JP5534629B2 - 熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システム - Google Patents

熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システム Download PDF

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Description

本発明は熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムに関し、特にエリンガム図情報を用い量産性に優れた熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムに関する。
従来、金属熱処理としては焼なまし/焼ならしなどの標準化処理、焼入・焼戻し、調質処理などの硬化・強靱化処理、窒化処理、表面改善などの表面硬化処理など用途によって様々な熱処理が用いられている。この雰囲気熱処理は、熱処理炉に供給される大気、中性ガス、酸化性ガス、還元性ガスなどの雰囲気ガス中で行われるが、これらの雰囲気ガスの成分により熱処理を受ける金属の特性は大きく異なる為、熱処理炉内部に供給する雰囲気ガスの成分を精度良く制御し炉中の雰囲気の状態を高精度で可視化することが必要である。
熱処理炉内に設置した酸素分圧計からの信号に応じて熱処理炉に供給するガスの流量をフィードバック制御する第1の従来技術として、特許文献1(特開平3−2317号公報)に記載の光輝焼鈍炉の雰囲気ガス調整方法を図1を参照して説明する。図1において、発熱型変成ガス発生器11から発熱型変成ガスが脱湿器12を介してガス混合器13に供給され、一方炭化水素ガスは炭化水素ガス供給器14から流量調節弁V1を介してガス混合器13に供給され、発熱型変成ガスと混合される。
混合された混合ガスは加熱機能付ガス変成装置15で高温(1100°C)に加熱されて燃焼した後、ガス急冷・除湿装置16で急冷と除湿が行われ光輝焼鈍炉17に供給される。光輝焼鈍炉17内に設けられた酸素分圧計18により酸素分圧が計測され、この計測値を基にしてカーボンポテンシャル演算制御器19でカーボンポテンシャル(CP)が計算される。そしてこの計算値と予め設定された被処理物のカーボン含有量と比較し、両者が一致するように流量調節弁V1を介してガス混合器13に供給される炭化水素ガスの流量をフィードバック制御している。これにより光輝焼鈍炉17内で処理される被処理材料の酸化及び脱炭を防止している。
次に第2の従来技術として、特許文献2(特開昭60−215717号公報)に記載の光輝熱処理における炉気制御方法について図2を参照して説明する。
図2において、酸素分析装置22により加熱室21内の残存酸素分圧を検出し、検出値が酸素分圧設定部24で設定された設定値よりも高いときは炭化水素ガス、還元性ガスを加熱室21に供給し、検出値が設定された設定値よりも低いときは空気などの酸化性ガスを加熱室21に供給して残存酸素量が一定値となるように制御する。
また、一酸化炭素分析装置23により加熱室21内の残存一酸化炭素分圧を検出し、検出値が一酸化炭素分圧設定部25で設定された設定値よりも高いときは窒素などの中性ガスを加熱室21に流しながら炉外に放出させ残存一酸化炭素量を一定値に制御している。これにより、被処理金属の表面に水分、酸化物、油脂類が付着している場合でも、酸化、脱炭、炭素析出、浸炭を生じない光輝処理を実現している。
次に第3の従来技術として、特許文献3(特許第4521257号公報)に記載の熱処理方法及び熱処理装置について図3を参照して説明する。
図3において、調節器38は酸素センサ32,33,34の検出値に基づいて浸炭室35、拡散室36、均熱室37内の各CPを計算する。そして、これらの計算値と各CPの設定値との比較を行い、各流量弁の各開度を調整して各室に供給するエンリッチガスの供給流量をそれぞれ調節する。
また浸炭処理装置における工程を制御するシーケンサ39が設けられており、このシーケンサ39は浸炭処理装置の状態に応じて調節器38に対してPID調整を中止させたり、再開する命令を実行する。これにより炉の開口部を開くタイミングを含む熱処理期間において、CPを一定になるように制御する。
次に第4の従来技術として、特許文献4(特開平11−80831号公報)に記載の還元雰囲気炉通板材の着色防止方法および装置について図4を参照して説明する。
図4において、出側に色差計45が設けられた光輝焼鈍炉42でステンレス鋼41が光輝処理される。制御装置46は色差計45の出力信号と基準信号との差信号が管理範囲に入るように、リファイニング装置44の循環量と還元ガス供給装置43から供給されるH濃度とを調整する。これにより、安定した着色状態の揃った金属材料を製造できる。
また第5の従来技術として特許文献5(WO2007/061012号公報)に、金属酸化物から金属を還元するのにエリンガム図を用いて熱処理条件を算出する方法が記載されている。
特開平3−2317号公報
特開昭60−215717号公報
特許第4521257号公報
特開平11−80831号公報
WO2007/061012号公報
特許文献1記載の第1の従来技術は、光輝焼鈍炉内の熱処理材料に対して無酸化・無脱炭性の雰囲気に調整するため、炭化水素量を発熱形変成ガス量の1〜20%の範囲とし、かつ被処理材料の含有カーボン量に応じて、混合する炭化水素の量を酸素分圧計で測定された炉内の酸素分圧値に応じて適正量に補正するとしている。しかしながら、適正量をどのように補正するのかについて理論的、および具体的な記載が無い。また第1表でCO=21%vol、CO=0.5%vol、CO/CO=42という条件で、スケール、脱炭とも生じないとしているが、この条件が好適な範囲のどこに位置するのか、また好適な範囲の条件はどのようになるのかについて記載がない。
従って本公報の光輝焼鈍炉の雰囲気ガス調整方法は、好適な条件が変化した場合などには柔軟に対応できない。
また特許文献2記載の光輝熱処理における炉気制御方法は、残存酸素量と残存一酸化炭素量とを一定値に制御することは記載されているが、好適な条件範囲、すなわち脱炭しない光輝処理の範囲をどのように決定するのかについては記載がない。
さらに特許文献3記載の熱処理方法及び熱処理装置は、浸炭熱処理で酸素センサから出力される酸素濃度によりカーボンポテンシャルを計算し、設定したカーボンポテンシャルに収束するように、エンリッチガスの流量をフィードバック制御することは記載されているものの、予め設定したカーボンポテンシャルの一点に収束するようにフィードバック制御がなされるのみであり、現在好適な条件範囲、および好適な条件から外れた条件範囲のどこで炉が運転されているかは認識できない。また、好適な条件が変化した場合などにはダイナミックに対応できない。さらに量産上不良品が発生した場合に運転履歴から、設定された最適条件とセンサからの信号を基に炉の運転状況を解析し、不良品が生じたロットの不良解析を行うことについては全く記載が無い。
また特許文献4記載の還元雰囲気炉通板材の着色防止方法および装置は、特許文献3の従来技術と同様の課題がある。
また特許文献1乃至特許文献4記載の熱処理方法においては、表示装置に運転中の熱処理炉の状態をエリンガム図上の点としてリアルタイムで表示することについては記載又は示唆は一切無い。
また特許文献5記載の金属の製造方法は、本公報の[0011]にΔGを算出することは記載されているものの、このΔGを運転中の熱処理炉の状態を表示する手段として用いること、さらにΔGで表された熱処理炉の状態をどのように制御するかについては開示されていない。
上記に説明した全ての文献には、現在の炉中雰囲気の状態を高精度に可視化し、可視化した情報を用いて炉の状態を制御することについては開示されていない。
本発明は上記課題を好適に解決した熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムを提供する。
本発明の熱処理装置は、被処理材料を熱処理する熱処理炉と、この熱処理炉に雰囲気ガスを供給するガス供給装置と、熱処理中の雰囲気状態を検知するセンサであって、温度センサ及び他のセンサ(酸素センサ、水素センサ、露点センサ、COセンサ又はCO センサのいずれかのセンサ)からのセンサ情報を参照して前記ガス供給装置の制御を行う制御システムを有する熱処理装置であって、前記センサ情報を参照し、前記熱処理炉における雰囲気ガスの標準生成ギブスエネルギーを算出する標準生成ギブスエネルギー演算部と、前記被処理材料のエリンガム図、及び前記標準生成ギブスエネルギーを前記熱処理炉の温度に対応して前記エリンガム図上に表示する為の表示データとして生成する表示データ生成部と表示データ生成部とを備えている。
また前記表示データ生成部は、前記エリンガム図における前記熱処理炉の管理範囲を含む前記表示データを生成する構成としている。
また前記管理範囲は前記熱処理炉の正常運転範囲を示す第1の管理範囲と、前記第1の管理範囲の外側にあって、前記エリンガム図上の状態が前記第1の管理範囲を外れ、この管理範囲に入ったときにアラーム出力を行うが継続運転する第2の管理範囲と、前記第2の管理範囲の外側にあって、この管理範囲に入ったときに前記熱処理装置の運転を停止する第3の管理範囲とを有する構成としている。
前記標準生成ギブスエネルギー演算部は、酸素分圧、一酸化炭素分圧と二酸化炭素分圧、水素分圧と露点情報のうちのいずれかの情報、又は複数の情報を用いて演算することにより前記標準生成ギブスエネルギーを算出する構成であっても良い。
さらに、前記標準生成ギブスエネルギー演算部は、一酸化炭素センサと二酸化炭素センサとを用いて演算する方法、又は事前に一酸化炭素の分圧がわかっていれば二酸化炭素センサのみを用いて演算する方法、水素センサと露点センサとを用いて演算する方法又は事前に水素の分圧がわかっていれば、露点センサのみを用いて演算する方法、酸素センサを用いて演算する方法、上記の方法を組み合わせて演算する方法のいずれかを用いることにより前記標準生成ギブスエネルギーを算出する構成であっても良い。
また前記エリンガム図上の前記標準生成ギブスエネルギーの状態を監視し、前記状態が前記第1の管理範囲から逸脱した際にアラーム出力を行い、前記状態が前記第3の管理範囲に遷移した際に前記熱処理装置の運転を停止するように制御情報を出力する状態監視&異常処理部を備える構成であっても良い。
また前記被処理材料のプロセス情報、前記熱処理装置の運転に関するログ情報、事故情報の少なくとも一つを記録する熱処理用データベースを備える構成としている。
また前記被処理材料に対して複数の評価用プロセス条件を設定し、これらの条件に対してそれぞれ熱処理を行った前記被処理材料を評価し、評価結果から前記管理範囲を定める構成としている。
また前記被処理材料の前記状態が順次遷移していく場合、前記被処理材料のロット番号を指定すると、前記被処理材料のエリンガム図が順次同一画面又は複数の画面上に表示するように構成しても良い。
また前記熱処理用データベースは、炭素鋼、合金元素を含む鋼の少なくとも1つを含む前記被処理材料のリスト又はライブラリを記録した被処理材料ファイルと、光輝処理、調質処理、焼入/焼戻処理の少なくとも1つを含む前記熱処理のリスト又はライブラリを記録したプロセス制御ファイルを備えるように構成しても良い。
さらに、前記エリンガム図、前記熱処理装置の管理パラメータの時間遷移を表すチャート、前記センサからの情報のうち少なくとも2つ以上を、同時に又は切り替えて表示する表示装置を備えるように構成しても良い。
また前記センサと前記制御システムとは通信回線で接続されており、前記制御システムは前記センサと前記通信回線が正常に動作しているか否かをリアルタイムで監視すると共に、前記センサからの信号のオフセット補正、ノイズ訂正を行うように構成しても良い。
本発明の熱処理システムは、被処理材料を熱処理する熱処理炉と、この熱処理炉に還元性ガスを供給するガス供給装置と、センサからのセンサ情報を参照して前記ガス供給装置の制御を行う制御システムを有する熱処理装置であって、前記センサからの情報を参照し、前記熱処理炉における雰囲気ガスの標準生成ギブスエネルギーを算出する標準生成ギブスエネルギー演算部と、前記熱処理炉のエリンガム図、及び前記標準生成ギブスエネルギーを前記熱処理炉の温度に対応して前記エリンガム図上に表示する為の表示データとして生成する表示データ生成部とを有し、前記表示データを通信回線を介して表示すると共に、前記制御システムを制御する為の制御情報を送信する端末装置を備える構成としている。
本発明の熱処理方法は被処理材料を熱処理炉に供給する雰囲気ガス中で熱処理する熱処理方法であって、熱処理中の雰囲気状態を検知するセンサであって、温度センサ及び他のセンサ(酸素センサ、水素センサ、露点センサ、COセンサ又はCO センサのいずれかのセンサ)からの情報を参照して前記熱処理炉における雰囲気ガスの標準生成ギブスエネルギーを算出し、前記熱処理炉のエリンガム図、及び前記標準生成ギブスエネルギーを前記熱処理炉の温度に対応して前記エリンガム図上に表示する為の表示データとして生成する構成としている。
本発明による熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムは、表示装置上にエリンガム図と管理範囲、および熱処理炉の運転状態とを表示することができ、熱処理炉の運転状態をエリンガム図の観点からリアルタイムで監視することが出来る。
また本発明による熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムは熱処理炉の状態がエリンガム図上に設定した管理範囲内に入っているか否か、また管理範囲に入っている場合は管理範囲境界とのマージンを2次元的に把握することが可能である。さらに、管理範囲を正常運転範囲、この範囲の外側に設定したアラーム出力・運転継続範囲、さらにこの範囲の外側に設定した運転停止範囲とに分け範囲毎に制御方法を適正化し、不良ロットの発生率を低減するとともに、運転停止期間の短縮を図っている。これにより、量産性に優れた熱処理装置を提供できる。
さらに本発明による熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムは、運転状態に関するセンサ信号、エリンガム図上における系の状態推移などをログデータとして記録しているので不良解析などが容易である。また、致命的な停止状態に至る前にアラーム情報を関係者に報知でき、いち早く正常な運転状況へ復帰することが出来る。
また本発明による熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムは、被処理材料、処理プロセスに関するデータがライブラリとしてデータベースに格納されており、これらのライブラリを選択することにより、被処理材料、処理プロセスが変更されたとしても迅速に熱処理炉の運転を切り替えることが出来る。このため、多品種・少量生産にも本願発明は適用可能である。
さらに本発明による熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムを光輝焼鈍の熱処理に適用した場合、製品表面が光輝に仕上がり熱処理後の酸洗い等の後処理を必要としない、又、熱処理の過程で表面の脱炭がないため熱処理後脱炭層を除去する工程(切削、エッチング、研磨等)を省略することができる。
第1の従来技術の光輝焼鈍炉を表すブロック図である。 第2の従来技術の光輝熱処理炉の自動制御装置を示すブロック図である。 第3の従来技術の浸炭処理装置の概略断面図である。 第4の従来技術の還元雰囲気炉通板材の着色防止装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による熱処理装置及び熱処理システム及び本発明の熱処理装置の第1の実施例の概略構成を示すブロック図である。 図5に示す制御システムの詳細なブロック図である。 本発明の熱処理装置の第2の実施例の概略構成を示すブロック図である。 本発明の熱処理装置の第3の実施例の概略構成を示すブロック図である。 本発明の熱処理装置の第4の実施例の概略構成を示すブロック図である。 本発明の熱処理装置の第5の実施例の概略構成を示すブロック図である。 本発明の熱処理装置の第6の実施例の概略構成を示すブロック図である。 図5、及び図7〜図11に示す熱処理用データベースの具体的構成例を示すブロック図である。 本発明の管理範囲を説明する図である。 本発明の管理範囲間を状態が遷移する際の動作を説明する図である。 本発明の熱処理方法を説明するフローチャートである。 本発明の表示装置に管理パラメータの時間推移を表示する表示例を示す図である。 本発明の表示装置の表示例を示す図である。 本発明の管理範囲を決めるための方法を説明するフローチャートである。 本発明の熱処理方法において、異なる熱処理とこれらの熱処理に対応するエリンガム図上での状態との関係を説明する図である。 本発明による実験データをエリンガム図に示した説明図である。 図20の拡大図、及び熱処理条件を示す表である。 図21の熱処理条件の詳細と評価結果を説明する図である。 空燃比と炭化水素ガスを燃焼した時に発生する変成ガスの成分割合を示す図である。
以下、本発明の熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は本発明の熱処理装置、並びに熱処理システムの概略構成を示すブロック図であり、熱処理炉51に搬入された被処理材料519に対して、ヒータ518により所定の温度に設定された高温下の還元性雰囲気ガス中で光輝処理、調質処理、焼入/焼戻処理等の熱処理が行われる。
また、52は熱処理炉51に供給する雰囲気ガスを発生させるガス供給装置、53は各種センサからの信号を受けて熱処理炉51の温度とガス供給装置52などを制御する制御システム、54は制御システム53と通信回線55を介して情報を相互に入出力する端末装置である。
熱処理炉51には各種センサ、具体的には温度を測定する温度センサ511、残留酸素(O)分圧を測定する酸素センサ517、水素(H)分圧を測定する水素センサ515、熱処理炉51内部の露点を測定する露点センサ516などを有している。
また熱処理炉51内の雰囲気ガスの一部をガスサンプリング装置512で取り込み、取り込んだ雰囲気ガスを赤外線分光法により一酸化炭素(CO)分圧と、二酸化炭素(CO)分圧をそれぞれ測定するCOセンサ513とCOセンサ514とを有している。COセンサ513、COセンサ514および露点センサ516で分析済みの雰囲気ガスは分析排ガスとして排出する。
温度センサは必須のセンサであるが、他のセンサに関しては全て備えている必要はない。すなわち、熱処理炉51の標準生成ギブスエネルギーΔGを算出するための測定方法として、(1)COセンサ513とCOセンサ514とを用いる方法、又は事前に一酸化炭素の分圧がわかっていればCOセンサ514のみを用いる方法、(2)水素センサ515と露点センサ516とを用いる方法又は事前に水素の分圧がわかっていれば、露点センサ516のみを用いる方法、(3)酸素センサ517を用いる方法、(4)(1)の方法乃至(3)の方法を組み合わせる方法があるが、これら(1)〜(4)の方法に合わせて必要なセンサを設ければ良い。
またガス供給装置52は、制御部534の制御信号により都市ガス、メタン(CH)、プロパン(C)、ブタン(C10)、等の炭化水素ガスの流量を制御する流量調整バルブ521Aと、空気流量を制御する流量調整バルブ521Bと、流量調整された炭化水素ガスの流量と空気の流量をそれぞれ測定する流量計522Aおよび流量計522Bと、流量調整された炭化水素ガスと空気とを混合する混合器523とを有する。
混合器523で混合された混合ガスはガス変成装置524で発熱性化学反応を生じて燃焼し、さらに燃焼した高温の変成ガスは水冷装置525で約40℃まで水冷される。また水冷されたガスは脱湿装置526で脱湿され、露点センサ527と排出口へDXガスとして供給される。すなわち、熱処理炉51の温度などの条件が一定の熱処理条件に達していない場合は、脱湿装置526から排出口にガスを排出し、熱処理炉51にはガスを供給しない。
なお露点センサ527は、ガス供給装置52に異常が発生し露点が正常な規格範囲から逸脱した場合などを検出するために設けられるが、現在市販されている露点センサの精度は十分とはいえない。この為、(1)露点センサからの露点情報と図示しないガス供給装置52の出力部に設けた水素センサからの情報とを用いて露点が正常化否かを検出する方法、(2)図示しないガス供給装置52の出力部に設けた酸素センサからの情報を用いて露点が正常化否かを検出する方法、(3)図示しないガス供給装置52の出力部に設けた二酸化炭素センサからの情報を用いて露点が正常化否かを検出する方法、(4)図示しないガス供給装置52の出力部に設けた一酸化炭素センサと二酸化炭素センサからの情報とを用いて露点が正常化否かを検出する方法のいずれか、または複数の方法を併用してもよい。この方法については以下の実施例についても同様である。
一方熱処理炉51が一定の熱処理条件に達した場合は、脱湿装置526から熱処理炉51にガスの供給を開始する。これにより、熱処理炉51の熱処理条件が整っていないにも関わらず、熱処理炉51に雰囲気ガスが供給されることは無い。
脱湿装置526からのガスは最終的に露点センサ527で水蒸気(HO)分圧が測定された後、熱処理炉51に雰囲気ガスとして供給される。なお、露点センサ527は脱湿装置526と一体的に構成されても良い。
また制御システム53は、熱処理炉の運転状態、具体的にはエリンガム図における状態を表す点とエリンガム図上に設定した管理範囲等の情報を表示する表示装置531と、演算処理装置533に入力情報を出力するための入力装置532とを有する。さらに、熱処理炉51内に設置された各種センサと熱処理炉51の外部に設けられたCOセンサ513とCOセンサ514、および露点センサ527からの信号と、熱処理用データベース535に格納された情報とを用いて演算処理し、流量調整バルブ521A,521Bなどを制御する為の制御信号を制御部534に出力する演算処理装置533と、演算処理装置533からの制御信号を受けてヒータ518,流量調整バルブ521A等の制御を行う制御部534と、被処理材料519の材料情報、熱処理に関するプロセス情報、管理範囲に関する情報、熱処理装置の運転に関するログ情報及び事故データ等を記憶管理する熱処理用データベース535とを有する。
また温度センサ511、酸素センサ517,COセンサ513、COセンサ514等の各種センサと制御部534又は演算処理装置533とは専用のセンサバスまたは汎用バス、または無線LANなどの通信回線56で接続されており、制御部534又は演算処理装置533は各種センサと通信回線56が正常に動作しているか否かをリアルタイムで監視すると共に、各種センサからの信号の検波、サンプリング、A/D変換、波形等価、オフセット補正、ノイズ訂正等の処理を行う。
次に図5及び図6を参照して演算処理装置533の構成と、動作について説明する。
演算処理装置533は、各種センサからの信号を受けるセンサI/F67と、センサI/F67を介して入力する酸素センサ517からの信号を参照して熱処理炉51内の酸素分圧を算出する酸素分圧演算部61と、COセンサ513とCOセンサ514から入力する信号を参照しCO/CO分圧比を算出するCO/CO分圧比演算部62と、水素センサ515からの信号を参照してH分圧を算出すると共に、露点センサ516からの信号を参照してH/HO分圧比を算出するH/HO分圧比演算部63とを有する。
ΔG(標準生成ギブスエネルギー)演算部64は、酸素分圧演算部61、CO/CO分圧比演算部62、H/HO分圧比演算部63でそれぞれ算出された算出結果を参照して運転中の熱処理炉51のΔG(標準生成ギブスエネルギー)を算出し、算出結果を表示データ生成部65、制御部534、状態監視&異常処理部66に出力する。
ΔGの算出方法は幾つかあるが、以下に代表的な計算方法を示す。
ΔG=RT・lnP(O) ……(1)
[CO−CO−O間反応]
2CO+O=CO ……(2)
ΔG(2)=−564980+173.3T (J・mol−1) ……(3)
RTlnP(O
=ΔG(2)−2RTln(P(CO)/P(CO)) ……(4)
[H−HO−O間反応]
2H+O=2HO ……(5)
ΔG(5)=−496070+111.5T (J・mol−1) ……(6)
RT・lnP(O
=ΔG(5)−2RTln(P(H)/P(HO)) ……(7)
ここでRは気体定数、Tは絶対温度、P(O)は酸素分圧(O分圧)、P(CO)は一酸化炭素分圧(CO分圧)、P(CO)は二酸化炭素分圧(CO分圧)、P(H)は水素分圧(H分圧)、P(HO)は水(水蒸気)の分圧(HO分圧)である。
上記の式において、(1)式を用いて酸素分圧P(O)からΔGを算出することができる。また(2)式は一酸化炭素(CO)と酸素(O)と二酸化炭素(CO)間の反応を表し、(3)式はこの反応系におけるΔG(標準生成ギブスエネルギー)が絶対温度(T)の一次関数で算出されることを示している。
また(4)式から、一酸化炭素(CO)分圧と二酸化炭素(CO)分圧の分圧比を用いてRTlnP(O)が算出でき、従ってΔGを求めることが出来る。
また(5)式は水素(H)と酸素(O)と水蒸気(HO)間の反応を表し、(6)式はこの反応系におけるΔG(標準生成ギブスエネルギー)が絶対温度(T)の一次関数で算出されることを示している。
また(7)式から、水素(H)分圧と水蒸気(HO)分圧との分圧比を用いてRTlnP(O)が算出でき、従ってΔGを求めることが出来る。
次にΔGを算出するために必要なセンサについて説明する。
(1)式について着目するとΔGを算出するためには絶対温度Tと、酸素分圧P(O)を検知すればよいので、温度センサ511と酸素センサ517とを設ければよい。
また、CO−CO−O間反応に着目し(4)式を用いてΔG(標準生成ギブスエネルギー)を算出する方法においてはCO分圧とCO分圧を検知すればよいので、センサとしてはCOセンサ513とCOセンサ514とを設ければ良い。また、事前にCO分圧が判っていれば、COセンサ514のみを設ければ良い。
一方H−HO−O間反応に着目し、(7)式を用いてΔG(標準生成ギブスエネルギー)を算出する方法においてはH分圧とHO分圧を検知すればよいので、センサとしては水素センサ515、露点センサ516とを設ければ良い。また、事前にH分圧が判っていれば露点センサ516のみを設ければ良い。
また精度を高めるために(1)式によるΔG=RTlnP(O)、(4)式によるΔG=RTlnP(O)=ΔG(2)−2RTln(P(CO)/P(CO))、(7)式によるΔG=ΔG(5)−2RTln(P(H)/P(HO))をそれぞれ算出し、精度が高いと推定される方法を選択する方法、各算出結果を平均、加重平均、又は統計処理する方法などの方法を用いても良い。
図6に戻って説明を続けると表示データ生成部65は、ΔG(標準生成ギブスエネルギー)演算部64から出力されたΔGと、センサI/F67を介して温度センサ511から入力する温度情報と、入力装置532により指定された被処理材料519に対応するエリンガム図、及び被処理材料519に対応するエリンガム図上の管理範囲の情報などを用いて、表示装置531に表示させるための表示データを生成する。炭素鋼、合金元素を含む鋼など様々な被処理材料519に対応する複数のエリンガム図、及びこれらのエリンガム図と対応する管理範囲の情報は、熱処理用データベース535に蓄積されており、新規の被処理材料並びに管理範囲の情報は定期的、又は非定期的に更新される。
表示装置531は表示データ生成部65から出力された表示データを、横軸に温度、縦軸にΔGとし、被処理材料519の各温度における標準生成ギブスエネルギーを近似的な直線L1,2C+O=2COの反応における標準生成ギブスエネルギーを近似的な直線L2として表示する。また管理範囲R1と、ΔG(標準生成ギブスエネルギー)演算部64で算出された熱処理炉51における状態P1とを同時にエリンガム図上に表示する。状態P1は各種センサからのサンプリング時間、例えば1秒ごとに表示画面上で更新される。なお、表示装置531に表示する情報として管理範囲R1と状態P1は必須であるが、量産向けの熱処理装置としては近似的直線L1と近似的直線L2は必ずしも必須の情報ではない。また更新期間については任意に設定できるようにしても良い。
図5に示す熱処理装置のオペレータは表示装置531に表示されたエリンガム図から、現在運転中の熱処理炉51の状態を2次元的に把握することが出来る。すなわち、状態P1が管理範囲R1内に入っていれば光輝処理、調質処理、焼入/焼戻処理等の熱処理が正常に処理されていると判断し継続運転を行う。一方、状態P1が管理範囲R1を外れた場合は、熱処理炉51で何らかの異常が発生していることをリアルタイムで認識することが可能であり、最悪の場合、熱処理装置の運転を停止することにより不良品が大量に発生するのを未然に防止することが出来る。
状態監視&異常処理部66は、熱処理炉51の温度、O分圧、CO分圧、CO分圧、H分圧、HO分圧、CO/CO分圧比、H/HO分圧比、ΔG等をリアルタイムで監視すると共に、熱処理用データベース535から被処理材料519に対応する管理範囲R1等を読込み、上記のパラメータが規定の管理範囲を逸脱した場合は異常信号を制御部534に出力する。
次に本発明の熱処理装置の第2の実施例について図7を参照して説明する。
図7に記載の熱処理装置は、ガス供給装置72が図5に記載のガス供給装置52の構成と異なっており、熱処理炉51と制御システム53の構成は基本的に同様である。第2の実施例におけるガス供給装置72は、第1の実施例におけるガス供給装置52の脱湿装置526の出力側にCO吸着装置528を設け、ガス変成装置524で発生した変成ガス中のCOをCO吸着装置528で除去し、NXガスを雰囲気ガスとして熱処理炉51に供給する。このとき残留CO分圧は0.1%程度なので、COセンサ514で十分検出することが出来る。被処理材料519の表面はNXガスにより熱処理されるので、本実施例の熱処理は第1の実施例よりも水蒸気分圧、二酸化炭素分圧の低い雰囲気で熱処理され脱炭を防ぐことが出来、かつ光輝処理を効率的に行うことが出来るという特徴がある。本実施例における演算処理装置533の構成及びΔGの算出方法は、第1の実施例のものと基本的に類似である。
次に本発明の熱処理装置の第3の実施例について図8を参照して説明する。
図8に記載のガス供給装置82は、流量調整バルブ521A及び流量計522Aを介して供給される炭化水素ガスと、流量調整バルブ521B及び流量計522Bを介して供給される空気とを混合する混合器523と、混合器523からの混合ガスを燃焼するガス変成装置824と、ガス変成装置824で生成された変成ガスのCO分圧を測定するCOセンサ514’と、変成ガスのメタン(CH)分圧を測定するCHセンサ520Aと、変成ガスの露点を測定し、RXガスとして熱処理炉51に供給する露点センサ527とを有する。またガス供給装置82は、流量調整バルブ521C及び流量計522Cを介して炭化水素ガスをエンリッチガスとして熱処理炉51に供給する。なお図8において、変成ガスのCO分圧を先に測定し、この後にCH分圧を測定するような構成を図示したが、変成ガスのCH分圧を先に測定し、この後にCO分圧を測定するように構成してもよい。また、CHセンサ520Aは上記の構成で必須のセンサであるが、COセンサ514’と露点センサ527は必ずしも必須ではなく、省いてもよい。
本実施例の熱処理装置において、ガス変成装置824の化学反応は空気の流量を下げているので吸熱反応となり、触媒を用いて安定して化学反応が生じるように工夫しているがガス変成装置824内で反応温度が均一にならず、CO分圧とCO分圧とが設定値よりも変化してしまう場合がある。またガス変成装置824からRXガスを生成するため流量調整バルブ521Bを絞って空気流量を下げるが、空気流量を低くし過ぎると煤が発生しCO分圧とCO分圧とが設定値よりも大幅に変化してしまう。このため空気流量を適度に保ち、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガス(生ガス)をそのまま、または熱処理炉51にガス変成装置824で生成したRXガスと混合させ共に供給することにより、熱処理炉51内のCO分圧とCO2分圧を安定に保つことが出来る。
この第3の実施例による熱処理装置は、第2の実施例による熱処理装置と異なり、熱処理炉51の雰囲気ガスはCO分圧が高くCO分圧が低いという特徴がある。具体的には、第1及び第2の実施例による熱処理装置ではCO分圧が約10%程度であるが、本実施例の熱処理装置ではCO分圧が約20%程度と、第1及び第2の実施例による熱処理装置のCO分圧よりも2倍近く大きい。このため、本実施例の熱処理装置では還元性の強い雰囲気で被処理材料519が熱処理され、脱炭を防ぐことが出来かつ光輝処理を効率的に行うことが出来る。また、素材時点で脱炭している鋼材料の復炭ができるという特徴がある。一方、本実施例による熱処理装置においては、CO分圧が高くCO分圧が低いため煤が発生(スーティング)し易いという問題がある。本実施例ではスーティングの発生に特に重要なCH分圧を測定するCHセンサ520Aを用いて、熱処理炉51に供給する変成ガスのCH分圧を測定するとともに、ガスサンプリング装置512を介して取り込んだ雰囲気ガスのCH分圧をCHセンサ520Bにより測定する。すなわち、ガス変成装置824から出力される変成ガスのCH分圧が所定値よりも高くなってスーティングが生じることがないように、CHセンサ520AによりCH分圧を常時監視するとともに、制御部534はCHセンサ520Aからのセンサ信号を演算処理装置533により演算した演算信号を参照して、流量調整バルブ521Cを制御して炭化水素ガスの流量を調整する。また、CHセンサ520Bにより測定されたCH分圧情報は制御部534又は演算処理装置533に送られ、上記に説明したと同様に制御部534は、流量調整バルブ521Cを制御して炭化水素ガスの流量を調整する。すなわち、本実施例の熱処理装置においてはスーティングが発生しないように、二重にCH分圧を測定しこの測定値により帰還制御を行っている。換言すると、熱処理炉51に供給される雰囲気ガス、及び熱処理炉51の中の雰囲気ガスのCH分圧を同時に測定しスーティングが発生しないような制御を行っているため、熱処理炉51を安定して運転することができる。本実施例における演算処理装置533の構成及びΔGの算出方法は、第1及び第2の実施例のものと基本的に類似である。
次に本発明の熱処理装置の第4の実施例について図9を参照して説明する。
図9に記載のガス供給装置92は、流量調整バルブ521D及び流量計522Dを介して液体で供給されるメタノールなどのアルコールを予熱しガス化する余熱装置921と、余熱装置921からのガスを以下の(8)式により熱分解するガス変成装置924と、ガス変成装置924からの変成ガスの露点を測定し熱処理炉51に雰囲気ガスとして供給する露点センサ527とを有する。
CHOH→CO+2H ……(8)
この第4の実施例による熱処理装置は、第3の実施例による熱処理装置と同様に、熱処理炉51の雰囲気ガスはCO分圧が高くCO分圧が低いため、浸炭性の強い雰囲気で熱処理されるので高炭素の被処理材料519が脱炭するのを防ぐことが出来、かつ光輝処理を効率的に行うことが出来る。本実施例の熱処理装置では、第3の実施例による熱処理装置と同様に、スーティングが発生しやすいという問題を抱えている。このため第3の実施例と同様に、CHセンサ520A,520B、及びCOセンサ514’とを設け、流量調整バルブ521Dによりメタノールの流量を制御するように構成している。
また、素材時点で脱炭している鋼材料の復炭ができるという特徴がある。なお図示しないがこの炉内雰囲気は、窒素ガス等の中性ガスを用いて希薄することもできる。
本実施例における演算処理装置533の構成及びΔGの算出方法は、第1〜第3の実施例のものと基本的に類似である。
次に本発明の熱処理装置の第5の実施例について図10を参照して説明する。
図10に記載のガス供給装置102は、流量調整バルブ521E及び流量計522Eを介して供給される水素ガスと、流量調整バルブ521F及び流量計522Fを介して供給される窒素ガスとを混合する混合器523と、混合器523からのガスの露点を測定し熱処理炉101に雰囲気ガスとして供給する露点センサ527とを有する。この第5の実施例による熱処理装置において、熱処理炉101内の水素分圧は流量調整バルブ521Eのみで制御でき簡単かつ高精度で制御できる。また熱処理炉101内にCO、COが殆ど存在しないので、金属表面と雰囲気ガスとの化学反応が単純であり、光輝処理等所定の熱処理を実現するための制御を簡素化出来るという特徴がある。この実施例においてCO分圧とCO分圧は検出しないので、COセンサとCOセンサを設け無くとも良い。
本実施例における演算処理装置10533の構成及びΔGの算出方法は、第1〜第4の実施例のものと基本的に類似であるが、図6に示すCO/CO分圧比演算部62は削除される。従ってΔGの算出方法は、上記に述べた(1)式、又は(6)式及び(7)式を用いて算出する。
次に本発明の熱処理装置の第6の実施例について図11を参照して説明する。
図11に記載のガス供給装置112は、流量調整バルブ521F及び流量計522Fを介して供給される窒素ガスの露点を露点センサ527で測定し熱処理炉101にキャリアガスとして供給する。またキャリアガスと独立して流量調整バルブ521A及び流量計522Aを介して熱処理炉101に炭化水素ガスを供給する。この第6の実施例による熱処理装置において、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガスは熱処理炉101で酸化性のガスである酸素、水蒸気、等と反応し還元性の雰囲気になるので被処理材料519が脱炭せず、光輝処理等の熱処理ができる。この第6の実施例による熱処理装置においては、ガス変成炉を用いず炭化水素ガスを直接熱処理炉101に供給して雰囲気ガスを熱処理炉101自体で生成する構成であり、構成が極めてシンプルである。
なお露点センサ527はキャリアガスである窒素ガスの露点を検出しているが、この実施例において窒素ガスの露点自体の制御は困難であり、演算処理装置10533は露点センサ527から入力された情報を熱処理用データベース535に記憶された設定値と比較し、この設定値よりも大きい場合アラームを出力するように制御を行う。このとき、露点センサ527に代えて酸素センサ等を設置し、キャリアガスの露点が正常か否かを間接的に検出するように構成しても良い。
本実施例における演算処理装置10533の構成及びΔGの算出方法は、上記に述べた第5の実施例と同様である。なおこの実施例においても第5の実施例と同様にCO分圧とCO分圧は検出しないので、COセンサとCOセンサを設け無くとも良い。
なお上記の実施例においてガス供給装置52,72,82,92,102,112の出力部分に露点センサ527を設け、これらのガス供給装置52,72,82,92,102から供給される雰囲気ガスの露点を設定値以下となるように制御しているが、ガス供給装置52,72,82,92,102,112の出力部分にCOセンサ、COセンサ、水素センサ、酸素センサを設け、CO分圧、CO分圧、H分圧、HO分圧、O分圧が各設定値となるように制御するようにしても良い。
次に図5に記載の熱処理用データベース535について詳細に説明する。
熱処理用データベース535は図12に示すように、被処理材料ファイル121と、プロセス制御ファイル122と、管理範囲ファイル123と、運転記録ファイル124とを有する。被処理材料ファイル121は、熱処理炉51、101で熱処理を受ける被処理材料519が番号と共に予めテーブル形式またはライブラリとして登録されており、被処理材料としては炭素鋼、合金元素を含む鋼など多様な材料が登録されている。
プロセス制御ファイル122は、被処理材料519毎に、光輝処理、調質処理、焼入/焼戻処理等の具体的なプロセス名と対応するプロセス条件とをテーブル形式またはライブラリとして記憶している。プロセス条件は、各初期値としての熱処理炉51,101の温度、CO分圧、CO分圧、H分圧、HO分圧、O分圧、CO/CO分圧比演算部62での演算結果CO/CO分圧比、H/HO分圧比演算部63での演算結果H/HO分圧比、ΔG(標準生成ギブスエネルギー)演算部64の演算結果ΔG、流量計522A〜522Fからの炭化水素流量、空気流量、水素流量、窒素流量等のガスの流量とメタノール流量などの液体流量、被処理材料519の搬送速度及びこれらのパラメータの時間制御やプロセスシーケンス等が記憶されている。
演算処理装置533、10533は入力装置532からの指示に基づいて、テーブル又はライブラリとして保存されている被処理材料ファイル121およびプロセス制御ファイル122から指定されたテーブル又はライブラリを熱処理用データベース535から読込んで表示装置531に表示する。オペレータは表示された内容を確認し、表示された熱処理条件で良ければこの条件で熱処理を開始する。従って熱処理を変更する場合は上記の手順により簡易に行うことが出来、光輝処理、調質処理、焼入/焼戻処理等の熱処理を迅速かつ柔軟に進めることができる。
管理範囲ファイル123は図13に示すように、正常運転の範囲を示す第1の管理範囲と、この管理範囲の外側に設定され、正常運転から外れているものの注意が必要な運転領域である第2の管理範囲と、さらに第2の管理範囲の外側に設定され、熱処理炉51、101の運転を停止する第3の管理範囲とから構成される。図13で管理範囲の横軸は温度であり、縦軸はΔGである。また図13で管理範囲は矩形としているが、必ずしも矩形である必要はなく、多角形、長円など任意の形状であっても良い。
また図13においては第1の管理範囲の外側に隣接して第2の管理範囲が設けられ、第2の管理範囲の外側に隣接して第3の管理範囲が設けられているが、必ずしも隣接している必要はなく、各管理範囲間に緩衝領域を設けるようにしても良い。
運転記録ファイル124には、各センサからの熱処理炉51、101の温度、CO分圧、CO分圧、H分圧、HO分圧、O分圧、CO/CO分圧比、H/HO分圧比、流量計522A〜522Fを流れるガス又は液体の流量、被処理材料519の搬送速度及びΔG等がそれぞれリアルタイムで記録されるログデータファイル1241と、図13に示す第2の管理範囲及び第3の管理範囲での上記ログデータファイルを含む事故データファイル1242とを有する。
次に図6に戻って制御部534について説明すると、制御部534はセンサI/F67を介して温度センサ511から入力する温度Tを入力し、また入力装置532で指定された熱処理用データベース535に記憶されたプロセス情報から指定の温度T0を読みとって、ΔT(=T−T0)が0,すなわち温度Tが温度T0に一致するようにヒータ518に流す電流を制御する。
また制御部534はΔG(標準生成ギブスエネルギー)演算部64からのΔGと管理範囲R1の情報を用い、ΔGで示される状態が管理範囲の中心に一致するように、流量調整バルブ521A,521C、521D,521Eを制御して各種ガス流量とメタノールなどの液体流量を制御する。管理範囲R1は近似的直線L1の下側に設定され被処理材料519が還元される領域にある。同時に管理範囲R1は近似的直線L2の下側に設定され、炭素(C)も還元領域にあり被処理材料519の表面に存在する炭素が酸化されて脱炭する不具合は生じない。
エリンガム図でΔGの上方になるほど熱処理炉51、101内部は酸化性雰囲気ガスになり、逆にエリンガム図の下方になるほど還元性雰囲気ガスとなる。図5、図7、図11に示す流量調整バルブ521A、図8に示す流量調整バルブ521Cを制御して炭化水素ガスの流量を大きくすると、図23に示すように還元性ガスである一酸化炭素(CO)および水素(H)が増大しエリンガム図上の状態P1は下方にシフトする。逆に炭化水素ガスの流量を小さくすると、酸化性ガスである二酸化炭素(CO2)が増大する一方、還元性ガスである水素ガス(H)および一酸化炭素(CO)が減少しエリンガム図上の状態P1は上方にシフトする。また過大に炭化水素ガスの流量を大きくすると、炭化水素ガスの不完全燃焼の程度が増大するため煤が発生し、被処理材料519に浸炭が生じる恐れがある。この為、管理範囲に下方の制限を設け、炭化水素ガスの流量が一定値以上大きくならないように制御する。
また、図9の流量調整バルブ521Dを調整しメタノール流量を大きくした場合は、(8)式からわかるようにCO、Hの還元性ガスの分圧が高くなるので、エリンガム図上では下方にシフトする。
さらに図10の流量調整バルブ521Eを調整し水素流量を大きくした場合も水素は還元性ガスなので、メタノールの場合と同様である。
また制御部534は状態監視&異常処理部66からの情報を基に、炉の運転に異常が発生した場合、熱処理炉51、101に被処理材料519を搬送する搬送機構を停止するなどして熱処理装置の運転を停止する。
また異常が発生した場合制御部534は異常信号を表示データ生成部65に出力し、これを受けて表示データ生成部65は表示装置531に表示される状態P1をブリンキング表示、又はアラーム音を鳴らす等のアラーム処理を実行する。
次に図15に示すフローチャート、及び図5〜図14並びに図16を参照して本発明の熱処理方法および熱処理装置について説明する。
ステップS1で入力装置532を用いて表示装置531に表示されるメニューから、これから熱処理を行う被処理材料519と熱処理プロセスを選択する。例えば、被処理材料519として炭素鋼を、熱処理プロセスとして光輝処理の中からP1プロセスを選択する。
次にステップS2で、演算処理装置533、10533が熱処理用データベース535からプロセス条件、エリンガム図情報、管理範囲を読み込み、これらの情報を制御部534と表示装置531に出力する。制御部534はステップS31で、受け取ったプロセス条件に基づきエリンガム図に示された管理範囲の中央に温度とΔGが位置するように、ヒータ518と流量調整バルブ521A,521C、521D,521Eなどを制御して各種ガス流量とメタノールなどの液体流量の制御を開始する。これと同時に表示装置531はステップS32でエリンガム図情報と管理範囲を表示する。
次にステップS4で各種センサは検知したセンサ情報を制御部534を介して、または直接に演算処理装置533,10533に出力する。演算処理装置533,10533は、各演算部61〜64で算出したO分圧、CO/CO分圧比、H/HO分圧比を参照して(1)式、(4)式、(7)式で算出したΔG、あるいはこれら複数の式の演算結果から算出したΔGを、管理範囲、図6に示す近似的直線L1、L2とともに表示装置531のエリンガム図上に表示する為の表示データとして生成する。またこれと同時に温度センサ511,酸素センサ517、流量計522A〜522F等からのセンサ情報、酸素分圧演算部61での演算結果O分圧、CO/CO分圧比演算部62での演算結果CO/CO分圧比、H/HO分圧比演算部63での演算結果H/HO分圧比、ΔG(標準生成ギブスエネルギー)演算部64での演算結果ΔGなどの演算情報、ヒータ518に対する駆動電流、流量調整バルブ521A,521C、521D,521Eに対する流量制御情報などの制御情報をそれぞれリアルタイムでログデータファイル1241として記録する。
次にステップS6において状態監視&異常処理部66は、熱処理炉51,101の運転状態がエリンガム図の管理範囲に入っているか否かを判断し、運転状態がエリンガム図の管理範囲に入っている場合は制御部534に対して継続運転するように指示し、制御部534はステップS7で図示しない被処理材料519の搬送機構、ヒータ518、流量調整バルブ521A,521C、521D,521Eに対して継続運転をするための制御情報を出力する。
一方運転状態がエリンガム図の管理範囲に入っていない場合、状態監視&異常処理部66は表示データ生成部65に対して、表示装置531上の状態P1をブリンキング表示する、又はアラーム音を鳴らす等のアラーム処理を実行するよう指示する。同時に、図5及び図7〜図11に示すようにアラーム情報を通信回線55を介して熱処理炉51,101から離れた端末装置54にリアルタイムで送信する。
これにより状態P1が第1の管理範囲を外れた場合、生産管理技術者などのPCに緊急メールなどが通知されるので、生産管理技術者は熱処理用データベース535の事故データファイル1242に迅速にアクセスすることができる。生産管理技術者は事故解析ツールを用いて事故データファイル1242のデータを解析して事故の原因を突き止め、生産現場に対して対応の為の指示を行う。
次にステップS6において熱処理炉51,101の運転状態が第1のエリンガム図の管理範囲に入っていない場合の処理について、図13、図14を参照して詳細に説明する。
状態が正常運転の範囲を示す第1の管理範囲から第2の管理範囲に推移すると、ステップS8で状態監視&異常処理部66は表示データ生成部65に対して、アラーム処理を実行するよう指示する。これと同時に、アラーム情報を通信回線55を介して端末装置54にリアルタイムで送信する。
制御部534は、状態が第1の管理範囲から第2の管理範囲に推移すると状態を第1の管理範囲に戻すようにリアルタイムでフィードバック制御を行う。図14に示すように、第1の管理範囲と第2の管理範囲間では双方向に推移可能である。第2の管理範囲の運転モードとしては、ステップS10に示す制御部534が全ての制御を自動的に行う自動運転モードと、ステップS9に示すようにオペレータ又は技術者がマニュアルで制御部534に指示を与えて熱処理装置を運転するマニュアル運転モードとがある。自動運転モードを選択するか、マニュアル運転モードを選択するかは入力装置532から演算処理装置533,10533に選択指示を出してモードの切り替えを行う。
自動運転モード、マニュアル運転モードのいずれの場合も、状態が第3の管理範囲に入った場合(ステップS11でNOの場合)は不良品を出さないようにするためにステップS13に示すように熱処理炉51,101の運転を停止する。具体的には被処理材料519を搬送するコンベア又はローラの搬送動作を停止し、熱処理炉51,101に新たな被処理材料519が投入されないようにする。図14に示すように状態が第3の管理範囲に入った場合は、第2の管理範囲に復帰することは困難であり、事故の原因を究明し初期設定から熱処理装置の再起動を行うことが一般的な方法である。
またステップS11で熱処理炉51,101の運転状態が、エリンガム図の第2の管理範囲に入っていると判定された場合はステップS12で運転継続し、ステップS6又はステップS11で運転状態がどの管理範囲に入っているかを継続的に監視する。
上記に説明したことを具体的に説明すると、図13において第1の管理範囲内の状態P1が第2の管理範囲内の状態P2に遷移した場合を考える。状態P2は状態P1よりもエリンガム図でΔGが低い、すなわち、雰囲気ガスの還元性が高いことを表している。そこで制御部534は雰囲気ガスの酸化性を高めるために炭化水素ガスなどの還元性ガスの流量を小さくするように制御する。これにより状態P2はふたたび第1の管理範囲入って状態P3となったが、程なく第2の管理範囲に入り状態P4に遷移する。このような状態遷移を繰り返し、第2の管理範囲の状態P6が第3の管理範囲の状態P7に遷移した場合、第3の管理範囲の状態から第2の管理範囲の状態に遷移することは通常困難であり、状態P7に遷移した時点で熱処理炉61の運転を停止する。
以上説明したように管理範囲を第1の管理範囲乃至第3の管理範囲とに分け範囲毎に制御方法を適切化することにより、不良ロットの発生率を低減するとともに、運転停止期間の短縮を図っている。これにより、量産性に優れた熱処理装置を提供できる。
図13は横軸を温度、縦軸をΔGとして2次元の管理範囲を示しているが、図16(A)、(B)はこの2つのパラメータを2つのチャートに分離して示したものである。図16(A)は横軸を時間に、縦軸をΔGにとったときの状態変化を表しており、時刻t1まではΔGは管理範囲に入っているが時刻t1で管理範囲の上限を超えている。これを受けて表示データ生成部65は表示装置531上の状態P1’に対してブリンキング表示、又はアラーム音を鳴らす等のアラーム処理を実行する。図16(A)では管理パラメータとしてΔGの場合について説明したが、残留酸素分圧を管理パラメータとしこの残留酸素分圧が管理上限値を超すとアラーム処理を実行するようにしても良い。
図17は表示装置531の同一画面又は複数画面に(A)に示すエリンガム図における状態、(B)に示す管理パラメータの時間遷移、(C)に示すセンサからのセンサ情報及びこれらの演算値並びにガスの制御情報等を表示したものである。(A)は現時点での状態をエリンガム図の観点から2次元的に把握するのに有効であり、(B)は時間と共に管理パラメータがどのように変化しているのかを把握するのに有効である。例えば露点センサ527からの露点を時系列的に表示し、露点が管理範囲を外れた場合はガス供給装置52,72,82,92,102,112に異常が発生したと判断し、アラームを出力する。
一方、(C)は(A)又は(B)に示す状態の管理パラメータを詳細に表示している。
本発明による熱処理方法および熱処理装置は、図12に示す管理範囲ファイル123の管理範囲を用いて制御するが、図18を参照してこの管理範囲の決定方法について説明する。
ステップS21で炭素鋼、合金元素を含む鋼など様々な被処理材料から管理範囲を決めるために評価を行う被処理材料を選択し、ステップS22で選択した被処理材料に適合したプロセス、例えば光輝処理のプロセスP1等を選択する。次にステップS23で、選択したプロセスの既定プロセス条件を中心にして、評価のための複数の評価用プロセス条件を作成する。そして、この評価用プロセス条件の中から1つのプロセス条件を選択し、ステップS24で図5〜図11に示す熱処理装置と図15に示す熱処理方法を用いて被処理材料を熱処理する。
次にステップS25で、熱処理炉61の温度、O分圧、CO分圧、CO分圧、H分圧、HO分圧、CO/CO分圧比、H/HO分圧比、流量計522A〜522Fからの炭化水素流量、空気流量、水素流量、窒素流量等のガス流量とメタノール流量などの液体流量、ΔGなどをそれぞれ評価用ログデータとしてログデータファイル1241に記録する。
ステップS26で、評価用プロセス条件について全て試行したか否かを判断し、試行していない場合はS23で試行していない評価用プロセス条件を選択し、ステップS24、ステップS25の処理を繰り返し全ての評価用プロセス条件について熱処理を繰り返す。
ステップS27で、評価用プロセスで熱処理した個々の被処理材料の評価、具体的には被処理材料の色、表面硬度、脱炭及び浸炭の有無とその程度等について評価する。そしてこの評価結果からステップS28で目標とする仕様を満足する管理範囲を決定する。
次に本発明による熱処理方法の他の実施例について、図19を参照して説明する。
図19で被処理材料519は異なる熱処理を受けて、状態1→状態2→状態3と順次状態が遷移していくことを示している。例えば状態1の熱処理としては余熱ゾーンでの熱処理を、状態2の熱処理としては加熱ゾーンでの熱処理を、状態3の熱処理としては冷却ゾーンでの熱処理をそれぞれ表す。被処理材料519がベルトコンベア又はローラ等の搬送機構によって連続炉の中を移動し、ゾーン毎に異なる温度、異なる雰囲気ガスで熱処理される。
入力装置532から被処理材料519のロット番号を指定すると、そのロット番号の被処理材料519がどのゾーンにあり、エリンガム図のどの状態にあるのかをゾーンの位置やプロセス条件と共に、表示装置531に瞬時に表示することができる。また、冷却ゾーンにあるロットについては、その前に熱処理された加熱ゾーンにおけるエリンガム図を遡って表示することが出来る。
[実験例]
図20に被処理材料519を炭素鋼S45Cとし、熱処理温度900℃(1173K)で空気と燃料との比である空気比を変えて実験したときのエリンガム図を示す。左方の縦軸は0℃のときのΔG軸を表し、横軸は絶対温度(K)を表わしている。
2Fe+O2=2FeOで示した直線の上方は鉄が酸化する領域、直線の下方が鉄が還元する領域を表す。また2C+O2=2COで示した直線の上方は炭素が酸化され、この直線の下方は炭素が還元する領域すなわち脱炭しない領域を表す。
図21は図20の拡大図でありエリンガム図上の状態A〜Eと、この状態に対応する空気比、及びCO/CO分圧比を合わせて表している。被処理材料が還元し(酸化せず)、脱炭もしない領域は状態A,B、Cであることがわかる。図22に、空気比を変えて熱処理した被処理材料に対しての評価結果を示す。この表からわかるように空気比70%のとき、すなわちCO/CO=8.3/0.105=79のとき、表面硬度及び表面色とも最も良い条件であることがわかる。また状態Aと状態Bとの間に管理範囲の上限を設定すれば良いことがわかる。
上記に具体的に説明したように、図18のフローに基づき種々の被処理材料及びプロセスに対して好適な管理範囲を決定し、管理範囲ファイル123にライブラリとして記録する。本発明の熱処理装置はこのライブラリを用いて、柔軟な熱処理が可能な熱処理装置を提供することができる。
なお上記の説明において、炭化水素ガス、水素ガス、窒素ガスなどの各種ガスは、ガス供給装置の外部に設けられた図示しないタンクなどのガス供給源からガス供給装置に供給される。
11 発熱型変成ガス発生器
12 脱湿器
13 ガス混合器
14 炭化水素ガス供給器
15 加熱機能付ガス変成装置
16 ガス急冷・除湿装置
17 光輝焼鈍炉
18 酸素分圧計
19 カーボンポテンシャル演算制御器
21 加熱室
22 酸素分析装置
23 一酸化炭素分析装置
24 酸素分圧設定部
25 一酸化炭素分圧設定部
31 熱処理炉
32,33,34 酸素センサ
35 浸炭室
36 拡散室
37 均熱室
38 調節器
39 シーケンサ
41 ステンレス鋼
42 光輝焼鈍炉
43 還元ガス供給装置
44 リファイニング装置
45 色差計
46 制御装置
51,101 熱処理炉
52,72,82,92,102,112 ガス供給装置
53,1053 制御システム
54 端末装置
55 通信回線
511 温度センサ
512 ガスサンプリング装置
513 COセンサ
514 COセンサ
515 水素センサ
516,527 露点センサ
517 酸素センサ
518 ヒータ
519 被処理材料
521A〜521F 流量調整バルブ
522A〜522F 流量計
523 混合器
524,824,924 ガス変成装置
525 水冷装置
526 脱湿装置
528 CO吸着装置
531 表示装置
532 入力装置
533,10533 演算処理装置
534 制御部
535 熱処理用データベース
61 酸素分圧演算部
62 CO/CO分圧比演算部
63 H/HO分圧比演算部
64 ΔG(標準生成ギブスエネルギー)演算部
65 表示データ生成部
66 状態監視&異常処理部
67 センサI/F
921 余熱装置
121 被処理材料ファイル
122 プロセス制御ファイル
123 管理範囲ファイル
124 運転記録ファイル
1241 ログデータファイル
1242 事故データファイル

Claims (20)

  1. 被処理材料を熱処理する熱処理炉と、この熱処理炉に雰囲気ガスを供給するガス供給装置と、熱処理中の雰囲気状態を検知するセンサであって、温度センサ及び他のセンサ(酸素センサ、水素センサ、露点センサ、COセンサ又はCO センサのいずれかのセンサ)からのセンサ情報を参照して前記ガス供給装置の制御を行う制御システムを有する熱処理装置であって、
    記センサ情報を参照し、前記熱処理炉における雰囲気ガスの標準生成ギブスエネルギーを算出する標準生成ギブスエネルギー演算部と、
    前記被処理材料のエリンガム図、及び前記標準生成ギブスエネルギーを前記熱処理炉の温度に対応して前記エリンガム図上に表示する為の表示データとして生成する表示データ生成部と、を備える熱処理装置。
  2. 前記表示データ生成部は、前記エリンガム図における前記熱処理炉の管理範囲を含む前記表示データを生成する請求項1記載の熱処理装置。
  3. 前記管理範囲は前記熱処理炉の正常運転範囲を示す第1の管理範囲と、
    前記第1の管理範囲の外側にあって、前記エリンガム図上の状態が前記第1の管理範囲を外れ、この管理範囲に入ったときにアラーム出力を行うが継続運転する第2の管理範囲と、
    前記第2の管理範囲の外側にあって、この管理範囲に入ったときに前記熱処理装置の運転を停止する第3の管理範囲とを有する請求項2記載の熱処理装置。
  4. 前記標準生成ギブスエネルギー演算部は、酸素分圧、一酸化炭素分圧と二酸化炭素分圧、水素分圧と露点情報のうちのいずれかの情報、又は複数の情報を用いて演算することにより前記標準生成ギブスエネルギーを算出する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  5. 前記エリンガム図上の前記標準生成ギブスエネルギーの状態を監視し、前記状態が前記第1の管理範囲から逸脱した際にアラーム出力を行い、前記状態が前記第3の管理範囲に遷移した際に前記熱処理装置の運転を停止するように制御情報を出力する状態監視&異常処理部を備える請求項3記載の熱処理装置。
  6. 前記被処理材料のプロセス情報、前記熱処理装置の運転に関するログ情報、事故情報の少なくとも一つを記録する熱処理用データベースを備える請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  7. 前記被処理材料に対して複数の評価用プロセス条件を設定し、これらの条件に対してそれぞれ熱処理を行った前記被処理材料を評価し、評価結果から前記管理範囲を定める請求項2、請求項3または請求項5記載の熱処理装置。
  8. 前記被処理材料の前記状態が順次遷移していく場合、前記被処理材料のロット番号を指定すると、前記被処理材料のエリンガム図が順次同一画面又は複数の画面上に表示される請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  9. 前記熱処理用データベースは、炭素鋼、合金元素を含む鋼の少なくとも1つを含む前記被処理材料のリスト又はライブラリを記録した被処理材料ファイルと、光輝処理、調質処理、焼入/焼戻処理の少なくとも1つを含む前記熱処理のリスト又はライブラリを記録したプロセス制御ファイルを備える請求項6記載の熱処理装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱処理装置において、前記表示データを通信回線を介して表示すると共に、前記制御システムを制御する為の制御情報を送信する端末装置を備える熱処理システム。
  11. 前記熱処理装置に異常が発生した場合、異常を報知するアラーム情報が前記端末装置に表示される請求項10記載の熱処理システム。
  12. 前記ガス供給装置は、流量を前記制御システムにより制御される炭化水素ガスと空気とを混合する混合器と、
    前記混合器からの混合ガスを燃焼するガス変成装置と、
    前記ガス変成装置からのガスを水冷し脱湿する手段と、を備える請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  13. 前記変成ガスに含まれる二酸化炭素の濃度を減少させる手段を設ける請求項12記載の熱処理装置。
  14. 前記ガス供給装置は、流量を前記制御システムにより制御され前記熱処理炉に炭化水素ガスを供給する手段と、
    炭化水素ガスと空気とを混合する混合器と、
    前記混合器からの混合ガスを燃焼しRXガスとして前記熱処理炉に供給するガス変成装置と、を備える請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  15. 前記ガス供給装置は、流量を前記制御システムにより制御されるアルコールを気化する余熱装置と、
    前記余熱装置からのガスを燃焼して変成ガスを生成し前記熱処理炉に供給するガス変成装置と、を備える請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  16. 前記ガス供給装置は、流量を前記制御システムにより制御される水素ガスと中性ガス又は不活性ガスとを混合し前記熱処理炉に供給する混合器を備える請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  17. 前記ガス供給装置は、流量を前記制御システムにより制御される炭化水素ガスを前記熱処理炉に供給する手段と、
    中性ガス又は不活性ガスを前記熱処理炉に供給する手段と、を備える請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  18. 前記ガス供給装置から前記熱処理炉に供給される雰囲気ガスの露点、CO分圧、CO分圧、H分圧、HO分圧、O分圧、CH分圧のいずれかを検知し、これらの対応する情報を前記制御システムに出力する露点センサ、COセンサ、COセンサ、水素センサ、酸素センサ、メタンセンサの各センサのうち少なくとも一つを設ける請求項1乃至請求項9のいずれか1項、又は請求項12乃至請求項17のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  19. 前記センサから前記制御システムに伝送する伝送路が専用のセンサバスにより構成されている請求項1乃至請求項9のいずれか1項、又は請求項12乃至請求項18のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  20. 被処理材料を熱処理炉に供給する雰囲気ガス中で熱処理する熱処理方法であって、
    熱処理中の雰囲気状態を検知するセンサであって、温度センサ及び他のセンサ(酸素センサ、水素センサ、露点センサ、COセンサ又はCO センサのいずれかのセンサ)からのセンサ情報を参照して前記熱処理炉における雰囲気ガスの標準生成ギブスエネルギーを算出し、
    前記熱処理炉のエリンガム図及び前記標準生成ギブスエネルギーを、前記熱処理炉の温度に対応して前記エリンガム図上に表示する為の表示データとして生成する熱処理方法。
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