JP5541327B2 - 中継装置、局側装置並びにその中継装置を用いた通信システム及び通信方法 - Google Patents

中継装置、局側装置並びにその中継装置を用いた通信システム及び通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばPON(Passive Optical Network)ような、ポーリング方式の多重アクセス制御を行う通信網を多段に接続するための中継装置と、上段側の通信網に用いる局側装置と、その中継装置を用いた通信システム及び通信方法に関する。
PONシステムは、P2MP(Point to Multi Point)の接続形態における光分岐を無電力で行う光通信システムであり、局側装置と、これに接続された光ファイバから光カプラを介して複数の光ファイバに分岐した一芯の光ファイバ網と、分岐した光ファイバの終端にそれぞれ接続された宅側装置とを備えている。
このPONシステムにおいては、半導体レーザ等の光源を直接或いは外部変調したNRZ(Non-Return to Zero)光信号を伝送し、情報を送受信する。
局側装置が送信する下り光信号は各宅側装置に放送形式で伝送され、各宅側装置は自分宛の信号のみを受信処理する。逆に、宅側装置からの上り光信号は、衝突を防止すべく局側装置によって時分割多重方式で管理されており、局側装置は各宅側装置からの上り光信号をバースト的に受信する。
かかるPONシステムでは、分岐数や伝送距離が大きくなるほど通信品質が悪化するので、32分岐以内でかつ20km以内の伝送距離で運用するのが通常である。
そこで、局側装置と宅側装置の間の伝送距離をできるだけ延ばすため、8個のG−EPONを相対向する1対の中継装置によって10Gに多重する、PON多重中継装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、伝送距離の延長を図る別の中継装置として、G−EPONの光信号を電気信号に再生同期して中継する中継装置も既に知られている(特許文献2参照)。
特開2008−017264号公報 特開2007−221688号公報
上記特許文献1に記載の中継装置では、8個のG−EPONを10Gの中継装置に集約する方式であるから、G−EPONの数だけ局側装置が必要であり、また、その局側装置の数だけ上位網とのインタフェースが必要である。
従って、局側装置と宅側装置の間の伝送距離を延ばすことはできるが、システム全体としては不経済であるという欠点がある。
上記特許文献2に記載の中継装置は、PON光信号を光電変換した電気信号を物理層レベルで再生同期するものであり、中継時に伝送レートが増える訳ではない。従って、通常のPONシステムと同様に、分岐数を増やした場合に帯域が減少するという欠点がある。
また、分岐数を多くすると、制御メッセージで消費される帯域が増え、ユーザデータが使用できる全体の帯域が減少するので、ユーザ当りの帯域が減少するし、上り方向では、バーストオーバーヘッド分の無効帯域が増加するので更に帯域が減少する。
そこで、本願発明者は、上り帯域を確保しつつ分岐数を増加できる光通信システムを構成可能とすべく、上段PONでは宅側装置として機能しかつ下段PONでは局側装置として機能する中継装置によってPONを多段接続し、その中継装置が、局側装置による上段PONの上り多重アクセス制御とは独立して、下段PONの上り多重アクセス制御を行うようにした光通信システムを、既に提案している(特願2011−136798号の明細書参照)。
しかし、上記光通信システムのように、上段PONの局側装置と下段PONの中継装置がそれぞれ上り多重アクセス制御を互いに独立して行う通信システムでは、システム全体の上り遅延時間が大きくなるという問題がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、上段と下段の通信網において独立した上り多重アクセス制御を行う場合でも、システム全体の上り遅延時間を短縮できるようにすることを目的とする。
(1) 本発明の中継装置は、上段の第1回線に対する信号の送受信を行う第1送受信部と、下段の第2回線に対する信号の送受信を行う第2送受信部と、前記第1送受信部が受信した下りフレームを前記第2送受信部に中継し、前記第2送受信部が受信した上りフレームを前記第1送受信部に中継する中継処理部と、前記第1送受信部が前記第1回線の局側装置に送信する前記上りフレームの送信については、前記局側装置が行う上り多重アクセス制御に従い、前記第2送受信部が前記第2回線の宅側装置から受信する前記上りフレームの受信については、独自に上り多重アクセス制御を行う制御部と、を備えている。
その上で、本発明の中継装置では、前記制御部が、前記第2回線の前記宅側装置に送信許可するデータ量を、そのデータフレームが前記第2送受信部に到着する前に前記第1回線の前記局側装置へ申告することを特徴とする。
本発明の中継装置によれば、上記の通り、制御部が、第2回線の宅側装置に送信許可するデータ量を、そのデータが第2送受信部に到着する前に第1回線の局側装置へ申告するので、かかる申告を行わない場合に比べて、システム全体の上り遅延時間を短縮することができる。
(2) 本発明の中継装置において、前記中継処理部が、上りのデータをバッファリングする上りバッファを有する場合には、前記制御部は、前記宅側装置に送信許可するデータ量を決定した後、そのデータ量を前記上りバッファに書き込み予約し、書き込み予約したバッファ量に基づいて前記局側装置へ申告するデータ量を求めることにすればよい。
この場合、送信許可したデータが第2送受信部に到着する前に、そのデータ量を前もって局側装置に申告する中継装置を、簡単な手段で実現することができる。
(3) 本発明の中継装置が、集中型DBAを行う前記局側装置に接続されている場合には、本発明の中継装置は、当該集中型DBAと周期が同じで位相が揃えられている集中型DBAを行うことが好ましい。
この場合、第1回線及び第2回線において行われる集中型DBAの1周期分だけ、システム全体の上り遅延時間を短縮できるようになる。
(4) また、本発明の中継装置が、集中型DBAを行う前記局側装置に接続されている場合には、本発明の中継装置は、当該集中型DBAと周期が同じで位相が所定の余裕時間だけ遅らせてある集中型DBAを行うようにしてもよい。
この場合、システム全体の上り遅延時間を、第2回線のDBAサイクルを遅らせる所定の余裕時間の分だけ更に短縮できるようになる。
(5) 本発明の局側装置は、分散型DBAを行う上述の(1)又は(2)に記載の中継装置と接続される、分散型DBAを行う局側装置であって、前記第1回線におけるある論理リンクから受信した帯域申告に応じて割り当てる帯域の受信開始時刻を、前記帯域申告の受信時刻値と、前記第2回線におけるゲート遅延の上限値と、前記第2回線の往復伝搬時間の上限値とに基づいて決定することを特徴とする。
本発明の局側装置によれば、第1回線におけるある論理リンクから受信した帯域申告に応じて割り当てる帯域の受信開始時刻を、上記の各値に基づいて決定するので、ユーザデータが未到着の中継装置に対して局側装置がそのユーザデータの送信許可を行うことに伴う、第1回線の帯域の無駄使いを未然に防止することができる。
(6) 本発明の通信システムは、親局装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第1通信網と、中継装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第2通信網とが、前記中継装置を介して接続された通信システムであって、前記中継装置は、前記第2通信網において送信許可するデータ量を、そのデータフレームが自局に到着する前に前記親局装置へ申告することを特徴とする。
本発明の通信システムによれば、中継装置が、第2通信網において送信許可するデータ量を、そのデータが自局に到着する前に親局装置へ申告するので、かかる申告を行わない場合に比べて、システム全体の上り遅延時間を短縮することができる。
(7) 他の観点から見た本発明の通信システムは、親局装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第1通信網と、中継装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第2通信網とが、前記中継装置を介して接続された通信システムであって、前記中継装置は、前記親局装置に所定のデータ量を申告する場合に、その申告するデータ量が実際に充足する時刻を表す情報完成時刻を加えて申告し、前記親局装置は、前記中継装置から申告されたデータ量に応じた送信許可を、前記情報完成時刻以降に割り当てることを特徴とする。
本発明の通信システムによれば、中継装置が、親局装置に所定のデータ量を申告する前に上記情報完成時刻を加えて申告し、親局装置が、中継装置から申告されたデータ量に応じた送信許可を上記情報完成時刻以降に割り当てるので、第1通信網での帯域の無駄使いを未然に防止しつつ、多段の通信システム全体の上り遅延時間を短縮することができる。
(8) 本発明の通信方法は、上述の(6)に記載した通信システムにて行われる通信方法であって、当該通信システムと同様の作用効果を奏する。
(9) 本発明の別の通信方法は、上述の(7)に記載した通信システムにて行われる通信方法であって、当該通信システムと同様の作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、上段と下段の通信網において独立した上り多重アクセス制御を行う場合でも、システム全体の上り遅延時間を短縮することができる。
第1基本形態に係る光通信システムの接続形態を示す図である。 局側装置の構成を示すブロック図である。 宅側装置の構成を示すブロック図である。 中継装置の構成を示すブロック図である。 局側装置への登録シーケンスを示す図である。 上り多重アクセス制御のシーケンスを示す図である。 局側装置からの離脱シーケンスを示す図である。 第2基本形態の場合の局側装置への登録シーケンスを示す図である。 図8の続きのシーケンスを示す図である。 第2基本形態の場合の局側装置からの離脱シーケンスを示す図である。 第2基本形態の場合のOAMループバック試験のシーケンスを示す図である。 第1及び第2基本形態における集中型DBAのシーケンスを示す図である。 第1実施形態の中継装置(基本的構成は図4と同様)に用いる、ユーザフレーム用の第2上りバッファの説明図である。 第1実施形態における集中型DBAのシーケンスを示す図である。 第1実施形態における変形例に係る集中型DBAのシーケンスを示す図である。 第2実施形態における分散型DBAのシーケンスを示す図である。 第3実施形態に係る通信システムの接続形態を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
なお、以下の説明では、PON回線1(上段の第1回線)とPON回線2(下段の第2回線)の論理リンクの対応が「1対多」である形態を「第1基本形態」といい、その論理リンクの対応が「1対1」である形態を「第2基本形態」という。
また、以下の説明では、本発明の実施形態の理解を容易にするため、上段と下段の通信網がいずれもPONである、第1及び第2基本形態の具体的内容を先に説明する。
<第1基本形態>
〔光通信システムの接続形態〕
図1は、第1基本形態に係る光通信システムの接続形態を示す図である。
図1に示すように、第1基本形態の光通信システムでは、1つの局側装置10と多数の宅側装置20が、それらの間の複数の中継装置30を仲立ちとして、上下2段のPON回線1,2で接続された接続形態(トポロジ)となっている。
すなわち、1つの局側装置10とその配下の複数の中継装置30とが光ファイバにてP2MP形態で接続されており、各中継装置30とその配下の複数の宅側装置20とが光ファイバにてP2MP形態で接続されている。
より具体的には、局側装置10に接続された一芯の光ファイバ51は、受動光分岐ノードである光カプラ52を介して複数の一芯の光ファイバ53に分岐しており、この分岐した各光ファイバ53の終端に、それぞれ中継装置30が接続されている。
また、中継装置30の下段側に接続された一芯の光ファイバ54は、受動光分岐ノードである光カプラ55を介して複数の一芯の光ファイバ56に分岐しており、この分岐した各光ファイバ56の終端に、それぞれ宅側装置20が接続されている。
従って、光ファイバ網51〜53よりなる上段側のPON回線1は、1つのOLT10に対応して1つだけ存在し、光ファイバ網54〜56よりなる下位側のPON回線2は、複数の中継装置30に対応して当該中継装置30と同数だけ存在する。
なお、以下において、局側装置10とPON回線1と複数の中継装置30とからなる上段側のPONを、「PON1」又は「上段PON」などと呼ぶことがあり、中継装置30とPON回線2と複数の宅側装置20からなる下段側のPONを、「PON2j」(j=1,2……n:nは中継装置30の最大数)又は「下段PON」などと呼ぶことがある。
また、以下において、「局側装置」を「OLT」と略記し、「宅側装置」を「ONU」と略記する場合がある。
更に、第1基本形態では、局側装置10と中継装置30の間の上段側のPON1は、伝送レートが10G(正確には10.3125Gbps)の10G−EPONよりなり、各中継装置30と宅側装置20の間の下段側のPON2jは、伝送レートが1G(正確には1.25Gbps)のG−EPONよりなる。
〔局側装置の構成〕
図2は、局側装置10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、OLT10は、上位側(図2の左側)から下位側に向かって順に、上位網IF(インタフェース)部11、制御部12、受信処理部13、LLID(Logical Link ID)の解決テーブル14、送信処理部15、PON送受信部16を備えている。また、OLT10は、上りバッファ17及び下りバッファ18を備えている。
PON送受信部16は、PON回線1から入力される1.27μm帯の光信号を電気信号に変換して、その電気信号を受信処理部13に出力するとともに、送信処理部15から入力される電気信号を1.577μm帯の光信号に変換して、PON回線1に出力する。
受信処理部13は、PON送受信部16から入力される電気信号からフレームを再構成し、フレーム種別が制御フレーム又はOAMループバック試験フレームであれば、それを制御部12へ出力する。
また、受信処理部13は、フレーム種別がユーザフレームであれば、それを上りバッファ17へ出力するとともに、送信元MACアドレスとLLIDの対応を学習し、その対応をLLID解決テーブル14に記録する。なお、OAMループバック状態にあるLLIDは制御部12から通知されている。
上位網IF部11は、上りバッファ17にフレームがあれば、それを取り出して上位網へ出力するとともに、上位網からフレームが入力されると、そのフレームを下りバッファ18へ出力する。
送信処理部15は、制御部12から入力されるフレームを、電気信号としてPON送受信部16に出力するとともに、下りバッファ18にフレームがあれば、制御部12からのフレームの合間にそれを下りバッファ18から取り出し、電気信号としてPON送受信部16に出力する。
このとき、送信処理部15は、ユーザフレームのLLIDとして、宛先MACアドレスを元にLLID解決テーブル14を参照して求めた値を付与する。
制御部12は、ONU20を運営管理するMPCPフレーム及びOAMフレーム等の制御フレームを生成し、この制御フレームを、送信処理部15を介してONU20へ送信するとともに、ONU20から送られるMPCPフレームやOAMフレーム等の制御フレームを、受信処理部13を介して受信し、その制御フレームの内容に対応する処理を行う。
また、制御部12は、OAMループバック試験中であるLLIDについては、受信処理部13に通知する。なお、第1基本形態では、OLT10の制御部12が行うMPCPフレームを用いたPON1での上り多重アクセス制御において、中継装置30がONU20の機能を果たす。
第1基本形態では、上段のPON1が10G−EPONであるから、OLT10が送受信する光信号は10.3125Gbpsで伝送され、符号化前の電気信号のレートは10Gbpsとなる。
〔宅側装置の構成〕
図3は、宅側装置20の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ONU20は、上位側(図3の左側)から下位側に向かって順に、PON送受信部21、送信処理部22、受信処理部23、制御部24及び下位網IF(インタフェース)部25を備えている。
また、ONU20は、2種類の上りバッファ26,27、下りバッファ28及びループ用バッファ29を備えている。第1の上りバッファ26は制御フレーム用であり、第2の上りバッファ27はユーザフレーム用である。
PON送受信部21は、PON回線2から入力される1.49μm帯の光信号を電気信号に変換して、その電気信号を受信処理部23に出力するとともに、送信処理部22から入力される電気信号を1.3μm帯の光信号に変換して、PON回線2に出力する。
なお、ONU20のPON送受信部21から出力される光信号は、送信処理部22から入力されるバーストイネーブル信号がオフの期間は発光しないバースト信号となる。
受信処理部23は、PON送受信部21から入力される電気信号からフレームを再構成し、LLIDが自分宛でないフレームとブロードキャストのLLIDでないフレームを廃棄する。
また、受信処理部23は、廃棄されなかったフレームについてはフレーム種別を調べ、それが制御フレームであれば制御部24へ出力し、ユーザフレームであれば下りバッファ28へ出力する。
ただし、ONU20がOAMループバック状態のときは、受信処理部23はユーザフレームをループ用バッファ29へ出力する。なお、OAMループバック状態にあるLLIDは制御部24から通知されている。
下位網IF部25は、下りバッファ28にフレームがあれば、それを取り出して下位網のメディアに応じた信号に変換して出力する。また、下位網IF部25は、下位網から信号を受信すると、その信号を内部信号へ変換した後でフレームを再構成し、第2上りバッファ27へ出力する。
送信処理部22は、制御部24からの送信指示に従い、自ら生成したレポートフレームや、第1上りバッファ26、第2上りバッファ27及びループ用バッファ29から取り出したフレームを、電気信号として指示された期間にPON送受信部21に送出する。このとき、送信処理部22はバーストイネーブル信号を有効にする。
制御部24からの送信指示には、フレームの対象(レポートフレームか否か)、送信開始時刻及び送信期間が含まれる。
送信処理部22は、指示された対象がレポートフレームの場合は、レポートフレームを送信し、指示された対象がレポートフレームでない場合は、第1上りバッファ26、第2上りバッファ27又はループ用バッファ29のフレームを送信する。
上記各バッファ26,27,29からのフレームの取り出しは、既にレポートした分を優先して行われ、また、第1上りバッファ26、第2上りバッファ27、ループ用バッファ29の順に優先される。
送信処理部22は、制御部24からレポートフレームの生成を指示された場合、上記各バッファ26,27,29に保存されている情報量を参照してレポートフレームを生成する。このとき、送信処理部22は、引数として与えられたグラント長に対応したフレーム群については、レポートに含めない。
また、送信処理部22は、フレームを電気信号に変換する際に、登録要求フレームに対してはブロードキャストのLLIDを付与し、その他のフレーム対しては当該ONU20のLLIDを付与する。
制御部24は、OLT10から送られるMPCPフレームやOAMフレームを、受信処理部23を介して受信し、それらの制御フレームに対応する処理を行うとともに、その応答或いは自ら生成するMPCPフレームやOAMフレームを、送信処理部22を介してOLT10へ送信する。
また、制御部24は、OAMループバック状態が変化すれば、その状態変化を受信処理部23に通知する。
第1基本形態では、下段側のPON2jがG−EPONあるから、ONU20が送受信する光信号は1.25Gbpsで伝送され、符号化前の電気信号のレートは1Gbpsとなる。
〔中継装置の構成〕
図4は、中継装置30の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、中継装置30は、上位側(図4の左側)から下位側に向かって順に、第1PON送受信部31、第1送信処理部32、第1受信処理部33、制御部34、第2受信処理部35、LLID解決テーブル36、第2送信処理部37及び第2PON送受信部38を備えている。
また、中継装置30は、2種類の上りバッファ39,40、下りバッファ41及びループ用バッファ42を備えている。第1上りバッファ39は制御フレーム用であり、第2上りバッファ40はユーザフレーム用である。
第1PON送受信部31は、PON回線1から入力される1.577μm帯の光信号を電気信号に変換して、第1受信処理部33に出力するとともに、第1送信処理部32から入力される電気信号を1.27μm帯の光信号に変換して、PON回線1に出力する。
なお、中継装置30の第1PON送受信部31から出力される光信号は、第1送信処理部32から入力されるバーストイネーブル信号がオフの期間は発光しないバースト信号となる。
第1受信処理部33は、第1PON送受信部31から入力される電気信号からフレームを再構成し、LLIDが自分宛でないフレームとブロードキャストのLLIDでないフレームを廃棄する。
また、第1受信処理部33は、廃棄されなかったフレームについてはフレーム種別を調べ、それが制御フレームであれば制御部34へ出力し、ユーザフレームであれば下りバッファ41へ出力する。
ただし、中継装置30がPON回線1からOAMループバック状態に設定されている場合は、第1受信処理部33はユーザフレームをループ用バッファ42へ出力する。なお、OAMループバック状態の有効/無効は、制御部34から通知されている。
第1送信処理部32は、制御部34からの送信指示に従い、自ら生成したレポートフレームや、第1上りバッファ39、第2上りバッファ40及びループ用バッファ42から取り出したフレームを、電気信号として指示された期間に第1PON送受信部31に送出する。このとき、第1送信処理部32はバーストイネーブル信号を有効にする。
制御部34からの送信指示には、フレームの対象(レポートフレームか否か)、送信開始時刻、送信期間が含まれる。
第1送信処理部32は、指示された対象がレポートフレームの場合は、レポートフレームを送信し、指示された対象がレポートフレームでない場合は、第1上りバッファ39、第2上りバッファ40又はループ用バッファ42のフレームを送信する。
上記各バッファ39,40,42からのフレームの取り出しは、既にレポートした分を優先して行われ、また、第1上りバッファ39、第2上りバッファ40、ループ用バッファ42の順に優先される。
第1送信処理部32は、制御部34からレポートフレームの生成を指示された場合、上記各バッファ39,40,42に保存されている情報量を参照してレポートフレームを生成する。このとき、第1送信処理部32は、引数として与えられたグラント長に対応したフレーム群については、レポートに含めない。
また、第1送信処理部32は、フレームを電気信号に変換する際に、登録要求フレームに対してはブロードキャストのLLIDを付与し、その他のフレーム対しては当該ONU20のLLIDを付与する。
制御部34は、OLT10から送られるMPCPフレームやOAMフレームを、第1受信処理部33を介して受信し、それらの制御フレームに対応する処理を行うとともに、その応答或いは自ら生成するMPCPフレームやOAMフレームを、第1送信処理部32を介してOLT10へ送信する。
すなわち、制御部34は、第1PON送受信部31から送信する上りフレームの送信タイミングについては、OLT10が行う上り多重アクセス制御に従う。
また、制御部34は、OAMループバック状態が変化すれば、その状態変化を第1受信処理部33に通知する。
第1基本形態では、上段側のPON1が10G−EPONであるから、中継装置30がPON回線1に送受信する光信号は10.3125Gbpsで伝送され、符号化前の電気信号のレートは10Gbpsとなる。また、下段側のPON2jがG−EPONであるから、中継装置30がPON回線2に送受信する光信号は1.25Gbpsで伝送され、符号化前の電気信号のレートは1Gbpsとなる。
第2PON送受信部38は、PON回線2から入力される1.31μm帯の光信号を電気信号に変換して、その電気信号を第2受信処理部35に出力するとともに、第2送信処理部37から入力される電気信号を1.49μm帯の光信号に変換して、PON回線2に出力する。
第2受信処理部35は、第2PON送受信部38から入力される電気信号からフレームを再構成し、フレーム種別が制御フレーム又はOAMループバックフレームであれば、それを制御部34へ出力する。
また、第2受信処理部35は、フレーム種別がユーザフレームであれば、それを第2上りバッファ40へ出力するとともに、送信元MACアドレスとLLIDの対応を学習し、その対応をLLID解決テーブル36に記録する。なお、OAMループバック状態にあるLLIDは制御部34から通知されている。
第2送信処理部37は、制御部34から入力されるフレームを、電気信号として第2PON送受信部38に出力するとともに、下りバッファ41にフレームがあれば、制御部34からのフレームの合間にそれを下りバッファ41から取り出し、電気信号として第2PON送受信部38に出力する。
このとき、第2送信処理部37は、ユーザフレームのLLIDとして、宛先MACアドレスを元にLLID解決テーブル36を参照して求めた値を付与する。
このように、第1基本形態では、中継装置30が、ONU20から送出されたユーザフレームのLLIDと、その送信元MACアドレス(ONU20のMACアドレス)との対応関係をLLID解決テーブル36によって個別に把握し、この解決テーブル36に基づいて配下のONU20のLLIDを管理しているので、PON回線1で用いる論理リンクとPON回線2jで用いる論理リンクとが1対多で対応している。
制御部34は、ONU20を運営管理するMPCPフレーム及びOAMフレーム等の制御フレームを生成し、第2送信処理部37を介してONU20へ送信するとともに、ONU20から送られるMPCPフレームやOAMフレーム等の制御フレームを、第2受信処理部35を介して受信し、その制御フレームの内容に対応する処理を行う。
すなわち、制御部34は、第2PON送受信部38が受信する上りフレームの受信タイミングについては、OLT10とは別個に独自で上り多重アクセス制御を行う。
また、制御部34は、PON回線2においてOAMループバック試験状態にあるLLIDについては、第2受信処理部35に通知する。
また、制御部34は、PON1とPON2jのMPCPリンクを個別に確立することができるが、上段PONと下段PONのMPCPリンクの登録シーケンスや離脱シーケンスについては、上段PONと下段PONの間で関連させて実行する。これらのシーケンスの詳細は、次の図5及び図6にて説明する。
図4の中継装置30において、第1PON送受信部31と第2PON送受信部38の間の「第1受信処理部33」、「下りバッファ41」及び「第2送信処理部37」は、第1PON送受信部31が受信した下りフレームを第2PON送受信部38に中継する下りの「中継処理部」を構成する。
第2PON送受信部38と第1PON送受信部31の間の「第2受信処理部35」、「上りバッファ40」及び「第1送信処理部32」は、第2PON送受信部38が受信した上りフレームを第1PON送受信部31に中継する上りの「中継処理部」を構成する。
前述のとおり、第1基本形態では、上段のPON1が10G−EPONであり、かつ、下段のPON2jがG−EPONとなっており、中継装置30の上段側と下段側とで両者の伝送レートが異なる。
そこで、第1基本形態の中継装置30では、より高速のPON1とより低速のPON2jとの伝送レートの差を、上記中継処理部を構成する第2上りバッファ40と下りバッファ41とで吸収している。
〔登録シーケンス〕
図5は、第1基本形態の光通信システムにおける、ONU20と中継装置30のOLT10への登録シーケンスを示す図である。
より具体的には、図5では、中継装置30をOLT10に登録させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージと、ONU20を中継装置30に登録させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージとの関連を表している。
なお、図5以後の各図のシーケンスでは、ONU20については2つ登場するが、OLT10と中継装置30については、それぞれ1つずつ登場する。
そこで、図5以後の各図のシーケンスでは、「OLT10」と「中継装置30」については、図面の参照符号を省略して「OLT」及び「中継装置」と表記し、ONU20については、「ONU1」及び「ONU2」と表記して区別している。
図5に示すように、OLTと中継装置は、下流のPONに対してそれぞれディスカバリゲートを定期的に発行する。ここで、中継装置の配下のPON2jには、稼動しているONUがないとする。
新たに稼動を開始したONU1は、中継装置からディスカバリゲートを受けると、その送信許可期間においてレジスタ要求を返す。中継装置は、ONU1からレジスタ要求を受けると、レジスタを返すとともに、そのONU1にノーマルゲートを送る。
ONU1は、ノーマルゲートで送信許可された期間にレジスタ確認を返す。中継装置はONU1からレジスタ確認を受けると、当該ONU1の登録を完了させる。
中継装置は、配下のいずれかのONUが登録された時点以降に、OLTからディスカバリゲートを受けると、その送信許可期間においてOLTにレジスタ要求を返す。
OLTは、中継装置からレジスタ要求を受けると、レジスタを返すとともにその中継装置にノーマルゲートを送る。
中継装置は、ノーマルゲートで送信許可された期間にレジスタ確認を返す。OLTは、中継装置からレジスタ確認を受けると、当該中継装置の登録を完了させる。
図5の後半部分に示すように、上記のようにして中継装置の登録が完了した後で、新たにONU2が稼動を開始すると、ONU1の場合と同様のシーケンスがONU2について実行され、中継装置にONU2が登録される。
ここで、ONU2の登録シーケンスは、OLTと中継装置との間のMPCPリンクには影響を与えない。また、ONU1及びONU2がOLTと通信するユーザフレームは、OLTと中継装置の間において、同一の論理リンクを通過する。
中継装置は、ONU1,2の登録が完了すると、そのONU1,2との間の論理リンクを介してOAMリンクを確立し、さらにOAMループバック試験を実施する。
そして、OAMループバック試験が成功すると、本論理リンクと上段PON間のユーザフレームの疎通を解禁する。
また、OLTは、中継装置の登録が完了すると、その中継装置との間の論理リンクを介してOAMリンクを確立し、さらにOAMループバック試験を実施する。
そして、OAMループバック試験が成功すると、本論理リンクと上位網間のユーザフレームの疎通を解禁する。なお、第1基本形態では、これらのOAMループバック試験は互いに独立している。
〔上り多重アクセス制御のシーケンス〕
図6は、第1基本形態の光通信システムにおける、PON回線1,2での上り多重アクセス制御を示すシーケンス図である。
より具体的には、図6では、中継装置、ONU1及びONU2のユーザフレームの疎通が解禁された以降に行われる、各PON回線1,2で上りバースト信号が衝突しないように時分割多重した、上り方向の多重アクセス制御を示している。
図6に示すように、中継装置は、各ONU1,2からのレポート用バーストとユーザフレーム用バーストとが衝突しないよう、自装置で受信すべきタイミングをスケジューリングし、その結果をノーマルゲートメッセージにて各ONU1,2に通知する。
このノーマルゲートメッセージには2つのグラントが含まれている。このうち、最初のグラントは、レポート強制フラグを有効としたものとする。2つ目のグラントのグラント長は、各ONU1,2から受領したレポートメッセージを参考として、或いは、網運用者(通信事業者)のポリシーに基づいて決定される。
各ONU1,2は、グラントで示された期間に、レポートメッセージあるいはデータフレーム(複数)を送出する。ここで、データフレームには、OAMメッセージ等のONU1,2が生成したフレームや下位網から受信したユーザフレームが含まれる。
図6の左半部に示すように、OLTは、配下の中継装置に対してノーマルゲートメッセージを送信し、上段PONについて独自に上り多重アクセス制御を行う。
そして、中継装置は、OLTからのノーマルゲートの指示に従って、OLTに対して上りバースト信号を送出する。
〔離脱シーケンス〕
図7は、第1基本形態の光通信システムにおける、ONU20及び中継装置30のOLT10からの離脱シーケンスを示す図である。
より具体的には、図7は、中継装置をOLTから登録解除させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージと、ONUを中継装置から登録解除させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージとの関連を表している。
ここで、中継装置の配下のPONには、ONU1とONU2以外に稼動しているONUがないとする。
新たに稼動を停止するONU1は、図7で図示しないゲートメッセージが示す送信許可期間において、デレジスタ要求を中継装置に送る。
中継装置は、ONU1からデレジスタ要求を受けると、デレジスタを返すとともに当該ONU1の登録を解除する。
その後、ONU2が稼動を停止する場合には、ONU1の場合と同様のシーケンスが実行され、中継装置はONU2の登録を解除する。
ここで、中継装置の配下に登録されているONUがなくなったので、中継装置は、図7で図示しないゲートメッセージが示す送信許可期間において、デレジスタ要求をOLTに送る。OLTは、中継装置からデレジスタ要求を受けると、デレジスタを返すとともに当該中継装置の登録を解除する。
〔第1基本形態の効果〕
以上の通り、第1基本形態の中継装置30によれば、制御部34が、自装置から送信する上りフレームの送信については、OLT10が行う上り多重アクセス制御に従い、自装置が受信する上りフレームの受信については、独自に上り多重アクセス制御を行うので、図1に示すような、1つのOLT10を頂点として複数の中継装置30を接続する上段PONと、その中継装置30の配下に更に複数のONU20を接続する下段PONとを備えた、多段接続の光通信システムを構成できる。
このため、PON固有の伝送距離が上段PON(PON1)の分と下段PON(PON2j)の分を加算した値になるので、OLT10とONU20の間の距離を長くすることができる。
また、PON固有の分岐数については、上段PONの分と下段PONの分とを乗算できるので、光通信システム全体の分岐数を多くすることできる。
また、下段PONが多くなった場合でも、OLT10が1つあれば足るので、光通信システム全体のコストを抑えることができる。この場合、OLT10の上位網とのインタフェースも1つあればよいので、上位網を含めた光通信システム全体のコストを抑えることができる。
更に、1つの下段PON当たりに中継装置が1台あればよいので、この点からも、光通信システム全体のコストを抑えることができる。
更に、中継装置30は上段PONへ加入して通信を行うための制御と、下段PONにONU20を加入させて通信を行うための制御を共通の制御部34で逐次的に行うことが出来るので、例えば制御を実行するためのCPUは一つあればよく、中継装置30のコストを抑えることができる。
第1基本形態の中継装置30によれば、上りバッファ40及び下りバッファ41によって上段PONと下段PONの伝送レートの差を吸収することで、上段PONを10G−EPONとしかつ下段PONを1G−EPONにしているので、上段PONの分岐数nを大きくした場合でも、ユーザ当りの帯域を確保することができる。
また、第1基本形態の中継装置30によれば、OLT10が行う上り多重アクセス制御に用いる上段PONの論理リンクが、制御部34が行う上り多重アクセス制御に用いる下段PONの論理リンクと一対多で対応しているので、上段PONにおける論理リンクの数は、ONU20の数ではなく中継装置30の数に依存する。
このため、中継装置30の配下のONU20の数が多くなった場合でも、制御メッセージのオーバーヘッドやバーストオーバーヘッドが変わらず、ユーザ当りの帯域の無用な低下を防ぐことができる。
更に、第1基本形態の中継装置30によれば、制御部34が、下段PONの論理リンクを開設した後に上段PONの論理リンクの開設をOLT10に要求するので、中継装置30の配下で稼動するONU20がない場合には、その中継装置30がOLT10に登録されない。
このため、ONU20が登録されていない中継装置30とOLT10との間で無駄な制御メッセージが発生することがなく、上段PONのユーザ帯域の無用な低下を防止することができる。
なお、上述の第1基本形態では、OLT10、ONU20及び中継装置30において、ユーザフレーム用のキュー(バッファ)は上り下りでそれぞれ1つとしたが、優先度やQoSクラスに応じてそのキューを複数設けてもよい。
また、上述の第1基本形態では、OLT10及び中継装置30のLLID解決テーブル14,36を用いてMACアドレスとLLIDを対応づけているが、例えば、ユーザフレームのVLANタグ値(VID)とLLIDを対応づけてもよい。この場合、テーブル要素の登録は学習ベースではなく、網の管理者あるいは管理装置からプロビジョニングするのが好適である。
<第2基本形態>
〔第2基本形態の装置構成等〕
第2基本形態に係る光通信システム、OLT10及びONU20の構成は、それぞれ、第1基本形態の場合(図1〜図3参照)と同様である。
一方、第2基本形態で用いる中継装置30は、上段のPON1に対して複数の「論理ONU」として振舞う。この論理ONUは、下段のPON2j(j=1,2……n)のONU20と1対1で対応するように設けられる。
中継装置30の基本的な構成要素は、第1基本形態の場合(図4)と同様である。もっとも、第2基本形態では、上りのユーザフレームのための第2上りバッファ40については、上段PONの論理ONUごとに設けられている。
そして、第2基本形態の中継装置30は、上りのユーザフレームを中継する際に、中継先のPON1において使用するLLIDを、中継元のPON2jにおいて使用されたLLIDから一意に決定する。また、第2基本形態では、図4のループ用バッファ42は不要であるが、その理由は、図11の説明のところで後述する。
〔登録シーケンス〕
図8及び図9は、第2基本形態の光通信システムにおける、ONUと中継装置内の論理ONUの登録シーケンスを示す図である。なお、図9は図8の続きである。
より具体的には、図8及び図9では、中継装置内の論理ONUをOLTに登録させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージと、ONUを中継装置に登録させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージとの関連を表している。
図8に示すように、OLTと中継装置は、それぞれ下流のPONに対してディスカバリゲートを定期的に発行する。
新たに稼動を開始したONU1は、中継装置からディスカバリゲートを受けると、その送信許可期間においてレジスタ要求を返す。中継装置は、ONU1からレジスタ要求を受けると、レジスタ(ここで開設するLLIDを「X」とする。)を返すとともに、ONU1にノーマルゲートを送る。
ONU1は、ノーマルゲートで送信許可された期間にレジスタ確認を返す。中継装置は、ONU1からレジスタ確認を受けると、当該ONU1の登録を完了させる。
中継装置は、ONU1の登録完了後に、OLTからディスカバリゲートを受けると、その送信許可期間においてレジスタ要求を返す。
このとき、レジスタ要求の送信元MACアドレスを下段PONのONU毎に変えることとし、OLTに対して新しい「論理ONU」として認識させる。
すなわち、OLTは、中継装置からレジスタ要求を受けると、レジスタ(LLID=A)を返すとともに、中継装置にノーマルゲートを送る。中継装置は、ノーマルゲートで送信許可された期間にレジスタ確認を返す。
また、中継装置は、下段PONにおけるONU1との間のLLID(=X)と上段PONにおけるLLID(=A)との対応を、前記したLLID解決テーブル36(図4参照)に記憶する。
なお、第2基本形態の場合には、上記のように、ディスカバリの際に上下段の論理リンクを1対1で対応させるので、第1基本形態の場合のように、中継装置の第2受信処理部35(図4参照)が、受信したユーザフレームの送信元MACアドレスとLLIDの対応を学習して、解決テーブル36に記録する必要はない。
また、中継装置の第2送信処理部37は、ユーザフレームのLLIDをPON回線1で用いられたLLIDを元に、解決テーブル36を参照することによって求める。
OLTは、中継装置からレジスタ確認を受けると、ONU1のための論理ONU(LLID=A)の登録を完了させる。
その後、新たにONU2が稼動を開始すると、ONU1の場合と同様のシーケンスが実行され、LLID=YのONU2が中継装置に登録される。
更に、図9に示すように、上段のPON1においても、ONU1の場合と同様のシーケンスが実行され、ONU2のための新しい論理ONU(LLID=B)がOLTに登録される。このとき、中継装置は、上段のPON1と下段のPON2jとのLLIDの1対1の対応関係を、解決テーブル36に記憶する。
中継装置は、配下のONU1,2の登録が完了すると、そのONU1,2との間の論理リンクを介してOAMリンクを確立する。
ただし、第2基本形態では、中継装置は、そのONU1,2へのOAMループバック試験を実施しない。OLTがその試験を実施するからである。また、OLTは、中継装置内の論理ONUの登録が完了すると、その中継装置内の論理ONUとの間の論理リンクを介して、OAMリンクを確立する。第2基本形態においてOLTが実施するOAMループバック試験は、図11において説明する。
〔離脱シーケンス〕
図10は、第2基本形態の光通信システムにおける、ONUと中継装置内の論理ONUの離脱シーケンスを示す図である。
より具体的には、図10では、中継装置内の論理ONUをOLTから登録解除させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージと、ONUを中継装置から登録解除させるために両者の間でやり取りされるMPCPメッセージの関連を表している。
図10に示すように、新たに稼動を停止するONU1は、図10で図示しないゲートメッセージが示す送信許可期間において、デレジスタ要求を中継装置に送る。
中継装置は、ONU1からデレジスタ要求を受けると、デレジスタを返すとともに当該ONU1の登録を解除する。
そして、中継装置は、図10で図示しないゲートメッセージが示す送信許可期間において、LLID=Aの論理リンクを介してデレジスタ要求をOLTに送る。
OLTは、LLID=Aの論理リンクからデレジスタ要求を受けると、対応するデレジスタを返すとともに、LLID=Aの論理ONUの登録を解除する。
その後、ONU2が稼動を停止する場合にも、ONU1の場合と同様のシーケンスが実行され、中継装置は、ONU2の登録を解除する。
更に、上段のPON1においても同様のシーケンスが実行され、OLTは、LLID=Bの論理ONUの登録を解除する。
〔ループバック試験のシーケンス〕
図11は、第2基本形態の光通信システムにおける、OAMループバック試験シーケンスを示す図である。
より具体的には、図11では、上段PONにおけるOAMループバック試験と下段PONにおけるOAMループバック試験との関連を表している。
図11のシーケンスの開始時においては、LLID=Aの論理リンクとその上でのOAMリンクがOLTに確立されているとする。
この場合、OLTは、LLID=AにOAMループバックの開設を要求するループバックコントロールOAMメッセージ(以下、「ループバック開設要求」という。)を送る。
中継装置1は、上段PONから上記メッセージを受けると、下段PONのONU1にループバック開設要求を送る。
ONU1は、下段PONから上記メッセージを受けると、ループ用バッファ29を経由する「OAMループバックパス」を設定し、OAMループバックパスの開設を通知するループバックコントロールOAMメッセージ(以下、「ループバック開設応答」という。)を、中継装置に返す。
中継装置は、下段PONから上記メッセージを受けると、上段PONのOLTにループバック開設応答を返すとともに、上段PONにおけるLLID=Aの論理リンクと下段PONにおけるLLID=Xの論理リンクの間のユーザフレームの疎通を解禁する。
OLTは、上記メッセージを受けると、LLID=Aの論理リンクに対してOAMループバック試験を実施する。
具体的には、OLTの制御部12は、受信処理部13にLLID=AがOAMループバック試験状態にあることを通知してから、OAMループバック試験フレーム(LLID=A)を送信処理部15に送る。そして、OLTの制御部12は、受信処理部13を経由して返ってきたOAMループバック試験フレームをチェックし、試験の良否を判定する。
その試験が完了したあと、OLTは、LLID=AにOAMループバックの解除を要求するループバックコントロールOAMメッセージ(以下、「ループバック解除要求」)を送る。中継装置は、上段PONから上記メッセージを受けると、下段PONのLLID=Xにループバック解除要求を送る。
ONU1は、下段PONから上記メッセージを受けるとループ用バッファ29を経由するOAMループバックパスを解除し、OAMループバックパスの解除を通知するループバックコントロールOAMメッセージ(以下、「ループバック解除応答」)を返す。
中継装置は、下段PONから上記メッセージを受けると、上段PONのOLTにループバック解除応答を返す。
OLTの制御部12は、上記メッセージを受けると、受信処理部13にLLID=AのOAMループバック試験状態の解除を通知するとともに、LLID=Aと上位網との間のユーザフレームの疎通を解禁する。
〔第2基本形態の効果〕
第2基本形態の中継装置30によれば、第1基本形態の場合と比べて、更に次の効果を奏する。
すなわち、第2基本形態では、中継装置30が、PON回線2の論理リンクを開設する度にPON回線1の論理リンクの開設をOLT10に要求し(図8及び図9の登録シーケンス)、PON回線2の論理リンクを切断する度にPON回線1の論理リンクの切断をOLT10に要求する(図10の離脱シーケンス)。
このため、OLT10がONU20に1対1で対応した論理リンクを管理することができ、第1基本形態の場合に比べて、ONU20ごとのきめ細かいQoS制御や、ONU20間のよりよい公平性を実現することができる。
また、第2基本形態の中継装置30によれば、上述の通り、上段PONと下段PONを連結させたOAMループバック試験を実施することができるので(図11のOAMループバック試験のシーケンス)、中継装置30の上りバッファ40や下りバッファ41に関連する障害を検出することが可能となり、光通信システムの保守性をより向上させることができる。
<多段PONにおける上り遅延時間>
図12は、第1及び第2基本形態における集中型DBAのシーケンスを示す図である。
集中型DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)とは、固定の帯域割当周期(サイクル長をToとし、各サイクルをC1,C2,……とする。)を設定しておき、OLTが、周期Toごとに、レポート収集とデータ収集をそれぞれ多くとも1回行いつつ、次のレポートとデータの送信タイミングを指示するゲートを送出するDBAのことをいう。
図12において、下向き矢印は「ノーマルゲートメッセージ」を示し、上向き矢印は「レポートメッセージ」を示し、ハッチングを付した菱形は、「ユーザデータ」(ユーザフレーム或いはデータフレームともいう。)の伝送を示している。
また、「太線」で表した矢印は、「ゲートメッセージ」或いは「レポートメッセージ」に、ユーザデータに対応した値が含まれることを示している。従って、太線のゲートメッセージは、OLT又は中継装置によるグラント(送信許可)であり、太線のレポートメッセージは、ONU又は中継装置によるリクエスト(帯域申告)である。
一般に、OLT又は中継装置が、配下の中継装置又はONUの帯域申告に基づいて動的に上り帯域を割り当てるPONでは、上りのユーザデータが中継装置又はONUに到着して自局のバッファに蓄積された時点から、そのユーザデータがOLT又は中継装置に到着してそのバッファに蓄積される時点までに、次の処理1)〜3)のために必要な「上り遅延時間」が発生する。
1)ONU又は中継装置が、ユーザデータをレポートに反映(帯域申告)
2)中継装置又はOLTが、上り帯域を動的に割り当ててゲートに反映(送信許可)
3)ONU又は中継装置が、ゲートで指示されたタイミングにユーザデータを中継装置又はOLTに送信
従って、上段PONと下段PONの上り多重アクセス制御を、OLTと中継装置がそれぞれ独立して行う多段PONにおいては、下段PONの上り遅延時間をTa、上段PONの上り遅延時間をTbとすると、図12に示すように、システム全体の上り遅延時間は(Ta+Tb)となる。
そして、OLTの集中型DBAによって発生する上段PONの上り遅延時間Tbと、中継装置の集中型DBAによって発生する下段PONの上り遅延時間Taは、それぞれ、輻輳のない場合でも2To〜3Toになる。
このため、上述の第1及び第2基本形態においてOLTと中継装置が独立して集中型DBAを行うと、ONUに届いたユーザデータがOLTに届くまでの上り遅延時間(Ta+Tb)は、輻輳のない場合でも4To〜6Toかかり、上り遅延時間が比較的長くなる。
そこで、本発明の実施形態では、中継装置が、下段PONのONUにグラントするデータ量を、そのユーザフレームがONUから自局に到達する前に、上段PONの局側装置に予めリクエスト(予約の帯域申告)しておくことにより、多段PONにおける上り遅延時間(Ta+Tb)をトータル的に短縮できるようにした。
以下、中継装置が上記の予約の帯域申告を行うことで上り遅延時間を短縮する、本発明の実施形態について説明する。
なお、G−EPONや10G−EPONにおいて、同じユーザフレーム群を対象としたとしてもレポート量(キューステータス)とグラント量(グラントレングス)は等しくならないので、中継装置は、下段PONのONUにグラントするデータ量を上段PONの局側装置にレポートする際には、適切な換算を行う。
具体的には、下段PONのONUへのグラント量に含まれるバーストオーバーヘッド時間や、レポートフレームを送信させるための時間は、上段PONの局側装置へのレポート量には反映しない。また、FEC(Forward Error Correction)パリティによるオーバーヘッド分を調整する。さらに、レポートフレーム以外の制御フレームを送信するために割り当てられたグラント量は、レポート量に反映しない。
また、ユーザフレームと制御フレームの区別を容易にするため、下段PONのONUは、両者のキューステータスを分けてレポートするようにしてもよい。
G−EPONにおけるFECはフレームFEC方式であるため、FECオーバーヘッド率はフレーム長によって多少変化する。
したがって、フレームの集合を対象としたレポート量からFECオーバーヘッド量を正確に見積もることは不可能である。平均的フレーム長を想定して換算してもよいが、フラグメントロスを少なくするという観点から、FECオーバーヘッド分を少なく見積もるようにしてもよい。
<第1実施形態>
〔第1実施形態の装置構成等〕
第1実施形態に係る光通信システム、OLT10及びONU20の構成は、それぞれ、第1基本形態の場合(図1〜図3参照)と同様である。
中継装置30の基本的な構成要素も、第1基本形態の場合(図4)と同様であるが、第1実施形態では、PON回線1の論理リンクとPON回線2の論理リンクの対応関係は任意であり、「1対多」又は「1対1」のいずれもよい。
〔上りバッファの構成及び機能〕
図13は、第1実施形態の中継装置30(基本的構成は図4と同様)に用いる、ユーザフレーム用の第2上りバッファ40の説明図である。
図13に示すように、第1実施形態の中継装置30では、第2上りバッファ40は、読み出しと書き込みの双方の「予約」が可能なリングバッファよりなり、リードポインタ40Rとライトポインタ40Wの他に、予約リードポインタ40ARと予約ライトポインタ40AWを有する。
リードポインタ40Rは、記憶領域における現時のデータの読み出し位置を示すポインタであり、予約リードポインタ40ARは、記憶領域における将来のデータの読み出し位置を予め保持するためのポインタである。リードポインタ40Rと予約リードポインタ40ARは、第1送信処理部32が管理している。
第1送信処理部32は、予約リードポインタ40ARにより、グラント受領済みの送信予定のデータ部分の読み出し位置を保持する。
ライトポインタ40Wは、記憶領域における現時のデータの書き込み位置を示すポインタであり、予約ライトポインタ40WRは、記憶領域における将来のデータの書き込み位置を予め保持するためのポインタである。ライトポインタ40Wは、第2受信処理部35が管理しており、予約ライトポインタ40AWは、制御部34が管理している。
制御部34は、下段PONに属する配下のONU20に対するDBAを行った結果、次のサイクルで上り送信するユーザフレームのバッファ量が判明すると、そのバッファ量を予約ライトポインタ40AWに保持させる。
第1送信処理部32は、PON回線1のOLT10にレポートを送信する場合、制御部34の予約ライトポインタ40AWを参照して、予約リードポインタ40ARと予約ライトポインタ40AWで囲まれた部分を、当該OLT10へのレポート対象とする。
なお、G−EPONおよび10G−EPONでは、レポート量およびグラント量には(最小)フレーム間ギャップも含めるようになっているので、第2上りバッファ40には、最小フレーム間ギャップに相当する(無効)データを含めるようにしてもよい。
あるいは、第2上りバッファ40を、レポート処理用の仮想FIFOと実際のフレームデータを格納する実FIFOの二つのFIFOに分けてもよい。仮想FIFOを表すものとしては、リードポインタ、ライトポインタ、予約リードポインタ、予約ライトポインタがあればよく、リングバッファの実体は必要ない。
一方、実FIFOは、リードポインタ、ライトポインタとリングバッファを実体とする通常のFIFOであり、フレーム間ギャップやFECパリティを除いた正味のユーザフレーム群を格納する。
この第2上りバッファ40の構成において、下段PONからユーザフレームが到着した際には、ユーザフレームデータが実FIFOに書き込まれるとともに、仮想FIFOのライトポインタがフレーム間ギャップを含めて進められる。
また、ユーザフレームを上段PONへ送信する際には、フレームデータが実FIFOから読み出されるとともに、仮想FIFOのリードポインタがフレーム間ギャップを含めて進められる。
また、下段PONへのグラント処理が行われた際には、仮想FIFOの予約ライトポインタがFECパリティ相当量を除いて進められ、上段PONからグラントを受信した際には、ユーザフレームに対応したグラント量からFECパリティ換算分を除いた分だけ、仮想FIFOの予約リードポインタが進められる。
そして、上段PONへのレポートには、仮想FIFOの予約リードポインタと予約ライトポインタの差分に、場合によってはFECパリティ換算分を加えた量が反映される。なお、10G−EPONではFECが必須であるが、レポートにはFECパリティ分を含めないことになっている。
また、G−EPONではFECがオプションであり、FECを使用する場合には、レポートにFECパリティ分を含めることになっている。
前述した通り、FECパリティ換算には誤差が生じる場合があるので、下段PONからユーザフレーム群のバースト受信が終了した後、仮想FIFOの予約ライトポインタを仮想FIFOのライトポインタと等しくなるよう校正してもよい。
同様に、上段PONへのユーザフレーム群のバースト送信が終了した後、仮想FIFOの予約リードポインタを仮想FIFOのリードポインタと等しくなるよう校正してもよい。
さらに言えば、仮想FIFOに関するポインタ類の絶対値には意味がなく、予約ライトポインタと予約リードポインタの差分が正しくトレースできればよい。何らかの原因で誤差が累積することを防ぐため、所定の条件によって、ポインタ群をリセットしてもよい。
所定の条件の一例として、下段PONからのユーザフレームに対するレポート量が数サイクルに渡ってゼロになり、それ以前に受信したユーザフレームは既に上段PONに転送し終えていることとしてよい。また、このようなポインタのリセットを前提にすると、仮想FIFOのライトポインタおよびリードポインタはなくてもよい。
〔集中型DBAのシーケンスとその効果〕
図14は、第1実施形態における集中型DBAのシーケンスを示す図である。
図14に示す第1実施形態のシーケンスでは、図12の場合と同様に、OLTと中継装置が独立して集中型DBAを行うものであり、上段PONのDBA周期と下段PONのDBA周期は同じでかつ位相も揃えられているものとする。
このように、上段PONと下段PONの位相を揃えるには、中継装置は、PON回線1のONUのMPCP時刻(ただし、ONUのMPCP時刻は、OLTのMPCP時刻に対してRTT/2だけ遅延している。)から、RTT/2だけ巻き戻した時刻を、PON回線2のOLTとして振る舞う場合の自身のMPCP時刻とすればよい。
ここで、「MPCP時刻」とは、MPCPに従う処理を行う各局のローカル時刻のことをいう。また、「RTT」(Round Trip Time)は、PON回線1におけるOLTと中継装置の間の「往復伝搬時間」である。OLTは、中継装置に、例えばOAMプロトコルを使用してRTT相当値を通知すればよい。
図14に示すように、中継装置は、例えば周期C1に、下段PONのONUからユーザデータがあることを示すレポートメッセージ(リクエスト)を受け取ると、他のONUからのレポートも勘案して、ONUへのグラント(送信開始時刻および送信時間)を決定し、その結果を、次の周期C2のゲートメッセージにてONUに指示する。
このゲートメッセージには、レポート送信を指示するグラントと、ユーザデータの送信を指示するグラントが含まれる(なお、ユーザデータを送信させない場合は、後者のグラントは省略される。)。
この際、中継装置(具体的には、中継装置の制御部34)は、ユーザデータに対する割当帯域を決定した後に、それに対応したバッファ量を第2上りバッファ40に書き込み予約する。
すなわち、中継装置の制御部34は、決定した割当帯域に対応するバッファ量だけ、第2上りバッファ40の予約ライトポインタ40AW(図13参照)を進め、中継装置の第1送信処理部32は、予約リードポインタ40ARと予約ライトポインタ40AWで囲まれた部分に相当するデータ量を、レポートに含めてOLTに予め帯域申請する。
従って、図14に示すように、周期C1に、ユーザデータ相当量を記したレポートをONUが中継装置に送信すると、周期C2において、中継装置は、ONUにユーザデータ相当量を帯域割当したゲートメッセージを送信してから、そのユーザデータをONUから実際に受信する前に、ユーザデータ相当量を反映したレポートをOLTに送信する。
その結果、周期C4の初めにユーザデータが上段PONのOLTに到着し、周期C5の始めにユーザデータが到着する図12の場合に比べて、システム全体の上り遅延時間が1周期分短くなる。
なお、本実施形態では、PON回線1の論理リンクとPON回線2の論理リンクが1対多で対応する場合、中継装置は、特定のONUだけでなく、同じ周期における配下のすべてのONUへの割当帯域に対応したバッファ量を第2上りバッファ40に予約し、それらを同じ周期のOLTに対するレポートに反映する。
一般に、集中型DBAにおいては、各ONUに対するレポート収集を集中させる(図14では、各周期C1,C2……の最後の部分)とともに、各ONUへのゲートはレポート収集後すみやかに送信される。
ただし、グラントに示す送信開示時刻との間にRTTとONUでの処理遅延分の間隔が必要である。
そこで、中継装置においては、自局がOLTとして振る舞うPON回線2のすべてのONUへの割当帯域を決定してから、自局がONUとして振る舞うPON回線1のOLTに対するレポート値を決定するまでの間に、所定の余裕時間(以下、この余裕時間を「Tm」とする。)がある。
〔第1実施形態の変形例〕
図15は、第1実施形態における変形例に係る集中型DBAのシーケンスを示す図である。
図15のシーケンスが図14のそれと異なる点は、中継装置によるPON回線2のDBAサイクルが、OLTによるPON回線1のDBAサイクルよりも所定時間(例えば、前記Tm)だけ遅らせた点にある。
かかる変形例に係るシーケンスを採用すれば、PON回線2のONUへのユーザデータの到着が上記の所定時間(例えば、Tm)を最大限として遅れた場合でも、PON回線1のOLTは、図14の場合と同じ周期でユーザデータを受信することになる。
このため、システム全体の上り遅延時間を、下段PONのDBAサイクルを遅らせる所定の余裕時間の分だけ更に短縮できるという利点がある。
更に、PON回線1の論理リンクとPON回線2の論理リンクを1対1で対応させる場合には、中継装置において、PON回線2の特定のONUへの割当帯域を決定すれば、他のONUへの割当帯域が決定されていなくても、その後に決定するPON回線1のOLTに対するレポートに、前記割当帯域の相当量を反映することができる。
このため、前記Tmをより大きく設定することが可能となり、多段PONシステムにおける上り遅延時間をさらに短縮することができる。
このように、PON回線1とPON回線2のDBA周期の位相を一致させなくても、上り遅延時間をトータル的に短縮する点において所定の効果を奏する。
従って、PON回線1のOLTは、必ずしも中継装置にRTT相当値を通知する必要はなく、中継装置は、PON回線1に想定される最大RTTを採用してもよいし、PON回線1において自局がONUとして振る舞う場合のMPCP時刻を、そのままPON回線2のOLTとして振る舞う場合のMPCP時刻としてもよい。
<第2実施形態>
〔第2実施形態の装置構成等〕
第2実施形態に係る光通信システム、OLT10及びONU20の構成は、それぞれ、第1基本形態の場合(図1〜図3参照)と同様である。
中継装置30の基本的な構成要素も、第1基本形態の場合(図4)と同様であるが、第2実施形態では、PON回線1の論理リンクとPON回線2の論理リンクの対応関係が「1対1」である場合を想定している。
また、第2実施形態の中継装置30(基本的構成は図4と同様)に用いる、ユーザフレーム用の第2上りバッファ40の構成は、図13に示す第1実施形態の構成と同様であるものとする。
〔分散型DBAのシーケンスとその効果〕
図16は、第2実施形態における分散型DBAのシーケンスを示す図である。
図16に示すように、第2実施形態では、OLT及び中継装置が行うDBAは分散型であるものとする。ここで、分散型DBAとは、すべてのONU(論理リンク)に共通なDBAサイクルを設定せず、ONU(論理リンク)毎に任意の周期(固定である必要はない)で、ゲートメッセージとレポートメッセージをやり取りするDBAのことをいう。
図16に示すように、分散型DBAの典型例では、OLTは、ゲートメッセージに一つのグラントを定義し、ONUは、そのグラントで指示された送信期間の最後にレポートメッセージを送信する。ONUは、送信期間に余裕があれば、レポートメッセージの前にユーザデータを送信する。
この場合、ONUは、受信済のグラントに対応したユーザデータを送信した後に、レポートメッセージを決定すればよいので、ONUの上りバッファ27(図3参照)及び中継装置の上りバッファ40(図4参照)において、「予約リードポインタ」を設ける必要がなくなる。
図16を参照して、レポートメッセージR21の送信前に、ユーザデータD1がONUに入力されたとすると、ONUは、ユーザデータD1相当量をレポートメッセージR21に反映する。
中継装置は、それに対応したグラントを、ゲートメッセージG22にてONUに指示する。その指示に従って、ONUは、D22で示す期間にユーザデータD1を送信し、引き続いて、レポートメッセージR22を送信する。
一方、中継装置は、ゲートメッセージG22を決定した後のレポートメッセージR11に、ユーザデータD1相当量を反映して、PON回線1のOLTに送信する。このレポートメッセージR11が、中継装置によるOLTに対する予約の帯域申告である。
OLTは、それに対応したグラントを、ゲートメッセージG12にて中継装置に指示する。その指示に従って、中継装置は、前もってONUから受信したユーザデータD1をD12で示す期間に送信し、引き続いて、レポートメッセージR12を送信する。
ここで、R11を予め送信しない通常の分散型DBAの場合には、中継装置は、ONUからユーザデータD1のデータフレームD22を受信した後のレポートメッセージR12に、ユーザデータD1相当量を反映することになる。
これに対して、第2実施形態の分散型DBAでは、中継装置がR11によってOLTに予約の帯域申告を行うので、その分だけOLTからゲートメッセージG12を受領する時期が早まり、多段PONシステムにおける上り遅延時間を短縮することができる。
ところで、典型的な分散型DBAでは、帯域の加減をDBA周期の増減で行う。
このため、図16のユーザデータD2以後のやり取りで示すように、PON回線2の特定の論理リンクのDBA周期が、PON回線1の対応する論理リンクのDBA周期より長くなり、中継装置がグラントしたユーザデータD24が実際にPON回線2から中継装置に到着する前に、そのユーザデータ相当量のデータ送信D14を、中継装置がOLTから指示されることがある。
このような場合には、中継装置は、OLTから指示された時間帯(図16のD14の時間帯)には、バッファ40に未だユーザデータD2が到着していないため、ユーザデータD2をOLTに送信できず、PON回線1の帯域が無駄使いされることになる。
かかる問題を回避するため、PON回線2におけるゲート遅延(ゲートメッセージの送信時刻とそのゲートメッセージが表すグラントの送信開始時刻の差:以下、「ONU処理時間」ともいう。)の上限(「maxTgd」とする。)と、RTTの上限(以下、「maxRTT2」とする。)を定めることが好ましい。
この場合、中継装置が、ゲートメッセージG24を送信した後に上りバッファ40に書き込み予約し、OLTが、中継装置からレポートメッセージR13を時刻Trrpに受信したとすると、そのメッセージR13に応じて帯域割当する上りのデータフレームD14を、次の式で算出される送信可能時刻以降に受信するように、ゲートメッセージG14にて指示するグラントを決定すればよい。
送信可能時刻=Trrp+maxTgd+maxRTT2
なお、上記のmaxTgd(又は/及びmaxRTT2)は、PON回線2に含まれる論理リンクごとに設定するようにしてもよい。
このように、OLTが、ユーザデータD2に対応するデータフレームD14を上記送信可能時刻以降に受信するように、中継装置にグラントするようにすれば、ユーザデータD2が未到着の中継装置にOLTがそのユーザデータD2の送信許可を行うことに伴う、PON回線1の帯域の無駄使いを未然に防止できるようになる。
また、OLTが、上記送信可能時刻以降にユーザデータD2に対応するデータフレームD14を受信するように、中継装置にグラントする方法の場合には、既存のPONの通信規約を変更しなくても、PON回線1の帯域の無駄使いを防止できるという利点もある。
〔第2実施形態の変形例〕
第2実施形態において、PON回線1の帯域の無駄使いを防止する別の手段として、中継装置が、PON回線1のOLTに送信するレポートメッセージR13(予約の帯域申告)に、そのレポートメッセージR13に記されたキュー状態が実現される時刻(以下、「キュー完成時刻」とする。)を併せて送信することにしてもよい。
この場合、PON回線1のOLTは、レポートメッセージR13に対応したゲートメッセージG14を、所定条件が満たされるようにすればよい。
この所定条件とは、OLTがゲートメッセージG14によってグラントする送信開始時刻が、レポートメッセージR13にて中継装置から通知されたキュー完成時刻を超えることである。
このように、中継装置が、予約の帯域申告の際にキュー完成時刻を併せて申告し、OLTが、中継装置から申告されたキュー完成時刻以降に、中継装置から申告されたデータ量に応じた送信許可を与えるようにすれば、PON回線1での帯域の無駄使いを未然に防止しつつ、多段PONシステム全体の上り遅延時間を短縮することができる。
なお、上述の例では、キュー完成時刻を、予約の帯域申告のためのレポートメッセージR13そのものに含める場合を例示したが、キュー完成時刻を格納する上りフレームはそれに限られない。
例えば、レポートメッセージR13にほぼ連続して時刻通知用の別のメッセージを中継装置がOLTに送信することとし、その別のメッセージに、キュー完成時刻を含めることにしてもよい。
第2実施形態の変形例に係る発明を、別の観点から述べると次の通りである。
すなわち、本発明は、一般に、「ポーリング方式」の多重アクセス制御を採用する通信網(PONや後述のCDNなど)を、中継局を介して多段に接続した通信システムに適用可能である。ここで「ポーリング方式」とは、親局が子局に送信したい情報量を申告させてから、送信を許可する方式のことを言う。
本発明の中継局は、上位網である第1通信網(多段PONにおける「上段PON」)では子局として機能し、下位網である第2通信網(多段PONにおける「下段PON」)では親局として機能するものであり、第1通信網に送信したい情報量に加えて、その情報が自局にて実際に完成する時刻情報(以下、「情報完成時刻」という。)についても、第1通信網の親局に申告する。
本発明の親局は、上位網である第1通信網(多段PONにおける「上段PON」)の親局として機能するものであり、第1通信網において子局として機能する中継局に送信許可する時刻が情報完成時刻以後になるよう、多重アクセス制御する。
このようにすれば、実際の情報伝送が行われる前に多重アクセス制御を無駄なく実施できるので、通信システム全体の伝送遅延時間を短縮することができる。
また、本発明は、2つ以上の中継局を多段に接続した通信システムであってもよい。
この場合、中継局は、情報完成時刻を含む情報量を下位網の中継局又は子局から申告された場合、下位網の中継局又は子局に送信許可する時刻が情報完成時刻以後になるよう、下位網への多重アクセス制御を行い、自身が子局として動作する上位網に対しては、下位網に送信許可した時刻を情報完成時刻として情報量を申告する。
<第3実施形態>
〔システムの全体構成〕
図17は、第3実施形態に係る通信システムの接続形態を示す図である。
図17に示すように、第3実施形態の通信システムでは、上段ネットワークは光ファイバを使用したPON(具体的にはGE−PON)よりなり、下段ネットワークは、同軸ケーブル(Coax)を使用したCDN(Coaxial Distribution Network )よりなる。
一般に、CDNは、局側装置であるCLT(Coax Line Terminal)と、宅側装置である複数のCNU(Coax Network Unit )を分岐した同軸ケーブルにて1対多に接続したネットワークよりなる。
そこで、第3実施形態の通信システムでは、中継装置30がCLTとして振る舞う下段ネットワークにおいて、同軸ケーブル154が、CATVの分配器155を介して複数の支線156に分岐しており、その支線156にCNU120が接続されている。
従って、CLTとして振る舞う中継装置30が送出する下り方向の電気信号(電磁波)は、各支線156に分配されるとともに、各CNU120が送出する上り方向の電気信号(電磁波)は、CLTとして振る舞う中継装置30のみに送られる。
電気信号は、OFDMキャリアを多値QAM変調されたものであるが、これに限定されず、公知の変調技術を使用してもよい。このとき、下り信号と上り信号のキャリア周波数帯を変えて、周波数多重することが好ましい。
かかるCDNシステムにおいても、CNU120の登録や上り方向の多重アクセス制御を行うために、MPCPが使用される。すなわち、CDNとPONは、伝送媒体こそ異なるものの、システム内の論理的な動作は同じになるので、本発明を適用できる。
なお、CDNにおける下り信号と上り信号の多重方式に関して、同じキャリア周波数を用いた時分割複信(TDD)モードとしてもよい。この場合、下り方向に割り当てられた期間には上り通信しないように、上り多重アクセス制御を行えばよい。
図17の第3実施形態に示すように、本発明に係る多段構成の通信システムは、中継装置30が上り多重アクセス制御を行う下段側の第2回線は、必ずしもPON回線である必要はなく、CDN回線であってもよい。
また、図17の第3実施形態において、上段側の第1回線についても、CDN回線で構成されていてもよいし、上段及び下段の双方に、その他の通信回線(無線回線であってもよい。)を用いるシステムであってもよい。
第3実施形態において、下段側のCNU120の構成は、ONU20の構成を示す図3において、「PON回線2」をCDN回線に読み替え、「PON送受信部」を「CDN送受信部」に読み替えた構成となる。
CDN送受信部21は、CDN回線から受信した変調された電気信号をベースバンド信号に復調し、受信処理部23に出力するとともに、送信処理部22から入力されるベースバンド信号を変調してCDN回線に出力する。
また、第3実施形態において、下段システムのCLTとして動作する中継装置30(以下、「PC中継装置」と呼ぶ。)の構成は、PON間の中継装置30の構成を示す図4において、「PON回線2」を「CDN回線」に読み替え、「第2PON送受信部」を「第2CDN送受信部」に読み替えた構成となる。
また、PC中継装置30の第2CDN送受信部38は、CDN回線から受信した変調された電気信号をベースバンド信号に復調し、第2受信処理部35に出力するとともに、第2送信処理部37から入力されるベースバンド信号を変調してCDN回線に出力する。
なお、図17では図示していないが、第3実施形態において、上段システムをCDNとする場合の、上段システムのCLTの構成は、OLT10の構成を示す図2において、「PON回線1」を「CDN回線」に読み替え、「PON送受信部」を「CDN送受信部」に読み替えた構成となる。
CDN送受信部16は、CDN回線から受信した変調された電気信号をベースバンド信号に復調し、受信処理部13に出力するとともに、送信処理部15から入力されるベースバンド信号を変調してCDN回線に出力する。
なお、図17に示すように、CDN回線の同軸ケーブル154の途中に、電気信号を増幅するための増幅器を介在させてもよい。
<その他の変形例>
本発明の権利範囲は、上述の基本形態や実施形態(変形例を含む。)ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びその構成と均等な範囲内のすべての変更が含まれる。
以下、上述の基本形態についての幾つかの変形例を例示するが、これらの変形例は、上述の実施形態にも適用可能である。
上述の基本形態では、上段PON(PON1)が上り下り双方の伝送レートが10Gである対称10G−EPONであり、下段PONがG−EPONになっているが、上段PON(PON1)が対称10G−EPONであり、下段PONが下りの伝送レートが10Gであり上りの伝送レートが1Gである非対称10G−EPONであってもよい(第1変形例)。また、上段PON(PON1)が非対称10G−EPONであり、下段PONがG−EPONであってもよい(第2変形例)。
例えば、上記第1変形例の場合には、中継装置30の上りバッファ40により、第1PON送受信部31と第2PON送受信部38との間の上りの伝送レートの差を吸収すればよい。
また、上記第2変形例の場合には、中継装置30の下りバッファ41により、第1PON送受信部31と第2PON送受信部38との間の下りの伝送レートの差を吸収すればよい。
上述の基本形態では、一つのONU20には下段PONの一つの論理リンクを対応づけており、複数のサービスクラスを想定する場合であっても、一つの論理リンク内にサービスクラスに対応づけられた複数のキューを構成することを前提とした。
しかし、一つのONU20に対してもサービスクラスに対応づけられた複数の論理リンクを構成するようにしてもよい。
このような一つのONU20に複数の論理リンクを想定した場合は、上述の第1基本形態においては、同じサービスクラスに属する論理リンクについて、それぞれ、PON回線1の論理リンクとPON回線2の論理リンクとを1対多で対応させることにすればよい。
同様に、上述の第2基本形態においては、同じサービスクラスに属する論理リンクについて、それぞれ、PON回線1の論理リンクとPON回線2の論理リンクとを1対1で対応させることにすればよい。
また、上述の基本形態の中継装置30において、上段PON(PON1)の特定波長を装置内で分離して、光信号のまま下段PONに合波する別経路を設けてもよい。
このとき、光アンプ等により光パワーを増幅させてもよい。特定波長は、OTDR試験や映像信号の放送などに使用できる。
また、上述の基本形態では、下段PONをG−EPONとしたが、10G−EPONを併用したデュアルレートPONを下段PONに採用してもよい。この場合、G−EPONのONU20と10G−PONのONU20が同一の下段PONに共存するので、中継装置30は、登録されたONU20のタイプに応じて使用レートを決定することになる。
更に、上段PONとして10G−EPONの送受信手段に加えて、G−EPONの送受信手段を中継装置30に設け、あるいは10G−EPONの送受信手段がG−EPONの送受信機能も備え、設定により一方を動作させるにようにしてもよい。
下段PONのデュアルレート対応と併せて、中継装置30は、本発明の動作に加えて、G−EPONの中継装置として、或いは10G−EPONの中継装置として動作することになり、中継装置としての適用領域が拡大する。
また、上述の基本形態では、中継装置30は上段PON(PON1)に対する制御フレームの処理と、下段PONに対する制御フレームの処理を一つの制御部34が実行している。
更に、上述の基本形態では、登録、離脱及びOAMループバック試験に関して、上段PON(PON1)と下段PONの制御メッセージを関連させる例を示したが、その他に、ONU20の「スリープ制御」、「暗号鍵の通知や更新」、「ONU管理」などにおいても、制御メッセージを関連させてもよい。
例えば、上述の第1基本形態においてスリープ制御を行う場合には、中継装置30がOLT10からスリープ指示を受けると、その中継装置30は、送信データがないことを条件として、配下のONU20にスリープ指示を送信し、すべてのONU20から肯定的なスリープ応答が得られた場合に、自装置のスリープ応答をOLT10に返すようにすればよい。
この場合、ONU20の下段PONへの送信動作をスリープさせることができ、ONU20の省電力化を図ることができる。さらに、すべてのONU20がスリープする場合は、中継装置30の上段PONへの送信動作をスリープさせることができ、中継装置30の省電力化を図ることができる。
また、上述の第2基本形態においてスリープ制御を行う場合には、中継装置30は、OLT10からのスリープ指示を対応する論理リンクに中継し、ONU20からのスリープ応答の許否結果をそのままOLT10に報告することとし、配下のONU20のスリープ時間の重複時間で自身のスリープ動作を行うようにすればよい。
この場合、ONU20の下段PONへの送信動作だけでなく、下段PONからの受信動作もスリープさせることができ、ONU20の省電力効果をより向上することができる。さらに、すべてのONU20のスリープが重複した期間においては、中継装置30の上段PONへの送信動作だけでなく、上段PONからの受信動作もスリープさせることができ、中継装置30の省電力効果をより向上することができる。
また、上述の基本形態において、中継装置30は複数の下段PONを備えてもよい。この場合、LLID解決テーブル36は下段PONとそのPONにおけるLLIDを一体として解決するようにすればよい。
10 局側装置(OLT:親局装置)
20 宅側装置(ONU:子局装置)
30 中継装置
31 第1PON送受信部(第1送受信部)
32 第1送信処理部(中継処理部)
33 第1受信処理部(中継処理部)
34 制御部
35 第2受信処理部(中継処理部)
36 LLID解決テーブル
37 第2送信処理部(中継処理部)
38 第2PON送受信部(第2送受信部)
39 第1上りバッファ(制御フレーム用)
40 第2上りバッファ(ユーザフレーム用)
41 下りバッファ
42 ループ用バッファ

Claims (9)

  1. 上段の第1回線に対する信号の送受信を行う第1送受信部と、
    下段の第2回線に対する信号の送受信を行う第2送受信部と、
    前記第1送受信部が受信した下りフレームを前記第2送受信部に中継し、前記第2送受信部が受信した上りフレームを前記第1送受信部に中継する中継処理部と、
    前記第1送受信部が前記第1回線の局側装置に送信する前記上りフレームの送信については、前記局側装置が行う上り多重アクセス制御に従い、前記第2送受信部が前記第2回線の宅側装置から受信する前記上りフレームの受信については、独自に上り多重アクセス制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第2回線の前記宅側装置に送信許可するデータ量を、そのデータが前記第2送受信部に到着する前に前記第1回線の前記局側装置へ申告することを特徴とする中継装置。
  2. 前記中継処理部は、上りのデータをバッファリングする上りバッファを有し、
    前記制御部は、前記宅側装置に送信許可するデータ量を決定した後、そのデータ量を前記上りバッファに書き込み予約し、書き込み予約したバッファ量に基づいて前記局側装置へ申告するデータ量を求める請求項1に記載の中継装置。
  3. 集中型DBAを行う前記局側装置に接続され、当該集中型DBAと周期が同じで位相が揃えられている集中型DBAを行う請求項1又は2に記載の中継装置。
  4. 集中型DBAを行う前記局側装置に接続され、当該集中型DBAと周期が同じで位相が所定の余裕時間だけ遅らせてある集中型DBAを行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の中継装置。
  5. 分散型DBAを行う請求項1又は2に記載の中継装置と接続される、分散型DBAを行う局側装置であって、
    前記第1回線におけるある論理リンクから受信した帯域申告に応じて割り当てる帯域の受信開始時刻を、前記帯域申告の受信時刻値と、前記第2回線におけるゲート遅延の上限値と、前記第2回線の往復伝搬時間の上限値とに基づいて決定する局側装置。
  6. 親局装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第1通信網と、
    中継装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第2通信網とが、前記中継装置を介して接続された通信システムであって、
    前記中継装置は、前記第2通信網において送信許可するデータ量を、そのデータが自局に到着する前に前記親局装置へ申告することを特徴とする通信システム。
  7. 親局装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第1通信網と、
    中継装置がポーリング方式の多重アクセス制御を行う第2通信網とが、前記中継装置を介して接続された通信システムであって、
    前記中継装置は、前記親局装置に所定のデータ量を申告する場合に、その申告するデータ量が実際に充足する時刻を表す情報完成時刻を加えて申告し、
    前記親局装置は、前記中継装置から申告されたデータ量に応じた送信許可を、前記情報完成時刻以降に割り当てることを特徴とする通信システム。
  8. 第1通信網の親局装置が中継装置に対してポーリング方式の多重アクセス制御を行い、前記中継装置が第2通信網の子局装置に対してポーリング方式の多重アクセス制御を行う通信方法であって、
    前記中継装置は、前記第2通信網において送信許可するデータ量を、そのデータが自局に到着する前に前記親局装置へ申告することを特徴とする通信方法。
  9. 第1通信網の親局装置が中継装置に対してポーリング方式の多重アクセス制御を行い、前記中継装置が第2通信網の子局装置に対してポーリング方式の多重アクセス制御を行う通信方法であって、
    前記中継装置は、前記親局装置に所定のデータ量を申告する場合に、その申告するデータ量が実際に充足する時刻を表す情報完成時刻を加えて申告し、
    前記親局装置は、前記中継装置から申告されたデータ量に応じた送信許可を、前記情報完成時刻以降に割り当てることを特徴とする通信方法。
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