JP5539228B2 - ポリノルボルネンパーベーパレーション膜フィルム、その調製および使用 - Google Patents

ポリノルボルネンパーベーパレーション膜フィルム、その調製および使用 Download PDF

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Description

本発明は、概して、パーベーパレーション膜フィルムとしての使用に適したポリノルボルネンに関し、より具体的には、かかるポリマーの組成物および調製、該ポリマーから作製された膜フィルム、ならびに該膜フィルムのパーベーパレーションプロセスのための使用に関する。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2008年1月28日出願の米国仮特許出願第61/024,043号に基づく優先権の利益を主張しており、その全内容が参照により本明細書に援用される。
有機物を水から分離することに対する必要性は継続的に存在している。そのような分離の必要性は、工業プロセスにより誤って汚染された水流の浄化から、生物学的プロセスを介して化学物質を形成するために用いられる水性発酵培養液からの有機生成物の単離(例えば、発酵反応器の培養液または他の任意の生物学的に形成された培養液(例えば、藻類培養液)からのバイオ燃料の生成)に及び得る。かかる分離を生じるために蒸留やガスストリッピングなどのプロセスを用いることはよく知られているが、これらの従来プロセス(特に蒸留)は、概して資本コストおよびエネルギーコストが高くつくという特徴を有するため、しばしば問題をはらんでいる。例えば、従来の分離プロセスによると、バイオ燃料(例えば、ブタノール)の燃焼熱のうち60%を超える量が「浪費」され得ることが指摘されている。
このため、上記分離のための代替プロセスとして、パーベーパレーションとして知られるプロセスが、上述の「浪費」の解決策として大きな注目を集めてきた。パーベーパレーションプロセスでは、供給液(charge liquid)(多くの場合、発酵培養液)を、その供給液の1成分を優先的に透過させる特性を有する膜フィルムと接触させる。次いで、この透過物(permeate)は、膜フィルムの下流側から蒸気として取り出される。これまでに、ポリイミド、ポリジメチルシロキサンなどのポリマーがパーベーパレーション膜を形成するために用いられ、ある程度の成功を収めてきたが、いずれも商業的成功を収めるのに必要な特性を示さなかった。
図1は、本発明の一側面に係るパーベーパレーションモジュールを図示している。 図2は、本発明の一側面に係るパーベーパレーションシステムを図示している。 図3は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図4は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図5は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図6は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図7は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図8は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図9は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図10は、本発明の一側面に係るポリノルボルネンパーベーパレーション膜の電子顕微鏡写真である。 図11は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図12は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図13は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図14は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図15は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図16は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図17は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図18は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図19は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。 図20は、本発明の一側面において、分離係数(SF)と、流束と、ブタノール濃度との関係を示している。
以下、本発明の例示的な実施形態を記載する。かかる実施形態の開示により、それらを様々に改変、適合または変更した実施形態が当業者には当然に理解され得る。このように本発明の教示に依拠する改変、適合または変更形態であって当該技術を進歩させるような形態は、全て、本発明の範囲および趣旨の内にあるものと理解される。例えば、本明細書に記載される例示的実施形態では、概して水性供給液からのブタノールの分離を取り上げるが、本発明をブタノール分離のための実施形態に制限する意図ではない。したがって、本発明のいくつかの実施形態には、適切なポリノルボルネンパーベーパレーション膜が形成される場合、水性(aqueous−based)供給液からの任意の有機物の分離が包含される。例えば、いくつかの実施形態は、適切なポリノルボルネンパーベーパレーション膜を用いて親水性供給液から疎水性有機物を分離することを包含する。本発明のさらに他の実施形態は、無極性有機物および極性有機物の分離を包含する。かかる分離の例としては、水混和性アルコール(例えば、メタノールまたはエタノール)からの芳香族化合物(例えば、ベンゼンまたはトルエン)の分離や、および極性ヘテロカルビル系(heterocarbyl−based)物質からの無極性ヒドロカルビルベース系物質(例えば、ヘキサンおよびヘプタン)の分離が挙げられるが、これらに限定されない。
また、特記しない限り、本明細書において用いられる、成分量、反応条件、吸収%などを示す全ての数字、値および/または表現は、全ての場合において「約」の用語により修飾されていると理解されるべきである。
さらに、本明細書において開示されるいずれの数値範囲も連続的であり、各範囲の最小値と最大値の間のあらゆる値を包含すると理解される。特に明示しない限り、そのような数値範囲は、かかる数値を得る際に生じ得る様々な不確定要素を反映した近似値を示すものである。
疎水性ポリマーにより作製されるパーベーパレーション膜では、有機物濃度が増大するにつれて可塑化されかつ/または膨潤する挙動を示すことが予期される。膜の可塑化かつ/または膨潤は、通常、有機物および水の両方の透過性を望ましからず増大させ、このとき水の透過性は一般に有機物の透過性に比べてより大きく増大するため、分離係数の低下を招く。膜の可塑化かつ/または膨潤はまた、通常、流束の望ましくない低下を引き起こす。意外なことに、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、概して疎水性であるが、一般的に予期される挙動とは逆の挙動を示す。本明細書に記載されるようなポリノルボルネンパーベーパレーション膜では、供給物(フィード)濃度の増大(すなわち、フィード流における有機物濃度の増大)に伴って分離係数が飛躍的に上昇する。
パーベーパレーションにおいては、典型的には、多成分を含む液体流を、それら成分のうちの1つ以上を優先的に透過させるパーベーパレーション膜に通過させる。パーベーパレーション膜の表面に多成分液体流を流通させると、上記優先的透過成分がパーベーパレーション膜を通り抜けて、透過物蒸気として取り出される。パーベーパレーション膜を通り抜けての輸送は、パーベーパレーション膜の透過側の蒸気圧を、多成分液体流の蒸気圧よりも低く維持することにより誘導される。かかる蒸気圧の差は、例えば、多成分液体流の温度を透過物流の温度よりも高く維持することにより達成され得る。この例では、フィードの温度を維持し、パーベーパレーションプロセスを継続させるために、透過物成分の気化潜熱を多成分液体流に供給する。あるいは、蒸気圧の差は、典型的には、パーベーパレーションモジュールの透過側を大気圧以下の圧力として作動させることにより達成される。ポリノルボルネンパーベーパレーション膜の透過側の減圧は:コンデンサユニットでの冷却および凝縮の結果として起こる圧力低下を利用すること、かつ/あるいは、真空ポンプを用いること、のいずれによっても達成され得る。透過側において必要に応じてスイープガスを用いることにより、透過成分の濃度を低下させてパーベーパレーションプロセスを促進し得る。フィード液の蒸気圧は、発酵培養液を加熱することにより必要に応じて高め得る。
パーベーパレーションプロセスの概略図を図1に示す。図示されるように、非常に多くの化学種を含有するフィードがパーベーパレーションモジュール100に、その供給側にある液体チャンバ102に供給される。透過側にある蒸気チャンバ104は、パーベーパレーション膜106によって液体チャンバ102から隔てられている。所定の透過物に対して選択性を有するパーベーパレーション膜106を通じて、フィード液から蒸気相が抽出される。そして、フィード液に比べて上記所定の透過物が富化された透過物蒸気が、一般的にはその凝縮により、パーベーパレーションモジュール100から取り出される。
ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を利用したパーベーパレーションは、例えばバイオブタノールおよび1種以上の他の混和性成分を含む発酵培養液を処理するために用いられ得る。より具体的には、発酵培養液を液体チャンバ102にてポリノルボルネンパーベーパレーション膜106の片面と接触させて配置することができ、一方で蒸気チャンバ104に対して減圧またはガスパージを適用する。発酵培養液は加熱してもよく加熱しなくてもよい。発酵培養液中の成分は、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜106の内部/表面に吸着し、該膜を透過し、蒸気相中に気化する。結果として生じる蒸気または透過物(例えばブタノール)は、次いで、凝縮され、回収される。発酵培養液中の異なる化学種は、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜に対して異なる親和力を有し、膜中への異なる拡散速度を有するため、フィード中に低濃度で含まれる成分であっても、透過物中に高度に富化され得る。
図2は、有用な有機化合物(例えばバイオブタノール)を含有する粗発酵培養液から、ブタノールまたは他の望ましい物質を分離するために使用され得る例示的なパーベーパレーションシステム200を図示している。粗発酵培養液は、フィードタンク205からのフィード流210としてポンプ215により汲みだされ、加熱器220を通してその温度を上昇させる。次いで、この発酵培養液は、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を備えたパーベーパレーションモジュール225に、加圧下に供給される。ブタノールを含有する透過物蒸気230がパーベーパレーションモジュール225から得られ、真空ポンプ245の助けを借りて、ブタノール蒸気がコンデンサ235において凝縮される。ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を通過しない残留発酵培養液または残留液流(retentate stream)250は、システム200から排出255されるか、または再循環流260に導かれてフィードタンク205に戻され得る。
パーベーパレーションプロセスを補足する追加的な方法としては、遠心分離、濾過、デカンテーション、デフレグメーション等により発酵培養液から固形物を除去すること;吸着、蒸留または液−液抽出を用いて発酵培養液中のブタノール濃度を上昇させること;が挙げられる。
バイオマス由来のブタノールは、バイオブタノールと呼ばれることが多い。バイオブタノールは、A.B.E.プロセスによるバイオマスの発酵により生成され得る。このプロセスではクロストリジウム属の細菌(例えば、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum))を用いるが、他の細菌(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、クロストリジウム・サーモハイドロスルフリカム(Clostridium thermohydrosulfuricum)、大腸菌(Escherichia coli)、カンジダ・シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)およびクロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)が挙げられる。)を用いてもよい。バイオブタノールはまた、セルロース材料からバイオブタノールを生成するための遺伝子組換え酵母菌を用いて生成され得る。バイオブタノールを含有する粗発酵培養液は、図1に図示されるポリノルボルネンパーベーパレーション膜および/または図2に図示されるパーベーパレーションシステムによって好都合に処理されて、粗培養液中のブタノールの濃度と比較して濃縮されたブタノールを提供し得る。上記にもかかわらず、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、ブタノール以外のアルコール(例えば、上記の表1および2に示されるようにエタノール)の、それが形成された発酵培養液からの分離に有用である。また、カルバゾール官能基化したノルボルネンROMPポリマーがアルコールの脱水について高い分離係数を有することが見出されてきた(Wang et al.,“Pervaporation separation of aqueous alcohol solution through a carbozole−functionalized norbornene derivative membrane using living ring−opening metathesis polymerization”,Journal of Membrane Science,246(2005)59−65)のと同様に、本発明のビニル付加ノルボルネンポリマーもまた高い分離係数を示し、同時に上述のROMPポリマーと比較して好都合な物性(例えば、Tg、モジュラスおよび加水分解安定性)も示すことが予想される。
発酵培養液は、概して種々の炭素基質を含有する。そのような炭素基質の例としては、単糖類(例えば、グルコースおよびフルクトース)、オリゴ糖類(例えば、ラクトースまたはスクロース)、多糖類(例えば、デンプンまたはセルロース)またはそれらの混合物、および再生可能な原料(例えば、チーズホエー透過物、コーンスティープリカー、甜菜糖蜜、および大麦麦芽)からの未精製混合物が挙げられる。さらなる例としては、一炭素基質(例えば、二酸化炭素またはメタノール)および二炭素基質(例えば、メチルアミンおよびグルコサミン)が挙げられる。一般的に、発酵培養液において利用される炭素源は大きく異なり得、典型的には生物が何かによって決まる。炭素源に加え、発酵培養液には、培養物の増殖およびブタノールの生成に必要な酵素経路の促進に適した、当業者に知られた適切なミネラル、塩、補助因子、緩衝剤、および他の成分が含まれ得る。市販されている発酵培養液の例としては、Luria Bertani(LB)培養液、Sabouraud Dextrose(SD)培養液、またはYeast Medium(YM)培養液が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「ブタノール」とは、n−ブタノールおよび/その異性体を包括的に指す。本発明の一部の実施形態において、発酵培養液は、約0.1%〜約10%のブタノールを含有する。他の実施形態において、発酵培養液は、約0.5%〜約6%のブタノールを含有する。本明細書に記載されるポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、相対的に高レベルのブタノールを含有する発酵培養液からブタノールを分離するのに特に効果的であることから、さらに他の実施形態においては、発酵培養液は、少なくとも約1%のブタノールを含有する。
バイオブタノールを含有する粗発酵培養液からブタノールを分離するプロセスにおいて、粗発酵培養液フィードは、ブタノールのポリノルボルネンパーベーパレーション膜透過を促進する温度に加熱される。一実施形態において、粗発酵培養液フィードは、約30℃〜約90℃の温度に加熱される。別の実施形態において、粗発酵培養液フィードは、約40℃〜約80℃の温度に加熱される。さらに別の実施形態において、粗発酵培養液フィードは、約50℃〜約70℃の温度に加熱される。
パーベーパレーションを促進するために、適切な減圧状態が、パーベーパレーションモジュールの蒸気チャンバに適用され得る。一実施形態において、適用される減圧状態は、約0.1inHg〜約28inHgである。別の実施形態において、適用される減圧状態は、約1inHg〜約25inHgである。
他のプロセスとして、パーベーパレーションフィード流における有機生成物の濃度が増大するにつれて、該有機生成物(例えばブタノール)の分離係数を上昇させる方法が挙げられる。かかる方法は、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を用いてパーベーパレーションフィード流から有機生成物を分離することを含む。
本明細書において用いられる場合、SFは分離係数であって、第2の化学種と比較した第1の化学種の分離品質を示す尺度であり、透過物の組成比とフィードの組成比との比として定義される。
本明細書において用いられる場合、流束は、単位時間当たりに膜の単位面積を流通する量である。
流束およびSFはまた、以下の式によっても説明され得る:
Figure 0005539228
パーベーパレーション膜の効率は、分離係数(液体混合物が膜を透過することによる富化率)および液体混合物がポリマー膜を透過する流束の2点により容易に評価され得る。したがって、膜の分離係数および速度係数が高いほど、該膜の分離効率は高くなる。もちろん、これは非常に単純化された分析であり、分離係数の低さは多段膜プロセスを用いることにより克服し得ることが多く、また、膜の流束係数が低い場合には、そのような膜を高表面積に形成することによって低流束を克服し得ることが多い。したがって、分離係数および流束係数は重要な検討事項であるが、他の因子(例えば、膜の強度、弾性、使用に伴う汚れに対する耐性、熱安定性、自由体積などもまた、パーベーパレーション膜を形成するために最良のポリマーを選択する際の重要な検討事項である。
ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、発酵培養液からブタノールを取り出す効果的な手段を提供するのに好適なブタノール分離係数(SF)を有する。一実施形態において、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、少なくとも約5のブタノールSFを有する。別の実施形態において、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、少なくとも約10のブタノールSFを有する。さらに別の実施形態において、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、少なくとも約15のブタノールSFを有する。なおさらに他の実施形態において、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、少なくとも約20、少なくとも約25、または少なくとも約30のブタノールSFを有する。さらに、上述したいずれかのSFは、フィード流中のブタノール濃度が2%またはそれより大、3%またはそれより大、あるいは4%またはそれより大である場合に達成され得る。
本発明のポリノルボルネンパーベーパレーション膜を用いることにより、発酵培養液からブタノールを取り出す効果的な手段を提供するのに好適なブタノール流束が達成され得る。一実施形態において、かかるポリノルボルネンパーベーパレーション膜を用いて、少なくとも約100g/m/hrのブタノール流束が達成され得る。かかるポリノルボルネンパーベーパレーション膜を用いて、別の実施形態においては、少なくとも約150g/m/hrのブタノール流束が達成され得;さらに別の実施形態では約200g/m/hrのブタノール流束が達成され得、なお別の実施形態においては少なくとも約250g/m/hrのブタノール流束が達成され得る。さらに、以前から知られる非ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を用いて一般的に見出されることとは異なり、上述したいずれかの流束は、フィード流中のブタノールの濃度が2%またはそれより大、3%またはそれより大、あるいは4%またはそれより大である場合に達成され得る。
ポリノルボルネンは概してパーベーパレーション膜の形成に用いられるのに適していること、および、ビニル付加重合されたポリノルボルネンは、その重合方法がポリマーの物理的特性(例えば、Tg、モジュラス、自由体積、疎水性、加水分解安定性など)およびパーベーパレーション特性(例えば、SFおよび速度係数)を調整するために有用な種々のペンダント基を有し得るポリマーの作製を可能にすることから特に好適であることが見出された。また、ポリノルボルネンは、ポリマーの1クラスとして比較的高いガラス転移温度を有しており、かかるポリマーは既知の膜よりも高い温度にてパーベーパレーション膜として働く能力を提供する可能性があり得る。一実施形態において、本明細書に記載されるポリノルボルネンパーベーパレーション膜を作製するために用いられるポリノルボルネンは、ROMPポリノルボルネン(開環メタセシス重合)ではなく、ビニル付加ポリノルボルネンである。
以下に示す一般的ポリノルボルネン構造Iは、上記のようなビニル付加ノルボルネン型ポリマーを形成するための方法により、ポリマー中に繰返し単位(該ポリマーは、特定の特性を有するポリマーが結果的に提供されるように選択されたペンダント基を備える複数の繰返し単位を有する)が提供され得ることを説明するのに有用である。
Figure 0005539228
例えば、ペンダント基Aは、透過物に似たペンダント基を組み込むことによってこのポリマーに所望の化学選択性を与えるように選択され得る;ペンダント基Bは、適切なポリヘドラルオリゴシルセスキオキサン(POSS)ペンダント基を組み込んでこのポリマーの自由体積を調整することにより適切なSFおよび/または流束を提供するように選択され得る。また、このポリマーの機械的性質(Tg、モジュラス、加水分解安定性など)はペンダント基Cを介して調整され得、この場合、例えば、適切なアルキルペンダント基を一部の繰返し単位に提供するとともに、適切な疎水性または親水性ペンダント基Dを提供することにより、表面特性(例えば、適度な疎水性)を調整し得る。いくつかのペンダント基の各々は、特定のポリマー特性に対して主要な効果を与えながらも、概して、上述した特性のうちの他の特性に対しても影響を与えることが当然に理解される。結果として、一部の実施形態においては、所望の特性を得るために1つより多くのペンダント基を変更することが必要であり得る。
再生可能燃料(例えば、トウモロコシその他のデンプンまたは糖を多く含む農産物からのエタノールおよびブタノール)の効率的な製造への大きな関心を考慮して、いくつもの入手可能なポリノルボルネンの選択性について試験した。最初の試験方法は、エタノールもしくはブタノールのいずれかまたはそれらの混合物を既知の濃度で含む15gの供給液で1gの塊状ポリマーを処理することを包含した。上記供給液を約18時間にわたって上記ポリマーと接触させたままにした後、この液を濾過し、元のアルコール濃度と残ったアルコールの濃度との差を、吸着されたアルコールの量と見なした。以下に示される表1、表2および表3を参照すると、最初に試験されたポリマーの中には、供給液からアルコールを吸収するのに効果的なものもあれば、そうでないものもあったことが分かる。したがって、かかる試験は、そのようなポリマーから成る膜がアルコールの吸着に対して選択性を有し得ることの示唆を提供し得ると考えられる。表1、表2および表3を通じて示される試料番号は特定の既製ポリマーを指示しており、異なる表中の同じ試料番号は同じポリマーを示していることに留意されたい。
Figure 0005539228
Figure 0005539228
Figure 0005539228
表1および表2に見られるように、ほとんどのポリマーはいくらかのエタノールを吸収したが、いずれの場合も%吸着率が10%にまで高くなることはなかった。表3では試料21のポリマーは最初に供給液中に含まれていたブタノールの40%より多くを吸着し、試料1、11、13、17〜20および34〜40のポリマーは、各々、最初に供給液中に含まれていたブタノールの20%より多くを吸着した。上記の結果はポリノルボルネンがエタノールおよびブタノールの両方の吸収に有用であり得ることを示すが、ブタノールに対してより大きな選択性を示すことにより、パーベーパレーション膜としてのポリノルボルネンを、ブタノール/水供給液を用いてさらに評価することが方向付けられた。表1〜3に示す第1のスクリーニングと同様にして、ただし5%ブタノール供給液を用いて行ったこの第2組のスクリーニングの結果を表4に示す。
Figure 0005539228
表4に見られるように、試料A、CおよびEが最も良い結果を示した。上記の表中に示される2種のHFANB含有ポリマーがブタノールに対して5より大きな吸着率を示したことを考慮して、さらに評価して既知のパーベーパレーション膜について報告されている選択性データと比較される膜を調製するために、試料Eのポリマーが選択された。なお、上記吸着率は、ポリマーにより吸着されたブタノールを供給液中におけるブタノールの最初の濃度で割った百分率として計算される。
以下の表5には、試料Eのポリマーから作製された膜と、ポリジメチルシロキサン(PDMS)およびシリカライト(アルミニウムを含まないシリカベースのゼオライト)から作製された両方の膜についてのデータを示している。これら既知の材料の各々について示されたデータは、表の下に注釈されるとおり、ブタノールを少量含む供給液を用いた公知文献から得られたものであることに留意されたい。さらに、PDMS試料は薄くて本質的に非多孔性の膜であったが、シリカライトはその構造に起因して多孔性の物質であり、したがって、試料E膜のように比較的厚くて緻密で本質的に非多孔性の膜と比較すると、その膜の透過速度を向上させる物質であったことに留意すべきである。さらに、一般的に、分離対象たる有機物をより低い濃度で含む供給液が用いられると、多くの場合、分離係数の結果がより高くなることが知られている。したがって、表5に示された結果は極めて意外であると考えられ、ポリノルボルネンから作製されたパーベーパレーション膜は、ひとたびそのようなポリマーが調製され、多孔性または他の構造を有する膜を形成するためのプロセスがさらに十分に開発されると、商業的に実現可能となり得ることを強く示唆している。試料Eのポリマーおよびその緻密膜の形成についての実験データが以下に示されることに留意されたい(試料Eに関する実験参照)。加えて、そのような膜を試験する方法が記載される。最後に、表5は、「理想的」なパーベーパレーション膜であると考えられるものについてのデータも表示していることに留意されたい。このデータを試料Eのポリマーから形成された膜のデータと比較することが、特に勧められる。
Figure 0005539228
定義
thf:テトラヒドロフラン CAS:[109−99−9]
DME:1,2−ジメトキシエタン CAS:[110−71−4]
RT:室温
PGMEA:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート CAS:[108−65−6]
MGENB:メチルグリシジルエーテルノルボルネン CAS:[3188−75−8]
DeNB:5−デシル−2−ノルボルネン CAS:[22094−85−5]
PENB:フェネチルノルボルネン CAS:[29415−09−6]
TMSNB:トリメトキシシリルノルボルネン CAS:[7538−46−7]
TESNB:トリエトキシシリルノルボルネン CAS:[18401−43−9]
MeOAcNB:5−ノルボルネン−2−メタノールアセテート CAS:[10471−24−6]
HFANB:ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネン CAS:[196314−61−1]
TFSNB:N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド CAS:[287923−92−6]
tBuEsNB:ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−5−エン−2−tert−ブチルカルボキシラート CAS:[154970−45−3]および
Mw:分子量。
本明細書に記載されるポリノルボルネンは、以下に示される構造1に従うノルボルネン部分を少なくとも1つ含む1種以上の「ポリシクロオレフィン」、「多環式」または「ノルボルネン型」モノマーを包含するビニル付加重合反応の結果である。この重合反応後、かかるモノマーから形成されたポリマー材料は、以下に示される構造2に従う繰返し単位を少なくとも1つ含む。
Figure 0005539228
本発明の一部の実施形態は、酸不安定に保護された(acid labile protected)ペンダント基を有するノルボルネン型モノマーから誘導される繰返し単位を含み得る。そのようなモノマーは、下記の式Aにより表される。
Figure 0005539228
ここで、式中のmおよびZは上記に規定されており、R、R、RまたはRの内の少なくとも1つは、独立して、酸不安定に保護されたペンダント基であり、この酸不安定に保護されたペンダント基は、例えば光酸発生剤から発生する酸により開裂させ得る。本発明においては、文献および当該技術分野において知られている公知の酸不安定基(例えば、式Aに関して本明細書中で述べられるもの)を任意に利用し得る。
残りの1つ以上のR、R、RまたはR基は、独立して、水素、または1個〜約20個の炭素原子を有するヒドロカルビル、またはF、ClもしくはBrから選択されるハロゲン、または任意の水素原子においてO、S、NもしくはSiなどで置換されている1個〜約20個の炭素原子を有するヒドロカルビル、または1個〜約20個の炭素原子を有し各炭素原子が独立して0個、1個、2個もしくは3個のフッ素原子で置換されているフッ化ヒドロカルビルであり得る。
一部の実施形態において、酸不安定基は1個〜約20個の炭素原子を有するフッ化カルビノール部分であり、ここで各炭素原子は、独立して、0個、1個、2個または3個のフッ素原子で置換されており、酸素原子は、光酸発生剤から発生される酸によって開裂可能な酸不安定基(すなわち、ブロック基または保護基)により保護されている。当該技術分野および文献にて知られている任意の酸不安定基が本発明において使用され得る。好都合なフッ化基としては、とりわけ、−((CHO)n*−CH−C(OR’)(CFおよび−O−((CHO)n*−CH−C(OR’)(CFが挙げられる。ここで、nおよびn*は0〜約10の整数であり、R’は酸不安定基である。R’としては、−CHOCH(ジメチルエーテル)基、−CHOCHCH(メチルエチルエーテル)基、−C(CH基、−Si(CH基、−CHC(O)O(t−Bu)基、イソボルニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラノイル基、3−オキソシクロヘキサノニル基、メバロンラクトニル(mevalonic lactonyl)基、ジシクロプロピルメチル(Dcpm)基、またはジメチルシクロプロピルメチル(Dmcp)基が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、R’は、−C(O)OR’’基であり、ここでR’’は、−C(CH基、−Si(CH基、イソボルニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラノイル基、3−オキソシクロヘキサノニル基、メバロンラクトニル基、Dcpm基、またはDmcp基、またはそれらの組み合わせである。
本発明の一部の実施形態において、式Aは、下記の式A1により表される。
Figure 0005539228
ここで、式中のAは架橋基(例えば、C〜Cのアルキル基または((CHn’O)であり、ここで、nおよびmは独立して1〜4であり、R’は先に規定されるとおりである)である。より具体的には、酸不安定に保護されたペンダント基を含む例示的なモノマーとして以下のものが挙げられる。
Figure 0005539228
式Aに従う他のノルボルネン型モノマーは、下記の式A2により表される。
Figure 0005539228
ここで、n’は1〜約5の整数であり。R、RおよびRは、独立してC〜約C20の直鎖もしくは分枝状のヒドロカルビル基を表すか、または、RおよびRは、一緒になって、それらが共通して結合する炭素とともにC〜C12の飽和環式基を表し得る。
式A2に従う例示的なノルボルネン型モノマーは、
Figure 0005539228
を包含する。ここで、tBuは第三級ブチル基である。
本発明に従う一部の実施形態は、ノルボルネン型モノマーから誘導される2種以上の異なる繰返し単位を含むポリマーであって、そのような繰返し単位の少なくとも1種はポリヘドラルオリゴシルセスキオキサン(POSS)ペンダント基を有するポリマーである。そのようなポリヘドラルオリゴシルセスキオキサン含有繰返し単位は、下記の式Bにより表されるノルボルネン型モノマーから誘導される。
Figure 0005539228
式中、mは0〜約5の整数であり;Zは−(CH、−O−、−S−、または−NH−を表し、pは1または2のいずれかである。さらに、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つは、独立して、ポリヘドラルオリゴシルセスキオキサン部分であり、残りのR、R、RまたはR基の各々は、独立して、水素原子、または1個〜約20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝状のヒドロカルビル基である。式Bに従うモノマーは、Hybrid Plastics(Hattiesburg,MS)から入手可能であり、そのようなモノマーとして、下記の式B1、B2、B3、B4、B5およびB6が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0005539228
上記式中、Cpはシクロペンチルであり、Cyはシクロヘキシルであり、Meはメチルであり、Etはエチルであり、i−Buはイソブチルである。
また、本発明に従う一部の実施形態は、ポリヘドラルオリゴシルセスキオキサン基、酸不安定に保護された基および架橋し得る基を除くペンダント基を有するノルボルネン型モノマーから誘導される繰返し単位を含む。そのようなモノマーは、下記の式Cにより表される。
Figure 0005539228
ここで、mおよびZは上記のとおり規定される。置換基R13、R14、R15およびR16は、各々独立して、水素、直鎖もしくは分枝状のC〜C10アルキル、またはF、ClもしくはBrから選択されるハロゲン、−(CH−C(O)OR17、−(CH−OR18、−(CB−OC(O)R17、−(CH−OC(O)OR17、−(CH−C(O)R18、−(CHC(R19CH(R19)(C(O)OR20)、−(CHC(R19CH(C(O)OR20、−C(O)O−(CH−(O−(CH−OR18および−(CH−(O−(CH−OR18からなる置換基群から選択される中性置換基である。ここで、nは独立して0〜10の整数であり、pは独立して0〜6の整数である。Bは、水素またはハロゲン(すなわち、フッ素、塩素、臭素、および/またはヨウ素)であり得る。R19は、独立して、水素、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、直鎖もしくは分枝状のC〜C10アルキル基またはC〜C12のシクロアルキル基、あるいは直鎖もしくは分枝状のC〜C10ハロゲン化アルキル基またはC〜C12ハロゲン化シクロアルキル基であり得る。R18は、独立して、水素、直鎖もしくは分枝状のC〜C10アルキル基またはC〜C12シクロアルキル基、あるいは直鎖もしくは分枝状のC〜C10ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化C〜C12シクロアルキル基であり得る。R20は、光酸発生剤により容易に開裂されず、独立して、直鎖もしくは分枝状のC〜C10アルキル基またはC〜C12シクロアルキル基、あるいは直鎖もしくは分枝状のC〜C10ハロゲン化アルキル基またはC〜C12ハロゲン化シクロアルキル基であり得る。そして、R17は、光酸発生剤により容易に開裂されず、独立して、水素、直鎖もしくは分枝状のC〜C10アルキルもしくはハロゲン化アルキル、単環式もしくは多環式のC〜C20脂環式もしくはハロゲン化シクロアルキル部分、環式エーテル、環式ケトン、または環式エステル(ラクトン)(この環式エーテル、環式ケトンおよび環式エステルの各々は、ハロゲン化されていてもハロゲン化されていなくてもよい)であり得る。例示的な脂環式部分としては、置換されていないシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ならびに1−アダマンチル部分および1−ノルボルネン部分が挙げられるが、これらに限定されない。また、一部の実施形態において、本発明における繰返し単位は、R’が水素である(他の変数は全て式A1に規定されるとおりである)場合の式A1により表されるモノマーから誘導される。
一般的に、本発明に従うポリマーは、式A、式Bおよび式Cにより表されるモノマー種から誘導される1種以上の繰返し単位を含む。そのようなポリマーは、概して、式Aに従うモノマーから誘導される1つ以上の繰返し単位と、式Bおよび/または式Cに従うモノマーから誘導される少なくとも1つの他種の繰返し単位とを含むことに留意されたい。本発明に従う他の有利な実施形態は、式Bおよび/または式Cで表されるモノマーから誘導される繰返し単位を含む適切なホモポリマーおよび/またはコポリマーを含む。
本発明に従う実施形態のノルボルネン型ポリマーは、例えば米国特許第6,455,650号明細書に述べられるような中性またはカチオン性パラジウムベースの触媒、または米国特許第6,232,417号明細書に述べられるようなニッケルベースの触媒を用いたビニル付加重合により調製される。これらの特許明細書の関連部分は、参照により本明細書に援用される。例示的なパラジウム触媒としては、とりわけ、トランス−[Pd(NCMe)(OAc)(P(i−プロピル)]B(C、トランス−[Pd(NCC(CH)(OAc)(P(i−プロピル)]B(C、トランス−[Pd(OC(C)(OAc)(P(i−プロピル)]B(C、トランス−[Pd(HOCH(CH)(OAc)(P(i−プロピル)]B(C、トランス−[Pd(NCMe)(OAc)(P(シクロヘキシル)]B(C4、Pd(OAc)(P(シクロヘキシル)、Pd(OAc)(P(i−プロピル)、Pd(OAc)(P(i−プロピル)(フェニル))、トランス−[Pd(NCMe)(OAc)(P(シクロヘキシル)(t−ブチル))]B(C、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示的なニッケル触媒としては、とりわけ、(トルエン)ビス(ペルフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロフラン)ビス(ペルフルオロフェニル)ニッケル、(ジメトキエタン)ビス(2,4,6−トリス(トリフルオロメチルフェニル))ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(ペルフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセタート)ビス(ペルフルオロフェニル)ニッケル、およびそれらの混合物が挙げられる。
ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、発酵培養液から望ましい物質(例えばブタノール)を分離するのに適した任意の形態にあり得る。例としては、スパイラル型モジュール(spiral wound module)、中空糸膜を含むファイバー膜、管状膜、および平らなシート状の膜(例えば、プレートおよびフレーム形態のもの)、支持されたあるいは支持されていない緻密フィルム、または薄フィルム複合体が挙げられる。
ポリノルボルネンパーベーパレーション膜が支持なし緻密フィルム形態にある場合、緻密フィルムの厚さは約1ミクロン〜約500ミクロンである。別の実施形態において、緻密フィルムの厚さは約5ミクロン〜約100ミクロンである。
ポリノルボルネンパーベーパレーション膜が薄フィルム複合体の形態にある場合、そのような膜は、支持なし膜の場合よりも薄くすることができ、例えば、約0.1ミクロンもの薄さであり得る。さらに、この膜は、少なくとも1層のポリノルボルネン層と少なくとも1層の非ポリノルボルネン成分層を含む。そのような複合体は、複数のポリノルボルネンパーベーパレーション膜層および複数の非ポリノルボルネン成分層を含み得る。非ポリノルボルネン成分の例としては、非ポリノルボルネンポリマーおよび無機物が挙げられる。非ポリノルボルネンポリマーの例としては、Tyvek(登録商標)を含むポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(ビニリデンフロライド)(PVDF)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、それらを混合したコポリマーおよびターポリマーなどが挙げられる。無機物の例としては、ゼオライト、ガラスフリット、炭素粉末、金属篩、金属スクリーン、金属フリットなどが挙げられる。一つの局面において、非ポリノルボルネンポリマーおよび/または無機物は濾過特性を有し、非ポリノルボルネン濾過成分と称され得る。
ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を作製するために用いられるポリノルボルネンは、Mwが少なくとも約5,000である。別の実施形態において、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を作製するために用いられるポリノルボルネンは、Mwが少なくとも約50,000である。さらに別の実施形態において、ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を作製するために用いられるポリノルボルネンは、Mwが少なくとも約500,000である。一般的に、Mwが大きいほど、そのポリノルボルネンは、支持なし形態のポリノルボルネンパーベーパレーション膜に用いられるのに適している。
ノルボルネンポリマーの一般的調製
1種またはそれ以上のノルボルネンモノマーを1種またはそれ以上の有機溶媒に溶解させ、反応容器に投入し得る。空気および/または溶存水を取り除く。そのモノマー溶液に触媒溶液を加える。種々の技術(抽出などを含む)を用い、ポリノルボルネンポリマーを回収し、乾燥させる。例示的な重合プロセスは、公開された米国特許出願公開第2006/0020068(A1)号明細書の段落[0053]および[0057]に記載されており、かかる段落およびそこで参照された文献は、参照により本明細書に援用される。他の例示的な重合プロセスは、米国特許第5,468,819号明細書および米国特許出願公開第2007/0066775号明細書に記載されており、これらも参照により本明細書に援用される。
試料Eポリマー(NB/PENB/HFANB)の調製
NB(49.8g、0.5モル)、PENB(105.0g、0.5モル)およびHFANB(145.3g、0.5モル)を、トルエンおよび1,2−ジメトキシエタンの混合物(85/15)に溶解させ、次いで、3Lの反応容器に投入した。この容器および溶液に1時間にわたってNを注入して空気および溶存水を全て除去した。ドライボックス中において、49.2gの無水酢酸エチルに4.8gのNiArf(0.01モル)を溶解させることにより、ニッケル触媒溶液を調製した。反応器を囲む水浴の温度を25℃に制御した。この触媒溶液を、乾いたカニューレシリンジにより上記モノマーに加えた。このモノマーとNiArfの比率は160:1であった。ジャケットを用いて25℃となるように制御される中で反応混合物を4時間にわたって攪拌した後、濃橙色の粘性ポリマー溶液を得た。この生成物溶液を希釈するために200gのテトラヒドロフランを加えた。テトラヒドロフランと生成物とを混合した後、脱イオン水172.1gと、氷酢酸59.6g(1モル)および30%過酸化水素112.5g(1モル)を含む過酸溶液172.1gとを加え、一晩中攪拌した。ジャケットを用いて温度を60℃となるように制御する中、20分後に2つの相が分離し始めた。酸洗後、NiArf触媒をポリマー相から酸層に移動させ、次いで酸層を排出させた。次に、450gの脱イオン水および150gのイソプロパノールを加え、10分間にわたって攪拌し、分離させ、排出させた。この水洗および排出手順を3回繰り返した。このポリマー溶液を、MeOH/水の80/20混合物中に沈殿させ、濾紙に通して濾過した。白色のポリマー粉末を回収し、70℃の真空オーブン中で一晩中乾燥させた。13C NMR分析により、このターポリマーの組成がNB/PENB/HFANB 28/43/29であることが確認された。
上記に提示した試料Eのポリマーを形成する方法は、当該ポリマーを作製するための唯一の方法ではないということに留意されたい。また、当該ポリマーは評価された唯一のポリマーではなく、成膜されたいくつかの他のポリマーについてのデータが、下記の試料Eに関する実験の項の後の、他のポリマーに関する実験の項に提示されることに留意されたい。したがって、本発明に従うポリマーの実施形態はまた、単一または多成分のVIII族遷移金属触媒の存在下で適切な溶媒中で行われる適切なモノマーの付加重合によっても調製され得る。
緻密膜の調製
単層フィルム:ポリノルボルネンを有機溶媒に溶解させて溶液を作製し、次いで、この溶液を濾過する。濾過後、トラップされたガスを除去し得る。そのポリマーを基材上に注ぎ、展延(pull)してフィルムを形成する。次いで、このフィルムを単純に乾燥させ、基材から取り外し、使用し得る状態にする。
例えば、上記で形成されたポリマー12gをメシチレン88gに溶解させて溶液(溶液P)を作製し、60〜80psigに加圧して5ミクロンのナイロンフィルターディスクに通して濾過した。濾過後、この溶液をジャーローラー(jar roller)上で一晩中回転させて、濾過中に導入されたトラップガスを除去した。このポリマーをクリーンルーム内でガラス基材上に注ぎ、Gardner Film Casting Knifeを用いて展延して、本質的に均一な厚さを有するフィルムを形成する。このフィルムを空気中で一晩乾燥させ、次いで、基材およびフィルムを温水浴(40〜50℃)に浸漬させて数分後に上記基材からフィルムを慎重に剥離させることにより、該フィルムを上記基材から取り外した。上記フィルムのガラスパネルからの剥離は温水に浸漬させた状態で行い、次いで、該フィルムを毛羽立ちのない布(lint−free cloth)で拭いて余分な水を除去した。
二層フィルム:二層フィルムは、第1のフィルムを基材から取り外す前に、第2の層の溶液を第1のフィルム上に供給し、次いでその第2の層を展延することを除き、上述した単層フィルムと同様な方法で調製される。第2のパス(pass)を展延した後、この二層フィルムを乾燥させ、次いで基材から取り外し、使用し得る状態にした。
例えば、第1のフィルムの流延から約5時間後に溶液Pの第2のアリコートを第1のフィルム上に注ぎ、上記で行ったようにGardner Film Casting Knifeで展延して第2の層を形成することを除き、上記の単層フィルムの例に従う。第2のパスを展延した後、フィルムを空気中で一晩乾燥させた。
膜フィルム作製:ポリノルボルネンを有機溶媒に溶解させてポリマー溶液を作製する。このポリマー溶液を濾過し、次いで該ポリマー溶液にトラップされた気泡を除去する処理を行う。このポリマー溶液をポリマーウェブに付与して強化膜を作製したり、シート上に付与して支持付膜を作製したり、または基材パネル上に塗布して支持なし膜を作製したりする。ポリマー溶液を展延した後、膜に多孔性(porosity)を生じさせる処理を行う。この多孔性膜は、使用するまで水浴中に保管され得る。
例えば、12gのNB/NB−フェニルエチル/NB−ヘキサフルオロアルコールポリマー(Mw:515,293g/モル)を88gのBuOH/THF(1:3)混合液に溶解させて、12%ポリマー溶液を作製した。これに続いて、このポリマー溶液を、60〜80psigの圧力下で5ミクロンのナイロンフィルターディスクに通して濾過した。濾過後、膜の質を確保するために、このポリマー溶液を一晩中ローラー上に置いて、トラップされた気泡を除去した。この浄化したポリマー溶液を、ポリエステルウェブに注ぎ込んで強化膜を作製したり、Tyvek(登録商標)シートに注いで支持付膜を作製したり、ガラスパネル上に注いで支持なし膜を作製したりすることができる。Gardner Film Casting Knifeを用いて上記ポリマー溶液を展延した後、予め50℃に熱しておいた水に即座に入れて凝固させることにより、該膜に多孔性を生じさせた。5〜10分後、この多孔性膜を新しい水浴に浸漬させ、使用するまで50℃に維持した。
パーベーパレーション試験
上記膜から2インチの円を切り出してカプセルに取り付け、次いでこのカプセルをパーベーパレーション試験デバイスにセットした。試験デバイス中の供給液を70℃に加熱し、10分間にわたってデバイス中を循環させて、漏洩(リーク)がないか確認した。この確認の終了後、膜の乾燥側を真空引きし、冷却されたトラップ中に全ての透過物を回収した。このシステムを3時間にわたって作動させ、回収された透過物を室温に温めて評価した。
透過物の評価
室温における透過物は2相液体に分離しており、その重さを量ったところ2.2gであった。この透過物に0.4gのMeOHを加えてこれらの相が混和し得るようにし、これにより単相の透過物を調製した。この単相の透過物(1g)を、0.02gのPGMEAを有するGCサンプリングバイアルに加え、完全に混合させた。次いで、このバイアルからとった試料をガスクロマトグラフに注入し、そこでPGMEA標準に対するブタノールピークの面積を評価することにより、%ブタノールを決定した。
Tyvek(登録商標)シートで支持された膜を形成することに加え、本発明の実施形態に係るポリノルボルネンを包含する中空糸を形成することの可能性を評価した。さらなる評価のために、以下の手順を用いて中空糸を成功裏に形成した。
中空糸膜フィルム作製
ポリノルボルネンを有機溶媒に溶解させ、濾過して粒子を除去する。次いで、この溶液を紡糸口金(spinneret)の外側穴を通じて圧力により移動させると同時に、溶媒と塩の混合物を紡糸口金の内側穴を通じて圧力により移動させる。これらの圧力移動させた材料を沈殿浴に導いて中空糸を得る。中空糸の寸法は、上記内側/外側穴の大きさおよび上記溶液を移動させる圧力により制御され得る。
例えば、PNB(33/33/33 NB/PENB/HFANB)を、THF/ブタノールの75/25溶液に11.5重量%で溶解させ、100ミクロンのフィルターに通して濾過して粒子を除去した。次いで、この溶液を1.0mmの外径および0.5mmの内径を有する二重穴紡糸口金の外側穴を通じて圧力移動させると同時に、MeOH/5%LiCl(aq)の20/80混合溶液をこの紡糸口金の内側穴を通じて圧力移動させた。これらの圧力移動された材料を沈殿浴(MeOH/水 20/80)に導き、そこで中空糸を観察し、評価した。上記沈殿浴から取り出された中空糸の寸法は、SEMにより、直径0.5mmおよび肉厚0.035mmであることが確認された。
薄フィルム複合中空糸の形成
一般的に述べると、ポリノルボルネンポリマーを適切な溶媒(例えばメシチレン)に適切な濃度(例えば5重量%)で溶解させ、100ミクロンのフィルターに通して濾過して粒子を除去した。このポリノルボルネン溶液に、内側穴を塞いだ中空糸の精密濾過膜または限外濾過膜(例えば、0.1ミクロンのPVDFまたは3000MWCOポリスルホン)を浸漬し、次いで該溶液から引き上げた。この糸を適切な条件で(例えば、23〜60℃で0.5〜12時間)乾燥させることにより、溶媒を除去した。SEMを用いてこの薄フィルム複合中空糸を調べた。SEM画像により、中空糸の外側に厚さ3〜7ミクロンの緻密なポリノルボルネンフィルムが形成されていることが確認された。
試料Eに関する実験
PVP(ポリビニルピロリドン)混合効果:BuOH/THF(1/3)中15%TS溶液NB/PENB/HFANBにPVPを、異なる濃度(0、25、33、50、75および100phr)で混合した。次いで、支持なし膜を流延し、室温にてMeOH/水の25/75混合液に入れて凝固(coagulate)させ、新しい水に浸漬した。表1に示すように、0phr膜は、半透明の色合いおよび柔軟な機械的性質を示した。PVP濃度の上昇に伴って機械的性質は弱くなるように思われた。また、膜試料は、それらのSEMの断面画像(図3)において、ある傾向を示した。0phr膜は25μmと極めて薄く、25phr膜はそれより厚く(〜約85μm)見えた。他の4つの膜は全て、SEMによる測定において、110〜150μmの厚さを有していた。高倍率画像(図4および図5)では、0phr膜は微粒子特性を示したが、他は全て、チャネル組織を有するサンゴ様の微細構造を有していた。以上の結果は、PVPを33〜100phr混合すると、混合しない場合と比較して大きな形態変化(多孔性)をもたらすことを示している。
沈殿温度の影響:100phrのPVPを含むPNB溶液を、Tyvek(登録商標)上に流延し、様々な温度(20、40、50および60℃)のの水に入れて凝固させた。Tyvek(登録商標)に支持された膜の外観を観察して表2に示した。20℃にて浸出させたPNBは、亀裂を生じ、Tyvek(登録商標)基材から剥離した。一方、その他の膜試料については、ポリマー溶液中のTHFとの相互作用によりTyvek(登録商標)が若干歪められたが、無傷のままであった。図6および図7に示されるように、SEM断面写真によれば、これら4つの膜の形態は、温度変化に伴うある傾向を示した。20℃膜試料の微細構造はサンゴ様であり、若干層状(laminar)でチャネルのない外観を呈していた。40℃膜は、チャネルのあるレース構造を有し、チャネル周囲のレース状の「壁」は幾分緻密であり、サブミクロンのチャネルをいくつか有していた。50℃膜は高度にチャネル化され、また、Tyvek(登録商標)に隣接する部分は膜のバルク部分とは異なる構造を有していた。Tyvek(登録商標)に隣接したチャネルは、凝固処理の間に崩壊し得ると思われる。60℃膜は、いくらか層状のサンゴ様構造を示した。このチャネル微細構造はある程度崩壊し得ることが強く疑われた。引き出された結論は、100phr溶液については、温度が20℃から50℃に上昇する中で、サンゴ様構造がチャネルを形成し始め得るということである。温度があるレベル(60℃)に達すると、チャネルは崩壊しやすくなる。要するに、「アニーリング」により、微孔質構造に悪影響を及ぼすことなく機械的性質を改善し得る。本発明者らは、透過性および分離係数試験について十分な性能を有する多孔性PNB膜を初めて調製した。
ポリエステルウェブ強化膜についての温度効果:PVP含有量が0phrであるPNB溶液を、厚手のポリエステルウェブ(ReeMay 2024、1平方ヤード当たり2.1オンス、厚さ12ミル)に流し込み、20℃および60℃の2つの異なる温度の水中に浸出させた。これらの膜試料につきSEMの断面および表面画像を得た(表3中に示されている)。SEM表面画像によれば、一方の面は平滑で均一に被覆されていたが、他方の面はそれよりも均一性に劣っていた。図8(A−2)において、また高温で浸出させた図8(B)においても、平滑な表面の一部の領域に亀裂が認められた。高倍率においては、図9のように、平滑な表面上に、その表面が無傷であろうと、亀裂を生じていようと、均一な円形でサイズ分布がかなり狭いサブミクロンの多孔性の形跡があった。均一な円形でサブミクロンの小孔を有することおよび図10のようなSEM断面画像は望ましいが、平滑な表面(薄フィルム)における亀裂は膜の質を損ない、パーベーパレーション試験中に漏洩を生じる原因となる。60℃での「アニーリング」は亀裂を減少させ得るが、ポリエステル強化PNB技術については亀裂を完全には回避することができなかったため、本発明者らは、このポリエステル強化アプローチを前進させないことに決めた。しかしながら、本発明者らは、SEMは膜について表面の質を確認するための優れた方法であり、光学顕微鏡では不十分であるとの知見を得た。
Figure 0005539228
図3は、様々にPVPを混合した膜の断面の電子顕微鏡像(倍率:100μm)を示している。(A)0phr;(B)25phr;(C)33phr;(D)50phr;(E)75phr;(F)100phrである。
図4は、様々にPVPを混合した膜の断面の電子顕微鏡像(倍率:10μm)を示している。(A)0phr;(B)25phr;(C)33phr;(D)50phr;(E)75phr;(F)100phrである。
図5は、様々にPVPを混合した膜の断面の電子顕微鏡像(倍率:1μm)を示している。(A)0phr;(B)25phr;(C)33phr;(D)50phr;(E)75phr;(F)100phrである。
Figure 0005539228
図6は、Tyvek(登録商標)で支持された膜の断面の電子顕微鏡像(倍率:10μm)を示している。これらの膜は、様々な温度で凝固させたものである。(A)20℃;(B)40℃;(C)50℃;(D)60℃である。
図7は、Tyvek(登録商標)で支持された膜の断面の電子顕微鏡像(倍率:1μm)を示している。これらの膜は、様々な温度で凝固させたものである。(A)20℃;(B)40℃;(C−1)50℃(バルク領域);(C−2)50℃(Tyvek(登録商標)に隣接する領域);(D)60℃である。
Figure 0005539228
図8は、ポリエステル強化PNBの平滑スキン層側からの電子顕微鏡写真(倍率:100μm)を示している。これらの膜は、2つの異なる温度で凝固されたものである。(A−1)20℃;(A−2)20℃;(B)60℃である。
図9は、ポリエステル強化PNBの平滑スキン層側からの電子顕微鏡写真(倍率:1μm)を示している。これらの膜は、2つの異なる温度で凝固されたものである。(A)20℃;(B)60℃である。
図10は、ポリエステル強化PNBの断面の電子顕微鏡写真(倍率:10μm)を示している。これらの膜は、2つの異なる温度で凝固されたものである。(A)20℃;(B)60℃である。
異なるポリノルボルネン組成物から作製された単層フィルムの操作性実験
ポリノルボルネン組成物の比較を行って、パーベーパレーション試験におけるn−ブタノールの性能を観察した。ここで調べた2つの従属変数は、流束および分離係数である。フィード溶液の濃度は固定(約5%)とした。ヒートバスを用いて上記フィード溶液を65℃に加熱した。これにより与えられるハウジング温度は、熱損失のため、約60℃となる。透過物試料は、液体窒素中の減圧トラップを用いて回収した。減圧状態の圧力は20inHgであった。上記フィード溶液を70mL/分にてダイヤフラムポンプによりシステム中に供給した。3時間の試験により試料を回収した。支持なし緻密フィルムとして、様々の組成のターポリマーを使用した。これらのフィルムの典型的な厚さは30〜50ミクロンであり、有効直径は43.5mmであった。ここで使用した装置は、同時に動作する6つのハウジングを有するように設計されたものである。各試験のデータは、全てのハウジングの平均値である。以下の表において、SDは標準偏差を表す。これら全ての表において、ターポリマーの組成は、モノマー1/モノマー2/モノマー3のモル比により示される。NBはノルボルネンを表し、HFANBはNB−ヘキサフルオロイソプロパノールを表し、グリコールNBはNB−CHOCHCHOHを表し、PENBはNB−フェニルエチルを表し、HFIBONBはNB−メトキシメチルヘキサフルオロプロパノールを表し、HxNBはNB−ヘキシルを表し、BuNBはNB−ブチルを表す。
Figure 0005539228
Figure 0005539228
Figure 0005539228
実験:様々なブタノール濃度についてのSFおよび流束の測定
試料E(Mw400,000〜500,000のNB/PENB/HFANBターポリマー)から作製した膜について、様々な水中ブタノール濃度におけるSFおよび流束を、6つのハウジングを有する試験装置を用いて60℃にて測定した。得られた結果を図11、図12および図13に示す。
装置に20inHgの減圧状態を適用しながら、フィードを65℃に加熱し、70mL/分のレートでチャージした。膜フィルムの厚さは30〜40ミクロンの範囲にあった。
図11は、正の傾きの曲線により示される通り、ブタノールの濃度増大により達成されたSFの上昇を表している。これは予想外の結果である。予想された結果が図11に示されている。それは、従来のパーベーパレーション膜であるポリジメチルシロキサン(PDMS)から作製された膜では、ブタノール濃度に対してSFが負の傾きの曲線となることを表している。
図12は、正の傾きの曲線により示される通り、ブタノールの濃度増大により達成された流束の上昇を表している。これは別の予想外の結果である。
図13は、SFがパーベーパレーションプロセスの継続時間に依存しないこと、および膜が予備含浸されているか否かに依存しないことを明示している。
異なるブタノールについての単層フィルムの操作性実験
パーベーパレーション試験におけるイソブタノールおよびn−ブタノールの性能を観察するため、アルコールの比較を行った。ここで調べた2つの従属変数は、流束および分離係数である。各試験において、様々な濃度(約1%、3%、および5%)のフィード溶液を用いて濃度の影響を調べた。ヒートバスを用いて上記フィード溶液を65℃に加熱した。これにより与えられるハウジング温度は、熱損失のため、約60℃となる。透過物試料は、液体窒素中の減圧トラップを用いて回収した。減圧状態の圧力は20inHgであった。上記フィード溶液を70mL/分にてダイヤフラムポンプによりシステム中に供給した。フィード濃度が3%以上の場合については、3時間の試験により試料を回収した。より低い濃度については、分析するのに十分な試料を回収するのにより多くの時間を必要とし、そのような場合には試験時間を6時間とした。全ての試験において同じ緻密ポリマーフィルム組成を使用した。該ポリマーフィルムは、33/33/33−NB/PENB/HFANBターポリマーであった。これらを支持なし緻密フィルムとして用いた。これらのフィルムの平均厚さは40ミクロンであり、有効直径は43.5mmである。ここで使用した装置は、同時に動作する6つのハウジングを有するように設計されたものである。各試験のデータは、全てのハウジングの平均値である。以下の表において、Avは平均値を表し、SDは標準偏差を表す。
Figure 0005539228
薄フィルム複合体の形成の実施例
上記単層フィルムと同様にして薄フィルム複合体(TFC)膜を調製した。違いは、ガラスパネルに固定されるMicrodyn−Nadir 200K MWCO PVDF精密濾過膜上に5ミクロンのポリマーフィルムをドクターブレードにてコートした点である。コートされたPVDF試料は、一様なコートを確保するため、ドクターブレードよりも広幅である。次いで、これを一晩空気乾燥させた。このポリマーはPVDFの表面上に残されるため、TFCを持ち上げてガラスパネルから取り外すための浸漬は必要ない。
Figure 0005539228
上記2つのセクションからの種々のデータを図14〜20のグラフに示す。より具体的には、図12は、n−ブタノールの濃度増大により達成された流束の上昇を示している。図14は、イソブタノールの濃度増大により達成された流束の上昇を示している。図15は、n−ブタノールおよびイソブタノールの濃度増大により達成された流束を比較している。図16は、n−ブタノールの濃度増大により達成されたSFの上昇を示している。図17は、イソブタノールの濃度増大により達成されたSFの上昇を示している。図18は、n−ブタノールおよびイソブタノールの濃度増大により達成されたSFを比較している。図19は、n−ブタノールの濃度増大により達成された流束を、緻密ポリマーフィルムまたはTFCについて比較している。図20は、n−ブタノールの濃度増大により達成されたSFを、緻密ポリマーフィルムまたはTFCについて比較している。
最後に、本明細書に提示されるポリノルボルネン材料の評価はブタノールを少量含む供給液に焦点を当てているが、ポリノルボルネン材料は、他の水性供給液もしくは発酵培養液に見られる他の有機物に対して選択性を有する、または極性有機物中の無極性物質に対して選択性を有することが見出されると予想されることに留意されたい。
本発明を特定の実施形態に関連して説明してきたが、この明細書を読むと、それらの種々の改変が当業者に明らかとなることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された発明は、そのような改変を別添の特許請求の範囲に入るものとして包含することが意図されていると理解されるべきである。

Claims (18)

  1. ビニル付加ポリノルボルネンポリマーを含むパーベーパレーション膜であって、
    前記ビニル付加ポリノルボルネンポリマーは、重量平均分子量(Mw)が少なくとも5,000であり、
    前記ビニル付加ポリノルボルネンポリマーは、ノルボルネン型モノマーから誘導された少なくとも2種の異なる繰返し単位を含み、前記繰返し単位のうち1種はペンダント基にフッ素化カルビノール部分を有するノルボルネン型モノマーから誘導されたものである、パーベーパレーション膜。
  2. に対して有機物を優先的に透過させる性質を有し、フィード流における有機物濃度の増大に伴って前記有機物を優先的に透過させる性質が上昇する、請求項1に記載のパーベーパレーション膜。
  3. 管状中空糸、緻密フィルムフラットシート、または薄フィルム複合体の形態にある、請求項1または2に記載のパーベーパレーション膜。
  4. 前記パーベーパレーション膜は、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネンとC〜C10アルキルノルボルネンとのコポリマーを含む、請求項1または2に記載のパーベーパレーション膜。
  5. 前記ビニル付加ポリノルボルネンポリマーが、異なるノルボルネン型モノマーから誘導された少なくとも3種の異なる繰返し単位を含む、請求項1または2に記載のパーベーパレーション膜。
  6. 前記有機物がブタノールである、請求項2に記載のパーベーパレーション膜。
  7. 少なくとも1重量%のブタノールを含む発酵培養液からのブタノールについて少なくとも100g/(m・hr)の流束(単位時間(hr)当たりに前記パーベーパレーション膜の単位面積(m)を流通するブタノールの量(g))を有する、請求項6に記載のパーベーパレーション膜。
  8. ブタノールがn−ブタノールを含む、請求項6に記載のパーベーパレーション膜。
  9. 有機生成物を含む発酵培養液から有機生成物を分離する方法であって:
    ビニル付加ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を備えるパーベーパレーションモジュールに発酵培養液を供給する工程、ここで、前記ビニル付加ポリノルボルネンパーベーパレーション膜はビニル付加ポリノルボルネンポリマーを含み、前記ビニル付加ポリノルボルネンポリマーは、重量平均分子量(Mw)が少なくとも5,000であって少なくとも2種の異なる繰返し単位を含み、前記繰返し単位のうち1種はペンダント基にフッ素化カルビノール部分を有する;および
    前記パーベーパレーションモジュールから前記有機生成物を含む透過物蒸気を回収する工程;
    を包含する、有機生成物分離方法。
  10. ブタノールを含む発酵培養液からブタノールを分離する方法であって:
    ビニル付加ポリノルボルネンパーベーパレーション膜を備えるパーベーパレーションモジュールに発酵培養液を供給する工程、ここで、前記ビニル付加ポリノルボルネンパーベーパレーション膜はビニル付加ポリノルボルネンポリマーを含み、前記ビニル付加ポリノルボルネンポリマーは、重量平均分子量(Mw)が少なくとも5,000であって少なくとも2種の異なる繰返し単位を含み、前記繰返し単位のうち1種はペンダント基にフッ素化カルビノール部分を有する;および
    前記パーベーパレーションモジュールからブタノールを含む透過物蒸気を回収する工程;
    を包含する、ブタノール分離方法。
  11. 前記パーベーパレーションモジュールに供給される前記発酵培養液の温度が30℃〜90℃である、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記パーベーパレーションモジュールに1inHg〜25inHgの減圧を適用する、請求項9または10に記載の方法。
  13. 前記ビニル付加ポリノルボルネンポリマーは、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネンモノマー単位を含む、請求項9または10に記載の方法。
  14. 前記ビニル付加ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、0.1ミクロン〜500ミクロンの厚さを有する、請求項9または10に記載の方法。
  15. 前記ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、水に対して有機物を優先的に透過させる性質を有し、前記有機物を優先的に透過させる性質が前記発酵培養液における有機物濃度の増大に伴って上昇する、請求項9または10に記載の方法。
  16. 前記ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、少なくとも1重量%のブタノールを含む発酵培養液からのブタノールについて少なくとも100g/(m・hr)の流束(単位時間(hr)当たりに前記パーベーパレーション膜の単位面積(m)を流通するブタノールの量(g))を有する、請求項9または10に記載の方法。
  17. 前記ビニル付加ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、非ポリノルボルネン濾過成分を上回る前記ビニル付加ポリノルボルネンポリマーを含む、請求項9または10に記載の方法。
  18. 前記ビニル付加ポリノルボルネンパーベーパレーション膜は、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネンとC〜C10アルキルノルボルネンとのコポリマーを含む、請求項9または10に記載の方法。
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