JP5539323B2 - Cb−1リガンドとしての1,5−ジフェニル−ピロリジン−2−オン化合物 - Google Patents

Cb−1リガンドとしての1,5−ジフェニル−ピロリジン−2−オン化合物 Download PDF

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Description

本発明はCB−1リガンドとしての1,5−ジフェニル−ピロリジン−2−オン化合物に関する。
カンナビノイドCB−1受容体(CB−1)は主に、中枢神経系および末梢神経系において見られ、そして、いくつかの末梢器官においてはより少ない程度に見られる。カンナビノイドCB−2受容体(CB−2)は主に免疫系に見られる。カンナビノイド受容体リガンドについての薬理学および治療可能性は概説されている(非特許文献1)。CB−1受容体アンタゴニスト/逆アゴニストは、肥満の動物モデルにおいて摂餌および体重を減少させる効果が示されている。CB−1アンタゴニスト/逆アゴニストは、種々のアッセイにおいて抗精神病薬の活性をさらに高めることが示されており、統合失調症の陰性症状および認知的症状の両方の治療に有効であり得る。さらに、CB−1アンタゴニスト/逆アゴニストの体重減少の効果は、抗精神病薬治療により誘発される体重増加の動物モデルにおいて実証されており、従って、現在の抗精神病薬療法で見られる治療により発生した体重増加および代謝症候群を制御するのに有効であり得る。さらに、CB−1受容体アンタゴニスト/逆アゴニストは、飲酒の動物モデルにおいてアルコール消費を減少させることが示されており、従って、アルコール依存症および/または薬物乱用の治療に有用であり得る。
CB−2受容体において作用する化合物は、免疫機能に対する効果を有し得る。従って、CB−1受容体において活性な治療薬を開発する際に、望ましくない効果を回避するために、CB−2受容体と比較してCB−1受容体についての高い選択性を有することが望ましい。
多くの中枢作用性のCB−1受容体アンタゴニスト/逆アゴニストは、肥満および/または他の障害の治療のために研究されている。例えば、特許文献1は、CB−1アンタゴニストとして特定の置換ピロリジン−2−オン化合物を開示している。
経口投与は典型的に、肥満および/または統合失調症の治療のための薬剤についての好ましい投与経路である。良好な経口バイオアベイラビリティを示す化合物に関して、それらは典型的に、肝臓における初回通過分解を最小化するために、良好な水溶解度および十分な代謝的安定性を有さなければならない。内因性カンナビノイドリガンドおよびCB−1受容体においてそれらが結合する相補的部位は、高い親油性である。結果として、公知のCB−1受容体リガンドもまた、親油性である傾向があり、不十分な溶解性を生じる。また、多くのCB−1受容体リガンドは、比較的、代謝的に不安定である。多くのCB−1化合物のこれらの溶解性および/または代謝特性は、制限された経口吸収およびバイオアベイラビリティを生じる。
一部の化合物の酸化的代謝は、反応性の求電子性代謝中間体の形成を生じる場合がある。このような中間体は、タンパク質、グルタチオン、DNA、RNAなどの身体における他の求核試薬と反応する傾向があり、それらは、望ましくない毒性効果を生じ得る。
治療剤の薬物動態特性は、他の薬剤の同時投与により影響を受ける場合がある。これらのいわゆる薬物−薬物相互作用は、薬剤の許容性および/または効果に関する問題を引き起こす、治療剤の血漿曝露の増加または減少のいずれかを生じる場合がある。飽和機構を介して代謝的に除かれる化合物(例えば、CYP3A4、CYP2D6、CYP2C9、およびCYP1A2)は特に、このような薬物−薬物相互作用を被る傾向がある。反対に、これらの飽和機構を阻害する化合物は、このような薬物−薬物相互作用を引き起こす傾向がある。一部の公知のCB−1アンタゴニスト/逆アゴニストは、このような傾向を示す。
国際公開第2007/020502号パンフレット
Pacherら,Pharmacol.Rev.,2006,58,389
CB−2受容体より高い選択性を有し、高いインビボでの有効性(低いnM K)を有し、許容可能なバイオアベイラビリティを有し、反応性の代謝中間体を形成せず、薬物−薬物相互作用の可能性を減少させる、CB−1受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストについての必要性が存在する。本発明の化合物は、これらの利点の一部または全てを提供する。
本発明は、式(I)の化合物
Figure 0005539323
(式中、
は、水素、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
は、水素、ハロ、シアノ、1〜5個のフルオロ基で置換された(C−C)アルキル、および1〜5個のフルオロ基で置換された(C−C)アルコキシからなる群より選択され、
は、水素、フルオロ、およびクロロからなる群より選択され、
は、トリフルオロメチル、シアノおよびシクロプロピルからなる群より選択され、
ただし、Rが水素、クロロ、シアノ、またはトリフルオロメチルである場合、Rは、1〜5個のフルオロ基で置換された(C−C)アルコキシである)
およびその薬理学的に許容できる塩を提供する。
当業者は、本発明の化合物が、特定の水素原子の異なる結合点を有する形態で存在することができるので、互変異性であることを認識するだろう。個々の互変異性体およびそれらの混合物は、具体的に描かれる場合、式(I)の化合物の範囲内であることが意図される。互変異性体の各々の形態が、指定された条件下で、存在し、相互変換し、互変異性化を受けてもよい。
本発明の別の態様は、式(I)による化合物、またはその薬理学的に許容できる塩、および薬理学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
本発明のこの態様の一実施形態は、式(I)による化合物、またはその薬理学的に許容できる塩、および薬理学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物を提供し、ここで、式(I)の化合物またはその塩の単一の立体異性体の光学純度は、90%より高く、好ましくは95%より高く、例えば99%より高い。
本発明の別の態様は、治療に使用するための、式(I)による化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
本発明のこの態様の一実施形態は、過剰食物摂取に関連する摂食障害、体重増加、肥満、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、統合失調症に関連する陰性症状、薬物乱用、アルコール依存症、および/または抗精神病薬での治療に関連する体重増加の治療、あるいは禁煙支援に使用するための、式(I)による化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
本発明のこの態様の別の実施形態は、体重増加、肥満、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、統合失調症に関連する陰性症状、および/または抗精神病薬での治療に関連する体重増加のための治療において、抗精神病薬とともに同時、別々、または連続的に併用療法に使用するための式(I)による化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を提供する。
本発明の別の態様において、過剰食物摂取に関連する摂食障害、体重増加、肥満、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、統合失調症に関連する陰性症状、薬物乱用、アルコール依存症、および/または抗精神病薬での治療に関連する体重増加の治療、あるいは禁煙支援のための医薬の製造における、式(I)による化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の使用が提供される。
本発明のこの態様の一実施形態は、体重増加、肥満、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、統合失調症に関連する陰性症状、および/または抗精神病薬での治療に関連する体重増加のための併用療法に使用するための医薬の製造における、式(I)による化合物、またはその薬理学的に許容できる塩の使用を提供し、ここで、前記医薬は、抗精神病薬とともに同時、別々または連続して投与される。
本発明のこの態様の別の態様において、哺乳動物、特にヒトにおける過剰食物摂取に関連する摂食障害、体重増加、肥満、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、統合失調症に関連する陰性症状、薬物乱用、アルコール依存症、および/または抗精神病薬での治療に関連する体重増加の治療、あるいは禁煙支援のための方法が提供され、そのような治療を必要とする哺乳動物に、有効量の式(I)による化合物またはその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む。
本発明のこの態様の別の実施形態は、ヒトにおける体重増加、肥満、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、統合失調症に関連する陰性症状、および/または抗精神病薬での治療に関連する体重増加を治療するための方法を提供し、そのような治療を必要とするヒトに、有効量の式(I)による化合物またはその薬理学的に許容できる塩を、抗精神病薬とともに同時、別々または連続して投与することを含む。
さらに、本発明は、過剰食物摂取に関連する摂食障害、体重増加、肥満、統合失調症、統合失調症に関連する認識機能障害、統合失調症に関連する陰性症状、薬物乱用、アルコール依存症、および/または抗精神病薬での治療に関連する体重増加の治療、あるいは禁煙支援のために適合された医薬製剤を提供し、その医薬製剤は、薬理学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤と併せて式(I)の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩を含む。
抗精神病薬での同時、別々、または連続的な併用療法における本発明の化合物の使用において、非定型抗精神病薬、例えばオランザピン、クロザピン、および/またはリスペリドンが好ましい。
式(I)の化合物は、CB−1受容体についての選択的逆アゴニストまたはアンタゴニストである。その化合物は特に、CB−2受容体よりもCB−1受容体に対して選択的である。CB−1受容体の逆アゴニスト(またはアンタゴニスト)として、その化合物は、CB−1受容体に関連する症状の治療および/または予防に有用である。そのような症状としては、例えば、過剰食物摂取に関連する摂食障害、肥満、統合失調症、特に統合失調症に関連する陰性症状、例えば統合失調に関連する認識機能障害、薬物乱用、アルコール依存症、禁煙および抗精神病薬での治療に関連する体重増加が挙げられる。DSM−IV−TR.,Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.Revised,第4版,Text Revision(2000)を参照のこと。当業者は、病的な精神状態に関して、代替の体系、疾病分類学、および分類系が存在し、それらの系が医科学の進歩とともに進化することを認識するだろう。
式(I)の化合物はまた、被験体が臨床的に肥満として分類され得る関連する体重増加であるか否かに関わらず、体重増加を改善するために使用されてもよい。
本発明の別の態様は、体重の減少を誘発する美容的方法を提供し、その方法は式(I)の化合物をヒトに投与することを含む。
有効量の式(I)の化合物が、本方法の治療を実施するために、そのような治療または予防を必要とする被験体に投与され得る。本発明の方法による予防的投与についての必要性は、周知の危険因子の使用を介して決定される。個々の化合物の有効量は、治療を担当する医師によって、最終的な分析において決定されるが、治療される障害、障害の重症度、および存在する他の疾患または症状、選択される投与経路、患者が併用して必要とされ得る他の薬物および治療などの要因、ならびに医師の判断における他の要因に依存する。式(I)の化合物の治療的または予防的用量の程度は、もちろん、患者の大きさおよび年齢、治療される症状の性質および重症度、使用される特定の化合物、ならびに所望の投与経路により変化するだろう。
用量は1日1回の用量で投与されてもよいか、または1日総投与量が、分割された複数回投与量、例えば、1日あたり2回、3回または4回として投与されてもよい。さらに、投薬形態(すなわち、調節された放出)の投与および/または特性について選択される個々の化合物の性質に基づいて、用量が、少ない頻度、例えば、週に1回、2週に1回、月に1回などで投与されてもよい。それに応じて、用量単位は少ない頻度の投与に関して、より大きくてもよい。経皮経路を介して、または連続的な静脈注射用の溶液によって投与される場合、用量投与は、もちろん、投薬計画全体にわたって断続的というよりむしろ連続的であるだろう。
上記および本発明の詳細な説明全体にわたって用いる場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有する。
本明細書で用いる場合、用語「(C−C)アルキル」とは、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルを指す。
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、またはブロモを指す。
「(C−C)アルコキシ」とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシを指す。
「逆アゴニスト」とは、受容体の構成的活性を反転することによって負の内因性活性を有するそれらの化合物を指す。逆アゴニストは、アゴニストの活性を阻害または反転するように作用する。
「肥満」とは、多くの量の身体の脂肪を有する状態を指す。男性または女性が30kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有する場合、ヒトは肥満であるとみなされる。BMI=27〜30を有するヒトは一般に過体重とみなされる。通常、正常な体重を有するそれらのヒトは、19.9〜26.9のBMIを有する。肥満は、遺伝的または環境的に関わらず、あらゆる要因に起因し得る。肥満を生じ得るか、または肥満の要因となり得る障害の例としては、過食、低下した身体活動および低下した代謝活性を示す病状が挙げられる。本発明はBMI標準による肥満の正確な定義によって影響を受けず、全てのそのような定義は同等とみなされる。
形容詞として本明細書で用いる場合、用語「薬理学的」または「薬理学的に許容できる」とは、受容者に対して実質的に非毒性で、実質的に有害でないことを意味する。
「医薬組成物」とは、さらに、担体、溶媒、賦形剤、および/または塩が、組成物(例えば式(I)の化合物)の活性成分と適合性でなければならないことを意味する。用語「医薬製剤」および「医薬組成物」は一般に交換可能であり、それらは本出願の目的のために使用されることは、当業者により理解される。本発明による医薬組成物は式(I)の1つ以上の化合物を有し、所定の医薬組成物に望まれる場合、1つ以上の他の活性成分も含み得ることもまた、理解されるだろう。
(肥満または体重増加の)「予防」とは、肥満の症状の発症前に治療が施される場合、肥満を生じることを防ぐことを指す。さらに、治療が、すでに肥満の被検体に開始される場合、そのような治療は、さらなる体重増加の進行を予防することが予期される。このような予防の一例は、抗精神病薬で治療を受けているヒトにおけるさらなる体重増加を予防することである。
本明細書で用いる略語は以下のように定義される。
「THF」とはテトラヒドロフランを意味する。
「MTBE」とはメチルtert−ブチルエーテルを意味する。
「HOAc」とは酢酸を意味する。
「EtO」とはジエチルエーテルを意味する。
「BSA」とはウシ血清アルブミンを意味する。
「GDP」とはグアノシン二リン酸を意味する。
「GTP」とはグアノシン−5’−三リン酸を意味する。
「GTP−γ35S」とはグアノシン−5’(γ−チオ)−三リン酸を意味する。
「HEPES」とは(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)を意味する。
「HOAc」とは酢酸を意味する。
「i.v」または「iv」とは静脈内を意味する。
「p.o.」または「po」とは経口を意味する。
「THF」とはテトラヒドロフランを意味する。
「T」とは保持時間を意味する。
本発明の化合物の全ては、CB−1逆アゴニスト(またはアンタゴニスト)として有用であるが、特定の種類、例えば、以下に列挙した置換基の選択のいずれかを有する化合物が好ましい。
1)Rは−OCF、−OCHF、−CFまたは−CNである。
2)Rは−OCF、−OCHFまたは−CFである。
3)Rは−OCFまたは−OCHFである。
4)Rは−OCFまたは−CFである。
5)Rは水素、フルオロ、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである。
6)Rはトリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである。
7)Rはトリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシであり、Rは水素である。
8)Rは−OCFまたは−CFである。
9)Rは−OCFまたは−CFであり、Rは水素である。
10)Rは−OCF、−OCHF、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである。
11)Rは−OCF、−OCHF、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシであり、Rは水素である。
12)Rは水素である。
13)Rは−CFである。
14)Rは−OCF、−OCHFであり、Rは水素、フルオロ、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである。
15)Rは−OCF、−OCHFであり、Rはトリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシであり、Rは水素である。
16)Rは−OCF、−CFまたは−CNであり、Rは水素、−OCFまたは−CFであり、Rは水素であり、Rは−CFである。
17)Rは−OCFまたは−CFであり、Rは水素、−OCFまたは−CFであり、Rは水素であり、Rは−CFである。
18)Rは−OCF、−CFまたは−CNであり、Rは−OCFまたは−CFであり、Rは水素であり、Rは−CFである。
19)Rは−OCFまたは−CFであり、Rは−OCFまたは−CFであり、Rは水素であり、Rは−CFである。
本発明の特定の好ましい化合物は、本明細書の実施例に記載されるものであり、それらの化合物の遊離塩基および薬理学的に許容できる塩を含む。
一般的スキーム
本発明の化合物は、当該分野において周知かつ理解されている方法によって以下の合成スキームに従って調製できる。これらのスキームの工程の適切な反応条件は当該分野において周知であり、溶媒および共試薬の適切な置換は当該分野の技術範囲内である。同様に、合成中間体が、必要または望まれる場合、様々な周知の技術によって分離および/または精製され得ること、およびしばしば、ほとんどまたは全く精製せずに後の合成工程において様々な中間体を直接使用することが可能であることは、当業者によって理解されるだろう。さらに、当業者は、一部の状況において、導入する部分の順序が重要でないことを理解するだろう。式Iの化合物を生成するのに必要とされる工程の特定の順序は、熟練した化学者によってよく理解されているように、合成される特定の化合物、出発化合物、および置換された部分の相対的不安定性に依存する。他に示さない限り、全ての置換基は以前に定義される通りであり、全ての試薬は当該分野において周知かつ理解されている。
Figure 0005539323
スキーム1において、式(II)の化合物は、Andreichikovおよび共同研究者(Andreichikovら,Zhurnal Organicheskoi Khimii 22(10),2208−13(1986))に記載される方法によって調製でき、それにおいて、式(1)のアミンと式(2)のアルデヒドとの混合物は、氷冷HOAcなどの適切な溶媒において、ピルビン酸(3)のエステルで処理される(ここで、QはC1−3アルキル基である)。ピルビン酸の適切なエステルとしてはピルビン酸エチルが挙げられる。その反応は室温と溶媒の沸点との間の温度で進行できる。一部の場合において、生成物(II)は、反応過程の間、または溶媒の添加時に沈殿する場合があり、その生成物は高い溶解性ではない。それらの溶媒としては、イソプロピルアルコールおよび水ならびにそれらの混合物が挙げられる。沈殿物が形成される場合、式(II)の化合物は、濾過および真空乾燥により、または濾過およびクロマトグラフィーにより分離できる。あるいは、その化合物は、反応物の濃縮および残渣のクロマトグラフィーにより、または有機抽出物の水系後処理(aqueous workup)および濃縮およびクロマトグラフィーにより分離できる。
Figure 0005539323
スキームIIにおいて、式(III)の化合物は、必要に応じて酸の存在下で、水での式(II)の化合物の処理によって調製できる。この反応はまた、必要に応じて、テトラヒドロフラン、酢酸およびエタノールまたはそれらの混合物などのさらなる溶媒の存在下で実施できる。適切な酸としては、トリフルオロ酢酸および塩酸が挙げられる。少なくとも1当量の2,5−ジメトキシテトラヒドロフランの存在下で、この反応を実施することがしばしば有利である。式(III)の化合物が一旦形成されると、それは、水を加え、冷却して、沈殿物を形成させ、その後、その沈殿物を濾過により分離することによって、またはトルエンおよびイソプロピルアセテートなどの溶媒の混合物を加え、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄することによって分離できる。有機層は、硫酸ナトリウムなどの乾燥剤で乾燥し、濃縮して、粗混合物として生成物を得ることができる。有機層はまた、さらに濃縮または精製せずに、次の反応において直接使用できる。
Figure 0005539323
スキームIIIにおいて、式(IV)の化合物は、トルエン、メタノール、イソプロピルアセテートまたはそれらの溶媒の混合物などの適切な溶媒において、式(4)の化合物での式(III)の化合物の溶液の処理によって調製できる。この反応はまた、HOAcなどの触媒の存在下で実施できる。式(IV)の化合物は、所望の場合、沈殿またはシリカゲルクロマトグラフィーなどの当該分野において公知の方法によって、分離できる。
Figure 0005539323
スキームIVにおいて、式(Ia)の化合物は、適切な還元条件下で式(IV)の化合物の処理によって形成できる。適切な還元条件としては、テトラヒドロフランなどの溶媒中のHOAcの存在下でのNaCNBHでの処理が挙げられる。式(Ia)の化合物は、生成物の水系後処理または沈殿などの手段によって分離できる。さらなる精製は、シリカゲルクロマトグラフィーなどの技術の使用によって実施できる。
式(Ia)の化合物の合成において、式(III)または式(IV)の中間体のいずれかは、粗中間体を精製せずに後の反応において直接使用できる。
式(Ia)の化合物の単一の鏡像異性体は一般に、対応するラセミ体より好ましい。これらの鏡像異性体は、キラル固定相を利用する分取クロマトグラフィーなどの技術を用いる式(Ia)の化合物の分解によって調製できる。鏡像異性体はまた、光学的に活性な酸でのラセミ混合物の塩の形成を含む分解および所望のジアステレオマー塩の精製によって調製できる。所望のジアステレオマー塩は、結晶化により精製できる。あるいは、式(II)、(III)または(IV)の中間体のいずれかは、分解されて、式(I)の化合物などの式(Ia)の化合物の鏡像異性的に精製された形態でその式(Ia)の化合物を得るために、上記の方法を用いて次に変換され得る実質的に単一の鏡像異性体を得ることができる。式(II)、(III)または(IV)の中間体は、キラル固定相を利用する分取クロマトグラフィーなどの技術を用いて対応するラセミ化合物の化合物の分解によって調製できる。
Figure 0005539323
式(III)の化合物の精製された鏡像異性体の調製のための代替かつしばしば好ましい方法をスキームVに概説する。式(III)のラセミ化合物を、式(5)の化合物と反応する(ここで、式(Va)および(Vb)の化合物のジアステレオマー混合物を形成するためにQは水素またはハロである)。式(5)の好ましい化合物としては、R−α−メチルベンジルアミンまたはS−α−メチルベンジルアミンが挙げられる。この濃縮は、不活性溶媒中で式(III)の化合物と化合物(5)を混合することによって、スキームIIIにおいて以前に記載されるように実施できる。この反応はまた、HOAcなどの触媒の存在下で実施できる。次いで、式(Va)および(Vb)のジアステレオマーを、シリカゲルクロマトグラフィーまたはイソプロパノールもしくはメタノール/KOHなどの不活性溶媒からの結晶化などの技術を用いて分離する。次いで、スキームVにおける所望のジアステレオマー((Va)と指定)を加水分解して、式(IIIa)の精製された鏡像異性体を形成させる。適切な加水分解条件としては、塩酸水溶液またはトリフルオロ酢酸ならびに水および必要に応じて2,5−ジメトキシテトラヒドロフランでHOAc中の所望のジアステレオマーの溶液を処理することが挙げられる。一部の場合において、粗(IIIa)は、十分な量の式(VI)の二量体を含み得る。
スキームVにおいて、式(III)のラセミ化合物は、スキームIIに概説したプロセスから生じる粗生成物であってもよい。さらに、式(IIIa)の精製された鏡像異性体(必要に応じて(VI)を含む)は、スキームIIIに概説したプロセスにおいて、さらに精製せずに、加水分解反応から直接使用できる。
スキームVにおいて、化合物(5)の(R)−鏡像異性体を、プロセスを例示するために選択した。当業者は、化合物(5)の(S)−鏡像異性体もまた、このプロセスにおいて使用できることを認識するだろう。(R)または(S)鏡像異性体を使用するか否かの選択は、より容易に分離される所望のジアステレオマーを生じることに依存して行われ得る。
Figure 0005539323
スキームVIにおいて、式(IVb)の化合物はまた、化合物(III)と(4)との反応(スキームIII)について記載されるものと同じ条件下で化合物(4)での式(VI)の化合物の処理によって形成できる。
Figure 0005539323
スキームVIIにおいて、化合物(4)は、酸の存在下でアセトニトリルでの化合物(9)(式中、R10は、水素、−CH、−CHCHまたは−C(O)CHである)の処理によって調製されて、式(10)の化合物を得る。適切な酸としては、硫酸または三フッ化ホウ素エーテルなどの適切なルイス酸が挙げられる。上記を混合した後、反応物を加熱し、ほぼ室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液でクエンチする。化合物(10)は、酢酸エチルなどの適切な溶媒での抽出および有機層の濃縮などの従来の手段により分離される。化合物(10)を約100℃まで塩酸水溶液中で加熱する。その化合物をジエチルエーテルで抽出する。水層を水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にし、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して化合物(4)を得る。
(調製物および実施例)
「調製物および実施例」を通して参照される高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法の条件を以下に示す。
(方法1)
LCカラム: Phenomenex(登録商標) Gemini(登録商標)C18 2.0× 50mm 3.0μM
グラジェント: 重量5〜100%のアセトニトリル/0.1%の蟻酸で7.0分間。その後、100%にて1分間保持。
カラム温度: 50C+/−10
オートサンプラー温度:周囲温度
フローレート: 1.0mL/分
シグナルを214および300nMの波長にて検出。
(方法2)
LCカラム: Phenomenex(登録商標) Gemini(登録商標)C18 2.0× 50mm 3.0μm
グラジェント: 重量5〜100%のアセトニトリル/0.1%の蟻酸で3.5分間。その後、100%にて0.5分間保持。
カラム温度: 50C+/−10
オートサンプラー温度: 周囲温度
フローレート: 1.0mL/分
シグナルを214および300nMの波長にて検出。
(方法3)
LCカラム: Zorbax(登録商標)RX−C18 4.6× 250mm 5μm
グラジェント: 重量50〜90%のアセトニトリル/0.03Mのリン酸バッファー(リン酸バッファー=5.52gのNaHPOおよび1.4mLのHPO入りの2LのMilli−Q水)で15分間。
カラム温度: 40℃
オートサンプラー温度: 周囲温度
フローレート: 1.5mL/分
シグナルを260nMの波長にて検出。
(方法4)
LCカラム: Zorbax(登録商標)SB−フェニル 4.6× 150mm 5μm
アイソクラテック: 36%のAおよび64%のB、ここで、A=0.05MのNHOAc入り水(pH5.0)およびB=アセトニトリルで10分間。
カラム温度: 35℃
オートサンプラー温度: 周囲温度
フローレート: 2.0mL/分
シグナルを206nMの波長にて検出。
調製物1: (±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
Figure 0005539323
3−(トリフルオロメトキシ)−ベンズアルデヒド(25.0g,132mmol)およびピルビン酸エチル(15.3g,132mmol)を氷酢酸(125mL)内で周囲温度にて10分間撹拌する。4−(トリフルオロメチル)アニリン(46.7g,290mmol)液滴を15分間以上撹拌したまま加え、溶液を30℃まで温め、約22時間撹拌する。溶液を26℃まで冷却し、イソプロパノール(125mL)および水(125mL)を加える。溶液を室温にて15分間撹拌し、沈殿物を濾過し、イソ−プロピルアルコール−水の1:1の混合物(100mL×2)で洗浄する。真空下で40℃にて乾燥し、(±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(60.46g,84%)を白色粉末として得る。LC−MS ESI m/z: 545.1(M−H),R=10.9分間、方法3。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ8.76(s,1H),7.86(d,2H,J=8.5Hz),7.70(d,2H,J=8.5Hz),7.56(d,2H,J=9.0Hz),7.47(d,2H,J=8.5Hz),7.44〜7.41(m,1H),7.37(s,1H),7.29(d,1H,J=8.0Hz),7.22(d,1H,J=8.0Hz),6.66(d,1H,J=3.0Hz),6.29(d,1H,J=2.5Hz)。
調製物2: (±)−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
Figure 0005539323
4−(トリフルオロメトキシ)アニリン(1.86L,13.75mol)を、ベンズアルデヒド(559mL,5.50mol)およびピルビン酸エチル(605mL,5.50mol)入りの氷酢酸(5.0L)の溶液に分けて加える。43℃まで発熱を観察する。周囲温度にて18時間撹拌する。沈殿物を濾過し、ウェットケーキを氷酢酸(500mL)で洗浄する。真空下で3時間乾燥し、(±)−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(1999g,74%)を白色結晶性固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.43(s,1H),7.74(d,J=12Hz,2H),7.19〜7.38(m,11H),6.42(s,1H),6.08(s,1H)。LC−MS ESI m/z: 495.0(M+1),493.0(M−1),T=6.60分間、方法1。
調製物3: (±)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
Figure 0005539323
3−フルオロベンズアルデヒド(10.0mL,94.3mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)アニリン(31.9mL,235.7mmol)およびピルビン酸エチル(10.4mL,94.3mmol)を氷酢酸(150mL)内で混合する。周囲温度にて18時間撹拌する。沈殿物を濾過し、ヘキサンで洗浄し、(±)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(23.4g,48%)を得る。LC−MS ESI m/z: 511(M−1),T=5.45分間、方法1。
調製物4: 1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−エチルアミノ]−5(R)−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−1,5−ジヒドロピロール−2−オン
Figure 0005539323
エタノール(120mL)、氷酢酸(15mL)、水(3.0mL,164.7mmol)、トリフルオロ酢酸(6.2mL,82.4mmol)、(±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(30.0g,54.9mmol)、および2,5−ジメトキシ−テトラヒドロフラン(10.7mL,82.4mmol)を混合する。溶液を50℃まで温め、反応混合物を18時間撹拌する。溶液の加熱を終了し、水(35mL)を加え、−19℃まで反応混合物を冷却する。スラリーを濾過し、固体を水−メタノールの1:4の混合物(20mL)で洗浄する。濾過物を分液漏斗に移し、6%の塩水(280mL)で洗浄し、6%の塩水(100mL)、メタノール(40mL)、ジエチルエーテル(100mL)、および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(43mL)を有機相に加える。層を分離し、メタノール(60mL)を有機相に加え、溶液を(±)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンを含有する約1容量まで濃縮する。メタノール(60mL)および(R)−4−クロロ−α−メチルベンジルアミン(7.8mL,55.0mmol)を加え、室温にて24時間撹拌する。HPLCによる反応の完了をモニターし(方法4)、その後、溶液を−7℃まで冷却し、この温度で72時間撹拌を続ける。予め混合した水酸化カリウム(0.69g,10.5mmol)入りのメタノール(11mL)の溶液を反応混合物に加え、溶液を10℃まで温め、更に4時間撹拌する。溶液を−7℃まで冷却し、スラリーを濾過し、終局産物をメタノール(5mL×3)でリンスする。固体を真空下で乾燥し、1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[1(R)−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−5(R)−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(12.3g,47.7%)を白色固体として得る。LC−MS ESI m/z: 539.0(M−H),T=4.3分間、方法4。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ7.76(d,2H,J=8.5 Hz),7.62(d,2H,J=9.0Hz),7.38〜7.36(m,2H),7.30〜7.27(m,3H),7.10(dd,1H,J=8.5,1.0Hz),7.05(d,1H,J=7.5Hz),6.95(s,1H),6.06(d,1H,J=8.0Hz),5.96(d,1H,J=3.0Hz),5.22(d,1H,J=3.0Hz),4.35〜4.32(m,1H),1.43(d,3H,J=6.5Hz)。
調製物5: 1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5(R)−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
Figure 0005539323
酢酸(464mL,8.09mol)、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(393mL,3.03mol)、水(2.27L)、および、トリフルオロ酢酸(153mL,2.02mol)を、(±)−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(1000g,2.02mol)入りのTHF(8.43L)の溶液に連続的に加える。反応混合物を周囲温度にて18時間混合する。トルエン(4.0L)および酢酸イソプロピル(2.0L)を加える。混合物を水(8.0L)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(6.0L)で洗浄する。水層は捨てる。有機層に(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(390mL,3.03mol)を加える。溶液を周囲温度にて3時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−(5)−(S)−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン、および、1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−(R)−5−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンの混合物をブラックオイルとして得る。混合物(888g,2.02mol)をイソプロパノール(2.0L)に溶解し、−7℃まで冷却する。沈殿物を濾過し、冷イソプロパノールで洗浄する。真空下で12時間乾燥し、1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−(R)−5−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(130g,29%)をオフホワイト固体として得る。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ7.64(d,J=8Hz,2H),7.34(d,J=8Hz,2H),7.24(m,4H),7.11(m,4H),6.98(d,J=4Hz,2H),5.78(m,2H),5.13(s,1H),4.30(m,1H),1.44(d,J=4Hz,3H)。LC−MS ESI m/z: 439(M+H),T=6.30分間、方法1。
調製物6: 1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5(R)−(3−フルオロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
Figure 0005539323
水(46.8mL,2.6mol)、酢酸(10.5mL,182.7mmol)、トリフルオロ酢酸(6.9mL,91.3mol)、および、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(6.5mL,50.2mmol)を、(±)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(23.4g,45.7mmol)入りのTHF(45mL)の溶液に加える。反応混合物を30℃にて18時間撹拌する。(R)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンの顕著な形成を観察する(LC−MS ESI m/z: 352(M−H),方法1)。反応混合物をトルエン(200mL)、酢酸イソプロピル(50mL)、および、水(100mL)へ注ぎ、5分間撹拌する。層を分離し、水(50mL)および5%の炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)で有機層を洗浄する。有機層に(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(7.7mL,59.9mmol)を加える。溶液を周囲温度にて18時間撹拌する。(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(3.0mL,24.8mmol)を加え、30℃で3時間加熱する。反応混合物を水および塩水で洗浄する。反応混合物を濃縮し、1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5(S)−(3−フルオロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン、および、1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5(R)−(3−フルオロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンの混合物を得る。混合物をイソプロパノール(70mL)に溶解し、周囲温度にて72時間撹拌する。沈殿物を濾過し、イソプロパノールで洗浄し、1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5(R)−(3−フルオロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(6.30g,30%)を白色固体として得る。LC−MS ESI m/z: 457(M+H),T=5.13分間、方法1。
調製物7: 2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オル
Figure 0005539323
THF(200mL)およびメチル臭化マグネシウム(3.0Mのジエチルエーテル,81mL,243mmol)の溶液を0℃まで冷却する。トリフルオロメチルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(16.7g,81mmol)入りのTHF(100mL)の溶液に5分間以上加える。30分間0℃にて撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液にゆっくりと注ぐ。ジエチルエーテルで水層を抽出し、有機層と混ぜ合わせ、硫酸ナトリウムを通して乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オル(16.7g,100%)を無色透明オイルとして得る。MS(m/z): 207.2(M+H)
調製物8: N−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチル]−アセトアミド
Figure 0005539323
アセトニトリル(300mL)および2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オル(16.5g,80mmol)の溶液を90℃まで加熱する。分離反応槽内で、アセトニトリル(70mL)を0℃まで冷却し、硫酸(19.2mL,360mmol)を10℃を超えない温度にて加える。冷却された硫酸溶液を加熱された2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オルおよびアセトニトリルの溶液に加え、90℃にて60分間攪拌する。室温まで冷却し、元の容量の約1/3まで濃縮し、5NのNaOH水溶液(150mL)を加える。酢酸エチルおよび塩水間を分離し、その後、酢酸エチル(3×)で水層を抽出する。混ぜ合わされた有機層を減圧下で濃縮し、N−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチル]−アセトアミド(15.4g,78%)を黄色固体として産出する。MS(m/z): 248.0(M+H)
調製物9: 1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミン
Figure 0005539323
N−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチル]−アセトアミド(15.4g,62mmol)および5NのHCl水溶液(150mL)の溶液を100℃まで20時間加熱し、その後、室温まで冷却する。反応物をジエチルエーテル(2×)で抽出しその後、5NのNaOH水溶液でアルカリン水層を作る。ジエチルエーテル(3×)で水層を抽出し、混ぜ合わされた有機層を硫酸ナトリウムを通して乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミン(7.2g,56%)をブラウンオイルとして得る。H NMR(400MHz,CDCl): δ8.80(d,J=5.3Hz,1H),7.68(d,J=5.3Hz,1H),1.76(br s,2H),1.49(s,6H)。
調製物10: (E)−4−エトキシ−2−オキソ−ブタ−3−エン酸エチルエステル
Figure 0005539323
参考文献: Dujardin,G;Rossignol,S.;Brown,E.Synthesis,1998,763−770。エチルクロロオキソ酢酸(67mL,600mmol)をパラジウム酢酸(1.35g,6mmol)、エチルビニルエーテル(315mL,3.3mol)、およびトリエチルアミン(125mL,900mmol)の溶液に周囲温度にて加える。55℃まで24時間加熱し、室温まで冷却し、その後、反応混合物をジエチルエーテルおよび水の間で分離する。減圧下で有機層を濃縮し、(E)−4−エトキシ−2−オキソ−ブタ−3−エン酸エチルエステル(72g,70%)をブラウンオイルとして得る。H NMR(400MHz,CDCl): δ7.84(d,J=13.2Hz,1H),6.15(d,J=13.2Hz,1H),4.29(q,J=7.6 Hz,2H),4.03(q,J=6.8 Hz,2H),1.34(m,6H)。
調製物11: 2−シクロプロピル−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステル
Figure 0005539323
参考文献: Riley,T.A.;Hennen,W.J.;Dalley,N.K.;Wilson,B.E.;J.Heterocyclic Chem.,1987,24,955−964。シクロプロピルカルバミジン塩酸塩(2.05g,17mmol)、(E)−4−エトキシ−2−オキソ−ブタ−3−エン酸エチルエステル(4.39g,25.5mmol)、エタノール(12mL)、およびナトリウムエトキシド(1.16g,17mmol)の混合物を電子レンジ内で140℃にて20分間加熱する。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルおよび塩水の間で残留物を分離する。有機層を分離し減圧下で濃縮する。残留物をシルカゲルクロマトグラフィー(10〜30%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、2−シクロプロピル−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステル(1.5g,46%)をライトイエローオイルとして得る。MS(m/z): 193.0(M+H)
調製物12: 2−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オル
Figure 0005539323
THF(150mL)およびメチル臭化マグネシウム(3.0Mのジエチルエーテル,52mL,243mmol)の溶液を0℃まで冷却する。2−シクロプロピル−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステル(9.9g,52mmol)入りのTHF(50mL)の溶液を5分間以上加える。45分間0℃にて攪拌し、その後、飽和塩化アンモニウム水溶液内へゆっくりと注ぐ。水層をジエチルエーテルで抽出し、混ぜ合わされた有機層を硫酸ナトリウムを通して乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、2−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オル(9.15g,100%)をオレンジ色固体として得る。MS(m/z): 179.0(M+H)
調製物13: N−[1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチルエチル]−アセトアミド
Figure 0005539323
アセトニトリル(150mL)および2−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オル(8.85g,50mmol)の溶液を90℃まで加熱する。分離反応槽内で、アセトニトリル(50mL)を0℃まで冷却し、硫酸(11.9mL,223mmol)を10℃を超えない温度にてを加える。冷却された硫酸溶液を加熱された2−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−プロパン−2−オルおよびアセトニトリルの溶液に加え、95℃にて4日間撹拌する。室温まで冷却し、5NのNaOH水溶液(100mL)を加える。水層を酢酸エチル(3×)で抽出する。減圧下で混ぜ合わされた有機層を濃縮し、N−[1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチル]−アセトアミド(4.5g,41%)をイエローオイルとして産出する。MS(m/z): 220.0(M+H)
調製物14: 1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン
Figure 0005539323
N−[1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチル]−アセトアミド(4.5g,20.5mmol)および5NのHCl水溶液(125mL)の溶液を100℃まで18時間加熱する。混合物を室温まで冷却する。反応物をジエチルエーテル(2×)で抽出し、その後、アルカリン水層を5NのNaOH水溶液で作る。水層をジエチルエーテル(3×)で抽出し,混ぜ合わされた有機層を硫酸ナトリウムを通して乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン(1.3g,36%)をダークイエローオイルとして得る。H NMR(400MHz,CDCl): δ8.45(d,J=5.6Hz,1H),7.12(d,J=5.6Hz,1H),2.30(m,1H),1.76(br s,2H),1.41(s,6H),1.09(m,2H),1.02(m,2H)。
調製物15: (R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
Figure 0005539323
トリフルオロ酢酸(7.56mL,100mmol)を1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[(R)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−5(R)−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(10.8g,20.0mmol)入りの酢酸(100mL)および水(5mL)の溶液に加える。周囲温度にて60分間撹拌する。(R)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンの顕著な形成を観察する(LC−MS ESI m/z: 426(M+Na),T=2.76分間、方法2)。反応物をトルエン(200mL)および水(150mL)で希釈する。有機層を水および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムを通して濾過する。酢酸(9.17mL,160mmol)および1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミン(4.51g,22mmol)を、(R)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンを含有するこのトルエン溶液に加える。55℃まで18時間加熱する。反応混合物を減圧下で濃縮し、ダークパープルオイルを得る。残留物をシルカゲルクロマトグラフィー(25%の酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、(R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(7.70g,65%)を紫色泡として得る。LC−MS ESI m/z: 613(M+Na),T=3.35分間、方法2。
調製物16: (R)−3−[1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン
Figure 0005539323
標題の化合物を、1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチルアミンを用いて、調製物15の方法において基本的に記載されるように調製する。収率38%、LC−MS ESI m/z: 563(M+H),T=3.46分間、方法2。
実施例1: (3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
Figure 0005539323
(R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(7.5g,12.7mmol)入りの酢酸(60mL)およびTHF(15mL)の溶液を0℃まで冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.60g,25.4mmol)を加える。冷却槽を5分後に除去し、60分間周囲温度にて撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液内にゆっくりと注ぐ。有機層を分離し、減圧下で濃縮する。残留物をシルカゲルクロマトグラフィー(15〜40%の酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン(5.20g,69%)を紫色泡として得る。紫色を除くために、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オンをメタノール(150mL)に溶解し、活性炭を加える。周囲温度にて20分間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮し、白色泡(4.6g,88%)を得る。H NMR(400MHz,CDCl): δ8.79(d,J=5.3Hz,1H),7.90(d,J=5.3Hz,1H),7.46(d,J=8.4Hz,2H),7.36(d,J=8.8Hz,2H),7.27(t,J=7.9Hz,1H),7.08(d,J=7.9Hz,1H),7.04(d,J=8.4Hz,1H),6.98(s,1H),5.04(dd,J=6.2,9.7Hz,1H),3.51〜3.45(m,1H),2.90〜2.81(m,1H),1.89〜1.81(m,1H),1.56(s,3H),1.50(s,3H)。LC−MS ESI m/z: 593(M+H),T=3.07分間、方法2。
実施例2: (3R,5R)−3−[1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン
Figure 0005539323
標題の化合物を、−10℃における反応を維持し、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの1当量を用いて、実施例1の方法において基本的に記載されるように調製する。収率42%,H NMR(400MHz,CDCl)δ8.46(d,J=4.8Hz,1H),7.44(d,J=8.4Hz,2H),7.36(d,J=8.8Hz,2H),7.28〜7.24(m,2H),7.08(d,J=7.5Hz,1H),7.03(d,J=7.9Hz,1H),6.98(s,1H),5.00(dd,J=6.2,10.1Hz,1H),3.36(dd,J=7.9,10.6Hz,1H),3.30〜3.25(br s,1H),2.84〜2.77(m,1H),2.23〜2.16(m,1H),1.91〜1.82(m,1H),1.47(s,3H),1.42(s,3H),1.18〜1.08(m,2H),1.05〜0.97(m,2H)。LC−MS ESI m/z: 565(M+H),T=2.49分間、方法2。
実施例3: (3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン
Figure 0005539323
1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−((R)−1−フェニル−エチルアミノ)−5(R)−(3−フルオロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オン(685mg,1.5mmol)、THF(4mL)、水(1mL)、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(0.23mL,1.8mmol)、酢酸(0.34mL,6.0mmol)、およびトリフルオロ酢酸(0.23mL,3.0mmol)の混合物を35℃にて18時間撹拌する。(R)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンの顕著な形成を観察する(LC−MS ESI m/z: 354(M+H),T=2.65分間、方法2)。反応物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液内に注ぎ、10mLのトルエン:酢酸イソプロピル(1:1)で希釈する。有機層を分離し、硫酸ナトリウムを通して濾過する。酢酸(0.69mL,12.0mmol)および1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミン(339mg,1.65mmol)を、(R)−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2,3−ジオンを含有するこの溶液に加える。55℃まで24時間加熱する。反応混合物を濃縮し、ダークパープルオイルを得る。3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−5(R)−(3−フルオロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンの顕著な形成を観察する(LC−MS ESI m/z: 541(M+H),T=3.32分間、方法2)。粗3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−5(R)−(3−フルオロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピロール−2−オンを酢酸(6mL)およびTHF(1.5mL)に溶解し、0℃まで冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(189mg,3.0mmol)を加える。冷却槽を5分後に除去し、30分間周囲温度にて撹拌する。反応物を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液内へゆっくりと注ぐ。有機層を減圧下で濃縮し、残留物をシルカゲルクロマトグラフィー(10〜35%の酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(340mg,41%)を泡として得る。H NMR(400MHz,CDCl): δ8.79(dJ=5.3Hz,1H),7.92(d,J=5.3Hz,1H),7.29〜7.26(m,2H),7.22〜7.18(m,1H),7.05(d,J=8.8Hz,2H),6.93(d,J=7.5Hz,1H),6.90〜6.83(m,2H),4.96(dd,J=6.2,9.7Hz,1H),3.45(dd,J=8.1,10.8Hz,1H),2.84〜2.77(m,1H),1.88〜1.80(m,1H),1.56(s,3H),1.49(s,3H)。LC−MS ESI m/z: 543(M+H),T=2.97分間、方法2。
実施例4: (3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−エチルアミノ]−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オン
Figure 0005539323
標題の化合物を、実施例3の方法において基本的に記載されるように調製する。収率47%。H NMR(400MHz,CDCl): δ8.77(d,J=5.3Hz,1H),7.93(d,J=5.3Hz,1H),7.28(d,J=8.8Hz,2H),7.25〜7.17(m,2H),7.16〜7.13(m,3H),7.02(d,J=8.8Hz,2H),4.96(dd,J=6.2,9.7Hz,1H),3.46(dd,J=7.9,10.6Hz,1H),2.83〜2.76(m,1H),1.91〜1.83(m,1H),1.56(s,3H),1.49(s,3H)。LC−MS ESI m/z: 525(M+H),T=2.92分間、方法2。
実施例5: (3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オントシレート
Figure 0005539323
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン(4.57g,7.71mmol)をイソプロパノール(10mL)に溶解する。p−トルエンスルホン酸一水和物(1.49g,7.71mmol)を加え、45℃まで溶液が均質になるまで加熱する。周囲温度まで冷却し、種晶を加える。周囲温度にてそのまま64時間置く。沈殿物を濾過し、ヘプタンで洗浄する。真空下で4時間乾燥し、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オントシレート(5.06g,86%)を白色粉末として得る。LC−MS ESI m/z: 593(M+H),T=4.92分間、方法1。
(種晶形成)
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン(61.4mg,104μmol)をイソプロパノール(1mL)に溶解する。p−トルエンスルホン酸一水和物(20.0mg,104μmol)を加え、均質な溶液を得る。(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オントシレート(<1mg)を加え、結晶化を開始する。溶液を空気にさらし、18時間以上蒸発乾燥し、(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オントシレート(77mg,97%)をオフホワイト固体として得る。
実施例6:(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オンアジピン酸塩
Figure 0005539323
(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オン(105mg,0.177mmol)をメタノール(0.8mL)および酢酸エチル(2mL)に溶解する。アジピン酸(30mg,0.20mmol)を加え、室温にて一晩蒸発させ、定量的物質収支の(3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オンアジピン酸塩(129mg,100%)を氷砂糖状に固まった固体(candied solid)として得る。ES/MS m/z: 593.0[M+H]
上述のように、本発明の化合物は、CB−1受容体の選択的かつ非常に強力な逆アゴニストまたはアンタゴニストであり、従って、この薬理学のおかげで様々な障害の治療に有用である。以下のアッセイを、特許請求した化合物のCB−1受容体活性、CB−1受容体についてのそれらの選択性、およびCB−1受容体逆アゴニストまたはアンタゴニストによって治療可能であると考えられる様々な障害の動物モデルにおけるそれらの活性を実証するために使用することができる。
定義により、純粋なアンタゴニストが受容体のリガンドにより媒介される活性化を阻害する(すなわち、アゴニスト依存性受容体刺激を遮断する)ことが記される。CB−1受容体を含む、一部の受容体は、受容体の定常活性または構成的活性と称される、アゴニスト(内因性/外因性)の非存在下でさえシグナル伝達を生じる。このような受容体について、逆アゴニストは、受容体のアゴニスト依存性刺激を阻害するだけでなく、受容体の定常活性も減少/阻害する。CB−1受容体が基礎的なシグナル伝達活性を有するという点において、逆アゴニストは、CB−1により媒介される障害についての治療剤として純粋なアンタゴニストより好ましい。本発明の化合物は、CB−1受容体の選択的逆アゴニストまたはアンタゴニストである。
CBおよびCBのインビトロでの機能アッセイ
本発明の化合物は、SPA(シンチレーション近接アッセイ)ベースのGTP−γ−35S結合アッセイを用いてアゴニストおよびアンタゴニスト様式の両方においてCB−1およびCB−2受容体での機能アッセイに関して試験できる。全てのアッセイ成分を、室温でアッセイ緩衝液(20mM HEPES、100mM NaCl、5mM MgCl、pH7.4)中で調製する。試験化合物の半対数希釈を、アゴニスト様式アッセイのためにBSA(0.125%最終濃度)を含むアッセイ緩衝液中で調製する。アンタゴニスト様式アッセイに関して、試験化合物を同じ方法で調製するが、完全なアゴニスト(メタンアンダミド)の80%有効用量も含む。アンタゴニストアッセイのためのGTP−γ35S結合は、以前に記載された抗体捕捉技術(DeLapp,NWら(1999)J Pharmacol Exp Ther 289:946−955)の変更を用いる96ウェルフォーマットで測定できる。CB−2受容体アゴニスト活性は、hCB2−Sf9膜を用いる同様の方法を用いて測定できる。CB−1受容体アゴニスト活性は、hCB1−CHO膜を用いる全膜捕捉技術を用いて測定できる。全てのインキュベーションは室温で行う。
アンタゴニスト様式アッセイ
hCB1−CHOおよびrCB1−CHOアンタゴニストアッセイ
hCB1−CHOまたはrCB1−CHO膜(Applied Cell Sciences,Rockville,MD)およびGDP(最終1μM)を、氷冷アッセイ緩衝液に加え、ホモジナイズする。希釈した化合物、GTP−γ−35S(最終濃度500nM)および膜をアッセイプレートのウェルに加え、室温で30分間、インキュベートする。次に、Nonidet P40界面活性剤(最終濃度0.2%)、ウサギポリクローナルIgG Gαi−3抗体(Covance,Princeton,NJによって供給された)、および1.25mgの抗ウサギ抗体シンチレーション近接アッセイビーズ(GE Healthcare,Piscataway,NJ)を含む混合物を加える。プレートを密閉し、ボルテックスし、さらに2時間、インキュベートする。次いで、プレートを10分間、700×gで遠心分離し、放射能を計数する。
hCB1−Sf9およびhCB2−Sf9アンタゴニストアッセイ
hCB1−Sf9およびhCB2−Sf9膜(Perkin Elmer,Boston,MA)を、hCB1−Sf9について1μM(最終濃度)のGDPおよびhCB2−Sf9について0.05μM(最終濃度)のGDPを用いて上記のように本質的に調製する。このアッセイを、上記のCHO膜について記載されるように本質的に行う。希釈した膜を15分間、試験化合物でプレインキュベートし、続いて、GTP−γ−35Sを加え、さらに35分、インキュベーションを行う。Nonidet P40および抗G抗体を連続して加え、各々を加えた後、15分、インキュベーションを行う。次いで、SPAビーズを加え、プレートを密閉し、ボルテックスし、次いで、1時間室温で、インキュベートする。
アゴニスト様式アッセイ
hCB1−CHOアゴニストアッセイ
hCB1−CHO膜、GDP(最終濃度1μM)、およびサポニン(最終濃度10μg/mL、Sigma,St Louis,MO)を合わせ、上記のアンタゴニストアッセイのように氷上で調製する。希釈した試験化合物、GTP−γ−35S(最終濃度500nM)および膜をアッセイプレートに合わせて、30分間、インキュベートする。次いで、1mg/ウェルのWheatgerm Agglutinin SPAビーズ(GE Healthcare,Piscataway,NJ)を加え、プレートを密閉し、ボルテックスし、1時間インキュベートし、その後、回転させ、上記のアンタゴニストアッセイと同じ様式で計数する。
hCB2−Sf9アゴニストアッセイ
hCB2−Sf9アッセイを、試験する(challenging)アゴニストを加えずに、上記のhCB1−sf9およびhCB2−sf9アンタゴニストアッセイに関して本質的に行う。1μM(最終濃度)のGDPを膜溶液に加え、nonidet P40、抗G抗体、およびSPAビーズをカクテルに一緒に加える。
データを以下のように解析する:バックグランドを全てのウェルから差し引く。アゴニストの有効性の割合を、完全なアゴニスト(メタンアンダミド)について得た反応に対してアゴニスト/逆アゴニスト用量反応データを正規化することによって決定する。アンタゴニストの阻害の割合を、完全なアゴニスト(メタンアンダミド)の飽和濃度によって生じる信号に対してデータを最初に正規化することによって算出する。次いで、そのデータを、4−パラメーターロジスティック減算フィット(4−parameter logistic reduced fit)(IDBS,Emeryville,CAから提供されるActivity Base(商標)およびXLFit3(商標))を用いて解析する。K値を、Cheng−Prusoffの相関関係:K=IC50/(1+[アゴニスト]/EC50)(式中、「IC50」は、置換曲線の4つのパラメーターフィットから決定され、「[アゴニスト]」はアゴニスト試験濃度(nM)であり、「EC50」は、完全なアゴニスト濃度反応曲線の4つのパラメーターフィットから決定される)の変更を用いて算出する(ChengおよびPrusoff 1973)。平均K値を、少なくとも3つの独立測定の平均±標準誤差(SEM)として計算する(Cheng YCおよびPrusoff WH.(1973),Biochem Pharmacol 22:3099−3108)。例示的な化合物は、有効なCB−1逆アゴニスト(Kbは10nm以下、典型的に2nM未満)であり、CB−2受容体より選択的(KbCB−2/KbCB−1>500、典型的に1000より大きい)であることが見出される。
表6および7は、本発明の特定の化合物のアンタゴニスト/逆アゴニスト特性を要約する。このデータは、試験化合物が、ラットおよびヒトの受容体の両方において有効なCB−1逆アゴニストであり、ヒトCB−2受容体より選択的であることを示す。0未満であるアゴニストの有効性は、その化合物が、インビトロにおいてCB−1受容体の定常(構成的)活性を低下させることを示し、これは、CB−1受容体における逆アゴニストとしてその化合物を特徴付ける。
Figure 0005539323
Figure 0005539323
強制水泳試験(FST)
強制水泳試験は、鬱病、不安および意欲消失(意欲の欠如)のために十分に確立された動物モデルである(Porsoltら,Nature(1977)266,730)(J.M.Witkinら,Trends Pharmacol Sci.2005 26:609−17)。それはまた、統合失調症の陰性症状の治療のためのモデルとして使用できる。
雄性NIH Swissマウス(Harlan Sprague−Dawley)を、試験前に7〜10日間、1つのケージ当たり12匹のマウスで収容する。試験の日に、体重25〜30gのマウスを、投与の少なくとも1時間前に試験室に入れる。マウスに6〜8分の間隔で、ビヒクル(CB1逆アゴニストのための、1%CMC/0.5%SLS/0.08%ポビドン/0.05消泡剤)または試験化合物のいずれかを投与(p.o.)し、そのマウスを無菌のケージに入れておく(1つのケージ当たり4匹のマウス)。
試験するために、マウスを、6分間、22〜25℃の水を6cmまで充填した透明なプラスチックシリンダー(約10cm直径×25cm高さ)に個々に入れる。最後の4分の間の不動持続時間を記録する。動かないで浮いている場合、またはマウスが水の上に頭を維持するために必要な動きのみを行っている場合、それらのマウスを不動とみなす。
不動の時間(秒単位)を、ダネット検定を用いてANOVAにより解析する。最小有効量(MED)は試験化合物の最も低い用量であるとみなし、その用量で、不動の時間の統計的に有意な減少が、ビヒクルコントロールに対してよりも観測される。
バイオアベイラビリティ
バイオアベイラビリティを利用するための方法は当該分野において十分に理解されている。1つのそのような参考文献は、Medicinal Research Reviews Vol21 No.5 382−396(2001)である。化合物のバイオアベイラビリティは本質的に以下のように推定され得る。
3または4匹の250〜450gの雄のSprague−Dawleyラットまたは約10kgのビーグル犬(雌または雄)の集団を用いる。静脈内の一部の研究のために、動物を絶食させる必要はない。イヌに、カニューレを挿入した橈側皮静脈により静脈内投与し、血液回収を頸静脈により行う。まず、動物に0.25mg/kgで静脈内投与し、次いで、血液サンプル(0.2mL)を、0.0830、0.25、0.50、1、2、4、8、12、24、48、72、96および120時間にて、抗凝固剤としてEDTAを用いて回収する。次に、少なくとも2日、かつ18〜24時間の絶食後、動物に強制経口投与(oral gavage)により1.0mg/kgを投与する。研究過程の間、回収した血液の全量(ml)は、全体重(g単位)の1%を超えない。より多くの血液量を必要とする場合、サンプリングされる血液量を、ドナー動物由来のヘパリン化された全血と取り替える。交差研究設計を用いる場合、ラットに、研究の間に取り除いたものとほぼ等量を各研究の日の最終サンプルの後に、一定量のヘパリン化された全血を与える。
化合物の血漿濃度をLC/MS/MSアッセイにより測定する。次いで、データを、標準的なノンコンパートメンタル(non−compartmental)薬物動態解析を用いて解析する。経口バイオアベイラビリティは以下のように算出する。
(AUC0−無限,経口/AUC0−無限,i.v.)×(用量,i.v./用量,経口)×100%
実施例5の化合物を試験して、以下のようなラットの経口バイオアベイラビリティを有することを見出す。
絶食した雄のSDラット
IV:0.25mg/kg、製剤:20%v/v MEOP/80%v/v 精製水
PO:1mg/kg、製剤:精製水中の、1% NaCMC/0.5% SLS/0.05% 消泡剤
経口バイオアベイラビリティは51+/−19%(平均の標準偏差、n=3のラット)であり、AUC0−24hに基づく。
ヒトCYPフィンガープリント法
CYPフィンガープリント法は十分に確立された技術であり、薬学において薬物−薬物相互作用の潜在的リスクの指標として使用される。本発明の化合物は、本質的に以下のように、周知の方法によって評価できる。化合物を、CYP阻害剤を1つも含まないものと、30分間別のインキュベーション中の各々のCYP阻害剤を含むものとで、0および30分間、プールし、混合した性別のヒトの肝臓ミクロソームおよび1mM NADPH(ニコチンアデニンジヌクレオチドリン酸)(最終濃度)とともに、4μMの最終濃度で37℃にてインキュベートする。各々の阻害剤は個々のシトクロムP450に特異的である。CYP 2C9、2D6および3Aに使用される特異的な阻害剤は、それぞれ、スルファフェナゾール、キニジンおよびケトコナゾールであった。ケトコナゾール(CYP3A)はDMSO中に25mMで構成し、次いで緩衝液中で10μMの最終濃度まで希釈する。キニジン(CYP2D6)は50/50アセトニトリル/水中に5mMで構成し、次いで緩衝液中で10μMの最終濃度まで希釈する。スルファフェナゾール(CYP2C9)はDMSO中に100mMで構成し、次いで緩衝液中で5μMの最終濃度まで希釈する。サンプルを、MicroMass Q−Tof−2質量分析計に接続されたWaters Acquity Ultra Performance LCを用いる陽イオンまたは陰イオンエレクトロスプレイ法においてLC−MSにより解析する。
データをMetaboLynx(商標)バージョン4.1を用いて解析する。存在する阻害剤とともに、(阻害されないコントロールインキュベーションに対して)30%未満の代謝産物のピーク領域の減少が、薬物−薬物相互作用(DDI)の低い危険性の指定を受け、30%〜70%の間のピーク領域の減少が、DDIの中程度の危険性を受け、70%より多くの減少がDDIの高い危険性を受ける。
例示的な化合物を記載されるように本質的に試験し、以下のようなCYPフィンガープリントを有することを見出す。
Figure 0005539323
給餌モデルにおけるインビボでの効果
体重を減少させる本発明の化合物の能力を、以下のように本質的にラット給餌モデルにおいて試験することができる。約40%の脂肪、約39%の炭水化物および約21%のタンパク質のカロリー含量からなる食事で、少なくとも12週間、離乳から自由に餌を与えることによって食事性肥満(DIO)の雄性Long−Evansラットを確立する。2週間、ラットの集団に試験化合物またはビヒクルを、(経口で、1日に1回)投与する。2週間処置後のビヒクル群と比べて、17gの差を生じるのに必要とする用量として化合物の効果(T17効果)を決定する。これは、2週間後のビヒクル処置と比較して体重の3〜4%の最低限の生物学的に関連する減少を示す。
抗精神病薬での体重増加モデル
抗精神病薬での処置の間に体重を維持/減少させる本発明の化合物の能力は、本質的に以下のようにラット給餌モデルにおいて試験できる。成体の脂肪の少ない雌性Sprague−Dawleyラットを、通常のげっ歯動物の餌であるPurina LabDiet 5001(12.3%の脂肪)および水を自由に取れるように維持する。1つの群(n〜7)をビヒクル(1%の乳酸)で1〜14日に処置し、一方、残りの群をオランザピン(2mg/kg、po)で処置する。食物摂取後、2週間の処置にわたって体重および脂肪量の変化を監視する。薬物送達の14日後、オランザピンで処置した動物を分け(1つの群当たりn〜8)、15〜28日間、第1の群を0.3mg/kgの試験化合物およびオランザピンで処置し、第2の群を1mg/kgの試験化合物およびオランザピンで処置し、最後の群をビヒクルおよびオランザピンで処置する。

Claims (10)

  1. 以下の式の化合物
    Figure 0005539323
    (式中、
    は、水素、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシからなる群より選択され、
    は、水素、ハロ、シアノ、1〜5個のフルオロ基で置換された(C−C)アルキル、および1〜5個のフルオロ基で置換された(C−C)アルコキシからなる群より選択され、
    は、水素、フルオロ、およびクロロからなる群より選択され、
    は、トリフルオロメチル、シアノおよびシクロプロピルからなる群より選択され、
    ただし、Rが水素、クロロ、シアノ、またはトリフルオロメチルである場合、Rは、1〜5個のフルオロ基で置換された(C−C)アルコキシである)
    またはその薬理学的に許容できる塩。
  2. が、トリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、および1,1,2,2−テトラフルオロエトキシからなる群より選択され、Rが水素である、請求項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  3. が、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシである、請求項1または請求項2のいずれかに記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  4. が、1〜5個のフルオロ基で置換された(C−C)アルコキシである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  5. が水素である、請求項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  6. (3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オンである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  7. (3R,5R)−3−[1−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−1−メチル−エチルアミノ]−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロリジン−2−オンである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  8. (3R,5R)−3−[1−メチル−1−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−エチルアミノ]−5−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オンである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  9. (3R,5R)−3−[1−メチル−1−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−エチルアミノ]−5−フェニル−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピロリジン−2−オンである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩。
  10. 請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容できる塩、および薬理学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
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