JP5542868B2 - キラル・ビスオキサゾリン触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、不均一系キラル・ビスオキサゾリン触媒、およびそれを製造する方法を提供する。
キラル・ビスオキサゾリンは、不斉有機反応における最も有用な触媒の中に入る。より早期、迅速およびより効率的な分離および触媒の回収を提供するから、不均一系触媒は望ましい。その結果、膨大な研究が行われてキラル・ビスオキサゾリンが不均一化されている。大部分の不均一化ビスオキサゾリンにはポリマー支持体の使用が含まれるが、多くのシリカ−支持ビスオキサゾリン触媒が開発されている。これらのシリカ−支持ビスオキサゾリンは、典型的に、その均一系相当物よりも低いエナンチオ選択性および反応性を示す。
したがって、生成物から触媒の容易な分離を提供し、良好なエナンチオ選択性および反応性を提供するビスオキサゾリン触媒に対する要望が存在する。
発明の目的
本発明の目的は、上記の不利益のうちの少なくとも1つを克服または実質的に緩和することである。また、さらなる目的は、上記の要望を少なくとも部分的に満足することである。
本発明の第1の態様によれば、無機基体にカップリングしたキラル・ビスオキサゾリン基を含む不均一系キラル触媒前駆体を提供する。
キラル・ビスオキサゾリン基は、単一のテザー(tether)基によって無機基体にカップリングすることができる。キラル・ビスオキサゾリン基は構造Ia、Ib、IcまたはIdを有することができる:
Figure 0005542868
構造IaないしIdにおいて、Rはバルクな基とすることができ、化学反応を触媒することができる金属種と錯体形成した不均一系キラル触媒前駆体を含むキラル触媒が反応を触媒してキラル生成物を生成することができるのに十分にバルクとすることができる。キラル触媒は、反応を触媒して高いエナンチオマー過剰率を有するキラル生成物を生成することができる。キラル触媒は、反応に対して高い反応性を有することができる。Rはアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基、例えばC6ないしC12アリール基またはC7ないしC12アリールアルキルまたはアルキルアリール基とすることができる。Rは水素とすることができ、あるいはそれはアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基、またはアリールアルキルまたはアルキルアリール基、例えばC7ないしC12アリールアルキルまたはアルキルアリール基とすることができ、あるいはそれはいくつかの他の基とすることができる。RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造、例えばC5−C7環状構造を形成することができる。それらは、例えば、構造IeまたはIfのようなベンゾシクロペンチル構造を形成することができる。Rはアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基、またはアリールアルキル基またはアルキルアリール基、例えばC7ないしC12アリールアルキルまたはアルキルアリール基とすることができる。Tは無機基体にカップリングするためのテザー基である。RおよびRが結合する炭素原子は、独立して、それらに結合する、水素原子、またはアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチル基も有することができる。
1の形態において、Rはt−ブチルであって、Rはメチルである。
もう1の形態において、キラル・ビスオキサゾリン基は、以下のIeおよびIfよりなる群から選択される構造を有する。
Figure 0005542868
テザー基Tは、無機基体にカップリングするためのカップリング基およびCR基にカップリング基を連結するためのリンカー基を含むことができる。カップリング基は、無機基体にカップリングするためのいずれの好適な基とすることができ、例えばケイ素原子を含むことができる。それはSiR 、Si(OR)RまたはSi(ORとすることができ、ここにRおよびRは、独立して、直鎖型または分岐鎖型のアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基とすることができる。リンカー基は、アルキレン基[−(CH−]、例えばC1ないしC12アルキレン基、またはアリーレン基、例えば[−C−]のようなC6ないしC12アリーレン基、または例えば[−CH−(CH−]のようなC7ないしC12アルキルアリーレンまたはアリールアルキレン基とすることができる。それは、例えば−C−とすることができる。あるいは、それは、エーテル[−(CH−O−(CH−]、カルバメート[−(CH−OC(O)NH−(CH−]またはアミド[−(CH−C(O)NH−(CH−]、またはいくつかの他の好適な基とすることができる。
もう1の形態において、テザー基は−CSi−を含む。ケイ素原子はそれに結合する2の他の基を有することができ、それは、独立して、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、OH基またはハロ基とすることができる。
無機基体は多孔性とすることができ、メソ多孔性とすることができる。それは、直径で約2ないし50nmである細孔を有することができる。無機基体は粒子とすることができ、約100nmないし200ミクロンの粒径を有することができる。無機基体は、セラミック、または金属酸化物または混合した金属酸化物を含むことができる。金属は、例えばチタン、ケイ素、ゲルマニウム、アルミニウムまたはいくつかの他の好適な金属とすることができる。無機基体はシリカとすることができ、メソ多孔性シリカとすることができる。それは、特に、シリカを含む微通気性フォーム(MCF)とすることができる。キラル・ビスオキサゾリン基に加えて、無機基体は疎水基を含むことができる。疎水基は、構造SiR (OR4−n(アルキルアルコキシシラン)またはSiR (X)4−n(アルキルハロシラン)またはR 3−nSiOSiR 3−n (ジシロキサン)またはR 3−nSiNHSiR 3−n (ジシラザン)のアルキルシランに由来するいずれの一般的に知られているシランベースの疎水基とすることができ、ここにR、RおよびRは、独立して、直鎖型または分岐鎖型のアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基であり、XはCl、BrまたはIのようなハロゲンであってnは1、2または3である。疎水基は、例えばトリメチルシリル基とすることができる。大部分の遊離シラノール基(Si−OH)は、疎水基でキャップすることができる。遊離シラノール基(すなわち、疎水基でキャップしていないシラノール基)の数は、キラル・ビスオキサゾリン基と遊離シラノール基との間の相互作用を低下するのに十分に少なくすることができる。無機基体上のビスオキサゾリン基の分布は、均一または同質とすることができる。遊離シラノール基の数は、無機基体上のビスオキサゾリン基の分布が均一または同質となるのに十分に少なくすることができる。疎水基の数は、約0.2ないし2ミリモル/gの範囲とすることができる。疎水基の数は、不均一系キラル触媒前駆体から作製した触媒が、高エナンチオマー過剰率または望ましいレベルのエナンチオマー過剰率でもって反応を触媒することができるようにすることができる。
本発明の第2の態様において、金属種と錯体形成した本発明の第1の態様にかかる不均一系キラル触媒前駆体を含む不均一系キラル触媒を提供する。不均一系キラル触媒前駆体のビスオキサゾリン基は、金属種と錯体形成することができる。不均一系キラル触媒は、化学反応、例えばシクロプロパン化、ene(エン)−反応、ディールズ・アルダー反応、アリル置換、アジリジン化反応、ムカイヤマ・アルドール反応、およびエナンチオ選択的ヘンリー反応(J. Am. Chem. Soc., 2003, 12692)およびβ−アミノ酸を合成するためのカルバメートのエナンチオ選択的コンジュゲート付加(J. Am. Chem. Soc., 2004, 9188)のような新しい不斉反応を触媒することができる。化学反応はキラル生成物を生成することができ、高いエナンチオマー過剰率でキラル生成物を生成することができる。それは、高い反応性で生成物を生成することができる。
金属種は、ビスオキサゾリン種に錯化することができるいずれの好適な触媒金属種とすることができる。金属種は、例えばCu(I)、Cu(II)、Mg(II)またはPd(II)またはいくつかの他の金属種とすることができる。
1の形態において、金属種はCu(I)である。
本発明の第3の態様において、キラル・ビスオキサゾリンを単一の基を介して無機基体にカップリングすることを含む不均一系キラル触媒前駆体を作製する方法を提供する。
キラル・ビスオキサゾリンは、構造IIa、IIb、IIc、IId、IIeまたはIIfを有することができ、ここにR、RおよびRは前記定義に同じであって、T'は無機基体にカップリングすることができる基である。
Figure 0005542868
T'は無機基体にカップリングすることができるカップリング部分およびCR基にカップリング基を連結するためのリンカー基を含むことができる。T'は無機基体とのカップリングの際にテザー基T(前記した)を形成することができる。カップリング部分は、無機基体との反応の際に第1の態様で記載したカップリング基を生成することができる。それは、Si(OR)(R、Si(OR、またはSi(ORとすることができ、ここにRおよびRは、独立して、直鎖型または分岐鎖型のアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基とすることができる。リンカー基は前記したものとすることができる。
1つの形態において、テザー基は−CSi(ORである。
方法は、さらに、無機基体と疎水化剤とを反応させることを含むことができる。疎水化剤は、構造SiR (OR4−n(アルキルアルコキシシラン)またはSiR (X)4−n(アルキルハロシラン)またはR 3−nSiOSiR 3−n (ジシロキサン)またはR 3−nSiNHSiR 3−n (ジシラザン)のアルキルシランとすることができ、ここにR、RおよびRは、独立して、直鎖型または分岐鎖型のアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基であり、XはClのようなハロゲンであって、nは1、2または3である。無機基体と反応させる工程は、キラル・ビスオキサゾリンを無機基体にカップリングする工程の前、間または後に行うことができる。したがって、疎水化剤は、カップリング工程の前または後の別の工程で無機基体と反応させることができ、あるいは疎水化剤はキラル・ビスオキサゾリンと混合してカップリング混合物を形成し、ついでカップリング混合物を無機基体に曝すことができる。あるいは、疎水基を有する無機基体を、方法に用いることができる。
無機基体は、本発明の第1の態様に記載したものとすることができる。例えば、それはMCFのようなメソ多孔性シリカとすることができる。
本発明は、また、本発明の第3の態様の方法によって作製した不均一系キラル触媒前駆体も提供する。
本発明の第4の態様において、本発明の第3の態様の方法にかかる不均一系キラル触媒前駆体を作製し、ついで不均一系キラル触媒前駆体を金属種で処理することを含む不均一系キラル触媒を作製する方法を提供する。金属種は、ビスオキサゾリン種に錯体形成することができるいずれの好適な触媒金属種とすることができる。金属種は、例えばCu(I)、Cu(II)、Mg(II)またはPd(II)、またはいくつかの他の金属種とすることができる。
1の形態において、金属種はCu(I)である。
本発明の第5の態様において、
−キラル・ビスオキサゾリンと金属種とを錯体形成させて錯化キラル・ビスオキサゾリンを形成し;ついで
−錯化したキラル・ビスオキサゾリンを無機基体にカップリングする
ことを含む不均一系キラル触媒を作製する方法を提供する。キラル・ビスオキサゾリンは、構造IIaないしIIfのうちのいずれか1を有することができ、前記したものとすることができる。金属種および無機基体は、前記したものとすることができる。錯体形成したキラル・ビスオキサゾリンは触媒として機能化することができる。
本発明の第6の態様において、本発明の第4または5の態様の方法によって作製した不均一系キラル触媒を提供する。
本発明の第7の態様において、出発物質を本発明にかかる不均一系キラル触媒に曝すことを含む、出発物質から生成物への反応を触媒する方法を提供する。方法には、出発物質を試薬に曝すことも含むことができる。この態様に従って触媒することができる反応の例には、不斉シクロプロパン化、ene(エン)−反応、ディールズ・アルダー反応、アリル置換、アジリジン化反応、ムカイヤマ・アルドール反応、またはβ−アミノ酸を合成するためのエナンチオ選択的ヘンリー反応またはカルバメートのエナンチオ選択的コンジュゲート付加のような新しい不斉反応が含まれる。

本発明は、本発明にかかる不均一系キラル触媒によって触媒される反応の生成物も提供する。かかる生成物の例は、本発明の第7の態様の方法によって作製した非対称置換型シクロプロパンである。
本発明の好ましい形態を、添付する図面に参照しつつ、例示のためのみでここに記載する。
図1は、本発明にかかる不均一系キラル触媒を作製するために使用することができるキラル・ビスオキサゾリンを作製する反応図式を示し;および 図2は、本発明にかかる不均一系キラル触媒を作製する反応図式を示す。
好ましい形態の詳細な説明
本発明は、炭素ブリッジにおける1のメチル置換基を用いて合成したキラル・ビスオキサゾリンが、メソ多孔性シリカ支持体に共有的に固定化した場合に、大きく改善されたエナンチオ選択性および反応性を提供するという驚くべきかつ予期し得ない知見に基づく。
本発明にかかる典型的な不均一系キラル触媒の一般式は構造III:G−T−Sによって与えられ、ここにGは下記に示す構造VaないしVfのうちの1つである。それは、無機基体にカップリングした構造Iのビスオキサゾリンを含む不均一系キラル触媒前駆体と金属種とを反応させるか、または、構造IV:G−T'(ここに、Gは下記に示す構造VaないしVfのうちの1つ)の錯体形成したキラル・ビスオキサゾリンを好適な無機基体にカップリングさせるかのいずれかによって調製し得る。
Figure 0005542868
構造I、IIIおよびIVを有する化合物は(+)または(−)異性体とすることができる。
構造IないしIVにおいて:
はバルクな基とすることができ、化学反応を触媒することができる金属種と錯体形成した場合に、反応がキラル生成物を生成することができるのに十分にバルクとすることができる。キラル生成物は、約10%よりも大きい、または約20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、99、99.5、99.75または99.9%よりも大きいエナンチオマー過剰率を有することができる。Rはアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基、例えばC6ないしC12アリール基またはC7ないしC12アリールアルキルまたはアルキルアリール基とすることができる。アルキル基は約1ないし12の炭素原子、または約1ないし6、1ないし4、3ないし12、6ないし12または4ないし8の炭素原子を有することができ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の炭素原子、または12を超える炭素原子を有することができる。アリール基は、6ないし12の炭素原子を有することができ、または6ないし9、9ないし12または8ないし10の炭素原子を有することができ、6、7、8、9、10、11または12の炭素原子、または12を超える炭素原子を有することができる。アルキルアリールまたはアリールアルキル基は、7ないし12の炭素原子、または9ないし12、7ないし9または9ないし12の炭素原子を有することができ、7、8、9、10、11または12の炭素原子、または12を超える炭素原子を有することができる。Rがアルキルである場合、それは直鎖もしくは分岐鎖または脂環式とすることができる。例えば、それは、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ノルボミル、アダマンチルまたはいくつかの他の好適な基とすることができる。Rがアリールである場合、それはフェニル、ビフェニル、ナフチルとすることができ、置換型アリール、例えばアルキルフェニル(例えば、ベンジル、t−ブチルフェニル)とすることができる。Rは複素環基、または置換型複素環基とすることもできる。R基に結合した炭素原子は同一のキラリティーとすることができ、両方(S)または両方(R)とすることができる。
は水素とすることができ、あるいはそれはアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基とすることができ、またはそれはいくつかの他の基とすることができる。Rはバルクな基または非−バルクな基とすることができ、Rについて記載した例に加えて、1ないし12またはそれを超える炭素原子の鎖長を有するn−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、ベンジルまたはフェニルとすることができる。
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造、例えばC5−C7環状構造を形成することができる。それは、例えば、構造IeまたはIf中のようなベンゾシクロペンチル構造を形成することができる。他の好適な環状構造は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ベンゾシクロヘキシル、ナフトシクロペンチルまたはナフトシクロヘキシルを含むことができる。
およびRが結合する各炭素原子も、独立して、それに結合する、水素原子、またはアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチル基を有することができ、あるいはそれに結合するいくつかの他の好適な基を有することができる。したがって、例えば、Rが結合する炭素はそれに結合するメチル基も有することができ、Rが結合する炭素はそれに結合する水素原子を有することもでき、あるいはRが結合する炭素はそれに結合する水素原子を有することもでき、Rが結合する炭素はそれに結合するメチル基を有することもでき、あるいはRが結合する炭素原子およびRが結合する炭素原子の両方はそれに結合するメチル基を有することができ、あるいはRが結合する炭素原子およびRが結合する炭素原子の両方はそれに結合する水素原子を有することができる。
はアルキル基、例えばC1ないしC12アルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12アリール基とすることができ、またはそれはいくつかの他の基とすることができる。Rはバルクな基または非−バルクな基とすることができ、Rについて記載した例に加えて、1ないし12の炭素原子の鎖長を有するn−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピルまたはブチルとすることもできる。
Tは無機基体にカップリングするためのテザー基である。Tは無機基体にカップリングするためのカップリング基およびカップリング基をCR基に連結するためのリンカー基を含むことができる。カップリング基は無機基体にカップリングするためのいずれの好適な基とすることができ、例えばケイ素原子を含むことができる。それは、SiR 、Si(OR)R、またはSi(ORとすることができ、ここにRおよびRは、独立して、Rについて前記したものとすることができる。例えば、カップリング基はSi(OMe)、SiMe(OMe)、Si(OEt)、SiMe(OEt)またはSiEt(OEt)とすることができる。リンカー基は、アルキレン基[−(CH−]またはアリーレン基とすることができ、1ないし12の炭素原子を含むことができる。リンカー基がアルキレン基である場合、それは直鎖型、分岐鎖型または環状型とすることができ、1ないし12、1ないし10、1ないし8、1ないし6、1ないし4、2ないし12または6ないし12の炭素原子を有することができ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の炭素原子を有することができる。それは、例えばメチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイル、1−メチル−1,5−ペンタンジイル、2−メチル−1,5−ペンタンジイル、1,4−シクロヘキサンジイルまたはいくつかの他のアルキレンまたはシクロアルキレン基とすることができる。リンカーがアリール基である場合、それは単環式または多環式とすることができ、例えばフェニレン、ビフェニレンまたはナフタレン、例えば[−CH−(CH−]とすることができる。あるいは、それは、エーテル[−(CH−O−(CH−]、カルバメート[−(CH−OC(O)NH−(CH−]またはアミド[−(CH−C(O)NH−(CH−]、またはいくつかの他の好適な基とすることができる。前記式において、nおよびmは、独立して、約1ないし12とすることができ、1ないし10、1ないし8、1ないし6、1ないし4、4ないし12、6ないし12または4ないし8とすることができ、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12とすることができる。
T'は無機基体にカップリングすることができる基である。T'は無機基体にカップリングすることができるカップリング部分およびカップリング基をCR基に連結するためのリンカー基を含むことができる。T'無機基体とのカップリングの際にテザー基T(前記した)を形成することができる。カップリング部分は、無機基体との反応の際に第1の態様に記載したカップリング基を生成することができる。それは、Si(OR)(R、Si(OR、またはSi(ORとすることができ、ここにRおよびRは前記したとおりである。例えば、それはSi(OMe)、SiMe(OMe)、Si(OEt)、SiMe(OEt)またはSiEt(OEt)とすることができる。リンカー基は前記したとおりとすることができる。
Mは金属種とすることができ、触媒金属種とすることができる。それは、構造Iのビスオキサゾリン基と錯体形成することができる。それは電気的に中性とすることができ、あるいはそれは陽性イオンのようなイオンとすることができる。それは1、2、3または4の電荷を有することができる。それは、例えば、Cu(I)、Cu(II)、Mg(II)またはPd(II)またはいくつかの他の金属種とすることができる。
Sは無機基体である。無機基体は多孔性とすることができ、メソ多孔性とすることができる。それは約2ないし50nmの直径を有する細孔を有することができる。細孔は直径において約2ないし40、2ないし30、2ないし20、2ないし10、10ないし50、20ないし50、30ないし50、5ないし50、5ないし20または10ないし20nmとすることができ、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45または50nmとすることができる。無機基体は粒子、例えばマイクロ粒子またはナノ粒子とすることができ、約100nmないし200ミクロンの粒径を有することができる。粒径は約500nmないし200ミクロン、または約1ないし200、10ないし200、50ないし200、100ないし200、1ないし100、1ないし50または1ないし10ミクロンまたは約100nmないし100ミクロン、100nmないし10ミクロン、100nmないし1ミクロンまたは500nmないし1ミクロンとすることができ、約100、200、300、400、500、600、700、800または900ミクロン、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200ミクロンとすることができる。粒径分布は狭くすることができ、あるいはそれは広くすることができる。無機基体はセラミック、または金属酸化物もしくは混合した金属酸化物を含むことができる。金属は、例えばチタン、ケイ素、ゲルマニウム、アルミニウムまたはいくつかの同様の金属とすることができる。無機基体はシリカとすることができ、メソ多孔性シリカとすることができる。それは特にシリカを含む微通気性フォーム(MCF)とすることができる。MCFは大きな表面積、互いに連結した大きな細孔を有し、細孔径を容易に制御することができるため好適な基体である。無機基体は、「Mesocellular Foam Particles」なる発明の名称の同時係属出願にかかるシリカフォームを含むことができる。無機基体は、カップリング部分とカップリングすることができなければならない。あるいは、無機基体は、金属、例えば貴金属、例えば金、白金またはパラジウムとすることができる。この場合において、カップリング部分は、貴金属とカップリングすることができる。それは、例えばチオールまたはジスルフィドとすることができる。金属は、微細な多孔性、マイクロ多孔性、粒子またはナノ多孔性とすることができる。それは、約1ないし100nmまたは1ないし50、1ないし20、1ないし10、1ないし5、5ないし100、20ないし100、50ないし100、5ないし50または10ないし50nmの細孔を有することができ、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90または100nmの細孔を有することができる。
基体Sは疎水性とすることができる。それは、無機基体と疎水化剤とを反応させることによって疎水化することができる。疎水化剤は、前記したような構造SiR (OR4−n(アルキルアルコキシシラン)またはSiR (X)4−n(アルキルハロシラン)のアルキルシランとすることができ、あるいはそれはジシロキサンまたはジシラザン、例えばヘキサメチルジシロキサンまたはヘキサメチルジシラザンとすることができる。疎水化の工程は、基体上に疎水基を生成することができる。疎水基はトリアルキルシリル基、またはジアルキルアルコキシ基またはいくつかの他の疎水基とすることができ、例えばトリメチルシリル基とすることができる。無機基体と反応させる工程は、キラル・ビスオキサゾリンを無機基体にカップリングする工程の前、間または後に行うことができる。したがって、疎水化剤はカップリング工程の前の別の工程において無機基体と反応させることができ、あるいは疎水化剤はキラル・ビスオキサゾリンと混合してカップリング混合物を形成し、ついでカップリング混合物を基体に曝すことができる。無機基体グラム当たり約0.2ないし2ミリモルの疎水基、あるいは約0.2ないし1.5、0.2ないし1、0.2ないし0.5、0.5ないし2、1ないし2または0.5ないし1.5ミリモル/gの疎水基が存在することができ、無機基体グラム当たり約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2ミリモルの疎水基が存在することができ、あるいは無機基体グラム当たり2ミリモルを超える疎水基が存在することができる。
本発明者らは、疎水化されていない無機基体を用いた場合に、得られる触媒が、少なくとも部分的に疎水化した無機基体を用いた場合よりもより低いエナンチオマー過剰率を生成することを見出した。したがって、疎水基のレベルは、高エナンチオマー過剰率で、または望ましいレベルのエナンチオマー過剰率で反応を触媒することができる触媒を生成するのに十分としなければならない。
本発明においては、無機基体上のビスオキサゾリン基の高い負荷が存在することができる。約0.01ないし1ミリモル/g、または約0.05ないし1、0.1ないし1、0.2ないし1、0.5ないし1、0.01ないし0.5、0.01ないし1、0.1ないし0.5または0.2ないし0.5ミリモル/g、約0.01、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1ミリモル/gが存在することができる。
本発明の不均一系キラル触媒を用いて化学反応を触媒することができ、キラル生成物の生成を触媒することができる。化学反応の出発物質は、触媒に曝すことができる。出発物質は、溶媒中に溶液で存在することができる。反応は低温、常温または高温で行うことができ、約0ないし100℃、または約0ないし50、0ないし20、0ないし10、10ないし100、25ないし100、50ないし100、10ないし50または20ないし50℃とすることができ、約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100℃とすることができ、あるいは約100℃を超えるまたは約0℃未満とすることができる。触媒は出発物質または溶液と合することができ、出発物質または溶液と混合、攪拌、振盪ほかかき混ぜることができる。あるいは、出発物質または溶液を触媒に通過させ、それによって触媒をハウジング、例えばHPLCカラムハウジング、カラムハウジングまたはいくつかの他のハウジングの中に束縛することができる。この場合において、反応は高圧で行うことができ、高圧で出発物質を触媒に通過させることができる。高圧は約1ないし200気圧、または約1ないし100、1ないし50、1ないし20、1ないし10、10ないし200、50ないし200、100ないし200、150ないし200、10ないし100または50ないし100気圧とすることができ、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200気圧、またはいくつかの他の圧力とすることができる。不均一系キラル触媒の異なる光学異性体は、反対のキラリティーを有するキラル生成物の生成を触媒することができる。不均一系キラル触媒は、例えば濾過、沈殿、デカンテーションまたは遠心のうちの1またはそれを超えるものによって、反応混合物から分離することができる。ついで、それは洗浄および/または乾燥することができる。それはつづく反応において再使用することができ、複数回、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回、あるいは10回を超えて再使用することができる。
本発明を特定の例に参照して記載するが、それはいかなる場合においても本発明の範囲を限定すると解してはならない。
この例において、炭素ブリッジに1のメチル置換基を有するキラル・ビスオキサゾリンをメソ多孔性シリカ支持体上に固定化した。驚くべきことに、得られたBOX−Cu(I)触媒はスチレンの不斉シクロプロパン化に対して非常に高エナンチオマー選択性および反応性を示した。
キラル・ビスオキサゾリンは、1のリンカー基によってメソ多孔性固形物上に固定化した。このことを達成するために、ビスオキサゾリン2を炭素ブリッヂにおける1のメチル置換基を用いて合成した(図1)。
ついで、このビスオキサゾリン・リガンドを修飾して、トリメトキシシラン基を得た(図2)。ビスオキサゾリン2をMeLiと反応させてリチウム化生成物を得、それを3−ヨードプロピルトリメトキシシランと反応させてシラン修飾ビスオキサゾリンを得た。修飾したビスオキサゾリン3は、高負荷(0.26ミリモル/g)でシリカを含むメソ通気性フォーム(MCF)上に容易に釣り下げた(図2)。
MCFの表面を、ビスオキサゾリンの固定化の前にTMS(トリメチルシリル)基で部分的に修飾した。HMDS(ヘキサメチルジシロキサン)(0.4ミリモル)をトルエン中のMCF(1.0g)に添加して、TMS−修飾MCF(0.8ミリモル/g)を生成した。この修飾は、MCF表面上のビスオキサゾリンの均一な固定化を許容するのみならず、負荷するリガンドの量における容易な制御も提供する。
不均一化したビスオキサゾリンは、銅(I)トリフラートとの反応によってビスオキサゾリン−銅(I)錯体を形成した。得られた不均一化した触媒は、スチレンの不斉シクロプロパン化について調べた(表1を参照されたい)。MCF−支持ビスオキサゾリン−銅(I)錯体5:CuOTfは優れたエナンチオ選択性および反応性を提供した。触媒は、トランス異性体について95%ee、シス異性体について91%eeを与えた。不均一化した触媒は、エナンチオ選択性および反応性を損失することなく、4回再使用した。非常に少量の不均一化した触媒(0.2モル%)でも、高いエナンチオ選択性(トランス異性体について95%ee)および反応性を達成した。本発明者らは、このシステムが、いままで開発された最良のシリカ−支持ビスオキサゾリン触媒であると考える。
Figure 0005542868
結論として、キラル・ビスオキサゾリン・リガンドはメソ多孔性シリカ支持体に有効に固定化された。不均一化した触媒は、スチレンの不斉シクロピロパン化について高いエナンチオ選択性および反応性を示した。それはまた、いずれのエナンチオ選択性および反応性を失うことなく4回首尾よく再使用した。この固定化方法は、他のタイプのキラル・ビスオキサゾリンにも広く適用できる。固定化したキラル・ビスオキサゾリン触媒は、種々の不斉反応について高いエナンチオ選択性を示すことが予想される。
実験の詳細
炭素ブリッジに1のメチル基を有するビスオキサゾリンの合成(ビスオキサゾリン2)
メチルマロン酸ジメチル(1.78g、12.2ミリモル)および(S)−tert−ロイシノール(3.0g、25.6ミリモル)をアルゴンフロー下で90℃に加熱し、反応の間に発生したメタノールを除去した。12時間後に、白色固形物を得た。残りの反応物を取り出すために、60℃にて高真空を加えた。ジヒドロキシメチルマロノジアミド1(3.27g、10.37ミリモル)を高収率(85%)で得た。100mlのSchlenkフラスコに、ジヒドロキシメチルマロノジアミド1(2.87g、9.08ミリモル)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.12g、0.99ミリモル)および40mlのCHClを満たした。ついで、トリエチルアミン(6ml、43.5ミリモル)を添加した。10mlのCHCl中の塩化p−トルエンスルホン酸(3.77g、19.8ミリモル)の溶液を添加した。得られた鮮やかな黄色溶液を室温にて27時間攪拌した。それを20mlのCHClで希釈し、飽和NHClで洗浄した。その水性層をCHClで戻し抽出した(3×30ml)。合した有機抽出物を飽和NaHCOで洗浄した。その水性層をCHClで戻し抽出した(3×30ml)。合した有機抽出物をNaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。濃縮した液体をフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製して、本明細書中においてビスオキサゾリン2という生成物を得た(2.03g、7.26ミリモル、80%収率)。
H NMR(300MHz, CDCl):δ=4.17(m,2H),4.08(m,2H),3.85(m,2H),3.54(q,J=7.3Hz,1H),1.48(d,J=7.3Hz,3H),0.881(s,9H),0.878(s,9H).
13C NMR(300MHz,CDCl):δ=165.5,165.3,75.5,68.9,34.0,33.8,25.7,25.6,15.2.
元素分析C1628として:
計算値=C,68.53;H,10.07;N,9.99
実測値=C,68.14;H,10.22;N,9.84
メソ多孔性シリカ上へのビスオキサゾリン2の固定化
MeLi(0.516ml、EtO中の1.6M、0.825ミリモル)を、−50℃の10mlのTHF中のビスオキサゾリン2(0.21g、0.75ミリモル)の溶液に添加した。30分間攪拌した後に、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン(0.148ml、0.75ミリモル)を添加し、その溶液を室温まで温めた。室温にて2日間攪拌した後に、THFを蒸発させ、トルエンを添加した。トルエン溶液をMCFに添加し、それをHMDSを用いるTMS(0.4ミリモル/g)によって部分的に修飾した。ついで、トルエン懸濁液を攪拌しつつ1日間90℃に加熱し、濾過した。
IR(cm−1):2957,1663,1089,842,811,460.
元素分析:
実測値=C,11.45;H,2.25;N,0.73
ビスオキサゾリンの負荷:0.26ミリモル/g
HMDSを用いたMCF−支持ビスオキサゾリンのさらなる保護
MCF−支持ビスオキサゾリンを80℃にて一晩脱気した。ついで、真空下でHMDSを固形物に添加した。ついで、真空下にて液体Nを用いてフラスコを冷却した。ついで、それをシールし、室温まで温めた。ついで、フラスコを75℃のオーブン中に5時間置いた。反応後に、過剰量のHMDSを真空下にて除去した。
MCF−支持ビスオキサゾリンによるスチレンのシクロプロパン化
(CuOTf)・トルエン(0.011ミリモル)またはCu(OTf)(0.022ミリモル)をCHCl(2ml)中のMCF−固定化ビスオキサゾリン(0.022ミリモル)に添加した。その混合物を室温にて5日間攪拌した。Cu(OTf)の場合には、ジアゾ酢酸(0.015ミリモル)を添加して銅を減少した。スチレン(153μl、1.32ミリモル)を添加した後に、ジアゾ酢酸エチル(1.1ミリモル、2mlのCHClで希釈)の溶液を、シリンジポンプを用いて2時間にわたって添加した。ついで、その混合物を1時間攪拌し、遠心した。溶液部分を収集し、トランス/シス割合および収率をガスクロマトグラフィー(GC)によって測定した。エナンチオマー過剰率は、Cyclodex−Bカラムを用いるGCによって測定した。ついで、沈澱物をCHCl(5ml)で3回洗浄し、遠心した。回収した触媒は、さらなる実験用の出発物質として使用した。

Claims (21)

  1. 不斉シクロプロパン化、エン反応、ディールス・アルダー反応、アリル置換、アジリジン化反応、ムカイヤマ・アルドール反応、エナンチオ選択的ヘンリー反応およびβ−アミノ酸を合成するためのカルバメートのエナンチオ選択的コンジュゲート付加からなる群より選択される反応の触媒のための、疎水性無機基体にカップリングしたキラル・ビスオキサゾリン基を含む不均一系キラル触媒であって、疎水基の数が無機基体グラム当たり0.2ないし2ミリモルであり、該ビスオキサゾリン基がCu(I)イオンに錯体形成しており、ここに、キラル・ビスオキサゾリン基がIa’、Ib’、Ic’、Id’、Ie’およびIf’:
    Figure 0005542868

    [式中、
    はバルクな基であって、Rは水素、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基よりなる群から選択され、あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成し、
    はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基よりなる群から選択され、
    Tは無機基体にカップリングするためのテザー基であり、ここにテザー基は無機基体にカップリングするためのカップリング基およびカップリング基をCR基に連結するためのリンカー基を含み、ここにカップリング基はケイ素原子を含み、リンカー基は式−(CH)n−(式中のnは1−12)のものであり、および
    およびRが結合する各炭素原子は、独立して、それに結合する水素原子またはアルキル基をも有する]
    よりなる群から選択される構造を有する該触媒。
  2. キラル・ビスオキサゾリン基が単一のテザー基によって無機基体にカップリングしている請求項1記載の触媒。
  3. ビスオキサゾリンが無機基体に共有結合している請求項1または2記載の触媒。
  4. がアルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基よりなる群から選択される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の触媒。
  5. がt−ブチルであり、Rが水素であって、Rがメチルである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の触媒。
  6. リンカー基が、アルキレン基、アリーレン、アルキルアリーレン基およびアリールアルキレン基よりなる群から選択される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の触媒。
  7. リンカー基が−C−である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の触媒。
  8. 無機基体が多孔性である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の触媒。
  9. 無機基体がメソ多孔性である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の触媒。
  10. 無機基体がシリカを含む請求項1ないし9のいずれか1項に記載の触媒。
  11. 疎水基がトリメチルシリル基である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の触媒。
  12. キラル・ビスオキサゾリンを疎水性無機基体にカップリングし、ついでキラル・ビスオキサゾリンをCu(I)に錯体形成することを含む不均一系キラル触媒の作製方法であって、ここに、疎水基の数が無機基体グラム当たり0.2ないし2ミリモルであり、キラル・ビスオキサゾリンがIIa、IIb、IIc、IId、IIeおよびIIf:
    Figure 0005542868

    [式中、
    はバルクな基であって、Rは水素、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基よりなる群から選択され、あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成し、
    はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基よりなる群から選択され、および
    T’は無機基体にカップリングすることができる基であり、ここにテザー基は無機基体にカップリングするためのカップリング基およびカップリング基をCR基に連結するためのリンカー基を含み、ここにカップリング基はケイ素原子を含み、リンカー基は式−(CH)n−(式中のnは1−12)のものである]
    よりなる群から選択される構造を有する該作製方法。
  13. カップリングが単一のテザー基を介するものである請求項12記載の方法。
  14. がアルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基よりなる群から選択される請求項12または13記載の方法。
  15. がt−ブチルであり、Rが水素であり、RがメチルであってT’がトリメトキシシリルプロピルである請求項12ないし14のいずれか1項に記載の方法。
  16. さらに、無機基体と疎水化剤とを反応させて疎水性無機基体を作製することを含む請求項12ないし15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 疎水化剤が、シランおよびシロキサンよりなる群から選択される請求項16記載の方法。
  18. 疎水性無機基体が疎水性メソ多孔性シリカである請求項12ないし17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 出発物質を、疎水性無機基体にカップリングしたキラル・ビスオキサゾリン基を含む請求項1ないし11のいずれか1項に記載の不均一系キラル触媒に曝すことを含む出発物質から生成物への反応を触媒する方法であって、該反応が不斉シクロプロパン化、エン(ene)反応、ディールス・アルダー反応、アリル置換、アジリジン化反応、ムカイヤマ・アルドール反応、エナンチオ選択的ヘンリー反応およびβ−アミノ酸を合成するためのカルバメートのエナンチオ選択的コンジュゲート付加からなる群より選択される該方法
  20. 反応が不斉シクロプロパン化である請求項19記載の方法。
  21. 約90%よりも大きなエナンチオマー過剰率を有する生成物を生成する請求項19または20記載の方法。
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