JP5541248B2 - 電子部品製造用粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品製造用粘着テープに係り、より詳細には、電子部品製造用粘着テープを密封樹脂封止工程以後に、追加的な加熱工程なしに常温でのディテーピングが可能であり、また、ラミネーション工程条件の要求特性をいずれも満足させ、既存の電子部品の製造工程に使われた粘着テープの粘着剤残渣及び密封樹脂漏れの限界を改善しうる電子部品製造用粘着テープに関する。
現代生活で携帯用機器(携帯電話、ラップトップコンピュータ、DVD/CD/MP3再生機、PDAなど)の使用が増加するにつれて、機器の小型化及び軽量化が必須的である。それにより、携帯用機器に使われる半導体パッケージの小型化と薄型化とが最優先の課題となった。既存の半導体は、延び出したリードを通じて回路基板と連結される表面実装パッケージ方式(gull−wingまたはQFP(quad−flat−package))を使ったが、このような要求特性に限界点を表わしている。特に、数GHzの高周波を使う携帯用通信機器の場合、半導体装置の誘電損失による発熱反応で、その性能及び効率が落ちる問題がある。
最近、このような半導体の要求特性に合わせてリードのないQFN(quad flat no−lead package)方式の需要が急上昇している。QFNの場合、リードが長く延出しておらず、ダイ周りにランド状にパッケージ底側に露出されていて、直ちに回路基板への半田付け(soldering)が可能である。これにより、リードを有した形態のパッケージより顕著に小さくて薄く製造し、回路基板で占める面積も既存に比べて約40%程度減少する効果がある。発熱面においても、チップを載せたリードフレームが密封樹脂によって積層されている既存の方式と差別されて、リードフレームがパッケージの底にあり、ダイパッドが外部にすぐ露出されていることで放熱に優れている。これにより、リードが出ているパッケージに比べて、電気的特性に優れ、自体インダクタンスが半分にしかならない。
このように、パッケージ底にリードフレームと密封樹脂の表面とが共存する界面が生じることで、一般的な金属モールディング枠の利用時に、密封樹脂がリードフレームとモールディング枠との間に染み込んでランド部の表面やダイパッドの表面を樹脂で汚染させる問題を発生させる。これにより、必須的に粘着テープを使ってリードフレームにラミネーション(lamination)させた後、QFN製造工程及び樹脂封止工程を経ることで樹脂工程の間に密封樹脂のブリードアウト(bleed−out)やフラッシュ(flash)を阻むことができる。
一方、一般的に半導体装置の製造工程は、粘着テープをリードフレームの片面に接着するテーピング工程(tape lamination)、リードフレームのダイパッドに半導体素子を接着するダイ接着工程(die attach)、半導体素子とリードフレームのランド部とを電気的に連結するワイヤボンディング工程(wire bonding)、ダイ接着工程とワイヤボンディングされたリードフレームをモールディング枠内で密封樹脂を使って封止する密封樹脂封止工程(EMC molding)、半島体用粘着テープを封止されたリードフレームから取り外すディテーピング(detaping)工程で構成されている。
前記のように、半導体装置の製造工程に使われる粘着テープの要求特性を総合的に要約すれば、各ラミネートのラミネーション方式に合わせて、テープが、外観上気泡の形成なしにリードフレームに密着されなければならず、ダイ接着性やワイヤボンディング性に優れると言及された温度範囲及び工程時間の間に、テープが物理的・化学的変化があってはならない。言い換えれば、アウトガス(outgas)のような形態で粘着剤層の一部が抜け出して、半導体装置の素子表面に吸着されて、結合されなければならない界面の結合力を低下させてはならない。また、テープの寸法の変動が生じるか、粘着剤層の物理的特性である弾性係数あるいは粘度のような値が、極端的に変化して、粘着剤層が流れてしまうか、あまりにも硬度が高くなって砕けられることは、半導体装置の信頼性を保持しにくくする。密封樹脂封止工程の間には、テープがリードフレームに密着された状態をよく保持して、その界面の間に密封樹脂が侵透して、リードフレームの表面を汚染させてはならない。もちろん、ディテーピング工程後に、デフラッシュ(deflash)工程の追加が可能であるが、究極的には、追加洗浄工程のないことが効率及び経済的に勧奨される。ディテーピング後の密封樹脂の表面状態は、密封樹脂の当初のデザイン意図どおりに具現されるように、粘着剤と密封樹脂との間に特異な反応があってはならず、粘着剤が表面に残っていてはならない。また、リードフレームの表面にも、粘着剤の残渣があってはならない。
前記テーピング工程では、ラミネートを使って粘着テープを銅あるいはPPF(Pre−Plated Frame)リードフレームに粘着させるが、ラミネートの種類及び方式によって要求される粘着テープの特性が変わる。ローラー(roller)を使う場合、ホットプレス(hot press)を使う場合、二つの場合の混合型、そして、リードフレームのDam bar部分のみをプレスする場合などに分けられる。各方式によって粘着剤層は、リードフレームによく密着されねばならず、粘着テープがラミネーションされたリードフレームの取り扱い過程でも、デラミネーション(delamination)がない程度の粘着力を保持していなければならない。
本発明では、前記のようなテープの要求特性を満足させながら、ライネーションの方式中でも、ホットプレスを使ってラミネーションを行うラミネートに適した粘着剤層の開発に細部目的がある。この場合、粘着剤層が常温でラミネート構成要素の一般的な材質であるステンレススチール(STS)種類の材質に対して粘着力が全然なく、一定の熱と圧力とが加えられた時にのみ粘着力が具現されて、リードフレームに接着されなければならない。
ディテーピング工程では、テープが除去された後に、密封樹脂の表面やリードフレームの面に粘着剤の残渣が残っていてはならない。
従来のフェノキシ樹脂を使った粘着剤の場合には、密封樹脂封止工程以後に、フェノキシと密封樹脂との間に親和力によって、二界面間の接着力が非常に増加する。結局、常温でのディテーピング工程の間に粘着剤と密封樹脂との高い接着力によって、テープが破れるか、密封樹脂の表面に粘着剤の残渣問題が発生する。ディテーピング工程で密封樹脂の表面やリードフレームの面に粘着剤の残渣問題を解決し、より容易にテープを除去するために、加熱が可能な自動化された機械を使う場合がある。機械を使う場合は、密封樹脂封止工程を経たテープが接着されているリードフレームをオーブンやホットプレート(hot plate)を通過しながら、テープが除去されうる適切な温度で加熱された状態で粘着剤層がある程度流動性を付与した後に、テープを除去する。しかし、このような追加的な加熱ディテーピング工程は、作業の効率性及び経済性を落とす問題点がある。
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、電子部品製造用粘着テープを密封樹脂封止工程以後に、追加的な加熱工程なしに常温でのディテーピングが可能な電子部品製造用粘着テープを提供することである。
また、本発明の他の目的は、ラミネーション工程条件の要求特性をいずれも満足させ、既存の電子部品の製造工程に使われた粘着テープの粘着剤残渣及び密封樹脂漏れの限界を改善しうる電子部品製造用粘着テープを提供することである。
本発明の前記及び他の目的と利点は、望ましい実施例を説明した下記の説明からより明白になる。
前記目的は、耐熱基材と、前記耐熱基材上に粘着剤組成物が塗布された粘着剤層とを含む電子部品製造用粘着テープであって、前記粘着剤組成物は、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂用熱硬化剤、エネルギー線硬化型アクリル化合物及び光開始剤を含み、前記粘着剤層は、熱硬化及びエネルギー線によって硬化されたことを特徴とする電子部品製造用粘着テープによって達成される。
ここで、前記耐熱基材は、厚さ5〜100μm、ガラス転移温度110〜450℃であり、100〜200℃での基材の熱膨張係数は1〜35ppm/℃であり、常温弾性率が1〜10GPaであることを特徴とする。
望ましくは、前記フェノキシ樹脂は、フェノキシ樹脂または変性フェノキシ樹脂であり、重量平均分子量が、1,000〜500,000であることを特徴とする。
望ましくは、前記粘着剤組成物のガラス転移温度は、80〜150℃であることを特徴とする。
望ましくは、前記エネルギー線硬化型アクリル化合物は、少なくとも一つ以上の炭素二重結合を分子内に有している樹脂であることを特徴とする。
望ましくは、前記粘着剤組成物は、前記フェノキシ樹脂100重量部に対して、前記アクリル樹脂0.1〜10重量部、前記フェノキシ樹脂用熱硬化剤5〜20重量部、及び前記エネルギー線硬化型アクリル化合物5〜30重量部を含み、前記光開始剤は、前記エネルギー線硬化型アクリル化合物100重量部に対して、0.5〜10重量部を含むことを特徴とする。
本発明によれば、電子部品製造用粘着テープを封止されたリードフレームから除去するディテーピング工程で、加熱工程なしに常温で粘着テープを容易に除去することができる。また、本発明は、粘着剤層が常温で粘着力を有さないが、加熱ラミネーション工程中にのみ粘着力が発現されて、リードフレームにラミネーションを可能にし、粘着剤層の追加的な光硬化による部分的相互浸透網状構造を形成して、半導体装置の製造工程中に粘着テープが露出される熱履歴に対して向上した耐熱性を有し、半導体装置の製造中、装置の信頼性向上に助けになり、封止材料の漏れを防止し、工程完了後、テープが除去される時にリードフレームや封止材料に粘着剤の残渣を防止することができる。
以下、本発明の実施例を参照して、本発明を詳しく説明する。これら実施例は、単に本発明をより具体的に説明するために例示的に提示したものであって、本発明の範囲が、これら実施例によって制限されないということは、当業者に自明である。
本発明による電子部品製造用粘着テープは、半導体装置の製造工程に必要であり、それによる要求特性を満足させるマスキング(masking)用粘着テープに関するものであって、リードフレームのような金属類に優れた接着力を有し、耐熱性も卓越な熱可塑性のフェノキシ樹脂を主材として使う。リードフレームに対する優れた密着性及び接着性で密封樹脂のブリードアウトやフラッシュがなく、硬化度を調節することによって、リードフレームに粘着力が発現される温度も調節可能である。また、添加された光硬化樹脂のエネルギー線照射による追加的な架橋構造形成で向上した凝集力でディテーピング後に、リードフレームや密封樹脂の表面に残る粘着剤の残留問題を解決する。
また、本発明で、前記電子部品製造用粘着テープは、半導体パッケージング工程を例として記述しているが、これに限定されるものではなく、各種電子部品の高温製造工程上にマスクシートでも適用できるということはいうまでもない。
本発明による電子部品製造用粘着テープは、耐熱基材と、前記耐熱基材上に粘着剤組成物が塗布された粘着剤層とを含む電子部品製造用粘着テープであって、前記粘着剤組成物は、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂用熱硬化剤、エネルギー線硬化型アクリル化合物及び光開始剤を含み、前記粘着剤層は、熱硬化及びエネルギー線によって硬化されたことを特徴とする。
本発明による電子部品製造用粘着テープで粘着剤組成物が塗布されて粘着剤層を形成する基材は、耐熱性に優れた高分子フィルムが使用可能である。このような耐熱基材の場合、フィルム形態で加工が可能であり、十分な耐熱性をもって前記温度範囲及び時間の間に物理−化学的変化があってはならない。また、このような耐熱基材としては、5%重量減少になる温度が少なくとも300℃以上であることが望ましく、100〜200℃での熱膨張係数が、1〜35ppm/℃程度であることが望ましい。ガラス転移温度も110〜450℃であるフィルムが望ましい。安定して優れた高温耐熱性は、高温ラミネーション時に基材の平坦度を保持して、均一なラミネーションを可能にし、高いワイヤボンディング性を保証することができる。高温でも保持されるフィルムの寸法安定性は、樹脂封止工程の間にもモールディング枠で変形がなくて、樹脂の漏れを抑制することができる。追加的に弾性率は、常温で1〜10GPaであり、100〜300℃範囲内でも、100〜5000MPaを保持することが望ましい。弾性率があまりにも低いか、折れ現象が激しい基材フィルムを使った場合、テープの取り扱い過程、テープをラミネーション装備にローディング(loading)する過程、テープが装備にフィーディング(feeding)される過程で発生しうるシワが残って、今後ラミネーション不良(部分delamination)を引き起こし、不均一なワイヤボンディング性及び樹脂ブリードアウトを起こしうる。このような要求特性を満足させる基材としては、耐熱性高分子フィルムが適用可能であり、耐熱ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルイミドなどに加工されたフィルムを例として挙げられる。
また、前記基材フィルムの厚さは、特別な制限がなく、ラミネーション装備及び樹脂封止装備の適用限界によって決定される。一般的に、5〜100μmが望ましいが、外力によるシワ現象を抑制し、適切な耐熱性を保持して取り扱いしやすくするためには、10〜40μmがさらに望ましい。必要に応じて、粘着剤と基材フィルムとの接着力を向上させるために、サンドマット処理、コロナ処理、プラズマ処理及びプライマー処理も可能である。
また、本発明による電子部品製造用粘着テープの粘着剤層は、耐熱性に優れ、粘着力に優れた熱可塑性フェノキシ樹脂を主材とし、フェノキシ樹脂用熱硬化剤とフェノキシ樹脂との過多硬化収縮を調節しながら、耐熱性を保存するための光硬化樹脂(エネルギー線硬化型アクリル化合物)及び、そのための光開始剤を含む。また、フェノキシ樹脂と封止樹脂との急激な接着力の上昇を防止するために、アクリル樹脂を含む。
前記主材としての熱可塑性樹脂であるフェノキシ樹脂の種類としては、ビスフェノールA型フェノキシ、ビスフェノールA型/ビスフェノールF型フェノキシ、ブローム系フェノキシ、リン系フェノキシ、ビスフェノールA型/ビスフェノールS型フェノキシ及びカプロラクトン変性フェノキシなどを例に挙げることができるが、その中でも、特に、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂が、耐熱性、親環境性、硬化剤常用性、硬化速度側面で優れているのでさらに望ましい。また、前記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、1,000〜500,000であることが望ましく、この場合、内部凝集力の増加による耐熱性向上でディテーピング時に粘着剤残渣の問題を最小化できる。分子量が1,000未満である場合、内部凝集力が劣って要求される耐熱特性が具現されず、分子量が500,000を超過する場合、高粘度から来る作業性の低下や、コーティング後にもコーティング面上が不均一になりうる問題点があり、他の原料との混合性が調節されにくい。
また、前記フェノキシ樹脂を溶解することができる有機溶媒の種類には、ケトン系、アルコール系、グリコールエーテル系、エステル系がある。その中から幾つかの例としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールアルキルエーテル、フェノキシプロパノール、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、テトラヒドロフラン、N−メチルビロリドンなどを、単独あるいは2種以上混合して使うことができる。有機溶媒を使う場合には、有機溶媒100重量部に対して、フェノキシ樹脂5〜40重量部が適当し、20〜35重量部がさらに望ましい。必要に応じて、コーティング不良及び基材フィルムとの接着力を高めるために、トルエン、キシレン、アロマティック100、ヘキサンのような芳香族炭化水素類溶媒を希釈剤として添加することができる。希釈剤の量は、溶媒に比べて40%を超えないようにする。
また、前記フェノキシ樹脂は、適当な架橋剤を添加しても使用が可能であるが、架橋剤あるいは硬化剤としては、水酸基を機能基として有している樹脂を硬化させることができるものであれば、いずれも可能である。メラミン、ウレアホルムアルデヒド、イソシアネート官能性予備重合体、フェノール硬化剤、アミノ系硬化剤などが挙げられる。前記フェノキシ樹脂用熱硬化剤の量は、フェノキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜40重量部が望ましく、5〜20重量部がさらに望ましい。硬化剤の量があまりにも小さくて(<5重量部)十分ではない架橋構造が形成される場合には、粘着剤層が柔らかくなって(相対的なガラス転移温度の減少及び損失弾性率増加)、ラミネーション時にリードフレームが粘着剤層であまりにも深く浸透し、リードフレームによって押された粘着剤がリードフレームのダイパッドやランド部の周りに上がって、樹脂密封工程時に密封樹脂とリードフレームとの間に挟まれて、ディテーピング時に粘着剤の残渣を生じさせうる。また、硬化剤量があまりにも多い場合(>20重量部)には、粘着剤層の粘着力と濡れ性とがあまりにも落ちて、デラミネーション問題を起こし、過度に増加した強度によってラミネーション過程で粘着剤層が砕けられる問題を引き起こせ、追加的に基材フィルムに粘着剤塗布後、乾燥及び硬化過程の間に過度な硬化収縮でテープが反ってしまう問題を発生させて、ラミネーション作業性が落ちることができるためである。
また、前記フェノキシ樹脂の架橋構造に追加的な架橋構造を形成するエネルギー線硬化型アクリル化合物(樹脂)は、炭素−炭素二重結合を有したアクリル高分子、アクリルオリゴマー、アクリルモノマーなどが可能であり、少なくとも一つ以上の不飽和結合を有している。このアクリル基は、自由ラジカル反応を通じて架橋構造を形成する官能基として作用するが、その数によって、反応性、架橋構造、及び硬化度の調節が可能である。官能基の数が増えるほど反応(架橋)速度が増加し、ガラス転移温度が増加し、耐熱性が増加するが、粘着剤層の柔軟性と粘着力とが減少する短所がある。適切な官能基数を有したアクリル樹脂を選択するにおいても、フェノキシ樹脂を硬化させる熱硬化剤の選択と同様に、粘着力と硬直性との間の均衡を合わせることを使わなければならない。このようなエネルギー線硬化に使われるアクリル化合物の例としては、エポキシアクリレート、アロマティックウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリルアクリレートなどがあり、単独あるいは2種以上の相異なるオリゴマーの組合わせでも使用が可能である。また、各種類のオリゴマー中でも、官能基の数によっても選択が可能であり、2〜9程度の官能基を有したオリゴマー使用が可能である。高い硬化密度を通じる粘着剤層の凝集力、強度、ガラス転移温度の増加で優れたワイヤボンディング性及びディテーピング時に、粘着剤層が、密封樹脂の表面とリードフレームとに残ることを抑制するためには、6〜9程度の官能基を有したオリゴマーが望ましい。このようなエネルギー線硬化型アクリル化合物の含量は、フェノキシ樹脂100重量部に対して、1〜40重量部を添加し、望ましくは、5〜30重量部の比率で使われる。
また、前記エネルギー線硬化型アクリル化合物のエネルギー線による硬化の開始に使われる光開始剤には、ベンゾフェノン系、チオサントン系、αヒドロキシケトン系、αアミノケトン系、フェニルグリオキシルレート系、アクリルホスファン系などがある。光開始剤は、単独で使用可能でもあるが、粘着剤層の厚さやエネルギー線の強さなどによって均一な架橋構造の形成のために、光開始剤の効率及び特性によって2種以上を混合して使う。このような光開始剤の含量は、前記エネルギー線硬化型アクリル化合物の100重量部に対して、0.5〜10重量部、望ましくは、1〜5重量部の比率で使われる。
最後に、前記アクリル樹脂としては、水酸基、カルボキシ基またはエポキシ基を含有しうる。アクリル樹脂は、アクリロニトリル、ブチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレート、メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリルメタクリレートなどのモノマーの単独あるいは2種以上の共重合を通じて得られうる。また、前記のアクリル樹脂の重量平均分子量は、100,000〜3,000,000であることが望ましい。このようなアクリル樹脂の含量は、前記フェノキシ樹脂の100重量部に対して、0.1〜10重量部、望ましくは、0.5〜5重量部の比率で使われる。この際、アクリル樹脂の含量を前記フェノキシ樹脂の100重量部に対して、0.1重量部未満を使う場合には、常温でのディテーピング工程の間に密封樹脂との高い接着力によってテープが破れる問題が発生し、10重量部を超過する場合には、粘着剤と密封樹脂との接着力以外にも、リードフレームとの接着力が低下する問題が発生して、封止樹脂密封工程の間にブリードアウトやフラッシュの問題が発生することがある。
また、本発明による電子部品製造用粘着テープの前記粘着剤組成物のガラス転移温度は、80〜150℃であることが望ましく、また、前記粘着剤層のステンレススチール材質に対する常温粘着力が、0〜1gf/50mmであることが望ましい。ガラス転移温度が、80℃未満である場合には、QFN工程の間の熱履歴によって高温での粘着剤の物性変化があまりにも激しくなり、150℃を超過する場合には、テープのラミネーション温度が170℃以上になりながら、ラミネーション後に反り(warpage)現象が激しくなる。これは、リードフレームの熱膨張が激しくなりながら、テープとの熱膨張程度の差が大きくなって、結局、反り現象が増加することから起因する。
以下、本発明は、次のような形態で実施が可能であり、本実施例によって本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
粘着剤の主材としてフェノキシ樹脂(国道化学、YP50)100gをメチルエチルケトン300gに溶解し、ここに、アクリル樹脂(三元、AT5910)1g、イソシアネート系熱硬化剤(ダウコーニング、CE138)15g、エネルギー線硬化型化合物である脂肪族ポリウレタンアクリレート(日本合成、UV7600B80)20g及びアクリルホスファン系光開始剤(CYTEC、DAROCUR TPO)2gを混合して、1時間撹拌した。撹拌済の粘着剤組成物を25μm厚さのポリイミドフィルム(LN、コーロング)に塗布し、150℃乾燥機で約3分間乾燥した。その厚さは、約6μmで確認された。乾燥機を通過した乾燥されたテープは、紫外線を照射して追加的な架橋構造を形成するためのエネルギー線硬化段階を経て最終的な電子部品製造用粘着テープを製造した。
[比較例1]
粘着剤の主材としてフェノキシ樹脂(国道化学、YP50)100gをメチルエチルケトン300gに溶解し、ここに、イソシアネート系熱硬化剤(ダウコーニング、CE138)15g、エネルギー線硬化型化合物である脂肪族ポリウレタンアクリレート(日本合成、UV7600B80)20g及びアクリルホスファン系光開始剤(CYTEC、DAROCUR TPO)2gを混合して、1時間撹拌した。撹拌済の粘着剤組成物を25μm厚さのポリイミドフィルム(LN、コーロング)に塗布し、150℃乾燥機で約3分間乾燥した。その厚さは、約6μmで確認された。乾燥機を通過した乾燥されたテープは、紫外線を照射して追加的な架橋構造を形成するためのエネルギー線硬化段階を経て最終的な電子部品製造用粘着テープを製造した。
[比較例2]
粘着剤の主材としてアクリル樹脂(三元、AT5910)100gをエチルアセテート320gに溶解し、イソシアネート系熱硬化剤(ダウコーニング、CE138)10g、エネルギー線硬化型化合物である脂肪族ポリウレタンアクリレート(日本合成、UV7600B80)25gとエポキシアクリレート(CYTEC、EB600)0.5g、シリコンアクリレート0.1g、アクリルホスファン系光開始剤(CYTEC、DAROCUR TPO)1gとを混合して、1時間撹拌した。高温ラミネミション時の粘着力の発現とディテーピング時の粘着剤残渣とを阻むために、エポキシとシリコン系のアクリレートとをそれぞれ添加した。撹拌済の粘着液を25μm厚さのポリイミドフィルム(LN、コーロング)に塗布し、150℃乾燥機で約3分間乾燥した。厚さは、約6μmで確認された。乾燥機を通過した乾燥されたテープは、追加的な架橋構造を形成するために、窒素雰囲気で紫外線が照射され、紫外線の光量は、約300mJ/cmであった。
前記実施例と比較例で製造された電子部品製造用粘着テープをそれぞれ評価して、次の表1に表わした。
Figure 0005541248
前記表1から確認できるように、フェノキシ樹脂にアクリル樹脂を含んだ実施例1のSTS304材質に対して常温粘着力が測定できない程度になく、ディテーピング後、粘着剤層に残ったリードフレーム痕も鮮明に観察された。また、密封樹脂封止工程の後、密封樹脂の漏れがなく、常温での追加的な熱工程なしにディテーピングが可能であった。
一方、フェノキシ樹脂のみを適用した比較例1の場合には、いずれも物性は実施例1と類似しているが、常温でのディテーピング時にテープを除去するのが難しかった。また、アクリル樹脂を適用した比較例2の場合には、粘着剤とSTS304材質との間の微細な粘着力が残っていた。これは、アクリル樹脂の根本的な粘着特性は、紫外線硬化を通じては無くすことができないか、または高分子(重量平均分子量が、〜800,000)のアクリル鎖から起因した粘着剤層の軟化、あるいは柔軟性によるファンデルワールスや極性基による粘着力ではない粘着剤層の物理的変形による接着表面の増加による微細な粘着力に起因したように見えた。また、比較例2の場合、このような低い粘着力で密封樹脂封止工程で深刻な樹脂漏れの問題を起こし、リードフレームの表面が密封樹脂で汚染されたことを確認した。ディテーピング後に残っているリードフレームパターン痕を検査すれば、ダイやランド部痕の周りに押されて粘着剤が崩れていることを確認できたが、これは、相対的に柔らかな比較例の粘着剤層が密封樹脂工程の間に高温高圧の樹脂流れによって変形されながら、樹脂漏れを容易にした可能性を示唆した。
以上、本発明は、前記の実施例及び比較例についてのみ説明されたが、本発明の範囲内で多様な変形及び修正が可能であるということは、当業者に明白であり、このような変形及び修正された事項は、添付した特許請求の範囲に属するということは当然である。
本発明は、電子部品製造用粘着テープ関連の技術分野に適用可能である。

Claims (4)

  1. 電子部品製造用粘着テープにおいて、
    耐熱基材と、前記耐熱基材上に粘着剤組成物が塗布された粘着剤層とを含む電子部品製造用粘着テープであって、
    前記耐熱基材は、厚さ5〜100μm、ガラス転移温度110〜450℃であり、100〜200℃での基材の熱膨張係数は1〜35ppm/℃であり、常温弾性率が1〜10GPaであり、
    前記粘着剤組成物は、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂用熱硬化剤、エネルギー線硬化型アクリル化合物及び光開始剤を含み、
    前記粘着剤組成物は、前記フェノキシ樹脂100重量部に対して、前記アクリル樹脂0.1〜10重量部、前記フェノキシ樹脂用熱硬化剤5〜20重量部、及び前記エネルギー線硬化型アクリル化合物5〜30重量部を含み、前記光開始剤は、前記エネルギー線硬化型アクリル化合物100重量部に対して、0.5〜10重量部を含み、
    前記粘着剤層は、熱硬化及びエネルギー線によって硬化されたことを特徴とする電子部品製造用粘着テープ。
  2. 前記フェノキシ樹脂は、フェノキシ樹脂または変性フェノキシ樹脂であり、重量平均分子量が、1,000〜500,000であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品製造用粘着テープ。
  3. 前記粘着剤組成物のガラス転移温度は、80〜150℃であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品製造用粘着テープ。
  4. 前記エネルギー線硬化型アクリル化合物は、少なくとも一つ以上の炭素二重結合を分子内に有している樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品製造用粘着テープ。
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