JP5548325B2 - 床束および床支持構造 - Google Patents

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本発明は、建築物において大引を介して床を支持する床束およびこのような床束を用いた床支持構造に関する。
従来より、住宅等の建築物においては、木製または鋼製の大引を介して床を支持する床束およびこのような床束を使用した床支持構造がよく用いられている。このような従来技術では、一般に床束は、水平方向に広がる水平部とこの水平面部の端部から鉛直方向に立ち上がる側壁部とを備えることにより全体にL字形またはコの字形をなす受け台を有し、大引の側面が受け台の側壁部に接するようにして、受け台の水平部上に大引を載置した上、受け台の側壁部または水平部からビス留めまたは釘留めして、受け台上に大引が支持されるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特許第4143586号公報
大引には、90mm×90mm、105mm×105mm、120mm×120mm等、横断面のサイズが異なる種々のものがある。このため、従来は、大引の側面の位置とL字形またはコの字形の受け台の側壁部の位置とが合致するように、横断面のサイズが異なる毎に、対応する大きさを有する受け台を備えた異なる床束を用意しなければならなかった。
また、受け台がL字型をなす床束においては、受け台の側壁部が片側にしかないので、床束に対する大引の水平方向の移動を一方の向きのみしか強固に阻止できなかった。このため、多数の床束を大引に沿って配置する際、各床束の受け台の側壁部が大引の両側に交互に存在することとなるように、各床束を受け台の向きを交互に変えて配置する必要あり、非常に面倒であった。
また、受け台がコの字型をなす床束においては、受け台の側壁部が両側にあるので、そのような問題は生じないが、受け台がL字形をなす床束と同じく、床束に対する大引の長さ方向の移動は強固に阻止することができないという問題があった。
また、木製の大引の場合、木痩せ(木材が時間の経過とともに乾燥により収縮してしまう現象)を避けることができない。しかるに前記従来技術においては、床束の受け台に大引を載置して支持していたので、大引の鉛直方向の収縮に伴い大引の上面が下降するとともに、水平方向の収縮により大引の側面が床束の受け台の側壁部から離間して両者間にガタが生じ、床鳴り(異音の発生)等の障害が生じることとなっていた。
前記大引の鉛直方向の収縮に対しては、作業者が床下に潜り込んで床束の高さを調整し直す必要があった。また、前記大引の水平方向の収縮に対しては、従来は床束と大引との間にゴム、樹脂等の緩衝材を介在させて解決しようとしていたが、十分な解決策にはなっていなかった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、一種類の床束で、横断面のサイズが異なる種々の大引に対して対応できる床束および床支持構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、水平方向のあらゆる向きに対して床束に対する大引の移動を強固に阻止できる床束および床支持構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、木製の大引が木痩せしても、大きな悪影響が生じないようにすることができる床束および床支持構造を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
本発明による床束は、
大引を支持する床束において、
前記大引の下面に開口するように前記大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴に上端側を挿入される、鉛直方向に立ち上がる支柱と、
前記支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有してなるものである。
また、本発明による床支持構造は、
大引と、床束とを有してなり、
前記大引は、該大引の下面に開口するように該大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴を有し、
前記床束は、鉛直方向に立ち上がる支柱と、この支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有し、
前記大引の前記支柱挿入穴に前記床束の前記支柱の上端側が挿入されているものである。
本発明においては、大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴に床束の支柱が挿入されるとともに、大引から作用する鉛直方向下向きの荷重が大引受け部材によって受けられる状態で、大引が床束に支持される。
したがって、床束に従来のような側壁部を備えた受け部を設ける必要がないので、実質的に一種類の床束で、横断面のサイズが異なる種々の大引に対して対応できる。
また、大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴に床束の支柱が挿入されるので、水平方向のあらゆる向きに対して床束に対する大引の移動を強固に阻止できる。
また、木製の大引の場合に大引が木痩せしても、大引の支柱挿入穴は縮径しようとするので、支柱挿入穴と床束の支柱との間に大きなガタが発生することはないため、水平方向に関しては大引の収縮による悪影響は生じない。
さらに、本発明の一つの態様として、大引に支柱挿入穴に軸線が交差するように水平方向に大引ピン穴を設ける一方、床束の支柱に水平方向に床束ピン穴を貫通し、大引ピン穴および床束ピン穴にピンを挿通することにより、大引がピンを介して床束の支柱に支持されるようにすれば(この場合、前記ピンは前記大引受け部材を構成することになる)、木製の大引の場合に大引が木痩せしても、高さ方向に関しては、大引の横断面の高さ全体の収縮ではなく、ピンから大引の上面までの間の部分の収縮の影響のみを受けることになるので、大きな悪影響が生じないようになる。
また、大引が木痩せしたとき、前記のように大引の支柱挿入穴は縮径しようとするので、支柱挿入穴と床束の支柱との間に大きなガタが発生することはない。そして、大引ピン穴も縮径しようとするので、大引ピン穴の内周とピンの外周とはより一層密着することになり、床束と大引との間にガタが生じない。したがって、水平方向に関しても大引の収縮による悪影響は生じない。
これらのことから、木製の大引が木痩せしても、建物に大きく悪影響を与えることがないようにすることができる。
本発明の床束および床支持構造は、
(イ)一種類の床束で、横断面のサイズが異なる種々の大引に対して対応できる、
(ロ)水平方向のあらゆる向きに対して床束に対する大引の移動を強固に阻止できる、
(ハ)大引に大引ピン穴を設ける一方、床束の支柱に床束ピン穴を設け、大引ピン穴および床束ピン穴にピンを挿通することにより、大引がピンを介して支柱に支持されるようにすれば、木製の大引が木痩せしても、大きな悪影響が生じないようにすることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
本発明の実施例1における床束を示す正面図である。 前記床束を示す側面図である。 前記床束を示す平面図である。 図3のIV−IV線における断面図である。 図4のねじ棒付近を示す拡大断面図である。 本発明の実施例1における床支持構造を示す断面図である。 本発明の実施例2における床支持構造を示す断面図である。 本発明の実施例2における、ボルトをボルト穴に挿通するとともにねじ穴に螺合する前の大引および支柱を示す断面図である。 本発明の実施例3における床支持構造を示す断面図である。 図9の受け台付近を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の実施例3における受け台を示す平面図である。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1〜6は本発明の実施例1を示し、このうち図1〜5は床束1のみ、図6は床束1に大引2が支持されている状態を示している。
まず、図1〜5を用いて床束1の構成を説明する。鋼板等の金属板をプレス加工してなる基台3上には、下側筒状材4、ねじ棒5、および上側筒状材6からなる支柱7が鉛直方向に立設されている。前記下側筒状材4は、鋼鉄等の金属からなり、丸パイプ状をなしており、下端部を基台3の中央部にかしめにより固定されている。前記下側筒状材4の上端部付近は絞られて小径とされており、この上端部付近の内周には、図4および5に示されるように、左ねじの下側雌ねじ部8が設けられている。
前記ねじ棒5の下端側の外周には左ねじの下側雄ねじ部9、上端側の外周には右ねじの上側雄ねじ部10がそれぞれ設けられている。前記ねじ棒5の上下方向中間部には六角ナット状の工具嵌合部11が一体的に設けられている。前記下側雄ねじ部9は、下側筒状材4の下側雌ねじ部8に螺合されている。
前記上側筒状材6は、鋼鉄等の金属からなり、丸パイプ状をなしている(したがって、横断面円形をなしている)。この上側筒状材6の下端部付近は絞られて小径とされており、この下端部付近の内周には図4および5に示されるように、右ねじの上側雌ねじ部12が設けられている。この上側雌ねじ部12はねじ棒5の上側雄ねじ部10に螺合されている。なお、本実施例では、下側雌ねじ部8および下側雄ねじ部9が左ねじ、上側雌ねじ部12および上側雄ねじ部10が右ねじとされているが、逆に下側雌ねじ部8および下側雄ねじ部9を右ねじ、上側雌ねじ部12および上側雄ねじ部10を左ねじとしてもよい。前記上側筒状材6の上端部付近には、床束ピン穴13が水平方向に貫通されている。
前記下側雄ねじ部9には下側回転防止ナット14が螺合されている。この下側回転防止ナット14は、それぞれ鋼鉄等の金属材料により構成された六角部14aと被せ部14bとを一体化してなる。前記六角部14aは六角ナット状をなしていて、その内周に左ねじの雌ねじ部15を設けられており(図4および5参照)、この雌ねじ部15において下側回転防止ナット14は前述のように下側雄ねじ部9に螺合されている。前記被せ部14bは、鋼鉄等の金属板からなり、環状板部16と、この環状板部16の外周から下方に屈曲された4枚の押さえ片17とを一体的に有している。各押さえ片17は下側筒状材4の上端部付近の絞り形状に合わせて湾曲されている。前記被せ部14bは環状板部16を六角部14aの下面に溶接されており、これにより六角部14aと被せ部14bとは前述のように互いに一体化されている。前記被せ部14bは下側筒状材4の上端部に被された状態となるようにされており、下側回転防止ナット14が締め付けられると、押さえ片17が下側筒状材4の上端部外周面に押圧されるようになっている。
前記上側雄ねじ部10には上側回転防止ナット18が螺合されている。この上側回転防止ナット18は、それぞれ鋼鉄等の金属材料により構成された六角部18aと被せ部18bとを一体化してなる。前記六角部18aは六角ナット状をなしていて、その内周に右ねじの雌ねじ部19を設けられており(図4および5参照)、この雌ねじ部19において上側回転防止ナット18は前述のように上側雄ねじ部10に螺合されている。前記被せ部18bは、鋼鉄等の金属板からなり、環状板部20と、この環状板部20の外周から上方に屈曲された4枚の押さえ片21とを一体的に有している。各押さえ片21は上側筒状材6の下端部付近の絞り形状に合わせて湾曲されている。前記被せ部18bは環状板部20を六角部18aの上面に溶接されており、これにより六角部18aと被せ部18bとは前述のように互いに一体化されている。前記被せ部18bは上側筒状材6の下端部に被された状態となるようにされており、上側回転防止ナット18が締め付けられると、押さえ片21が上側筒状材6の下端部外周面に押圧されるようになっている。
次に、図6を用いて、床束1を用いた床支持構造について説明する。基台3は、建物の基礎構造体22(例えば、束石、コンクリート基礎、ベタ基礎等)上に設置される。大引2は木材からなり、断面円形の支柱挿入穴24を鉛直方向に貫通されているとともに、この支柱挿入穴24にその軸線が交差するように水平方向に横断面円形の大引ピン穴23を貫通されている。なお、前記支柱挿入穴24は大引2の幅方向中央部に設けられている。前記支柱挿入穴24には、床束1の支柱7の上端側、すなわち上側筒状材6の上端側が挿入されている。前記大引ピン穴23および床束ピン穴13には、鋼鉄等の金属からなる共通の1本のピン25(本実施例における大引受け部材)が挿通されており、これにより大引2がピン25を介して支柱7,ひいては床束1に支持されている。
なお、前記床束ピン穴13はピン25より若干径が大きくされている一方、ピン25挿入前の大引ピン穴23の径はピン25より若干小さくされている(したがって、ピン25は大引ピン穴23に対しては圧入されている)。また、支柱挿入穴24の径は上側筒状材6の外径(すなわち、支柱7のうちの支柱挿入穴24に挿入される部分の外径)より若干大きくされている。
前記下側雌ねじ部8および下側雄ねじ部9と、上側雌ねじ部12および上側雄ねじ部10とは、ねじの螺旋方向が反対方向とされていて、ターンバックル構造を形成しているので、下側回転防止ナット14および上側回転防止ナット18を緩めた状態で、工具嵌合部11にスパナ等の工具を嵌合してねじ棒5を右または左回転させることにより、基礎構造体22に対して上側筒状材6、ひいてはピン25および大引2を昇降することができる。そして、このようにして上側筒状材6、ひいてはピン25および大引2の高さを調整した後、下側回転防止ナット14および上側回転防止ナット18を締め付ければ、その調整高さをロックすることができる。
この床束1および床支持構造においては、大引2に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴24に床束1の支柱7が挿入されるとともに、大引2から作用する鉛直方向下向きの荷重がピン25(本実施例における大引受け部材)によって受けられる状態で、大引2が床束1に支持される。
したがって、従来のL字形やコの字形の側壁部を有する受け台を備えた床束1と異なり、ピン25の長さを変えるだけで、実質的に一種類の床束1で、横断面のサイズが異なる種々の大引2に対して対応できる(必要なければ、ピン25の長さも変えなくてよい)。
また、大引2に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴24に床束1の支柱7が挿入されるので、水平方向のあらゆる向きに対して床束1に対する大引2の移動を強固に阻止できる。
また、大引2が木痩せしても、高さ方向に関しては、大引2の横断面の高さ全体Hの収縮ではなく、ピン25から大引2の上面までの間の部分hの収縮の影響のみを受けることになる。
また、大引2が木痩せしたとき、大引ピン穴23は縮径しようとするので、大引ピン穴23の内周とピンの外周とはより一層密着することになるので、床束1と大引2との間にガタが生じないため、水平方向に関しては大引2の収縮による悪影響は生じない。
また、支柱挿入穴24の方も、大引2が木痩せしたとき、縮径しようとするので、支柱挿入穴24と床束1の支柱7との間に大きなガタが発生することはないため、支柱挿入穴24との関連でも、水平方向に関しては大引2の収縮による悪影響は生じない。
これらのことから、この床束1および床支持構造によれば、大引2が木痩せしても、建物に大きく悪影響を与えることがないようにすることができる。
また、床束は、大引2に910〜1000mmのピッチで取り付けられるが一般的である。したがって、建物一棟に使用する本数が多く、従来のように各々をビス(または釘)2〜4本で大引2に取り付けると、墨出し作業およびビス打ち(釘打ち)作業の工数が非常に多くなり、かなり負担が大きいものであった。しかるに、本実施例では、ビス(釘)を用いないので、大引2に対する床束1の取付作業を効率よく行うことができるという効果も得られる。
なお、大引2が金属製の場合は、金属音の発生をより効果的に防止するため、ピン25の外周または(および)大引ピン穴23の内周にゴムまたは樹脂等の緩衝材層を設けてもよい。
図7および8は本発明の実施例2を示している。本実施例においては、上側筒状材6の上端部付近には、実施例1の床束ピン穴13の代わりに、雌ネジを内周に形成されたねじ穴26が水平方向に貫通されている。
大引2は、鋼製等の金属製とされており、横断面矩形状とされている。この大引2の下面部2aには、横断面円形の支柱挿入穴24が鉛直方向に貫通されている。この大引2の2つの側面部2b,2cの下端部寄りの部分には、前記支柱挿入穴24にそれらの軸線が交差するように水平方向に横断面円形のボルト挿通穴40が貫通されている。
前記支柱挿入穴24には、床束1の支柱7の上端側、すなわち上側筒状材6の上端側が挿入される。そして、ボルト27が、ボルト挿通穴40に挿通されるとともにねじ穴26に螺合され、かつ大引2の外側においてボルト27にナット28が螺合され、ボルト27が締め付けられて該ボルト27の頭部27aが大引2の一方の側面部2bの外側面に押圧されるとともに、ナット28が締め付けられて、該ナット28が大引2の他方の側面部2cの外側面に押圧される。これより、前記大引2がボルト27を介して支柱7に支持される。他の構成は前記実施例1と同様である。なお、図8は、ボルト27をボルト挿通穴40に挿通するとともにねじ穴26に螺合する前の大引2および支柱7を示している。
本実施例においても、従来のL字形やコの字形の側壁部を有する受け台を備えた床束1と異なり、ボルト27の長さを変えるだけで、実質的に一種類の床束1で、横断面のサイズが異なる種々の大引2に対して対応できる(必要なければ、ボルト27の長さも変えなくてよい)。
また、大引2に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴24に床束1の支柱7が挿入されるので、水平方向のあらゆる向きに対して床束1に対する大引2の移動を強固に阻止できる。
また、ねじ穴26にボルト27が螺合されているとともに、ボルト27およびナット28を締め付けると、大引2の側壁部2b,2cの外側面にボルト27の頭部27aおよびナット28が押圧されるようになっているので、大引2と床束1との間にガタが生じることがない。
なお、上側筒状材6の外周と支柱挿入穴24の内周との間の間隙の存在のため、ボルト27を締め付けると、大引2に対し支柱7(上側筒状材6)のうちの支柱挿入穴24より上方に突出している部分の芯がボルト頭部27a側にずれる一方、ナット28を締め付けると、大引2に対し支柱7(上側筒状材6)のうちの支柱挿入穴24より上方に突出している部分の芯がナット28側にずれる傾向が生じる。しかるに本実施例では、大引ピン穴23が大引2の2つの側面部2b,2cの下端部寄りの部分に設けられているので、支柱7(上側筒状材6)が支柱挿入穴24より上方に突出する部分の長さを短くし、ボルト27およびナット28が締め付けられたときの前記芯ずれを少なくすることができる。また、支柱7(上側筒状材6)のうちの支柱挿入穴24より上方に突出している部分の長さを短くすることにより、筒状材6の長さを短くし、材料コスト低減を図ることができる。
なお、本実施例においては、大引2が鋼製とされているが、大引2を木製としてもよい。
また、上側筒状材6に、ねじ穴26の代わりに、雌ネジを形成されていない非螺合用穴を水平方向に貫通して設け、ボルト27を前記非螺合用穴に非螺合状態で挿通することにより、大引2がボルト27を介して支柱7に支持されるようにしてもよい。ただし、この場合は、ねじ穴26とボルト27との螺合により、大引2と支柱7(上側筒状材6)との間にガタが生じるのを防止するという効果は得られない。
図9〜11は本発明の実施例3を示している。本実施例においては、大引2は木製であり、この大引2には支柱挿入穴24のみが実施例1と同様に設けられ、大引ピン穴23は設けられない。
また、床束1の支柱7の上側筒状材6には、床束ピン穴13やねじ穴26は設けられていない。前記上側筒状材6の上下方向中間部には、鋼板等の金属板をプレス加工してなり、側壁部を有さない受け台29(本実施例における大引受け部材)がかしめにより取り付けられている。さらに詳しく言うと、前記受け台29の中心部に設けられた円形の結合穴30に上側筒状材6を挿通した状態で、該上側筒状材6を軸方向に圧縮し、該上側筒状材6の周壁のうちの受け台29の両側の部分を外側につば状に膨出して第一および第二の膨出部31,32を形成し、かつこれらの膨出部31,32により受け台29のうちの結合穴30の周囲の部分を強く挾持させることにより、上側筒状材6に受け台29が固定されている。このようなかしめによって支柱7に受け台29が取り付けられることにより、支柱に対する受け台29の取り付け強度を非常に大きくすることができる。前記受け台29には適当数のビス穴33が設けられている。
図9に示されるように、前記支柱7(上側筒状材6)のうちの受け台29より上側の部分が支柱挿入穴24に挿入され、受け台29上に大引2が載置される。前記支柱挿入穴24の径は上側筒状材6の外径(すなわち、支柱7のうちの支柱挿入穴24に挿入される部分の外径)より若干大きくされている。前記ビス穴33を通してビス34を下方から大引2に螺入することにより、受け台29に大引2がビス留めされる。
その他の構成は、前記実施例1と同様である。
本実施例においては、大引2に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴24に床束1の支柱7が挿入されるとともに、大引2から作用する鉛直方向下向きの荷重が側壁部を有さない受け台29(本実施例における大引受け部材)によって受けられる状態で、大引2が床束1に支持される。
したがって、本実施例においても、一種類の床束1で、横断面のサイズが異なる種々の大引2に対して対応できる。
また、大引2に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴24に床束1の支柱7が挿入されるので、水平方向のあらゆる向きに対して床束1に対する大引2の移動を強固に阻止できる。
また、木製の大引2の場合に、大引2が木痩せしても、大引2の支柱挿入穴24は縮径しようとするので、支柱挿入穴24と床束1の支柱7との間に大きなガタが発生することはないため、水平方向に関しては大引2の収縮による悪影響は生じない。ただし、実施例1の場合と異なり、大引2の木痩せによる高さ方向の悪影響は解消することはできない。
なお、実施例1,3においては、大引2は木製とされているが、これらの態様においても、鋼製等の金属製の大引2を使用することも可能である(ただし、実施例1の場合、大引2が金属製のときは、大引ピン穴23の径はピン25の径より若干大きくしておくことが好ましい)。
また、実施例1,3においては、支柱挿入穴24が大引2を該大引2の上面に達するまで完全に貫通しているが、本発明においては、支柱挿入穴24は大引2の上面にまで達していなくてもよく、少なくとも該大引2の下面に開口していればよい。
また、前記各実施例においては、支柱挿入穴24および床束12の支柱7のうちの支柱挿入穴24に挿入される部分(上側筒状材6)が横断面円形をなしているが、本発明においては、支柱挿入穴および床束の支柱のうちの支柱挿入穴に挿入される部分は、四角形等の横断面非円形とすることも可能である。
また、本発明においては、床束の支柱は、前記各実施例のような下側筒状材4、ねじ棒5、および上側筒状材6からなるものに限定されることはなく、例えば、下側筒状材は有さず、基台に自己の軸線回りに回転可能に取り付けられて、基台から鉛直方向に立ち上がるねじ棒と、このねじ棒の上端側に螺合された筒状材とからなる構成のものや、その他の構成のものとしてもよい。
以上のように本発明による床束および床支持構造は、建築物において大引を介して床を支持する床束および床支持構造として有用である。
1 床束
2 大引
2a 大引の下面部
2b,2c 大引の側面部
4 下側筒状材
5 ねじ棒
6 上側筒状材
7 支柱
8 下側雌ねじ部
9 下側雄ねじ部
10 上側雄ねじ部
11 工具嵌合部
12 上側雌ねじ部
13 床束ピン穴
23 大引ピン穴
24 支柱挿入穴
25 ピン(大引受け部材)
26 ねじ穴
27 ボルト(大引受け部材)
27a ボルトの頭部
28 ナット
29 受け台(大引受け部材)
30 結合穴
31 第一の膨出部
32 第二の膨出部
40 ボルト挿通穴

Claims (12)

  1. 大引を支持する床束において、
    前記大引の下面に開口するように前記大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴に上端側を挿入される、鉛直方向に立ち上がる支柱と、
    前記支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有してなる床束であって、
    前記支柱に水平方向に貫通された床束ピン穴を有し、
    前記大引受け部材は、前記床束ピン穴に対し抜き差し可能なピンであり、
    前記大引に前記支柱挿入穴に軸線が交差するように水平方向に設けられた大引ピン穴と前記床束ピン穴とに前記ピンが挿通されることにより、前記大引が前記ピンを介して前記支柱に支持されるようになっている床束。
  2. 大引を支持する床束において、
    前記大引の下面に開口するように前記大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴に上端側を挿入される、鉛直方向に立ち上がる支柱と、
    前記支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有してなる床束であって、
    前記支柱に水平方向に貫通されたねじ穴を有し、
    前記大引受け部材は、前記ねじ穴に螺合されるボルトであり、
    前記ボルトが、前記大引に前記支柱挿入穴に軸線が交差するように水平方向に設けられたボルト挿通穴に挿通されるとともに前記ねじ穴に螺合されることにより、前記大引が前記ボルトを介して前記支柱に支持されるようになっている床束。
  3. 大引を支持する床束において、
    前記大引の下面に開口するように前記大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴に上端側を挿入される、鉛直方向に立ち上がる支柱と、
    前記支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有してなる床束であって、
    前記支柱に水平方向に貫通された非螺合用穴を有し、
    前記大引受け部材は、前記非螺合用穴に挿通されるボルトであり、
    前記ボルトが、前記大引に前記支柱挿入穴に軸線が交差するように水平方向に設けられたボルト挿通穴および前記支柱に水平方向に貫通された前記非螺合用穴に挿通されることにより、前記大引が前記ボルトを介して前記支柱に支持されるようになっている床束。
  4. 前記大引の外側において前記ボルトにナットが螺合され、該ナットが締め付けられると、該ナットが前記大引の外側面に押圧されるようになっている請求項または記載の床束。
  5. 大引を支持する床束において、
    前記大引の下面に開口するように前記大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴に上端側を挿入される、鉛直方向に立ち上がる支柱と、
    前記支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有してなる床束であって、
    前記大引受け部材は、前記支柱に取り付けられた受け台であり、
    前記支柱のうちの前記受け台より上側の部分が前記支柱挿入穴に挿入され、前記受け台上に前記大引が載置されるようになっており、
    前記支柱の少なくとも一部は金属製の筒状材からなり、前記受け台は、前記筒状材を該受け台に設けられた結合穴に挿通した状態で前記筒状材を軸方向に圧縮し、前記筒状材の周壁のうちの該受け台の両側の部分を外側につば状に膨出して第一および第二の膨出部を形成し、これらの第一および第二の膨出部間に該受け台が挟まれるようにすることにより、前記筒状材に取り付けられている床束。
  6. 大引と、床束とを有してなり、
    前記大引は、該大引の下面に開口するように該大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴を有し、
    前記床束は、鉛直方向に立ち上がる支柱と、この支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有し、
    前記大引の前記支柱挿入穴に前記床束の前記支柱の上端側が挿入されている床支持構造であって、
    前記大引は、前記支柱挿入穴に軸線が交差するように水平方向に設けられた大引ピン穴を有し、
    前記床束は、前記支柱に水平方向に貫通された床束ピン穴を有し、
    前記大引受け部材は、前記床束ピン穴に対し抜き差し可能なピンであり、
    前記大引ピン穴および前記床束ピン穴に前記ピンが挿通されていることにより、前記大引が前記ピンを介して前記支柱に支持されている床支持構造。
  7. 大引と、床束とを有してなり、
    前記大引は、該大引の下面に開口するように該大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴を有し、
    前記床束は、鉛直方向に立ち上がる支柱と、この支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有し、
    前記大引の前記支柱挿入穴に前記床束の前記支柱の上端側が挿入されている床支持構造であって、
    前記大引は、前記支柱挿入穴に軸線が交差するように水平方向に設けられたボルト挿通穴を有し、
    前記床束は、前記支柱に水平方向に貫通されたねじ穴を有し、
    前記大引受け部材は、前記ねじ穴に螺合されるボルトであり、
    前記ボルトが前記ボルト挿通穴に挿通されるとともに前記ねじ穴に螺合されることにより、前記大引が前記ボルトを介して前記支柱に支持されている床支持構造。
  8. 大引と、床束とを有してなり、
    前記大引は、該大引の下面に開口するように該大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴を有し、
    前記床束は、鉛直方向に立ち上がる支柱と、この支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有し、
    前記大引の前記支柱挿入穴に前記床束の前記支柱の上端側が挿入されている床支持構造であって、
    前記大引は、前記支柱挿入穴に軸線が交差するように水平方向に設けられたボルト挿通穴を有し、
    前記床束は、前記支柱に水平方向に貫通された非螺合用穴を有し、
    前記大引受け部材は、前記非螺合用穴に挿通されるボルトであり、
    前記ボルトが前記ボルト挿通穴および前記非螺合用穴に挿通されることにより、前記大引が前記ボルトを介して前記支柱に支持されている床支持構造。
  9. 前記大引の外側において前記ボルトにナットが螺合されており、該ナットが締め付けられると、該ナットが前記大引の外側面に押圧されるようになっている請求項または記載の床支持構造。
  10. 大引と、床束とを有してなり、
    前記大引は、該大引の下面に開口するように該大引に鉛直方向に設けられた支柱挿入穴を有し、
    前記床束は、鉛直方向に立ち上がる支柱と、この支柱に支持され、前記大引から作用する鉛直方向下向きの荷重を受ける大引受け部材とを有し、
    前記大引の前記支柱挿入穴に前記床束の前記支柱の上端側が挿入されている床支持構造であって、
    前記大引受け部材は、前記支柱に取り付けられた受け台であり、
    前記支柱のうちの前記受け台より上側の部分が前記支柱挿入穴に挿入され、前記受け台上に前記大引が載置されており、
    前記支柱の少なくとも一部は金属製の筒状材からなり、前記受け台は、前記筒状材を該受け台に設けられた結合穴に挿通した状態で前記筒状材を軸方向に圧縮し、前記筒状材の周壁のうちの該受け台の両側の部分を外側につば状に膨出して第一および第二の膨出部を形成し、これらの第一および第二の膨出部間に該受け台が挟まれるようにすることにより、前記筒状材に取り付けられている床支持構造。
  11. 前記大引は木製である請求項乃至10のいずれか1項に記載の床支持構造。
  12. 前記大引は金属製である請求項乃至10のいずれか1項に記載の床支持構造。
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