JP5540201B2 - 電磁波プラズマ発生装置、その発生方法、その表面処理装置、およびその表面処理方法。 - Google Patents
電磁波プラズマ発生装置、その発生方法、その表面処理装置、およびその表面処理方法。 Download PDFInfo
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電磁波を被処理部材の内部に反射させることなく伝搬進入させることができないため、十分な電磁波のパワーを内部に導入できないので、電界強度の不均一分布が生じ、内面プラズマの不均一分布が生じるためである。また、被処理部材の反対側が開放されている場合には、被処理部材の内部で前記電磁波が奥行き方向の定在波を形成し、電界強度の不均一分布が生じ、内面プラズマの不均一分布が生じるためである。
前記内面プラズマは、ターゲットに印加する負バイアス電圧の値を徐々に上げてある電圧値となったときに、前記被処理部材の内部で全面点火され生成維持されるが、電磁場が不均一に分布し、さらに、プラズマを被処理部材の内部に誘導する手段がない場合には、内面プラズマを生成するための電磁波を被処理部材の内部に均一に伝搬進入させることができないためである。
本発明の電磁波プラズマ発生装置は、ガス供給部、ガス排出部および電磁波供給部が備えられたチャンバーと、被処理部材に負の直流バイアス電圧を印加するバイアス印加手段とを具備しており、少なくとも一つの開口部を有する中空部を有する被処理部材の中空部の内部にプラズマを発生させる電磁波プラズマ発生装置であって、前記被処理部材が前記チャンバー内に配置されるとともに、前記電磁波供給部が、前記被処理部材の前記開口部を望む位置に配置され、前記チャンバー内で発生されるプラズマ生成領域を前記中空部内に誘導するプラズマ誘導手段が少なくとも1つ以上備えられ、該プラズマ誘導手段は、前記被処理部材の前記中空部に配置される線状の導電体であり、前記被処理部材の外表面には絶縁性薄膜が設けられていることを特徴とする。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置の一例を示す断面模式図である。
本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置101は、ガス供給部40、ガス排出部41および電磁波供給部22が備えられたチャンバー10に、被処理部材3と、線状の導電体7からなるプラズマ誘導手段1とが備えられて構成されている。
また、電磁波供給部22には、誘電体51が備えられている。
このように、パイプ状被処理部材18の内部形状に合わせて、線状の導電体7が配置されることによって、パイプ状被処理部材18の内部形状に合わせて、電磁波プラズマを形成することができ、パイプ状被処理部材18の中空部5の内壁面5cをプラズマ処理することができる。
また、線状の導電体7が内壁面5cに接触する場合には、電磁波プラズマの分布が不均一となり好ましくない。
なお、線状の導電体7の材料としては、たとえば、タングステン・ワイヤー(W線)などを用いることができる。
同軸状構造とは、中空部5の中心軸となる位置に線状の導電体7が配置される構造をいい、このように配置することによって、中空部5へ伝搬進入する電磁波の反射を減らすことができ、パイプ状被処理部材18の内部で電磁波プラズマを均一に分布させることができる。
アンテナ部2が、前記被処理部材の内部から外部へ伝搬する電磁波の波長の1/4の整数倍の長さだけ飛び出るように配置されている場合には、中空部5の別の開口部5bに電磁波が達した際に、反射が起こらない。中空部5の中を伝搬してきた電磁波が中空部5の外に完全放射されるためである。その結果、電磁波を中空部5の中心軸方向に沿って、これまで以上に長く、均一に伝搬することができ、電磁波プラズマを均一に発生することができる。
特に、電磁波供給部22からパイプ状被処理部材18に向けて放射された電磁波が、シース領域とプラズマ相との境界に沿って、中空部5の開口部5aから別の開口部5bに向けて伝搬される際に、パイプ状被処理部材18に負のバイアス電圧を印加することによって、前記電磁波に沿って発生される電磁波プラズマの均一性を高めることができる。
誘電体51は、チャンバー10に設けられた孔部11に挿入され構成されている。誘電体51とチャンバー10の間には、シール部55が挿入され、誘電体51がチャンバー10に支持部64により固定されることにより、チャンバー10内の減圧状態が保たれる構成となっている。
なお、同軸ケーブル60の代わりに導波管を用いても良い。
なお、誘電体51の材料としては、石英ガラスなどを挙げることができる。
さらに、ガス供給部40には、窒化、クリーニングまたはプラズマCVDの表面処理用反応ガス供給部42が設けられ、チャンバー10内に窒化、クリーニングまたはプラズマCVDの反応ガスを供給できる構成となっている。プラズマCVD用の反応ガスとしては、たとえば、SiH4とO2や、テトラエトキシシラン(TEOS)とO3などを挙げることができる。これらの反応ガスを用いた場合には、パイプ状被処理部材18の開口された中空部5の内部にプラズマを発生させて、プラズマCVD法の原理で内壁面5cに薄膜を形成することができる。たとえば、SiO2やダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜などを形成することができる。
また、Arなどの不活性ガスを用いた場合には、プラズマ表面処理により、パイプ状被処理部材18の中空部5の内壁面5cのクリーニングを行うことができる。
図2は、本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置の別の一例を示す断面模式図である。
本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置102は、プラズマ誘導手段1として用いられた線状の導電体7の他端側7bにアンテナ部2が設けられる代わりに、セラミックの布からなる電磁波吸収部材70が、パイプ状被処理部材18の中空部5の別の開口部5b側に配置されている他は、図1において示した電磁波プラズマ発生装置101と同一の構成である。なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号をつけて示してある。
電磁波吸収部材70の材料としては、セラミックの布のほか、カーボン、C/Cコンポジットなどを用いることができる。
なお、図2においては、電磁波吸収部材70を中空部5の別の開口部5bからスペースをあけて上方に配置されているが、この開口部5bに接して配置されていても良い。
また、本発明の実施形態では、線状の導電体7の他端部7bはアンテナ部2とされていないが、線状の導電体7の他端部7bがアンテナ部2とされ、その上で、電磁波吸収部材70が配置されていても良い。どちらも電磁波の反射を防止するという同一の効果をもたらすためである。
図3は、本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置のさらに別の一例を示す断面模式図である。
本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置103は、プラズマ誘導手段1として線状の導電体7とともに、パイプ状被処理部材18の外表面18cに絶縁性薄膜12が成膜されている他は、図1において示した電磁波プラズマ発生装置101と同一の構成である。なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号をつけて示してある。
絶縁性薄膜12の材料としては、シリカなどを挙げることができる。たとえば、パイプ状被処理部材18の外表面18cにCVD法などでシリカコーティング層からなる薄膜を形成して、絶縁性薄膜12とする。
図4は、本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置のさらに別の一例を示す断面模式図である。
本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置104は、プラズマ誘導手段1として、アース部14に接続された線状の導電体7が2本用いられている他は、図1において示した電磁波プラズマ発生装置101と同一の構成である。また、被処理部材3としてバルブ状被処理部材19を用いている。なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号をつけて示してある。
副中空部16において、線状の導電体7の一端側7aは、その長手方向を副中空部16の長手方向と平行にされて、かつ、副中空部16の内壁面16cに接触されずに、副中空部16の内部に配置され、かつ、同軸状構造となるように配置されている。
また、線状の導電体7の他端側7bは、バルブ状被処理部材19の副中空部16から外部に、電磁波供給部22から放射される電磁波の波長の1/4の整数倍の長さだけ飛び出るように配置されてアンテナ部2とされている。
さらに、このアンテナ部2は、アース部14に接続されている。
また、2つある線状の導電体7の他方も、副中空部17において同様の構成で配置されている。
このように、バルブ状被処理部材19が複雑な形状であったとしても、線状の導電体7からなるプラズマ誘導手段1を用いることにより、内部形状に沿って電磁波プラズマを形成することができ、内壁面16c、17cのプラズマ表面処理を行うことができる。
図5は、本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置のさらに別の一例を示す断面模式図である。
本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生装置105は、被処理部材3としてパイプ状被処理部材18を用い、電磁波供給部22にフランジ部50を用いている他は、図1において示した電磁波プラズマ発生装置101と同一の構成である。また、なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号をつけて示してある。
また、パイプ状被処理部材18は、絶縁リング部56を介してフランジ部50上に配置されており、電気的絶縁性が確保されている。
なお、同軸ケーブル60の代わりに導波管を用いても良い。
次に、本発明の実施形態である電磁波プラズマ発生方法の一例について、電磁波プラズマ発生装置101を用いて説明する。
先に記載したように、電磁波プラズマ発生装置101は、ガス供給部40、ガス排出部41および電磁波供給部22が備えられたチャンバー10と、パイプ状被処理部材18にバイアス電圧を印加するバイアス印加手段30とが備えられている。電磁波供給部22は、誘電体35と電磁波供給源20に接続された同軸ケーブル60とから構成され、その誘電体51がチャンバー10内を望む位置に配置されている。また、少なくとも1つの開口部5aを有する中空部5を有するパイプ状被処理部材18が、チャンバー10の内部に、開口部5aを電磁波供給部22側に向けて配置されている。
チャンバー10内を減圧し、ガス供給部40からArガスを40sccmの流速で流入させた後、ガス排出部41のバルブを調節して、チャンバー10内のガスの量を一定として、チャンバー10内圧力を一定にして、初期プラズマを電磁波供給部22の近接領域に形成する。その後、100MHz〜100GHzの周波数の電磁波を、電磁波供給部22から放射した後に、パイプ状被処理部材18に負のバイアス電圧を徐々に印加する。プラズマ誘導手段1である線状の導電体7が、チャンバー10内で発生したプラズマ生成領域を中空部5内に誘導し、ある負のバイアス電圧となったときに、プラズマが全面点火する。プラズマが全面点火されることにより、パイプ状被処理部材18の内部を均一にプラズマ表面処理することができる。
次に、本発明の実施形態である電磁波プラズマ表面処理装置の一例について、電磁波プラズマ発生装置101を用いて説明する。
本発明の実施形態である電磁波プラズマ表面処理装置は、図1に示すように、ガス供給部40に、窒化、クリーニングまたはプラズマCVDの表面処理用反応ガスの供給手段42が備えられ、構成されている。
そのため、所定の表面処理用反応ガスを供給手段42からガス供給部40を介してチャンバー10内に導入することができ、パイプ状被処理部材18の内壁面18cを、この所定の表面処理用反応ガスでプラズマ表面処理をすることができる。
次に、本発明の実施形態である電磁波プラズマ表面処理方法の一例について、電磁波プラズマ発生装置101を用いて説明する。
実施形態6に記載したように、パイプ状被処理部材18の内部で電磁波プラズマを全面点火させた状態で、表面処理用反応ガスを供給手段42からガス供給部40を介してチャンバー10内に導入し、パイプ状被処理部材18の内壁面18cを、この表面処理用反応ガスでプラズマ表面処理する。たとえば、プラズマCVD用の表面処理用反応ガスを用いた場合には、被処理部材18の内壁面18cにプラズマCVD法により均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
以下、本発明の実施形態の効果について説明する。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
図4に示すバルブ状形状を有したSUSからなる被処理部材を用いて、配管内にプラズマを内部形状に沿って均一に形成できるかどうか確認する実験を行った。
被処理部材の外面には、何のコーティング処理も行っていない。この被処理部材をチャンバー内に配置し、図4に示すように、開口された中空部を電磁波供給部である誘電体上に配置し、副中空部には、プラズマ誘導手段であるタングステン・ワイヤー(W線)を内壁に接触しないように差込み、副中空部の他端側から3cmとなる位置に配置したアース部材に固定した。
チャンバー内を減圧し、ガス供給部からArガスを40sccmの流速で流入させた後、ガス排出部のバルブを調節して、チャンバー内のガスの量を一定として、チャンバー内圧力を93Paとして、初期プラズマを供給口の近接領域に形成した。その後、2.5GHzの周波数で、12cmの波長(真空中)の電磁波を、電磁波供給部から放射した後に、被処理部材に印加するバイアス電圧を0Vから−100Vまで変化させた。
バイアス電圧を−66V印加したときに、プラズマが全面点火し、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することができた。
図4に示すバルブ状形状を有したSUSからなる被処理部材を用いて、配管内にプラズマを内部形状に沿って均一に形成できるかどうか確認する実験を行った。
被処理部材の外面には、シリカコーティング処理を行った。この被処理部材をチャンバー内に配置し、図4に示すように、開口された中空部を電磁波供給部である誘電体上に配置した。しかし、実施例1とは異なり、副中空部には、プラズマ誘導手段であるタングステン・ワイヤー(W線)を配置しなかった。
チャンバー内を減圧し、ガス供給部からArガスを40sccmの流速で流入させた後、ガス排出部のバルブを調節して、チャンバー内のガスの量を一定として、チャンバー内圧力を93Paとして、初期プラズマを供給口の近接領域に形成した。その後、2.5GHzの周波数で、12cmの波長(真空中)の電磁波を、電磁波供給部から放射した後に、被処理部材に印加するバイアス電圧を0Vから−100Vまで変化させた。
バイアス電圧を−83V印加したときに、プラズマが全面点火し、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することができた。
図4に示すバルブ状形状を有したSUSからなる被処理部材を用いて、配管内にプラズマを内部形状に沿って均一に形成できるかどうか確認する実験を行った。
被処理部材の外面には、何のコーティング処理も行っていない。この被処理部材をチャンバー内に配置し、図4に示すように、開口された中空部を電磁波供給部である誘電体上に配置した。しかし、実施例1とは異なり、副中空部には、プラズマ誘導手段であるタングステン・ワイヤー(W線)を配置しなかった。
チャンバー内を減圧し、ガス供給部からArガスを40sccmの流速で流入させた後、ガス排出部のバルブを調節して、チャンバー内のガスの量を一定として、チャンバー内圧力を93Paとして、初期プラズマを供給口の近接領域に形成した。その後、2.5GHzの周波数で、12cmの波長(真空中)の電磁波を、電磁波供給部から放射した後に、被処理部材に印加するバイアス電圧を0Vから−100Vまで変化させた。
バイアス電圧を−100Vとしても、プラズマが全面点火することはなく、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することはできなかった。
以上、実施例1,2および比較例1の実験条件および実験結果を表1に示す。
1/4インチ径、長さ100mmのパイプ状形状を有したSUSからなる被処理部材(1/4インチ・パイプ)を用いて、配管内にプラズマを内部形状に沿って均一に形成できるかどうか確認する実験を行った。
被処理部材の外面には、シリカコーティング処理を行った。この被処理部材をチャンバー内に配置し、図3に示すように、開口された中空部の開口部を電磁波供給部である誘電体上に配置し、開口された中空部の別の開口部には、プラズマ誘導手段であるタングステン・ワイヤー(W線)を内壁に接触しないように差込んだ。また、このW線は、開口された中空部の別の開口部から3cmほど外部に飛び出すように配置した。
チャンバー内を減圧し、ガス供給部からArガスを40sccmの流速で流入させた後、ガス排出部のバルブを調節して、チャンバー内のガスの量を一定として、チャンバー内圧力を93Paとして、初期プラズマを供給口の近接領域に形成した。その後、2.5GHzの周波数で、12cmの波長(真空中)の電磁波を、電磁波供給部から放射した後に、被処理部材に印加するバイアス電圧を0Vから−50Vまで変化させた。
バイアス電圧を−46V印加したときに、プラズマが全面点火し、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することができた。
1/4インチ径、長さ100mmのパイプ状形状を有したSUSからなる被処理部材を用いて、配管内にプラズマを内部形状に沿って均一に形成できるかどうか確認する実験を行った。
被処理部材の外面には、何のコーティング処理も行わなかった。また、実施例3と同様に、この被処理部材をチャンバー内に配置し、開口された中空部を電磁波供給部である誘電体上に配置したが、中空部にはプラズマ誘導手段であるタングステン・ワイヤー(W線)を配置しなかった。
チャンバー内を減圧し、ガス供給部からArガスを40sccmの流速で流入させた後、ガス排出部のバルブを調節して、チャンバー内のガスの量を一定として、チャンバー内圧力を93Paとして、初期プラズマを供給口の近接領域に形成した。その後、2.5GHzの周波数で、12cmの波長(真空中)の電磁波を、電磁波供給部から放射した後に、被処理部材に印加するバイアス電圧を0Vから−50Vまで変化させた。
バイアス電圧を−50Vとしても、プラズマが全面点火することはなく、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することができなかった。
以上、実施例3および比較例2の実験条件および実験結果を表2に示す。
1/4インチ径、長さ100mmのパイプ状形状を有したSUSからなる被処理部材を用いて、配管内にプラズマを内部形状に沿って均一に形成するのに必要な電磁波のパワーが、アンテナ部2を形成した場合としない場合とでどの程度違いがあるかを確認する実験を行った。
被処理部材の外面には、シリカコーティング処理を行った。この被処理部材をチャンバー内に配置し、図3に示すように、開口された中空部の開口部を電磁波供給部である誘電体上に配置し、開口された中空部の別の開口部には、プラズマ誘導手段であるタングステン・ワイヤー(W線)を内壁に接触しないように差込んだ。また、このW線は、開口された中空部の別の開口部から3cmほど外部に飛び出すように配置した。
チャンバー内を減圧し、ガス供給部からArガスを20sccmの流速で流入させた後、ガス排出部のバルブを調節して、チャンバー内のガスの量を一定として、チャンバー内圧力を32Paとして、初期プラズマを供給口の近接領域に形成した。その後、2.5GHzの周波数で、12cmの波長(真空中)の電磁波を、100Wのパワーで電磁波供給部から放射した後に、被処理部材に印加するバイアス電圧を0Vから−54Vまで変化させた。その後、電磁波のパワーを100Wから300Wまで変化させた。
電磁波のパワーを300Wとしたときに、プラズマが全面点火し、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することができた。
1/4インチ径、長さ100mmのパイプ状形状を有したSUSからなる被処理部材の外面には、シリカコーティング処理を行った。また、実施例4と同様に、この被処理部材をチャンバー内に配置し、開口された中空部を電磁波供給部である誘電体上に配置したが、中空部にはプラズマ誘導手段であるタングステン・ワイヤー(W線)を配置しなかった。
チャンバー内を減圧し、ガス供給部からArガスを20sccmの流速で流入させた後、ガス排出部のバルブを調節して、チャンバー内のガスの量を一定として、チャンバー内圧力を32Paとして、初期プラズマを供給口の近接領域に形成した。その後、2.5GHzの周波数で、12cmの波長(真空中)の電磁波を、100Wのパワーで電磁波供給部から放射した後に、被処理部材に印加するバイアス電圧を0Vから−54Vまで変化させた。その後、電磁波のパワーを100Wから300Wまで変化させた。
電磁波のパワーを300Wとしても、プラズマが全面点火することはなく、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することができなかった。
さらに電磁波のパワーを上げ、500Wとしたときに、プラズマが全面点火し、配管側面に設けた微細観測穴からの発光を確認することができた。
以上、実施例4および実施例5の実験条件および実験結果を表3に示す。
Claims (11)
- ガス供給部、ガス排出部および電磁波供給部が備えられたチャンバーと、被処理部材に負の直流バイアス電圧を印加するバイアス印加手段とを具備しており、少なくとも一つの開口部を有する中空部を有する被処理部材の中空部の内部にプラズマを発生させる電磁波プラズマ発生装置であって、
前記被処理部材が前記チャンバー内に配置されるとともに、前記電磁波供給部が、前記被処理部材の前記開口部を望む位置に配置され、
前記チャンバー内で発生されるプラズマ生成領域を前記中空部内に誘導するプラズマ誘導手段が少なくとも1つ以上備えられ、
該プラズマ誘導手段は、前記被処理部材の前記中空部に配置される線状の導電体であり、
前記被処理部材の外表面には絶縁性薄膜が設けられていることを特徴とする電磁波プラズマ発生装置。 - 前記絶縁性薄膜がシリカコートであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波プラズマ発生装置。
- 前記線状の導電体が、前記中空部の中心軸と同軸状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波プラズマ発生装置。
- 前記中空部に別の開口部が設けられている場合に、
前記線状の導電体の一端側が前記中空部の内部に配置され、
前記線状の導電体の他端側が前記別の開口部より突出するように配置され、かつ、その突出長が前記被処理部材の内部から外部へ伝搬する電磁波の波長の1/4の整数倍の長さとされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電磁波プラズマ発生装置。 - 前記中空部に別の開口部が設けられている場合に、
前記別の開口部に、電磁波吸収部材が配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電磁波プラズマ発生装置。 - 前記電磁波供給部が、前記チャンバー内を望む位置に配置された誘電体と、前記誘電体を介して前記チャンバー内に電磁波を供給するために前記誘電体に接続された同軸ケーブルもしくは導波管とからなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電磁波プラズマ発生装置。
- 前記線状の導電体が、前記誘電体に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の電磁波プラズマ発生装置。
- 前記誘電体が、前記チャンバー内を望む位置に配置されたフランジ部の内部に備えられ、
前記フランジ部には、前記誘電体を貫通して前記フランジ部と同軸線路を形成する同軸内導体部が設けられ、
前記同軸内導体部の一端側に前記線状の導電体が接続され、
前記同軸内導体部の他端側に同軸ケーブルもしくは導波管が接続されていることを特徴とする請求項6または7に記載の電磁波プラズマ発生装置。 - ガス供給部、ガス排出部および電磁波供給部が備えられたチャンバーと、被処理部材に負の直流バイアス電圧を印加するバイアス印加手段とを用いて、
少なくとも1つの開口部を有する中空部を有しかつ外表面に絶縁性薄膜が設けられた被処理部材の中空部の内部に電磁波プラズマを発生させる電磁波プラズマ発生方法であって、
前記被処理部材を前記チャンバー内に配置するとともに、前記電磁波供給部を前記被処理部材の前記開口部を望む位置に配置し、
前記チャンバー内で発生させるプラズマ生成領域を、前記被処理部材の前記中空部に配置される線状の導電体からなるプラズマ誘導手段によって、前記中空部内に誘導することを特徴とする電磁波プラズマ発生方法。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電磁波プラズマ発生装置に、窒化、クリーニングまたはプラズマCVDの表面処理用反応ガスの供給手段が備えられていることを特徴とする電磁波プラズマ表面処理装置。
- 請求項9に記載の電磁波プラズマ発生方法において、
チャンバー内部に窒化、クリーニングまたはプラズマCVDの表面処理用反応ガスを供給しながら、電磁波プラズマを発生させて被処理部材の内壁面を表面処理することを特徴とする電磁波プラズマ表面処理方法。
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