JP5535325B2 - オーディオチャネル補償を有するマルチチャネルオーディオシステム - Google Patents

オーディオチャネル補償を有するマルチチャネルオーディオシステム Download PDF

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Description

(優先権主張)
本願は、米国仮特許出願第61/248,760号(2009年10月5日出願)の優先権の利益を主張し、この出願は参照によって援用される。
(発明の分野)
本発明は、マルチチャネルオーディオシステムに関し、より具体的には、マルチチャネルオーディオシステムのためのオーディオチャネル補償システムに関する。
環境内におけるオーディオシステムによって提供される音の知覚は、その環境内の反射表面によって劣化させられる場合がある。そのような環境内の聴取者には、原音および音の遅延版の両方が提示され、これは、建設的干渉および破壊的干渉をもたらす。この種類の干渉は、標的周波数応答におけるコムフィルタリング効果等の偏差を生じる可能性がある。コムフィルタの周波数応答は、櫛形の外観を与える、一連の規則的間隔のピークおよびトラフを含む。聴取者はしたがって、サウンドシステムによって当初放射された、意図される音とは異なる周波数応答を有する音を受信する。
コムフィルタリング等の標的周波数応答における偏差は、マルチチャネルオーディオサウンドシステムを有する車両の車室等の実質的に閉鎖された環境内において、特に顕著であり得る。車室内の各聴取者は、各チャネルと関連付けられる直接音および反射音の両方を受信し、結果として、聴取経験の楽しみを低減する複合コムフィルタリング相互作用等の偏差がもたらされる。
マルチチャネル補償オーディオシステムは、1つ以上の補償チャネルを使用して、聴取領域内の1つ以上の聴取位置において、標的応答内の偏差を補正し得る。1つ以上の補償チャネルの各々は、入力オーディオ信号のチャネル上のオーディオ信号から補償されたオーディオ信号を生成する直列接続の遅延回路と、レベル調節器回路と、周波数等化器回路とを含んでもよい。
マルチチャネル補償オーディオシステムは、マルチチャネルオーディオ入力信号として音源から提供される対応するオーディオ信号によって、複数のラウドスピーカを駆動してもよい。例えば、5.1チャネル入力オーディオ信号は、中央、右前方、左前方、右後方、および左後方オーディオチャネル上に提供される対応するオーディオ信号によって、中央、右前方、左前方、右後方、および左後方のスピーカを駆動してもよい。1つ以上の補償チャネルの各々は、オーディオ信号を受信し、補償されたオーディオ信号を生成するために、それを処理してもよい。
第1のチャネルおよび第2のチャネル、ならびに対応する第1のスピーカおよび第2のスピーカの場合、聴取場所内の聴取者は、第1のチャネル上のオーディオ信号の第1のスピーカによる出力による標的周波数応答における偏差を心理音響的に知覚する場合がある。この場合、補償チャネルは、所定の遅延、所定のエネルギーレベル調節、および/または所定の等化(EQ)に基づいて、第1のチャネル上の第1のスピーカに供給されている第1のオーディオ信号から、補償されたオーディオ信号を生成してもよい。補償されたオーディオ信号は、第2のチャネル上で第2のスピーカに供給されている第2のオーディオ信号と電気的に加算されてもよい。第1および第2のスピーカが聴取空間内において動作するとき、第1のスピーカからの第1のオーディオ信号出力は、聴取空間内の聴取場所において聴取されてもよく、聴取場所の聴取者は、第1のオーディオ信号の発生元の場所を第1のラウドスピーカからであると知覚して特定してもよい。補償されたオーディオ信号と第2のオーディオ信号との加算が第2のスピーカから出力されるとき、聴取者は、第1のスピーカによる、標的応答における偏差に対する補正を心理音響的に知覚してもよい。しかしながら、マルチチャネル補償オーディオシステムに起因して、聴取位置内の聴取者は、第1のオーディオ信号の発生元の場所の変化を心理音響的に知覚しない場合がある。
マルチチャネル補償オーディオシステムの別の興味深い特徴は、聴取空間内の多数の異なる聴取場所において心理音響的に知覚される際に、異なるラウドスピーカから放射される音量を等化するステップに関係し得る。オーディオチャネルおよび異なるスピーカから選択的に発生される補償されたオーディオ信号を使用して、異なる聴取場所の聴取者は、スピーカによって発生されている実質的に均一なレベルのスペクトルエネルギーを心理音響的に知覚してもよい。さらに別の興味深い特徴は、オーディオ信号および補償されたオーディオ信号を使用した、聴取者が知覚した可聴音の源の場所の移動に関係する。
本発明の他のシステム、方法、および利点は、以下の図および発明を実施するための形態を検討することによって、当業者には明白であるか、または明白となるであろう。そのような付加的システム、方法、特徴、および利点は全て、本説明内に含まれ、本発明の範囲内にあって、以下の請求項によって保護されることが意図される。
本発明は、以下の図面および説明を参照することによって、より深く理解されるであろう。図中の構成要素は、必ずしも正確な縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を例証するために、強調されて描かれている。さらに、図中、同一参照番号は、異なる図を通して、対応する部品を指す。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
オーディオシステムであって、
第1のオーディオ信号を受信するように構成される第1の補償チャネルであって、第1の補償されたオーディオ信号を生成するための直列接続の遅延回路および周波数等化器回路を含む第1の補償チャネルと、
第2のオーディオ信号を受信するように構成される第2の補償チャネルであって、第2の補償されたオーディオ信号を生成するための直列接続の遅延回路および周波数等化器回路を含む第2の補償チャネルと、
該第1のオーディオ信号および該第2の補償されたオーディオ信号を受信するための入力部を有する第1の加算回路であって、第1のスピーカに提供するための出力信号を生成する第1の加算回路と、
上記第2のオーディオ信号および上記第1の補償されたオーディオ信号を受信するための入力部を有する第2の加算回路であって、第2のスピーカに提供するための出力信号を生成する第2の加算回路と
を備える、オーディオシステム。
(項目2)
上記第1の加算回路の上記出力は、上記第1のスピーカと電気的に連絡しており、上記第2の加算回路の上記出力は、上記第2のスピーカと電気的に連絡している、項目1に記載のオーディオシステム。
(項目3)
上記第1および第2のスピーカは、聴取環境内に位置し、該第1および第2のスピーカからの音出力は、仮想スピーカ音を生成するように組み合わさり、該仮想スピーカ音は、該第1および第2のスピーカの実際の位置の場所以外の場所において、該聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、項目2に記載のオーディオシステム。
(項目4)
上記第1および第2のスピーカは、聴取環境内に位置し、該第1および第2のスピーカは、該聴取環境内において、オーディオ周波数範囲にわたって異なるオーディオ周波数応答を有する、項目2に記載のオーディオシステム。
(項目5)
上記第2のスピーカによって可聴音として発生される上記第1の補償チャネルは、遅延特性および周波数等化特性を有し、該遅延特性および周波数等化特性は、上記第1のスピーカの聴取者が知覚した物理的な場所を変化させることなく、上記聴取環境内の該第1のスピーカからの音の上記心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を変更する、項目4に記載のオーディオシステム。
(項目6)
上記第2のスピーカによって発生される可聴音の周波数等化特性は、上記第1のスピーカによって発生される可聴音の周波数範囲内にある、項目5に記載のオーディオシステム。
(項目7)
上記第1のスピーカによって可聴音として発生される上記第2の補償チャネルは、遅延特性および周波数等化特性を有し、該遅延特性および周波数等化特性は、上記第2のスピーカの聴取者が知覚した物理的な場所を変化させることなく、上記聴取環境内の該第2のスピーカからの音の上記心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を変更する、項目5に記載のオーディオシステム。
(項目8)
上記第1のスピーカによって発生される可聴音の周波数等化特性は、上記第2のスピーカによって発生される可聴音の周波数範囲内にある、項目7に記載のオーディオシステム。
(項目9)
上記第2のスピーカは、上記オーディオ周波数範囲にわたって概して平坦な周波数応答特性を有し、上記第1のスピーカは、該オーディオ周波数範囲にわたって概して不規則な周波数応答を有し、該第2のスピーカによって可聴音として発生される上記第1の補償チャネルは、上記聴取環境内において心理音響的に知覚されるときに、該第1のスピーカからの上記音の上記周波数応答の上記不規則性を低減するように構成される、項目5に記載のオーディオシステム。
(項目10)
上記第1の補償チャネルおよび上記第2の補償チャネルは各々、レベル調節器回路をさらに含み、該レベル調節器回路は、上記第1の補償された出力信号および上記第2の補償された出力信号のスペクトルエネルギーの全体的な大きさの調節を選択的に提供するように構成される、項目1に記載のオーディオシステム。
(項目11)
上記第1および第2のスピーカは、車両の車室内に位置する、項目2に記載のオーディオシステム。
(項目12)
マルチチャネルオーディオシステムであって、
それぞれのオーディオ信号を提供する複数のオーディオチャネルと、
複数の補償チャネルであって、該複数の補償チャネルは各々、該複数のオーディオチャネルのうちのそれぞれのオーディオチャネルの該オーディオ信号とそれぞれ関連付けられ、該オーディオ補償チャネルの各々は、該それぞれのオーディオチャネルの該オーディオ信号から補償されたオーディオ信号を生成するための直列接続の遅延回路および周波数等化器回路を含む、複数の補償チャネルと、
複数の加算回路であって、該オーディオチャネルのうちの少なくともいくつかに対応するスピーカに提供するためのオーディオ出力信号を生成するように構成される複数の加算回路と
を備え、該複数の加算回路の各々は、入力部を有し、該入力部は、該複数のオーディオチャネルのうちの第1のそれぞれのオーディオチャネルからの該オーディオ信号、および少なくとも1つの補償されたオーディオ信号を受信するように構成され、該少なくとも1つの補償されたオーディオ信号は、該複数のオーディオチャネルのうちの少なくとも1つの第2のそれぞれのオーディオチャネルの該オーディオ信号から生成される、オーディオシステム。
(項目13)
各加算回路の上記出力は、その対応するスピーカと電気的に連絡している、項目12に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
(項目14)
上記マルチチャネルオーディオシステムの各チャネルのための上記スピーカは、聴取環境内に位置し、該スピーカからの音出力は、仮想スピーカを生成するように組み合わさることにより、該仮想スピーカは、該スピーカのうちの1つ以上の実際の位置以外の場所において聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、項目13に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
(項目15)
上記マルチチャネルオーディオシステムの各チャネルのための上記スピーカは、聴取環境内に位置し、該スピーカのうちの2つ以上は、該聴取環境内において、オーディオ周波数範囲にわたって異なる心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を有する、項目13に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
(項目16)
上記補償チャネルは、遅延特性および周波数特性を有し、該遅延特性および周波数特性は、異なる心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を有する上記2つ以上のスピーカのうちの少なくとも1つのものの該心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を変更する、項目15に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
(項目17)
上記マルチチャネルオーディオシステムの上記2つ以上のスピーカのうちの上記少なくとも1つのものは、1つ以上の他のスピーカと比較すると、上記オーディオ周波数範囲にわたって概して不規則な周波数応答を有する、項目16に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
(項目18)
上記複数の補償チャネルの各々は、レベル調節器回路を含み、該レベル調節器回路は、上記補償されたオーディオ信号の全体的エネルギーレベルを調節するように構成される、項目12に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
(項目19)
上記マルチチャネルオーディオシステムの各チャネルのための上記スピーカは、聴取環境内に位置し、該スピーカからの音出力は、該聴取環境内の異なる聴取位置に音場を生成するように組み合わさり、それにより、該音場は、少なくとも複数の該スピーカによって実質的に等しく寄与されるものとして、該聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、項目13に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
(項目20)
マルチチャネルオーディオシステムを操作する方法であって、
第1のオーディオ信号を受信することと、
該第1のオーディオ信号に直列の遅延および周波数等化を実行することによって、第1の補償されたオーディオ信号を生成することと、
第2のオーディオ信号を受信することと、
該第2のオーディオ信号に直列の遅延および周波数等化を実行することによって、第2の補償されたオーディオ信号を生成することと、
該第1のオーディオ信号と該第2の補償されたオーディオ信号とを加算することによって、第1のスピーカに提供するための第1の出力信号を生成することと、
該第2のオーディオ信号と該第1の補償されたオーディオ信号とを加算することによって、第2のスピーカに提供するための第2の出力信号を生成することと
を含む、方法。
(項目21)
上記第1および第2の出力信号を上記第1および第2のスピーカにそれぞれ提供することをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
上記第2のスピーカは、オーディオ周波数にわたって概して平坦な周波数応答を有し、上記第1のスピーカは、該オーディオ周波数範囲にわたって概して不規則な周波数応答を有し、該方法は、
該第1および第2のスピーカを聴取環境内に設置することと、
該第2のスピーカに提供されている上記第1のオーディオ信号を遅延させ、等化することであって、それにより、該聴取環境内の該第1のスピーカの心理音響的に知覚された物理的な場所を変化させることなく、該聴取環境内の該第1のスピーカの心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を改善する、ことと
をさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
上記第1および第2のスピーカを聴取環境内に設置することと、
該第2のスピーカに提供されている上記第1のオーディオ信号の上記遅延および周波数等化、ならびに該第1のスピーカに提供されている上記第2のオーディオ信号の上記遅延および周波数等化を調節することであって、それにより、仮想スピーカ音を生成し、該仮想スピーカ音は、該聴取環境内の該第1および第2のスピーカの実際の場所以外の場所において、該聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、ことと
をさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
上記第1および第2のスピーカは、車両の車室内に位置する、項目20に記載の方法。
(項目25)
上記第1の補償されたオーディオ信号および上記第2の補償されたオーディオ信号を生成することは、該第1および第2の補償されたオーディオ信号の全体のエネルギーレベルを調節するために、それぞれのレベル調節器を実行させることをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目26)
上記第1および第2の補償されたオーディオ信号は、直列の遅延、周波数等化、およびエネルギー調節によって生成され、それにより、大きさが実質的に等しいものとして聴取者によって心理音響的に知覚される、上記第1および第2のスピーカからの可聴音を生成する、項目25に記載の方法。
(項目27)
コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成される一過性でないコンピュータ読み取り可能媒体であって、該コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行可能であり、該一過性でないコンピュータ読み取り可能媒体は、
第1のオーディオ信号を受信するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
直列の遅延モジュールおよび周波数等化モジュールの実行によって、該第1のオーディオ信号から第1の補償されたオーディオ信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
第2のオーディオ信号を受信するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
直列の遅延モジュールおよび周波数等化モジュールの実行によって、該第2のオーディオ信号から第2の補償されたオーディオ信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
該第1のオーディオ信号と該第2の補償されたオーディオ信号との加算によって、第1のスピーカに提供するための第1の出力信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
該第2のオーディオ信号と該第1の補償されたオーディオ信号との加算によって、第2のスピーカに提供するための第2の出力信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と
を含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
図1は、マルチチャネル補償オーディオシステム例である。 図2は、図1のシステムのスピーカから放射される音と関連付けられてもよい、コムフィルタの周波数応答である。 図3は、システムの単一のチャネルと関連付けられるチャネル補償を有する、マルチチャネル補償オーディオシステムである。 図4は、図2に示されるコムフィルタの周波数応答、ならびに図3に示されるチャネル補償の使用を通して生成された、補償された周波数応答である。 図5は、オーディオシステムの複数のチャネルのためのチャネル補償を有する、マルチチャネル補償オーディオシステムである。 図6は、マルチチャネル補償器を有する、マルチチャネル補償オーディオシステムの単一のチャネルである。 図7は、マルチチャネル補償オーディオシステムの全てのチャネルのためのチャネル補償を示す。 図8は、車両の車室内で使用されるマルチチャネル補償オーディオシステムのチャネルスピーカを示す。 図9は、チャネル補償を有するマルチチャネル補償オーディオシステムを操作するための方法である。 図10は、車両の車室内で使用される、マルチチャネル補償オーディオシステム例である。
車両内の乗客の場所等の聴取空間内の1つ以上の聴取位置での標的周波数応答における偏差は、オーディオ信号の選択的周波数等化によって、少なくとも部分的に対処され得る。例えば、チャネルと関連付けられるコムフィルタリング効果は、影響を受けたチャネルに等化を提供することによって、少なくとも部分的に対処され得る。そのような等化は、標的周波数応答における偏差を表すディップおよびピークを補正するために、チャネルに周波数上昇および/または周波数低下を直接提供するステップを伴ってもよい。所与のチャネルの標的周波数応答における偏差は、聴取空間または聴取環境内の聴取者の場所に依存し得るが、聴取空間または聴取環境内の聴取者が位置している共通領域に基づいて、チャネルについての一般周波数等化設定が提供されてもよい。
影響を受けたチャネルに等化を直接適用することは、チャネルによって放射される等化された信号が依然として反射を受けるので、1つ以上の聴取位置での標的周波数応答において偏差の十分な補償を提供しない場合がある。聴取空間内の場所に位置している聴取者は、チャネルによって放射される等化された信号、および反射表面からの等化された信号の遅延版の両方を受信し得る。したがって、等化は、例えば、単に、チャネルから放射される音の劣化を適切に補償しない、コムフィルタの周波数応答の変化をもたらすだけである可能性がある。
いくつかのマルチチャネルオーディオサウンドシステムでは、対応する聴取環境は、限られた量の空間を有してもよい。1つのそのような環境は、車両の車室である。聴取環境内の空間が限られているとき、車室内のスピーカ品質および設置は、同様に限られ得る。例えば、オーディオチャネルのスピーカは、車室の全体的な設計によって課される設計制約のために、やむを得ず、車両の車室内の最適とはいえない位置に位置する場合がある。さらに、費用制約、スピーカが利用可能な空間、および他の基準に基づいて、相互に異なるスピーカ品質を有するスピーカが使用される場合がある。そのような品質のばらつき、および聴取環境内へのスピーカの設置はまた、適切なチャネル補償が適用されない限り、聴取位置での標的周波数応答からの偏差に寄与する場合もある。
図1は、チャネル補償を採用し得るマルチチャネル補償オーディオシステム例である。より多くのチャネルが採用されてもよいが、図1では、マルチチャネル補償オーディオシステムの2つのチャネルが示されている。図1のマルチチャネル補償オーディオシステムは、チャネル補償が有効にされていない状態で示されている。本明細書で使用される場合、「マルチチャネル」という用語は、2つ以上のラウドスピーカを駆動するために入力オーディオ信号内に提供される2つ以上のオーディオチャネルを表す。マルチチャネルオーディオ信号例には、ステレオオーディオ信号、5.1チャネルオーディオ信号、6.1チャネルオーディオ信号、7.1オーディオ信号、または2つ以上のオーディオチャネルを含む任意の他のオーディオ信号が挙げられる。
マルチチャネル補償オーディオシステムは、デジタル信号プロセッサおよびメモリ等の1つ以上のプロセッサを含んでもよい。マルチチャネル補償オーディオシステムの動作は、プロセッサ、電子機器、ならびにプロセッサによって制御されるデバイスおよびシステム、またはいくつかの組み合わせによって実行可能である、メモリ内に記憶される命令、ソフトウェア、もしくはコードに基づいてもよい。メモリには、揮発性、不揮発性、フラッシュ、磁気、または実行可能な命令、オーディオシステムの情報/パラメータ、ユーザ固有の設定情報、オーディオコンテンツ、オーディオビジュアルコンテンツ等のデータ、もしくは記憶し、アクセスすることができる任意の他の情報を記憶することができる、任意の他の形態の一過性でないメモリを含むことができる。マルチチャネル補償オーディオシステムはまた、ユーザ入力を受信し、システムの情報をユーザに提供することができるユーザインターフェースも含んでもよい。加えて、マルチチャネル補償オーディオシステムは、増幅器、オーディオ源、および外部デバイスへの有線または無線インターフェース、ならびにナビゲーション、電気的に連絡、衛星通信、デスクトップコンピューティング等の機能性、および任意の他の機能または能力を含んでもよい。
マルチチャネル補償オーディオシステムは、補償を伴わずに第1のスピーカ115に提供される第1のオーディオ信号110を含んでもよい。第2のオーディオ信号120は、補償を伴わずに第2のスピーカ125に提供されてもよい。第1のオーディオ信号110および第2のオーディオ信号120は、ステレオ、5.1、6.1、または7.1オーディオチャネル等のマルチチャネルオーディオシステムの入力オーディオ信号内の異なるオーディオチャネル上に存在するオーディオコンテンツを表してもよい。各スピーカ115および125から放射される音は、聴取環境127内において複雑に分散され、聴取環境127内の反射表面間、スピーカ115からの直接音140と反射音145との間、第2のスピーカ125からの直接音150と反射音155との間の多重干渉を伴う場合がある。
簡略化のために、聴取環境127内のスピーカ115から放射される音の非常に基本的な干渉のみが図示される。この簡略化表現では、聴取環境127内の聴取場所135内に位置している聴取者は、スピーカ115からの直接音140、および反射表面130から反射されるスピーカ115からの音145を受信する。このように、聴取環境127内における聴取位置135の聴取者は、直接音140および遅延版の音145の両方が提示され、これは、コムフィルタリング効果等の標的周波数応答における偏差を生じ得る建設的干渉および破壊的干渉をもたらす可能性がある。他の実施例では、より多くのラウドスピーカ、より多くの聴取位置、およびより多くの反射表面が存在してもよい。
標的周波数応答における偏差を表す、例示的なコムフィルタリング応答が図2に示される。示されるように、コムフィルタの周波数応答200は、一連の規則的間隔のピーク205およびトラフ210を含む櫛形の外観を生じさせる。聴取場所135の聴取者は、スピーカ115によって放射される原音とは異なる周波数応答を有する音を受信する。本明細書で使用される場合、標的周波数応答における偏差とは、聴取空間内の聴取位置において聴取者によって受信される周波数応答の所望の範囲内とならない可聴音を指す。本明細書で使用される場合、「心理音響的に知覚される」、または「知覚される」、または「知覚」、または「心理音響学的知覚」という用語は、聴取領域または聴取空間内の聴取者によって経験されている音場の、聴取者の認識、観測、および識別を指す。
図3は、単一のチャネルの補償を伴う図1のマルチチャネル補償オーディオシステムの別の実施例を示す。図3では、第1のオーディオ信号110は、入力オーディオ信号内の単一のチャネルのオーディオコンテンツとして、スピーカ115に提供される。図1のように、聴取空間127内の聴取位置135の聴取者は、第1のオーディオ信号110によって駆動されているスピーカ115からの直接音140および反射音145の両方を受信する。聴取環境127内に生じる直接音および間接音を補償するために、補償チャネル305の入力にもまた、オーディオ信号110が提供される。
補償チャネル305は、直列接続の遅延回路310と、レベル調節器回路313と、等化器回路315とを含んでもよく、オーディオ信号110はこれを通して処理される。遅延回路310、レベル調節器回路313、および等化器回路315は、メモリ内に記憶され、プロセッサによって実行可能な命令で構成されるモジュール、電子回路、レジスタ、および電気回路デバイス等のハードウェア、または命令およびハードウェアの組み合わせであってもよい。遅延回路310は、オーディオ信号110に含まれる周波数または異なる範囲の周波数に遅延を選択的に加えるために使用され得る。後に説明されるように、遅延は、聴取空間内において発生されている音の物理的な方向または場所を保つために使用されてもよい。レベル調節器回路313は、オーディオ信号110内で表される周波数の全範囲にわたって、オーディオコンテンツのエネルギーレベルを増加または減衰するように、オーディオ信号のスペクトルエネルギーを全体的に調節するために使用されてもよい。後で説明されるように、オーディオ信号のエネルギーレベルの調節は、スピーカによって出力される可聴音の全体的な大きさを減少または増加させてもよい。等化器回路315は、オーディオ信号110内に含まれる個々の周波数もしくは異なる範囲の周波数のエネルギーレベルを選択的に増加または減衰するために使用されてもよい。いくつかの実施例では、等化器回路315はまた、オーディオ信号の全体的調節も実施してもよく、レベル調節器回路313は、省略されてもよい。
補償チャネル305の出力は、補償されたオーディオ信号320を構成する。補償されたオーディオ信号320は、入力オーディオ信号に含まれる別の単一のチャネルのオーディオコンテンツを表す第2のオーディオ信号120と共に加算回路323の入力に提供される。加算回路323は、第2のオーディオ信号120と補償されたオーディオ信号320とを相互に足し算ならびに/または引き算することにより、スピーカ125に提供される出力信号325を生成する。スピーカ125は、第2のオーディオ信号120および第1のオーディオ信号110の補償版320の両方の組み合わせに対応する音330を聴取環境127に放射する。本明細書で使用される場合、「信号(単数または複数)」という用語は、電気信号、または対応する電気信号に基づいて、各スピーカの機械的操作によって発生される可聴音のいずれかを説明するために、交換可能に使用される。
図3のマルチチャネルオーディオシステムでは、遅延回路310によって提供される遅延の量、レベル調節器313によって提供されるレベル調節、等化器回路315によって提供される等化は、単一のチャネル内のオーディオコンテンツを表す可聴音の源が、第1のスピーカ115もしくはその付近である、および/または第1のスピーカ115が物理的に位置する方向から到来するという、聴取者135による心理音響学的知覚を依然として維持する一方で、図2に示されるコムフィルタリング効果を低減するように選択され得る。
聴取環境127内の補償された音の結果としてもたらされる周波数応答の実施例が、図4に示されている。応答200は、図1に示されるシステムの補償されていない応答に対応する。スピーカ125によって放射される音330で表される補償されたオーディオ信号325の周波数応答は、405で示される。周波数応答405は、周波数応答200のトラフ210において生じるピーク410を含む。したがって、周波数応答405は、周波数応答200に建設的に加えられる。応答405はまた、周波数応答200のピーク205において生じるトラフ415をも含む。周波数応答405は、周波数応答200のいかなる部分の削除も実施していない。したがって、周波数応答405および周波数応答200の位相における完全な整列は不要である。加えて、周波数応答405内の周波数の範囲と周波数応答200内の周波数の範囲とは、複数のトラフ210をピーク410で埋めることを可能にするために重なっていてもよい。そのようにして、同様に周波数応答200内に存在する周波数または周波数の範囲内において、周波数応答405の等化が行われ得る。
図4に図示されるように、補償されたオーディオ信号325の第1の平均エネルギーレベル420は、レベルシフト回路313によって決定される量だけ第2の平均エネルギーレベル425まで増加されるように示される。補償されたオーディオ信号325は、増加(または低減)されることにより、周波数応答405のピーク410の大きさが周波数応答200のピーク205の大きさに対してより近接して整列され得る。結果として、周波数応答405が、周波数応答200の大きさのレベル、またはそれ未満に維持されることにより、周波数応答200とは異なる物理的な場所から放射されているように、または周波数応答200の知覚される場所が物理的な場所内においてシフトするように聴取者によって心理音響的に検出される(または心理音響的に知覚される)ことを回避する。
聴取環境127内において、周波数応答200と405とが相互に組み合わされるとき、スピーカ115から放射される音と関連付けられる聴取者が知覚したコムフィルタリング効果は大幅に低減され得る。一実施例では、補償チャネル305は、第1のオーディオ信号に対応する音が、最小の櫛状効果を伴って聴取環境内の聴取者によって受信され、第1のスピーカ115から発生されているものとして聴取者によって心理音響的に知覚されるように、第1のオーディオ信号を遅延させ、エネルギー調節し、等化する。
再び図3を参照すると、入力信号110は、聴取位置135に到達すると、標的周波数応答内に欠陥を有するものとして聴取者によって知覚される可聴音を放射するように、第1のスピーカ115を駆動する場合がある。知覚される欠陥は、スピーカ115の性能における欠陥、および/または聴取位置135でのコムフィルタリング等の直接音140の直接経路と反射音145の反射経路との間の音響干渉の結果である場合がある。これは、聴取位置135における周波数応答に望ましくないディップおよびピークをもたらす。聴取者によって知覚されるこれらの欠陥は、入力信号110を補償チャネル305および加算回路323を通して処理することによって最小化され得る。処理された出力信号325は、聴取空間127内の異なる場所の第2のスピーカ125に送信され得る。第2のスピーカ125は異なる場所にあるので、異なる干渉を有する可能性が高く、そのため、聴取者位置135におけるその応答内に異なるピークおよびディップを有し得る。したがって、第2のスピーカ125から放射される補償された信号は、第1のスピーカ115による周波数応答内の「穴」、またはトラフのうちの一部を埋めることを試みるために使用されてもよい。したがって、トラフ210は、第2のスピーカからのオーディオ出力のピーク410によって埋められてもよく、一方、ピーク205は実質的に変化させられない(図4)。
そのような「穴」埋めは、聴取位置における第1のスピーカ115の応答内の「穴」を埋めることを試みるときに心理音響学を利用することによって、聴取者によって実質的に気付かれない場合がある。第1の入力信号110に応じて第1のスピーカ115によって発生される可聴音は、典型的にその方向または場所+から到来する音として、聴取位置において知覚される。第2のスピーカ125から補償音として可聴音を生じさせて「穴」を埋めるために、第1の入力信号110の補償版(補償されたオーディオ信号320)を使用するとき、補償が適切に遅延され、エネルギーレベルが適切に調節されることにより、ユーザは、聴取位置において実質的に全ての可聴音を第1のスピーカ115から、または第1のスピーカ115の方向から到来するように依然として知覚し得る。このように、聴取者は、第2のスピーカ125が「穴」を埋めるために補償されたオーディオ信号を発生させているか、発生させていないかに関わらず、音源(第1のスピーカ115)の場所の移動を知覚しない。
知覚される場所の実質的な不変を達成するために、第1の入力信号110の補償は、第2のスピーカ125によって放射される補償されたオーディオ信号320に所定の遅延を適用することを含む。遅延は、第2のスピーカ125によって発生される補償可聴音が、第1のスピーカ115から発生される対応する可聴音の所定の期間の後に、聴取位置135に到着するように選択されてもよい。加えて、所定のエネルギーレベル調節および/または所定の等化が、第1の入力信号110、および/または補償されたオーディオ信号320に選択的に適用されることにより、第1のスピーカ115および第2のスピーカ125によって発生される、結果としてもたらされる可聴音のスペクトルエネルギーを調節し得る。第1のスピーカ115および第2のスピーカ125によって発生される可聴音の組み合わせが聴取位置135に到達するとき、人の耳は、音の発生場所および発生方向を知覚するときに遅延された音のエネルギーを直接音のエネルギーと加算する。人の聴覚系および脳の機能の仕方の結果として、聴取者は依然として、受信した可聴音を実質的に第1のスピーカ115から発生していると特定する。聴取者によって知覚される際の音の場所および方向を実質的に維持するために、第2のスピーカ125から発生される可聴音が、第1のスピーカ115によって発生される可聴音に対してどれだけ大きくすることができるか、およびどれだけ遅延させることができるかに関する制限が存在し得る。そのような制限は、聴取空間のスペクトル解析、被験者による実験、あるいは前述および後述されるもの等、音の源の心理音響的場所および方向に関する遅延、エネルギーレベル、ならびに/もしくは等化を決定することができる任意の他の手順(単数もしくは複数)または試験装置によって確立され得る。
聴取者による所望の知覚的効果を達成するために、スピーカ115と125とからの信号の位相および大きさの完全な合致は不要であるので、「実質的に」という用語は、聴取場所135の第1のスピーカ115による標的応答における偏差の完全に厳密とは言えない補正を指す。換言すれば、スペクトルエネルギーの削除は実施されていないため、第1のスピーカ115によって発生される既存のスペクトルエネルギー(図4を参照)への追加は、信号の位相の完全な合致を要求しないため、スピーカ115および125からの信号の位相の完全な合致は不要である。加えて、聴取者による比較的小さい移動が補正を低下させ得る、または無効化し得るような聴取空間内の厳密な場所でのみ正確である補正を回避するために、音の場所および方向を「実質的に」維持することは、聴取場所の領域を増加するのに望ましい。これは、波長がより短い、補償される音の比較的高い周波数で特に当てはまり得る。
第1のスピーカ115による周波数応答内の「穴」を実質的に埋めることによって、聴取者が知覚した第1のスピーカ115の応答が改善され得る。第1のスピーカ115による周波数応答内のトラフのうちの少なくともいくつかを埋める、または最小化することで、第1のスピーカ115の応答の心理音響的に知覚される大きさの改善がもたらされる。補償されたオーディオ信号320に遅延を加える処理は、人の耳がどのように、2つの異なるスピーカ等の2つの異なる音源からの信号を統合するように機能するかに依存する。例えば、人の耳は、補償されたオーディオ信号325によって形成される第2のスピーカ125からの遅延された可聴音を、オーディオ信号110によって形成される第1のスピーカ115からの元のオーディオ音と統合することにより、遅延された音が別個の事象として聞こえず、全ての音が第1のスピーカ115の方向から到来すると思われるようにし得る。
第1のスピーカ115と第2のスピーカ125とから生成されるオーディオ音のこの望ましい組み合わせは、第1のスピーカ115を駆動するオーディオ信号の対応するオーディオコンテンツに対して0ミリ秒乃至約40ミリ秒から約80ミリ秒まで等、遅延が所定の量を超えない限り、標的とされる周波数応答における偏差を効果的に最小化し得、第2のスピーカ125からの可聴音のエネルギーレベルは、第1のスピーカ115から生成される可聴音に含まれる、対応するオーディオコンテンツのエネルギーレベルに対して、約+10dB乃至約−20dBの範囲内等の所定の量である。遅延の所定の量は、遅延されるオーディオ信号の周波数に依存し得る。
そのような偏差を完全に排除する代わりに、標的応答における偏差を実質的に最小化することを追求することによる、オーディオシステム内の偏差の補正は、よりロバストであり得、聴取者の移動による補償に対する影響が最小化され得る。結果として、補正は、高さ、移動、および頭の配向に関わらず、聴取位置135を占める聴取者の車両内での着席場所等の比較的大きい聴取位置135にわたる偏差を実質的に最小化し得る。聴取位置135内での聴取者の位置のそのような変化は、応答の大きさの知覚可能な変化をもたらさない場合があるが、応答の位相の変化をもたらす可能性がある。しかしながら、人の耳が位相の差にそれほど敏感ではないので、聴取場所内での移動に起因する標的応答における最小の偏差の聴取者が知覚した変化は、有利に低減される。
遅延回路310によって提供される遅延の量および等化器回路315によって提供される等化はまた、オーディオシステムが異なる周波数応答特性を有するスピーカを使用するとき、聴取空間が異なる反射表面特性または聴取空間内の聴取位置においてラウドスピーカから受信される可聴音に影響を及ぼす任意の他の環境もしくはハードウェア関連特性を有するとき、1つ以上の聴取場所内のシステムによって生成される可聴音を心理音響的に補正するように選択され得る。
図5は、各チャネルが補償を含み得るマルチチャネル補償オーディオシステムの実施例である。補償チャネル305は、図3を参照して説明されるのと同様に適用され得る。図5において、補償チャネルはまた、スピーカ125から放射される反射音505を補償するために、第2のオーディオ信号120とも関連付けられる。マルチチャネルオーディオ信号内のチャネルのうちの1つを表す第2のオーディオ信号120は、直列接続の第2の遅延回路515と、レベル調節器回路517と、第2の等化器回路520とを含む、第2の補償チャネル510の入力に適用されてもよい。補償チャネル510は、第2のオーディオ信号120から第2の補償されたオーディオ信号525を生成する。第1のオーディオ信号110および第2の補償されたオーディオ信号525は、加算回路530の入力に適用されてもよい。加算回路530は、第1のスピーカ115を駆動するために提供される第2の出力信号535を生成するように、第1のオーディオ信号110と補償されたオーディオ信号525とを相互に対して足し算ならびに/または引き算する。第1のスピーカ115は、第1のオーディオ信号110および第2のオーディオ信号120の補償版525(補償されたオーディオ信号525)の両方に対応する音140を聴取環境127の中へと放射する。
聴取場所135の聴取者は、音の場所および方向を、各第1のラウドスピーカ115および第2のラウドスピーカ125から到来するように心理音響的に知覚し得る。しかしながら、実際には、直接音140および反射音145は、第2のスピーカ125および補償されたオーディオ信号320を使用して、聴取位置135において聴取者が知覚した音場内の穴を埋めるように補償されている。同様に、直接音330および反射音505は、第1のスピーカ115および補償されたオーディオ信号525を使用して、聴取位置135において聴取者が知覚した音場内の穴を埋めるように補償されている。他の追加のスピーカを有するシステム例では、聴取位置135において聴取者が知覚した音場内の穴を埋めるために、スピーカおよび対応する補償されたオーディオ信号のうちの2つ以上が、第1のスピーカ115または第2のスピーカ125のいずれかの補償として使用され得る。
図6は、さらなるチャネルに拡張された補償システムを含む、例示的なマルチチャネル補償オーディオシステムである。そのようなマルチチャネル補償オーディオシステムでは、複数のオーディオチャネルは各々、各々のオーディオ信号を提供してもよい。それぞれのオーディオチャネルのオーディオ信号と、各々がそれぞれ関連付けられる複数の補償チャネルが提供されてもよい。各オーディオ補償チャネルは、補償チャネルと関連付けられる各オーディオチャネルのオーディオ信号から補償されたオーディオ信号を生成する直列接続の遅延回路と、レベル調節器回路と、周波数等化器回路とを含む。複数の加算回路は、マルチチャネルオーディオシステムの各チャネルに対応するスピーカに提供するためのオーディオ出力信号を生成するために使用されてもよい。複数の加算回路は、複数のオーディオチャネルのうちの各々1つからのオーディオ信号、および複数のオーディオチャネルの残りの複数の補償されたオーディオ信号を受信するための入力を有してもよい。
例の5.1オーディオシステム等のマルチチャネル補償オーディオシステムの単一のチャネルが、図6の実施例に示されている。簡略化のために、単一のチャネルスピーカ605のみが図示される。以下の論議のために、スピーカ605は、右前方(RFC)のスピーカであり、オーディオシステムの右前方チャネルのオーディオ信号610と関連付けられると仮定する。オーディオシステムのRFC以外の残りのチャネルのオーディオ信号は、RFCとそれぞれ関連付けられるマルチチャネル補償器615に提供される。
マルチチャネル補償器615は、RFC以外の各オーディオ信号のための補償チャネルを含む。他の実施例では、マルチチャネル補償器615は、残りのオーディオチャネルの全部より少ない補償チャネルを含んでもよい。図6において、補償チャネル620は、オーディオシステムの中央前方チャネル(CFC)に対応するオーディオ信号625を受信し、630で、対応する補償されたCFCオーディオ信号を生成する。補償チャネル635は、オーディオシステムの左前方チャネル(LFC)に対応するオーディオ信号640を受信し、640で、対応する補償されたLFCオーディオ信号を生成する。補償チャネル650は、オーディオシステムの左後方チャネル(LRC)に対応するオーディオ信号655を受信し、660で、対応する補償されたLRCオーディオ信号を生成する。補償チャネル665は、オーディオシステムの右後方チャネル(RRC)に対応するオーディオ信号670を受信し、675で、対応する補償されたRRCオーディオ信号を生成する。補償チャネル680は、オーディオ信号の低周波数部分を表す、オーディオシステムの低周波数効果(LFE)チャネルに対応するオーディオ信号685を受信し、690で、対応する補償されたLFEオーディオ信号を生成する。
オーディオ信号610、ならびに各補償されたオーディオ信号630、645、660、675、および690は、加算回路693に提供される。加算回路693は、スピーカ605に提供される出力信号695を生成するように、その入力部において、オーディオ信号を足し算および/または引き算する。そのようにして、スピーカ605に提供されるオーディオ信号695は、オーディオチャネルのオーディオ信号の非補償版610、ならびに残りのオーディオチャネルの各々の補償されたオーディオ信号に対応する。設計基準によって、特定のチャネルの補償されたオーディオ信号は、マルチチャネル補償器615によって必ずしも提供される必要はない。
システムトポロジは、図7に示されるように、残りのオーディオチャネルの各オーディオチャネルに拡張されてもよい。例えば、CFCチャネルのスピーカ705は、CFCオーディオ信号の非補償版625、ならびにマルチチャネル補償器715から提供されるRFC、LFC、RRC、RLC、およびLFEオーディオ信号の補償版713に対応する出力信号707を受け取る。LFCのスピーカ720は、LFCオーディオ信号の非補償版640、ならびにマルチチャネル補償器727から提供されるRFC、CFC、RRC、RLC、およびLFEオーディオ信号の補償版717に対応する出力信号723を受け取る。RRCチャネルのスピーカ730は、RRCオーディオ信号の非補償版655、ならびにマルチチャネル補償器737から提供されるRFC、CFC、LFC、RLC、およびLFEオーディオ信号の補償版731に対応する出力信号733を受け取る。RLCのスピーカ740は、RLCオーディオ信号の非補償版670、ならびにマルチチャネル補償器747から提供されるRFC、CFC、LFC、LLC、およびLFEオーディオ信号の補償版741に対応する出力信号743を受け取る。LFEチャネルのスピーカ750は、LFEオーディオ信号の非補償版685、ならびにマルチチャネル補償器757を通して提供されるRFC、CFC、LFC、LLC、およびRRCオーディオ信号の補償版751に対応する出力信号753を受け取る。図6および図7のマルチチャネルオーディオシステムは、5.1チャネルシステムとの関連において説明されるが、このトポロジは、6.1または7.1システム等のより大きい数のオーディオチャネル、またはステレオシステム等のより少ない数のオーディオチャネルを有するマルチチャネルオーディオシステムに拡張されてもよい。
図8は、5.1システム等のマルチチャネル補償オーディオシステムのスピーカの車両805内への設置の実施例である。図8のシステムのスピーカは、車両805の車室によって形成される聴取環境815に音を放射する。本実施例では、運転席の形態の聴取位置820は、聴取環境815内に位置する。
オーディオシステムの各補償チャネルは、それ自体の固有の遅延、レベル調節、および等化特性を有してもよい。これらの特性は、聴取環境815内の聴取位置の聴取者820の心理音響的知覚に基づいて選択されてもよい。そのために、聴取位置の聴取者820は、両耳ダミーヘッドで置換されてもよい。両耳ダミーヘッドは、運転手位置、助手席位置、および後部座席位置等の聴取環境815内の1つの固定のおよび/または複数の聴取場所に設置されてもよい。補償チャネルの遅延、エネルギーレベル、および等化特性は、両耳ダミーヘッドにおいて検出される音測定値を使用して調節されてもよい。両耳ダミーヘッドでの音測定値は、様々な心理音響特性と関連付けられる種々の音測定値と比較されてもよい。補償チャネルの遅延、エネルギーレベル、および等化は、両耳ダミーヘッドにおいて検出される音測定値が聴取位置の各々における所望の心理音響特性と対応するまで変化させられる。
両耳ダミーヘッドは、補償チャネルの遅延、レベル調節、および等化特性を変化させながら、聴取環境815内の複数の聴取場所に移動されてもよい。このようにして、補償チャネルの遅延、エネルギーレベル、および等化値は、聴取環境815内の異なる聴取位置の聴取者全員にとって許容可能であり得る心理音響的知覚特性を提供する値に設定されてもよい。
車両805のマルチチャネルオーディオシステムは、聴取環境815内の1つ以上の聴取場所の聴取者によるオーディオの心理音響的知覚に対して最適化される複数の遅延、エネルギーレベル、および等化設定を含んでもよい。そのために、特定の聴取位置における聴取者は、環境815内の聴取位置(すなわち、運転手位置、後部車室、助手席位置、全て)のうちの1つ以上の聴取者に関連付けられる選択を提供されてもよい。図8において、聴取位置820は、オーディオシステムユーザインターフェース上での「運転手位置」の選択に対応する運転手の位置である。補償チャネルの遅延、エネルギーレベル、および等化値は、選択されると、スピーカ605、705、720、730、740、750から到来するように知覚される音の場所および方向を維持する一方で、スピーカ605、705、720、730、740、750の全てまたはそのうちのいくつかに関する、聴取位置820内での標的応答における偏差を実質的に最小化するために使用されてもよい。
代替として、または加えて、補償チャネルの遅延、エネルギーレベル、および等化値は、標的応答における偏差を実質的に最小化し、また、対応するチャネルスピーカの実際の物理的な位置の場所以外の場所における聴取者によって心理音響的に知覚される1つ以上の仮想チャネルスピーカ音をも生成するために使用されてもよい。例えば、遅延および等化値のオーディオチャネルへの適用は、CFCのスピーカ705の830で示される仮想スピーカ位置への仮想移動、および/またはスピーカ720の832で示される仮想スピーカ位置への仮想移動をもたらし得る。新しい仮想スピーカ位置830および/または832は、CFCおよび/またはLFCを、運転手の聴取位置の聴取者820にとってCFCおよび/またはLFCに対してより適切な場所において知覚されるように効果的にシフトさせる。残りのスピーカのうちの任意の1つ以上に、同様の仮想スピーカシフトが提供されてもよい。このようにして、システムが、聴取位置内の聴取者820によって、聴取者が聴取環境815内の中央の場所に位置しているかのように知覚されるように、スピーカの実質的に全て、またはそのうちのいくつかが、チャネルスピーカの実際の場所に対して心理音響的にシフトされてもよい(この場合、左回りに)。他の位置最適化もまた、オーディオシステムインターフェースを介して選択されてもよい。例えば、ユーザが「全て」オプションを選択するとき、補償チャネルは、環境815内の全ての聴取位置内の聴取者にとって一般的に許容可能であり得る心理音響的知覚特性を提供する遅延、エネルギーレベル、および等化値に設定されてもよい。
マルチチャネルオーディオシステムのスピーカは、必ずしも相互に同一の音再生品質または周波数応答範囲を有する必要がない場合がある。システム設計制約によって、聴取環境815内の異なるチャネルへの異なる品質のスピーカの使用が課される場合がある。例えば、車両内の聴取空間の場合、CFCのスピーカ705は、車両のダッシュボード内の空間についての限られた利用可能性によって制約される寸法を有する場合がある。残りのスピーカは、より高い品質のスピーカ、またはより広い望ましい周波数応答範囲を伴うスピーカが他のチャネルに対して使用され得るように、それらが利用可能な追加の空間を有する場合がある。このように、2つ以上のスピーカが、聴取環境815内において、オーディオ周波数範囲にわたって異なる心理音響的に知覚されるオーディオ周波数応答を有する場合がある。補償チャネルの遅延、エネルギーレベル、および周波数特性は、異なる心理音響的に知覚されるオーディオ応答を有する2つ以上のスピーカのうちの少なくとも1つの心理音響的に知覚されるオーディオ周波数応答を変更するために使用されてもよい。
この議論のために、CFCスピーカ705は、オーディオ周波数範囲にわたって、オーディオシステムの他のチャネルスピーカのうちの1つ以上と比較すると、概して不規則な周波数応を有してもよい。システムの他のチャネルによって提供される補償信号の遅延、エネルギーレベル、および周波数特性は、CFCスピーカ705の心理音響的に知覚される周波数応答が周波数の所望の範囲内の実質的に平坦な周波数応答等の標的周波数応答に近づくように、この「不規則な」周波数応答を補正するために使用されてもよい。さらに、または代替として、システムの他のチャネルによって提供される補償信号の遅延および周波数特性は、CFCスピーカの心理音響的に知覚される周波数応答が、他のチャネルスピーカが所望の標的周波数応答を有するか否かに関わらず、周波数の所望の範囲にわたって略平坦な周波数応答等、オーディオシステムの他のチャネルスピーカの心理音響的に知覚される周波数応答に近づくようにこの「不規則な」周波数応答を補正するために使用されてもよい。
音色、歪み、および任意の他の望ましくないスピーカ特性等の望ましくないスピーカ特性を最小化するために、補償を使用する品質補正がまた、行われてもよい。オーディオシステム内の異なる性能特性を有するチャネルスピーカのそのような補正はまた、CFCスピーカ705以外のスピーカに拡張されてもよい。
マルチチャネル補償オーディオシステムを操作するための方法の例が図9に示される。905において、オーディオシステムは、第1のオーディオ信号を受信し、第2のオーディオ信号は、910において受信される。第1のオーディオ信号に対応する第1の補償されたオーディオ信号は、915において生成される。第1の補償されたオーディオ信号は、第1のオーディオ信号の、遅延され、レベルがシフトされ、等化された版に対応する。第2のオーディオ信号に対応する第2の補償されたオーディオ信号は、920において生成される。第2の補償されたオーディオ信号は、第2のオーディオ信号の、遅延され、レベルがシフトされ、等化された版に対応する。第1のオーディオ信号と第2の補償されたオーディオ信号とは、第1の出力信号を生成するために、925において加算され、一方、第2のオーディオ信号と第1の補償されたオーディオ信号とは、第2の出力信号を生成するために、930において加算される。第1の出力信号は、935において第1のスピーカに提供される。第2の出力信号は、940において第2のスピーカに提供される。第1および第2の補償されたオーディオ信号を生成するために使用される遅延、エネルギーレベルシフト、および等化値は、第1および第2のスピーカによって生成される音の心理音響的に知覚される場所および方向を変化させることなく、1つ以上の聴取場所での所望の標的応答における偏差を補正するように選択されてもよい。加えて、または代替として、第1および第2の補償されたオーディオ信号は、その聴取環境内の第1および第2のスピーカの実際の場所以外の場所において、聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される仮想スピーカ音を生成するために使用されてもよい。さらに、遅延、エネルギーレベルシフト、および等化値は、オーディオシステムにおいて使用されるスピーカの音響品質の差を補正するために選択されてもよい。
図10は、車両の形態の聴取環境内に含まれる別のマルチチャネル補償オーディオシステムの例である。5つのスピーカを有する車両の搭乗者コンパートメントとして図示されるが、他の実施例では、任意の他の聴取領域および任意の数のラウドスピーカが使用されてもよい。さらに図1から図9を参照して、中央のスピーカ1003に進み、聴取者位置1002に到着する信号を考える。少なくとも2つの異なる理由のため、聴取者位置1002における周波数応答は、所望の標的応答から偏差する場合がある。1つの考えられる理由は、中央のスピーカ1003が、所望の標的応答とは本質的に異なる周波数応答を有し得るということである。例えば、中央のスピーカ1003は、その応答内にディップおよびピークを有する場合がある。別の例は、スピーカ1003が、物理的に小さく、したがって、低周波数を有するオーディオコンテンツを適切に再生することができないときであり得る。これは、車両内の中央チャネルスピーカの場合であることがある。これらの状況下において、補償されたオーディオ信号に基づいて補償オーディオを生成して、中央のスピーカ1003の第1の聴取場所1002において知覚される応答を改善することを試みるために、左前方のスピーカ1001等の他のスピーカが使用されてもよい。
前述されるように、中央チャネルオーディオ信号は、中央のスピーカ1003に送信される。加えて、中央チャネルオーディオ信号は、左前方のスピーカ1001に送信される補償されたオーディオ信号を作り出すように処理されてもよい。処理は、中央チャネルスピーカ1003の知覚される応答が、聴取場所1002において標的応答により近いように聞こえるように設計される。知覚される応答におけるこの補正は、聴取場所1002に特異的であってもよい。
補償されたオーディオ信号の遅延およびレベルは、音源が、依然として中央のスピーカ1003から到来する音のように聴取場所1002の聴取者によって心理音響的に知覚されるように設定することができる。したがって、聴取位置1002の聴取者からみて、音源が中央のスピーカ1003のところに位置したままであるかのように、左前方のスピーカ1001の補償オーディオ信号に所定の遅延が適用されることができる。加えて、左前方のスピーカ1001から生成される補償可聴音は、中央のスピーカ1003からの応答における「穴」(トラフ等)を適切に埋めるのに十分に大きくなるように、補償されたオーディオ信号に所定のエネルギーレベルが設定されるべきである。したがって、遅延を閾値レベル未満に維持することにより、明らかに音源が中央のスピーカ1003から離れるようにシフトしたと聴取場所1002の聴取者によって知覚されることなく補償信号を十分に大きくすることができないという状況を回避することできる。
本実施例では、左前方のスピーカ1001が、聴取位置1002に最も近く、したがって、このスピーカは、スピーカの音量(レベル)に起因する、および聴取領域内の障害物に起因するこの聴取場所1002への最も大きい影響を有し得るが、前者に起因する影響は、聴取者がスピーカからより遠くに離れて位置するにつれて小さくなる。例えば、車両内において、聴取領域内のそのような障害物は、音響障壁として作用し、第2の聴取位置1012に到達する左前方のスピーカ1001から生じる音を減衰することができる運転手座席および前部座席1031および1032を含み得る。左前方のスピーカ1001による補償効果は、これらの理由のため、車両内の他の聴取位置においては実質的に可聴不可能である場合があり、これは、車両内の他の聴取場所にそれ程悪影響をもたらさない場合がある。換言すれば、左前方のスピーカ1001による聴取位置1002に対する補正は、車両内の他の聴取位置に対する補正から大いに独立的であり得る。
第2の聴取位置1012の場合、中央のスピーカ1003のための異なる補償プロセスが適用され得る。例えば、第2の聴取位置1012内の聴取者は、中央のスピーカ1003から発生されるオーディオコンテンツを聴き得るが、より大きい距離、ならびに障害物として作用する前部座席1031および1032に起因して、聴取位置1002と比較すると減衰される場合がある。前部座席1031および1032による減衰は、周波数に依存し得る。したがって、補償信号は、第2の聴取場所1012における中央のスピーカ1003の応答を補正するために、右後方のスピーカ1011に適用されてもよい。この補償信号の遅延およびエネルギーレベルの選択は、前述されるように、実際の測定値、調査、または任意の他の機構によって導かれてもよい。一実施例では、左前方のスピーカ1003から聴取場所1012までの第1の距離が、右後方のスピーカ1011から聴取場所1002までの第2の距離より大きいので、左前方のスピーカ1001に適用されたものより大きい遅延が、左後方のスピーカ1011に適用され得る。したがって、右後方のスピーカ1011によって発生される可聴音のレベルは、第2の聴取位置1012内の聴取者が、中央のスピーカ1003の場所が変化したと知覚しないままの状態で、相対的により大きくてもよい。加えて、右後方のスピーカ1011が、他の聴取場所と比較すると第2の聴取場所1012に近接しているので、このスピーカは、第2の聴取場所1012内に位置する聴取者によって知覚される可聴音に最も大きい影響を有する。
別の実施例では、補償されたオーディオ信号は、聴取者が、個々のスピーカチャネルが実質的に全ての聴取者場所で実質的に等しい大きさで音を出していると知覚することを可能にするために使用されてもよい。本実施例では、マルチチャネル音源の左前方チャネル上のLFC信号1000を考える。そのようなマルチチャネル音源には、コンパクトディスク、放送オーディオコンテンツ、生のオーディオコンテンツ、DVD、MP3ファイル、または入力信号として提供される任意の他の生もしくは予め録音されたオーディオコンテンツが挙げられる。加えて、マルチチャネル音源は、より少ないオーディオチャネルを有するオーディオコンテンツを追加のオーディオチャネルを有するオーディオコンテンツに変換するためのアップミキサー、またはより多いオーディオチャネルを有するオーディオコンテンツをより少ないオーディオチャネルを有するオーディオコンテンツに変換するためのダウンミキサー等、マルチチャネルオーディオコンテンツを作り出すことができる、任意のデバイスまたは機構を含んでもよい。LFC信号1000は、左前方のスピーカ1001に導かれ、それによって放射されてもよい。LFC信号1000の音響エネルギーレベルは、第1の聴取者場所1002で第2の聴取者場所1012よりずっと大きくてもよい。これは、距離の差、ならびに第1の聴取場所1001と第2の聴取場所1012との間の音響障壁のためである。逆に、音源から右後方チャネル上に提供されるRRC信号1006を考える。RRC信号1006は、右後方のスピーカ1011によって可聴音として放射されてもよい。RRC信号1006の音響エネルギーレベルは、第2の聴取場所1012で第1の聴取場所1002よりずっと大きくてもよい。
また、本実施例の一部として、聴取領域のほぼ中央に位置する第3の聴取場所1030を考える。第3の聴取場所1030において、第3の聴取位置1030における聴取者は、本実施例のスピーカ1001、1003、1004、1011、および1021の各々からの音を実質的に等しいものとして知覚することができる。これは、最適なマルチチャネル再生の所望の結果ではあるが、提供される車両の例において、この場所に聴取者のための座席位置がないだけでなく、また、聴取領域内における他の聴取位置では、同様の経験が知覚されない場合もある。
マルチチャネル補償オーディオシステムを用いて、音源からの出力チャネルの全てが、実質的に同等に大きいものとして、聴取場所内の聴取者によって知覚されてもよい。第1の聴取者場所1002では、例えば、左前方のスピーカ1001からの音は、単に、右後方のスピーカ1011によって発生される可聴音が第1の聴取場所1002へのそのオーディオ経路上で経験する減衰をオフセットするように、右後方のスピーカ1011によって発生される可聴音のレベルを増加させることによって、補償システムを伴わずに、知覚される音量を右後方のスピーカ1011からの音と実質的に等しくすることができる。右後方のスピーカ1011によって発生される可聴音を単に増加させることは、確かに、第1の聴取者場所1002において知覚される等しくない音レベルを解決することができるが、また、第2の聴取者場所1012において知覚される等しくない音レベルをさらに悪化させる可能性もある。場合によっては、第2の場所1012において、右後方のスピーカ1011からの信号は、聴取者によって既に、左前方のスピーカ1001からの信号より大きく知覚されている場合がある。第1の聴取場所1002に適応するように、右後方のスピーカ1011によって発生される可聴音のレベルを増加させることによって、第2の聴取場所1012において、音量の不均衡がさらに悪化される場合がある。
調節された遅延およびエネルギーレベルを伴う補償されたオーディオ信号の使用は、異なる聴取位置でのそのような不均衡な音量を解決し得る。例えば、図10では、右後方のスピーカ1011からの信号が、左前方のスピーカ1001からの信号より大きい状況の、第2の聴取場所1012を考える。本実施例では、左前方チャネル上のLFC信号1000は、遅延回路、レベル調節器回路、および等化器(EQ)回路で構成される補償チャネル1010を通して処理されてもよい。前述されるように、補償チャネル1010の設定は、所定であってもよい。補償遅延は、左前方のスピーカ1001からの音が、右後方のスピーカ1011からの補償されたオーディオ信号の前に第2の聴取者位置1012に到達するように、少なくとも十分に長くなるように設定されてもよい。より一般的には、遅延およびエネルギーレベルは、音源が、スピーカ1001から到来するように、第2の聴取位置1012内の聴取者によって心理音響的に知覚され続けるように設定されてもよい。遅延およびエネルギーレベルパラメータは、音源のLFC信号1000からの音が、音源のRRC信号1006からの音とスペクトルエネルギーの大きさが実質的に等しく(実質的に同等に大きい)、第2の聴取者位置1012の聴取者によって心理音響的に知覚されるように、補償チャネル1010で設定されてもよい。同時に、遅延およびエネルギーレベルパラメータは、音源のRRC信号1006からの音が、音源のLFC信号1000からの音と同等に大きく、第1の聴取者位置1002の聴取者によって知覚されるように、補償チャネル1040で設定されてもよい。
EQは、第2の聴取場所1012でのスピーカ1001の応答を補償するように、補償チャネル1010上で設定されてもよい。補償チャネル1010のEQはまた、より高い周波数をより低い周波数のレベルに関連して減衰するために使用することもできる。これは、人の耳が、より高い周波数を、より低い周波数と同じように容易に統合しないという事実に対処するために行われてもよい。したがって、所与の遅延では、より高い周波数は、補償信号が別個の音源として聞こえることを防止するため、および/またはLFC信号1000が、その知覚される場所をその左前方の場所から離れるようにシフトするのを防止するために、所定の量だけ減衰されてもよい。
ある状況においては、音源のLFC信号1000とRRC信号1006とが、第2の聴取者位置1012において等しく大きい音を出すように、右後方のスピーカ1011において補償されたオーディオ信号を十分に大きくすることが不可能である場合がある。聴取者が、音の印象の知覚されるシフトを経験し始める前に、または第2の聴取場所1012において、右後方のスピーカ1011からの可聴の補償されたオーディオ信号が、聴取者の耳によって左前方のスピーカ1001からの信号ともはや統合されなくなる前に、右後方のスピーカ1011において補償信号をどれだけ大きくすることができるかについての制限が存在する場合がある。右後方のスピーカ1011からの補償信号が、1001からの信号ともはや統合されないとき、次いで右後方のスピーカ1011からの信号は、別個の音源として聞こえ始める。これに対処するために、LFC信号1000の第2の聴取者場所1012において知覚される音量を上げることを試みるために、追加の補償チャネルが採用されてもよい。図10において、第2の補償チャネル1020は、LFCオーディオ信号1000を処理し、左後方のスピーカ1021からから生じる第2の補償信号を作り出す。第2の補償信号は、右後方のスピーカ1011からの第1の補償されたオーディオ信号を補完するために使用されてもよい。前述のように、遅延、エネルギーレベル、およびEQは、既定のものであってもよい。聴取者場所に最も近いスピーカは、その聴取者場所のための第1の補償チャネルとして使用されてもよく、続く補償チャネルは、聴取者場所において知覚される音に必要な効果および所望の効果に従って構成される。
別の実施例では、マルチチャネル補償オーディオシステムを使用して、個々のスピーカチャネルの知覚される場所を移動させることが望ましい。車両内のマルチチャネル補償オーディオシステムの実施例では、車両内のダッシュボードの中央等の聴取空間の前方および中央に物理的に位置する中央のスピーカ1003を考える。音源からの中央チャネル信号が中央のスピーカ1003に送信されるとき、第1の聴取場所1002の聴取者は、中央のスピーカ1003の物理的な場所から到来するように音を知覚し得る。場合によっては、これは許容可能であり、望ましい。しかしながら、一部の聴取者は、中央のスピーカ1003がその物理的な場所を占有しないときにさえ、中央チャネル音が彼らの真正面から到来するように思われるように音響的に知覚することを好む場合がある。加えて、同時に、知覚される中央チャネル音源はまた、聴取空間内における他の聴取場所における他の聴取者によっても、これらの他の聴取者全員の真正面であるように知覚されるべきである。
これは、マルチチャネル補償オーディオシステムを用いて、音源からの中央周波数(CFC)信号1045を中央のスピーカ1003に送信することによって達成されてもよい。同時に、CFC信号1045は、第4の補償チャネル1050を介して処理されてもよく、補償されたオーディオ信号は、左前方のスピーカ1001に提供されてもよい。前述されるように、第4の補償チャネル1050に対する遅延、EQ、およびエネルギーレベルの所定の値が選択されてもよい。この場合、左前方のスピーカ1001によって放射される補償信号が、中央のスピーカ1003からの信号が第1の聴取位置1002に到着する前に、第1の聴取者位置1002に到着することができるようにすることが可能である。これを達成するために、CFC信号1045は、遅延回路1055を使用して、中央のスピーカ1003に進むことを遅延されてもよい。
遅延回路1055によって中央のスピーカ1001に適用される補償遅延は、左前方のスピーカ1003からの信号の第1の聴取場所1002への到着の時間に対して正であっても負であってもよい。左前方のスピーカ1001によって放射される補償されたオーディオ信号の所定のレベルは、選択される遅延、ならびに左前方のスピーカ1001および中央のスピーカ1003の第1の聴取者位置1002に対する相対的な物理的な場所に基づいて選択されてもよい。知覚される音源を、座席1032によって提供される聴取位置における聴取者の真正面の点に移動させるために、実質的に同様の補償されたオーディオ信号が右前方のスピーカ1004に提供されてもよい。第2の聴取位置、および車両の後部座席等における他の聴取位置のための知覚される中央チャネルオーディオ源を提供するために、同様のプロセスが、左後方のスピーカ1021および右後方のスピーカ1011によって使用されてもよい。また、所与のオーディオ源チャネル信号の位置を所望の知覚される場所に移動させるために、複数のスピーカが使用されてもよい。
補償システムを使用して、異なる聴取位置における異なる聴取者が、同時に、同一の音源チャネルに対して異なる知覚される場所を有することができる。例えば、車両において、運転手は、音源からの中央チャネルオーディオ信号が、運転席の真正面から現れるように知覚されることを望む場合があり、一方、前部座席の乗客は、中央チャネルオーディオ信号が、中央のスピーカ1003が物理的に位置するダッシュボードの中央から到来するように思われるように知覚されることを望む場合がある。
全ての音源チャネル信号に対して、それらが所望の場所から到来するように思われるようにするために、同様のプロセスが使用され得る。知覚されるスピーカの場所を左右に移動させることに加えて、補償システムはまた、聴取領域において知覚されるスピーカの場所の前方または後方への移動も提供してもよい。さらに、オーディオシステムが、オーディオシステムのうちの他のスピーカに対して高くなっている場所に物理的に位置している1つ以上のスピーカを含む場合、知覚されるスピーカの場所が、聴取空間内において垂直に上下に移動されてもよい。例えば、1つ以上のスピーカが、車両の天井に取り付けられる等、1つ以上の聴取位置より上に物理的に位置している場合、知覚されるスピーカの場所が、車両の聴取空間内において垂直に上下に移動されてもよい。したがって、音源チャネル信号の知覚される場所が、選択的に上げられてもよい。同様に、音源チャネル信号の知覚される場所が、選択的に下げられてもよい。
本発明の種々の実施形態が説明されたが、さらに多くの実施形態および実装が、発明の範囲内で可能であることは、当業者には明白であるだろう。故に、本発明は、制限されるものではなく、但し、添付の請求項およびその同等物に照らして考慮される。

Claims (27)

  1. オーディオシステムであって、
    第1のオーディオ信号を受信するように構成される第1の補償チャネルであって、第1の補償されたオーディオ信号を生成するための直列接続の遅延回路および周波数等化器回路を含む第1の補償チャネルと、
    第2のオーディオ信号を受信するように構成される第2の補償チャネルであって、第2の補償されたオーディオ信号を生成するための直列接続の遅延回路および周波数等化器回路を含む第2の補償チャネルと、
    該第1のオーディオ信号および該第2の補償されたオーディオ信号を受信するための入力部を有する第1の加算回路であって、該第1のオーディオ信号および該第2の補償されたオーディオ信号を加算することにより、第1の可聴音を生成するための第1のスピーカに提供するための出力信号を生成する第1の加算回路と、
    該第2のオーディオ信号および該第1の補償されたオーディオ信号を受信するための入力部を有する第2の加算回路であって、該第2のオーディオ信号および該第1の補償されたオーディオ信号を加算することにより、第2の可聴音を生成するための第2のスピーカに提供するための出力信号を生成する第2の加算回路と
    を備え、
    該第1の補償されたオーディオ信号は、該第2のスピーカを駆動するように構成され、該第2の補償されたオーディオ信号は、該第のスピーカを駆動することにより、聴取位置において周波数応答を建設的に追加して、該聴取位置における標的周波数応答における偏差を補償するように構成される、オーディオシステム。
  2. 前記第1の加算回路の出力は、前記第1のスピーカと電気的に連絡しており、前記第2の加算回路の出力は、前記第2のスピーカと電気的に連絡している、請求項1に記載のオーディオシステム。
  3. 前記第1および第2のスピーカは、聴取環境内に位置し、該第1および第2のスピーカからの音出力は、仮想スピーカ音を生成するように組み合わさり、該仮想スピーカ音は、該第1および第2のスピーカの実際の位置の場所以外の場所において、該聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、請求項1または2に記載のオーディオシステム。
  4. 前記第1および第2のスピーカは、聴取環境内に位置し、該第1および第2のスピーカは、該聴取環境内において、オーディオ周波数範囲にわたって異なるオーディオ周波数応答を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のオーディオシステム。
  5. 前記第2のスピーカによって発生される前記第2の可聴は、遅延特性および周波数等化特性を有し、該遅延特性および周波数等化特性は、前記第1のスピーカの聴取者が知覚した物理的な場所を変化させることなく、前記聴取環境内の該第1のスピーカからの音の前記心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を変更する、請求項4に記載のオーディオシステム。
  6. 前記第2のスピーカによって発生される前記第2の可聴音の周波数等化特性は、前記第1のスピーカによって発生される前記第1の可聴音の周波数範囲内にある、請求項5に記載のオーディオシステム。
  7. 前記第1のスピーカによって発生される前記第1の可聴は、遅延特性および周波数等化特性を有し、該遅延特性および周波数等化特性は、前記第2のスピーカの聴取者が知覚した物理的な場所を変化させることなく、前記聴取環境内の該第2のスピーカからの前記第2の可聴音の前記心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を変更する、請求項5または6に記載のオーディオシステム。
  8. 前記第1のスピーカによって発生される前記第1の可聴音の周波数等化特性は、前記第2のスピーカによって発生される前記第2の可聴音の周波数範囲内にある、請求項5〜7のいずれかに記載のオーディオシステム。
  9. 前記第2のスピーカは、前記オーディオ周波数範囲にわたって概して平坦な周波数応答特性を有し、前記第1のスピーカは、該オーディオ周波数範囲にわたって概して不規則な周波数応答を有し、該第2のスピーカによって発生される前記第2の可聴は、前記聴取環境内において心理音響的に知覚されるときに、該第1のスピーカからの前記音の前記周波数応答の前記不規則性を低減するように構成される、請求項5〜8のいずれかに記載のオーディオシステム。
  10. 前記第1の補償チャネルおよび前記第2の補償チャネルは各々、レベル調節器回路をさらに含み、該レベル調節器回路は、前記第1の補償された出力信号および前記第2の補償された出力信号のスペクトルエネルギーの全体的な大きさの調節を選択的に提供するように構成される、請求項1〜9のいずれかに記載のオーディオシステム。
  11. 前記第1および第2のスピーカは、車両の車室内に位置する、請求項1〜10のいずれかに記載のオーディオシステム。
  12. マルチチャネルオーディオシステムであって、
    それぞれのオーディオ信号を提供する複数のオーディオチャネルと、
    複数の補償チャネルであって、該複数の補償チャネルは各々、該複数のオーディオチャネルのうちのそれぞれのオーディオチャネルの該オーディオ信号とそれぞれ関連付けられ、該オーディオ補償チャネルの各々は、該それぞれのオーディオチャネルの該オーディオ信号から補償されたオーディオ信号を生成するための直列接続の遅延回路および周波数等化器回路を含む、複数の補償チャネルと、
    複数の加算回路であって、該オーディオチャネルのうちの少なくともいくつかに対応するスピーカに提供するためのオーディオ出力信号を生成するように構成される複数の加算回路と
    を備え、第1の周波数応答を生成するために第1のスピーカを駆動する第1のオーディオ出力信号を有する該複数の加算回路のうちの1つは、入力部を有し、該入力部は、該複数のオーディオチャネルのうちの第1のそれぞれのオーディオチャネルからの該オーディオ信号と、該複数のオーディオチャネルのうちの少なくとも1つの第2のそれぞれのオーディオチャネルの該オーディオ信号から生成される少なくとも1つの補償されたオーディオ信号とを受信するように構成され、該第1のオーディオ出力信号は、該第1のそれぞれのオーディオチャネルからの該オーディオ信号と、該少なくとも1つの補償されたオーディオ信号とを加算することによって生成され、
    該複数のオーディオチャネルのうちの少なくとも1つの第2のそれぞれのオーディオチャネルは、第2の周波数応答を生成するように第2のスピーカを駆動するように構成され、該第1の周波数応答に含まれる該少なくとも1つの補償されたオーディオ信号は、該第2のスピーカの聴取者の知覚された場所を変更することなしに、聴取位置において、標的周波数応答内の偏差を最小化するように、該第2の周波数応答と建設的に組み合わされるように構成される、マルチチャネルオーディオシステム。
  13. 各加算回路の出力は、その対応するスピーカと電気的に連絡している、請求項12に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
  14. 前記マルチチャネルオーディオシステムの各チャネルのための前記スピーカは、聴取環境内に位置し、該スピーカからの音出力は、仮想スピーカを生成するように組み合わさ、該仮想スピーカは、該スピーカのうちの1つ以上の実際の位置以外の場所において聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、請求項12または13に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
  15. 前記マルチチャネルオーディオシステムの各チャネルのための前記スピーカは、聴取環境内に位置し、該スピーカのうちの2つ以上は、該聴取環境内において、オーディオ周波数範囲にわたって異なる心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を有する、請求項12〜14のいずれかに記載のマルチチャネルオーディオシステム。
  16. 前記補償チャネルは、遅延特性および周波数特性を有し、該遅延特性および周波数特性は、異なる心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を有する前記2つ以上のスピーカのうちの少なくとも1つのスピーカの該心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を変更する、請求項15に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
  17. 記2つ以上のスピーカのうちの前記少なくとも1つのスピーカは、前記マルチチャネルオーディオシステムの1つ以上の他のスピーカと比較すると、前記オーディオ周波数範囲にわたって概して不規則な周波数応答を有する、請求項16に記載のマルチチャネルオーディオシステム。
  18. 前記複数の補償チャネルの各々は、レベル調節器回路を含み、該レベル調節器回路は、前記補償されたオーディオ信号の全体的エネルギーレベルを調節するように構成される、請求項12〜17のいずれかに記載のマルチチャネルオーディオシステム。
  19. 前記マルチチャネルオーディオシステムの各チャネルのための前記スピーカは、聴取環境内に位置し、該スピーカからの音出力は、該聴取環境内の異なる聴取位置に音場を生成するように組み合わさり該音場は、少なくとも複数の該スピーカによって実質的に等しく寄与されるものとして、該聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、請求項12〜18のいずれかに記載のマルチチャネルオーディオシステム。
  20. マルチチャネルオーディオシステムを操作する方法であって、
    第1のオーディオ信号を受信することと、
    該第1のオーディオ信号に直列の遅延および周波数等化を実行することによって、第1の補償されたオーディオ信号を生成することと、
    第2のオーディオ信号を受信することと、
    該第2のオーディオ信号に直列の遅延および周波数等化を実行することによって、第2の補償されたオーディオ信号を生成することと、
    該第1のオーディオ信号と該第2の補償されたオーディオ信号とを加算することによって、第1のスピーカに提供するための第1の出力信号を生成することと、
    該第2のオーディオ信号と該第1の補償されたオーディオ信号とを加算することによって、第2のスピーカに提供するための第2の出力信号を生成することと、
    該第1のオーディオ信号の周波数応答と、聴取位置における該第1の補償されたオーディオ信号の周波数応答を建設的に組み合わせることにより、該第1のスピーカの心理音響的に知覚された物理的な場所における変更なしに標的周波数応答の偏差を最小化することと
    を含む、方法。
  21. 前記第1および第2の出力信号を前記第1および第2のスピーカにそれぞれ提供することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記第2のスピーカは、オーディオ周波数にわたって概して平坦な周波数応答を有し、前記第1のスピーカは、該オーディオ周波数範囲にわたって概して不規則な周波数応答を有し、該方法は、
    該第1および第2のスピーカを聴取環境内に設置することと、
    該第2のスピーカに提供されている前記第1のオーディオ信号を遅延させ、等化することであって、それにより、該聴取環境内の該第1のスピーカの心理音響的に知覚された物理的な場所を変化させることなく、該聴取環境内の該第1のスピーカの心理音響的に知覚されたオーディオ周波数応答を改善する、ことと
    をさらに含む、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記第1および第2のスピーカを聴取環境内に設置することと、
    該第2のスピーカに提供されている前記第1のオーディオ信号の前記遅延および周波数等化、ならびに該第1のスピーカに提供されている前記第2のオーディオ信号の前記遅延および周波数等化を調節することであって、それにより、仮想スピーカ音を生成し、該仮想スピーカ音は、該聴取環境内の該第1および第2のスピーカの実際の場所以外の場所において、該聴取環境内の聴取者によって心理音響的に知覚される、ことと
    をさらに含む、請求項20〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記第1および第2のスピーカは、車両の車室内に位置する、請求項20〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記第1の補償されたオーディオ信号および前記第2の補償されたオーディオ信号を生成することは、該第1および第2の補償されたオーディオ信号の全体のエネルギーレベルを調節するために、それぞれのレベル調節器を実行させることをさらに含む、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記第1および第2の補償されたオーディオ信号は、直列の遅延、周波数等化、およびエネルギー調節によって生成され、それにより、大きさが実質的に等しいものとして聴取者によって心理音響的に知覚される、前記第1および第2のスピーカからの可聴音を生成する、請求項25に記載の方法。
  27. コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成される一過性でないコンピュータ読み取り可能媒体であって、該コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行可能であり、該一過性でないコンピュータ読み取り可能媒体は、
    第1のオーディオ信号を受信するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
    直列の遅延モジュールおよび周波数等化モジュールの実行によって、該第1のオーディオ信号から第1の補償されたオーディオ信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
    第2のオーディオ信号を受信するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
    直列の遅延モジュールおよび周波数等化モジュールの実行によって、該第2のオーディオ信号から第2の補償されたオーディオ信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
    該第1のオーディオ信号と該第2の補償されたオーディオ信号との加算によって、第1のスピーカに提供するための第1の出力信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と、
    該第2のオーディオ信号と該第1の補償されたオーディオ信号との加算によって、第2のスピーカに提供するための第2の出力信号を生成するための、該プロセッサによって実行可能な命令と
    を含み、
    該第1の補償されたオーディオ信号に基づく該第2のスピーカの周波数応答出力は、該第1のオーディオ信号に基づく該第1のスピーカの周波数応答出力と、聴取位置において建設的に組み合わされることにより、該第1のスピーカの心理音響的に知覚された物理的な場所における変更なしに聴取位置における標的周波数応答の偏差を最小化するように構成される、一過性でないコンピュータ読み取り可能媒体。
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