JP5546589B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関する。
小型で低消費電力の発光装置として、青色LEDなどの半導体発光素子と、蛍光体と、を組み合わせることで白色光を発する白色LED発光装置が開発されている。
特許文献1には、サブストレート基板の下面に予め蛍光体層を設けたLEDチップをリードフレームへ実装し、LEDチップの表面に蛍光体を塗布する構成が開示されている。しかしながら、この構成では、効率の向上が不十分である。また、LEDチップとリードフレームとの間に蛍光体層及びダイボンド用接着材があるため放熱性が悪く、発熱により発光効率が低下し、また、信頼性が低下してしまう。
発光装置の高効率化への要求は高まりつつあるにもかかわらず、従来の技術では、高効率化が不十分である。
特開2001−210874号公報
本発明は、発光効率の高い発光装置を提供する。
本発明の一態様によれば、半導体発光素子と、実装部材と、前記半導体発光素子と前記実装部材との間に設けられ、前記実装部材に接し、前記半導体発光素子から放出される第1光を吸収して前記第1光の波長よりも長い波長を有する第2光を放出し、シリコーン系の樹脂を含み、黄色蛍光体層と、赤色蛍光体層と、前記黄色蛍光体層と前記赤色蛍光体層との間に設けられた透光層とを含む第1波長変換層と、前記半導体発光素子と前記第1波長変換層との間に設けられ、前記半導体発光素子及び前記第1波長変換層に接し、前記第1光及び前記第2光に対して透光性を有し、シリコーン系の樹脂を含む第1透光層と、を備え、前記半導体発光素子の前記第1透光層に接する部分の屈折率は、前記第1透光層の屈折率よりも大きく、前記第1波長変換層の前記第1透光層に接する部分の屈折率は、前記第1透光層の前記屈折率以下であり、前記第1透光層は、前記第2光を前記半導体発光素子と前記第1透光層との間の界面と前記第1透光層と前記第1波長変換層との界面で反射させて前記第1透光層の側面から外界へ出射させることを特徴とする発光装置が提供される。
本発明によれば、発光効率の高い発光装置が提供される。
発光装置を示す模式的断面図である。 発光装置に用いられる半導体発光素子を示す模式的断面図である。 発光装置の動作を示す模式図である。 比較例の発光装置を示す模式的断面図である。 比較例の発光装置を示す模式的断面図である。 発光装置を示す模式的断面図である。 比較例の発光装置を示す模式的断面図である。 比較例の発光装置を示す模式的断面図である。 比較例の発光装置を示す模式的断面図である。 比較例の発光装置を示す模式的断面図である。 図11(a)、図11(b)及び図11(c)は、発光装置を示す模式的断面図である。 図12(a)、図12(b)及び図12(c)は、発光装置を示す模式的断面図である。 図13(a)及び図13(b)は、発光装置を示す模式的断面図である。 図14(a)及び図14(b)は、発光装置を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る発光装置に用いられる半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図1に表したように、本実施形態に係る発光装置210は、半導体発光素子10と、実装部材20と、第1波長変換層30と、第1透光層40と、を備える。
第1波長変換層30は、半導体発光素子10と実装部材20との間に設けられ、実装部材20に接している。第1波長変換層30は、半導体発光素子10から放出される第1光を吸収して、第1光の波長よりも長い波長を有する第2光を放出する。すなわち、第2光の波長帯は第1光の波長帯よりも長い。例えば、第2光の波長帯の一番短い波長は、第1光の波長帯の一番短い波長よりも長い。例えば、第2光の波長帯の一番長い波長は、第1光の波長帯の一番長い波長よりも長い。例えば、第2光の波長帯の一番短い波長は、第1光の波長帯の一番長い波長よりも長い。例えば、第2光のピーク波長は、第1光のピーク波長よりも長い。
第1透光層40は、半導体発光素子10と第1波長変換層30との間に設けられ、半導体発光素子10及び第1波長変換層30に接する。第1透光層は、第1光及び第2光に対して透光性を有する。
図2に表したように、半導体発光素子10は、基板90の上に順次積層されたバッファ層101、n型コンタクト層102、発光層103、p型電子ブロック層104及びp型コンタクト層105を含む積層構造体を有する。バッファ層101には、例えば、多結晶GaNが用いられ、n型コンタクト層102には、例えば、SiがドープされたGaNが用いられる。発光層103は、例えば、障壁層と井戸層とが交互に複数積層された量子井戸構造を有する。障壁層には例えばGaNが用いられ、井戸層には例えばInGaNが用いられる。p型電子ブロック層104には、例えば、MgがドープされたAlGaNが用いられる。p型コンタクト層105には、例えば、MgがドープされたGaNが用いられる。
本具体例では、半導体発光素子10の積層構造体において、n型コンタクト層102の一部、並びに、発光層103、p型電子ブロック層104及びp型コンタクト層105の一部が除去されて、n型コンタクト層102の一部が露出されている。そして、n型コンタクト層102に接続されたn側電極108と、p型コンタクト層105に接続されたp側電極107と、がさらに設けられている。すなわち、半導体発光素子10のp型半導体層(p型コンタクト層105)の側の第1主面10aにおいて、p型半導体層(p型コンタクト層105)に接してp側電極107が設けられている。そして、半導体発光素子10のn型半導体層(n型コンタクト層102)の側の第2主面10bが、実装部材20に対向する側の面となる。
半導体発光素子10の各半導体層は、窒化物系半導体を含むことができる。すなわち、半導体発光素子10には、例えば、青色発光ダイオード(LED)、青紫色LED、紫色LED、及び、紫外LEDなどが用いられる。ただし、本発明の実施形態はこれに限らず、用いられる半導体発光素子10は任意である。
本具体例では、図1に表したように、実装部材20には、p側基板電極107e及びn側基板電極108eが設けられ、p側基板電極107e及びn側基板電極108eは、それぞれp側配線107w及びn側配線108wを介して、半導体発光素子10のp側電極107及びn側電極108に接続されている。ただし、上記は一例であり、本発明の実施形態はこれに限らず、半導体発光素子10及び実装部材20の配置や電気的接続の形態は種々の変形が可能である。
本具体例では、実装部材20は、半導体発光素子10が実装されるカップ状の部材であるが、実装部材20は、半導体発光素子10が実装されるものであれば良く、実装部材20の形状は任意である。実装部材20には、無機材料及び有機材料など任意の材料を用いることができる。
実装部材20の半導体発光素子10の側(第1波長変換層30の側)の面は、高い反射率を有する面とされる。例えば、実装部材20の半導体発光素子10の側の面、すなわち、実装部材20の実装面(半導体発光素子10が実装される面)には、Agなどの反射膜(図示しない)が設けられている。
第1波長変換層30は、第1光を吸収して第2光を放出する第1波長変換粒子31と、第1波長変換粒子が分散された第1樹脂32と、を有することができる。
第1波長変換粒子31には、例えば、蛍光体の微粒子や窒化物系半導体の微粒子などを用いることができる。なお、窒化物系半導体は、AlGaIn1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)を含む。このような窒化物系半導体は、上記のx及びyの値を変化させることで、放出される光の波長を変化させることができる。上記の窒化物系半導体において、III族元素の一部をBまたはTl等に置換することができる。また、Nの一部は、P、As、SbまたはBi等に置換することができる。
なお、第1波長変換粒子31は、1種類の材料に限らず、2種類以上の材料を含むことができる。
第1波長変換層30の第1樹脂32としては、例えば、シリコーン系の樹脂などが用いられる。
第1波長変換層30は、第1透光層40を介して、半導体発光素子10と実装部材20とを接着させる接着機能を有することができる。すなわち、第1樹脂32として接着機能を有する材料を用いることができる。これにより、別途接着剤を設けることなく、半導体発光素子10(及び第1透光層40)を実装部材20に固定でき、別途設けられる接着剤に起因する発光効率の低下を抑制し、また、工程が簡略化される。
第1透光層40には、第1光及び第2光に対して透光性を有する任意の材料を用いることができる。すなわち、第1透光層40は、半導体発光素子10の発光波長近傍及びこれよりも長波長領域で実質的に透明である。第1透光層40には、例えば、シリコーン系の樹脂などの任意の有機材料や、SiOなどの酸化物や、SiNなどの窒化物や、SiONなどの酸窒化物を含む任意の無機材料を用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る発光装置の動作を例示する模式図である。
図3に表したように、半導体発光素子10の発光層103で放出された第1光L1の一部は、p型半導体層の側の第1主面10a(上面)に向かって進行し、発光装置210の外部に取り出される。そして、第1光L1の別の一部は、n型半導体層(n型コンタクト層102)の側の第2主面10b(下面)に向かって進行し、第1透光層40を通過して、第1波長変換層30に入射する。第1波長変換層30においては、第1光L1が吸収され、第1光L1とは異なる波長特性(第1光L1よりも長波長の波長特性)を有する第2光L2が放出される。
もし、第1波長変換層30を設けない場合は、半導体発光素子10から実装部材20の側に放出される第1光L1が実装部材20により反射して半導体発光素子10の内部に戻り、半導体発光素子10の特に発光層103で再吸収されてしまうため、効率が低下する。
これに対し、第1波長変換層30を設けることで、半導体発光素子10から実装部材20の側に放出される第1光L1を、第1光L1よりも長波長の第2光L2に変換させる。これにより、もし、第2光L2が実装部材20で反射して半導体発光素子10の内部に戻り、半導体発光素子10(特に発光層103)に入射したときにおいても、第2光L2は、第1光L1よりも波長が長いので、第2光L2は、半導体発光素子10(特に発光層103)で再吸収され難い。このため、第2光L2は、半導体発光素子10から外部に出射し易く、損失が少ない。
さらに、本実施形態に係る発光装置210においては、第1透光層40を設けることで、実装部材20により反射された光は、半導体発光素子10に戻らず直接外部へ出射し、光取り出し効率が向上する。
すなわち、第1波長変換層30で放出された第2光L2は、半導体発光素子10に入射する前に、第1透光層40に入射する。そして、第2光L2は、第1透光層40の中を伝搬し、第1透光層40の側面から外界へ取り出される。
例えば、第2光L2は、第1透光層40と、半導体発光素子10の第1透光層40の側の第2主面10bと、の間の界面と、第1透光層40と第1波長変換層30との間の界面または第1波長変換層30と実装部材20との間の界面と、で反射し、第1透光層40の中を伝搬する。
これにより、第2光L2は、半導体発光素子10の内部(特に発光層103)に実質的に進入せず、第2光L2が半導体発光素子10の内部(特に発光層103)で吸収されて、損失されることが抑制される。これにより、効率が向上する。
また、半導体発光素子10から放出された第1光L1も、第1透光層40の中を伝搬し、第1透光層40の側面から外界へ取り出されることができる。
例えば、第1光L1は、第1透光層40と、半導体発光素子10の第1透光層40の側の第2主面10bと、の間の界面と、第1透光層40と第1波長変換層30との間の界面または第1波長変換層30と実装部材20との間の界面と、で反射し、第1透光層40の中を伝搬する。
これにより、第1光L1は、実装部材20の側からは半導体発光素子10の内部(特に発光層103)に実質的に進入せず、第1光L1が半導体発光素子10の内部(特に発光層103)で吸収されて、損失されることが抑制される。これにより、効率が向上する。
第1光L1及び第2光L2が第1透光層40の内部を伝搬することを促進するために、第1透光層40、第1波長変換層30、及び、半導体発光素子10(特に第1透光層40の側の部分)の屈折率を、適切に設定することがより望ましい。
すなわち、半導体発光素子10の第1透光層40に接する部分(すなわち、第2主面10bの側の部分であり、本具体例では、基板90)の屈折率(第1屈折率n1とする)は、第1透光層40の屈折率(第2屈折率n2とする)よりも大きいことが望ましい。そして、第1波長変換層30の第1透光層40に接する部分の屈折率(第3屈折率n3とする)は、第1透光層40の屈折率(第2屈折率n2)以下であることが望ましい。すなわち、n3≦n2<n1であることが望ましい。
第1屈折率n1を第2屈折率n2よりも大きく設定することで、第1透光層40から半導体発光素子10に向かって進行する第2光L2を、効率良く第1透光層40の側に反射させることができる。また、第1透光層40に入射した第1光L1を、第1透光層40の中を効率良く伝搬させることができる。
また、第3屈折率n3を第2屈折率n2以下に設定することで、第2光L2を第1波長変換層30から第1透光層40に効率良く入射させる。また、第1透光層40から第1波長変換層30に向かう第2光L2を、第1透光層40と第1波長変換層30との間の界面で反射させ、第2光L2を第1透光層40の中を効率良く伝搬させることができる。
また、第3屈折率n3が第2屈折率n2と等しい場合には、第1透光層40から第1波長変換層30に向かう第1光L1を、第1透光層40と第1波長変換層30との間の界面で損失させることなく通過させ、第1波長変換層30によって第2光L2を効率良く放出させる。また、実装部材20の第1波長変換層30の側の面で反射した第2光L2を第1透光層40に効率良く入射させ、第2光L2を第1透光層40の中を効率良く伝搬させることができる。また、第1透光層40に入射した第1光L1を、第1透光層40の中を効率良く伝搬させることができる。
例えば、本具体例では、半導体発光素子10の第1透光層40に接する側(第2主面10bの側)の部分である基板90には、サファイアが用いられ、このときには、第1屈折率n1は約1.8である。また、半導体発光素子10の第1透光層40に接する側(第2主面10bの側)の部分がn型コンタクト層102(例えばGaN層)である場合には、第1屈折率n1は約2.5となる。
一方、第1透光層40には、例えばシリコーン系の樹脂が用いられ、第2屈折率n2は約1.5とすることができる。また、第1波長変換層30には、第1波長変換粒子31が第1樹脂32に分散されており、第1樹脂32にはシリコーン系の樹脂が用いられ、第3屈折率n3は約1.4とすることができる。このようにして、n3≦n2<n1の関係が実現できる。
屈折率をこのような関係に設定することで、第1光L1及び第2光L2が、第1透光層40の半導体発光素子10の側の界面、及び、第1透光層40の第1波長変換層30の側の界面において効率的に反射する(例えば全反射する)。これにより、第1光L1及び第2光L2を効率的に第1透光層40の中を伝搬させ、これらの光を半導体発光素子10に入射させず、外部へ出射させ、光取り出し効率を高め、効率を向上させることができる。
このように、第1屈折率n1、第2屈折率n2及び第3屈折率n3の相互の関係を制御することで、効率がさらに向上する。
なお、第1波長変換粒子31の粒子径は、1マイクロメートル(μm)以上、50μm以下であることが望ましい。第1波長変換粒子31の粒子径を1μm以上、50μm以下にすることで、第1波長変換層30における波長変換効率が向上し、発光効率が向上する。第1波長変換粒子31の粒子径が1μmよりも小さい場合には、第1波長変換層30における第1光L1の吸収率が低下し、発光効率が低下し易い。また、第1波長変換粒子31の粒子径が50μmよりも大きい場合には、放熱性が悪くなり、発光効率が低下することがある。また、第1波長変換層30の接着強度が低下し、発光装置の信頼性が劣化する場合がある。
また、第1波長変換層30は、複数の層を含んでも良い。例えば第1波長変換層30は、例えば、赤色蛍光体を含む赤色蛍光体層と、赤色蛍光体層に積層され、黄色蛍光体を含む黄色蛍光体層と、を含んでも良い。また第1波長変換層30は、上記の黄色蛍光体層と、上記の赤色蛍光体層と、の間に設けられた透光層をさらに含んでも良い。これにより、光学的な特性と、製造のし易さと、の両方をさらに向上させることができる。
(第1実施例)
本実施形態に係る第1実施例の発光装置の特性について比較例と比較しながら説明する。
第1実施例の発光装置210aは、図1に例示した発光装置210の構成と同じ構成を有する。発光装置210aは、以下のようにして作製された。
実装部材20として、AlN製の実装基板を用いた。すなわち、実装部材20は、AlN材を成型加工することにより製作される。
一方、半導体発光素子10として、InGaN系化合物半導体を含む発光層103を有する青色LEDチップを用いた。半導体発光素子10の発光波長(第1光L1の波長)のピークは、450nm(ナノメートル)である。
半導体発光素子10の下面(第2主面10b)に、第1透光層40を形成した。第1透光層40には、透明なシリコーン樹脂を用いた。すなわち、半導体発光素子10の下面(第2主面10b)に、シリコーン樹脂を塗布し、150℃で、10分〜90分間、常圧で乾燥することにより、第1透光層40が得られる。このシリコーン樹脂の屈折率(第2屈折率n2)は1.54であり、後述する第1波長変換層30の屈折率(第3屈折率n3)の1.41よりも大きく、半導体発光素子10の基板90の屈折率(第1屈折率n1)の1.78よりも小さい。
一方、実装部材20の実装面に第1波長変換層30を形成した。第1波長変換層30の第1波長変換粒子31には、560nmに発光ピークをもつシリケート系黄色蛍光体((Sr,Ca,Ba)SiO:Euの組成を有する)を用い、第1樹脂32には、シリコーン系透明ダイボンド材を用いた。粒径が10μm程度の第1波長変換粒子31を50wt%(重量パーセント)の濃度で第1樹脂32に分散させ、これを実装部材20の実装面に塗布し、これが第1波長変換層30となる。
第1透光層40が設けられた半導体発光素子10を第1波長変換層30の上に載置し、第1波長変換層30を乾燥させて、第1波長変換層30により半導体発光素子10を実装部材20に接着し固定した。その後、実装部材20のp側基板電極107e及びn側基板電極108eと、半導体発光素子10のp側電極107及びn側電極108と、を、それぞれp側配線107w及びn側配線108wにより電気的に接続した。
このようにして、第1実施例の発光装置210aが作製された。
発光装置210aの発光特性を測定した。20mAの電流で駆動した時の発光効率は、40.7(lm/W)であり、高い効率を示した。
(第1比較例)
図4は、第1比較例の発光装置の構成を示す模式的断面図である。
図4に表したように、第1比較例の発光装置219aにおいては、半導体発光素子10の第2主面10bに接して第1波長変換層30が設けられ、第1波長変換層30と実装部材20との間にシリコーン系透明ダイボンド材層41が設けられている。このシリコーン系透明ダイボンド材層41は、第1実施例における第1透光層40と同じ特性を有する層である。すなわち、発光装置219aは、第1実施例の発光装置210aにおける第1波長変換層30の位置と、第1透光層40の位置と、互いに入れ換えた構成を有する。
このような構成の発光装置219aにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、38.2(lm/W)であり、効率は低かった。
(第2比較例)
図5は、第2比較例の発光装置の構成を示す模式的断面図である。
図5に表したように、第2比較例の発光装置219bにおいては、第1透光層40が設けられていない。すなわち、発光装置219bは、第1実施例の発光装置210aにおいて、第1透光層40が設けられていない構成に相当する。
このような構成の発光装置219bにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、38.8(lm/W)であり、第1比較例の発光装置219aよりも効率は向上しているが、この向上の程度(第1比較例に対する比率)は、約1.02であり、向上の程度は低い。
これに対して、既に説明したように、第1実施例の発光装置210aの発光効率は、第1比較例及び第2比較例のいずれよりも高い。そして、第1実施例における効率の向上の程度(第1比較例に対する比率)は、約1.06であり、第1実施例における効率の向上の程度は非常に大きい。
第1比較例において効率が低いのは、第1波長変換層30と半導体発光素子10とが直接接しているため、第1波長変換層30により放出された第2光L2が直接外部に取り出され難く、第2光L2の多くは半導体発光素子10に入射し、半導体発光素子10の内部で吸収されてしまうことが原因であると考えられる。また、第1波長変換層30と実装部材20との間にシリコーン系透明ダイボンド材層41が設けられているので、半導体発光素子10及び第1波長変換層30において発生した熱が実装部材20に伝導して拡散することが困難である。これにより半導体発光素子10の温度が上昇し易く、半導体発光素子10の発光効率が低下し、さらに効率を低下させているものと考えられる。
また、第2比較例においても、第1波長変換層30と半導体発光素子10とが直接接しているため、第1波長変換層30により放出された第2光L2が直接外部に取り出され難く、第2光L2の多くが半導体発光素子10に入射し、半導体発光素子10の内部で吸収されてしまい、効率が低下したと考えられる。そして、第2比較例においては、第1波長変換層30が実装部材20に直接接しているため、第1波長変換層30において発生した熱は実装部材20に伝導し易く、発熱が抑制され、半導体発光素子10の温度上昇が抑制されることにより、第1比較例よりも効率が向上したものと考えられる。
これに対し、第1実施例の発光装置210aにおいては、第1波長変換層30と半導体発光素子10との間に第1透光層40が設けられることで、実装部材20により反射された光(第1光L1及び第2光L2)は、半導体発光素子10に戻らず直接外部へ出射し、光取り出し効率が向上する。それに加え、第1波長変換層30は実装部材20に直接接しているため、第1波長変換層30において発生した熱が実装部材20に効率良く伝導し、発熱が抑制され、半導体発光素子10の温度上昇が抑制され、半導体発光素子10の発光効率の低下が抑制され、発光効率が向上する。
このように第1実施形態に係る発光装置210の形態を適用した第1実施例の発光装置210aにより、効率の高い発光装置を提供できる。
なお、第1比較例の発光装置219aにおいて、素子分離前に半導体発光素子10における基板90の下面に第1波長変換層30となる蛍光体層を予め形成し、素子分離を行った場合は、半導体発光素子10から蛍光体層が剥離し易く、発光の色むらや輝度のばらつきが生じ、問題となることがある。
なお、上記の発光装置210a、219a及び219bの発光波長は、以下に説明する第2波長変換層をさらに設置することを想定し、白色ではなく青色に調整されている。すなわち、発光装置210a、219a及び219bの発光波長の色度座標は、(0.18、0.10)である。そして、同じ色度での発光において、上記のように、第1実施例の発光装置210aは、第1比較例及び第2比較例の発光装置219a及び219bよりも高い効率を実現している。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
図6に表したように、本実施形態に係る発光装置220は、上記の半導体発光素子10、実装部材20、第1波長変換層30及び第1透光層40に加え、第2波長変換層80と、第2透光層60と、をさらに備える。
第2波長変換層80は、半導体発光素子10の第1透光層40とは反対の側に設けられる。第2波長変換層80は、第1光L1を吸収して、第1光L1とは異なる波長特性を有する第3光を放出する。第3光は、第2光L2とは異なる波長特性を有しても良く、また第3光は第2光L2と実質的に同じ波長特性を有していても良い。また、第2波長変換層80は、第2光L2をさらに吸収し、これにより第2波長変換層80から放出される第3光は、第1光L1及び第2光L2とは異なる波長特性を有していても良い。
第2透光層60は、半導体発光素子10と第2波長変換層80との間に設けられる。第2透光層60は、第1光L1、第2光L2及び第3光に対して透光性を有する。
すなわち、第2透光層60として、半導体発光素子10を覆うように、例えば上に凸状の曲面状の外周を有する、例えば透明樹脂層が設けられる。第2透光層60には、例えばシリコーン樹脂が用いられる。また、上に凸状の曲面の断面の曲線としては、例えば半円弧状や放物線状など、任意の形状の曲線とすることができる。
本具体例では、第2透光層60の端部は、実装部材20に接している。このように、第2透光層60を、半導体発光素子10を覆うように設けることで、半導体発光素子10を第2透光層60によって保護することができ、発光装置220の信頼性が向上する。ただし、本発明の実施形態はこれに限らず、場合によっては、第2透光層60の端部の少なくとも一部が、実装部材20から離間していても良い。
そして、第2透光層60の上に、第2波長変換層80が設けられる。第2波長変換層80は、第2波長変換粒子(図示しない)と、第2波長変換粒子が分散された第2樹脂(図示しない)と、を有することができ、例えば、蛍光体粒子と、蛍光体粒子が分散される樹脂(第2樹脂)と、を有することができる。また、第2波長変換粒子は、1種類の材料に限らず、2種類以上の材料を含むことができる。
第2波長変換層80によって放出される第3光の発光特性(例えば発光波長)は、半導体発光素子10によって放出される第1光L1の発光特性(例えば発光波長)、及び、第1波長変換層30によって放出される第2光L2の発光特性(例えば発光波長)に基づいて適切に設定される。
第2波長変換層80において光(第3光)が放出される場合に、第2波長変換層80において発熱する。第2波長変換層80を半導体発光素子10の周囲に直接設けた比較例においては、第2波長変換層80の発熱により、半導体発光素子10の温度が上昇し、半導体発光素子10の発光効率が低下する。
これに対し、本実施形態に係る発光装置220においては、半導体発光素子10を覆うように第2透光層60が設けられ、その上に第2波長変換層80が設けられるので、第2波長変換層80で発熱しても、第2波長変換層80と半導体発光素子10との間の熱伝導が抑制され、半導体発光素子10の温度の上昇が抑制でき、半導体発光素子10の発光効率は高い値を維持できる。
すなわち、発光装置220においては、第1波長変換層30によって第1光L1を第1光L1よりも長波長の第2光L2に変換させることで、実装部材20によって反射して半導体発光素子10の内部に戻る光が半導体発光素子10の発光層103で再吸収されて効率が低減されることを抑制しつつ、第1透光層40によって光(第1光L1及び第2光L2)を外部に導光させることにより効率を向上することに加え、第2波長変換層80と半導体発光素子10との間に第2透光層60を設けることで、第2波長変換層80における波長変換の際に生じる発熱による半導体発光素子10の温度上昇を抑制し、半導体発光素子10の温度上昇による発光効率の低下を抑制する。また、第2波長変換層80と半導体発光素子10との間に第2透光層60を設けることで、第2波長変換層80の膜厚の調整が容易となり、最適な膜厚に調整することで、第2光L2の第2波長変換層80での再吸収を抑制することができる。これにより、発光効率の高い発光装置が得られる。
第2波長変換層80の端部は、例えば実装部材20に接するように設けることができる。これにより、第2波長変換層80において発生した熱が実装部材20に効率良く伝導し、半導体発光素子10の温度上昇をさらに低減し、半導体発光素子10の発光効率を高め、発光装置220の効率をさらに向上することができる。
ただし、本発明の実施形態はこれに限らず、第2波長変換層80における発熱が少ない場合や、半導体発光素子10の温度が上昇し難い場合や、半導体発光素子10の温度が上昇しても発光効率が低下し難い場合などにおいては、第2波長変換層80の端部の少なくとも一部が、実装部材20から離間していても良い。
また、第2透光層60はガス(空気を含む)の層を含んでも良い。これにより、第2波長変換層80によって発生した熱が半導体発光素子10に伝導し難くなり、効率が向上する。第2透光層60がガス(空気を含む)の層である場合は、例えば、第2波長変換層80は、第2波長変換層80自体で形が維持できるように、型などを用いて成形され、成形された第2波長変換層80が、半導体発光素子10を覆うように半導体発光素子10の上に配置されることができる。
また、第1波長変換層30及び第2波長変換層80のように、波長変換層を複数設けることで、発光装置220が発光する光の波長特性が制御し易くなり、演色性の高い所望の発光の実現がより容易になる。
本実施形態に係る発光装置220において、第3光の波長は、第1光L1の波長よりも長く、第2光L2の波長以下とされる。第3光の波長帯は、第1光L1の波長帯よりも長く、第2光L2の波長帯以下である。例えば、第3光の波長帯の一番短い波長は、第1光L1の波長帯の一番短い波長よりも長い。例えば、第3光の波長帯の一番長い波長は、第1光L1の波長帯の一番長い波長よりも長い。例えば、第3光の波長帯の一番短い波長は、第1光L1の波長帯の一番長い波長よりも長い。また、例えば、第3光の波長帯の一番短い波長は、第2光L2の波長帯の一番短い波長以下である。また、第3光の波長帯の一番長い波長は、第2光L2の波長帯の一番長い波長以下である。また、第3光の波長帯の一番長い波長は、第2光L2の波長帯の一番短い波長以下でも良い。
第3光の波長を第1光L1の波長よりも長くすることで、第3光が半導体発光素子10の特に発光層103で再吸収されることを抑制し、効率が向上する。
また、第2光L2の波長が第3光の波長よりも短いときは、第2光L2が第2波長変換層80を通過する際に、第2光L2が第2波長変換層80によって吸収され、効率が低下し易いが、第3光の波長を第2光L2の波長以下にすることで、第2光L2が第2波長変換層80で吸収されることが抑制され、効率が向上する。
例えば、第1光L1が青色光である場合、第2光L2は黄色光とし、第3光も黄色光とすることができる。また、例えば、第1光L1が青色光である場合、第2光L2は赤色光とし、第3光は緑色光とすることができる。また、例えば、第1光L1が近紫外光の場合、第2光L2は赤色光とし、第3光は青色および緑色光とすることができる。
例えば、半導体発光素子10から放出される第1光L1が、青色領域に発光ピークを有する光である場合には、第1波長変換層30は、黄色の第2光L2(例えば蛍光)を放出し、第2波長変換層80も、黄色の第3光を放出する。これにより、発光装置220は、白色光を発光することができる。
また、半導体発光素子10から放出される第1光L1が、青色領域に発光ピークを有する光である場合には、第1波長変換層30は、赤色の第2光L2(例えば蛍光)を放出し、第2波長変換層80は、緑色の第3光を放出する。これにより、発光装置220は、赤、緑及び青の3色の光を放出し、白色光を発光することができる。
また、半導体発光素子10から放出される第1光L1が、近紫外領域に発光ピークを有する光である場合には、第1波長変換層30は、赤色の第2光L2(例えば蛍光)を放出し、第2波長変換層80は、緑色および青色の第3光L3を放出する。これにより、発光装置220は、赤、緑及び青の3色の光を放出し、白色光を発光することができる。
このように、例えば、第1波長変換層30の第1波長変換粒子31として、黄色蛍光体を用い、第2波長変換層80にも黄色蛍光体を用いることができる。また、例えば、第1波長変換層30の第1波長変換粒子31として、赤色蛍光体を用い、第2波長変換層80の第2波長変換粒子として、緑色蛍光体を用いることができる。また、第1波長変換層30の第1波長変換粒子31として、赤色蛍光体を用い、第2波長変換層80の第2波長変換粒子として、青色蛍光体及び緑色蛍光体の2種類を用いることができる。
ただし、上記は発光装置220として白色を発光させる場合の構成の例であり、第1光L1、第2光L2及び第3光の発光特性の組み合わせは、任意であり、発光装置で発光させる光の仕様に基づいて、第1光L1、第2光L2及び第3光の発光特性は適切に設定される。
例えば、本実施形態において、第1波長変換層30及び第2波長変換層80には、赤色蛍光体層、黄色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層のいずれかを用いることができる。
赤色蛍光体層は、例えば、600nm〜780nmの波長領域の光を発する。黄色蛍光体層は、例えば、550nm〜590nmの波長領域の光を発する。緑色蛍光体層は、例えば475nm〜520nmの波長領域の光を発する。青色蛍光体層は、430nm〜475nmの波長領域の光を発する。
赤色蛍光体層は、例えば、窒化物系蛍光体CaAlSiN:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Ra1AlSib1c1d1・・・組成式(1)
を用いることが望ましい。ここで、Mは、Si及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca及びSrの少なくとも一方が望ましい。Rは、発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a1、b1、c1及びd1は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.6<a1<0.95、2<b1<3.9、0.25<c1<0.45、4<d1<5.7。
組成式(1)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
黄色蛍光体層は、例えば、シリケート系蛍光体(Sr,Ca,Ba)SiO:Euを含有することができる。
緑色蛍光体層は、例えば、ハロ燐酸系蛍光体(Ba,Ca,Mg)10(PO・Cl:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Ra2AlSib2c2d2・・・組成式(2)
を用いることが好ましい。ここで、Mは、Si及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特にCa及びSrの少なくとも一方が望ましい。Rは、発光中心元素であり、特にEuが望ましい。x、a2、b2、c2及びd2は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.93<a2<1.3、4.0<b2<5.8、0.6<c2<1、6<d2<11。 組成式(2)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
青色蛍光体層は、例えば、酸化物系蛍光体BaMgAl1017:Euを含有することができる。
なお、第1波長変換層30及び第2波長変換層80に用いられる樹脂(第1樹脂32及び第2樹脂)としては、半導体発光素子10が放出する第1光L1の発光波長近傍及びこれよりも長波長領域で実質的に透明であれば、その種類を問わず任意の樹脂を用いることができる。この樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ基を有するポリジメチルシロキサン誘導体、オキセタン樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂、及びポリイミド樹脂などを用いることができる。
なお、第2波長変換層80は、発光波長の異なる複数の蛍光体層が積層された構成を有していても良い。その際、波長の長い蛍光体層が、波長が短い蛍光体層よりも半導体発光素子10の側に配置されるように、複数の蛍光体層が積層されることが好ましい。
また、第2波長変換層80の外側(半導体発光素子10とは反対側)に、さらに、第3透光層を設けることが好ましい。第3透光層を設けることで、外部に取り出される光の比率が高まり、効率がさらに向上する。すなわち、第2波長変換層80と外部媒体(例えば、空気)との界面に生じる、蛍光体粒子に起因した凹凸による反射及び散乱が抑制され、第2波長変換層80での再吸収が低減し、外部に取り出される光の比率が高まり、効率が向上する。また、第3透光層を設けることで、信頼性が向上できる。
なお、第3透光層は屈折率の異なる複数の層から形成されていても良い。その場合、屈折率は第2波長変換層80の側から外側に向かって小さくなるように積層されていることが好ましい。こうすることで、第2波長変換層80と外部媒体(例えば、空気)との界面での反射及び散乱が抑制され、効率が向上する。
また、第1波長変換層30及び第2波長変換層80の少なくともいずれかは、複数の層を含んでも良い。例えば第2波長変換層80は、例えば、緑色蛍光体を含む緑色蛍光体層と、緑色蛍光体層に積層され、青色蛍光体を含む青色蛍光体層と、を含んでも良い。また第2波長変換層80は、上記の緑色蛍光体層と、上記の青色蛍光体層と、の間に設けられた透光層をさらに含んでも良い。これにより、光学的な特性と、製造のし易さと、の両方をさらに向上させることができる。
(第2実施例)
以下、本実施形態に係る第2実施例の発光装置の特性について比較例と比較しながら説明する。
第2実施例の発光装置220aは、図6に例示した発光装置220の構成と同様の構成を有する。発光装置220aは、以下のようにして作製された。
第1実施例の発光装置210aを作製した後、さらに、半導体発光素子10の上に第2透光層60となるシリコーン樹脂層を形成した。すなわち、大気中、常圧で実装部材20を150℃の温度に加熱しつつ、ディスペンサーを使用して、半導体発光素子10を覆うように、シリコーン樹脂を塗布した。このシリコーン樹脂の頂部の厚みと端面の厚みとの比は、ほぼ1:1とされ、シリコーン樹脂は、上に凸状の曲線状に塗布された。そして、常圧で、150℃で60分間、シリコーン樹脂を乾燥させ、第2透光層60が形成された。
一方、シリコーン系の透明樹脂にシリケート系黄色蛍光体((Sr,Ca,Ba)SiO:Euの組成を有する)を分散させて、第2波長変換層80となる黄色蛍光体分散樹脂を調製した。大気中、常圧で実装部材20を150℃に加熱しつつ、ディスペンサーを用いて、第2透光層60の全体を覆うように、黄色蛍光体分散樹脂を塗布した。黄色蛍光体分散樹脂の膜厚は、ほぼ均一とされ、黄色蛍光体分散樹脂の形状は、第2透光層60の形状に沿って、上に凸状の曲面状となる。その後、常圧で、150℃で60分間、黄色蛍光体分散樹脂を乾燥させ、第2波長変換層80が形成された。第2波長変換層80においては、頂部の厚みと端面の厚みとの比は、ほぼ1:1である。
このようにして、第1実施例の発光装置220aが作製された。発光装置220aは、半導体発光素子10から放出される第1光L1が青色光であり、第1波長変換層30及び第2波長変換層80から放出される光(第2光L2及び第3光)が共に黄色光である例である。
(第3比較例)
図7は、第3比較例の発光装置の構成を示す模式的断面図である。
図7に表したように、第3比較例の発光装置229aは、第1比較例の発光装置219aに、さらに第2透光層60及び第2波長変換層80を設けたものである。すなわち、第3比較例の発光装置229aは、第2実施例の発光装置220aにおける第1波長変換層30及び第1透光層40の位置を入れ換えた構成を有する。これ以外は、第2実施例の発光装置220aと同様である。
(第4比較例)
図8は、第4比較例の発光装置の構成を示す模式的断面図である。
図8に表したように、第4比較例の発光装置229bにおいては、第2比較例の発光装置219bに、さらに第2透光層60及び第2波長変換層80を設けたものである。すなわち、第4比較例の発光装置229bの構成は、第2実施例の発光装置220aにおいて、第1透光層40が設けられていない構成に相当する。これ以外は、第2実施例の発光装置220aと同様である。
(第5比較例)
図9は、第5比較例の発光装置の構成を示す模式的断面図である。
図9に表したように、第5比較例の発光装置229cにおいては、半導体発光素子10と実装部材20との間に第1波長変換層30が設けられず、シリコーン系透明ダイボンド材層41が設けられている。そして、第2透光層60と第2波長変換層80cとが設けられている。そして、発光装置229cの発光色を、第2実施例の発光装置220aの発光色に合わせるように、発光装置229cの第2波長変換層80cの仕様が調整されている。すなわち、発光装置229cにおける第2波長変換層80cの厚さは、第2実施例の発光装置220aにおける第2波長変換層80の厚さよりも厚い。
上記のような第2実施例の発光装置220a、及び、第3〜第5比較例の発光装置229a〜229cの光学特性を評価した。
発光装置220a、及び、発光装置229a〜229cの発光色の色度座標は、(0.34、0.35)であり、これらの発光装置は、いずれも白色光を発光した。
そして、第2実施例の発光装置220aにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、87.7(lm/W)であり、高い効率を示した。
一方、第3比較例の発光装置229aにおいては、20mAの電流で駆動した時の効率は、83.8(lm/W)であり、効率は低かった。また、第4比較例の発光装置229bにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、84.9(lm/W)と、第3比較例よりも効率が向上したが、効率の向上の程度は低かった。すなわち、第4比較例における効率の向上の程度(第3比較例に対する比率)は、約1.01であり、向上の程度は低い。そして、第5比較例の発光装置229cにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、80.7(lm/W)であり、効率は低く、第5実施例においては、第3比較例よりも効率は低下した。
このように、第2実施例の発光装置は、第3〜第5比較例の発光装置229a〜229cのいずれよりも高い効率を実現した。すなわち、第2実施例の発光装置220aの向上の程度(第3比較例に対する比率)は、約1.05であり、第4比較例と比べても、効率の向上効果は非常に大きい。
なお、第5比較例の効率が低いのは、第1波長変換層30が設けられていないため、半導体発光素子10から実装部材20の側に放出される第1光L1が実装部材20により反射して半導体発光素子10の内部に戻り、半導体発光素子10の特に発光層103で再吸収されてしまうことが原因であると考えられる。
これに対し、第2実施例の発光装置220aにおいては、第1波長変換層30によって第1光L1を第2光L2に変換させ、実装部材20によって反射して半導体発光素子10の内部に戻る光が半導体発光素子10の特に発光層103で再吸収されて効率が低下することを抑制し、また、第1透光層40により光(第1光L1及び第2光L2)を外部に導光させることにより効率を向上させ、さらに、第2波長変換層80と半導体発光素子10との間に第2透光層60を設けることで、第2波長変換層80における発熱による半導体発光素子10の温度上昇を抑制し、半導体発光素子10の発光効率の低下を抑制する。これにより、発光効率の高い発光装置が得られる。
このように本実施形態に係る発光装置220の形態を適用した第2実施例の発光装置220aにより、効率が高く、白色光を発する発光装置を提供できる。
なお、図7に例示した第4比較例の発光装置229aにおいて、第2透光層60を設けず、半導体発光素子10に直接、第2波長変換層80を形成する構成も考えられる。この構造は、例えば特許文献1に記載されている構成に相当する構成である。この構成においては、半導体発光素子10と第2波長変換層80とが直接接しているため、第2波長変換層80の発熱により半導体発光素子10の温度が上昇し、半導体発光素子10の発光効率が低下する。また、第2波長変換層80の膜厚の調整が困難であり、第2波長変換層80での再吸収が増加し、発光効率が低下するとともに、色むらや輝度のばらつきが生じる。従って、この構成は、第4比較例よりもさらに効率が低下すると考えられる。
(第3実施例)
第3実施例の発光装置230aは、図6に例示した発光装置220と同様の構成を有している。ただし、第3実施例の発光装置230aにおいては、半導体発光素子10から放出される第1光L1が青色光であり、第1波長変換層30から放出される第2光L2が赤色光であり、第2波長変換層80から放出される第3光が緑色光である例である。
発光装置230aは、以下のようにして作製された。
第1実施例と同様の方法で、半導体発光素子10の下面(第2主面10b)に、シリコーン樹脂の第1透光層40を形成した。
一方、実装部材20の実装面に第1波長変換層30を形成した。第1波長変換層30の第1波長変換粒子31には、620nmに発光ピークをもつサイアロン系赤色蛍光体((SrSiAlON13:Eu2+)の組成を有する)を用い、第1樹脂32には、シリコーン系透明ダイボンド材を用いた。第1波長変換粒子31を50wt%(重量パーセント)の濃度で第1樹脂32に分散させ、これを実装部材20の実装面に塗布し、これが第1波長変換層30となる。そして、第1実施例と同様の方法で、半導体発光素子10を実装部材20に接着して固定し、p側基板電極107e及びn側基板電極108eと、半導体発光素子10のp側電極107及びn側電極108と、を、それぞれp側配線107w及びn側配線108wにより電気的に接続した。
その後、第2実施例の発光装置220aと同様の方法で半導体発光素子10の上に第2透光層60を形成した後、第2透光層60の上に緑色の第2波長変換層80を形成した。すなわち、シリコーン系の透明樹脂に520nmに発光ピークをもつサイアロン系緑色蛍光体((SrSi13Al21:Eu2+)の組成を有する)を分散させて、第2波長変換層80となる緑色蛍光体分散樹脂を調製した。そして、第2実施例と同様の方法で、第2透光層60の全体を覆うように緑色蛍光体分散樹脂を塗布した。緑色蛍光体分散樹脂の膜厚は、ほぼ均一とされ、緑色蛍光体分散樹脂の形状は、第2透光層60の形状に沿って、上に凸状の曲面状となる。その後、常圧で、150℃で60分間、緑色蛍光体分散樹脂を乾燥させ、第2波長変換層80が形成された。この場合も、第2波長変換層80においては、頂部の厚みと端面の厚みとの比は、ほぼ1:1である。
(第6比較例)
第6比較例の発光装置239bは、第3実施例の発光装置230aにおいて、第1透光層40が設けられていない構成を有する。これ以外は、第3実施例の発光装置230aと同様である。すなわち、第6比較例の発光装置239bの構成は、図8に例示した第4比較例の発光装置229bの構成において、第1波長変換層30にサイアロン系赤色蛍光体((SrSiAlON13:Eu2+)の組成を有する)を含有する赤色蛍光体層を用い、第2波長変換層80にサイアロン系緑色蛍光体((SrSi13Al21:Eu2+)の組成を有する)を含有する緑色蛍光体層を用いた構成に相当する。
(第7比較例)
図10は、第7比較例の発光装置の構成を示す模式的断面図である。
図10に表したように、第7比較例の発光装置239dにおいては、半導体発光素子10と実装部材20との間に第1波長変換層30が設けられず、シリコーン系透明ダイボンド材層41が設けられている。そして、第2透光層60と第2波長変換層80とが設けられている。そして、第2透光層60の内側に、内側波長変換層80dが設けられ、内側波長変換層80dと半導体発光素子10との間に内側透光層60dが設けられている。
第7比較例の発光装置239dの第2透光層60には、第3実施例の発光装置230aの第2透光層60と同じ材料が用いられる。そして、第7比較例の発光装置239dの第2波長変換層80は、第3実施例の発光装置230aの第2波長変換層80と同様の仕様を有し、サイアロン系緑色蛍光体((SrSi13Al21:Eu2+)の組成を有する)を含有する緑色蛍光体層である。
一方、第7比較例の発光装置239dの内側透光層60dには、第3実施例の発光装置230aの第1透光層40と同様の透明なシリコーン樹脂が用いられる。そして、第7比較例の発光装置239dの内側波長変換層80dには、第3実施例の発光装置230aの第1波長変換層30と同様の材料が用いられ、内側波長変換層80dは、サイアロン系赤色蛍光体((SrSiAlON13:Eu2+)の組成を有する)を含有する赤色蛍光体層である。
すなわち、第7比較例の発光装置239dの構成は、第3実施例の発光装置230aにおける赤色の第1波長変換層30が、緑色の第2波長変換層80と、半導体発光素子10と、の間に設けられた構成に相当する。
発光装置239dは、以下のようにして作製された。
半導体発光素子10を、シリコーン系透明ダイボンド材層41を用いて実装部材20に実装した後、電気的接続を行い、内側透光層60dとなる透明なシリコーン樹脂を、第2透光層60と同様の方法で形成し、内側透光層60dを形成した。その後、第2波長変換層80と同様の方法で、内側透光層60dを覆うように、内側波長変換層80dとなるサイアロン系赤色蛍光体((SrSiAlON13:Eu2+)の組成を有する)を含有する赤色蛍光体層を形成し、内側波長変換層80dを形成した。その後、第3実施例と同様の方法で、内側波長変換層80dを覆うように第2透光層60を形成し、さらに、第2透光層60を覆うようにサイアロン系緑色蛍光体((SrSi13Al21:Eu2+)を含有する緑色蛍光体層を形成し、第2波長変換層80を形成した。このようにして、図10に例示した第7比較例の発光装置239dが作製された。
上記のような第3実施例の発光装置230a、及び、第6及び第7比較例の発光装置239b及び239dの光学特性を評価した。
発光装置230a、及び、発光装置239b、239dの発光色の色度座標は、(0.34、0.35)であり、これらの発光装置は、いずれも白色光を発光した。
そして、第3実施例の発光装置230aにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、69.4(lm/W)であり、高い効率を示した。
一方、第6比較例の発光装置239bにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、66.1(lm/W)であり、効率は低かった。また、第7比較例の発光装置239dにおいては、20mAの電流で駆動した時の発光効率は、60.1(lm/W)であり、さらに効率は低かった。
第6比較例の発光装置239bにおいては、第1透光層40が設けられていないため、赤色の第1波長変換層30で放出された第2光L2(赤色光)は、直接外部に取り出されず、半導体発光素子10を経由して半導体発光素子10の外部に出射する。第2光L2の一部は半導体発光素子10の外部へ出射するが、それ以外は半導体発光素子10の内部に閉じ込められ再吸収されてしまい、損失が大きく、また、再吸収により発熱し、これにより発光効率が低下したものと考えられる。
第7比較例の発光装置239dの場合、赤色の蛍光体層である内側波長変換層80dが、緑色の蛍光体層である第2波長変換層80に近接して配置されている。このため、第2波長変換層80で放出された緑色の蛍光である第3光が、内側波長変換層80dで吸収され易い。また、内側波長変換層80dにおいては、半導体発光素子10からの第1光L1で直接励起されるので、効率良く発光させることができるが、外側の第2波長変換層80においては、半導体発光素子10からの第1光L1で直接励起される場合と、内側波長変換層80dで反射または散乱された第1光L1で励起される場合とがあるので、内側波長変換層80dでの反射または散乱により生じたロス分だけ第2波長変換層80における発光の効率が低下する。これにより、効率が低下したものと考えられる。そして、発光装置239dの場合、第1波長変換層30が設けられていないので、半導体発光素子10から実装部材20に向けて出射する第1光L1は、実装部材20で反射され、半導体発光素子10内へと再度入射し、半導体発光素子10の特に発光層103での再吸収により損失され、効率が低下する。
一方、第1透光層40が設けられた第3実施例の発光装置230aにおいては、赤色の第1波長変換層30で放出された第2光L2(赤色光)は、半導体発光素子10の内部には入射せずに第1透光層40を伝搬して直接外部に取り出され、半導体発光素子10の特に発光層103での再吸収ロスが抑制され、また、再吸収による発熱が抑制され、効率が向上する。
そして、第3実施例の発光装置230aにおいては、赤色の蛍光体層である第1波長変換層30が、半導体発光素子10と実装部材20との間に設けられ、第1波長変換層30は、緑色の蛍光体層である第2波長変換層80とは離れて配置されている。このため、第2波長変換層80で放出された緑色の蛍光である第3光は、第1波長変換層30には実質的に到達しない。これにより、第2波長変換層80で放出された緑色光の第3光の大部分は、第1波長変換層30や半導体発光素子10で吸収されることなく外部へ放出され、高い効率が得られる。
このように本実施形態に係る発光装置220の形態を適用した第3実施例の発光装置230aにより、効率が高く、白色光を発する発光装置を提供できる。
(第3の実施形態)
図11(a)、図11(b)及び図11(c)は、本発明の第3の実施形態に係る発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
図11(a)に表したように、本実施形態に係る発光装置211においては、半導体発光素子10の基板90(及びバッファ層101)が除去されており、半導体発光素子のn型半導体層(n型コンタクト層102)が、第1透光層40に接触し、第1透光層40と実装部材20との間に第1波長変換層30が設けられている。このように、本発明の実施形態に係る発光装置に用いられる半導体発光素子10は、n型半導体層(例えばn型コンタクト層102)と、p型半導体層(例えばp型コンタクト層105)との間に、発光層103が設けられる構成であれば良く、例えば基板90等は必要に応じて省略される。発光装置211においても、第1波長変換層30及び第1透光層40を設けることで、効率が向上する。
図11(b)に表したように、本実施形態に係る別の発光装置212においては、半導体発光素子10のp側電極107及びn側電極108が実装部材20に対向するように、半導体発光素子10が実装部材20に実装されている。すなわち、半導体発光素子10のp型半導体層(p型コンタクト層105)の側の第1主面10aが、実装部材20に対向する。そして、半導体発光素子10のp側電極107が、p側バンプ107bにより、実装部材20のp側基板電極107eに電気的に接続され、半導体発光素子10のn側電極108が、n側バンプ108bにより、実装部材20のn側基板電極108eに電気的に接続されている。n側電極108として、例えば、透明電極を用いる場合には、n側電極108が第1透光層40に接する構造とすることができる。
図11(c)に表したように、本実施形態に係る別の発光装置213においては、半導体発光素子10の基板90(及びバッファ層101)が除去されており、かつ、半導体発光素子10のp側電極107及びn側電極108が実装部材20に対向するように、半導体発光素子10が実装部材20に実装されている。n側電極108として、例えば、透明電極を用いる場合には、n側電極108が第1透光層40に接する構造とすることができる。
発光装置212及び213のように、半導体発光素子10は、フリップチップ構造で実装部材20に実装されても、上記と同様に効率が向上する。
図12(a)、図12(b)及び図12(c)は、本発明の第3の実施形態に係る別の発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
図12(a)、図12(b)及び図12(c)に表したように、本実施形態に係る別の発光装置214、215及び216では、それぞれ発光装置211、212及び213において、図6に関して説明した第2波長変換層80及び第2透光層60をさらに設けたものである。このように、第2波長変換層80及び第2透光層60をさらに設けることで、図6に関して説明したのと同様に、高い効率が得られる。また、波長変換層を複数(第1波長変換層30及び第2波長変換層80)設けることで、発光装置220が発光する光の波長特性が制御し易くなり、演色性の高い所望の発光の実現がより容易になる。
フリップチップ構造を採用した発光装置215及び216においては、ワイヤ(p側配線107w及びn側配線108w)が不要になるため、第2透光層60中の応力などによって生じるワイヤの断線不良などが無くなり、発光装置の信頼性が向上できる利点がある。
図13(a)及び図13(b)は、本発明の第3の実施形態に係る別の発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
図13(a)に表したように、本実施形態に係る発光装置217においては、半導体発光素子10の基板90(及びバッファ層101)が除去されており、半導体発光素子10のn型半導体層(n型コンタクト層102)の側の第2主面10bにn側電極108が設けられている。n側電極108として、例えば、透明電極を用いることができる。なお、p型半導体層(p型コンタクト層105)の側の第1主面10aにp側電極107が設けられている。そして、半導体発光素子10のn側電極108が、n側バンプ108bにより、実装部材20のn側基板電極108eに電気的に接続されており、半導体発光素子10のp側電極107は、p側配線107wにより、実装部材20のp側基板電極107eに電気的に接続されている。
そして、半導体発光素子10の第2主面10bの側に第1透光層40が設けられ、第1透光層40と実装部材20との間に第1波長変換層30が設けられている。このような構成を有する発光装置217においても、第1波長変換層30及び第1透光層40を設けることで、効率が向上する。
図13(b)表したように、本実施形態に係る別の発光装置218は、発光装置217において、図6に関して説明した第2波長変換層80及び第2透光層60をさらに設けたものである。このように、第2波長変換層80及び第2透光層60をさらに設けることで、図6に関して説明したのと同様に、高い効率が得られる。また、波長変換層を複数(第1波長変換層30及び第2波長変換層80)設けることで、発光装置が発光する光の波長特性が制御し易くなり、演色性の高い所望の発光の実現がより容易になる。
図14(a)及び図14(b)は、本発明の第3の実施形態に係る別の発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
図14(a)に表したように、本実施形態に係る発光装置217aにおいては、半導体発光素子10の基板90が導電性を有し、基板90が、第1透光層40に接触し、第1透光層40と実装部材20との間に第1波長変換層30が設けられている。基板90には、例えば、SiC基板が用いられる。n側電極108は、基板90の側の第2主面10bに設けられている。この場合には、n側電極108として透明電極が用いられている。なお、p型半導体層(p型コンタクト層105)の側の第1主面10aにp側電極107が設けられている。そして、半導体発光素子10のn側電極108が、n側バンプ108bにより、実装部材20のn側基板電極108eに電気的に接続されており、半導体発光素子10のp側電極107は、p側配線107wにより、実装部材20のp側基板電極107eに電気的に接続されている。
そして、半導体発光素子10の第2主面10bの側に第1透光層40が設けられ、第1透光層40と実装部材20との間に第1波長変換層30が設けられている。このような構成を有する発光装置217aにおいても、第1波長変換層30及び第1透光層40を設けることで、効率が向上する。
図14(b)に表したように、本実施形態に係る別の発光装置218aは、発光装置217aにおいて、図6に関して説明した第2波長変換層80及び第2透光層60をさらに設けたものである。このように、第2波長変換層80及び第2透光層60をさらに設けることで、図6に関して説明したのと同様に、高い効率が得られる。また、波長変換層を複数(第1波長変換層30及び第2波長変換層80)設けることで、発光装置が発光する光の波長特性が制御し易くなり、演色性の高い所望の発光の実現がより容易になる。
このように、本発明に係る発光装置においては、半導体発光素子10の下面に設けられた第1波長変換層30により、半導体発光素子10から実装部材20の側に放出される第1光L1を波長変換して、半導体発光素子10の発光波長(第1光L1の波長)よりも長い波長を有する第2光L2を発生させることで、実装部材20によって反射された戻り光が半導体発光素子10の発光層103で再吸収される損失を抑制する。そして、半導体発光素子10と第1波長変換層30との間に第1透光層40を設けることで、実装部材20によって反射された光(第1光L1及び第2光L2)が半導体発光素子10を経由することなく直接外部へ出るため、光取り出し効率が高まり、より高効率な発光装置が提供される。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光装置を構成する半導体発光素子、実装部材、第1波長変換層、第2波長変換層、第1透光層、第2透光層、半導体層、発光層、電極、配線等各要素の具体的な構成の、形状、サイズ、材質、配置関係などに関して当業者が各種の変更を加えたものであっても、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した発光装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての発光装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
10…半導体発光素子、 10a…第1主面、 10b…第2主面、 20…実装部材、 30…第1波長変換層、 31…第1波長変換粒子、 32…第1樹脂、 40…第1透光層、 41…シリコーン系透明ダイボンド材層、 60…第2透光層、 60d…内側透光層、 80、80c…第2波長変換層、 80d…内側波長変換層、 90…基板、 101…バッファ層、 102…n型コンタクト層、 103…発光層、 104…p型電子ブロック層、 105…p型コンタクト層、 107…p側電極、 107b…p側バンプ、 107e…p側基板電極、 107w…p側配線、 108…n側電極、 108b…n側バンプ、 108e…n側基板電極、 108w…n側配線、 210、210a、211、212、213、214、215、216、217、217a、218、218a、219a、219b、220、220a、229a、229b、229c、230a、239b、239d…発光装置、 L1…第1光、 L2…第2光

Claims (4)

  1. 半導体発光素子と、
    実装部材と、
    前記半導体発光素子と前記実装部材との間に設けられ、前記実装部材に接し、前記半導体発光素子から放出される第1光を吸収して前記第1光の波長よりも長い波長を有する第2光を放出し、シリコーン系の樹脂を含み、黄色蛍光体層と、赤色蛍光体層と、前記黄色蛍光体層と前記赤色蛍光体層との間に設けられた透光層とを含む第1波長変換層と、
    前記半導体発光素子と前記第1波長変換層との間に設けられ、前記半導体発光素子及び前記第1波長変換層に接し、前記第1光及び前記第2光に対して透光性を有し、シリコーン系の樹脂を含む第1透光層と、
    を備え、
    前記半導体発光素子の前記第1透光層に接する部分の屈折率は、前記第1透光層の屈折率よりも大きく、
    前記第1波長変換層の前記第1透光層に接する部分の屈折率は、前記第1透光層の前記屈折率以下であり、
    前記第1透光層は、前記第2光を前記半導体発光素子と前記第1透光層との間の界面と前記第1透光層と前記第1波長変換層との界面で反射させて前記第1透光層の側面から外界へ出射させることを特徴とする発光装置。
  2. 前記第1波長変換層は、前記第1光を吸収して前記第2光を放出する第1波長変換粒子と、前記第1波長変換粒子が分散された樹脂と、を有し、
    前記第1波長変換粒子の粒子径は、1マイクロメートル以上、50マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記半導体発光素子の前記第1透光層とは反対の側に設けられ、前記第1光を吸収して前記第1光とは異なる波長特性を有する第3光を放出する第2波長変換層と、
    前記半導体発光素子と前記第2波長変換層との間に設けられ、前記第1光及び前記第2光に対して透光性を有する第2透光層と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記第3光の波長は、前記第1光の前記波長よりも長く、前記第2光の前記波長以下であることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
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