JP5538359B2 - リポソームボツリヌス毒素を使用する膀胱機能障害の治療 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、一般に、膀胱機能障害、特に、治療抵抗性過活動膀胱の治療分野にある。
発明の背景
尿失禁(すなわち、膀胱機能障害)は、膀胱制御の喪失である。症状は、軽度の尿漏れ(leaking)から制御不可能な尿漏れ(wetting)までの範囲であり得る。誰もが起こり得るが、加齢と共により一般的となる。ほとんどの膀胱制御の問題は、筋肉が脆弱過ぎるかまたは過活動である場合に起こる。膀胱を閉じたままにする筋肉が弱い場合、くしゃみをした時、笑った時、または重いものを持ち上げた時に尿が漏れ得る。これは緊張性失禁である。膀胱筋が過活動になると、膀胱中にほとんど尿が存在しない場合でも用を足す衝動に強く駆られる。これは切迫尿失禁または過活動膀胱である。前立腺の問題および神経損傷などの他の失禁原因が存在する。
治療は問題の型に依存する。これには、簡単な運動、薬物、医師によって処方された特別なデバイスもしくは手順、または手術が含まれ得る。
膀胱内療法は、長年にわたって治療の頼みの綱であった(非特許文献1)。膀胱内薬物療法は、膀胱中の局所薬物濃度が高く、全身性副作用のリスクが低いことを提供し、経口投与した薬剤の尿中排泄レベルが低いという問題が解決される。試験した標準的な点滴注入時間は30分間であり、これには患者が優れた忍容性を示す。臨床的に、ジメチルスルホキシド(DMSO)(Rimso−50)は疼痛性膀胱症候群(painful bladder syndrome)/間質性膀胱炎(PBS/IC)の唯一のFDA承認された膀胱内治療薬であり、抗炎症性および肥満細胞安定効果を有すると考えられている(非特許文献2)。しかし、DMSOの成功率は一般に控えめである。膀胱上皮は、主に、有毒な尿廃棄物の不透過性を維持するため、表面グリコサミノグリカン(GAG)層の存在および細胞間接触(すなわち、接着結合)の構造完全性に依存する(非特許文献3)。この障壁が損傷すると、尿成分が下部の膀胱層に漏れて、膀胱における刺激性の変化を開始し、それにより、知覚神経線維を刺激し、疼痛、尿意促迫、および頻尿症状(frequency symptom)を生じる(非特許文献4)。尿路上皮およびGAGはまた、有効な膀胱内薬物送達に有意な障壁を示す。
米国の男性および女性の17%が過活動膀胱(OAB)を罹患し、その発生数は加齢と共に上昇し、その経済的負担は1640億ドルと見積もられていることがさらにより重要である。多くの専門家は、25%のOAB患者が医学療法を求めていると考えている。伝統的に、治療を求める400万人のOAB患者の25%が経口薬物療法に失敗し、治療抵抗性OABのための療法を求めていると見積もられている。
この数年間で、OABのための、いくつかの新規の抗ムスカリン薬物および改善された処方物が出現している。2008年に6つのOAB抗ムスカリン薬がFDAで承認され、全世界での年間販売額は20億ドルである。しかし、有効性が限られていることや有害作用(口内乾燥、便秘、および認知機能障害など)により、抗ムスカリン療法を継続している患者は20%未満である。抗ムスカリン治療抵抗性患者のための第2選択療法としてしばしば実施される2つの手順は、FDA承認された仙骨神経刺激(SNS)(Interstim,Medtronics Inc.)および治療抵抗性OABのための第II相FDA試験にあるBoNTの排尿筋内注射である(Botox,Allergan Inc.,)。ボツリヌス毒素が投与されるいくつかの臨床試験が現在行われている。ボツリヌス毒素は治療抵抗性過活動膀胱(OAB)を治療するのに役立つことが示されているが、膀胱壁への毒素の直接注射に膀胱鏡的手順が必要である。毒素を膀胱排尿筋に導入するので、膀胱収縮性が脆弱になる可能性があり、43%までの患者が尿閉を発症し得る。
医薬品業界はまた、間質性膀胱炎に関連する尿意逼迫および頻尿の治療法の開発に高い関心を示している。ごく最近に、これらの療法には、カルメット・ゲラン杆菌(BCG)、レシニフェラトキシン(RTX)、ヒアルロン酸(Cystistat)、ヒアルロン酸ナトリウム(SI−7201)、および仙骨神経刺激デバイスが含まれていた。
針注射を必要とせずにボツリヌス毒素(BoNT)を簡潔に点滴注入することができる必要がある。さらに、貯留および/または膀胱の筋力低下を引き起こすことなく下部尿路症状を改善するのに役立ち得るより低い濃度でBoNTを膀胱尿路上皮内層および感覚神経終末に送達させる必要がある。
他の泌尿器科学的様態(尿路感染症および膀胱癌など)において膀胱内での薬物接触時間がより長い局在化膀胱内薬物送達も必要である。
膀胱機能障害のための持続性薬物送達系は市販されていない。薬物放出を持続させるために薬物を有するバルーンリザーバまたはマトリックス材料を膀胱に配置する試みが他の者によってなされてきたが、これらの機械的方法は刺激(痛み)を生じ、そのサイズおよび形状による膀胱頸部出口の封鎖によって閉塞を生じ得る。
膀胱内BoNT点滴注入は、臨床経験不足により、今のところ成功していない。膀胱におけるBoNT点滴注入による有効性の欠如の根底にある考えられる理由には、尿中プロテアーゼによる分解、尿中での希釈、または膀胱内腔に点滴注入されたBoNT溶液からの尿路上皮への取り込みの不足が含まれる。
Parkinら、Urology(1997)49,105−7 SunおよびChai,BJU Int(2002)90,381−5 Parsonsら、Science(1980)208,605−7 Lavelleら、Am J Physiol Renal Physiol(2002)283,F242−53
したがって、本発明の目的は、OABおよび他の膀胱障害の治療のための膀胱への点滴注入による薬物送達のための方法および組成物を提供することである。
膀胱刺激および頻度の低下によって下部尿路症状の改善に役立てるための膀胱内薬物送達、具体的には、BoNTの送達のためにリポソームを使用する。この系は、注射より低く且つより安全な用量のBoNTを使用し、尿閉リスクがより低い。
膀胱への液体処方物としてのリポソーム−BoNT(30〜60mlの典型的な体積)の簡潔な点滴注入により、BoNTの膀胱鏡的(cystscopic)針注射で現在達成されている有効性に類似の有効性が達成される。用量を注射によって得られる用量より低くすることができ、それにより、尿閉リスクが有意に軽減される。リポソーム−BoNTは、BoNTを膀胱中および尿中での分解から保護することができる。
例により、処方物の有効性を証明する。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する;
(項目1)
膀胱への点滴注入のための薬学的に許容可能なキャリア中にボツリヌス毒素を含むリポソーム処方物。
(項目2)
脂質対ボツリヌス毒素の比が送達を最適にするように調整される、項目1に記載の処方物。
(項目3)
膀胱中にリポソームキャリア中のボツリヌス毒素を点滴注入する工程を含む、過活動膀胱および下部尿路症状を治療するための方法。
(項目4)
上記ボツリヌス毒素が、7つの血清型のうちの1つまたは複数であり、二本鎖または一本鎖である、項目1に記載の処方物または項目3に記載の方法。
(項目5)
上記ボツリヌス毒素の用量が、過活動膀胱および下部尿路症状に同一の影響を及ぼすために注射によって投与される用量より少ない、項目1に記載の処方物または項目3に記載の方法。
(項目6)
点滴注入される上記処方物の体積を、取り込みを最適にするように至適化する、項目1に記載の処方物または項目3に記載の方法。
(項目7)
上記処方物を、膣、肛門、直腸、皮膚、咽頭、口腔、鼻腔、および気道が含まれる、他の体腔および表面に点滴注入する、項目1に記載の処方物。
I.リポソーム−薬物処方物
リポソームカプセル化により、点滴注入後の低吸収の問題が解決されるはずである。BoNTのリポソームカプセル化により、尿中での分解からBoNTを保護することができ、膀胱表面へのリポソーム接着からの尿路上皮を横切っての制限の無い吸収が可能である。BoNTがリポソームの内側に捕捉されるので、尿による希釈に対して脆弱でなく、リポソーム表面でのBoNTの局在化濃度は、膀胱内腔表面へのリポソーム接着からの浸出BoNTの侵入を促進するのに十分に高濃度であり得る。
A.リポソーム
リポソーム(LP)は、水性区画によって分離された同心円状のリン脂質二重層から構成される球状の小胞である。LPは、細胞表面に接着してその表面上に分子膜を作製するという特徴を有する。リポソームは、水性内部を取り囲んだ同心円状のリン脂質二重層から構成された脂質小胞である(Gregoriadisら、Int J Pharm 300,125−30 2005;Gregoriadis and Ryman,Biochem J 124,58P(1971))。脂質小胞は、1つ(単層)またはいくつか(多重層)のリン脂質二重層のいずれかによって描写される1つまたはいくつかの水性区画のいずれかを含む(Sapraら、Curr Drug Deliv 2,369−81(2005))。臨床でのリポソームの成功は、その処方物中で使用される脂質の非毒性に起因している。リポソームの脂質二重層および水性内部コアは共に治療という目的に適う。リポソームは、より低い用量でその有効性を増強するための毒素のキャリアとして十分に研究されている(Alamら、Mol Cell Biochem 112,97−107 1992;Chaim−Matyasら、Biotechnol Appl Biochem 17(Pt 1),31−6 1993;de Paiva and Dolly,FEBS Lett 277,171−4(1990);Freitas and Frezard,Toxicon 35,91−100(1997);Mandal and Lee,Biochim Biophys Acta 1563,7−17(2002))。
リポソームは、細胞および組織の表面上に分子膜を形成する能力を有し、現在、創傷治癒および代用涙液として眼乾燥症治癒を促進するための可能な治療薬として試験されている。臨床研究により、局所治療薬としてのリポソームの有効性が証明されている(Dauschら、Klin Monatsbl Augenheilkd 223,974−83(2006);Leeら、Klin Monatsbl Augenheilkd 221,825−36(2004))。リポソームはまた、眼科学において角膜炎、角膜移植片拒絶、ブドウ膜炎、眼内炎、および増殖性硝子体網膜症を改善するために使用されている(Ebrahimら、2005;Liら、2007)。
リポソームは、種々の化学療法薬のための薬物キャリアとして広く研究されている(この研究対象について約25,000報の科学論文が発表されている)(Gregoriadis,N Engl J Med 295,765−70(1976);Gregoriadisら、Int J Pharm 300,125−30(2005))。水溶性抗癌物質(ドキソルビシンなど)をリン脂質二重層によって区切られたリポソームの水性区画の内部で保護することができるのに対して、脂溶性物質(アンホテリシンおよびカプサイシンなど)をリン脂質二重層に組み込むことができる(Aboul−Fadl,Curr Med Chem 12,2193−214(2005);Tyagiら、J Urol 171,483−9(2004))。シクロスポリンの局所および硝子体送達は、リポソームを使用して劇的に改良された(Lallemandら、Eur J Pharm Biopharm 56,307−18 2003)。化学療法薬の送達により、薬物動態が改善され、毒性プロフィールが軽減される(Gregoriadis,Trends Biotechnol 13,527−37(1995);Gregoriadis and Allison,FEBS Lett 45,71−4 1974;Sapraら、Curr Drug Deliv 2,369−81(2005))。10種を超えるリポソーム処方物および脂質ベースの処方物が規制当局によって承認されており、多数のリポソーム薬が前臨床開発段階または臨床試験段階にある(Barnes,Expert Opin Pharmacother 7,607−15(2006);Minkoら、Anticancer Agents Med Chem 6,537−52(2006))。Fraser,et al.Urology,2003;61:656−663により、リポソームの膀胱内点滴注入が、硫酸プロタミンでの尿路上皮の破壊およびその後のKClでの膀胱の刺激によって誘導されたラット活動亢進膀胱モデルにおいて機能障害性尿路上皮のバリア特性を増強し、高排尿頻度を部分的に逆転することを証明した。Tyagi et al.J Urol.,2004;171;483−489は、リポソームが30%エタノールと比較してビヒクル誘導性炎症が低いカプサイシンの膀胱内投与のための優れたビヒクルであると報告した。リポソームの急性、亜慢性、および慢性の毒性に関する安全データは、何千人もの患者についてのリポソームの膨大な臨床使用経験から得られている。意図する臨床経路のためのリポソームの安全な使用はまた、患者における抗癌薬のためのビヒクルとしてのその広範な使用によって支持されている。
B.点滴注入のためのボツリヌス毒素(BoNT)および他の薬物
Clostridium botulinumによって産生されるボツリヌス神経毒は、ヒトに対して公知の最も強力な生物毒素と見なされている(Smith&Chancellor,J Urol,171:2128(2004)。BoNTは、筋肉の過剰な収縮を伴う種々の状態に有効に使用されている。7つの免疫学的に異なる神経毒(A型〜G型)のうち、BoNT−Aは、最も一般的に臨床的に使用されているボツリヌス毒素である。この数年間で、BoNT−AおよびBoNT−Bは、複数の部位への排尿筋内BoNT−A注射を使用して神経性膀胱活動亢進を有する脊髄損傷患者の治療で首尾よく使用されている(Schurchら、2000)。
Achおよびノルエピネフリン放出阻害に及ぼす影響:BoNTは、神経筋接合部でのAch放出および自律神経伝達の阻害によって効果を発揮することが知られている。BoNTの筋肉内注射後、骨格筋および平滑筋において一過性の化学的除神経(chemodenervation)および筋弛緩が起こり得る(Chuang & Chancellor,J Urol.176(6 Pt 1):2375−82(2006))。Smith et al.(J Urol,169:1896(2003))は、ラット近位尿道括約筋へのBoNT注射によって高電場刺激で標識されたノルエピネフリンが劇的に減少したが、低電場刺激では減少しないことが見出され、BoNTが自律神経終末でのノルエピネフリン放出を阻害することを示す。
知覚機構阻害に及ぼす影響:BoNTが膀胱における求心性神経伝達も阻害するという概念を支持する証拠が増加しつつある(Chuangら、J Urol 172,1529−32(2004);Kheraら、Neurochem Int,45:987(2004))。痛みの感覚のメディエーターである神経ペプチド,グルタミン酸塩、およびアデノシン三リン酸の放出を阻害することが示されている(Cuiら、Pain,107:125(2004))。類似の影響が酢酸誘導性膀胱過活動モデルで認められた。BoNTの排尿筋内注射後の尿意促迫の減少に関連する尿路上皮下神経線維中の感覚受容器P2X3および一過性受容器電位バニロイド1(TRPV1)受容体レベルの減少がヒト排尿筋過活動で認められている(Apostolidisら、J Urol,174:977 2005)。
BoNTの標的タンパク質は、脂質環境下で存在する膜内在性タンパク質である。リポソームは、尿路上皮により強い接着させることによってメタロプロテアーゼ(BoNTなど)の活性を増強することができる。膀胱鏡ガイド注射は、膀胱にBoNTを投与するためのクリニックにおける現在の標準的な手順である。ここ数年、膀胱刺激の動物モデルにおけるBoNTの膀胱内点滴注入の可能性について評価する研究が行われている(Kheraら、Urology 66,208−12(2005))。この論文中の以前の報告により、VAMPに特異的なBoNTの金属タンパク質分解活性が脂質膜の存在によって強く増強されることが示唆される。この効果は、これらの神経毒が単離されたVAMP分子よりも脂質小胞内に挿入されたVAMPおよびニューロン中のVAMPに対して活性が高いという事実を説明している。この脂質増強効果は、脂質によって起こる。この研究は、BoNT点滴注入のための送達ビヒクルとしてのリポソーム使用が合理的であることを強く支持している。
膀胱に点滴注入することができる他の薬物を、特に局所送達によって回避される全身性副作用を有する者にリポソーム送達系を使用して送達させることもできる。
開示のリポソーム送達系を使用して送達させることができる適切な薬物または活性薬剤には、癌治療薬、免疫調節薬、鎮痛薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、エンドルフィン、プロスタグランジン、カナボイドTRP受容体、ペプチド、タンパク質、および抗体、プラスミド、裸のDNA、ウイルスベクター、RNA、siRNA、アミノ酸;ヒアルロン酸;ペントサンポリ硫酸ナトリウム、β3受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、グレリン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、ならびに局所麻酔薬(リドカインなど)が含まれるが、これらに限定されない。
例示的癌治療薬には、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、オキサリプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ビンクリスチン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ドキソルビシン、メトトレキサート、ビノレルビン、ビンデシン、タキソールおよびその誘導体、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、エトポシドホスファート、テニポシド、エピポドフィロトキシン、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、セツキシマブ、およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標)またはMABTHERA(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、ならびにその組み合わせが含まれる。
例示的免疫調節薬には、インターフェロンおよびカルメット・ゲラン桿菌が含まれる。
開示の薬物送達組成物を使用して、間質性膀胱炎、疼痛性膀胱症候群、過活動膀胱、膀胱癌、前立腺癌、および細菌、真菌、またはウイルスに起因する尿路感染の治療に適切な薬物を送達させることもできる。
II.製造方法
リポソームの製造:
リポソームの製造方法は、上記で引用した論文に記載されており、且つ周知である。
1つの実施形態では、水性リポソーム懸濁液を顕微溶液化(microfluidization)によって生成する。最終生成物は、一連の安定性問題(凝集、融合、およびリン脂質加水分解など)に供され得る(Nounouら、Acta Pol Pharm 62,381−91(2005))。
リポソーム生成物は、その臨床的利点が実現される前に適切な化学的および物理的な安定性を持たなければならない(Torchilin,Adv Drug Deliv Rev 58,1532−55(2006))。好ましい実施形態では、脱水リポソームをtert−ブチルアルコール(TBA)/水共溶媒系中のリン脂質の均一な分散液から形成する。リポソームの等方性単相性溶液を凍結乾燥させて、滅菌バイアル中に脱水リポソーム粉末を生成する。凍結乾燥工程により、バイアルからの水およびTBAの除去後に空の脂質小胞または脱水リポソームが得られる。生理学的食塩水の添加の際、凍結乾燥生成物は均一なリポソーム調製物を自発的に形成する(Amselemら、J Pharm Sci 79,1045−52(1990);Ozturkら、Adv Exp Med Biol 553,231−42(2004))。脂質/TBA比が得られたリポソーム調製物のサイズおよび多分散性に影響を及ぼす主な要因であるので、低脂質濃度は本方法に理想的に役立つ。
リポソームBoNTの調製:
好ましい実施形態では、リポソームBoNT(「LPA−08」)を、少し修正した脱水−再水化法によって調製する。前の工程で調製されたリポソームを、37℃の注射用蒸留水中のBoNTの溶液(50単位/ml)で水和する。次いで、水浴を使用して混合物を37℃で2時間インキュベートして、オリゴラメラ水和リポソームを形成する。マンニトールを、0.5%、1%、2.5%、および5%マンニトール(w/v)の濃度で最終混合物にそれぞれ添加し、その後にアセトン−ドライアイス浴中で凍結させる。マンニトールは、凍結乾燥過程における抗凍結剤(cryoprotectant)として作用する。凍結混合物を、−40℃および5ミリバールで一晩凍結乾燥させる。凍結乾燥させたケーキを生理食塩水で所望のBoNT最終濃度に再懸濁する。超遠心分離器を使用した12,000×gで30分間の遠心分離によって遊離BoNTを捕捉BoNTから除去する。3回の洗浄後、沈殿を生理食塩水に再懸濁する。
強力な細菌毒素のリポソームへの処方には、極めて注意深いアプローチが必要である。BoNTを、リポソーム製造で一般に使用される有機溶媒に曝露することができない。薄層水和法および液体ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を使用して実施例を行った。簡潔に述べれば、DPPCのクロロホルム溶液を、丸底フラスコ中にて窒素細流下で最初に蒸発させた。脂質薄膜を真空下で一晩乾燥させた。次いで、乾燥させた脂質をBoNT水溶液で水和した。
以下の実施例2で証明されるように、BoNT/脂質比の慎重な制御によって最適な結果が得られる。本研究によって証明されるように、最適な比および脂質組成を、日常的な実験を使用して決定することができる。
III.リポソームBoNT送達
リポソーム−BoNTの点滴注入は、膀胱鏡的BoNT注射に精通し、且つ認定を受けた医師に制限される別の方法よりも患者にとって快適であり、より多数の医院にこの治療形態を提供することが可能である。BoNTは巨大分子であり、細胞層を貫通して筋肉および神経終末に到達しない。リポソームを使用しないBoNTの点滴注入には、別の方法で膀胱内層を損傷し得る腐食剤(プロタミンなど)が必要であろう。これはFDAによって承認されておらず、膀胱の痛みおよび損傷を引き起こし得る。BoNTの点滴注入は、治療抵抗性過活動膀胱患者の治療費を下げることができる。異なる研究所から報告された種々の研究は、膀胱刺激の動物モデルにおけるBoNTの膀胱内点滴注入の可能性を評価している(Chuangら、2004;Kheraら、2005)。しかし、BoNTの膀胱内点滴注入は、臨床経験不足により成功していない。リポソームカプセル化により、点滴注入後の低吸収の問題が解決される。BoNTがリポソームの内側に捕捉されるので、尿による希釈に対して脆弱でなく、リポソーム表面でのBoNTの局在化濃度は、膀胱表面上のリポソーム接着からの浸出BoNTの受動拡散を促進するのに十分に高濃度である。リポソームの脂質関門はまた、膀胱によって吸収される前に尿中のプロテアーゼおよびプロテイナーゼがBoNTに接近してBoNTが切断されるのを防止することができる。
点滴注入方法は公知である。例えば、Lawrenciaら、Gene Ther 8,760−8(2001);Nogawaら、J Clin Invest 115,978−85(2005);Ngら、Methods Enzymol 391,304−13 2005;Tyagiら、J Urol 171,483−9(2004);Trevisaniら、J Pharmacol Exp Ther 309,1167−73(2004);Trevisaniら、Nat Neurosci 5,546−51(2002));(Segalら、1975).(Dysonら、2005).(Batistaら、2005;Dysonら、2005)を参照のこと。
以下の実施例1で証明されるように、リポソーム−BoNTの体積は、送達有効性において重要である。日常的実験を使用して、送達体積を最適にすることができる。
開示のリポソームを使用して、他の部位(尿路(尿道、膀胱、尿管、腎内収集系(intrarenal collecting system)が含まれる)など)、婦人科学的部位(膣、子宮、ファロピウス管など)、胃腸管部位(口腔、食道、胃、小腸、結腸、直腸、肛門が含まれる)、および外耳または内耳、皮膚、鼻に治療薬を点滴注入することもできる。
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照してさらに理解されるであろう。
実施例1:点滴注入後のリポソームBoNTの吸収に及ぼす膀胱膨満の影響
材料と方法
点滴注入後のリポソームBoNTの吸収に及ぼす膀胱膨満の影響を、漸増体積での同一用量のリポソームBoNTの点滴注入によって決定した。同一組成の脂質およびBoNT(各BoNT単位について0.5mgの脂質)を使用して作製したリポソームを異なる点滴注入体積(0.5、0.55、0.6ml)で使用してラットに点滴注入した。リポソームを、ハロタン麻酔下にて滞留時間30分でラット膀胱に点滴注入した。次いで、動物を回復させ、飼料および水を与え、ケージに収容した。ウレタン麻酔下(用量1.0g/kg体重)で24時間後、0.04ml/分の速度での生理食塩水の注入によって、治療ラットに対して経尿道開放膀胱内圧測定を行った。正常なベースラインが1時間得られた後、生理食塩水中の酢酸(0.25%)を注入して膀胱刺激を誘導した。異なる体積の点滴注入を使用したBoNT処置の7日後、ウレタン麻酔下での継続的な経尿道膀胱内圧測定によって膀胱膨満の影響を評価した。
結果
標準体積0.5mlを点滴注入したラットは、0.08ml/分の速度での生理食塩水の一定の注入によって誘導された排尿反射に関する規則的なCMGを示した。しかし、同用量のリポソームBoNTを含む10〜20%高い体積の点滴注入(0.55mlまたは0.6mlの点滴注入)を使用して注入したラットは、生理食塩水での膀胱内圧測定下で溢流の自制(overflow continence)の特徴を示した。
低体積の点滴注入は尿路上皮のみに対するBoNTの影響を制限するが、10〜20%の点滴注入体積の増加によって吸収に対する障壁が劇的に減少され、点滴注入後にBoNTを排尿筋に到達させることが可能である。高体積のリポソームBoNTを点滴注入したラットは、覚醒状態での尿閉および麻酔状態下での溢流性尿失禁を示した。これは、反射性排尿の強い抑制を示している。麻酔状態下での溢流性尿失禁が排尿反射の求心路(afferent arm)に作用する薬物の望ましい特徴を反映するということに留意することは興味深いことである。麻酔条件下での溢流性尿失禁は、覚醒状態での求心性入力の減少と言い換えられる。
BoNTは分子量150kDの巨大分子であるので、拡散の大部分を吸収機構から除外することができる。エンドサイトーシスは、より可能性の高い膀胱吸収機構である。以前の研究により、尿路上皮のアンブレラ細胞のエンドサイトーシスが静水圧などの外部刺激と共に増加することが示されている。膀胱充填中のエンドサイトーシスおよびエキソサイトーシスの比は、正味の影響が膜に付加され、膀胱伸長に適応するために尿路上皮の表面積が増加するような比である。したがって、BoNTの膀胱取り込みを改善するための膀胱伸長後のエンドサイトーシス活性がより高いと予想される。
実施例2:脂質のBoNTに対する比率の影響
BoNTの最適な有効性のために、脂質および毒素は最適な比率でなければならない。
材料と方法
BoNT比を固定したままで脂質比を変化させてリポソームBoNTを調製した。例えば、ハロタン麻酔下にて、25IUのBoNTから開始して、同一組成の脂質およびBoNT(各BoNT単位について0.5mgの脂質)を使用して作製したリポソームを異なる体積で使用してラットに点滴注入した。BoNTの膀胱内用量を一定に保持し、脂質濃度を変化させて至適な毒素:脂質比を決定した。リポソームBoNTの有効性を、生理食塩水中の遊離BoNTと比較した。点滴注入から7日後の酢酸誘導した膀胱刺激を鈍化させる能力を、ハロタン麻酔ラットで試験した。点滴注入と有効性評価との間の7日間の間隔を、公開された研究に基づいて選択した(Chuangら、2004)。
結果
最適な毒素/脂質比1:0.5は、膀胱内点滴注入後のBoNTの有効性の増強に有効である。より高い脂質比で有効性が低下するのは、多重層リポソームからのBoNTの放出が非常に遅く、それにより、膀胱へのBoNT取り込みが有効ではなくなることに起因し得る。
実施例3:ラットの酢酸誘導性膀胱活動亢進における膀胱内BoNT−Aリポソーム送達の尿力学的効果および免疫組織化学的効果の評価
材料と方法
リポソーム(LP)、ボツリヌス毒素A(BoNT−A)、およびリポトキシン(LP+BoNT−A)の調製:LP(10mg、リポイド)を生理食塩水(1ml)中に分散させた。この分散液はリポソーム形態である。BoNT−Aを生理食塩水に溶解した(1ml、生理食塩水中20u/ml,Allergan,Irvine,CA)。BoNT−Aをカプセル化したLP(リポトキシンと呼ばれる)を、20単位のBoNT−Aを10mgのLP分散液(1ml)にロードする修正した脱水−再水和小胞法によって調製した(Gregoriadisら、Methods 19,156−62 1999)。異なる動物群でBoNT−Aの用量を同一に保持した。
膀胱内圧測定図(CMG):全実験手順を雌Sprague−Dawleyラット(220〜280gm)に対して行い、この手順は、研究開始前にInstitutional Animal Care and Use Committeeによって再調査および承認されていた。動物を、ウレタン(1.2g/kg)の皮下注射によって麻酔した。PE−50管を尿道を介して膀胱に挿入し、三方止め栓を介して圧トランスデューサーならびに膀胱内圧の記録および膀胱への溶液の注入のためのシリンジポンプに接続した。1日目に、反復排尿を誘発するための生理食塩水(0.08ml/分)での膀胱の充填によってコントロールCMGを行った。反射膀胱収縮の振幅、圧力閾値(PT)、圧力ベースライン(PB)、および収縮間隔(ICI)を記録した。各動物における測定値を、3〜5つの膀胱収縮の平均で示した。
8日目に、生理食塩水注入中にベースライン測定値を確立した後、膀胱に0.3%酢酸(AA)を0.08ml/分で注入して膀胱活動亢進を急性的に促進させた。注入30分後に3〜5つの膀胱収縮を測定した。
薬物の点滴注入:ベースラインCMGの1日後、PE−50管(Clay−Adams,Parsippany,NJ)を、結紮糸によってハロタン麻酔下で尿道口周囲の適所に結紮した。膀胱の尿を空にし、LP、BoNT−A、またはリポトキシンをカテーテルによって1時間充填した。
経心臓的灌流(transcardiac perfusion):CMG研究の8日後、いくつかの動物(各群あたりN=6)を深く麻酔し、最初にクレブス緩衝液を使用し、その後に4%パラホルムアルデヒド固定液を使用する経心臓的灌流によって屠殺した。次いで、動物を解剖して膀胱を採取した。
組織学:組織学のために膀胱組織をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中の4%パラホルムアルデヒドで4時間固定し、次いで、PBS中の30%スクロースで一晩置いた。組織学用のサンプルをパラフィンに包埋し、厚さ10μmの切片に切断し、H&Eで染色した。AA誘導性炎症反応を、以下のように0〜3のスコアによって格付けした:0、炎症細胞浸潤や間質性浮腫の証拠無し;1、軽度(炎症細胞浸潤がほとんどなく、かつわずかな間質性浮腫);2、中等度(中程度の炎症細胞浸潤および中程度の間質性浮腫あり);3、重症(大量の炎症細胞浸潤および重症間質性浮腫が拡散して存在する)。
CGRPおよびSNAP−25の免疫蛍光顕微鏡法:あるいは、サンプルを凍結し、Tissue−Tek OCT封入剤(Sakura Finetek,Torrance,CA,USA)中にマウントし、厚さ10μmの長手方向の切片をクリオスタット上で切断し、SuperFrostスライド上にマウントした。アセトン中での15分間の浸漬によって切片を固定し、次いで、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄し、PBS中0.3%H溶液中でスライドを10分間インキュベートすることによって内因性ペルオキシダーゼ活性を遮断した。PBSでのさらなる洗浄後、切片をImage−iTTW固定シグナルエンハンサー(Molecular Probes,Invitrogen)中で1時間インキュベートした。CGRP免疫染色のために、次いで、スライドをヤギ抗CGRPポリクローナル抗体(Santa Cruz,1:50希釈)にて+4℃で48時間染色した。翌日、切片をPBSで洗浄し、ロバ抗ヤギIgG FITC(Santa Cruz,1:2000希釈)と1時間インキュベートした。切片を洗浄し、SlowFade antifade gold reagent((Molecular Probes,Invitrogen)にマウントした。SNAP−25免疫染色のために、次いで、スライドをマウス抗SNAP−25モノクローナル抗体(AbD,NC,USA,1:2000希釈)にて+4℃で一晩染色した。翌日、切片をPBSで洗浄し、ヤギ抗マウスIgG Alexa Fluor 488(Molecular Probes,Invitrogen,1:2000希釈)と1時間インキュベートした。筋線維を検出するために、切片をテトラメチルローダミンイソチオシアナート(TRITC)標識ファロイジン(Sigma,1:2000希釈)で対比染色し、洗浄し、SlowFade antifade gold reagent((Molecular Probes,Invitrogen)にマウントした。スライドを蛍光顕微鏡で試験して画像を記録した。
SNAP−25発現のウェスタンブロット分析:いくつかの動物(各群あたりN=6)を深く麻酔し、経心臓的灌流を使用せずに屠殺した。標準的プロトコール(Amersham Biosciences)にしたがって、SNAP−25発現のウェスタンブロット分析のための膀胱を取り出した。サンプルをタンパク質抽出溶液(T−PER;Pierce Biotechnology)中でホモジナイズし、その後に超音波処理および精製を行った。総タンパク質量を、Bradfordタンパク質アッセイ法(Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA)を使用して測定した。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を、Laemmliの緩衝液系を使用して行った。簡潔に述べれば、30μgタンパク質に等しい抽出物のアリコートを8%ポリアクリルアミドゲル上にロードし、100Vの定電圧で1時間電気泳動し、Hybond−P PVDF膜(Amersham Biosciences)に移した。膜をブロッキング剤でブロッキングし、次いで、マウス抗SNAP−25モノクローナル抗体(AbD,NC,USA,1:500希釈)およびマウス抗β−アクチンモノクローナル抗体(Rockland,Gilbertsville,USA,1:2000希釈)を使用して+4℃で一晩免疫ブロッティングした。洗浄後、膜を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ウサギまたは抗マウス免疫グロブリンGを使用して、TBS中の5%脱脂粉乳を使用した二次抗体と室温で2時間インキュベートした。ウェスタンブロットを、増強化学発光(ECL)検出システム(Amersham Biosciences)によって視覚化した。内部コントロールとしてβ−アクチン量も検出した。LabWorks画像収集および分析ソフトウェアを使用して、定量分析を行った。
統計分析:定量的データを、平均±平均の標準誤差として示す。ボンフェローニ事後試験(Bonferroni post−test)を使用した一元置換ANOVAまたはダンの事後試験(Dunn’s post−test)を使用したクラスカル・ワリス(Kruskal−Wallis)を使用して統計分析(適用可能な場合)を行った。p<0.05を有意と見なした。
結果
LP、BoNT−A、およびリポトキシン前処置に対するCMG応答:
1日目の膀胱内への生理食塩水の点滴注入の間のLP群(コントロール群)、BoNT−A群、およびリポトキシン群におけるCMGパラメータは、8日目とそれほど相違しなかった。これらの結果は、正常条件下での8日目の膀胱機能がLP、BoNT−A、およびリポトキシンの前処置の影響を受けなかったことを示す。8日目に、注入開始から20〜30分後に酢酸の刺激作用が明らかになった。LPおよびBoNT−A前処置群では、AAの膀胱内点滴注入後に、それぞれ、収縮間隔(ICI)が57.2%および56.0%有意に減少した。しかし、リポトキシン処置前に受容したラットは、AA点滴注入への応答が有意に減少した(ICI21.1%減少)。これらの結果は、リポトキシン前処置によってAA誘導性膀胱過活動が抑制され、この作用が同用量のBoNT−A前処置群で認められなかったことを示す。
LP、BoNT−A、およびリポトキシン前処置に対する組織学的応答:ヘマトキシリン(hamatoxylin)およびエオシンで染色した組織切片を組織病理学的評価によって決定したところ、LPおよびBoNT−A前処置群においてAA点滴注入によって中程度の炎症反応が誘導された。しかし、AA誘導性炎症反応は、リポトキシン前処置群で有意に減少した(総炎症スコアは、LPおよびBoNT−A前処置群と比較してそれぞれ48.9%および33.3%減少した)。これらの結果は、リポトキシン前処置がAA誘導性膀胱炎症を阻害することを示す。
LP、BoNT−A、およびリポトキシン前処置に対するCGRP免疫染色:CGRP免疫染色がリポトキシン前処置群の膀胱粘膜層で確認された。これは、LP前処置群でもBoNT−A前処置群でも認められなかった。これらの結果により、リポトキシン前処置がCGRP放出を阻害することが示唆される。
LP、BoNT−A、およびリポトキシン前処置におけるSNAP−25発現:SNAP−25陽性ニューロン線維はLPおよびBoNT−A前処置動物の膀胱サンプル中で検出された。しかし、SNAP−25陽性ニューロン線維は、リポトキシン前処理動物で稀にしか認められなかった。ウェスタンブロッティングにより、平均SNAP−25タンパク質レベルはLPおよびBoNT−A前処置群と比較してそれぞれ66.4%および58.1%減少することが証明された。これらの結果は、リポトキシン前処置によってSNAP−25発現が減少したことを示す。
結論:
LPおよびBoNT−A前処置ラットにおいて、AAの膀胱内点滴注入後の収縮間隔(ICI)がそれぞれ57.2%および56.0%減少した。しかし、リポトキシンを受容したラットは、AA点滴注入に対する応答が有意に減少した(ICI21.1%減少)。さらに、リポトキシン前処置ラットは、LPまたはBoNT−A前処置ラットと比較して有意に炎症反応およびSNAP−25発現が減少し、CGRP免疫反応性が増加した。膀胱内リポトキシン投与により、SNAP−25が切断され、求心性神経終末からのCGRP放出が阻害され、AA誘導性活動亢進膀胱が遮断された。これらの結果は、注射を必要とせず、且つ排尿筋への影響が回避されるBoNT−A送達に有効なビヒクルとしてのLPを支持する。
本研究の主な所見は、この動物モデルにおいて膀胱内リポトキシン前処置によってAA誘導性の膀胱活動亢進および炎症反応が抑制され、この作用はLPおよびBoNT−A前処置群で認められなかったことである。尿閉は認められなかった。さらに、このモデルにおいて、LPおよびBoNT−A前処置群と比較してリポトキシン前処置群においてSNAP−25発現が有意に減少し、CGRPが有意に増加した。膀胱内リポトキシン点滴注入により、尿閉を引き起こし得る注射を必要とせずにBoNT−Aのより簡潔で有効な送達方法を得ることができる。

Claims (10)

  1. 膀胱への点滴注入のための薬学的に許容可能なキャリア中にボツリヌス毒素を含む、尿路上皮を横切るボツリヌス毒素の治療有効量の取り込みを増強する方法に使用するためのリポソーム処方物であって、ボツリヌス毒素対脂質の比は、0.5mgの脂質に対して1IUのボツリヌス毒素、処方物。
  2. 前記ボツリヌス毒素対脂質の比が0.5mgの脂質に対して1IUのボツリヌス毒素に調整される、請求項1に記載の処方物。
  3. 前記処方物が、30mL〜60mLの体積である、請求項1に記載の処方物。
  4. 膀胱への点滴注入のための薬学的に許容可能なキャリア中にボツリヌス毒素を含む、尿路上皮を横切るボツリヌス毒素の治療有効量の取り込みを増強する方法に使用するためのリポソーム処方物であって、リポソームは、ボツリヌス毒素を含む水溶液を使用する、凍結乾燥後の再水和によって調製され、ボツリヌス毒素対脂質の比は、0.5mgの脂質に対して1IUのボツリヌス毒素ある、処方物。
  5. 凍結乾燥の前に、抗凍結剤が前記リポソームに添加される、請求項4に記載の処方物。
  6. 前記抗凍結剤が、0.5%(w/v)〜5%(w/v)の濃度で添加されるマンニトールである、請求項5に記載の処方物。
  7. 捕捉されていない遊離ボツリヌス毒素を前記リポソームから除去する、請求項4に記載の処方物。
  8. 前記リポソームが、ジパルミトイルホスファチジルコリンを含む、請求項1または5に記載の処方物。
  9. 前記ボツリヌス毒素が、7つの血清型のうちの1つまたは複数である、請求項1または5に記載に記載の処方物。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載のリポソームキャリア中に有効量のボツリヌス毒素を含む、過活動膀胱を治療するための組成物であって、該組成物は、該膀胱に点滴注入されることを特徴とする、組成物。
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