JP5538466B2 - サンプル・ホールド回路 - Google Patents
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Description
図2は、従来のノイズ特性に優れたサンプル・ホールド回路の回路構成図である。図2に示したサンプル・ホールド回路は、正転入力信号VIPと反転入力信号VINに基づいて正転出力信号VOPと反転出力信号VONとを出力する差動演算増幅器(AM)11と、スイッチング素子S1乃至S6と、サンプリング用コンデンサC1,C2とを備えて構成されている。
サンプリング用コンデンサC1,C2は、スイッチング素子S1乃至S6がそれぞれ接続され、サンプリング動作によって正転入力信号VIPと反転入力信号VINに対応する電荷を貯蓄・保持することで、正転入力信号VIPと反転入力信号VINをサンプル及びホールドするためのサンプリング用コンデンサである。
図3(a),(b)は、図2に示したサンプル・ホールド回路の制御部のタイミングチャートを示す図である。サンプル動作フェーズのとき、Φ1が“H”となり、Φ2が“L”となる。スイッチング素子S1乃至S4が接続状態になると共に、スイッチング素子S5,S6が切断状態となる。このとき、サンプリング用コンデンサC1,C2の両端には、正転入力VIPと反転入力信号VINが接続され、コンデンサC1,C2に蓄えられる電荷量Q1,Q2は、それぞれ次式のようになる。
Q1=C1(VIP−VIN)・・・式(1)
Q2=C2(VIN−VIP)・・・式(2)
Q1=C1(VOP−VX)・・・式(3)
Q2=C2(VON−VY)・・・式(4)
VOP=VIP−VIN+VX・・・式(5)
VON=VIN−VIP+VY・・・式(6)
VOP−VON=2(VIP−VIN)・・・式(7)
また、式(5)+式(6)から、ホールドフェーズでの差動演算増幅器11の入力コモン電圧(VX+VY)/2を求めることができる。
(VX+VY)/2=(VOP+VON)/2・・・式(8)
また、例えば、特許文献2には、コンデンサとアナログスイッチを組み合わせたサンプル・ホールド回路、特に、液晶表示パネルに液晶駆動電圧を出力する液晶駆動回路に使用すれば好適なサンプル・ホールド回路が開示されており、アナログスイッチのオンオフにより、アナログスイッチの寄生容量が変動することによる、サンプル・ホールド回路の電圧誤差をなくすようにしたものである。
図4は、寄生容量を示した従来のサンプル・ホールド回路の回路構成図である。サンプル動作フェーズのとき、Φ1が“H”となり、Φ2が“L”となる。スイッチング素子S1乃至S4が接続状態になると共に、スイッチング素子S5,S6が切断状態となる。このとき、サンプリング用コンデンサC1,C2の両端には正転入力VIPと反転入力信号VINが接続され、寄生コンデンサCPP、CPNにはそれぞれ反転入力信号VINと正転入力VIPが接続される。コンデンサC1とCPP,C2とCPNに蓄えられる電荷の総量Q1,Q2はそれぞれ次式のようになる。
Q1=C1(VIP−VIN)+CPP(0−VIN)・・・式(9)
Q2=C2(VIN−VIP)+CPN(0−VIP)・・・式(10)
Q1=C1(VOP−VX)+CPP(0−VX)・・・式(11)
Q2=C2(VON−VY)+CPN(0−VY)・・・式(12)
VOP=VIP−VIN(1+CP/C)+VX(1+CP/C)・・・式(13)
VON=VIN−VIP(1+CP/C)+VY(1+CP/C)・・・式(14)
VOP−VON=(2+CP/C)(VIP−VIN)・・・式(15)
式(15)からわかるとおり、寄生容量CPP、CPNはサンプル・ホールド回路のゲインエラーとして特性の劣化を招いてしまう。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記差動演算増幅器(11)の正転入力側に設けられた第1のスイッチング素子(S1)と、該第1のスイッチング素子(S1)に接続された第1のサンプリング用コンデンサ(C1)と、前記差動演算増幅器(11)の反転入力側に設けられた第2のスイッチング素子(S2)と、該第2のスイッチング素子(S2)に接続された第2のサンプリング用コンデンサ(C2)と、前記第1のサンプリング用コンデンサ(C1)の出力側と前記第2のスイッチング素子(S2)の入力側に接続された第3のスイッチング素子(S3)と、前記第2サンプリング用のコンデンサ(C2)の出力側と前記第1のスイッチング素子(S1)の入力側に接続された第4のスイッチング素子(S4)と、前記第3のスイッチング素子(S3)に接続された第1の寄生容量(CPP1)及び第1のダミーコンデンサ(CPP2)と、前記第4のスイッチング素子(S4)に接続された第2の寄生容量(CPN1)及び第2のダミーコンデンサ(CPN2)とを備えたことを特徴とする。
図1は、本発明に係るサンプル・ホールド回路の実施例を説明するための回路構成図である。図中11は差動演算増幅器(AM)を示している。また、CPP1は、差動演算増幅器11の正転入力端子VXノードの寄生容量(コンデンサ)を、CPN1は、差動演算増幅器11の反転入力端子VYノードの寄生容量(コンデンサ)を、CPP2は寄生容量CPN1と同容量値のダミーコンデンサを、CPN2は寄生容量CPP1と同容量値のダミーコンデンサを示している。
また、サンプルフェーズにサンプリング用コンデンサC1,C2の両端に差動入力信号VIP,VINを接続するとともに、差動演算増幅器11の入力端子の寄生容量CPP1,CPN1と同等の容量を有するダミーコンデンサCPP2,CPN2を備え、サンプリング用コンデンサC1,C2とは逆の極性の入力信号をサンプリングするものである。
また、差動演算増幅器11の正転入力側に設けられた第1のスイッチング素子S1と、この第1のスイッチング素子S1に接続された第1のサンプリング用コンデンサC1と、差動演算増幅器11の反転入力側に設けられた第2のスイッチング素子S2と、この第2のスイッチング素子S2に接続された第2のサンプリング用コンデンサC2と、第1のサンプリング用コンデンサC1の出力側と第2のスイッチング素子S2の入力側に接続された第3のスイッチング素子S3と、第2のサンプリング用コンデンサC2の出力側と第1のスイッチング素子S1の入力側に接続された第4のスイッチング素子S4と、第3のスイッチング素子S3に接続された第1の寄生容量CPP1及び第1のダミーコンデンサCPP2と、第4のスイッチング素子S4に接続された第2の寄生容量CPN1及び第2のダミーコンデンサCPN2とを備えている。
Q1=C1(VIP−VIN)+
CPP1(0−VIN)+CPP2(0−VIP)・・・式(16)
Q2=C2(VIN−VIP)+
CPN2(0−VIP)+CPN2(0−VIN)・・・式(17)
Q1=C1(VOP−VX)+CPP1(0−VX)
+CPP2(0−VX)・・・式(18)
Q2=C2(VON−VY)+CPN1(0−VY)
+CPN2(0−VY)・・・式(19)
VOP=VIP(1−CP/C)−VIN(1+CP/C)
+VX(1+2CP/C)・・・式(20)
VON=VIN(1−CP/C)−VIP(1+CP/C)
+VY(1+2CP/C)・・・式(21)
VOP−VON=2(VIP−VIN)・・・式(22)
上述した式(22)を式(15)と比較すると、従来のサンプル・ホールド回路では、差動演算増幅器の入力端子ノードの寄生容量がゲインエラーとして出力信号に現れていたのに対し、図1に示した回路構成ではゲインエラーの影響が全くなく、所望のゲインを有することが分かる。
また、図1では、ホールドフェーズでネガティブフィードバックをかけるサンプリング用コンデンサの数は、VOP側とVON側でそれぞれ1ずつだが、これを複数個に変更しても構わない。つまり、サンプリング用コンデンサの総数及びホールドフェーズでネガティブフィードバックがかかるサンプリング用コンデンサの総数が、任意に制御可能である。
S1乃至S10 スイッチング素子
C1,C2 サンプリング用コンデンサ
VIP 正転入力信号
VIN 反転入力信号
VOP 正転出力信号
VON 反転出力信号
CPP1 正転入力端子VXノードの寄生容量
CPN1 反転入力端子VYノードの寄生容量
CPP2 寄生容量CPN1と同容量値のダミーコンデンサ
CPN2 寄生容量CPP1と同容量値のダミーコンデンサ
Claims (6)
- 正転入力信号と反転入力信号に基づいて正転出力信号と反転出力信号とを出力する差動演算増幅器と、複数のスイッチング素子と、複数のサンプリング用コンデンサとを備えたサンプル・ホールド回路において、
サンプルフェーズに前記サンプリング用コンデンサの両端に差動入力信号を接続するとともに、前記差動演算増幅器の入力端子の寄生容量と同等の容量を有するダミーコンデンサを備え、前記サンプリング用コンデンサとは逆の極性の入力信号をサンプリングすることを特徴とするサンプル・ホールド回路。 - 前記ダミーコンデンサは、前記差動演算増幅器の入力端子の寄生容量と同等の寄生容量を有する配線であることを特徴とする請求項1に記載のサンプル・ホールド回路。
- 前記差動演算増幅器の正転入力側に設けられた第1のスイッチング素子と、該第1のスイッチング素子に接続された第1のサンプリング用コンデンサと、
前記差動演算増幅器の反転入力側に設けられた第2のスイッチング素子と、該第2のスイッチング素子に接続された第2のサンプリング用コンデンサと、
前記第1のサンプリング用コンデンサの出力側と前記第2のスイッチング素子の入力側に接続された第3のスイッチング素子と、
前記第2サンプリング用のコンデンサの出力側と前記第1のスイッチング素子の入力側に接続された第4のスイッチング素子と、
前記第3のスイッチング素子に接続された第1の寄生容量及び第1のダミーコンデンサと、
前記第4のスイッチング素子に接続された第2の寄生容量及び第2のダミーコンデンサと
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のサンプル・ホールド回路。 - 前記第1及び第2のサンプリング用コンデンサの両端の第1乃至第4のスイッチング素子及び前記第1及び第2のダミーコンデンサに接続される第5、第6のスイッチング素子の切断されるタイミングが、同時又は前後することを特徴とする請求項1,2又は3に記載のサンプル・ホールド回路。
- 前記第1のサンプリング用コンデンサの前記差動演算増幅器の入力端子側に接続される前記第3のスイッチング素子及び前記第2のサンプリング用コンデンサの前記差動演算増幅器の入力端子側に接続される前記第4のスイッチング素子及び前記第1及び第2のダミーコンデンサに接続される前記第5、第6のスイッチング素子の切断されるタイミングと、前記第1のサンプリング用コンデンサの入力側に接続される前記第1のスイッチング素子及び前記第2のサンプリング用コンデンサの入力側に接続される前記第2のスイッチング素子の切断されるタイミングが、同時又は前後することを特徴とする請求項4に記載のサンプル・ホールド回路。
- 前記サンプリング用コンデンサの総数及びホールドフェーズでネガティブフィードバックがかかる前記サンプリング用コンデンサの総数が、任意に制御可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサンプル・ホールド回路。
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