JP5538133B2 - 車両の冷却構造 - Google Patents
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Description
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、ハイブリッド車両の概略構成図(側面図)である。なお、図中において、矢印FRは車両の前後方向における前方を示している。
図1に示すように、本実施形態のハイブリッド車両10(以下、車両10という)は、車体の後部開口部を開閉可能とするテールゲート10aを備えたハッチバック式の車両であり、走行用駆動源である図示しないエンジン(内燃機関)及びモータ(電動機)が車両前部に搭載されている。車両10は、フロントフロア21上に配置されてシートクッション11及びシートバック12を有するフロントシート13と、シートクッション14及びシートバック15を有するリヤシート16とを備えている。
図2,図3に示すように、リヤフロア22後部において、車幅中央部にはIPU19が収納されたIPU収納部26が設けられ、車幅方向両側にはリヤフロア22を間に挟むようにリヤインナパネル(外壁部)28が設けられている。IPU収納部26は、底壁部26aと、底壁部26aの前部及び左右両側に設けられた側壁部26bと、底壁部26aの後部に設けられたリヤパネル29と、を備え、上方開口部25を有する箱型形状に形成されている。リヤパネル29は、車幅方向に沿って延在する断面L字状の部材であり、IPU収納部26の後壁部を構成する。
図2〜図4に示すように、上述したIPU19は、バッテリモジュールや、インバータユニット、DC−DCコンバータユニット(いずれも不図示)等の各電気機器がケーシング41内にユニット化されたものである。インバータユニットは、直流電源のバッテリからモータに電力を供給するとき、直流から交流に変換する。また、車両10の減速時等において、エンジンの出力または車両10の運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリに蓄電する際、発電機として機能するモータが発生する回生電力を、交流から直流に変換してバッテリに蓄電する。また、DC−DCコンバータユニットは、インバータユニットによって変換された高圧の直流電圧を降圧させる。なお、ケーシング41は、車幅方向を長手方向、前後方向を短手方向とする直方体形状に形成され、IPU収納部26内の前側に配置されている。この場合、IPU収納部26において、前側空間は上述したIPU19が収納された保護ゾーンS1を構成し、後側空間は後突時に変形することで、衝撃荷重を吸収するためのクラッシャブルゾーンS2を構成している。
また、冷却ファン51は、IPU収納部26のクラッシャブルゾーンS2内で、IPU19に対して幅方向外側にオフセットされた位置でファンステー52に支持されている。この際、冷却ファン51の排気口68は、上述したリヤライニング33における中段部の内側空間に対向している。
次に、本実施形態の冷却構造の作用を説明する。
まず、IPU19の冷却方法について説明する。
車両10のモータを駆動すると、IPU19が発熱するため、IPU19を冷却する必要がある。冷却ファン51を駆動すると、冷却ファン51の吸引力により車室内の空気が吸気側開口部を通って吸気ダクト内に流入する。吸気ダクト内に流入した空気は、吸気ダクト内を流通して、冷却風取込通路44の一端側の開口から冷却風取込通路44内に流入する。そして、冷却風取込通路44内に流入した空気は、冷却風取込通路44の他端の開口からIPU19のケーシング41内に流入する。ケーシング41内に流入した空気は、ケーシング41内全域を流通する間に、IPU19の各電気機器との間で熱交換を行い、IPU19を冷却する。
車両10に後続の車両が後突すると、その衝撃荷重はリヤバンパーを介してリヤパネル29やリヤエンドビーム31に作用する。そして、リヤパネル29やリヤエンドビーム31に作用した衝撃荷重により、リヤパネル29やリヤエンドビーム31が前方に向けて変形することで、クラッシャブルゾーンS2が変形して衝撃荷重が吸収されるため、車室内を保護できるようになっている。
すると、図5に示すように、ファンステー52のうち、第2分岐ステー55の脆弱部65を起点にして第2分岐ステー55が前方に向けて屈曲することで、冷却ファン51が前方に移動するとともに、これに追従して第1分岐ステー64が脆弱部64を起点にして下方に向けて屈曲する。その結果、冷却ファン51がクラッシャブルゾーンS2から保護ゾーンS1内へ入り込む。
この場合、冷却ファン51のファンステー52に脆弱部64,65を形成することで、衝撃荷重の入力時に脆弱部64,65を起点として分岐ステー54,55が屈曲することになる。したがって、冷却ファン51の前方への移動が積極的に許容されるため、冷却ファン51が幅方向にずれることなく前方へスムーズに移動するので、IPU19との接触を確実に防止できる。
この構成によれば、冷却ファン51の排気口68をリヤパネル29に沿わせて配置することで、仮に冷却ファン51の排気口68や排気口68に接続される排気ダクト73がIPU収納部26から上方に突出する場合であっても、この突出部分がラゲッジスペース18内の後端側に配置される。これにより、従来のようにラゲッジスペース18における中央部分で冷却ファンが突出する場合に比べて、ラゲッジスペース18内で突出部分が邪魔になり難い。すなわち、ラゲッジスペース18内でのデッドスペースを縮小して、ラゲッジスペース18の容量を確保できる。特に、本実施形態では、冷却ファン51の排気口68に接続される排気ダクト73が、既存のリヤライニング33とリヤパネル29との内側に配置されるため、IPU19や冷却ファン51を追加した場合であっても、従来に比べてラゲッジスペース18の容積が縮小されることがない。
しかしながら、低床化を図ることで、IPU収納部26の高さ寸法が制限されるため、排気ダクト73がIPU収納部26から突出し易くなる。これに対して、本実施形態のような構成を採用することで、センタータンクレイアウトを採用した場合であっても、低床化及びラゲッジスペースの容量の確保が実現できる。
例えば、上述した実施形態では、エンジンとモータが搭載されたハイブリッド車両に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、電気自動車に本発明を適用しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、冷却ファン51の排気口68をリヤパネル29に沿わせて配置した構成について説明したが、これに限らず、排気口68及び吸気口、またはそれらに接続されるダクト部のうち、少なくとも何れかがリヤパネル29に沿うように配置されていれば構わない。
また、上述した実施形態では、バッテリモジュールや、インバータユニット、DC−DCコンバータユニット等の各電気機器を有するIPU19が、IPU収納部26に収納されている場合について説明したが、上述した電気機器のうち、少なくとも一つを有するIPU19がIPU収納部26内に収納されていれば構わない。
Claims (6)
- 車両に搭載され、前記車両の走行用電動機に電力を供給する電気機器と、
前記電気機器を冷却する冷却装置と、を備え、
前記電気機器及び前記冷却装置を、前記車両後部におけるラゲッジスペースの下方に形成された収納部内に配置した車両の冷却構造において、
前記冷却装置は、前記収納部内のうち、前記電気機器の後方であって、前記電気機器に対して幅方向の外側にオフセットして配置された冷却ファンを備え、
前記冷却ファンの排気部、または前記排気部に接続されたダクト部が前記車両の後壁部に沿って配置され、
前記冷却ファンの吸気部には、前記吸気部と前記電気機器内とを接続して、前記電気機器内から排出される空気を前記吸気部に導く冷却風排出通路が設けられ、
前記冷却風排出通路は、前記電気機器を後方から覆うように配置されていることを特徴とする車両の冷却構造。 - 前記収納部は、
前側に位置して前記電気機器が収納された保護ゾーンと、
後側に位置して衝撃荷重を吸収するクラッシャブルゾーンと、を構成し、
前記冷却ファンは、前記クラッシャブルゾーン内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両の冷却構造。 - 前記冷却ファンは、前側に位置するファンステーに支持され、
前記ファンステーには、前記冷却ファンに後方から荷重が入力された時に折れ起点となる脆弱部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の冷却構造。 - 前記車両のリヤシートは、シートバックを前方に折り畳むことで、シートクッションが下方に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両の冷却構造。
- 前記車両のフロントシートの下方には、前記車両に搭載された内燃機関に供給する燃料が貯留された燃料タンクが配置されていることを特徴とする請求項4記載の車両の冷却構造。
- 車室内に開口された吸気口を有し、前記吸気口と前記電気機器との間で延びる冷却風通路が、前記車両の外壁部の内側を沿うように配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の車両の冷却構造。
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