A)は光学素子300に外力が加えられた状態を示す図、図13(B)は外力が加えられたことにより金属パターン304の切り欠き部304aの間隔D31が変化する状態を示す図である。
図13(A)において、図中に示すy方向に曲げられる外力が光学素子300に加えられると、樹脂基板101はy方向に曲げられる。このように樹脂基板101が曲げられると、図13(B)に示すように、金属パターン304の切り欠き部304aの間隔D31は、曲げられる前の間隔D31よりも曲げられた後の間隔D31が広がる。この金属パターン304の切り欠き部304aの間隔D31が変化し、金属ナノ構造体のLC特性を変化させる。このため、図11(A)に示すように、光学素子300に対して紙面の手前から奥方向に垂直に入射する光に対する屈折率が変化する。また、図示はしていないが、樹脂基板101を引っ張って伸長させて、金属パターン304の切り欠き部304aの間隔D31を変化させてもよい。
本発明の第3の実施の形態に係る光学素子300は、所定の外力を加えて金属パターン304の切り欠き部304aの間隔D31を変化させることにより、金属ナノ構造体のLC特性を変化させて、メタマテリアル機能を発現する波長をシフトさせる等の機能を発揮することができる。また、光学素子300は、金属パターン304及び切り欠き部304aの大きさを可視光領域(400nm〜700nm)に適用するように設計すれば、所定の外力を加えて金属パターン304の切り欠き部304aの間隔D31を変化させることにより、可視光領域の入射光の波長依存性をシフトさせることが可能になる。したがって、樹脂基板101上にナノマテリアルとしての金属パターン304を配置した光学素子300は、従来のガラスや石英等の基板を用いる光学素子に比べて利用範囲を拡大できる。また、光学素子300は、密着性が強いCr層102を樹脂基板101上に成膜し、Cr層102上に金属パターン304を形成するAu層303を成膜したため、樹脂基板と金属ナノ構造体との密着性を改善でき、繰り返し加えられる外力に耐えられる構造とすることができる。また、上記製造方法では、押付け基板111を用いて樹脂基板101となるPDMS101表面を平坦化したため、その平滑性を改善でき、その後に成膜するCr層102表面の平滑性も改善でき、Au層303による金属パターン304の形成位置の精度を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る光学素子400について図14〜図16を参照して説明する。第4の実施の形態に係る光学素子400は、金属パターンとして略リング形状のものに複数の切り欠き部を有しており、C字形状のパターンを有する金属ナノ構造体を複数配置したことに特徴がある。光学素子400はメタマリアルを構成するためのメタマリアル用部材である。なお、図14〜図16に示す光学素子400の構成では、第1の実施の形態に示した光学素子100と同一の構成部分には同一符号を付しており、その構成説明は省略する。
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図である。図14(A)は第4の実施の形態に係る光学素子400の概略構成を示す平面図、図14(B)は図14(A)のD−D´線から見た断面図、図14(C)は金属パターンの構成を示す図である。図14(A)及び(B)において、光学素子400は、樹脂基板101(樹脂層)上に配置される第1の金属層102と、第1の金属層102上に配置される第2の金属層403とを備え、第1の金属層102と第2の金属層403が積層した構造を有する金属パターン404を含んでいる。なお、樹脂基板101としてはPDMSを用い、第1の金属層102としてはCr層を用いることができる。
第2の金属層403には、図14(A)に示す2つのC字形状パターン404a及び404bを間隔D41を空けて上下に配置した金属パターン404が複数形成されている。この金属パターン404は、図14(C)に示すように、直径L41が130nm程度の略リング形状であり、そのC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41が20nm程度に形成されている。これらの寸法L41,D41の値は一例であり、特に限定するものではないが、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下の寸法に設定する。また、図14(A)に示す隣接する金属パターン404の中心間の間隔D42は、例えば、160nmとする。この間隔D42の値は一例であり、特に限定するものではないが、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下の寸法に設定する。例えば、適用する光の波長が可視光領域(400nm〜700nm)である場合、L41の値は、その適用する光の波長内に収まるように設定し、L41の値に応じてD41及びD42の各値を変更することが望ましい。また、第2の金属層403としては、例えば、貴金属であるAu、Ag、やAl等の金属材料を用いてもよい。樹脂基板101と第2の金属層403の間に第1の金属層102を介在させることにより、各層の密着性を向上させることができる。第3の実施の形態では、第2の金属層403としてAuを用いるものとする。図14(C)に示す金属パターン404の形状は、メタマテリアル機能を発現する金属ナノ構造体として機能する。
図14(B)に示す断面図では、第1の金属層102が樹脂基板101の上面全面に形成した場合を示しているが、この構成に限定するものではなく、例えば、図15に示すように、第2の金属層403に形成される金属パターン404の形状に実質的に合わせて形成してもよい。また、上述したように、樹脂基板101に対して外力が加えられ、樹脂基板101が曲げられた場合、金属パターン404のC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41が変化し、C字形状パターン404a及び404bで生じるLC特性に変化をもたらす。
第4の実施の形態に係る光学素子400の製造方法は、第1の実施の形態において図4又は図5に示した製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
次に、第4の実施の形態に係る光学素子400の動作について図16を参照して説明する。図16(A)は光学素子400に外力が加えられた状態を示す図、図16(B)は外力が加えられたことにより金属パターン404のC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41が変化する状態を示す図である。
図16(A)において、図中に示すy方向に曲げられる外力が光学素子400に加えられると、樹脂基板101はy方向に曲げられる。このように樹脂基板101が曲げられると、図16(B)に示すように、金属パターン404のC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41は、曲げられる前の間隔D41よりも曲げられた後の間隔D41が広がる。この金属パターン404のC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41が変化し、金属ナノ構造体のLC特性を変化させる。このため、図14(A)に示すように、光学素子400に対して紙面の手前から奥方向に垂直に入射する光に対する屈折率が変化する。また、図示はしていないが、樹脂基板101を引っ張って伸長させて、金属パターン404の間隔D41を変化させてもよい。
本発明の第4の実施の形態に係る光学素子400は、所定の外力を加えて金属パターン404のC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41を変化させることにより、金属ナノ構造体のLC特性を変化させて、メタマテリアル機能を発現する波長をシフトさせる等の機能を発揮することができる。また、光学素子400は、金属パターン404及びC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41を可視光領域(400nm〜700nm)に適用するように設計すれば、所定の外力を加えて金属パターン404のC字形状パターン404a及び404b間の間隔D41を変化させることにより、可視光領域の入射光の波長依存性をシフトさせることが可能になる。したがって、樹脂基板101上にナノマテリアルとしての金属パターン404を配置した光学素子400は、従来のガラスや石英等の基板を用いる光学素子に比べて利用範囲を拡大できる。また、光学素子400は、密着性が強いCr層102を樹脂基板101上に成膜し、Cr層102上に金属パターン404を形成するAu層403を成膜したため、樹脂基板と金属ナノ構造体との密着性を改善でき、繰り返し加えられる外力に耐えられる構造とすることができる。また、上記製造方法では、押付け基板111を用いて樹脂基板101となるPDMS101表面を平坦化したため、その平滑性を改善でき、その後に成膜するCr層102表面の平滑性も改善でき、Au層403による金属パターン404の形成位置の精度を向上させることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係る光学素子500について図17〜図19を参照して説明する。第5の実施の形態に係る光学素子500は、金属パターンとして矩形のリング形状の一部に切り欠き部を有する金属ナノ構造体を複数配置したことに特徴がある。光学素子500はメタマリアルを構成するためのメタマリアル用部材である。なお、図17〜図19に示す光学素子500の構成では、第1の実施の形態に示した光学素子100と同一の構成部分には同一符号を付しており、その構成説明は省略する。
図17は、本発明の第5の実施の形態に係る光学素子の概略構成を示す図である。図17(A)は第5の実施の形態に係る光学素子500の概略構成を示す平面図、図17(B)は図17(A)のE−E´線から見た断面図、図17(C)は金属パターンの構成を示す図である。図17(A)及び(B)において、光学素子500は、樹脂基板101(樹脂層)上に配置される第1の金属層102と、第1の金属層102上に配置される第2の金属層503とを備え、第1の金属層102と第2の金属層503を積層した構造を有する金属パターン504を含んでいる。なお、樹脂基板101としてはPDMSを用い、第1の金属層102としてはCr層を用いることができる。
第2の金属層503には、図17(A)に示す方環の一部に切り欠き部を有する複数の金属パターン504が形成されている。この金属パターン504は、図17(C)に示すように、一辺の長さL51が130nm程度の矩形のリング形状であり、その左側部に間隔D51が20nm程度の切り欠き部504aが形成されている。これらの寸法L51,D51の値は一例であり、特に限定するものではないが、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下の寸法に設定することが望ましい。また、図17(A)に示す隣接する金属パターン504の中心間の間隔D52は、例えば、150nmとする。この間隔D52の値は一例であり、特に限定するものではないが、1000nm以下の寸法に設定することが望ましい。例えば、適用する光の波長が可視光領域(400nm〜700nm)である場合、L51の値は、その適用する光の波長内に収まるように設定し、L51の値に応じてD51及びD52の各値を変更することが望ましい。また、第2の金属層503としては、例えば、貴金属であるAu、Ag、やAl等の金属材料を用いてもよい。樹脂基板101と第2の金属層503の間に第1の金属層102を介在させることにより、各層の密着性を向上させることができる。第2の実施の形態では、第2の金属層503としてAuを用いるものとする。図17(C)に示す金属パターン504の形状は、メタマテリアル機能を発現する。
図17(B)に示す断面図では、第1の金属層102が樹脂基板101の上面全面に形成した場合を示しているが、この構成に限定するものではなく、例えば、図18に示すように、第2の金属層503に形成される金属パターン504の形状に実質的に合わせて形成してもよい。また、上述したように、樹脂基板101に対して外力が加えられ、樹脂基板101が曲げられた場合、金属パターン504の切り欠き部504aの間隔D51が変化し、金属ナノ構造体の容量が変化することで、メタマテリアルとしての特性が変化する。
第5の実施の形態に係る光学素子500の製造方法は、第1の実施の形態において図4又は図5に示した製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
次に、第5の実施の形態に係る光学素子500の動作について図19を参照して説明する。図19(A)は光学素子500に外力が加えられた状態を示す図、図19(B)は外力が加えられたことにより金属パターン504の切り欠き部504aの間隔D51が変化する状態を示す図である。
図19(A)において、図中に示すy方向に曲げられる外力が光学素子500に加えられると、樹脂基板101はy方向に曲げられる。このように樹脂基板101が曲げられると、図19(B)に示すように、金属パターン504の切り欠き部504aの間隔D51は、曲げられる前の間隔D51よりも曲げられた後の間隔D51が広がる。この金属パターン504の切り欠き部504aの間隔D51が変化し、金属ナノ構造体のLC特性を変化させる。このため、図17(A)に示すように、光学素子500に対して紙面の手前から奥方向に垂直に入射する光に対する屈折率が変化する。また、図示はしていないが、樹脂基板101を引っ張って伸長させて、金属パターン504の切り欠き部504aの間隔D51を変化させてもよい。
本発明の第5の実施の形態に係る光学素子500は、所定の外力を加えて金属パターン504の切り欠き部504aの間隔D51を変化させることにより、金属ナノ構造体のLC特性を変化させて、メタマテリアル機能を発現する波長をシフトさせる等の機能を発揮することができる。また、光学素子500は、金属パターン504及び切り欠き部504aの大きさを可視光領域(400nm〜700nm)に適用するように設計すれば、所定の外力を加えて金属パターン504の切り欠き部504aの間隔D51を変化させることにより、可視光領域の入射光の波長依存性をシフトさせることが可能になる。したがって、樹脂基板101上にナノマテリアルとしての金属パターン504を配置した光学素子500は、従来のガラスや石英等の基板を用いる光学素子に比べて利用範囲を拡大できる。また、光学素子500は、密着性が強いCr層102を樹脂基板101上に成膜し、Cr層102上に金属パターン504を形成するAu層503を成膜したため、樹脂基板と金属ナノ構造体との密着性を改善でき、繰り返し加えられる外力に耐えられる構造とすることができる。また、上記製造方法では、押付け基板111を用いて樹脂基板101となるPDMS101表面を平坦化したため、その平滑性を改善でき、その後に成膜するCr層102表面の平滑性も改善でき、Au層403による金属パターン404の形成位置の精度を向上させることができる。
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る光学素子600について図20を参照して説明する。第6の実施の形態に係る光学素子600は、第3の実施の形態に示した光学素子300を5層積層して構成している。第3の実施形態に示した光学素子300を積層した場合を例示しているが、第4の実施形態、第5の実施形態に示した光学素子400、光学素子500を積層してもよい。積層数は5層に限定されるものではなく、用途、求める特性に応じて複数の層を積層することができる。略リング形状の金属パターンは積層方向に位置合わせされていてもよいし、1層あるいは複数層毎に切り欠き部の位置を交互にずらして配置してもよいし、さらには積層された状態で切り欠き部の位置が上面視でランダムに配置されるようにしてもよい。また、積層する光学素子は第3の実施の形態に示した光学素子300に限るものではなく、第4の実施の形態に示した光学素子400、または第5の実施の形態に示した光学素子500であってもよい。また、図20に示す光学素子600は複数の光学素子300を密着させて積層する構成を示しているが、光学素子300間を所定間隔離隔して積層する構成としてもよい。
このように複数の光学素子300を積層した光学素子600は、積層する光学素子300の配置を変更することで、例えば、入射する光の屈折率を負の値にするいわゆるメタマテリアル機能を発揮することができる。
100,200,300,400,500,600…光学素子、101…樹脂基板、102…第1の金属層(Cr層)、103,203,303,403,503…第2の金属層(Au層)、104,204,304,404,504…金属パターン。

Claims (14)

  1. 透光性及び弾性率が100KPa以上10MPa以下の弾性を有する樹脂層と、
    前記樹脂層上に配置された複数の金属パターンと、を備え、
    前記金属パターンは、前記樹脂層上に配置される第1の金属層と、前記第1の金属層上に配置される第2の金属層とが積層して構成され、
    隣接する前記第2の金属層の間隔が1000nm以下であり、
    前記樹脂層を変形させることで隣接する前記第2の金属層の間隔が変化することを特徴とする光学素子。
  2. 透光性及び弾性率が100KPa以上10MPa以下の弾性を有する樹脂層と、
    前記樹脂層上に配置された複数の金属パターンと、を備え、
    前記金属パターンは、前記樹脂層上に配置される第1の金属層と、前記第1の金属層上に配置される第2の金属層とが積層して構成され、
    前記第2の金属層は少なくとも一部に切り欠き部を有する略リング形状であり、
    前記切り欠き部の間隔が1000nm以下であり、
    前記樹脂層を変形させることで前記切り欠き部の間隔が変化することを特徴とする光学素子。
  3. 前記第1の金属層と前記第2の金属層が上面視において同一形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学素子。
  4. 前記第1の金属層が前記樹脂層の全面に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学素子。
  5. 前記第1の金属層がCr、Ti、Ni、W、これらの酸化物及び窒化物のいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学素子。
  6. 前記第1の金属層の厚さが1nm以上、5nm以下であることを特徴とする請求項5記載の光学素子。
  7. 前記樹脂層がシリコン樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学素子。
  8. 第1の基板上に透光性及び弾性率が100KPa以上10MPa以下の弾性を有する樹脂層を形成し、
    前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、
    前記第1の金属層上にレジストを塗布し、その露光、現像を行ない、少なくとも複数の開口の幅が1000nm以下となるようにレジストパターンを形成し、
    少なくとも前記レジストパターンの開口により露出した前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、
    前記レジストパターンを除去し、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、
    前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 第1の基板上に透光性及び弾性率が100KPa以上10MPa以下の弾性を有する樹脂層を形成し、
    前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、
    前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、
    前記第2の金属層上にレジストパターンを形成し、
    前記レジストパターンをマスクとして、隣接する前記第2の金属層の間隔が1000n
    m以下となるように前記第2の金属層をエッチングして、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、
    前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 第1の基板上に透光性及び弾性率が100KPa以上10MPa以下の弾性を有する樹脂層を形成し、
    前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、
    前記第1の金属層上にレジストを塗布し、その後露光、現像を行ない、少なくとも一部に切り欠き部を有する略リング形状の開口を有し、前記切り欠き部の間隔が1000nm以下となるようにレジストパターンを形成し、
    少なくとも前記レジストパターンの開口により露出した前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、
    前記レジストパターンを除去し、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、
    前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  11. 第1の基板上に透光性及び弾性率が100KPa以上10MPa以下の弾性を有する樹脂層を形成し、
    前記樹脂層上に第1の金属層を形成し、
    前記第1の金属層上に第2の金属層を形成し、
    前記第2の金属層上にレジストパターンを形成し、
    前記レジストパターンをマスクとして、少なくとも一部に切り欠き部を有する略リング形状の開口を有し、前記切り欠き部の幅が1000nm以下となるように前記第2の金属層をエッチングして、前記第1の金属層と前記第2の金属層が積層した金属パターンを形成し、
    前記第1の基板と前記樹脂層を離間させて剥離すること、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  12. 前記樹脂層の形成後に、平坦面を有する第2の基板を前記樹脂層に押し当て、前記第2の基板の平坦面を前記樹脂層に転写すること、を更に含むことを特徴とする請求項9乃至11の何れか一項に記載の光学素子の製造方法。
  13. 透光性及び弾性を有する樹脂層と、前記樹脂層上に配置された複数の金属パターンと、を備え、前記金属パターンは、前記樹脂層上に配置される第1の金属層と、前記第1の金属層上に配置される第2の金属層とが積層して構成され、隣接する前記第2の金属層の間隔が1000nm以下である光学素子であって、当該光学素子の前記樹脂層を変形させて隣接する前記第2の金属層の間隔を変化させることを特徴とする光学素子の使用方法。
  14. 透光性及び弾性を有する樹脂層と、前記樹脂層上に配置された複数の金属パターンと、を備え、前記金属パターンは、前記樹脂層上に配置される第1の金属層と、前記第1の金属層上に配置される第2の金属層とが積層して構成され、前記第2の金属層は少なくとも一部に切り欠き部を有する略リング形状であり、前記切り欠き部の間隔が1000nm以下である光学素子であって、当該光学素子の前記樹脂層を変形させて隣接する前記切り欠き部の間隔を変化させることを特徴とする光学素子の使用方法。
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