JP5544854B2 - 通信システム、局側装置および通信制御方法 - Google Patents
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Description
PONシステムは、局側装置(または親局とも呼ばれる。)であるOLT(Optical Line Terminal)が、光通信路の途中に配置した光学受動素子(例えば光スプリッタ)を通して、加入者側装置(または子局とも呼ばれる。)であるONU(Optical Network Unit)との間で、1対多接続で双方向の加入者データの通信を行うものである。
しかし、例えば未登録の加入者側装置(ONU)を新たにシステムに導入する際、あるいは局側装置(OLT)が再起動した場合に加入者側装置(ONU)を再認識する際には、データ通信のための回線接続が確立されていない。
そのため、回線接続が確立されていない加入者側装置を発見し、局側装置に登録して通信回線接続を確立するための登録手順が必要である。この登録手順はPONではディスカバリプロセス(Discovery Process)と呼ばれる。
ここで、非特許文献1、2に示すE−PON(Ethernet(登録商標)‐PON)システムにおいては、各加入者側装置(ONU)に対して割当てられるMACアドレス(Media Access Control Address)が、上記個体識別番号に相当する。
さらに、局側装置(OLT)は、加入者側装置(ONU)からの登録要求信号の受信が予想される時間帯において、加入者側装置(ONU)から加入者データが送信されないように、上り通信帯域を加入者データ通信用に割当てないようにしている。
一方、登録を希望する未登録の加入者側装置(ONU)を局側装置(OLT)が早期に検出するためには、ディスカバリウィンドウの発生の周期を短くしてある程度の頻度で行われることが必要となる。
以上のような要因のため、加入者データの通信に実質的に使用可能な上り通信帯域、即ち有効通信帯域、減少してしまうことになる。
特許文献1では、ディスカバリプロセスを実行するONUの数を制限する制約条件をOLT及びONUの双方に対して追加する。具体的には、OLTはONUからの登録要求を受け付けるためのメッセージ(登録要求受付通知:GATE(Discovery))を送信し、未登録のONUは上記メッセージを確認して自ONUが登録要求を行う条件に合致するかを判別し、合致した場合にのみ登録要求(RESISTER_REQ)を送信するようにしている。
これにより、複数の未登録ONUが同時期に登録要求を送信することを抑制できるので、ランダム遅延時間の増大に起因するディスカバリウィンドウサイズの拡大を抑制し、狭いディスカバリウィンドウにおいてOLTがONUを検出することで、ディスカバリウィンドウのために消費される上り通信帯域を低減する。
さらに、特許文献2は、ラウンドトリップタイムを最初の登録時にOLTに記録する方式であるので、あるOLTと通信するONUの設置箇所を同じOLTに係るPON回線下において移設するなどしてOLT−ONU間の接続距離が変更された場合に、そのOLTは過去に記録したラウンドトリップタイムを元にディスカバリウィンドウを割当てることになる。そのため、例えば第11図に示すように、移設などで長距離化した場合にOLTにおいて、他のONUが使用する上りデータ通信帯域において登録要求(Discovery Gate)の受信と他のONUからのデータ送信の受信とが衝突するという問題がある。
さらに、長距離伝送化や加入者側装置の設置箇所の変更も考慮し、登録手順のために消費される通信帯域を節約する通信システムを提供することを目的とする。
また、従来の登録手順、及び従来の登録手順に準拠し既に普及した加入者側装置には変更を加えることがないので、通信システム内の相互接続性を確保することができる。
以下に、この発明の実施の形態1として、PONシステムに適用した場合について図1から図4をもとに説明する。なお、図において同一ないしは同様のものには、同一ないしは対応する番号を付している。
また、図1に示す各部の構成及び内部ブロックは以下に説明する全ての実施の形態において共通して使用可能であるが、個別の実施の形態において使用しない機能及び各種情報、実施しない処理などは、各実施の形態における対象装置の実装時に機能停止や削除をしてもよく、図1の構成に限定されない。
図1では、図の説明を簡略化するため、複数のONU16−1〜16−Nのうちで第1のONU16−1のみ内部構成を記載しているが、その他のONUの構成は第1のONUの内部構成と同様であり、以下ではONU16−1以外の詳細な記載及び説明を省略する。
図1では、ONU16−1〜16−NからOLT1への上り通信で波長λ1の光信号を用いている。一方、OLT1からONU16への下り通信では波長λ2の光信号を用いている。
OLT1は、WDM部2、TX部3、RX部4、MUX部5、DeMUX部6、ネットワークI/F部7、PON制御部8を備えている。
WDM部2は、波長分割多重方式に対応したインタフェースであり、各ONU16−1〜16−Nと光信号を送受し、また光信号の多重化及び分離を実施する。また、WDM部2は、TX部3、RX部4との間で光信号を入力ないしは出力する。
TX部3は、MUX部5から出力された電気信号を光信号に変換(以下、E/0((Electric/Optical変換と記載。)を行い、WDM部2に出力する。
RX部4は、WDM部2から出力された光信号を電気信号に変換(以下、O/E(Optical/Electric変換変換と記載。)を行い、DEMUX部6に出力する。
DeMUX部6は、RX部4の出力信号から上りのPON制御情報を分離し、PON制御部8の制御フレーム受信部15へ出力する。またDeMUX部6は、RX部4の出力信号から加入者通信データを分離し、ネットワークI/F部7へ出力する。
即ち、PON制御部8は、PON制御情報を生成してMUX部5に出力するとともに、DeMUX部6から出力されたPON制御情報を受信して解析する。
ネットワークI/F部7は、他の通信装置(図示しない)あるいはネットワーク(図示しない)などと加入者から送信されるあるいは加入者へ送信された通信データを送受する。
ONUサポート伝送距離データ管理部10は、各ONU16−1〜16−Nがサポートする最大伝送距離(以下、サポート最大伝送距離と記載。)の情報を記憶するとともにその情報を各ONU単位で管理する。
帯域制御部13は、制御フレーム受信部15からのPON制御情報を入力するとともに、制御フレーム生成部14へ下りPON制御情報を出力する。また、帯域制御部13は、ディスカバリプロセス以外の各種制御、主にONU16−1〜16−Nへの加入者データ通信用上り帯域の割当て制御を実施する。
制御フレーム受信部15は、DeMUX部6からのPON制御情報を入力し、それをもとに主に帯域割当て制御に必要な情報を帯域制御部13へ出力する。また、制御フレーム受信部15は、主にディスカバリプロセスに必要な情報をDiscovery Process部24へ出力する。
ONU16−1以外の内部構成はONU16−1と同様であるので、以下では個別の説明を省略する。また、OLT1と同様な名称のものは、OLT1と同様、またはOLT1の動作に対応したONU16側における機能であるので、簡単に説明する。
ONU16−1〜16−Nは、それぞれ、WDM部17、RX部18、TX部19、DeMUX部20、MUX部21、PON制御部23、ユーザI/F部22とを備えている。
WDM部17は、波長分割多重方式に対応したインタフェースであり、OLT1のWDM部2と光信号を送受し、多重化および分離を行う。
RX部18は、WDM部17から出力された光信号を電気信号に0/E変換する。
DeMUX部20は、下りのPON制御情報と加入者通信データとを分離する。
MUX部21は、上りのPON制御情報と加入者通信データとを多重する。
ユーザI/F部22は、例えばPCなどの加入者の通信端末との間で加入者通信データを送受する。なお、加入者の端末とONUが一体化する、あるいは、ONUにおいて加入者が入出力するなど各種形態が可能である。
PON制御部23は、各種PON制御情報を生成してMUX部21に出力するとともに、DeMUX部20から出力された各種PON制御情報を解析する。また、PONの動作に関する各種制御を行う。
また、上記単位周期と上記単位周期内における登録要求信号受信用の時間範囲とに基づいて周期的に登録要求受信用通信帯域を割当て、登録用送信許可信号に応答した前記加入者側装置が送信する登録要求信号を光受信し、登録要求受信用通信帯域内における前記登録要求の有無を確認する登録要求受信手段としては、WDM部2、RX部4、DeMUX部6、制御フレーム受信部15、Discovery Process部24が相当する。
ここで、単位周期がディスカバリサイクルに、単位周期内における登録要求信号の受信用時間範囲がディスカバリウィンドウサイズに対応する。
また、登録処理手段の登録処理に基づいて加入者側装置の登録台数の監視を行う登録台数管理手段としては、ONU登録台数管理部9が相当する。
また、登録台数管理手段の登録台数の監視結果を基に、単位周期または時間範囲の少なくともいずれか一方を変更して帯域割当てを制御する登録要求受信帯域割当制御手段としては、ONU登録台数管理部9、ONUサポート伝送距離データ管理部10、Discovery Window制御部11、Discovery Cycle制御部12、Discovery Process部24が相当する。
図2は、本発明の実施形態1におけるPONシステムにおけるディスカバリプロセスの全体フロー図である。加入者側装置であるONU16の、局側装置であるOLT1への登録は、本フローを実施することによりなされる。また、図2のフローは本実施の形態を含め、以下に記載する各実施の形態に共通である。図において、縦軸が時間を表し、上から下へ時間が進むものとする。
即ち、OLT1のDiscovery Process部24から出力された登録用送信許可情報は、制御フレーム生成部14、TX部3、MUX部5、WDM部2、スプリッタ30を通って全てのNU16−1〜16−Nへディスカバリ用送信許可信号(Discovery Gate)61として光送信される。ディスカバリ用送信許可信号(Discovery Gate)61の出力タイミングは、登録処理の単位周期に関しDiscovery Cycle制御部12から入力するCycle情報と、登録要求信号受信用の時間範囲に関しDiscovery Window制御部11から入力するWindowサイズ情報と、をもとに制御される。
即ち、OLT1の帯域制御部13が上記上り通信帯域の割当て制御を行うとともに、PON制御部8は制御フレーム受信部15を受信待ち状態にする。
即ち、未登録のONU16のPON制御部23は、WDM部17で受信したディスカバリ用送信許可信号(Discovery Gate)61をRX部18、DeMUX部20により分離して入力し、解析した後、登録要求信号(Resister Request)62をMUX部21、TX部19、WDM部17によりOLT1に光送信する。
次に、登録肯定信号(Resister_ACK)66を受信したOLT1は、登録完了を確認する。
以上の手順により、登録要求を行った未登録ONU16はOLT1に登録され、OLT1は登録完了67となり、ディスカバリプロセスが完了する。
図3は、本発明の実施形態1におけるOLTのフローチャートである。
このフローチャートでは、ディスカバリウィンドウサイズをどのような処理手順で変更するかという点に関し明確に分かりやすく説明するために、ONUサポート伝送距離データ管理部10は使用せず、また、Discovery Cycle制御部12は固定のディスカバリサイクルに設定するものとする。また、以下の説明では必要に応じてONU16の動作についても合わせて説明する。
通信の初期段階では複数の未登録のONU16が同時期に登録要求を送信することを考慮すると、複数のONU16の送信を考慮したランダム遅延時間を設定する必要がある。OLT1は、上記ラウンドトリップタイムとランダム遅延時間との総和をディスカバリウィンドウサイズ(図中、Discovery Windowサイズと記載。)の設定値としてDiscovery Window制御部11の初期設定を行う。
設定されたディスカバリウィンドウサイズの情報(図1のwindowサイズ情報)はDiscovery Process部24に出力される。(ステップS11)
次に、ディスカバリ用送信許可信号(Discovery Gate61)の送信タイミングになると、OLT1は、全てのONU16−1〜16−Nに対してディスカバリ用送信許可信号(Discovery Gate61)を送信する。
OLT1はONU16に対し、ディスカバリウィンドウを所定の時間に開放する。
登録が必要なONU16は、上り送信開始可能時間を基準として、上記時間範囲を超えないようにランダムな遅延をかけ、登録要求(図2のResister Request62)を送信する。(ステップS13)
次に、OLT1は、未登録ONU16からの登録要求信号があった場合に、ディスカバリプロセスを実行し未登録ONU16を登録する。登録が完了すると、ONU登録台数管理部9の保持する台数情報の更新を実施する。(ステップS15)
ここで、最大登録台数(Nmax)としては、PONシステムの管理者がOLT1のONU登録台数管理部9に設定する最大登録設定台数か、または、予めそのシステムで定義された最大登録可能台数のどちらかの値を使用する。どちらを使用するかはシステムの設計時または運用時に決定される。
次に、未登録状態のONU16が発生している場合、OLT1は、最大登録台数(Nmax)と現在登録されているONU台数(=M)との差分から、未登録ONU台数(=K)を把握する。
K=Nmax−M ------(1)
R(current) = {R(default)−α}x (K/Nmax) + α ------(2)
ここで、R(current)は最新のランダム遅延時間、R(default)は前回のランダム遅延時間、αは最小のランダム遅延値の保証する値を示す。なお、システムによってはα=0としても問題はない。
また、未登録台数(K)を算出してからランダム遅延時間の設定をしなくても、例えばランダム遅延時間の設定する際に最大登録台数(=Nmax)と現在登録されているONU台数(=M)とから直接式(2)の値を求めてもよい。
また、登録台数に関し時間平均値などの統計処理を施したものを用いるなど、種々の計算方法が適用可能であり、装置の設計時あるいは実装時において規定される。
なお、登録台数が最大登録台数(Nmax)に達している場合、即ち未登録ONU台数が0の場合、ONU16は登録要求信号を送信する必要がなく、従ってOLT1がディスカバリウィンドウ用の帯域を割当てないように制御を行うことも可能である。これにより、より有効通信帯域を増大できる。
未登録ONU台数が0となりディスカバリウィンドウサイズ用に帯域を割当てなかった場合は、未登録ONU台数が0となった後に未登録状態が発生して未登録台数が0でなくなった場合は、ディスカバリウィンドウ用の帯域の割当てを再開するように制御を行う。
以上のようにして、ディスカバリウィンドウサイズがONU16の登録台数に依存して制御される。
ランダム遅延時間を変更しディスカバリウィンドウサイズの設定に反映することで、未登録ONUが少ない場合、即ち登録台数が多い場合、はディスカバリウィンドウサイズが低減されるので、その分を加入者データの通信に使用することで、上り通信における有効通信帯域が増加する。
図4は、本発明の実施形態1における上り通信帯域の改善を示す模式図である。図において、縦軸が時間を表し、上から下へ時間が進むものとする。
また、図4(a)は未登録台数が多い場合を、図4(b)は未登録台数が少ない(1台)の場合の例を示す
なお、図においては、説明の簡略化のため、ディスカバリ用送信許可信号(Discovery Gate)61及び登録要求信号(Resister Request62)のみを示している。また、図中の点線はディスカバリウィンドウの開始及び終了の時間を示している。
以下に、この発明の実施の形態2について、図5及び図6をもとに説明する。
通信システムの構成は上記実施の形態1の図1と同様である。また、実施の形態1と同一ないしは同様のものには、同一ないしは対応する番号を付しており、その説明を省略する。
本実施の形態では、ONU16の台数情報を元にディスカバリサイクルを動的に制御する。
図5は、本発明の実施形態1におけるOLTのフローチャートである。
このフローチャートでは、OLT1がディスカバリサイクルをどのような処理手順で変更するかを明確に分かりやすく説明するため、ONUサポート伝送距離データ管理部10は使用せず、またDiscovery Window制御部11はディスカバリウィンドウサイズを固定値とする場合を想定する。
K=Nmax−M ------(1)
そして、未登録ONUの台数(K)により、ディスカバリサイクルの初期値(DC(default))をもとにディスカバリサイクルの新たな設定値を下記式により変更する
DC(current) =β x{ DC(default) x (K/Nmax) }---(3)
なお、この計算はあくまでも一例であり、例えばKに範囲を設定し、各範囲でDC(current)を定義してディスカバリサイクルを変更してもかまわない。また、登録台数に関し時間平均値などの統計処理を施したものを用いるなど、種々の計算方法が適用可能であり、装置の設計時あるいは実装時において規定される。
また、未登録台数(=K)を直接算出してからランダム遅延時間の設定をしなくても、例えばランダム遅延時間の設定する際に最大登録台数(=Nmax)と現在登録されているONU台数(=M)とから直接式(3)の値を求めてもよい。
未登録状態のONU16が発生した場合、新たに登録要求信号が発生しそれをOLT1が受信するためには、ディスカバリウィンドウを開放する必要があるが、未登録ONU台数が少ない場合、ディスカバリサイクルを高頻度に実施するとディスカバリウィンドウのために上り通信帯域の有効帯域が減少してしまう。短時間で、複数のONUの登録が必要な場合、ディスカバリウィンドウサイクルは高頻度であることが望ましいが、たとえば未登録ONUが1台の場合低頻度でディスカバリを実施することは運用上の影響は小さい。
未登録台数(または登録台数)に基づいてディスカバリサイクルを変更することで、未登録ONUが少ない場合、即ち登録台数が多い場合、ディスカバリウィンドウ用に割当てられる通信帯域が削減されるので、その分を加入者データの通信に使用することで、上り通信における有効通信帯域が増加する。
図6は、本発明の実施形態2におけるOLTの上り通信帯域の改善を示す模式図であり、上記実施の形態1の図4と同様な図である。
図6(a)は未登録台数が多い場合を、図6(b)は未登録台数が少ない(1台)の場合を示す。
以下に、この発明の実施の形態3について、図7ないし図9をもとに説明する。
通信システムの構成は図1と同様である。なお、図において同一ないしは同様のものには、同一ないしは対応する番号を付しており、その説明を省略する。
本実施の形態では、各ONU16がサポート可能な最大伝送距離の情報を元にディスカバリウィンドウサイズを動的に制御する。
図7は本発明の実施形態3におけるOLTのフローチャートである。
なお、ステップS12からステップS18までは上記実施の形態1の図2に示すフローチャートの同じ番号のステップと同様であるので、一部ないしは全部が異なるステップについて説明する。
OLT1は、上記ラウンドトリップタイムとランダム遅延時間との総和をディスカバリウィンドウサイズ(図中、Discovery Windowサイズと記載。)の設定値としてDiscovery Window制御部11の初期設定を行う。(ステップS31)
次に、OLT1は、ディスカバリサイクルの初期値をもとにDiscovery Cycle制御部12の初期設定を行う。(ステップS32)
次に、ステップS12からステップS18までの処理を行う。
左がONU16の個体識別番号であるMACアドレス、右が各ONU16がサポートする最大伝送距離である。ONU16がサポートする最大伝送距離が異なるのは、ONU16のWDM部17に実装する光送受信器によって、ONU16がサポート可能な最大伝送距離が異なってくるためである。
本構成例では、サポートする最大伝送距離を3段階に分けて定義しており、20km、40km、60kmの場合を示している。なお、図8の管理テーブル40では距離(km)で定義しているが、伝送距離に範囲を複数定義してクラス分けし、クラスを検索するようにしてもよい。また、伝送距離の設定の粒度(granularity)は、通信システムの運用上で決定される。
図9(a)は、未登録ONUのサポート最大伝送距離の最大値が大きい(60Km)場合を、図9(b)は、小さい(20Km)場合の例を示す。
図9(b)のように、未登録であり登録要求を送信する可能性のあるONU16のサポート最大伝送距離の最大値が20Kmの場合、ディスカバリウィンドウ内のRTT値としては最大20Kmまでを考慮すればよくなるため、ディスカバリウィンドウサイズを縮小することができ、上りデータ通信の有効帯域が大きくなることがわかる。
以下に、この発明の実施の形態4について、図10をもとに説明する。
本実施の形態では、各ONU16がサポート可能な最大伝送距離の情報を元に、ディスカバリウィンドウサイズ及びディスカバリサイクルの両方を動的に制御する。
図10は、本発明の実施形態4におけるOLTのフローチャートである。
なお、ステップS12からステップS18までは上記実施の形態1の図2に示すフローチャートの同じ番号のステップと同様であるので、一部ないしは全部が異なるステップについて説明する。
一定時間内で、ディスカバリウィンドウのために上り帯域が使用されるトータルの時間(Discovery Time)、は下記式にて算出することができる。
Discovery Time(Disc T) = DC(current) x {(RTT(current) + R(current)}-----(6)
本実施の形態により、ディスカバリウィンドウのために使用される上り通信帯域を抑制し、有効通信帯域を増加できることがわかる。
以下に、この発明の実施の形態5について説明する。
本実施の形態では、上記各実施の形態において、伝送速度の異なるONU16が同じシステム内で同じOLT1と通信する場合を想定する。
具体例としては、10Gbpsの伝送速度をもつONU16と1Gbpsの伝送速度をもつONU16と同じOLT1に接続する場合である。
さらに、その場合に、ONUの伝送速度種別毎に独立してディスカバリウィンドウを設けることが考えられる。伝送速度種別に対応して異なるディスカバリウィンドウを設ける場合に、それぞれのディスカバリウィンドウに該当するONUの登録台数の情報またはサポート伝送最大距離の情報を別々に管理し、伝送速度種別毎にディスカバリウィンドウを動的に制御する。
このように、異なる伝送速度のONU16が混在する場合でも、伝送速度別に制御することにより、ディスカバリウィンドウに使用される上り通信帯域を抑制できる。
さらに,上記各実施の形態は例示であり,上記実施の形態の組合せを含め,当該技術分野の通常の知識をもつ者により本発明の技術的思想を外れない範囲内で各部の配置,位置関係,動作条件など種々の変形が可能である。
2 WDM部
3 TX部
4 RX部
5 Mux部
6 Demux部
7 ネットワークI/F部
8 PON制御部
9 ONU登録台数管理部
10 ONUサポート伝送距離データ管理部
11 Discovery Window制御部
12 Discovery Cycle制御部
13 帯域制御部
14 制御フレーム生成部
15 制御フレーム受信部
16 ONU(加入者側装置)
17 WDM部
18 RX部
19 TX部
20 Demux部
21 Mux部
22 ユーザI/F部
23 PON制御部
24 Discovery Process部
30 光スプリッタ
40 サポート最大伝送距離管理テーブル
61 ディスカバリ用送信許可信号(Discovery Gate)
62 登録要求信号(Resister Request)
63 ディスカバリウィンドウ(Discovery Window)
64 登録通知信号(Resister)
65 送信許可信号(Gate)
66 登録肯定信号(Resister_ACK)
67 登録完了
Claims (14)
- 加入者側装置からの登録要求信号の送信を許可するための登録用送信許可信号を、登録処理の単位周期に基づいて前記加入者側装置に対し周期的に光送信する登録用送信許可送信手段と、
前記単位周期と前記単位周期内における前記登録要求信号の受信用時間範囲とに基づいて周期的に登録要求受信用通信帯域を割当て、前記登録用送信許可信号に応答した前記加入者側装置が送信する前記登録要求信号を光受信し、前記登録要求受信用通信帯域内における登録要求の有無を確認する登録要求受信手段と、
前記登録要求の有無を確認した結果に基づいて、前記登録要求信号を送信した前記加入者側装置の登録処理を行う登録処理手段と、
前記登録処理手段の登録処理に基づいて、前記加入者側装置の登録台数の監視を行う登録台数管理手段と、
前記登録台数管理手段の前記登録台数の監視結果を基に、前記受信用時間範囲を変更して帯域割当てを制御する登録要求受信帯域割当制御手段と、を有する局側装置、
前記登録用送信許可信号を光受信する登録用送信許可受信手段と、
前記登録用送信許可信号に応答して前記登録要求信号を光送信する登録要求送信手段と、を有する2以上の加入者側装置、
を備え、
前記受信用時間範囲は、前記加入者側装置と前記局側装置との間における信号の往復時間を示すラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値と、前記加入者側装置が前記登録要求信号を光送信する際の遅延時間を示すランダム遅延時間に基づいて決定される設定値とに基づいて決定され、
前記登録要求受信帯域割当制御手段は、
個々の前記加入者側装置がサポートする最大伝送距離を記憶するサポート伝送距離データ管理部をさらに備え、
前記登録台数の監視結果を基に、前記ランダム遅延時間に基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更し、前記サポート伝送距離データ管理部に記憶された未登録の前記加入者側装置の前記最大伝送距離のうち最大値を基に、前記ラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更することを特徴とする通信システム。 - 前記登録要求受信帯域割当制御手段は、前記登録台数の監視結果をもとに前記単位周期
を変更して帯域割当を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 前記登録台数の監視結果は、登録台数と、前記通信システムの管理者が局側装置に設定した加入者側装置の最大登録設定台数または前記通信システムで定義された加入者側装置の最大登録可能台数と、を元に規定される未登録台数であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の通信システム。
- 前記局側装置は、前記登録台数が前記最大登録設定台数または前記最大登録可能台数に達した場合に、前記登録要求受信用通信帯域を割当てないように制御することを特徴とする、請求項3に記載の通信システム。
- 前記通信システムに伝送速度の異なる加入者側装置が設置された場合に、前記局側装置の前記各手段における動作を前記伝送速度別に行うことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の通信システム。
- 加入者側装置からの登録要求信号の送信を許可するための登録用送信許可信号を、登録処理の単位周期に基づいて前記加入者側装置に対し周期的に光送信する登録用送信許可送信手段と、
前記単位周期と前記単位周期内において前記登録要求信号の受信用時間範囲とに基づいて周期的に登録要求受信用通信帯域を割当て、前記登録用送信許可信号に応答した前記加入者側装置が送信する前記登録要求信号を光受信し、前記登録要求受信用通信帯域内における登録要求の有無を確認する登録要求受信手段と、
前記登録要求の有無を確認した結果に基づいて、前記登録要求信号を送信した前記加入者側装置の登録処理を行う登録処理手段と、
前記登録処理手段の登録処理に基づいて、前記加入者側装置の登録台数の監視を行う登録台数管理手段と、
前記登録台数管理手段の前記登録台数の監視結果を基に、前記受信用時間範囲を変更して帯域割当てを制御する登録要求受信帯域割当制御手段と、を備える局側装置であって、
前記受信用時間範囲は、前記加入者側装置と前記局側装置との間における信号の往復時間を示すラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値と、前記加入者側装置が前記登録要求信号を光送信する際の遅延時間を示すランダム遅延時間に基づいて決定される設定値とに基づいて決定され、
前記登録要求受信帯域割当制御手段は、
個々の前記加入者側装置がサポートする最大伝送距離を記憶するサポート伝送距離データ管理部をさらに備え、
前記登録台数の監視結果を基に、前記ランダム遅延時間に基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更し、前記サポート伝送距離データ管理部に記憶された未登録の前記加入者側装置の前記最大伝送距離のうち最大値を基に、前記ラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更することを特徴とする局側装置。 - 前記登録要求受信帯域割当制御手段は、前記登録台数の監視結果をもとに前記単位周期を変更して帯域割当を制御することを特徴とする請求項6に記載の局側装置。
- 前記登録台数の監視結果は、登録台数と、前記局側装置と前記加入者側装置から構成される通信システムの管理者が局側装置に設定した加入者側装置の最大登録設定台数または前記局側装置と前記加入者側装置から構成される通信システムで定義された加入者側装置の最大登録可能台数と、を元に規定される未登録台数であることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の局側装置。
- 前記登録台数が前記最大登録設定台数または前記最大登録可能台数に達した場合に、前記登録要求受信用通信帯域を割当てないように制御することを特徴とする、請求項8に記載の局側装置。
- 前記局側装置に伝送速度が異なる加入者側装置が登録された場合に、前記局側装置の前記各手段における動作を前記伝送速度別に行うことを特徴とする、請求項6から請求項9のいずれかに記載の局側装置。
- 加入者側装置からの登録要求信号の送信を許可するための登録用送信許可信号を、登録処理の単位周期に基づいて前記加入者側装置に対し周期的に光送信する登録用送信許可送信ステップと、
前記単位周期と前記単位周期内における前記登録要求信号の受信用時間範囲とに基づいて周期的に登録要求受信用通信帯域を割当て、前記登録用送信許可信号に応答した前記加入者側装置が送信する前記登録要求信号を光受信し、前記登録要求受信用通信帯域内における登録要求の有無を確認する登録要求受信ステップと、
前記登録要求の有無を確認した結果に基づいて、前記登録要求信号を送信した前記加入者側装置の登録処理を行う登録処理ステップと、
前記登録処理ステップの登録処理に基づいて、前記加入者側装置の登録台数の監視を行う登録台数管理ステップと、
前記登録台数管理ステップの前記登録台数の監視結果を基に、前記受信用時間範囲を変更して帯域割当てを制御する登録要求受信帯域割当制御ステップと、を局側装置が実行し、
前記登録用送信許可信号を光受信する登録用送信許可受信ステップと、
前記登録用送信許可信号に応答して前記登録要求信号を光送信する登録要求送信ステップと、
を、前記加入者側装置が実行し、
前記受信用時間範囲は、前記加入者側装置と前記局側装置との間における信号の往復時間を示すラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値と、前記加入者側装置が前記登録要求信号を光送信する際の遅延時間を示すランダム遅延時間に基づいて決定される設定値とに基づいて決定され、
前記登録要求受信帯域割当制御ステップは、
前記登録台数の監視結果を基に、前記ランダム遅延時間に基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更し、個々の前記加入者側装置がサポートする最大伝送距離を記憶するサポート伝送距離データ管理部に記憶された未登録の前記加入者側装置の前記最大伝送距離のうち最大値を基に、前記ラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更することを特徴とする通信制御方法。 - 前記登録要求受信帯域割当制御ステップは、前記登録台数の監視結果をもとに前記単位周期を変更して帯域割当を制御することを特徴とする請求項11に記載の通信制御方法。
- 加入者側装置からの登録要求信号の送信を許可するための登録用送信許可信号を、登録処理の単位周期に基づいて前記加入者側装置に対し周期的に光送信する登録用送信許可送信ステップと、
前記単位周期と前記単位周期内における前記登録要求信号の受信用時間範囲とに基づいて周期的に登録要求受信用通信帯域を割当て、前記登録用送信許可信号に応答した前記加入者側装置が送信する前記登録要求信号を光受信し、前記登録要求受信用通信帯域内における登録要求の有無を確認する登録要求受信ステップと、
前記登録要求の有無を確認した結果に基づいて、前記登録要求信号を送信した前記加入者側装置の登録処理を行う登録処理ステップと、
前記登録処理ステップの登録処理に基づいて、前記加入者側装置の登録台数の監視を行う登録台数管理ステップと、
前記登録台数管理ステップの前記登録台数の監視結果を基に、前記受信用時間範囲を変更して帯域割当てを制御する登録要求受信帯域割当制御ステップと、
を局側装置が実行し、
前記受信用時間範囲は、前記加入者側装置と前記局側装置との間における信号の往復時間を示すラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値と、前記加入者側装置が前記登録要求信号を光送信する際の遅延時間を示すランダム遅延時間に基づいて決定される設定値とに基づいて決定され、
前記登録要求受信帯域割当制御ステップは、
前記登録台数の監視結果を基に、前記ランダム遅延時間に基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更し、個々の前記加入者側装置がサポートする最大伝送距離を記憶するサポート伝送距離データ管理部に記憶された未登録の前記加入者側装置の前記最大伝送距離のうち最大値を基に、前記ラウンドトリップタイムに基づいて決定される設定値を変更して前記受信用時間範囲を変更することを特徴とする通信制御方法。 - 前記登録要求受信帯域割当制御ステップは、前記登録台数の監視結果をもとに前記単位周期を変更して帯域割当を制御することを特徴とする請求項13に記載の通信制御方法。
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