JP5537254B2 - トンネル消火配管構造 - Google Patents

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Description

本発明はトンネルにおける火災等のトンネル消火配管構造に関するものである。
従来、トンネル内部における火災に対して、トンネル内部には、初期消火用の消火栓が設置される。このようなトンネル内の消火設備は、トンネルの長手方向に所定間隔で設置される消火栓装置が、送水配管によって接続されたものであり、火災の発見者が即座に近傍の消火栓より火災現場に散水して初期消化が行われる(例えば特許文献1、特許文献2)。
このような消火に用いられるトンネル送水配管としては、ダクタイル鋳鉄管等の金属管が使用されてきた。このような金属管は、火災時の熱に対しても十分な耐熱性を有する。
特開2001−571号公報 特開2008−55024号公報
このような送水配管は、所定長さの金属管を接続しながらトンネル長手方向に対して設置される。しかしながら、金属管は重量があり、長いトンネル全長にわたって送水配管を設置する作業は、接続部が多く作業工数を要し、コスト、工期も要する。
一方、送水配管を軽量かつ長尺で対応可能な樹脂製とする方法が考えられる。樹脂製の送水配管とすることで、前述のように長尺配管が得られることから長手方向の接続箇所を大幅に削減することが可能であるため、接続作業が削減され、継手等の部材も削減できる。また、軽量であるため取り扱い性にも優れ、設置後の地盤変化によって送水配管に力が付与された際にも、配管自体の変形能によってこれを吸収できる。このため、継手部に大きな力が付与されず、金属管を用いた際に問題となる継手部での水漏れの恐れや腐食の恐れもない。
しかしながら、樹脂製の送水配管は、金属管ほどの耐熱性を有しないため、火災時に送水配管自体の強度低下等によって、内圧で送水配管が破れるなどの恐れがある。特に、トンネルという閉空間においては、トンネル内部が高温となるため、このトンネル内に敷設された樹脂製の送水配管のいずれかの位置が高温にさらされる恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、軽量でトンネル内への設置作業性に優れ、トンネル火災の消火用の送水配管等として使用可能なトンネル消火配管構造を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、トンネル内に敷設されるトンネル消火配管構造であって、トンネル長手方向に所定間隔で配置されるハンドホールと、前記ハンドホール同士の間を接続する送水配管と、を有し、前記送水配管は、前記トンネル内において少なくとも一部が埋設され、前記トンネル外部において露出し、前記送水配管は、樹脂管体と、前記樹脂管体の外周に設けられ、補強帯状体が巻きつけられて形成される補強層と、前記補強層の外周に設けられる保護層とを具備し、前記樹脂管体は架橋ポリエチレン製であり、前記補強帯状体はポリアリレート繊維で形成され、前記保護層はカーボンブラックが1%以上配合された難燃性ポリオレフィン樹脂製であり、前記ハンドホール内部には、前記送水配管と接続されて、前記ハンドホール上方に設けられた消火栓へ分岐させる分岐部が形成され、前記分岐部は、樹脂製の分岐管体と、前記分岐管体の外周に設けられる分岐管体補強層と、前記分岐管体補強層の外周に設けられる分岐管体断熱層を具備することを特徴とするトンネル消火配管構造である。
前記保護層の外周に設けられる断熱層と、前記断熱層の外周に設けられる被覆層とをさらに具備し、前記断熱層は、セラミックファイバー、ロックウール、グラスウール、架橋発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、ケイ酸カルシウムのいずれかであり、前記被覆層は難燃性ポリオレフィン樹脂製であってもよい。
前記分岐管体は、前記ハンドホール内部において、前記送水配管と継手により接続され、前記継手は、前記分岐管体補強層と前記分岐管体断熱層を具備してもよい。
前記分岐管体はT字状であり、前記ハンドホール内部において、両側端が前記送水配管と接続され、分岐端部は鋼管と接続され、前記分岐端部と前記鋼管との接続部には耐熱性のパッキンが施されてもよい。また、トンネル壁面と前記ハンドホールとの間には空間が形成され、前記鋼管は前記ハンドホール内から前記空間に導出され、前記空間と、前記ハンドホールの蓋部の下面には、断熱材が設けられてもよい。
第1の発明によれば、トンネル内に敷設される送水配管が、樹脂管体と、樹脂管体の外周に設けられた補強層および保護層により構成されるため、トンネル内部の火災の熱による送水配管の強度低下を、補強層によって補強し、送水配管が破裂等することが防止される。また、送水配管はトンネル内において埋設されれば、埋設した砂により十分な断熱効果が得られる。
特に、樹脂管体が架橋ポリエチレンであれば、80℃程度の耐熱性を有し、また、補強層をポリアリレート繊維で構成すれば、確実に送水配管を補強することができる。また、カーボンブラックを1%以上配合すれば、トンネル外部の送水部からトンネル内部までの敷設部のように、外部に露出する部位における耐候性を向上することができる。
また、保護層の外周にさらに断熱層が設けられれば、断熱性をさらに向上させることができる。このため、火災時の熱からの断熱に加え、前述した外部に露出する部位等における凍結も防止することができる。また、断熱層の外周に被覆層を設ければ、断熱層に水が浸みこむことによる断熱性能の低下を抑えることができる。被覆層は、特に、断熱層が繊維系の断熱材により構成される場合に効果が大きい。この場合、被覆層として難燃性のポリオレフィン樹脂で構成すれば、送水配管の難燃性を確実に確保することができる。
また、送水配管は、ハンドホール内部において、分岐部と継手により接続し、分岐部および継手が分岐管体補強層と分岐管体断熱層を有するため、トンネル内部からハンドホール内部への熱に対しても確実に断熱することができる。さらに、鋼管が配設されるトンネル壁面とハンドホールの空間およびハンドホールの蓋部の下面に断熱材を設けることで、トンネルからハンドホール内部への熱の伝導を抑えることが出来る。
本発明によれば、トンネル内への設置作業性に優れ、トンネル火災の消火用の送水配管等として使用可能なトンネル消火配管構造を提供することができる。
トンネル消火配管構造1を示す斜視図。 トンネル消火配管構造1を示す断面図。 送水配管5を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図。 送水配管5を示す図。 分岐部9を示す拡大図であり、(a)は立面図、(b)は平面図。 図4(a)のA部であり、(a)は分岐部9における管体の構成を示す斜視図、(b)は分岐部9における管体の構成を示す断面図。 送水配管40を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、トンネル消火配管構造1を示す斜視図であり、図2は縦断面図である。トンネル消火配管構造1は、消火栓13と、消火栓13同士を接続し、各消火栓13に送水可能な送水配管5等から構成される。
消火栓13は、トンネル内部において所定間隔で設置される。消火栓13同士は、トンネル外部からトンネル全長にわたって設けられる送水配管5で接続される。送水配管5を流れる消火用水は、消火栓13近傍の分岐部9(図2)で分岐され、各消火栓13に送水される。
トンネル内部には、車両等が通行する車道の外側に、監視員通路等が設けられる。この部位には、下部に送水配管5が埋設され、送水配管5が河砂等の土砂で埋設されたのち、上方にコンクリートが設けられる。なお、送水配管5は、必ずしも完全に埋設されておらず、一部がトンネル内に露出していてもよい。また、送水配管5には、図示を省略した送水部がトンネル外部に接続されており、所定量の水を送水することができる。この場合、送水配管5は、トンネル外部においては、埋設されずに外部に露出してもよい。
消火栓13は、たとえばトンネル内に50m毎に設置される。消火栓13は送水配管5と分岐部9で接続されている。分岐部9は、コンクリート製のハンドホール7内部に設置されており分岐部9と送水配管5とは継手11で接続される。なお、分岐部9の詳細は後述する。
通常、トンネル3内で火災が発生すると、40分以内に消防車等の消火車両による消火が行われる。消火栓13は、消防車等の到着までの間の初期消火に用いられる。したがって、水道水や専用の消火用水が用いられ、消火用水としては、約40分間の放水量が確保されている。すなわち、トンネル消火配管構造1は、初期消火までの間に消火活動を行うことができればよい。このため、消火栓13は、火災発生から40分間の間に稼働可能であれば良い。
トンネル消火配管構造1は、例えば以下のように施工される。まず、トンネル側部に送水配管5の設置部として、たとえばコンクリートにより溝を形成する。送水配管5の設置部の所定距離ごとにハンドホールを形成する。ハンドホール7は、例えば、設置される消火栓13の設置間隔で設置される。例えば、ハンドホール7は50m毎に設置される。なお、ハンドホール7はコンクリート製である。ハンドホール7は三方を側壁で囲まれており、開口側面がトンネル内壁面側に当接するように設置される。
次に、送水配管5をトンネル長手方向に設置する。この場合、例えば送水配管5は内径100mmφであれば150m程度の長尺のものが使用できる。したがって、送水配管5をトンネル長手方向に設置し、ハンドホール設置部で切断すれば良い。このようにすることで、送水配管同士を接続する必要がないので、送水配管5の設置工事が容易で、工事費用の低下が可能になる。
ハンドホール7内部には分岐部9が設置される。分岐部9は前述の送水配管5と継手11により接続される。継手11としては、たとえば熱融着継手が用いられる。なお、送水配管5と分岐部9との接続は、フランジ等によって接続してもよい。送水配管5と分岐部9とが接続されたのち、送水配管5は河砂等で埋設される。ハンドホール7内部の分岐部9には、後述する補強層等が形成され、さらに鋼管等の管体が接続される。ハンドホール7上方には消火栓13が設置され、鋼管と接続される。なお、送水配管5の埋設部上方にはコンクリート等の蓋が設けられ、ハンドホール7の上方には鉄製等の蓋が設けられる。以上により、トンネル消火配管構造1が構築される。
次に、送水配管5について説明する。図3は送水配管5を示す図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は断面図を示す図である。送水配管5は、主に、管体15、補強層17、保護層19等から構成される。管体15は、樹脂管体であり、例えば耐熱性のある架橋ポリエチレン製である。補強層17は、補強帯状体が巻きつけられて形成される。補強帯状体としては、ポリアリレート繊維のテープが用いることができ、また、スーパ繊維製のテープであるクラレ社製のベクトラン(登録商標)を使用することができる。
ベクトラン(登録商標)は、難燃性で、耐クリープ性にも優れていて、熱分解温度も450℃以上と高く、火災発生時、分岐部温度が80℃の温度でも、消火配管の耐圧性を保つのに十分な強度(たとえば約1200MPa)を有する。なお、ポリアリレート繊維製テープの巻き付けは、例えば、テープ幅方向の端部同士をラップさせるように巻きつけてもよく、または、多少のギャップを設けて巻きつけてもよい。また、ポリアリレート繊維製テープを正逆2重に巻きつけるなど、複数回巻きつけて補強層27を形成してもよい。なお、ポリアリレート繊維製テープの巻き付け方法は、ポリアリレート繊維製テープの強度や必要とされる耐内圧に応じて適宜決定される。
保護層19は、樹脂製であり、例えば難燃性ポリオレフィンが用いられる。保護層19は、送水配管5の敷設作業時における外傷防止のために用いられる。また、送水配管5を露出配管する場合には、送水配管5として耐候性が要求される。このため、保護層19には、カーボンブラックを1%以上配合することが望ましい。
送水配管5は、前述の通り、複数接続されて敷設される。通常、接続作業は現場で行われるが、接続時には、送水配管5の端末加工を行う必要がある。この際、保護層19をカッタ等で剥ぎ取る際に、管体15を傷つける恐れがある。管体15に傷がつくと、漏水や破裂等の恐れがある。
これに対し、本発明においては、送水配管5の端部を予め工場において加工しておくことが望ましい。図4は、端末加工が施された送水配管5を示す図である。端末加工は以下のように施される。まず、端部の所定長さに対して、保護層19が切断除去される。保護層19の切断除去には、超音波カッタ等が用いられる。超音波カッタを用いれば、あらかじめ切断厚さを設定できるため、管体15を傷つけることがない。
なお、保護層19の切断長さ(端部からの除去範囲)は、送水配管5の接続方法(EF(Electro Fusion)接続や、突き合わせ接続、機械継手による接続等)に応じて、接続に必要な長さ以上とする。また、補強層17は、保護層19とともに除去されるが、保護層19の除去範囲の一部には補強層17(補強テープ)が残される。すなわち、保護層19の除去範囲よりも、補強層17の除去範囲の方が短く設定される。補強層17の露出部においては、補強帯状体が管体15に巻きつけられた状態で図示を省略したステンレスバンド等で保持される。
補強層17の一部を残しておくことで、送水配管5同士を接続後、当該補強帯状体を接続部の外周に巻きつけることができ、接続部の耐内圧強度を確保することができる。すなわち、送水配管5の接続時には、まず、露出する補強層17の補強帯状体を巻き戻し、保護層19の除去範囲において管体15を露出させたのち、所定方法により管体15同士を接合し、その後、補強帯状体を管体15(接続部)に巻きつければよい。
次に、分岐部9について説明する。図5(a)は分岐部9の拡大立面図であり、図5(b)は、分岐部9の平面図である。なお、図5(b)においては、蓋部23の透視図である。
ここで、実際の火災現場近傍においては、800から1200℃といった極めて高温の雰囲気となる場合があるが、ハンドホールの外部の雰囲気温度としては、現実的には火災時に消火活動を行うために作業員が近づくことができる温度を考慮すれば良い。ハンドホール近傍の温度が極めて高い温度にさらされるような場合には、そもそも、初期消火活動をするための作業者(通常は、一般の通行者等)が消火栓に近づくこともできないためである。また、ハンドホールの内部の分岐部の温度は、火災発生から40分後までの間に80℃以下に抑えるよう断熱を施す。これはトンネル消火配管および分岐部は80℃下での長期(1000時間)耐圧特性を有しているからである。そもそもトンネル消火設備は水を使った消火設備であり100℃を超えると管内の水が水蒸気となり消火できなくなる。
分岐部9はT字状であり、両側端がハンドホール7の側壁部(側面)を貫通する送水配管5とハンドホール7内部で接続される。したがって、分岐部9の両側端近傍および継手11は、ハンドホール7の内部に位置する。
一方、図5(b)に示すように、分岐部9の分岐端部(T字状の分岐部でありトンネル壁面方向に向いて配置される)は、鋼管21と、例えば互いのフランジ同士で接続される。ハンドホール7内部で分岐部9と接続される鋼管21は、ハンドホール7内でトンネル壁面方向に配設され、トンネル壁面22に沿って上方に屈曲されてハンドホール7の外部(トンネル内部)に導出される。なお、トンネル壁面(内壁面)は、ハンドホール7設置部においてややくぼんでおり、ハンドホール7との間に鋼管21が導出可能な空間が形成される。鋼管21は、ハンドホール7の上方の図示を省略した消火栓と接続される。なお、鋼管21はハンドホール7上方に露出するため、火災時には鋼管21を伝って熱が伝わる恐れがある。このため、鋼管21と分岐部9との接続部には、耐熱性のパッキン等が施される。
トンネル壁面22とハンドホール7(蓋部23)との間には、隙間が形成される。鋼管21と当該隙間(すなわち、鋼管21とトンネル壁面22およびハンドホールの蓋部23との隙間であって、鋼管21導出位置におけるトンネル内部側とハンドホール内部側との境界部)には、必要に応じて断熱材27が設けられる。断熱材27は、トンネル内部側とハンドホール内部側との境界部を通じて、トンネルからの熱がハンドホール7内部に伝達することを抑制する。断熱材27はセラミックファイバー、ロックウール、グラスウール等の繊維系断熱材や、架橋発泡ポリエチレン、発泡ウレタン等の発泡系断熱材、ケイ酸カルシウム等の無機系断熱材が使用できる。
また、断熱材27としては、熱膨張性耐火材を使用できる。熱膨張性耐火材は、火災時の熱で加熱されると、12〜20倍に体積膨張し、かつ膨張した状態で耐火性を保持するもので、このようなものとしては例えば、ブチルゴム等のベース樹脂と、熱膨張性黒鉛などの熱膨張材と、ポリカーボネートなどの加熱によって炭化物などの残渣を生成する樹脂からなる公知の組成物を用いることができる。市販品では、古河テクノマテリアル社製のダンシールD(商品名)などがある。この他、ドイツのバイエル社製のフォモックス(登録商標)、米国の3M社製のファイヤーバリア(商品名)なども使用可能である。
蓋部23の下面には、必要に応じて断熱材25が設けられる。断熱材25も断熱材27と同様の材質を選定可能であるが、板状の断熱材を用いる方が、設置が容易である。
次に、分岐部9の断面構成について説明する。図6は図5(a)のA部拡大図であり、図6(a)は分岐部9のA部の断面構成を示す斜視図、図6(b)は同様に分岐部9の構成を示す断面図である。分岐部9は、分岐管体31、分岐管体補強層33、分岐管体断熱層35および防水層37等で構成される。
分岐管体31はT字状の樹脂管材であり、例えばポリエチレン製である。分岐管体31の外周には、分岐管体補強層33が形成される。分岐管体補強層33は、分岐管体31の耐内圧特性を向上(補強)するためのものである。分岐管体補強層33は、たとえばポリアリレート繊維のテープが巻きつけられ、たとえば、前述した送水配管5の補強層17と同様のものを使用できる。
なお、T字状の分岐管体31に分岐管体補強層33(補強テープ)を巻きつける際、ちょうどT字管の分岐部位近傍(中央部近傍)は、特に力が加わる部位でもあるため、確実に分岐管体補強層33を形成する必要がある。
すなわち、T字管の分岐部位近傍には、トンネル軸方向(送水配管敷設方向)の管部とこれと垂直な水平方向(ハンドホール内部においてトンネル壁面方向)の管部との両方の根本部にかかるように補強テープを巻きつけ、または、両根本部を覆うように、たすき状に巻きつけてもよい。補強テープは、1本のテープをそれぞれの根本部が覆われるように巻きつけてもよく、または、数本のテープを別々に(例えば水平管部と鉛直管部とを別々に)巻きつけてもよい。さらに、巻きつけ位置を多少ずらしながら、複数回巻きつけてもよい。ここで、分岐管体補強層33に用いるテープの片面に粘着剤を塗布しておけば、テープに巻き付け時の張力だけでなく、粘着剤の張力により、テープがずれるのを防止することができる。
また、分岐管体補強層33(補強テープ)をロングピッチで全体に巻きつけることで、分岐部位近傍の補強をおこなってもよく、補強テープを複数層巻きつけることで、より確実に管体の補強を行うことができる。
分岐管体補強層33の外周には、分岐管体断熱層35が形成される。分岐管体断熱層35は、前述の断熱材27と同様の部材を用いることができる。分岐管体断熱層35は、トンネル内の温度がハンドホール7内に伝達した際に、分岐管体31の温度上昇を抑制するためのものである。
分岐管体断熱層35の外周には、必要に応じて防水層37が設けられる。防水層37は、外部の水が分岐管体断熱層35に侵入することを防止する。防水層37としては、耐熱性の高いポリイミド、フッ化樹脂製等のテープや、架橋ポリエチレンの熱収縮チューブ等を用いることができる。
特に、分岐管体断熱層35として繊維系の断熱材を用いた場合には、断熱層に水が浸みこみやすく、これにより断熱性能が著しく低下するため、繊維系断熱材を用いた場合には防水層37を設けることが望ましい。
なお、本発明におけるトンネル消火配管構造は、前述の通り、例えば、所定時間、火災より40分間問題なく稼働すれば良い。分岐管体31は80℃で長期耐圧特性を有している。このため、火災から40分の間、80℃を超えることがないように断熱し、この際、分岐管体31が破裂等しないように補強する必要がある。分岐管体補強層33および分岐管体断熱層35はこのような基準で適宜設計される。なお、分岐管体断熱層35は、ハンドホール7内部にのみ設けられれば良く、ハンドホール7より突出した部位には、分岐管体31が直接砂に埋設されれば良いため、埋設した砂により十分な断熱効果が得られる。すなわち、ハンドホール7内部に位置する送水配管5および送水配管5と分岐部9との接続部(継手11)も同様に、分岐管体補強層33および分岐管体断熱層35が形成される。
以上説明したように、本実施形態のトンネル消火配管構造1によれば、送水配管5および分岐部9(分岐管体)を用いるため、敷設作業が容易であり、送水配管5同士の継手も削減できるため、コスト的にも有利である。また、管体15が架橋ポリエチレンであるため、耐熱性を有する。また、補強層17によって、熱による管体15の強度低下に伴う破裂等を防止することができる。
また、送水配管5の端部には、あらかじめ工場で端末加工が施されるため、現場での送水配管5同士の接続作業が容易であり、保護層19の除去の際に管体15を傷つけることがない。
また、ハンドホール内部に設置される分岐部9には断熱層が設けられるため、ハンドホール7内部がトンネル内部から断熱される。さらに、分岐部9は、耐熱性の分岐管体補強層33および分岐管体断熱層35が設けられるため、火災発生から初期消火期間において、分岐管体31が80℃以上となることがない。また、分岐管体31の外周の分岐管体補強層33によって、分岐管体31の温度上昇に伴う強度低下に対して、十分な耐内圧特性を確保することができる。
また、分岐管体断熱層35の外周に防水層37を設けることで、水によって分岐管体断熱層35の断熱特性が低下することがない。
また、分岐部9と送水配管5との継手部11がハンドホール内部に位置することで、継手部11からの水漏れ等をハンドホール7で確認することができ、継手部11も同様に補強および断熱が施されるため、確実に分岐部の熱による破損等を防止することができる。さらに、鋼管21との接続部をハンドホール7内部とすることで、分岐部の一部がハンドホール7の上方に露出することがなく、火災等によるトンネル内から受ける熱の影響を抑制することができる。なお、ハンドホール7内部に位置する鋼管21に対しても、断熱層を形成してもよい。ハンドホール外部から鋼管を熱伝導により伝わる熱がハンドホール7内部に放熱することにより、ハンドホール内部の温度上昇を抑制するためである。
また、鋼管21が配設されるトンネル壁面と蓋部23との隙間に断熱材27を設けることで、当該隙間を通ってハンドホール内部に熱が侵入することがなく、さらに、蓋部23の裏面に断熱材25を設けることで、トンネルからハンドホール7内部への熱の伝導を抑えることができる。すなわち、本発明においては、蓋部23の断熱材25による断熱と、分岐部9における耐熱性の補強層および管体および補強層を断熱する分岐管体断熱層35による断熱によって、樹脂管体を確実にトンネル内部から断熱するとともに樹脂管体の強度低下を防止することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、ハンドホール7内部には、T字状の分岐部以外の分岐部を設けてもよく、また、単にストレートの管体(送水配管)を設けて、ハンドホール内部に位置する送水配管に補強層および断熱層等を設けてもよい。また、必要に応じて、適宜、補強層等以外の構成を分岐部9に加えてもよい。
また、送水配管5は、トンネルの消火配管以外に用いることもできる。たとえば、一般の構造物の消火配管や、工場配管、上下水道配管、農水配管などいずれにも適用することができる。
また、送水配管5を消火配管や熱のかかる場所で使用する場合には、送水配管5に代えて、図7に示すような送水配管40を用いてもよい。図7は送水配管40を示す図で、図7(a)は斜視図、図7(b)は断面図であり、送水配管5と同一の構成には図3と同一の符号を付す。送水配管40は、略送水配管5と同様の構成であるが、保護層19の外周に、さらに断熱層41と、断熱層41の外周に設けられる被覆層43とを有する。たとえば、送水配管をトンネル内において地面下に埋設させずに、トンネル内に露出させるような場合には、断熱層41を有する送水配管40を用いることが望ましい。
断熱層41としては、例えばセラミックファイバー、ロックウール、グラスウール、架橋発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、ケイ酸カルシウム等を用いることができる。また被覆層43としては、例えば難燃性ポリオレフィン樹脂等を用いることができる。なお、図4に示すように、送水配管40の端末加工を施す際には、保護層19、断熱層41、被覆層43を所定範囲除去し、送水配管5と同様に、一部に補強層17を残せば良い。
送水配管40を用いれば、送水配管自体が断熱性を有するため、高温に達する場所に敷設する場合であっても、地面に埋設することなく使用することができる。また、逆に、例えばトンネル外部のように、露出させて使用する場合において、冬季であっても、断熱層41によって内部の水の凍結も防止することができる。
1………トンネル消火配管構造
3………トンネル
5………送水管
7………ハンドホール
9………分岐部
11………継手
13………消火栓
15………管体
17………補強層
19………保護層
21………鋼管
22………トンネル壁面
23………蓋部
25………断熱材
27………断熱材
29………砂
31………分岐管体
33………分岐管体補強層
35………分岐管体断熱層
37………防水層
40………送水配管
41………断熱層
43………被覆層

Claims (5)

  1. トンネル内に敷設されるトンネル消火配管構造であって、
    トンネル長手方向に所定間隔で配置されるハンドホールと、
    前記ハンドホール同士の間を接続する送水配管と、
    を有し、
    前記送水配管は、前記トンネル内において少なくとも一部が埋設され、前記トンネル外部において露出し、
    前記送水配管は、樹脂管体と、前記樹脂管体の外周に設けられ、補強帯状体が巻きつけられて形成される補強層と、前記補強層の外周に設けられる保護層とを具備し、前記樹脂管体は架橋ポリエチレン製であり、前記補強帯状体はポリアリレート繊維で形成され、前記保護層はカーボンブラックが1%以上配合された難燃性ポリオレフィン樹脂製であり、
    前記ハンドホール内部には、前記送水配管と接続されて、前記ハンドホール上方に設けられた消火栓へ分岐させる分岐部が形成され、
    前記分岐部は、
    樹脂製の分岐管体と、前記分岐管体の外周に設けられる分岐管体補強層と、前記分岐管体補強層の外周に設けられる分岐管体断熱層を具備することを特徴とするトンネル消火配管構造。
  2. 前記保護層の外周に設けられる断熱層と、前記断熱層の外周に設けられる被覆層とをさらに具備し、
    前記断熱層は、セラミックファイバー、ロックウール、グラスウール、架橋発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、ケイ酸カルシウムのいずれかであり、前記被覆層は難燃性ポリオレフィン樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のトンネル消火配管構造。
  3. 前記分岐管体は、前記ハンドホール内部において、前記送水配管と継手により接続され、
    前記継手は、前記分岐管体補強層と前記分岐管体断熱層を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトンネル消火配管構造。
  4. 前記分岐管体はT字状であり、前記ハンドホール内部において、両側端が前記送水配管と接続され、分岐端部は鋼管と接続され、
    前記分岐端部と前記鋼管との接続部には耐熱性のパッキンが施されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のトンネル消火配管構造。
  5. トンネル壁面と前記ハンドホールとの間には空間が形成され、
    前記鋼管は前記ハンドホール内から前記空間に導出され、
    前記空間と、前記ハンドホールの蓋部の下面には、断熱材が設けられることを特徴とする請求項4記載のトンネル消火配管構造。
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