JP5543475B2 - セルロースを基材とする繊維の製造方法、及びそれにより得られた繊維 - Google Patents

セルロースを基材とする繊維の製造方法、及びそれにより得られた繊維 Download PDF

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Description

本発明はセルロースナノフィブリルを用いた繊維の製造に関し、特に木材パルプなどのセルロース素材から抽出されたセルロースナノフィブリルに関するものである。
セルロースはβ1−4結合の無水グルコースの直鎖状ポリマーである。非常に多くの自然素材が、セルロースを高濃度に含有している。自然状態のセルロース繊維としては、綿や麻などの素材が含まれる。人工セルロース繊維には、レイヨン(又はビスコース)やリヨセル(R)(TENCEL(R)の名称で販売)等の高い強度の繊維製品が含まれる。
天然のセルロースは、非晶質(アモルファス)又は結晶状態の両方で存在している。人工セルロース繊維の製造においては、まずセルロースはアモルファスセルロースに変容される。セルロース繊維の強度はセルロースの結晶の存在と配向に依存しているため、セルロース素材は、結晶化セルロースを所定の割合で含んで形成されるように、凝固過程において再結晶化することができる。このような繊維は、まだアモルファスセルロースを多量に含んでいる。このため、結晶化セルロースを多く含むセルロースを基材とする繊維を得るための製法を設計することが強く望まれている。
材木やその他の天然由来のセルロースベースの素材に見られるセルロースの結晶状態は、天然素材の硬さや強度に貢献する、ナノ繊維やナノフィブリルとして知られる高い強度の結晶セルロース集合体を含有する。これらの結晶ナノフィブリルは、重量比でケブラー(R)のおよそ2倍の高い強度を有しているが、現在、これらのフィブリルはずっと大きな結晶単位に融合させない限り、潜在する最大の強度は得られない。これらのナノフィブリルは、植物や樹木の細胞から単離されたとき、高いアスペクト比を有することができ、適切な条件のもとで、離液性の懸濁液を形成することができる。
Song,W.,Windle,A.(2005)は、「Isotropic-nematic phase transition of dispersions of multiwall carbon nanotube(Macromolecules発行,38,6181-6188)」において、ネマチック状態(1つの軸にそって長い領域で特定方向に配列)を形成しやすいカーボンナノチューブの液体結晶懸濁液から連続する繊維の紡績を行うことについて記載している。ネマチック構造は、繊維における内部分子の結合を良好にする。しかしながら、天然のセルロースナノフィブリルは、ナノフィブリル濃度が約5〜8%より大きい場合、一度それらの天然素材から抽出すると通常、キラルネマチック相(周期的にゆがんだネマチック構造)を形成する。このため、ナノフィブリルが、紡がれた繊維において主軸に沿って完全に向きを揃えることが阻害されてしまう。ナノフィブリル構造のゆがみは、繊維構造に内在の欠陥を導くことになる。
Araki,J.とKuga,S.は、「Effect of trace electrolyte on liquid crystal type of cellulose micro crystals(Longmu/r;(letter);17(15);4493-4496,(2001))」の記事において、細菌性セルロースが約7日経過後静的懸濁液においてネマチック相を形成できることを論証している。しかしながら、このアプローチは、工業基盤での繊維製造にとっては現実的なものではなく、特に得ることが難しくかつ費用がかかる細菌性セルロースに関連するものである。
Kimuraら(2005)は、「Magnetic alignment of the chiral nematic phase of a cellulose microfibril suspension(Langmuir21,2034-2037)」において、回転磁場(15時間、5T)を用いて、セルロースナノフィブリル懸濁液におけるキラルのゆがみをほどき、ネマチック様配列を形成することを報告している。しかしながら、この方法は工業レベルで有用な繊維を実際に形成させることには使用できない。
Qizhouらの研究(2006)によれば、「Transient rheological behaviour of lyotropic (acetyl)(ethyl) cellulose/m-cresol solutions(Cellulose13:213-223)」において、剪断力が十分に大きければ、懸濁液中のセルロースナノフィブリルが剪断方向に沿って配向すると報告されていた。キラルネマチック構造は流動配列ネマチック様相(a flow-aligned nematic-like phase)に変化する。しかし、その懸濁液においてキラルネマチック領域が分散して残ってしまうことに注意する必要があった。また、連続する繊維を形成するといった事象の現実性については言及されていなかった。
Batchelor,G.(1971)の研究「The stress generated in a non-dilute suspension of elongated particles in pure straining motion(Journal of Fluid Mechanics,46,813-829)」では、伸張流動学を、棒状分子(この事例ではガラス繊維)の懸濁液を配列させることに用いる探求がなされている。そこでは濃度を上昇させることが示されているが、特に棒状分子のアスペクト比の増加は、伸び粘性を増加させる結果となる。液体結晶懸濁液に存在するキラルネマチック構造をほどく可能性については、言及されていない。
1969出願の英国特許GB1322723号公報には、「フィブリル」を用いた繊維の製造について記載されている。この発明では、主として例えばシリカやアスベストといった無機繊維に焦点が当てられているが、仮説的ではあるが可能な選択肢として、微晶質セルロースについて言及されている。
微晶質セルロースは、セルロースナノフィブリルよりもずっと粗い分子サイズである。それは典型的には、容易に離液性懸濁液を形成しないナノフィブリルの集合体の形状をした不完全に加水分解されたセルロースを含有している。微晶質セルロースはまた、通常は塩酸を用いて製造され、ナノフィブリルの表面に荷電はされない。
GB1322723号公報には、一般的に繊維はフィブリルを含む懸濁液から紡ぐことができると記載されている。しなしながら、GB1322723号公報において用いられた懸濁液には、3%又はより少ない固形成分が含まれている。このような固形成分はどのようなものであっても引き出して生じさせるには低濃度に過ぎる。実際、GB1322723号公報では懸濁液に実質的な量の濃縮剤を添加するように教示されている。濃縮剤の使用は、離液性懸濁液の形成を阻害し、高い繊維強度を得るために望まれる原繊維間の水素結合に干渉することに注意すべきである。
また、1〜3%のセルロースナノフィブリルの懸濁液、特に濃縮剤を含有するものは、等方性(アイソトロピック)相を形成する。GB1322723号公報は、フィブリルの濃縮懸濁液、特に離液性の懸濁液を用いることに関連する問題を取り扱うものではなかった。
そこで、特に天然に生じる結晶化されたセルロースを用いて、高度に結晶化されたセルロース繊維を製造するために使用できる方法を提供する。
すなわち、本発明は、セルロースを基材とする繊維、特に連続する繊維の製造方法を示すものである。この方法は、セルロースナノフィブリルの離液性の懸濁液から連続する繊維を紡ぐ工程を有している。その繊維には、繊維の主軸に沿って配列されたセルロースナノフィブリルが含有され、このナノフィブリルの配列は、ダイや針から押し出された繊維の伸張を通じて得られる。また、その繊維は、伸張下で乾燥され、配列されたナノフィブリル集合体は連続構造を形成する。
本発明は、さらに結晶化されたセルロースを高い度数で含有するセルロースを基材とする繊維を示しており、本発明の方法によってこれを得ることができる。本発明のさらに好ましい実施形態では、繊維は高度に配列され、又は連続した微小構造を有しており、この微小構造により高い強度を備えた繊維が供給される。
[ナノフィブリルの抽出]
本発明で使用するセルロースナノフィブリルは、セルロースを豊富に含む素材から抽出することが非常に好ましい。
全ての天然のセルロースベースの素材、例えば木材パルプや綿といったナノフィブリルを含有する素材は、本発明の出発材料と考えることができる。木材パルプは費用効果では好ましいが、他のセルロースが豊富な素材、例えばキチン質、麻、又は細菌性セルロースなども使用できる。
ナノフィブリルの抽出には、最も典型的には、好ましくはすりつぶされて純粋な粉末や懸濁液にされたセルロース原料の加水分解が含まれる。
最も典型的な抽出方法には、硫酸などの酸を用いた加水分解が含まれる。硫酸は特に好ましい。なぜなら、加水分解処理において、荷電した硫酸塩群がナノフィブリルの表面に沈殿するためである。ナノフィブリルの表面における表面電荷は、繊維間に斥力を生みだし、懸濁液中でそれらが水素結合する(集合する)ことを防止する。その結果、それらは互いに自由にスライドすることができる。十分に高い濃度においてキラルネマチック液体結晶相の非常に望ましい形態に導くものは、ナノフィブリルのアスペクト比に結びつけられたこの斥力である。このキラルネマチック液体結晶相の程度は、アスペクト比、分散性、及び表面電荷のレベルを含む繊維の性質によって決定される。
ナノフィブリル抽出の代替方法も使用できるが、表面電荷は、ナノフィブリルが連続する繊維に好適に紡がれるように適用する必要がある。もし表面電荷が紡績工程の初期段階においてナノフィブリルを離した状態に保つのに十分でなければ、(乾燥前に)ナノフィブリルは集合し、結局紡績中に懸濁液からの流れを妨害するかもしれない。
一度加水分解が起こると、少なくとも一つのナノフィブリルの分離工程が、好ましくは実行され、例えば遠心分離によって、濃縮されたセルロースゲル又は懸濁液を製造するために、フィブリルの屑や水が取り除かれる。
可能な限り多くのアモルファスセルロース及び/又はフィブリルの屑を取り除くために、引き続き洗浄工程をオプションとして設けても良い。これらの洗浄工程は適切な有機溶媒を用いて行うことができるが、より有利に行うためには水を用いることが良く、好ましくは脱イオン水を用いることが良い。引き続き、分離工程が、一般的には遠心分離により、フィブリルの屑と水を除去するために行われる。水の除去は、ナノフィブリルの濃度を高めるために必要である。連続した3回の洗浄と引き続く遠心分離工程により、適切な結果を得ることができる。
代替又は追加して、ナノフィブリルは懸濁液の相作用(phase behaviour)を用いて分離できる。臨界濃度、一般的には約5〜8%セルロースの場合、アイソトロピック(等方性)及びアンアイソトロピック(非等方性)の二層の領域が得られる。これらの相は、アスペクト比に従って分離する。繊維のアスペクト比が高い場合は、非等方性相が形成され、アモルファスセルロース及び/又はフィブリルの屑から分離できる。これら2つの相の相互の比率は、懸濁液の濃度、表面電荷レベル、及びイオン含有量に依存している。この方法は、遠心分離及び/又は洗浄工程を行う必要性を緩和し、及び/又は抑制する。このため、分別におけるこの方法は、より簡素で費用効果が高く、好ましい。
本発明の特定の実施形態によれば、例えば透析を用いて、懸濁液のゼータ電位を調整するのが、有利であることがわかる。ゼータ電位は、−20mVから−60mVの範囲にすることができるが、有利には−25mVから−40mVの範囲に調整することが良く、−28mVから−38mVにすることがより好ましく、−30mVから−35mVにすることがさらに好ましい。そうするため、加水分解されたセルロース懸濁液に脱イオン水を混合したものに、例えば好ましくは12,000から14,000ダルトンの範囲に細胞の重量を調製したVisking透析を用いて、脱イオン水に対して透析することができる。透析では、通常、懸濁液のゼータ電位を約−50mV〜−60mVから、好ましくは約−30mV〜−33mVに増加させて安定させる(図20参照)。
この工程は、硫酸を用いて加水分解を行うときに特に有効である。
ゼータ電位は、マルバーン ゼータサイザー ナノ ZSシステムを用いて決定した。−30mV未満のゼータ電位では、ナノフィブリルの集合体の濃度が高くなると不安定な懸濁液となり、紡績中に懸濁液からの流れが阻害される場合がある。ゼータ電位が−35mVより大きいと、40%を上回る高い固形成分濃度の場合でも、紡績中の繊維の結合力が弱くなってしまう。
加圧透析装置は、このプロセスの速度を向上させるために用いることができる。
他の選択肢として、懸濁液はより早い時間で(例えば3日間)透析から取り出し得る。そして、引き続き懸濁液に対して、(いくつかの硫酸塩グループを除去するために)熱処理又は(塩化カルシウムなどの)対イオンによる処理を、ゼータ電位を要求されたレベルにまで低減させるために行うことができる。
ナノフィブリル懸濁液は、有機溶媒を含有することができる。しかしながら、懸濁液は水ベースであることが好ましい。このように、懸濁液の溶媒又は液体相は、少なくとも90重量%を水とすることができ、95重量%を水とすることが好ましく、98重量%を水とすることがより好ましい。
本発明の他の実施形態によれば、セルロース懸濁液は、どのような集合体をも分散させるために、紡績する前に遠心分離を行うことが有効である。過熱を防止するため、超音波分解を例えば10分間ずつ2回行うことができる。
紡績工程のために最も適するセルロース懸濁液を得るため、遠心分離したセルロース懸濁液を、その後に再度遠心分離することができ、これにより濃縮され、特に紡績に適する高い粘度の懸濁液が生産される。
本発明の好ましい様相によれば、繊維の紡績に使用されるセルロース懸濁液は、(例えばキラルネマチック液体結晶相などの)離液性の懸濁液である。このようなセルロース懸濁液からキラルのねじれが一度緩むと、高い強度の繊維を得るために必要な高度に配列された微細構造の形成が許容される。
本発明の方法において、紡績に要求される懸濁液の粘度(例えばその固形成分濃度とナノフィブリルのアスペクト比)は、いくつかの要因により変化し得る。例えば、押し出し時点と繊維のキラル構造がほどけた後に乾燥する時点間の間隔に依存し得る。より大きな間隔は、懸濁液の湿潤強度が増加することを意味し、またそれゆえに粘度が必然的に増加することを意味する。固形成分の濃縮レベルは10〜60重量%の範囲とすることができる。しかしながら、高い粘度を有し、固形成分のパーセンテージが20〜50重量%から選ばれる懸濁液を用いることが好ましく、30〜40重量%のものを用いることがより好ましい。懸濁液の粘度は、5000ポアズより大きくすることができる。これらの好ましい濃度では、濃縮剤を使用は必要ではない。どのケースでも固形成分の最小の濃度は、(等方性及び非等方性相が異なる層において同時に存在する)二相領域が生じるレベルよりも大きくすべきである。これは、ナノフィブリルのアスペクト比と溶媒のイオン強度に依存し、普通は4重量%より大きくなり、より典型的には6〜10重量%となる。図21は、綿ベースのセルロースナノフィブリルのセルロース濃度に関する非等方性相の体積分率の例を示している。
[懸濁液の繊維への紡績]
このように、本発明の方法の特に好ましい実施形態は、キラルネマチック相のセルロース懸濁液を用いて行われる。また、紡績の特徴は、ナノフィブリル集合体を共により大きな結晶構造とし、連続する繊維を工業レベルで引き続き形成できるように、キラルネマチック構造をネマチック相にほぐすといったことで定義される。
セルロース懸濁液をフィブリルに紡ぐため、ナノフィブリルのセルロース懸濁液は最初に針、ダイ、又は紡糸口金に通される。繊維は空気間隙から巻き上げローラーへ通過して伸ばされ、繊維が乾燥される間に、ナノフィブリルは外延的力の下で配列するように力を掛けられる。外延配列のレベルは、ダイに存在する繊維の速度よりも大きい巻き上げローラーの速度による。これら2つの速度の比は、ドローダウン比(DDR)と呼ばれる。上記ナノ繊維の配列は、懸濁液の流動学的特性に合致するように設計されたハイパーボリック(双曲的な)ダイを使用することで有利に改善することができる。このようなダイの設計は公知の資料に詳細に説明されている。
もし繊維が延びて十分に引き伸ばされると、その後内部フィブリルの結合が十分となり、大きな結晶単位が形成される。大きな結晶単位とは、繊維の直径が0.5ミクロン、好ましくはより大きい範囲の結晶集合体を意味する。繊維の好ましいサイズは、1〜10ミクロンの範囲である。500ミクロン又はそれより大きい繊維を紡ぐことは可能であるが、結晶単位の大きさが5〜10ミクロンを超えることは好ましくない。1〜10ミクロンの範囲の繊維はより大きな結晶単位を示し、結晶の欠陥が少なく、したがってより強度が高いことが予期される。ドローダウンの増加に伴って、より大きな結晶構造が形成され、より高いドローダウン比(DDR)を用いることで、より強い繊維が得られる。
DDRは1.2より高くなるように選択することが好ましく、2より高くすることが有利である。DDRを3より高くするとさらに有利である。2〜20の範囲から選択されたドローダウン比は、(1ミクロンより大きい)大きな結晶単位を有する繊維を獲得するために好ましい。これより大きいドローダウン比は、より大きな集合体を得るために要求されるかもしれない。240ミクロンから1ミクロンへの減少のように、もし大きな初期の繊維の直径からより小さい直径の繊維を得る場合には、5000より大きいドローダウン比が用いられ得る。しかしながら、このような大きなドローダウン比は、要求される集合体を得るためには必要ではない。
[乾燥工程]
望ましくは、ダイから押し出されて新しく形成された繊維に含まれる水や溶媒のほとんどは、紡績中に取り除かれるべきである。液相の除去又は乾燥は、数多くの形式を取り得る。液相を直接的に取りのぞくために、熱が好適に用いられる。例えば、繊維を乾燥させるため、熱せられたドラム上で紡ぐことができる。あるいは、繊維の押し出し後、好ましくは繊維がドラム又はテイクアップウィールに達する前に、熱い空気流や放射熱を用いて乾燥させることもできる。
他のアプローチとしては、湿った繊維を凝固槽に通して水の大部分を取り除くことができ、その後さらに熱することで乾燥させることができる。
乾燥工程において、紡がれた繊維は引き伸ばされ、懸濁液におけるキラルネマチック構造はほどかれて、ナノフィブリルがネマチック相の繊維の軸に沿って生じる。繊維が乾燥し始めるにつれて、ナノフィブリルはより密に集合して水素結合が形成され、固形相におけるネマチック形態を維持しつつ、繊維においてより大きな結晶単位が生み出される。
なお、本発明の好ましい形態によれば、水の他の懸濁液への唯一の添加剤は、硫酸塩グループなどの繊維の表面電荷を制御する対イオンである。
[繊維]
本発明によれば、繊維は好ましくは少なくとも90重量%、より有利には少なくとも95重量%、さらに好ましくは99重量%以上の結晶化セルロースを含有する。本発明の変形では、繊維は結晶化セルロースにより構成される。例えば固形状態NMRやX線回析の使用を含む標準的な分析方法を、結晶とアモルファス素材の比率を決定するために使用することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、微量なアモルファスセルロース(約1重量%未満)しか繊維の表面又は中心に存在しない。
他の好ましい実施形態によれば、繊維は、その軸方向に高度に配列されたマイクロ結晶を含んでいる。「高度に配列された」とは、マイクロ結晶の95%より多く、好ましくは99%より多くが軸方向に配列されることを意味する。配列の程度は、電子顕微鏡の画像の評価を通じて決定することができる。繊維がこのようなマイクロ結晶からできていることが、さらに好ましい。
本発明の繊維は、少なくとも20cN/texより大きい高い張力のものであることがより好ましいが、50〜200cN/texの範囲であることがさらに好ましい。
本発明によれば、繊維はケブラー(Kevlar)やカーボン繊維といった工業用人造繊維の業界標準に従って算出した場合、0.05〜20Texの範囲の線密度を有していて良い。典型的なこのような繊維は約0.5〜1.5の線密度を有していて良い。
さらなる実施形態によれば、繊維は、本明細書に記載された発明の方法を用いて得られる。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、少なくとも紡績工程のプロセスにおいて、有機溶媒は用いられない。この特徴は、有機溶媒を使用しないことは、費用の点で有益であるのみならず、環境にも優しく特に有利である。このように、本発明の特徴によれば、全てのプロセスは、水ベースで行うことができ、繊維を紡ぐために用いられる懸濁液は実質的に水ベースのものとすることができる。「実質的に水ベース」とは、懸濁液で使用される溶媒の重さの少なくとも90%が水であることを意味する。紡績のプロセスにおける水ベースの懸濁液の使用は、その低毒性、低いコスト、ハンドリングし易さ、及び環境への有益性から特に望ましい。
本発明をより容易に理解できるものとし、実際に効果のあるものにするため、本発明の実施形態におけるいくつかの様相を描いた添付の図面について説明する。
加水分解及び遠心分離による抽出の後のセルロースゲルのFEG−SEM画像である。 加水分解及び遠心分離による抽出の後の洗浄水のFEG−SEM画像である。 一度目の洗浄後のセルロースゲルペレットのFEG−SEM画像である。 一度目の洗浄後の洗浄水のFEG−SEM画像である。 二度目の洗浄後のセルロースナノフィブリル懸濁液のFEG−SEM画像である。 二度目の洗浄後の洗浄水のFEG−SEM画像である。 三度目の洗浄後のセルロースナノフィブリルゲルのFEG−SEM画像である。 三度目の洗浄後の洗浄水のFEG−SEM画像である。 繊維を紡ぐために実施例3で用いた装置の写真である。 針及び熱されたドラムのそれぞれの配置を示す図9の拡大写真である。 低いDDRを用いて紡がれた繊維の5000 OxのFEG−SEM画像である。 本発明に従って40ミクロンに紡がれた繊維(100 Ox mag)の低倍率拡大図である。 本発明に従って40ミクロンに紡がれた繊維のFEG−SEM画像である。 図13(5000 OxのFEG−SEM画像)に示された画像の拡大図である。 破砕された本発明による繊維を示す5000 Oxの拡大画像である。 本発明によるDDRで紡がれた繊維の一つの底面の画像である。 図17a及び17bは、実施例4で使用されたスピンラインレオメーターの写真である。 図17aのスピンラインレオメーターを用いて紡がれた繊維の画像である。 繊維表面及び繊維破砕点におけるナノフィブリルの配向を示す図18の画像の拡大図である。 セルロースナノフィブリル懸濁液のゼータ電位における透析時間の影響を示すグラフである。グラフでは負の帯電電位もまた絶対値で示されている。 12日間平衡にさせた後の綿ベースのセルロースナノフィブリルのセルロース濃縮液に関連する非等方性相の体積分率を示すグラフである。 引き伸ばされた繊維及び引き伸ばされていない繊維を200倍に拡大した偏光顕微鏡画像の比較である。より整列された構造を示す引き伸ばされた繊維において、増加された複屈折を見ることができる。引き伸ばされていない繊維の粗い表面の特質は、捩れた(キラルの)領域によるものであり、それは、繊維がひとたび乾燥すれば、その繊維の構造における不変部分となる。
(実施例1:セルロースナノフィブリルの抽出及び準備プロセス)
実施例で用いられたセルロースナノフィブリルの素材は、濾紙であり、より具体的にはワットマン(Whatman)No4のセルロース濾紙である。もちろん実験条件によっては、異なる様々なセルロースナノフィブリル素材を用いて良い。
濾紙は小さな断片に切断された後、ボールミルを行って20メッシュ(0.841mm)を通過できるサイズの粉末にされる。
ボールミルを行って得られた粉末は、以下のように硫酸を用いて加水分解される。
10%(w/w)の濃度のセルロース粉末は、(ホットプレート/磁気攪拌装置を用いて)常時攪拌しながら52.5%の硫酸を用い、46℃の温度で75分間加水分解される。加水分解工程が終わった後、加水分解量の10倍に等しい過剰の脱イオン水を加えて反応を終了させる。
加水分解懸濁液は、1時間に17000の相対遠心力(RCF)で遠心分離により濃縮される。濃縮されたセルロースはその後3回の追加の洗浄が行われ、脱イオン水を用いて各洗浄後に再希釈された後に1時間遠心分離(RCF値−17,000)される。以下の例は、洗浄と遠心分離を反復する結果、その後に続くフィブリルの屑を除去して分離する利益について説明する。
(実施例2:洗浄及び分離の検討)
一方の濃縮された懸濁液と洗浄水の画像は、電界放出銃−走査放射型顕微鏡(FEG−SEM)を用いて得られたものであり、ナノフィブリル懸濁液の分離における遠心分離の影響を示している。加水分解と抽出に引き続き、3回の追加の洗浄が行われる。この調査で再現された全ての画像は、25000倍の拡大図で示されている。
[加水分解と抽出]
標準的な加水分解プロセスは、ボールミル(Whatman N.4)されたフィルターペーパー(52.5%の硫酸濃度、46℃、75分)上で用いられた。
ボールミルされたフィルターペーパー30gの加水分解後、希釈されたナノフィブリル懸濁液は、遠心分離器に配置された6500mlボトルに分離された。
第一回目の洗浄は9000rpm(17000G)で1時間行われる。この後、2つの異なる相が得られた。すなわち加水分解(洗浄水)からの酸溶液産物と濃縮されたセルロースゲルペレット(20%セルロース)である。
図1は、第一回目の洗浄後に形成されたゲルの構造のFEG−SEM画像を示す。各セルロースナノフィブリルの構造は、強いドメイン構造に見ることができる。しかしながら、個々の繊維を識別することは非常に困難である。これは、アモルファスセルロースと細かな屑が存在することによると考えられる。
図2は、残存する酸溶液のFEG−SEM画像を示す。個々のセルロースナノフィブリルを確認することは不可能である。いくつかの構造は画像中に見られるが、主としてアモルファスセルロースとこの拡大図では小さすぎて判別できないフィブリルの屑と思われるもので曇っている。
[第一回目の洗浄]
ゲルペレットは、今回及び後の洗浄におけるさらなるクリーニングのため、250mlの脱イオン水に分散される。溶液は1時間遠心分離機で回転され、セルロースゲルペレットと洗浄水は再評価される。図3は、第一回目の洗浄後のセルロースゲルの構造を示している。セルロースナノフィブリルの構造は、第一回目の抽出後よりも明瞭である。これは、第二回目の遠心分離の間にアモルファスセルロースと細かなフィブリルの屑が多く抽出されたことによると考えられる。図4は、第一回目の洗浄後の画像を示している。それは、図2のそれに匹敵するように見え、まだアモルファスセルロースと細かなフィブリルの屑を主として含んでいると思われる。素材のアモルファスの特性は、電子線下で非常に不安定であるという事実に支持される。それは、壊れる前に画像を得ることが極めて難しい。この問題は、同程度の結晶化ナノフィブリルについては、見られない。
[第二回目の洗浄]
第二回目の洗浄は、それ以前の洗浄(図3)と比較すると、セルロースゲルにおけるナノフィブリルの構造(図5)に大きな違いは見られない。しかしながら、この遠心分離により得られる洗浄水の画像(図6)は、それまでの洗浄水よりもそれについてのより多くの構造が見られる。これは、それまでの洗浄によりアモルファスセルロースのほとんどが除去されたことによると考えられる。現在残存するものはいくつかのより大きい屑とより小さなセルロースナノフィブリルである。
[第三回目の洗浄]
第三回目の洗浄後、セルロースナノフィブリルは識別し易くなり、ゲルの画像(図7)は、図8において見られる洗浄水におけるそれに匹敵するように見受けられる。第二回目の洗浄後、細かな屑の多くは懸濁液から明らかに除去され、ここからより質の高いナノフィブリルが放出される。これらの観察にもとづいて、繊維にさらなる処理を行うため、第三回目の洗浄後のセルロースナノフィブリル懸濁液を、使用することが決定された。
[セルロースナノフィブリル懸濁液の引き続きの準備:透析]
第四回目の遠心分離の最後に、セルロース懸濁液は脱イオン水で再度希釈され、その後脱イオン水に対し、12000〜14000ダルトンにカットされた重量の細胞を用いてヴィスキンング透析(Visking dialysis)により透析される。
透析装置は、懸濁液のゼータ電位を約−50〜−60mVから、好ましくは、−30mV〜−33mVの間に低減して使用される。脱イオン水を流しながら、透析処理は、約2−3週間、周囲の圧力下で行われる。図20は、4週間の透析試験の結果を示しており、その中で、マルバーン ゼータサイザー ナノ ZSシステム(Malvern Zetasizer Nano ZS system)を用いて、ゼータ電位を決定するために、加水分解の直後で透析を行っていないもの(DO)を含む、加水分解されたセルロースナノフィブリルのバッチが一日に3回行われ、分析されている。
データは、標準偏差の少なくとも3回の記録の平均を示し、グラフにおいてエラーバーとして示されている。ゼータ電位はバッチ間で一定であり、標準偏差によって示された変化にも拘わらず、一日の透析後、比較的安定しているが短い時間の平衡が、ゼータ電位−40〜−50mVの間で得られたことが示されている。(バッチを行った)5〜10日後、ゼータ値は、透析の約2〜3週間後に約−30mVに達するまで線形の傾きで減少した。
与圧透析装置は、このプロセスのスピードアップのために用いることができる。プロセスのスピードアップのための異なるアプローチとしては、懸濁液を早い時間(例えば3日間)で透析から取り出し、次いで(硫酸塩グループをいくつかを除去するため)熱処理、又は、要求されたレベルまでゼータ電位を低減するために、塩化カルシウムなどの対イオンで処理することができる。
透析は、加水分解の実施に硫酸を使用する場合に、特に有利である。−30mVより小さいゼータ電位では、ナノフィブリルの集合体が高度に濃縮された不安定な懸濁液が生じ、これが紡績中に懸濁液からの流れを妨害し得る。−35mVよりも大きいゼータ電位は、たとえ高度な濃縮であっても、紡績中の繊維の粘着力を弱めてしまう。低い粘着力は、乾燥に先立って引っ張ったりや引き伸ばしたりすることができない低い粘度流動のような、湿潤繊維流動を意味する。キラルの捩れをほどくプロセスは、特に都合がよい。なぜなら、もしキラルの捩れをほどく前に繊維を伸張させて十分に乾燥させると、繊維は縦に縮んで破損するためである。一度ナノフィブリルが繊維の軸に沿って配列すると、繊維の直径を低減させながら横方向への縮みが生じ、繊維の結合力と強度を増加させる。ナノフィブリルはまた、引き伸ばしプロセスをより容易に促進させつつ、お互いにスリップできるようになる。
[分散及び濾過]
透析後、超音波プロセッサー(hielscher UP200S)を用いて、S14Tipで20分間(過熱を防止して10分間の照射を2回)、セルロース調整品を超音波処理し、全ての集合体を分散させた。分散された懸濁液は、その後再度遠心分離され、紡績に要求される粘度の高い濃縮された懸濁液を製造した。
紡績の第一の例では、セルロースナノフィブリルは遠心分離を用いて固形成分20%に濃縮された。第二の例では、濃度を40%まで増加させて、湿潤ゲルの強度を増加させた。
(実施例3:ホットドラム上の結晶化繊維の紡績)
第一の紡績例は、図9に示される装置(10)の使用を含み、セルロースナノフィブリルゲルが240ミクロンの直径の針を用いて注射器(12)から押し出される。注入プロセスは、旋盤に取り付けられたシリンジポンプ(14)により制御される。注射器から押し出された繊維は、1600rpmまで回転可能な磨かれたドラム(16)に注入された。ドラム16は約100℃に過熱された。自動シリンジポンプ(14)の使用及び過熱されたドラム(16)の回転により、良く定義され、制御された流動比率とドローダウン比(DDR)が得られた。
図10により良く示されているように、注射器(12)の針は、熱せられたドラム(16)にほとんど接触しており、セルロース繊維はドラムが回転する間に注入されて、小さな空気間隙が得られる。熱せられたドラム(16)は、繊維をすばやく乾燥させ、繊維は外延的な配列を導く張力で引き伸ばされ、セルロースナノフィブリルにおけるキラルネマチック構造がほどかれる。
繊維が引き伸ばされることなく紡がれると、図11に示されるように、繊維表面におけるフィブリルの配列は、多かれ少なかれランダムになる。
繊維が非常に高いDDRで紡がれると、フィブリルがより配列し、より細い繊維が生じる。下表1は、うまく配列した繊維に用いられた2つ流動比率の詳細を示す。また、表において、予測される繊維の直径が示されており、ほぼその通りのものが得られている。さらに、繊維のマニュアル操作により、ドローダウン比を増加させることで繊維強度が明らかに改善することが示された。予測された通り、繊維の直径は、ドローダウン比の増加に伴い減少した。
Figure 0005543475
より速く引き伸ばした状態では、良好なフィブリルの配列がより良いドローダウン比で観測された。図12は、このような40[mu]繊維の上面を1000倍に拡大したものである。図13は、約4.29のDDRにより得られたこの繊維のFEG−SEM画像を示している。繊維の底面左端(20)は、熱せられたドラム(16)に接触していた。これに近接して、フィブリルの乱流(22)を見ることができる。画像の上部右は、焦点が完全には合っていない。しかしながら、フィブリルの直線上の流れ(ネマチック配列)を見ることができる。図14は、乱流(22)と直線上の流れ(24)の間の境界上の第一の画像の拡大図を示している。
ドラムとの接触による乾燥に伴う不規則性を除去するため、引き続く実施例では、異なる紡績設備を使用している。
図15は、破砕された40[mu]の繊維を示している。この画像から明らかなように、ナノフィブリルは、ネマチック構造に生じている。画像は、乾燥に先立つ繊維の伸張が、ナノフィブリルを好結果にて生じさせることができることを示している。繊維は、個々のナノフィブリルレベルでは、分散していないが、集合体レベルでは、分散している。集合体は、多くは1ミクロン以上である(図15に示される1.34と1.27ミクロンの集合体(28)参照)。この集合体は、高められた温度環境下でナノフィブリルが融合して生じている。
図16は、より高いドローダウン比で紡がれた繊維の一つの下面を示している。画像から、繊維は平面ドラムで紡がれ、完全には結晶化していないことが見て取れる。ドラムは見た目には滑らかであるが、ミクロンレベルではでこぼこしており、繊維を乾燥するときに繊維の下面に穴(30)が形成される。これらの穴(30)は、繊維の強度に大きな影響を与え、この穴形成プロセスが、繊維の強度を弱めてしまう。
我々が使用した種類のドラムに接することなくダイから繊維を出す場合における他のアプローチは、後述する実施例4の第二の紡績プロセスにおいて説明する。
(実施例4)
第二の紡績例には、図17aと図17bに示すスピンラインレオメーター(32)の使用が含まれる。このレオメーター(32)は、バレル(33)を含み、これはセルロース懸濁液を含み、ダイ(34)に連絡している。押し出された繊維は、乾燥チャンバー(35)を通過し、テイクアップホイール(36)に巻き取られる前に熱い空気流を用いて乾燥される。
この紡績プロセスと前述した実施例の一つの主要な相違について、以下に説明する。
・繊維の押し出しプロセスが、より正確に制御される。
・ひとたび押し出された繊維は、完全に結晶化した繊維の産物を生産するために、熱せられたドラム上よりもむしろ、熱い空気により乾燥される。図18は、図17aのレオメーターを用いて、250ミクロンの針から紡がれた100ミクロンの繊維のなめらかな表面の画像(1000倍拡大図)を示している。
・繊維が空気乾燥されるため、引き伸ばされてテイクアップホイールに引き続き回収される前に、繊維を乾燥させるために実質的により大きな空気間隙が必要とされる。ハイスピードで紡績が行われ得る前に、「湿気のある」先頭の繊維はダイから引っ張られて、テイクアップホイールに取り付けられねばならない。テイクアップホイールの速度とダイからの供給速度は、繊維を伸ばすのに必要でフィブリルを外延的に整列させるドローダウン比が得られる点までその後急上昇する。このドローダウンは、どのような繊維厚が要求される場合でも、初期のダイや針の直径(このケースでは240ミクロン)から繊維を細く導くものである。理想的には繊維がより細くなればなるほど、より潜在的な欠陥は減少し、より強い強度が得られる。5ミクロンの直径の繊維は非常に高い表面積の割合(体積に対する)を有しており、これにより迅速な熱移動及び乾燥が可能となり、それ故に高い強度が付与されることとなる。
・このより大きな空気間隙は、ナノフィブリル懸濁液の湿潤強度が前の実施例におけるものよりもずっと大きいに違いないことを意味する。より高い湿潤強度を得るため、懸濁液の固形成分を20%から40%に増加させ、より高い粘度が得られるようにする必要があった。
与えられた実施例において、(セルロース懸濁液を11000rpmで24時間遠心分離することにより)ひとたびナノフィブリル懸濁液が、固形成分が約40%となるように濃縮されると、それはシリンジに静かに移動され、その後、空気ポケットを除去するために10〜20分間5000rpmで遠心分離された。さらなる空気穴が生じることを防止するために、その後ゲルが一つの栓としてレオメーターの穴に注入された。ゲルにおける空気ポケットは紡績中の繊維の損傷につながるため、防ぐべきである。この実施例で使用されるDDRは約1.5でかなり低く、より高いDDRからはより良い配列を得ることができる。
図19は、図18の拡大図であり、断面におけるナノフィブリルが繊維の軸に沿って整列しているようすを示している。綿密な調査によれば、繊維表面のナノフィブリルもまた繊維の軸に沿って生じていることが分かっている。
例証となる成果として、図22は、伸張繊維及び非伸張繊維を20Oxに拡大した偏光顕微鏡画像を示している。非伸張繊維は伸張繊維に比較すると荒い表面を有している。非伸張繊維の荒い表面は、周期的に捩れたドメインによって、キラル捩れの結果として生じる。ナノフィブリルは、乾燥中にマイクロメーターのスケールで捩れ構造において集合する。ドローダウンプロセスにおいて、キラル捩れがほどかれ、滑らかな表面が形成される。その他の変形は当業者にとって明確に理解できるものであり、本発明の技術的範囲に属するものである。特にDDRはナノフィブリルの配列をさらに改善し、繊維の直径を低減し得るものである。これによって、欠陥が最小化され、ナノフィブリル集合体はより大きなものとなる。また、ハイパーボリック(双曲的)ダイは紡がれるセルロース懸濁液の流動学を考慮して設計され得るものである。このようなダイの設計は、例えばリヨセル(Lyocell)において用いられる他の液体結晶懸濁液を配列される機構として、公知文献において良く記載されている。

Claims (16)

  1. 繊維の主軸に沿って配列されたセルロースナノ繊維を含む連続する繊維をセルロースナノフィブリルの離液性の懸濁液から紡ぐ方法であって、
    ドローダウン比を2から20の範囲とし、前記懸濁液のゼータ電位を−30mVから−35mVの範囲として、前記ナノフィブリルの配列は、ダイ、紡糸口金、又は針から押し出された繊維の伸張を通じて得られ、前記繊維は伸張下で乾燥され、配列されたナノフィブリルが集合して連続構造を形成する方法。
  2. 前記セルロースナノフィブリルは木材パルプや綿から抽出される請求項1に記載の方法。
  3. 前記懸濁液は水ベースである請求項1又は2記載の方法。
  4. 硫酸よるセルロース源の加水分解を含む抽出工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記抽出工程は、少なくとも一の洗浄工程を含む請求項記載の方法。
  6. 前記抽出工程は、前記洗浄工程に引き続き又は前記洗浄工程に変えて、遠心分離又は相分離の実行によってフィブリルの屑を取り除く、少なくとも一の分離工程を含む請求項記載の方法。
  7. 前記懸濁液は、紡績前にホモジナイズされ、集合体が分散される請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記懸濁液は、濃縮された固形成分のレベルが10から60重量%の範囲である請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. 前記方法が、前記懸濁液からの繊維の紡績を含み、前記押し出された繊維を、紡績中乾燥させる請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  10. 前記ナノフィブリルの配列がハイパーボリック(双曲的)ダイを用いて改良された請求項1〜いずれかに記載の方法。
  11. 前記懸濁液は、濃縮され懸濁液である請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のプロセスによって得られたセルロースを基材とする繊維。
  13. 結晶化セルロースを少なくとも90重量%含有する請求項12記載のセルロースを基材とする繊維。
  14. 前記繊維が高度に配列され又は連続したマイクロ構造を有し、このマイクロ構造は前記繊維に20cN/texの極小の張力をもたらす請求項13に記載の繊維。
  15. 前記繊維が、少なくとも95重量%の結晶化セルロースを含有する請求項13又は14に記載の繊維。
  16. 前記繊維は、線密度が0.05〜20Texの範囲である請求項13〜15のいずれかに記載の繊維。
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