JP5542919B2 - 炭化水素混合冷媒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フロンや代替フロンを使用しない炭化水素混合冷媒の製造方法に関する。
従来よりエアコンや冷蔵庫の冷媒として、ジクロロジフルオロメタン(CFC12)、クロロトリフルオロメタン(CFC13)等のいわゆるフロン(CFC、クロロフルオロカーボン)が使用されていた。しかしながら、フロンはオゾン層を破壊し、地球環境に深刻な影響を及ぼすことから、日本では全廃されている。そのため、ジクロロフルオロメタン(HCFC21)、クロロジフロオロメタン(HCFC22)等のHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、1,1,2,2,−テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2,−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,−トリフロオロエタン(HFC143a)等のHFC(ハイドロフルオロカーボン)などに代表される代替フロンが開発された。これらのHCFC、HFCは、CFCに比較して、オゾン層を分解する能力は低いか、又はゼロであるが、地球を温暖化する作用が炭酸ガスに比較して数百倍から数千倍と非常に大きいものとなっている。
このような状況に対し、HCFC、HFCを代替する冷媒として、炭酸ガス、アンモニア、炭化水素等の自然冷媒が使用されてきている。炭化水素冷媒としては、例えば、日本国内における家庭用冷蔵庫の冷媒としてイソブタンが使用されている。さらにプロパンや、プロパンとイソブタンを同じモル数混合した冷媒がエアコンにおいてHFCに相当する空調性能を示すことが知られているが、炭化水素冷媒は可燃性であり、家庭用冷蔵庫より必要な冷媒充填量が増加するので、装置側でのより高度な可燃性対策や、冷媒充填量の減少が実用化の大きな課題となってくる。また、近年、地球温暖化防止対策として冷凍空調装置の省電力化対策が急務となっている。
特許文献1及び2には、炭化水素単体冷媒では代替困難だったフロンR12を代替できる炭化水素混合冷媒として、十分な量を充填したときに加圧下の蒸発と凝縮温度に関してフロンR12と近似する物理的特性を有するようにプロパン及びブタンの混合冷媒を使用すること、またはフロンR12と近似する蒸気圧曲線を有するようにプロパン、ブタン及びエタンの混合冷媒を使用することが記載されている。しかし、これらの混合冷媒では、上記の代替フロン(HCFC、HFC)を代替するには十分な冷凍空調機能が得られないという問題があった。
特許文献3には、エタン、プロパン、イソブタン、n−ブタン、イソペンタン及びn−ペンタンを含有する冷媒が記載されているが、その目的はプロパン及びブタンの冷媒の発火点が400℃程度と低い問題を改善するものであり、代替フロン(HCFC、HFC)を代替するには十分な冷凍空調機能が得られないという問題があった。特許文献1〜3には炭化水素混合冷媒の製造方法に関しては記載されていない。
特許文献4には炭化水素を含む混合冷媒の製造方法として冷媒成分を液状で液比重の小さい順に容器に導入し、かつ後から導入する冷媒成分を導入済の冷媒成分の液相内部に導入することが記載されているが、炭化水素成分のみからなる冷凍空調性能の高い混合冷媒の製造方法については記載されていない。
特許文献5にはHFCの混合冷媒の容器に移したり、蒸気圧縮式冷凍装置に充填する際に組成変化を許容範囲内に収めるために混合冷媒の組成を一定範囲内にして液相から抜き出すことが記載されているが、炭化水素混合冷媒の製造方法については記載されていない。
米国特許第6336333号 国際公開WO1997/20902号 特開2004−35701号公報 特許第3127138号公報 特許第3186065号公報
本発明の課題は、代替フロン(HCFC、HFC)を炭化水素冷媒に置き換えてノンフロン化を実現することにより温室効果ガスである代替フロンを削減すること、併せて冷凍空調装置の電力消費を低減することにより地球温暖化防止に寄与し、そして、炭化水素の可燃性対策を容易にするため、少ない充填量で高い冷凍空調性能を有する炭化水素混合冷媒の最適な製造方法を提供することである。
また、より具体的には炭化水素混合冷媒の冷凍空調性能と電力消費に直接関連する炭化水素成分の混合比を目標値に対して精度良く制御することを可能にし、また、炭化水素混合冷媒の製造方法において装置のコスト低減、電力消費の低減、操作の簡易化を実現することである。
さらに炭化水素混合冷媒の冷凍空調装置への充填作業において生じる混合比の変動を改善するため、そして、特に既設の冷凍空調装置をレトロフィットする際に個々の装置に最適な混合比の炭化水素混合冷媒を容易に製造するために、冷凍空調装置に複数の原料を導入して炭化水素混合冷媒を製造する方法を提供することである。
本発明の炭化水素混合冷媒の製造方法は、炭素数が1〜4の範囲にある単一成分の含有量が98.0モル%以上の炭化水素、および/またはプロパン、n−ブタン、イソブタン、エタン、メタンのうち少なくとも2種以上の含有量の合計が98.0モル%以上の液化石油ガスから選ばれた2種以上の原料を混合して炭化水素混合冷媒を製造する方法において、真空引きした混合容器に原料容器の充填圧力が最も低い原料を最初に導入し、二番目以降に導入する原料は原料容器の充填圧力が直前に導入した原料容器の充填圧力より0.3MPa以上高くなるよう調整して導入することを基本プロセスとし、前記プロセスにおいて原料を原料容器内から抜き出して原料導入量の合計が下記の式Iを満足するよう混合容器に導入し、原料容器から抜き出される原料の量の合計のうち混合容器に導入されない分を原料導入量の合計の10質量%以下に制御することを特徴とする。
G≦L×D×0.9 ・・・I
G:混合容器への原料導入量の合計(グラム)
L:混合容器の容量(リットル)
D:製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
また、本発明の望ましい態様の炭化水素混合冷媒の製造方法は、混合容器を真空引きした後、最も低い融点を有する原料の融点よりも低い温度に冷却した混合容器に原料容器の充填圧力が最も低い原料を最初に導入することを特徴とする。
また、本発明の望ましい態様の炭化水素混合冷媒の製造方法は、炭素数が1〜4の範囲にある単一成分の含有量が98.0モル%以上の炭化水素、および/またはプロパン、n−ブタン、イソブタン、エタン、メタンのうち少なくとも2種以上の含有量の合計が98.0モル%以上の液化石油ガスから選ばれた2種以上の原料を混合して炭化水素混合冷媒を製造する方法において、真空引きした冷凍空調装置に原料容器の充填圧力が最も低い原料を最初に導入し、二番目以降に導入する原料は原料容器の充填圧力が直前に導入した原料容器の充填圧力より0.3MPa以上高くなるよう調整して導入することを基本プロセスとし、前記プロセスにおいて原料を原料容器内から抜き出して原料導入量の合計が下記の式IIを満足するよう冷凍空調装置に導入し、原料容器から抜き出される原料の量の合計のうち冷凍空調装置に導入されない分を原料導入量の合計の10質量%以下に制御することを特徴とする。
H×(D/2E)≦G≦H×(D/E) ・・・II
G:冷凍空調装置への原料導入量の合計(グラム)
H:冷凍空調装置の標準冷媒の標準充填量(グラム)
D:製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
E:製造場所の温度における冷凍空調装置の標準冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
また、本発明の望ましい態様の炭化水素混合冷媒の製造方法は、前記原料のうち最も導入量が多い原料を含む少なくとも1種以上の原料を原料容器から抜き出す際に気液共存する原料の液相部分から抜き出すことを特徴とする。
本発明によれば、少ない充填量で冷凍空調性能が高い炭化水素混合冷媒の混合比を目標値に対して精度良く制御して製造する事が可能で、代替フロン(HCFC、HFC)を炭化水素冷媒と置き換えることができるので、温室効果ガスである代替フロンを削減し、かつ冷凍冷蔵及び冷暖房空調装置の電力消費の低減を図ることができ、地球温暖化防止に寄与することができる。
本発明の炭化水素混合冷媒の製造方法を使用すれば、代替フロン(HCFC、HFC)が使用されていた従前の冷凍冷蔵及び冷暖房空調システムをそのまま使用することができる。このため新たに装置を設置する必要がなく、従前の装置に対して本発明の炭化水素混合冷媒を使用することにより、極めて経済的で、かつ迅速に温室効果ガスの削減ができると共に省エネが可能で、様々な方法で地球温暖化防止に寄与できる。
さらに本発明の炭化水素混合冷媒の製造方法を使用すれば、製造装置のコストを低減し、かつ製造時の使用電力も少ないので冷媒の製造コストを低減することが可能で、冷媒製造における環境への影響も小さくすることもできる。
さらに本発明の炭化水素混合冷媒の製造方法を使用すれば、既設の冷凍空調装置に原料を導入して個々の冷凍空調装置に最適な混合比の炭化水素混合冷媒を製造することを可能にし、炭化水素混合冷媒の装置への充填作業において生じる混合比の変動を改善できるので、冷凍空調装置の性能を最大限発揮することができる。
本発明の一実施形態に係る炭化水素混合冷媒の製造方法を実施するための装置の概略図で、原料を原料容器から混合容器に導入する状態を示す。 本発明の他の実施形態に係る炭化水素混合冷媒の製造方法を実施するための装置の概略図で、原料を原料容器から重量測定容器に導入する状態を示す。 図2の実施形態に係る炭化水素混合冷媒の製造方法を実施するための装置の概略図で、原料を重量測定容器から混合容器に導入する状態を示す。 本発明のさらに他の実施形態に係る炭化水素混合冷媒の製造方法を実施するための装置の概略図で、原料を原料容器から冷凍空調装置に導入する状態を示す。
本発明の炭化水素混合冷媒の製造方法に使用する原料は、炭素数が1〜4の範囲にある単一成分の含有量が98.0モル%以上の炭化水素、および/または炭素数が1〜4の範囲にある炭化水素の含有量の合計が98.0モル%以上の液化石油ガスから選ばれた2種以上を使用できる。
炭素数が1〜4の範囲にある単一成分の含有量が98.0モル%以上の炭化水素は、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、シクロプロパン、n−ブタン、イソブタン、プロピン、ブテン、イソブテン等が挙げられる。炭素数が1〜4の炭化水素は、単一成分、または2種以上混合した成分の熱力学特性がフロン系冷媒に近く、フロン、代替フロンを代替できる高性能な炭化水素混合冷媒の原料として適している。炭素数5以上の炭化水素は熱力学特性がフロン系冷媒との差が大きく、原料として使用すると炭化水素混合冷媒の冷凍空調性能と熱力学特性を代替フロン(HCFC、HFC)を代替し得る範囲に制御することは難しい。
本発明の主要な課題の一つである冷凍空調性能に直接関連する炭化水素混合冷媒の混合比を目標値に対して精度良く制御するために、炭化水素の単一成分の含有量はガスクロマトグラフ法で少なくとも98.0モル%以上で変動が±2モル%以下、製造におけるその他の混合比変動要因を考慮すると変動が±1.5モル%以下であることがより好ましい。炭化水素の単一成分の含有量が98.0モル%より小さく変動が±2モル%より大きいと冷凍空調性能と熱力学特性の変動が大きくなる。
炭化水素混合冷媒は、炭素数が1〜4の範囲にある3成分以上の炭化水素を含有することにより冷凍空調性能と熱力学特性をフロン、代替フロンを代替し得る範囲に制御することが容易になる。そのため原料として冷凍空調性能と熱力学特性に寄与する炭素数が1〜4の炭化水素を2成分以上含有する液化石油ガスを使用すると炭化水素混合冷媒製造における混合回数を少なくできる利点がある。
液化石油ガスは、油田、製油施設、または天然ガス田等の副生ガスから不純物を除去して液化して製造される。JIS K2240に規定されるようにプロパンが90モル%以上でn−ブタンとイソブタンが10モル%以下、プロパンが10モル%以下でn−ブタンとイソブタンが90モル%以上、プロパンが50〜90モル%でn−ブタンとイソブタンが50モル%以下、プロパンが50モル%以下でn−ブタンとイソブタンが50〜90モル%以下等の製品が供給されている。
冷凍空調性能に直接関連する炭化水素混合冷媒の混合比を目標値に対して精度良く制御するために、冷凍空調性能と熱力学特性に寄与する炭素数が1〜4の炭化水素であるプロパン、n−ブタン、イソブタン、エタン、メタンのうち少なくとも2種以上の含有量の合計がガスクロマトグラフ法で少なくとも98.0モル%以上で各成分の変動が±2モル%以下、製造におけるその他の混合比変動要因を考慮すると変動が±1.5モル%以下であることがより好ましい。プロパン、n−ブタン、イソブタン、エタン、メタンのうち少なくとも2種以上の含有量の合計が98.0モル%より小さく各成分の変動が±2モル%より大きいと冷凍空調性能と熱力学特性の変動が大きくなる。
また、冷凍空調装置の信頼性を低下させないために、単一成分の炭化水素及び液化石油ガスとも不純物が少ないことが必要である。硫黄分は微量電量滴定式酸化法、または酸水素炎燃焼−過塩素酸バリウム沈殿滴定法で多くとも0.005質量%以下であることが好ましく、0.0005質量%以下がより好ましい。そして遊離水分が目視で確認できず、含有水分がカールフィシャー法、または水晶発振式水分計法で多くとも0.005質量%以下であることが好ましく、0.0025質量%以下がより好ましい。硫黄分が0.005質量%を越え、遊離水分が0.005質量%を越えると冷凍空調装置の部品の腐食を引き起こす可能性がある。また、1,3−ブタジエン含有量がガスクロマトグラフ法で多くとも0.1質量%未満、0.005質量%以下であることがより好ましい。1,3−ブタジエン含有量が0.1質量%以上になると重合物が生成する可能性がある。
図1は、本発明の一実施形態における炭化水素混合冷媒の製造方法を実施するための装置とプロセスの一部を示す。原料容器1は、JIS B 8241に基づいて製造されたバルブ1aを有する高圧ガスボンベである。この図では液相から抜き出すためにバルブを下側にして設置している。液取出バルブを有するボンベを使用すれば、逆さに設置しなくても縦置き、または横置きで液相を抜き出すことができる。
原料が原料容器内で気液共存する場合、通常は液相部分から抜き出して導入する。これは混合容器内の混合冷媒量は耐圧性に応じた充填圧以下で出来るだけ多いことが望ましいので、液相を抜き出して導入する方がより多くの量を迅速に導入できて効率的なためである。しかし、本発明では原料が石油液化ガスで2成分以上の炭化水素を含有する場合、液相と気相で成分含有率が異なるので、気相部分から抜き出して導入することがある。また、炭素数が1〜2の範囲にある単一成分の炭化水素の原料容器では通常の製造場所の温度が炭化水素成分の臨界温度を越えることがあり、原料容器内で液相は存在せず、単一の相でしか存在しないので、その相から抜き出して導入することもある。前記のように原料を気相から抜き出して導入したり、液相が存在しない原料を導入する場合でも原料のうち最も導入量が多い原料を含む少なくとも1種以上の原料を原料容器から抜き出す際に気液共存する原料の液相部分から抜き出すことが好ましい。
混合容器3はバルブ3aを有し、本発明の製造方法で複数の原料を導入すると混合され炭化水素混合冷媒が生成する。真空ポンプ5は混合容器3を真空引きするためのポンプである。原料容器1、混合容器3及び真空ポンプ5とは着脱できるようマニホールド2に接続されており、原料容器1は混合容器3より上方に設置されている。各容器を接続する配管は、JIS C 9335−2−24に規定される可燃性冷媒配管を使用する。台はかり4は原料導入量を測定するもので混合容器3の質量を測定できるようになっている。なお、混合容器3のバルブ3aに質量流量計を取り付けて原料導入量を測定することもできる。本実施形態では、原料容器1と混合容器3の設置位置の高さに差をつけて原料の移送に重力を利用している。設置位置の高さに差をつける代わりにポンプを使用して移送することもできる。
本実施形態の装置を用いて混合冷媒を製造するには、最初に真空引きした混合容器3に原料容器の充填圧力が最も低い原料を導入する。
混合容器3の真空引きは、混合容器3のバルブ3aを開け、原料容器1のバルブ1aは閉めたままにして、混合容器3と原料容器1の配管と真空ポンプ5をつなぐマニホールド2のバルブを開けて真空ポンプを運転し圧力が0.1Pa以下になるまで行う。その後に真空ポンプ5に通じるマニホールド2のバルブを閉めて真空ポンプ5を停止し、原料容器1のバルブ1aを開けて混合容器3の重量変化を台はかり4で測定しながら所定量の原料を導入する。真空引きしないと容量1Lの混合容器で1.3g前後の空気と水分が混合冷媒に混入する。また、充填圧力が25℃で0.35MPa以下で大気圧との差が0.3MPaより小さいn−ブタン、イソブタン等は、ポンプを使用するか原料容器を加熱して充填圧力を上げないと導入することができない。真空引きをして圧力を0.1Pa以下にするには真空到達度が圧力0.1Pa以下の能力を有する真空ポンプを使用する。
二番目以降に導入する原料は原料容器1の充填圧力が直前に導入した原料容器1の充填圧力より0.3Pa以上高くなるよう調整して、原料容器1から抜き出して導入する。原料容器1が気液共存でなく気相のみの場合は気相から抜き出す。表1に単一成分の炭化水素及び液化石油ガスの25℃の飽和蒸気圧を示す。原料容器の充填圧力は気液共存状態では飽和蒸気圧に等しいので25℃の充填圧力の圧力差を見ると、先にn−ブタン、またはイソブタンを導入した後にプロパンを導入する場合、及びプロパンを導入した後にエタンを導入する場合は圧力差が0.3MPa以上高くなるのでそのまま導入できる。しかし、n−ブタンを導入した後でイソブタンを導入する場合は圧力差が0.1MPaと小さいのでポンプを使用するか、原料容器1を加熱して圧力を上げるか、または混合容器3を冷却して圧力を下げないと導入することができない。また、混合容器3より充填圧力が小さい原料は混合容器1に導入できないだけではなく混合容器3の内容物が原料容器1に逆流するので好ましくない。この場合はポンプを使用しても混合容器3の内容物が逆流して原料に混入したり、原料容器1を加熱するにも高温にしなければならないことがあり好ましくない。
Figure 0005542919
前記する各原料の原料容器1からの導入において原料の残量が少なくなると原料容器1の充填圧が低下して原料の導入が途中で停止することがあるので、原料容器1の重量を測定して十分な原料の残量があるか管理する必要がある。気液共存している単一成分の炭化水素と石油液化ガスの原料容器1では、原料導入後の残量が原料容器容量(リットル)に製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和蒸気密度(グラム/リットル)を乗じた量より少なくならないようにする。また、メタンの最高充填圧力14.7MPa等容器では先に導入されている混合容器の充填圧力との差圧が0.3MPaより小さくならないようにする。
原料は混合容器3への原料導入量の合計が式Iを満足するよう導入することで、混合容器3に容量で10%以上の気相部分を確保するよう調整する。原料導入量の合計が多すぎて混合容器3に気相部分が無くなると後から導入する原料が導入できなかったり、逆流する可能性があり、かつ、温度の上昇により充填圧力が増加し混合容器3や炭化水素混合容器の取扱いの安全性が懸念される。また、原料導入量の合計は、炭化水素混合冷媒を冷凍空調装置に充填して使用する際に炭化水素混合冷媒容器を替える作業を考慮すると、少なくとも混合容器3の容量(1リットル)に使用場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和蒸気密度(約20グラム/リットル)を乗じた量と一回分の充填使用量を加えた量とすることが好ましい。冷媒の充填量の多い冷凍空調装置用には大きな容量の混合容器を使用し、混合容器3の容量(リットル)に55℃における炭化水素混合冷媒の飽和蒸気密度(グラム/リットル)を乗じた量を原料導入量の合計とすることが好ましい。
G≦L×D×0.9 ・・・I
G:混合容器への原料導入量の合計(グラム)
L:混合容器の容量(リットル)
D:製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
本発明の重要な課題である冷凍空調性能に直接関連する炭化水素混合冷媒の混合比の制御に関し、代替フロンの混合冷媒等において各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが要求されており、変動が大きいと一般に冷媒の冷凍空調性能と熱力学特性の変動が大きくなり実用上問題を生じる可能性がある。本発明においても炭化水素混合冷媒の混合比は各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが好ましい。そのため、前述した原料である炭化水素の単一成分の含有量と液化石油ガスの炭化水素各成分の含有量の変動を小さくし、そして、混合容器3を真空引きして原料容器1の充填圧力が最も低い原料を最初に導入し、二番目以降に導入する原料は原料容器1の充填圧力が混合容器3の充填圧力より高くなるよう導入することで不純物の混入を小さくし、混合容器3の内容物の逆流を防止する。
さらに各原料の測定質量と実際に混合容器に導入される質量の差を小さくする。そのために台はかり等の重量測定装置による質量の測定誤差は原料導入量合計の±0.1%以下であることが好ましい。また、原料容器1から抜き出される原料の量の合計のうち混合容器3に導入されない分を、原料導入量の合計の10%以下にすることが好ましい。混合容器3に導入されない分とは、原料容器1から抜き出された後に、配管や、原料の重量を測定する重量測定容器等の、装置の内部に滞留などして、混合容器3に至らない分を指す。混合容器3に導入されない分が10%を越えると炭化水素混合冷媒の混合比の各成分の含有量の目標値に対する変動が±2質量%以上になる可能性があり、液化石油ガスの各成分の変動を考慮すると、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることは困難である。
図2、図3は、本発明の他の実施形態における炭化水素混合冷媒の製造方法を実施するための装置とプロセスの一部を示す。図2の装置で各原料を原料容器から重量測定容器に導入して所定量を測定し、図3の装置で原料容器から混合容器に本発明の製造方法で複数の原料を導入すると混合冷媒を生成する。
図2において原料容器1はバルブ1aを有し、原料を液相から抜き出すためにバルブを下側にして設置している。重量測定容器6はバルブ6a、6bを有し、各原料の所定量を正確に測定するために使用する。真空ポンプ5は重量測定容器6を真空引きするためのポンプである。原料容器1、重量測定容器6及び真空ポンプ5は着脱できるようマニホールド2に接続されており、原料容器1は重量測定容器6より上方に設置されている。台はかり4は原料導入量を測定するもので重量測定容器6の質量を測定できるようになっている。
図3において重量測定容器6は、原料を液相から抜き出すためにバルブ6bを下側にして設置されている。重量測定容器6、混合容器3、及び真空ポンプ5は着脱できるようマニホールド2に接続されており、重量測定容器1は混合容器6より上方に設置されている。さらに混合容器3は、冷却槽7に収容され冷却されるようになっている。
原料を原料容器1から重量測定容器6に導入して所定量をはかり取るには、重量測定容器6のバルブ6aは閉めバルブ6bだけを開け、原料容器1のバルブ1aは閉めたままにして、重量測定容器6と原料容器1の配管と真空ポンプ5をつなぐマニホールド2のバルブを開けて真空ポンプ5を運転し圧力が0.1Pa以下になるまで真空引きする。その後に真空ポンプ5に通じるマニホールド2のバルブを閉めて真空ポンプ5を停止し、原料容器のバルブ1aを開けて重量測定容器6の重量変化を台はかり4で測定しながら所定量の原料を導入する。真空引きしないと容量1Lの混合容器で1.3g前後の空気と水分が混合冷媒に混入する。また、充填圧力が25℃で0.35MPa以下で大気圧との差が0.3MPaより小さいn−ブタン、イソブタン等はポンプを使用するか原料容器を加熱して圧力を上げないと導入することができない。
原料を原料容器1から混合容器3に導入するには、混合容器3を真空引きした後、冷却槽7に液体窒素等を導入して、原料のうち最も融点が低いもののその融点以下に冷却してから、重量測定容器6の充填圧力が最も低い原料を導入する。真空引きは混合容器3と重量測定容器6の配管と真空ポンプ5をつなぐマニホールド2のバルブを開けて真空ポンプ5を運転し圧力が0.1Pa以下になるまで行う。その後に真空ポンプ5に通じるマニホールド2のバルブを閉めて真空ポンプ5を停止し、重量測定容器6のバルブを開けて原料を導入する。混合容器を真空引きしないと容量1Lの混合容器3で1.3g前後の空気と水分が混合冷媒に混入する。
二番目以降に導入する原料は原料容器の充填圧力が直前に導入した原料容器の充填圧力より0.3MPa以上高くなるよう調整して原料容器から抜き出して導入する。導入する原料の原料容器の充填圧力と直前に導入した原料容器の充填圧力の差が0.3MPaより小さいか、または導入する原料の原料容器の充填圧力が直前に導入した原料容器の充填圧力より小さいと導入中に原料が配管部分で滞留して凍結し、導入が困難になることがある。
原料は混合容器3への原料導入量の合計が式Iを満足するよう導入し、混合容器3に容量で10%以上の気相部分を確保するよう調整する。原料導入量の合計が多すぎて気相部分が無くなると後から導入する原料が導入できなかったり、逆流する可能性があり、かつ、温度の上昇により充填圧力が増加し混合容器3の取扱いの安全性が懸念される。また、原料導入量の合計は、炭化水素混合冷媒を冷凍空調装置に充填して使用する際に炭化水素混合冷媒容器を替える作業を考慮すると、少なくとも混合容器3の容量(1リットル)に使用場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和蒸気密度(約20グラム/リットル)を乗じた量と一回分の充填使用量を加えた量とすることが好ましい。冷媒の充填量の多い冷凍空調装置用には大きな容量の混合容器3を使用し、混合容器3の容量(リットル)に55℃における炭化水素混合冷媒の飽和蒸気密度(グラム/リットル)を乗じた量を原料導入量の合計とすることが好ましい。
G≦L×D×0.9 ・・・I
G:混合容器への原料導入量の合計(グラム)
L:混合容器の容量(リットル)
D:製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
さらに各原料の測定質量と実際に混合容器に導入される質量の差を小さくする。そのために台はかり4等の重量測定装置による質量の測定誤差は原料導入量合計の±0.1%以下であることが好ましい。また、原料を原料容器1から混合容器3に導入する際に、混合容器3を真空引きした後、冷却槽7に液体窒素等を導入して原料の最も低い融点以下に冷却することにより、原料の質量として測定される分が配管等に滞留することをほとんど無くせるので、原料の炭化水素成分の変動が±2モル%に近くても、冷凍空調性能と熱力学特性に寄与する炭化水素の各成分の含有量を目標値(質量%)に対して変動を±2質量%以下に制御することができる。
この実施形態では、図2に示すように、二番目以降に導入する原料を原料容器1から混合容器3に直接導入せず、混合容器3の代わりに真空引きした重量測定容器6に導入してから、図1の装置の原料容器1を重量測定容器6に置換えて重量測定容器6から混合容器3に導入している。この方法は混合容器3の内容物の原料容器1への逆流による原料の汚染リスクを確実に防止することができる。
図4は、本発明のさらに他の実施形態における炭化水素混合冷媒の製造方法を実施するための装置とプロセスの一部を示す。原料容器1はバルブ1aを有し、原料を液相から抜き出すためにバルブ1aを下側にして設置している。
原料が原料容器内で気液共存する場合、通常は液相部分から抜き出して導入する。これは冷凍空調装置では混合冷媒が液相でも存在しているので、原料容器から液相を抜き出して導入する方が気相で導入するより原料を迅速に導入できて効率的なためである。しかし、本発明では原料が石油液化ガスで2成分以上の炭化水素を含有する場合、液相と気相で成分含有率が異なるので、気相部分から抜き出して導入することがある。また、炭素数が1〜2の範囲にある単一成分の炭化水素の原料容器では通常の製造場所の温度が炭化水素成分の臨界温度を越えることがあり、原料容器内で液相は存在せず、単一の相でしか存在しないので、その相から抜き出して導入することもある。前記のように原料を気相から抜き出して導入したり、液相が存在しない原料を導入する場合でも原料のうち最も導入量が多い原料を含む少なくとも1種以上の原料を原料容器から抜き出す際に気液共存する原料の液相部分から抜き出すことが好ましい。
冷凍空調装置の室外機8は、低圧側(ガス側)バルブ8aを有するルームエアコンの室外機で、室内機と配管で接続されており、室外機8から本発明の製造方法で複数の原料をルームエアコンの冷媒回路に導入すると混合冷媒を生成する。真空ポンプ5は冷凍空調装置を真空引きするためのポンプである。原料容器1、室外機8の低圧側(ガス側)バルブ8aのサービスポート及び真空ポンプ5は着脱できるよう符号2のマニホールドに接続されており、原料容器1は室外機8より上方に設置されている。台はかり4は原料導入量を測定するもので原料容器1の質量を測定できるようになっている。
この実施形態の装置とプロセスで混合冷媒を製造するには、真空引きしたルームエアコンの冷媒回路に室外機8から原料容器1の充填圧力が最も低い原料を抜き出して導入する。真空引きは室外機8の低圧側(ガス側)バルブ8aを開け、原料容器1のバルブ1aを閉めたままにして、原料容器1の配管と室外機8の低圧側(ガス側)バルブ8aと真空ポンプ5をつなぐマニホールド2のバルブを開けて真空ポンプ5を運転し圧力が0.1Pa以下になるまで行う。その後に真空ポンプ5に通じるマニホールド2のバルブを閉めて真空ポンプを停止し、ルームエアコンの冷房運転を開始して原料容器1のバルブを開けて原料容器1の重量変化を台はかり4で測定しながら所定量の原料を導入し、室外機8の運転音などの変化を確認しながら安定するまで冷房運転を続けてから停止する。真空引きしないと容量1Lの混合容器で1.3g前後の空気と水分が混合冷媒に混入し、充填圧力が25℃で0.35MPa以下で大気圧との差が0.35MPaより小さいn−ブタン、イソブタン等は配管に滞留することがある。
二番目以降に導入する原料は原料容器の充填圧力が直前に導入した原料容器の充填圧力より0.3MPa以上高くなるよう調整して導入する。最初に導入する原料と同様にルームエアコンの冷房運転を開始して原料容器のバルブを開けて原料容器の重量変化を台はかりで測定しながら所定量の原料を導入し、室外機8の運転音などの変化を確認しながら安定するまで冷房運転を続けてから停止する。
二番目以降に導入する原料を原料容器1から混合容器3に直接導入せず、図2に示すように真空引きした重量測定容器6に導入してから、図4の装置の原料容器1を重量測定容器6に置換えて重量測定容器6から冷凍空調装置のルームエアコン室外機8に導入することもできる。この方法は室外機8の内容物の原料容器1への逆流による原料の汚染リスクを確実に防止することができる。導入する原料の原料容器1の充填圧力と直前に導入した原料容器1の充填圧力の差が0.3MPaより小さいか、または導入する原料の原料容器1の充填圧力が直前に導入した原料容器1の充填圧力より小さいと導入中に原料が配管部分で滞留したり、導入できないことがある。原料は冷凍空調装置の冷媒回路への原料導入量の合計が式IIを満足するよう導入し、標準冷媒と同等以上の冷暖房能力を確保し、標準冷媒より電力消費が低減できるよう調整する。原料導入量の合計が式IIを満足せず、多すぎたり、少なすぎたりすると冷暖房能力が標準冷媒より低下し、電力消費も増加する。
H×(D/2E)≦G≦H×(D/E) ・・・II
G:冷凍空調装置への原料導入量の合計(グラム)
H:冷凍空調装置の標準冷媒の標準充填量(グラム)
D:製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
E:製造場所の温度における冷凍空調装置の標準冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
冷凍空調性能と熱力学特性に寄与する炭化水素の各成分の含有量を目標値(質量%)に対して変動を±2質量%以下に制御するため、さらに各原料の測定質量と実際にルームエアコンの冷媒回路に導入される質量の差を小さくする。そのために台はかり等の重量測定装置6による質量の測定誤差は原料導入量合計の±0.1%以下であることが好ましい。また、原料容器1から抜き出される原料の量の合計のうち冷凍空調装置に導入されない分を、原料導入量の合計の10%以下にすることが好ましい。冷凍空調装置に導入されない分とは、原料容器1から抜き出された後に、配管や、原料の重量を測定する重量測定容器等の、装置の内部に滞留などして、冷凍空調装置に至らない分を指す。
本発明により冷凍空調装置に複数の原料を導入して炭化水素混合冷媒を製造することにより、炭化水素混合冷媒の冷凍空調装置への充填作業において生じる混合比の変動を改善できる。そして、既設の冷凍空調装置をレトロフィットする際に個々の装置に最適な混合比の炭化水素混合冷媒を容易に製造できる。
実施例1
混合比の目標値がプロパン84質量%、エタン9質量%、イソブタン7質量%の炭化水素混合冷媒を混合容器真空引き法により製造する。原料としてプロパン(含有量99.8モル%)、エタン(含有量99.9モル%)、イソブタン(含有量99.8モル%)の三種類の単一成分の炭化水素を使用し、原料導入量の目標は合計が200gとなるようプロパン168g、エタン18g、イソブタン14gとした。製造場所の温度は約25℃であった。
原料導入量と混合容器3の容量の関係を式Iにより検討したところ、55℃で混合容器3の容量0.5リットルでは原料導入量の合計は193g以下、容量1リットルでは385g以下と見積られたので、図1の混合容器3として式Iを満足するよう内容積1リットルのステンレス製耐圧サンプルシリンダーを選定した。本炭化水素混合冷媒の用途はルームエアコンのレトロフィットで充填使用量は150gを想定しているので、原料導入量の合計200gは、混合容器容量(1リットル)に25℃における炭化水素混合冷媒の飽和蒸気密度(約20グラム/リットル)を乗じた量と一回分の充填使用量を加えた量以上となっていることを確認した。
真空ポンプ5には到達真空度6.7×10−2Pa、排気速度150L/minのベルト駆動型油回転真空ポンプを使用した。台はかりは、ひょう量32kg、最小表示0.1gの精密台はかりを使用した。三種類の原料のうち充填圧力が0.35MPaで一番低いイソブタンの原料容器1、混合容器3、真空ポンプ5をマニホールド2に図1に示すように接続し、混合容器3のバルブ3aを開け、原料容器1のバルブ1aは閉めたままにして、混合容器3と原料容器1の配管と真空ポンプ5をつなぐマニホールド2のバルブを開けて真空ポンプ5を約5分間運転してから真空ポンプ5に通じるマニホールド2のバルブを閉めて真空ポンプ5を停止した。
次にイソブタンの原料容器1のバルブ1aを原料が急に出ないよう徐々に少し開けると瞬時に混合容器3が載る台はかり4の重量表示が増加したのでバルブ1aを一旦閉め、台はかり4表示で8gの増加を確認した。同様の手順でバルブ1aを慎重にわずかに開け閉めして重量増加を確認することを2回繰り返して台はかり4の重量表示が14g増加するまでイソブタンを混合容器3に導入してバルブ3aを閉めた。
その後、図2に示すようにプロパンの原料容器1、重量測定容器6(本例では重量内容積0.5リットルのステンレス製耐圧サンプルシリンダー)、真空ポンプ5をマニホールド2に接続した。プロパンの原料容器1の充填圧力は0.95MPaでイソブタンより0.6MPa高くエタンより低い。重量測定容器6のバルブ6aを閉めたままバルブ6bを開け、原料容器1のバルブ1aは閉めたままにして、重量測定容器6と原料容器1の配管と真空ポンプ5をつなぐマニホールド2のバルブを開けて真空ポンプ5を約5分間運転してから真空ポンプ5に通じるマニホールド2のバルブを閉めて真空ポンプ5を停止した。
次にプロパンの原料容器1のバルブ1aを原料が急に出ないよう徐々に少し開けると瞬時に重量測定容器6が載る台はかり4の重量表示が増加したのでバルブ1aを一旦閉め、台はかり4表示で8gの増加を確認した。同様の手順でバルブ1aより慎重にわずかに開け閉めして重量増加を確認することを繰り返して台はかり4の重量表示が168g増加するまでイソブタンを重量測定容器6に導入してバルブ6bを閉めた。そして図1の原料容器1をプロパンを導入した重量測定容器6に置換えて重量測定容器6と混合容器3のバルブは閉めたままで配管の真空引きをする。次に重量測定容器6の配管を接続した側のバルブを開けた後、混合容器3のバルブ3aを開けてプロパンを重量測定容器6から混合容器3に導入し、混合容器3のバルブ3aを閉める。最後にプロパンと同様な手順で、充填圧力が4.19MPaでプロパンより3.2MPa高いエタンを原料容器1から重量測定容器6に台はかり4の重量表示が18g増加するまで導入し、重量測定容器6から混合容器3に導入した。
原料導入量の合計を混合容器の重量増加から測定した結果、180.0g(目標値に対し−20g)であり、原料の質量として測定される分が配管に滞留して混合容器3に導入されない分の推定量20gは原料導入量合計目標200gに対して10%であった。
混合容器3の炭化水素混合冷媒の液相部分からサンプルを抜出し、混合比をガスクロマトグラフ法で組成分析し、次の結果を得た。
混合比 プロパン83.6質量%(目標値に対し−0.4%)、エタン9.4質量%(目標値に対し+0.4%)、イソブタン7.1質量%(目標値に対し+0.1%)
この実験結果から原料の単一成分炭化水素、液化石油ガスの各成分の変動が±1.5モル%以下であれば、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが可能であることが確認できた。
実施例2
実施例1の手順においてプロパンとエタンの導入を重量測定容器6を介して導入したのを、原料容器1から混合容器3に直接順次導入した。製造場所の温度は約25℃であった。イソブタンを実施例1と同様な手順で導入した後、図1に示す原料容器1をプロパンの原料容器1に置換えて原料容器1と混合容器3のバルブは閉めたままで配管の真空引きをした。次に同様の手順で原料容器1のバルブ1aを慎重にわずかに開け閉めして重量増加を確認することを繰り返して台はかり4の重量表示が168g増加するまでイソブタンを重量測定容器6に導入してバルブ6bを閉めた。最後にプロパンと同様な手順で、充填圧力が4.19MPaでプロパンより3.2MPa高いエタンを原料容器1から台はかり4の重量表示が18g増加するまで混合容器3に導入した。
原料導入量の合計を混合容器3の重量増加から測定した結果、199.5g(目標値に対し−0.5g)であり、混合容器3の内容物が原料容器1に逆流するリスクはあるものの重量測定容器6に滞留する分がないので原料の質量として測定される分が配管に滞留して混合容器3に導入されない分の推定量は0.5gに減少し、原料導入量合計目標200gに対して0.25%であった。
混合容器3の炭化水素混合冷媒の液相部分からサンプルを抜出し、混合比をガスクロマトグラフ法で組成分析し、次の結果を得た。
混合比 プロパン84.2質量%(目標値に対し+0.2%)、エタン8.9質量%(目標値に対し−0.1%)、イソブタン7.1質量%(目標値に対し±0.1%)
この実験結果から原料の単一成分炭化水素、液化石油ガスの各成分の変動が±1.5モル%以下であれば、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが可能であることが確認できた。
比較例1
実施例1では混合容器3を真空引きして充填圧力が低い原料容器1から原料を導入したが、混合容器3を真空引きしないで導入する実験を行った。実験場所の温度は約20℃であった。図2に示すように、混合容器3の代わりに重量測定容器6(本例では重量内容積0.5リットルのステンレス製耐圧サンプルシリンダー)を使用した。原料は実験環境20℃での大気圧との差圧0.1MPaのn−ブタン、20℃での大気圧との差圧0.2MPaのイソブタン、20℃での大気圧との差圧0.3MPaのプロパン・ブタン主成分の液化石油ガス(プロパン59モル%、ノルマルブタン27モル%、イソブタン14モル%)の三種類で実験した。
まず、実施例1と同様な手順で重量測定容器6を真空引きして各原料を導入し、導入速度を台はかり4の重量増加で測定した。その結果、三種類の原料とも急速な重量増加が認められ、10秒程度で約100gが導入された。一方、重量測定容器6を真空引きしないと液化石油ガスは同様に急速な重量増加が認められ10秒程度で約100gが導入されたが、イソブタンは10秒程度では約20g、n−ブタンは20秒でも約10gの増加が認められるだけで、その後はイソブタン、n−ブタンともほとんど重量増加しなかった。
本発明において原料としてイソブタン、n−ブタンの使用は重要であり、混合容器3を真空引きすることがこの点でも必須であることが確認された。また、二番目以降に導入する原料は原料容器1の充填圧力が直前に導入した原料容器1の充填圧力より0.3MPa以上高くないと原料を混合容器3に導入できないことも確認された。
比較例2
図2の装置で比較例1と同様な手順で真空引きした重量測定容器6(本例では重量内容積0.5リットルのステンレス製耐圧サンプルシリンダー)にプロパン、イソブタンを各々実施例1と同量を導入し、その後に図1の装置の原料容器1を重量測定容器6に置換えて実施例1と同様な手順で重量測定容器6から真空引きした混合容器3(本例では重量内容積1リットルのステンレス製耐圧サンプルシリンダー)にプロパンを最初に導入し、次にイソブタンを導入した。実験場所の温度は約25℃であった。
混合容器3の重量変化を測定したところ、混合容器3から重量測定容器6への逆流が認められ、二番目以降に導入する原料は原料容器1の充填圧力が直前に導入した原料容器1の充填圧力に対して負圧の関係になると原料を混合容器3に導入できないことが確認された。
比較例3
比較例2と同様な手順で重量測定容器6(本例では重量内容積0.5リットルのステンレス製耐圧サンプルシリンダー)にプロパン、エタン、イソブタンを各々実施例1と同量を導入し、その後に重量測定容器6から混合容器3(本例では重量内容積1リットルのステンレス製耐圧サンプルシリンダー)にイソブタンを最初に導入し、次にプロパン、エタンを順次導入した。実験場所の温度は約25℃であった。
原料導入量の合計を混合容器3の重量増加から測定した結果、175.0g(目標値に対し−25.0g)であり、原料の質量として測定される分が配管と重量測定容器6に滞留して混合容器3に導入されない分の推定量25.1gは原料導入量合計目標200gに対して12.5%であった。
混合容器3の炭化水素混合冷媒の液相部分からサンプルを抜出し、混合比をガスクロマトグラフ法で組成分析し、次の結果を得た。
混合比 プロパン85.8質量%(目標値に対し+1.8%)、エタン9.8質量%(目標値に対し+0.8%)、イソブタン4.4質量%(目標値に対し−2.6%)
この実験結果から原料の単一成分炭化水素、液化石油ガスの各成分の変動を考慮すると、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることは困難であることが確認できた。
実施例3
混合比の目標値がプロパン56質量%、n−ブタン29質量%、イソブタン15質量%の炭化水素混合冷媒を実施例1と同様な手順で混合容器真空引き法により製造する。原料としてプロパン主成分液化石油ガス(プロパン97モル%、エタン1モル%、n−ブタン1モル%、イソブタン1モル%)、ブタン主成分液化石油ガス(n−ブタン66モル%、イソブタン33モル%、プロパン1モル%)の二種類の液化石油ガスを使用し、原料導入量の目標は合計が200gとなるようプロパン主成分液化石油ガス85g、ブタン主成分液化石油ガス115gとした。製造場所の温度は約25℃であった。原料導入量と混合容器3の容量の関係を式Iにより検討し、原料導入量の合計が55℃で216g以下となる容量0.5リットルの混合容器3を使用した。また、プロパン主成分液化石油ガスの導入には容量0.3リットルの重量測定容器6を使用した。
原料導入量の合計を混合容器3の重量増加から測定した結果、196.6g(目標値に対し−3.6g)であり、原料の質量として測定される分が配管と重量測定容器6に滞留して混合容器3に導入されない分の推定量は3.5gで、重量測定容器6が0.3リットルと小さくなったことも寄与して実施例1より重量測定容器6に滞留する分が減り、原料導入量合計目標200gに対して1.8%であった。
混合容器3の炭化水素混合冷媒の液相部分からサンプルを抜出し、混合比をガスクロマトグラフ法で組成分析し、次の結果を得た。
混合比 プロパン56.1質量%(目標値に対し+0.1%)、n−ブタン28.8質量%(目標値に対し−0.2%)、イソブタン14.7質量%(目標値に対し−0.3%)、エタン0.3%(目標値に対し+0.3%)
この実験結果から原料の単一成分炭化水素、液化石油ガスの各成分の変動が±1.5モル%以下であれば、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが可能であることが確認できた。
実施例4
混合比の目標値がプロパン84質量%、エタン9質量%、イソブタン7質量%の炭化水素混合冷媒を混合容器冷却法により製造する。製造場所の温度は約25℃であった。実施例1と同様に原料としてプロパン(含有量99.8モル%)、エタン(含有量99.9モル%)、イソブタン(含有量99.8モル%)の三種類の単一成分の炭化水素を使用し、原料導入量の目標は合計が200gとなるようプロパン168g、エタン18g、イソブタン14gとした。混合容器3と重量測定容器6も実施例1と同様の容器を使用した。
実施例1と異なる点は、最初に導入するイソブタンも図2に示す装置で真空引きした重量測定容器6に導入し、その後、図3に示すように混合容器3を真空引きした後で液体窒素を導入した冷却槽7に入れて各原料の最も低い融点以下に冷却して原料を重量測定容器6から導入することである。
原料導入量の合計を混合容器3の重量増加から測定した結果、199.9g(目標値に対し−0.1g)であり、原料の質量として測定される分が配管と重量測定容器6に滞留して混合容器3に導入されない分の推定量は0.1gで、混合容器3を冷却することにより配管と重量測定容器6に滞留する分が激減し、原料導入量の合計目標200gに対してこの滞留する分は0.05%であった。
混合容器3の炭化水素混合冷媒の液相部分からサンプルを抜出し、混合比をガスクロマトグラフ法で組成分析し、次の結果を得た。
混合比 プロパン84.02質量%(目標値に対し+0.02%)、エタン8.98質量%(目標値に対し−0.02%)、イソブタン7.00質量%(目標値に対し±0%)
この実験結果から原料の単一成分炭化水素、液化石油ガスの各成分の変動が±2モル%以下であれば、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが可能であることが確認できた。
実施例5
混合比の目標値が実施例3と同様のプロパン56質量%、n−ブタン29質量%、イソブタン15質量%の炭化水素混合冷媒を冷凍空調装置導入法により製造する。製造場所の温度は約25℃であった。冷凍空調装置には、三洋電機株式会社製の家庭用ルームエアコン(2006年製造、室内機型番SAP−C22T、室外機型番SAP−CS22T)を使用した。標準冷媒はR410A、充填量は1.05kgで、冷房能力2.2kW、暖房能力2.5kWである。原料導入量合計の目標を式IIの上下限のほぼ中間の380gとしたので、各原料の導入量の目標はプロパン主成分液化石油ガス(プロパン97モル%、エタン1モル%、n−ブタン1モル%、イソブタン1モル%)218.5g、ブタン主成分液化石油ガス(n−ブタン66モル%、イソブタン33モル%、プロパン1モル%)161.5gとした。重量測定容器6は内容積0.5リットルの容器を使用した。
図4に示す装置を使用し、まず、室外機8の低圧側(ガス側)バルブ8aを開け、ブタン主成分液化石油ガスの原料容器1のバルブ1aを閉めたままにして、原料容器1の配管と室外機8の低圧側(ガス側)バルブ8aと真空ポンプ5をつなぐマニホールド2のバルブを開けて真空ポンプを30分間運転して圧力を0.1Pa以下にした。その後に真空ポンプ5に通じるマニホールド2のバルブを閉めて真空ポンプ5を停止し、ルームエアコンの冷房運転を開始して原料容器1のバルブを開けて台はかり4で測定しながら原料容器1の重量減少が161.5gになるまで原料を慎重に導入し、室外機8の運転音が静かになって安定するまで冷房運転を続けて停止した。次に原料容器1の充填圧力がブタン主成分液化石油ガスより0.6MPa以上高いプロパン主成分液化石油ガスを導入し、最初のブタン主成分液化石油ガス原料の導入と同様の手順でルームエアコンの冷房運転を開始して原料容器1のバルブを開けて台はかり4で測定しながら原料容器1の重量減少が218.15gになるまで原料を慎重に導入し、室外機8の運転音が静かになって安定するまで冷房運転を続けて停止した。
原料導入量の合計をマニホールド2と配管の重量増加から測定した結果、379.2g(目標値に対し−0.8g)であり、原料の質量として測定される分が配管に滞留してルームエアコンに導入されない分の推定量は0.8gで、原料導入量の合計目標380gに対して0.2%であった。
ルームエアコンに導入された炭化水素混合冷媒の液相部分からサンプルを抜出し、混合比をガスクロマトグラフ法で組成分析し、次の結果を得た。
混合比 プロパン55.8質量%(目標値に対し−0.2%)、n−ブタン28.9質量%(目標値に対し−0.1%)、イソブタン14.8質量%(目標値に対し−0.2%)、エタン0.3%(目標値に対し+0.3%)
この実験結果から原料の単一成分炭化水素、液化石油ガスの各成分の変動が±1.5モル%以下であれば、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが可能であることが確認できた。また、冷暖房運転試験で標準冷媒と室内温度がほぼ同等で、標準冷媒の場合と比較して電力消費が最大50%以上低減できることを確認した。
実施例6
混合比の目標値がプロパン92質量%、n−ブタン1質量%、イソブタン1質量%、エタン6質量%の炭化水素混合冷媒を冷凍空調装置導入法により製造する。製造場所の温度は約25℃であった。冷凍空調装置には、東芝キャリア株式会社製の家庭用ルームエアコン(2009年製造、室内機RAS221PV(W)、室外機RAS221PAV(W))を使用した。標準冷媒はR410A、充填量は560gで、冷房能力2.2kW、暖房能力2.2kWであった。原料導入量合計の目標を式IIの上限と上下限中央値のほぼ中間の220gとしたので、各原料の導入量の目標はプロパン主成分液化石油ガス(プロパン97モル%、エタン1モル%、n−ブタン1モル%、イソブタン1モル%)206g、エタン(含有量99.9モル%)14gとした。実施例5と同様な手順でプロパン主成分液化石油ガス、エタンの順で導入した。
原料導入量の合計をマニホールド2と配管の重量増加から測定した結果、216.5g(目標値に対し−3.5g)であり、原料の質量として測定される分が配管に滞留してルームエアコンに導入されない分の推定量は3.5gで、原料導入量の合計目標220gに対して1.6%であった。
ルームエアコンに導入された炭化水素混合冷媒の液相部分からサンプルを抜出し、混合比をガスクロマトグラフ法で組成分析し、次の結果を得た。
混合比 プロパン91.8質量%(目標値に対し−0.2%)、n−ブタン1.2質量%(目標値に対し+0.2%)、イソブタン1.2質量%(目標値に対し+0.3%)、エタン5.8%(目標値に対し−0.2%)
この実験結果から原料の単一成分炭化水素、液化石油ガスの各成分の変動が±1.5モル%以下であれば、本炭化水素混合冷媒の各成分の含有量の目標値に対する変動を±2質量%以下に抑えることが可能であることが確認できた。また、冷暖房運転試験で標準冷媒と室内温度がほぼ同等で、標準冷媒の場合と比較して電力消費が最大40%以上低減できることを確認した。
産業上の利用の可能性
本発明は、代替フロンを自然冷媒の炭化水素混合冷媒と置き換えることができ、温室効果ガスである代替フロンを削減し、かつ冷凍冷蔵及び冷暖房空調機器の電力消費低減により省エネルギー化を図ることができ、代替フロンの温室効果の防止と省エネルギーの双方によって地球温暖化防止に寄与し、環境保全を図りつつ冷凍冷蔵及び冷暖房空調に利用することのできるものである。
1 原料容器
1a 原料容器バルブ
1b 原料容器支持台
2 マニホールド
3 混合容器
3a 混合容器バルブ
4 台はかり
5 真空ポンプ
6 重量測定容器
6a、6b 重量測定容器バルブ
7 冷却槽
8 室外機
8a 室外機の低圧側バルブ

Claims (4)

  1. 炭素数が1〜4の範囲にある単一成分の含有量が98.0モル%以上の炭化水素、および/またはプロパン、n−ブタン、イソブタン、エタン、メタンのうち少なくとも2種以上の含有量の合計が98.0モル%以上の液化石油ガスから選ばれた2種以上の原料を混合して炭化水素混合冷媒を製造する方法において、真空引きした混合容器に原料容器の充填圧力が最も低い原料を最初に導入し、二番目以降に導入する原料は原料容器の充填圧力が直前に導入した原料容器の充填圧力より0.3MPa以上高くなるよう調整して導入することを基本プロセスとし、前記プロセスにおいて原料を原料容器から抜き出して原料導入量の合計が下記の式Iを満足するよう混合容器に導入し、原料容器から抜き出される原料の量の合計のうち混合容器に導入されない分を原料導入量の合計の10質量%以下に制御することを特徴とする炭化水素混合冷媒の製造方法。

    G≦L×D×0.9 ・・・I

    G:混合容器への原料導入量の合計(グラム)
    L:混合容器の容量(リットル)
    D:製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
  2. 前記混合容器を前記真空引きした後、最も低い融点を有する原料の前記融点よりも低い温度に冷却した混合容器に原料容器の充填圧力が最も低い原料を最初に導入することを特徴とする請求項1に記載の炭化水素混合冷媒の製造方法。
  3. 炭素数が1〜4の範囲にある単一成分の含有量が98.0モル%以上の炭化水素、および/またはプロパン、n−ブタン、イソブタン、エタン、メタンのうち少なくとも2種以上の含有量の合計が98.0モル%以上の液化石油ガスから選ばれた2種以上の原料を混合して炭化水素混合冷媒を製造する方法において、真空引きした冷凍空調装置に原料容器の充填圧力が最も低い原料を最初に導入し、二番目以降に導入する原料は原料容器の充填圧力が直前に導入した原料容器の充填圧力より0.3MPa以上高くなるよう調整して導入することを基本プロセスとし、前記プロセスにおいて原料を原料容器から抜き出して原料導入量の合計が下記の式IIを満足するよう冷凍空調装置に導入し、原料容器から抜き出される原料の量の合計のうち冷凍空調装置に導入されない分を原料導入量の合計の10質量%以下に制御することを特徴とする炭化水素混合冷媒の製造方法。

    H×(D/2E)≦G≦H×(D/E) ・・・II

    G:冷凍空調装置への原料導入量の合計(グラム)
    H:冷凍空調装置の標準冷媒の標準充填量(グラム)
    D:製造場所の温度における炭化水素混合冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
    E:製造場所の温度における冷凍空調装置の標準冷媒の飽和液密度(グラム/リットル)
  4. 前記原料のうち最も導入量が多い原料を含む少なくとも1種以上の原料を原料容器から抜き出す際に気液共存する原料の液相部分から抜き出すことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の炭化水素冷媒の製造方法。
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