JP5546015B2 - 光学異方性化合物を含むアクリル系粘着剤組成物、ならびにこれを含む偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学異方性化合物を含むアクリル系粘着剤組成物、ならびにこれを含む偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、(A)アクリル系粘着剤組成物と、(B)メソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体を有する光学異方性化合物とを含むアクリル系粘着剤組成物に関し、さらに具体的に、光学異方性が大きくて、粘着剤との相溶性に優れていて、高温または高温高湿条件で耐久信頼性に優れていると共に、偏光板の収縮現象によって発生する複屈折現象を効果的に制御し、光漏れ現象を改善させた光学異方性化合物を含むアクリル系粘着剤組成物、ならびにこれを含む偏光板及び液晶表示装置に関する。
一般的に、液晶表示装置を製造するために、基本的に液晶を含む液晶セルと偏光板が必要であり、これらを接合するための適切な接着層または粘着層が使用されなければならない。また、液晶表示装置の機能を向上させるために、位相差板、広視野角補償板または輝度向上フィルムなどを付加的に偏光板に付着して使用することができる。
液晶表示装置を形成する主要構造は、一定に配列されている液晶層と、透明電極層を含む透明なガラス板またはプラスチック系板状素材で構成されている液晶セルを基準にして粘着層または接着層でラミネートされている多層構造の偏光板と、位相差板と、さらに機能性フィルム層などを含むことが一般的である。
この際、偏光板は、一定の方向に配列されたヨード系化合物または異色性偏光物質を含む構造であって、これらの偏光素子を保護するために、両面にトリアセチルセルロース(Triacetyl Cellulose;TAC)系などの保護フィルムを使用して多層を構成するようになる。また、偏光板は、一方性分子配列を有する形状の位相差フィルム、または液晶型フィルムなどの広視野角補償フィルムをさらに含むことができる。
前述したような各フィルムは、互いに異なる分子構造及び組成を有する材料で製造されるので、互いに異なる物理的特性を有している。特に、高温または高温高湿条件の下では、一方性分子配列を有する材料の収縮または膨脹による寸法安定性が不足している。したがって、偏光板が粘着剤によって固定されている場合、高温または高温高湿条件の下で偏光板の収縮または膨脹によるTAC層への応力集中により複屈折が発生し、光漏れが発生するようになる。この場合、通常、収縮されたTAC層によって全体的に負の複屈折が現われるようになる。
このような光漏れ現象は、偏光板に固定されている粘着剤の応力緩和特性を調節し、残留応力が残らないようにして抑制することができる。これは、使用される粘着剤が未架橋構造の場合に達成可能である。
しかし、粘着層は、耐久信頼性を維持するために、高い高温凝集力を必要とするが、このために、部分架橋された粘弾性体(viscoelastic material)形態で使用され、これにより、適合な粘着特性を示すようになる。
したがって、部分架橋された粘弾性体形態で使用されている粘着層は、所定の応力下で残留応力を有するようになり、架橋構造内の高分子が特定の方向に配向され、複屈折(Birefringence)を示すようになる。このような配向下で、アクリル系粘着剤は、負の複屈折を示すようになる。
最近、LCDパネルの大型化に伴い、偏光板も大型化され、これによって、耐熱または耐湿熱条件で偏光板の収縮も大きくなり、粘着層の残留応力も大きくなって、全体的に負の複屈折が大きくなり、光漏れ現象がさらに激しく現われる。このような光漏れ現象を最小化するためには、残留応力によって現われる粘着剤の負の複屈折を正の複屈折に調節する光学補償を行う必要がある。
したがって、このような光学補償を行うためには、光学異方性が大きく、粘着剤との相溶性に優れた化合物を使用し、残留応力の下で粘着剤が正の複屈折を示すようにすることが重要である。
上記光漏れ現象を改善させるための方法として、特許文献1は、高分子量アクリル系ポリマーと分子量30,000以下の低分子量アクリル系ポリマーを混合し、偏光板から発生する応力緩和特性を付与することによって、光漏れ現象を改善する方法を開示した。しかし、この方法は、偏光板の大型化に伴い、光漏れ現象の改善効果が微弱し、モジュラスが低くて、切断特性が悪くなり、また、長期間の使用時に粘着耐久信頼性が減少するという短所がある。
特許文献2は、残留応力の下で正数値の複屈折を示す低分子量体0.01乃至40重量部をアクリル系粘着剤層に混入し、残留応力の下でアクリル系粘着剤層が示す負数値の複屈折を補正する技術的思想が開示されている。しかし、使用された低分子量体は、粘着剤との相溶性に多少問題があるため、過量を使用すれば、粘着剤との相分離現象が現われる可能性が大きく、光透過性または耐久性に問題が発生する可能性がある。
前述したように、一般的に、光漏れ現象を改善するために、高分子量共重合体に可塑剤または低分子量体を添加するか、架橋構造を調節し、粘着剤に応力緩和機能を付与する方法を使用している。しかし、応力緩和だけにより光漏れ現象を確実に抑制することは困難である。
これは、偏光板用粘着剤の耐久信頼性を維持するために、粘着剤に部分架橋構造を導入しなければならないので、架橋構造によって現われる粘着層の残留応力を完全に除去することができないからである。したがって、一般的に使用されるアクリル系粘着層は、残留応力の下で負の複屈折が存在するようになり、これは、収縮された偏光板のTAC層に存在する負の複屈折とともに、光漏れを改善させにくい主要原因になっている。
特開1998−279907号公報 大韓民国特許公開第2003−006946号公報
本発明の目的は、前述のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、アクリル系粘着剤との相溶性に優れていて、光学異方性が大きい化合物を粘着剤に添加し、高温または高温高湿条件の下で発生し得る粘着耐久信頼性など主要特性を変化させることなく、残留応力の下で粘着剤が正の複屈折を有するように調節することによって、光漏れ現象を改善した光学異方性化合物を含むアクリル系粘着剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記アクリル系粘着剤組成物を含む偏光板を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記偏光板を含む液晶表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によるアクリル系粘着剤組成物は、(A)アクリル系共重合体と、(B)メソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体を有する光学異方性化合物とを含む。
本発明の他の態様による偏光板は、偏光フィルムと、上記偏光フィルムの一面または両面に形成され、上記アクリル系粘着剤組成物を含有する粘着層とを含む。
本発明のさらに他の態様による液晶表示装置は、上記偏光板を液晶セルの一面または両面に接合した液晶パネルを備える。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤との相溶性に優れていて、光学異方性が大きい化合物を含み、偏光板の収縮応力に起因して発生する複屈折特性を効果的に制御し、架橋構造の導入により粘着剤の応力緩和機能を最大化することによって、高温または高温高湿条件の下で発生し得る粘着耐久信頼性など主要特性を変化させることなく、偏光板の光漏れ現象を改善することができる。
また、低分子量体または可塑剤を含み、優れた応力緩和機能が付与されることができるという長所がある。
本発明は、(A)アクリル系共重合体と、(B)メソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体を有する光学異方性化合物とを含むアクリル系粘着剤組成物に関する。
本発明は、残留応力の下で負の複屈折を示す粘着剤に光学異方性が大きい化合物を導入し、残留応力の下で正の複屈折を有するようにして、収縮された偏光板のTAC層に存在する負の複屈折を光学的に補償し、光漏れ現象を改善することを特徴とする。
(A)アクリル系共重合体
本発明において、(A)アクリル系共重合体は、当業界で通常粘着剤として使用されるものなら特に限定されない。
一般的に複屈折性の大きい化合物は、結晶性が高く、高分子樹脂との相溶性が劣化し、添加剤として使用した場合、少ない量でも相分離が生じ、結晶化されて析出されるという問題がある。
しかし、本発明によるメソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体を有する光学異方性化合物は、高分子樹脂との相溶性、溶解度及び融点などの物理的性質に優れている。
したがって、本発明によるアクリル系粘着剤組成物は、残留応力の下で負の複屈折を示す粘着剤に光学異方性が大きい化合物を導入し、残留応力の下で正の複屈折を有するようにして、収縮された偏光板のTAC層に存在する負の複屈折を光学的補償し、光漏れ現象が改善されることができる。
(A)アクリル系共重合体は、これに限定されるものではないが、例えば、i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、ii)架橋性官能基含有単量体とを含むことができる。
上記アルキル基の炭素数が上記範囲を脱すれば、粘着剤のガラス転移温度(GlassTransition Temperature:Tg)が高くなるか、または粘着性の調節が困難になることがある。
上記i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の含量は、粘着力及び凝集力の調節のために、(A)アクリル系共重合体100重量部に対して、90乃至99.9重量部で含有されることが好ましい。
また、これに限定されるものではないが、上記i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、またはテトラデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
上記ii)架橋性官能基含有単量体の含量は、0.1乃至10重量部であることが好ましい。上記含量が0.1重量部未満の場合、高温または高湿条件の下で凝集破壊が起きやすく、接着力向上効果が低下するおそれがあり、10重量部を超過すれば、粘着性及び剥離力が低下するおそれがある。
また、これに限定されるものではないが、上記ii)架橋性官能基含有単量体の例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、または2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、マレイン酸、またはフマル酸などのカルボキシル基含有単量体;及びアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、またはN−ビニルカプロラクタムなどの窒素含有単量体などが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
一方、上記(A)アクリル系共重合体は、芳香族基を含有するアクリル系共重合体であることができる。
ここで、芳香族基を含有するアクリル系共重合体は、これに限定されるものではないが、i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;ii)架橋性官能基含有単量体;及びiii)上記アルキル(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な芳香族基含有アクリル系単量体を含むことが好ましい。
ここで、上記(A)アクリル系共重合体が芳香族基を含有するアクリル系共重合体の場合、これに含有されるi)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体は、アクリル系共重合体100重量部に対して、55乃至95重量部で含有されることが好ましい。
すなわち上記含量が55重量部未満の場合には、芳香族基含有アクリル単量体の使用量が多くなり、そのため、十分な分子量を得にくいし、粘着剤のTgが高くなり、用途に適した粘着性能を発揮することが難しい。また、上記含量が95重量部を超過する場合には、芳香族基含有アクリル単量体の使用量が少なくなって、十分な光学補償効果を得ることができないおそれがある。
iii)上記アルキル(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な芳香族基含有アクリル系単量体は、正の複屈折を示すので、残留応力の下でアクリル系粘着剤の負の複屈折を補正する役目をする。
iii)上記芳香族基含有アクリル系単量体は、下記化学式1で表示される化合物を使用することが好ましい。
Figure 0005546015
上記式中、
は、水素またはメチル基であり、
は、炭素数1乃至12のアルキレン基であり、
nは、0乃至3の整数、好ましくは0または1の整数であり、
Xは、酸素、硫黄または炭素数1乃至4のアルキレン基であり、
Arは、ハロゲン、または炭素数1乃至12のアルキルで置換されるかまたは非置換された芳香族基である。
上記化学式1で表示される化合物は、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルチオ−1−エチル(メタ)アクリレート、6−(4、6−ジブロモ−2−イソプロピルフェノキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、6−(4、6−ジブロモ−2−sec−ブチルフェノキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、2、6−ジブロモ−4−ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2、6−ジブロモ−4−ドデシルフェニル(メタ)アクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)−1−エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ナフチルオキシ)−1−エチル(メタ)アクリレート、6−(1−ナフチルオキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、6−(2−ナフチルオキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、8−(1−ナフチルオキシ)−1−オクチル(メタ)アクリレート、または8−(2−ナフチルオキシ)−1−オクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルチオ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)−1−エチル(メタ)アクリレート、または8−(2−ナフチルオキシ)−1−オクチル(メタ)アクリレートを使用することができ、より好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、またはベンジル(メタ)アクリレートを使用することができる。
上記芳香族基含有アクリル系単量体の含量は、5乃至35重量部であることが好ましい。上記含量が5重量部未満の場合、最終粘着剤が残留応力の下で負の複屈折を大きく示し、後述する光学異方性化合物を過量使用しなければならないという短所があり、35重量部を超過する場合、最終アクリル系粘着剤の粘着物性バランスが悪くなり、粘着力が大きく上昇し、偏光板の再剥離性が非常に不良になると共に、残留応力の下で粘着剤の正の複屈折が激しくなり、光漏れが大きくなるというおそれがある。
上記(A)アクリル系共重合体は、重量平均分子量が80万乃至200万であることが好ましい。上記重量平均分子量が80万未満の場合、粘着剤の凝集力が不足し、耐久信頼性が不良であり、200万を超過する場合、応力緩和効果が不足している。
また、上記(A)アクリル共重合体は、粘着剤のガラス転移温度を調節するか、またはその他の機能性を付与するために、共重合モノマーをさらに含むことができる。上記共重合モノマーの具体的な例として、スチレンまたはアルファメチルスチレンなどのスチレン系単量体;ビニルアセテートなどのカルボン酸ビニルエステル;アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、またはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの窒素含有単量体などを挙げることができ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
上記(A)アクリル系共重合体の重合方法は、特に限定されず、溶液重合法、光重合法、バルク重合法、懸濁重合法またはエマルジョン重合法で製造されることができる。
好ましくは、上記アクリル系共重合体は、溶液重合法で製造するものであり、重合温度は、50乃至140℃であることが好ましく、単量体が均一に混合した状態で重合開始剤を添加することが好ましい。
上記重合開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル、またはアゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ系重合開始剤;及び過酸化ベンゾイル、または過酸化アセチルなどの過酸化物を単独または混合して使用することができる。
(B)メソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体を有する光学異方性化合物
本発明において、メソゲン(mesogen)というのは、一方向に連結された1つ以上の芳香族環を含む棒構造を意味する。
一般的に、複屈折性の光学異方性化合物は、結晶性が高く、高分子樹脂との相溶性が劣化し、少ない量を使用しても、相分離が生じ、結晶化されて析出されるという問題があった。このような問題点を解決するために、本発明は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を含む1つ以上の置換体をメソゲンのメタ(meta)位に導入したものである。メソゲンコアのメタ位に導入した置換体は、高分子樹脂との相溶性を増加させ、パラ(para)位の置換体に比べて溶解度及び融点などの物理的性質を改善させる役目をする。
本発明において、光学異方性化合物は、メタ置換体及びパラ置換体を同時に有することも可能であるが、メタ置換体のみを有することがさらに好ましい。
上記光学異方性化合物は、下記化学式2で表示される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005546015
上記式中、
Figure 0005546015
Zは、C−WまたはNであり;
乃至Q15、及びWは、各々独立的に水素、ハロゲン、シアノ、−R、−OR、−NHR、−NRまたは−C(=O)Rであり;
l、m及びnは、各々独立的に0乃至3の整数であり、l+m+nは、1以上の整数であり;
Y、G、G、X及びXは、各々独立的に単一結合、−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、C乃至Cのアルキレン、C乃至Cのアルケニレン、C乃至Cのアルキニレン、または−U−T−V−であり、
ここで、−T−は、カルボニル(−C(=O)−)であり、U及びVは、各々単一結合、−O−、−NR−、−S−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−であり、pは、1乃至5の整数であり、
Eは、水素、ハロゲン、シアノ、−NCO、−NCS、−R、または−ORであり;
、R及びRは、各々独立的に水素、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC乃至C20のアルキル、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC乃至C20のアルケニル、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC乃至C20のアルキニル、または−(RO)であり、ここで、Rは、C乃至Cのアルキレンであり、Rは、C乃至Cのアルキルであり、qは、1乃至5の整数であるが、R及びRが同時に水素の場合は含まない。
具体的に、上記化学式2で表示される化合物は、メソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体(X−RまたはX−R)であり、メソゲンコアのl+m+nは、1以上の整数であることを特徴とする。
上記化学式2で表示される化合物において、Y、G、及びGは、具体的な例として、各々独立的に単一結合、−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−C(=O)O(CH−、−OC(=O)(CH−、−(CHOC(=O)−、または−(CHC(=O)O−などを挙げることができ、ここで、pは、1乃至5の整数であることができる。
また、上記G及びGは、各々独立的に単一結合、−CH=CH−または−C≡C−であることが好ましく、単一結合または−C≡C−であることがより好ましい。
また、上記化学式2で表示される化合物において、X及びXが、各々独立的に単一結合、−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、−(CH−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)−、−NRC(=O)NR−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、または−OC(=O)O−であり、pは、1または2の整数であることが好ましい。
上記化学式2で表示される化合物において、R、R及びRがC乃至C20のアルキルの場合、その具体的な例として、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CH(CH)CHCH、または−CHCH(CHなどの線状または分岐状アルキルなどがあり、これに限定されない。
また、R、R及びRがC乃至C20のアルケニルの場合、その具体的な例として、−CH=CH、−CH=CHCH、−CCH=CH、−CHCH=CH、−CH=CHCHCH、−CH=C(CH、−CCH=CHCH、−CHCH=CHCH、−CHCCH=CH、−CHCHCH=CH、または−CHCHCH=CHなどの線状または分岐状アルケニルなどが挙げられ、これに限定されない。
また、R、R及びRがC乃至C20のアルキニルの場合、その具体的な例として、−C≡CH、−CHC≡CH、−C≡CCH、−CHCHC≡CH、−CHCHC≡CH、−CHC≡CCH、または−C≡CCHCHなどの線状または分岐状アルキニルなどが挙げられ、これに限定されない。
好ましくは、上記化学式2で表示される化合物において、R及びRは、各々独立的に1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換された線状または分岐状のC乃至C12のアルキル、C乃至C12のアルケニル、またはC乃至C12のアルキニルであり、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換された分岐状のC乃至C12のアルキル、C乃至C12のアルケニル、またはC乃至C12のアルキニルであることがより好ましい。
また、上記化学式2で表示される化合物において、R、R及びRが−(RO)の場合、各々独立的に−(CHCHO)CH、−(CHCHCHO)CH、または−(CHCHCHO)CHであり、qは、1乃至5の整数であることが好ましい。
上記化学式2で表示される化合物をさらに具体的に表現すれば、下記の通りであるが、下記例示された化合物に限定されるものではない。
Figure 0005546015
Figure 0005546015
本発明によるアクリル系粘着剤組成物は、上記化学式2で表示される化合物を単独または2種以上含むことができ、その含量は、(A)アクリル系共重合体100重量部に対して5乃至30重量部であることが好ましい。上記含量が5重量部未満の場合、粘着剤による光学補償効果が劣化し、30重量部を超過した場合、過量使用によって粘着剤との相溶性が劣化し、粘着剤の正の複屈折が偏光板の収縮によって発生する負の複屈折より大きくなり、そのため、光漏れ現象が現われるおそれがある。
上記化学式2で表示される化合物の製造方法は、当業界で使用される通常の方法を利用することができ、これに限定されるものではないが、例えば、次のような方法で製造されることができる。
Figure 0005546015
上記式中、
Aは、−YH、−OH、−L、または−B(OH)などであることができ、Dは、HY−、HO−、L−、または(HO)B−などであることができる。上記のLは、脱離基(leaving group)であり、これに限定されるものではないが、例えば、ハライド、メシチレート、トシレートまたはトリフレートなどが使用されることができる。その他の記号は、上記化学式1の定義と同一である。
上記反応の溶媒は、ヘキサン、エーテル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran:THF)、ジオキサン、ブタノン、メタノール、エチルアセテート、エタノール、水またはこれらの混合液;及びベンゼンまたはトルエンなどのベンゼン系溶媒であり、反応温度は、0乃至200℃であり、反応時間は、1乃至30時間である。
また、反応の種類によって当業界で使用される触媒を使用することができ、例えば、Pd、Cu、またはNiなどを使用することができる。
上記化学式2で表示される化合物の具体的な製造方法は、下記反応式1乃至5の通りである。
Figure 0005546015
塩基とアルキルハライドなどを利用してメタ位などに置換体を付加した後、Pdカップリング反応を行い、トラン(tolane)構造を作る。
Figure 0005546015
Figure 0005546015
求核置換反応から、Yは、単一結合、(CH、CH=CH、またはCOである化合物を作ることができる。
Figure 0005546015
Figure 0005546015
COガスをバブリングしてCOH基を作ることができ、(MeSiO)を利用してOH基を導入することができる。これにSOCl、COCl、MsCl、TsCl、EDC[1−Ethyl−3−(3−dimethyl aminopropyl)carbo diimide hydrochloride]、またはDCC(dicyclohexylcarbodiimide)などを利用してエステル化合物を作るか、ディーン・スターク(Dean-Stark)を利用してエステル化反応を行うことができる。
上記反応式1乃至5において、Mは、Li、Na、Mg、K、Ca、またはCsなど陰イオンを作ることができる金属であって、BuLi、NaH、NaOH、NaHCO、NaCO、Mg、KCO、KOH、CaH、CsCOまたはアミンなどの有機塩を使用することができる。また、Pは、保護基を意味する。
上記反応式は、例示的な方法に過ぎず、上記化学式2で表示される化合物の製造方法は、上記反応式1乃至反応式5による製造方法だけでなく、これと類似の経路による製造方法によって製造されることもできる。
(C)重量平均分子量1000乃至3万の低分子量体または可塑剤
また、本発明は、(C)重量平均分子量1000乃至3万の低分子量体または可塑剤をさらに含むことが好ましい。
本発明による重量平均分子量1000乃至3万の低分子量体または可塑剤は、粘着剤のモジュラスを減少させる。これによって、外部の応力に対してクリープ(creep)量が大きくなり、変形が容易であり、偏光板の収縮または膨脹によって発生する局所的な応力を緩和させる役目をする。上記重量平均分子量が1000未満の場合には、分子量が非常に低いため、粘着剤に均一に分散されず、粘着力を低下させることができ、3万を超過する場合には、粘着剤のモジュラスを低下させず、応力緩和効果が劣化することができる。
本発明において使用することができる低分子量体は、アクリル系共重合体との相溶性があるものなら特に限定されず、アクリル系共重合体の主成分であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系エステル単量体を使用することができ、架橋性官能基含有単量体を少量含むかまたは含まないことが好ましい。上記アルキル基を有する(メタ)アクリル系エステル単量体の具体的な種類は、前述した通りであり、好ましくは、ブチルアクリレート単独重合体を使用することが好ましい。
また、本発明において使用することができる可塑剤は、アクリル系共重合体との相溶性があるものなら特に限定されず、例えば、ジイソノニルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、またはブチルベンジルフタレートなどのフタル酸系可塑剤;ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ−n−デシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジブチルセバケート、またはジ−(2−エチルヘキシル)セバケートなどの脂肪酸エステル系可塑剤;トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、または2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油などのエポキシ系可塑剤;トリメリテート系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤、安息香酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、またはスルホン酸エステル系可塑剤などが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
また、上記重量平均分子量1000乃至3万の低分子量体または可塑剤は、アクリル系共重合体100重量部に対して5乃至30重量部を含むことが好ましい。上記含量が5重量部未満の場合、応力緩和効果が発現されず、30重量部を超過する場合、耐久性を低下させるおそれがある。
多官能性架橋剤
本発明によるアクリル系粘着剤組成物は、アクリル系共重合体100重量部に対して多官能性架橋剤0.01乃至5重量部を含むことが好ましい。
上記多官能性架橋剤は、イソシアナート(isocyanate)系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、及び金属キレート系化合物からなる群から選択された1種以上を使用することができ、イソシアナート系がより好ましい。
上記イソシアナート系架橋剤としては、トリレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、及びこれらとトリメチロールプロパンなどのポリオールの反応物からなる群から選択される1種以上を使用することができる。
上記エポキシ系架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N、N、N’、N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、及びグリセリンジグリシジルエーテルからなる群から選択される1種以上を使用することができる。
上記アジリジン系架橋剤としては、N、N’−トルエン−2、4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N、N’−ジフェニルメタン−4、4’−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、及びトリ−1−アジリジニルホスフィンオキシドからなる群から選択される1種以上を使用することができる。
上記金属キレート系架橋剤としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、チタン、アンチモン、マグネシウム、バナジウムなどの多価金属がアセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルに配位した化合物からなる群から選択される1種以上を使用することができる。
上記多官能性架橋剤の含量は、(A)アクリル系共重合体100重量部に対して0.01乃至5重量部であることが好ましく、上記含量が0.01未満の場合、粘着剤の架橋度が低いため、耐久性が低下し、5重量部を超過する場合、粘着剤の架橋度が高いため、耐久性が低下するおそれがある。
上記多官能性架橋剤は、粘着層の形成のためにアクリル系粘着剤組成物と配合する過程で、架橋剤の官能基による架橋反応がほとんど起きない場合のみ、均一なコーティング作業を行うことができる。上記コーティング作業が終わり、乾燥及び熟成過程を進行すれば、架橋構造が形成され、弾性があり且つ凝集力が強い粘着層を得ることができるようになる。
添加剤
また、本発明のアクリル系粘着剤組成物は、ガラス板と接着する場合、接着安定性を向上させて、耐熱耐湿特性をさらに向上させるために、シラン系カップリング剤をさらに含むことができる。
上記シラン系カップリング剤は、特に高温高湿の下で長時間放置された場合、接着信頼性を向上させる役目をし、その含量は、(A)アクリル共重合体100重量部に対して0.005乃至5重量部で使用することができる。上記含量が0.005重量部未満の場合、接着信頼性の向上がなく、5重量部を超過する場合、耐久信頼性が劣化する。
上記シラン系カップリング剤化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、またはγ−アセトアセテートプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独または混合して使用することができる。
また、本発明のアクリル系粘着剤組成物は、粘着性能を調節するために粘着性付与樹脂を添加することができ、その含量は、(A)アクリル系共重合体100重量部に対して1乃至100重量部の範囲で使用することができる。
上記粘着性付与樹脂が過量使用されば、粘着剤の相溶性または凝集力を減少させることができるので、気を付けて適切に添加しなければならない。
上記粘着性付与樹脂は、(水添)ヒドロカーボン系樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェノール樹脂、重合ロジン樹脂、または重合ロジンエステル樹脂などが挙げられ、これらは、単独または2種以上混合して使用することができる。
その他、本発明は、特定の目的のために、可塑剤、エポキシレジン及び硬化剤などをさらに混合して使用することができ、紫外線安定剤、酸化防止剤、展色剤、補強剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤などを一般的な目的によって適宜添加して使用することができる。
また、本発明は、偏光フィルムと、上記偏光フィルムの一面または両面に形成され、本発明による上記アクリル系粘着剤組成物を含有する粘着層とを含む偏光板に関する。
本発明の偏光板は、偏光フィルムの一方または両面に上記粘着剤組成物から形成される粘着層を含み、偏光板を構成する偏光フィルムまたは偏光素子は特に限定されない。
好ましくは、上記偏光フィルムの例として、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムにヨードまたは異色性染料などの偏光成分を含有させて延伸することによって得られたフィルムなどが挙げられ、これら偏光フィルムの厚さも特に限定されず、通常の厚さを形成することができる。この際、上記ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタル及びエチレン、酢酸ビニル共重合体の鹸化物などが使用されることができる。
上記偏光フィルムの両面には、トリアセチルセルロース(Tri-acetyl-cellulose:TAC)などのセルロース系フィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム;ポリエーテルスルホン系フィルム;またはポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフイン系、エチレンプロピレン共重合体のようなポリオレフイン系フィルムなどの保護フィルムが積層された多層フィルムなどを形成することができる。この際、これら保護フィルムの厚さも特に限定されず、通常の厚さを形成することができる。
本発明において偏光フィルムに粘着層を形成する方法は、特に限定されず、偏光フィルムの表面に直接バーコータなどを使用して上記粘着剤を塗布して乾燥させる方法、または上記粘着剤を剥離性基材表面に塗布して乾燥させた後、上記剥離性基材の表面に形成された粘着層を偏光フィルム表面に転写し、次いで熟成させる方法などを適用することができる。
また、本発明の偏光板には、保護層、反射層、防幻層、位相差板、広視野角補償フィルム、及び輝度向上フィルムなどの追加機能を提供する層が1種以上積層されることができる。
また、本発明は、上記偏光板を液晶セルの一面または両面に接合した液晶パネルを備える液晶表示装置に関する。
本発明の粘着剤が適用された偏光板は、通常の液晶表示装置にすべて適用可能であり、その液晶パネルの種類は、特に限定されない。好ましくは、本発明は、上記偏光板を液晶セルの一面または両面に接合した液晶パネルを備えて液晶表示装置を構成することができる。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、これは、発明の具体的な理解を助けるためのものであって、本発明の範囲が実施例に限定されるものではない。
(A)アクリル系共重合体
〔製造例1〕
窒素ガスが還流され、温度調節が容易となるように冷却装置を設置した1L反応器に、下記表1に示された組成のように、n−ブチルアクリレート(n-butylacrylate:n−BA)98重量部と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2-hydroxyethyl(metha)acrylate:2−HEMA)2重量部で構成される単量体の混合物を投入した。そして、溶剤としてエチルアセテート(ethylacetate:EAc)120重量部を投入した。酸素を除去するために、窒素ガスを60分間パージング(purging)した後、温度は、60℃に維持し、反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile:AIBN)0.03重量部を投入し、8時間反応させた。反応後、エチルアセテート(EAc)で希釈し、固形分20重量%、重量平均分子量が150万のアクリル系共重合体を製造した。
〔製造例2乃至3〕
上記製造例1で、下記表1のように各成分の一部を添加しないかまたは部分添加し、高分子量アクリル系共重合体を製造した。その結果値は、表1に示した。
Figure 0005546015
〔製造例4〕
窒素ガスが還流され、温度調節が容易となるように冷却装置を設置した1L反応器に、下記表2に示された組成のように、n−ブチルアクリレート(n-butylacrylate:n−BA)78重量部、ベンジルアクリレート20重量部、及び2−ヒドロキシエチルメタアクリレート(2-hydroxyethyl(metha)acrylate:2−HEMA)2重量部で構成される単量体の混合物を投入した。そして、溶剤としてエチルアセテート(ethylacetate:EAc)120重量部を投入した。酸素を除去するために、窒素ガスを60分間パージングした後、温度は60℃に維持し、反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile:AIBN)0.03重量部を投入し、8時間反応させた。反応後、エチルアセテート(EAc)で希釈し、固形分20重量%、重量平均分子量が150万の芳香族基を含有するアクリル系共重合体を製造した。
〔製造例5乃至9〕
上記製造例4で、下記表2のように、各成分の一部を添加しないかまたは部分添加し、高分子量の芳香族基を含有するアクリル系共重合体を製造した。その結果値を下記表2に示した。
Figure 0005546015
(B)光学異方性化合物
〔製造例10〕
Figure 0005546015
1.0当量の化合物1をエタノール:水=7:3混合溶媒に溶解した後、1.0当量のブロモヘキサンと2.2当量のKOHを入れ、90℃で約10時間撹拌した。エタノールを減圧蒸留して完全に除去した後、さらに水を添加した。これに10%HCl(aq)を徐々に加えてpHを約1〜3間に調節し、90%以上の収率で化合物2を得た。1.0当量の化合物2と1.0当量の化合物3をCHClに溶解させた。これに1.2当量のEDCと0.1当量のDMAPを入れ、常温で約10時間撹拌した。反応終了後、CHClでワークアップ(work-up)し、シリカゲルで精製し、最終化合物4を88%以上の収率で作った。1H NMRでこれを確認した。
1H NMR(400MHz、CDCl):δ0.93(t、3H)、1.29〜1.45(m、4H)、1.46〜1.57(m、2H)、1.78〜1.89(m、2H)、4.05(t、2H)、7.20(dd、1H)、7.35(d、2H)、7.43(t、1H)、7.67(d、2H)、7.69〜7.80(m、5H)、7.83(d、1H)
〔製造例11〕
Figure 0005546015
1.0当量の化合物1をエタノール:水=7:3混合溶媒に溶解した後、1.0当量の2−エチルヘキシルブロマイド(2-ethylhexylbromide:化合物5)と2.2当量のKOHを入れ、90℃で約10時間撹拌した。エタノールを減圧蒸留して完全に除去した後、さらに水を添加した。これに10%HCl(aq)を徐々に加えてpHを1〜3間に調節し、90%以上の収率でアルコキシ安息香酸を生成した。この安息香酸化合物1.0当量と1.0当量の化合物3をCHClに溶解させた。これに1.2当量のEDCと0.1当量のDMAPを入れ、常温で約10時間撹拌した。反応終了後、CHClでワークアップ(work-up)し、シリカゲルで精製し、最終化合物6を85%以上の収率で作った。1H NMRでこれを確認した。
1H NMR(400MHz、CDCl):δ0.90〜0.97(m、6H)、1.29〜1.38(m、4H)、1.38〜1.61(m、4H)、1.69〜1.81(m、1H)、3.94(dd、2H)、7.21(dd、1H)、7.34(d、2H)、7.42(t、1H)、7.66(d、2H)、7.68〜7.78(m、5H)、7.80(d、1H)
〔製造例12〕
Figure 0005546015
1.0当量の化合物7と1.0当量の化合物8をジオキサン:DMF=9:1混合溶媒に溶解した後、2.0当量のCsCO、0.1当量のCuI及び0.1当量の1、1、1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン(1,1,1-tris(hydroxymethyl)ethane)を入れ、110℃で約20時間撹拌した。反応終了後、エーテルと水を利用してワークアップ(work-up)し、シリカゲルを利用して精製し、約90%の収率で化合物9を作った。1H NMRでこれを確認した。
1H NMR(400MHz、CDCl):δ0.93(t、3H)、1.48〜1.63(m、2H)、2.30(t、3H)、7.02〜7.53(m、6H)、7.65(d、2H)、7.69〜7.74(m、4H)
〔製造例13〕
Figure 0005546015
1.0当量の化合物9をCHCl溶媒に溶解した後、0℃で徐々に2.2当量のm−CPBA(m-chloroperbenzoic acid)を入れた。常温で30分間さらに撹拌した後、ワークアップ(work-up)し、シリカゲルで精製し、化合物10を80%収率で作った。この際、2.2当量の代わりに1.0当量のm−CPBAを使用して、スルホキシド化合物11を作った。1H NMRでこれを確認した。
1H NMR(400MHz、CDCl):δ0.93(t、3H)、1.48〜1.63(m、2H)、2.30(t、3H)、7.18〜7.22(m、2H)、7.63(d、2H)、7.65〜7.70(m、4H)、7.99〜8.05(m、4H)
〔製造例14〕
Figure 0005546015
1.0当量の化合物12をブタノンに溶解させた後、1.2当量のヘキシルブロマイドと1.2当量のKCOを入れ、80℃で約5時間撹拌した。反応終了後、エーテルでワークアップし、シリカゲルで精製し、化合物13を90%以上の収率で製造した。化合物14は、通常の方法であるエシド(acid)化合物(下記化合物19)にSOClとTEAを利用して作ることができる。1.0当量の化合物13と1.0当量の化合物14を水分が除去されたベンゼン溶媒に溶解した後、NiCl(PPh触媒を入れて常温で約2時間撹拌した後、水とエーテルを利用してワークアップし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを利用して最終化合物15を約70%収率で作った。1H NMRでこれを確認した。
1H NMR(400MHz、CDCl):δ0.98(t、3H)、1.30〜1.45(m、4H)、1.45〜1.59(m、2H)、1.80〜1.89(m、2H)、4.05(t、2H)、7.21〜7.60(m、9H)、7.87(s、1H)、7.92(m、3H)
〔製造例15〕
Figure 0005546015
1.0当量の化合物16をTHFに溶解させた後、1.0当量のTBSCl(tert-butyldimethylsilyl chloride)と1.2当量のイミダゾールを入れ、80℃で約5時間撹拌した。反応終了後、生成された塩を濾過した後、シリカゲルで精製し、化合物17を80%の収率で製造した。化合物17をブタノンに溶解し、1.2当量のヘキシルブロマイドと1.2当量のKCOを入れ、80℃で約10時間撹拌した。反応終了後、エーテルでワークアップし、シリカゲルで精製した後、THFに溶解させ、1.1当量のTBAFを入れ、脱保護(deprotection)を行う。常温で約1時間撹拌した後、エーテルでワークアップし、シリカゲルで精製し、化合物18を作った。1.0当量の化合物18と1.0当量の化合物19をCHClに溶解させた後、1.2当量のEDCと0.1当量のDMAPを入れ、常温で約10時間撹拌した。反応終了後、CHClでワークアップし、シリカゲルで精製し、化合物20を85%の収率で作った。1H NMRでこれを確認した。
1H NMR(400MHz、CDCl):δ0.97(t、3H)、1.29〜1.44(m、4H)、1.45〜1.57(m、2H)、1.78〜1.89(m、2H)、4.03(t、2H)、7.22〜7.56(m、9H)、7.60(d、1H)、7.88(d、1H)、8.11(d、2H)
〔製造例16〕
Figure 0005546015
1.0当量のm−ブロモフェノール(化合物21)をブタノンに溶解させ、1.2当量のブロモブタンと1.2当量のKCOを入れ、80℃で約5時間撹拌した。反応終了後、エーテルと水を利用してワークアップし、シリカゲルを利用して精製し、約95%の収率で化合物22を作った。1.0当量の化合物22と1.0当量のトリメチルシリルアセチレン(trimethylsilylacetylene)、0.1当量のCuI、0.03当量のPdCl(PPh及び4.0当量のトリエチルアミンをベンゼンに溶解させ、60℃で約10時間撹拌した。反応終了後、エーテルと水を利用してワークアップし、シリカゲルを利用して精製し、約90%の収率で化合物23を作った。1.0当量の化合物23と1.0当量の化合物24、0.1当量のCuI、0.03当量のPdCl(PPh、6.0当量のDBU及び1.0当量のHOをベンゼンに溶解させ、60℃で約10時間撹拌した。反応終了後、エーテルと水を利用してワークアップし、シリカゲルを利用して精製し、約85%の収率で最終化合物25を作った。1H NMRでこれを確認した。
1H NMR(400MHz、CDCl):δ1.06(t、3H)、1.73〜1.92(m、4H)、4.07(t、2H)、7.17(d、1H)、7.22(d、1H)、7.25〜7.30(m、3H)、7.47(m、3H)、7.68(s、1H)
〔製造例17〕
Figure 0005546015
化合物1の代わりに化合物26を使用することを除いて、製造例10と同一の製造方式で、パラ位に置換体が付加された化合物27を合成した。
実施例1
〔配合〕
上記の製造例1で得られた高分子量アクリル系共重合体100重量部(固形分)と製造例10で得られた光学異方性化合物5重量部を均一に混合した後、多官能性架橋剤としてイソシアナート系トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアナート付加物0.1重量部及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部を投入し、コーティング性を考慮して適正の濃度に希釈して均一に混合した後、離型紙にコーティングし、乾燥した後、25ミクロンの均一な粘着層を得た。
〔ラミネート過程〕
上記で得られた粘着層を厚さ185ミクロンのヨード系偏光板に粘着加工し、常温で7日間エイジングした。得られた偏光板を適切な大きさに切断し、評価に使用した。
実施例2乃至8
下記表3及び表4の配合比のように、実施例1の配合を基準にして製造例1乃至3により製造されたアクリル系共重合体と製造例10乃至17により製造された光学異方性化合物、多官能性架橋剤を実施例1のような方法で配合及びラミネート過程を行った。
実施例9乃至15
下記表5及び表6の配合比のように、実施例9の配合を基準にして製造例4乃至9により製造された芳香族基を含有するアクリル系共重合体と製造例10乃至17により製造された光学異方性化合物及び架橋剤を実施例1のような方法で配合及びラミネート過程を行った。
比較例1乃至4
下記表4の配合比のように、実施例1の配合を基準にして一部を配合しないか、部分配合することによって、上記実施例1のような方法でアクリル系共重合体を配合及びラミネート過程を行った。
比較例5乃至10
下記表6の配合比のように、実施例1の配合を基準にして一部を配合しないか、部分配合することによって、上記実施例1のような方法でアクリル系共重合体を配合及びラミネート過程を行った。
試験例
上記実施例1乃至15及び比較例1乃至10で製造された粘着剤組成物の特性を評価するために、下記のような試験項目を検討し、その結果を下記表3乃至表6に示した。
1.相溶性
離型フィルムに実施例及び比較例で製造された粘着剤をコーティング及び乾燥した後、相溶性が悪くて、粘着剤がぼやけているか否かを確認し、この粘着剤を偏光板に付着した後、常温、低温(−20℃)、高温(50℃)で6ヶ月間保存しつつ、光学異方性化合物の結晶化が生じるか否かを確認した。
2.耐久信頼性
実施例及び比較例で製造された粘着剤がコーティングされた偏光板(90mm×170mm)をガラス基板(110mm×190mm×0.7mm)に両面に光学吸収軸がクロスされた状態で付着させた。この際、加えられた圧力は、約55kg/cmであって、気泡や異物が生じないようにクリーンルーム作業を行った。この試片を、耐湿熱特性を把握するために60℃の温度及び90%の相対湿度条件の下で1000時間放置した後、気泡や剥離の発生可否を観察した。耐熱特性は、80℃の温度で1000時間放置した後、気泡や剥離の発生可否を観察した。試片の状態を評価する直前に、常温で24時間放置した後に行った。信頼性に対する評価基準は、次の通りである。
○:気泡や剥離現象なし
△:気泡や剥離現象が若干発生
×:気泡や剥離現象が多量発生
3.光透過均一性(光漏れ)
上記と同一の試片を使用して光透過度の均一性を調査するために、バックライトを利用して暗室から光の漏れる部分があるか否かを観察した。光透過均一性の試験を行う方法としては、コーティングされた偏光板(200mm×200mm)をガラス基板(210mm×210mm×0.7mm)に90度で交差して両面に付着し観察する方法を採択した。光透過性の均一性は、次のような基準にして評価した。
◎:光透過性のばらつき現象が目視で判断しがたい
○:光透過性のばらつき現象が若干ある
△:光透過性のばらつき現象が多少ある
×:光透過性のばらつき現象が多量ある
Figure 0005546015
Figure 0005546015
上記表3及び表4の結果から明らかなように、本発明の実施例1乃至8の場合には、相溶性、耐久信頼性、光透過均一性(光漏れ特性)に優れた特性を示すことが分かった。一方、比較例1のように、光学異方性化合物を添加しない場合、光透過均一性が不良であり、光漏れが現われることが分かり、比較例2の場合、相溶性は優れているが、本発明に使用された光学異方性化合物の含量が少ないため、光透過均一性を満足する程度の性能が出ないことが分かった。比較例3の場合には、過量の光学異方性化合物を使用することによって、耐久信頼性に多少問題があり、粘着剤層で結晶化現象が発生することが分かり、粘着剤による正の複屈折がさらに大きくなって、光透過均一性が悪くなって、光漏れ現象が現われた。比較例4では、製造例17で製造したパラ位に置換体が付加された化合物を添加した場合、粘着層で結晶化現象が過量発生し、耐久信頼性及び光透過均一性が不良であることが分かった。
Figure 0005546015
Figure 0005546015
上記表5及び表6の結果から明らかなように、本発明の実施例9乃至15の場合には、相溶性、耐久信頼性、光透過均一性(光漏れ特性)に優れた特性を示すことが分かる。一方、比較例5のように、光学異方性化合物を添加しない場合、光透過均一性が不良であり、光漏れが現われることが分かり、比較例6の場合、相溶性は優れているが、本発明に使用された光学異方性化合物の含量が少ないため、光透過均一性を満足する程度の性能が出ないことが分かる。比較例7の場合には、過量の光学異方性化合物を使用することによって、残留応力の下で粘着剤が正の複屈折が激しくなり、光漏れが大きくなることを見られる。比較例8の場合には、芳香族系アクリル系エステルの含量が少ないため、光漏れが現われることを見られ、比較例9の場合には、芳香族系アクリル系エステルの含量が過量使用され、残留応力の下で粘着剤が正の複屈折が激しくなり、光漏れが大きくなることを見られる。比較例10では、製造例17で製造したパラ位に置換体が付加された化合物を添加した場合、粘着剤層で結晶化現象が過量発生し、信頼性や光透過均一性が不良であることが分かる。

Claims (40)

  1. (A)芳香族基を含有していないアクリル系共重合体;及び
    (B)メソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体を有する光学異方性化合物
    を含むアクリル系粘着剤組成物であって、
    前記(B)光学異方性化合物は、下記化学式2で表示される化合物であり、
    Figure 0005546015
    [上記式中、
    Figure 0005546015
    Zは、C−WまたはNであり;
    乃至Q15、及びWは、各々独立的に水素、ハロゲン、シアノ、−R、−OR、−NHR、−NRまたは−C(=O)Rであり;
    l、m及びnは、各々独立的に0乃至3の整数であり、l+m+nは、1以上の整数であり;
    Y、G、G、X及びXは、各々独立的に単一結合、−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、C乃至Cのアルキレン、C乃至Cのアルケニレン、C乃至Cのアルキニレン、または−U−T−V−であり、
    ここで、−T−は、カルボニル(−C(=O)−)であり、U及びVは、各々独立的に単一結合、−O−、−NR−、−S−、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−であり、pは、1乃至5の整数であり、
    Eは、水素、ハロゲン、シアノ、−NCO、−NCS、−R、または−ORであり;
    、R及びRは、各々独立的に水素、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC乃至C20のアルキル、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC乃至C20のアルケニル、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC乃至C20のアルキニル、または−(RO)であり、ここで、Rは、C乃至Cのアルキレンであり、Rは、C乃至Cのアルキルであり、qは、1乃至5の整数であるが、R及びRが同時に水素の場合は含まない]、かつ、
    前記(B)光学異方性化合物の含量は、(A)アクリル系共重合体100重量部に対して5乃至30重量部である、アクリル系粘着剤組成物。
  2. (A)芳香族基を含有するアクリル系共重合体;及び
    (B)メソゲンのメタ位にアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含有する1つ以上の置換体を有する光学異方性化合物
    を含むアクリル系粘着剤組成物であって、
    前記(B)光学異方性化合物は、下記化学式2で表示される化合物であり、
    Figure 0005546015
    [上記式中、
    Figure 0005546015
    Zは、C−WまたはNであり;
    乃至Q 15 、及びWは、各々独立的に水素、ハロゲン、シアノ、−R 、−OR 、−NHR 、−NR または−C(=O)R であり;
    l、m及びnは、各々独立的に0乃至3の整数であり、l+m+nは、1以上の整数であり;
    Y、G 、G 、X 及びX は、各々独立的に単一結合、−O−、−NR −、−S−、−SO−、−SO −、C 乃至C のアルキレン、C 乃至C のアルケニレン、
    乃至C のアルキニレン、または−U−T−V−であり、
    ここで、−T−は、カルボニル(−C(=O)−)であり、U及びVは、各々独立的に単一結合、−O−、−NR −、−S−、−(CH −、−O(CH −、−(CH O−であり、pは、1乃至5の整数であり、
    Eは、水素、ハロゲン、シアノ、−NCO、−NCS、−R 、または−OR であり;
    、R 及びR は、各々独立的に水素、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC 乃至C 20 のアルキル、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC 乃至C 20 のアルケニル、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換されたC 乃至C 20 のアルキニル、または−(R O) であり、ここで、R は、C 乃至C のアルキレンであり、R は、C 乃至C のアルキルであり、qは、1乃至5の整数であるが、R 及びR が同時に水素の場合は含まない]、かつ、
    前記(B)光学異方性化合物の含量は、(A)アクリル系共重合体100重量部に対して2乃至20重量部である、アクリル系粘着剤組成物
  3. 前記(A)アクリル系共重合体は、i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、及びii)架橋性官能基含有単量体を含む、請求項1に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  4. 前記i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体は、前記(A)アクリル系共重合体100重量部に対して、90乃至99.9重量部で含有される、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  5. 前記i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上である、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  6. 前記ii)架橋性官能基含有単量体は、前記(A)アクリル系共重合体100重量部に対して、0.1乃至10重量部で含有される、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  7. 前記ii)架橋性官能基含有単量体は、水酸基含有単量体、カルボキシ基含有単量体、及び窒素含有単量体からなる群から選択される1種以上である、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  8. 前記水酸基含有単量体は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  9. 前記カルボキシル基含有単量体は、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、イタコン酸、及びマレイン酸からなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  10. 前記窒素含有単量体は、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムからなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  11. 前記芳香族基を含有するアクリル系共重合体は、i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と、ii)架橋性官能基含有単量体と、iii)(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な芳香族基含有アクリル系単量体とを含む、請求項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  12. 前記i)炭素数1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体は、アクリル系共重合体100重量部に対して、55乃至95重量部で含有される、請求項11に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  13. 前記iii)芳香族基含有アクリル系単量体は、下記化学式1で表示される化合物である、請求項11に記載のアクリル系粘着剤組成物。
    Figure 0005546015
    [上記式中、
    は、水素またはメチル基であり、
    は、炭素数1乃至12のアルキレン基であり、
    nは、0乃至3の整数であり、
    Xは、酸素、硫黄または炭素数1乃至4のアルキレン基であり、
    Arは、ハロゲンまたは炭素数1乃至12のアルキルで置換されるかまたは非置換された芳香族基である。]
  14. 前記化学式1で表示される化合物は、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルチオ−1−エチル(メタ)アクリレート、6−(4、6−ジブロモ−2−イソプロピルフェノキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、6−(4、6−ジブロモ−2−sec−ブチルフェノキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、2、6−ジブロモ−4−ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2、6−ジブロモ−4−ドデシルフェニル(メタ)アクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)−1−エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ナフチルオキシ)−1−エチル(メタ)アクリレート、6−(1−ナフチルオキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、6−(2−ナフチルオキシ)−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、8−(1−ナフチルオキシ)−1−オクチル(メタ)アクリレート、及び8−(2−ナフチルオキシ)−1−オクチル(メタ)アクリレートからなる群から選択された1種以上である、請求項13に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  15. 前記iii)芳香族基含有アクリル系単量体の含量は、芳香族基含有アクリル系共重合体100重量部に対して5乃至35重量部である、請求項11に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  16. 前記(A)アクリル共重合体は、重量平均分子量が80万乃至200万である、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  17. 前記(A)アクリル共重合体は、スチレン、アルファメチルスチレン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、及びN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される1種以上の共重合モノマーをさらに含む、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  18. 前記化学式2で表示される化合物のY、G、及びGが、各々独立的に、単一結合、−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−C(=O)O(CH −、−OC(=O)(CH−、−(CHOC(=O)−、または−(CHC(=O)O−であり、pは、1乃至5の整数である、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  19. 前記化学式2で表示される化合物のG及びGが、各々独立的に、単一結合、−CH=CH−または−C≡C−である、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  20. 前記化学式2で表示される化合物のX及びXが、各々独立的に、単一結合、−O−、−NR−、−S−、−SO−、−SO−、−(CH−、−C(=O)NR−、−NRC(=O)−、−NRC(=O)NR−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、または−OC(=O)O−であり、pは、1または2である、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  21. 前記化学式2で表示される化合物のR及びRが、1つ以上のハロゲンで置換されるかまたは非置換された線状または分岐状のC乃至C12のアルキル、C乃至C12のアルケニル、C乃至C12のアルキニルである、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  22. 前記化学式2で表示される化合物のR、R及びRが、各々独立的に、−(CHCHO)CH、−(CHCHCHO)CH、または−(CHCHCHO)CHであり、qは、1乃至5の整数である、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  23. (C)重量平均分子量1000乃至3万の低分子量体または可塑剤をさらに含む、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  24. 前記(C)重量平均分子量1000乃至3万の低分子量体が、炭素数が1乃至14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の単独重合体である、請求項23に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  25. 前記(C)可塑剤は、フタル酸系、脂肪酸エステル系、リン酸エステル系、エポキシ系、トリメリテート系、ピロメリテート系、安息香酸系、ポリエステル系、及びスルホン酸エステル系からなる群から選択される1つ以上の可塑剤である、請求項23に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  26. 前記(C)重量平均分子量1000乃至3万の低分子量体または可塑剤は、アクリル系粘着剤組成物100重量部に対して、5乃至30重量部の含量で含有される、請求項23に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  27. 多官能性架橋剤をさらに含む、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  28. 前記多官能性架橋剤は、イソシアナート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、及び金属キレート系化合物からなる群から選択される1種以上である、請求項27に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  29. 前記イソシアナート系架橋剤は、トリレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、及びこれらとポリオールとの反応物からなる群から選択される1種以上である、請求項28に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  30. 前記エポキシ系架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N、N、N’、N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、及びグリセリンジグリシジルエーテルからなる群から選択される1種以上である、請求項28に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  31. 前記アジリジン系架橋剤は、N、N’−トルエン−2、4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N、N’−ジフェニルメタン−4、4’−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキシドからなる群から選択される1種以上である、請求項28に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  32. 前記金属キレート系架橋剤は、多価金属がアセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルに配位した化合物である、請求項28に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  33. 前記多官能性架橋剤の含量は、前記(A)アクリル系共重合体100重量部に対して0.01乃至5重量部である、請求項27に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  34. 前記(A)アクリル系共重合体100重量部に対して、シラン系カップリング剤0.005乃至5重量部をさらに含む、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  35. 前記シラン系カップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、及びγ−アセトアセテートプロピルトリメトキシシランからなる群から選択された1種以上である、請求項34に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  36. 前記(A)アクリル系共重合体100重量部に対して、粘着性付与樹脂1乃至100重量部をさらに含む、請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  37. 前記粘着性付与樹脂は、(水添)ヒドロカーボン系樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェノール樹脂、重合ロジン樹脂、及び重合ロジンエステル樹脂からなる群から選択される1種以上である、請求項36に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  38. 偏光フィルム;及び
    上記偏光フィルムの一面または両面に形成され、請求項1乃至9及び11乃至37のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤組成物を含有する粘着層
    を含む偏光板。
  39. 前記偏光板は、保護層、反射層、位相差板、広視野角補償フィルム及び輝度向上フィルムからなる群から選択される1種以上の層を含む、請求項38に記載の偏光板。
  40. 請求項38に記載の偏光板を液晶セルの一面または両面に接合した液晶パネルを備える液晶表示装置。
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