JP5534600B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関するものであり、特に、低圧フィードポンプとして電動低圧ポンプを用いた蓄圧式燃料噴射装置を用いて内燃機関の制御を行う内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、車両に搭載される内燃機関の気筒内に燃料を噴射するための装置として、高圧ポンプによって加圧された燃料を一時的に蓄積するためのコモンレールを備えた蓄圧式燃料噴射装置が用いられている。この蓄圧式燃料噴射装置は、燃料タンクと、低圧フィードポンプと、高圧ポンプと、コモンレールと、燃料噴射弁等によって構成されている。このような蓄圧式燃料噴射装置では、コモンレール内に蓄積された高圧状態の燃料が各燃料噴射弁に供給された状態で、各燃料噴射弁の通電制御が行われることにより、所望の噴射タイミングで内燃機関の気筒内に燃料を噴射することができるようになっている。
蓄圧式燃料噴射装置に備えられる低圧フィードポンプとしては、内燃機関の駆動力によって作動する機械式ポンプや、バッテリから供給される電圧によって作動する電動ポンプがある。機械式ポンプの場合には、内燃機関のクランクシャフトが回転しない限りポンプも作動しない。一方、電動ポンプの場合には、内燃機関の回転の有無にかかわらず電圧の供給の有無を制御することで、ポンプの作動状態を制御することができる。
ここで、低圧フィードポンプとして電動低圧ポンプを用いて、内燃機関の始動時に、内燃機関への燃料噴射を速やかに開始できるように構成した燃料噴射装置が開示されている。具体的には、内燃機関の停止状態からイグニッションスイッチがオンになることにより、内燃機関の運転再開の意思を運転者が有するとECUが判断して、イグニッションスイッチがスタータ位置(クランキング位置)になる前に、電動低圧ポンプを作動させるようにした燃料噴射装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平8−121281号公報(図7)
低圧フィードポンプが機械式ポンプである場合はもちろん、電動ポンプを用いる場合であってもクランキングが開始されない限り低圧フィードポンプが作動しないようになっている場合には、高圧ポンプによる燃料の圧送が可能になってコモンレール内の圧力が噴射可能圧力に到達するまでに時間がかかり、内燃機関が始動(完爆)するまでクランキング時間が長くなりやすい。特に、ガス欠後に燃料を補充した後や、蓄圧式燃料噴射装置の組立、修理後など、装置内に燃料が充填されていない状態で内燃機関を始動する場合にあっては、クランキング開始から内燃機関始動までに長時間を要することになる。このように無駄なクランキング時間が増えると、バッテリへの負荷が増大し、ひいてはバッテリが上がってしまうおそれがある。
これに対して、特許文献1の装置は、イグニッションスイッチがオンになった時点で電動低圧ポンプを作動させるように構成されているが、イグニッションスイッチがオンの位置にある状態とはクランキング音が生じていない比較的静かな状態であるため、電動低圧ポンプの作動音が運転者等に認識されやすい。蓄圧式燃料噴射装置内に燃料が充填されていない状況であれば電動低圧ポンプの作動音が認識されても止むを得ないが、そうでない場合においてもイグニッションスイッチがオンになった時点で常に電動低圧ポンプが作動するようになっていると、本来発生させる必要ない音が運転者等に認識されることになる。
本発明の発明者はこのような問題に鑑み、内燃機関の始動時において、所定時間以上クランキングをしたにもかかわらず内燃機関が始動しなかった場合に限って、クランキング停止後も低圧ポンプを継続して作動させるようにすることにより上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、基本的にはクランキング中にのみ電動低圧ポンプを作動させて電動低圧ポンプの作動音が運転者等に認識されないようにする一方で、蓄圧式燃料噴射装置内に燃料が充填されていないような状況においてのみ、クランキング停止後も電動低圧ポンプの作動を継続して、内燃機関の始動までのクランキング時間の短縮を可能とする内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、電動低圧ポンプによって供給される燃料を高圧ポンプで加圧してコモンレールに圧送し、コモンレールに接続された複数の燃料噴射弁から内燃機関の気筒内に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置を用いて内燃機関の運転制御を行うための内燃機関の制御装置において、内燃機関の始動時にクランキングの実行を制御するクランキング制御手段と、内燃機関が始動したか否かを検出する始動検出手段と、クランキングの開始時に電動低圧ポンプの作動を開始するとともに、クランキングの停止時に内燃機関が始動していない場合において、クランキング時間が所定の閾値未満である場合には電動低圧ポンプを停止する一方、クランキング時間が閾値以上である場合には電動低圧ポンプの作動を継続する制御を行う低圧ポンプ制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、内燃機関の始動までにクランキングが複数回繰り返された場合には、複数回のクランキングの合計時間をクランキング時間として用いることが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、低圧ポンプ制御手段は、クランキングが停止し内燃機関が始動していない場合において、コモンレール内の圧力が所定の閾値以上であるか否かを判別し、コモンレール内の圧力が閾値以上である場合には、電動低圧ポンプを停止させ、コモンレール内の圧力が閾値未満である場合には、さらにクランキング時間が所定の閾値以上であるか否かを判別し、クランキング時間が閾値未満である場合には電動低圧ポンプを停止する一方、クランキング時間が閾値以上である場合には電動低圧ポンプの作動を継続することが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、低圧ポンプ制御手段は、クランキング時間が閾値以上となって電動低圧ポンプの作動を継続させた場合に、予め定められた所定時間の経過後に電動低圧ポンプの作動を停止することが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、低圧ポンプ制御手段は、クランキング時間が閾値以上となって電動低圧ポンプの作動を継続させた場合に、燃料通路内の圧力が所定の必要圧力値に達したときに電動低圧ポンプを停止することが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、低圧ポンプ制御手段は、クランキング時間が閾値以上となって電動低圧ポンプの作動を継続させた場合に、クランキング中にコモンレール内の圧力が上昇したか否かに応じて、電動低圧ポンプを停止するタイミングを異ならせることが好ましい。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の始動時において、クランキングの停止時に内燃機関が始動していないときに、クランキング時間が所定の閾値以上である場合に限って電動低圧ポンプの作動が継続するようになる。したがって、基本的には電動低圧ポンプの作動音が運転者等に認識されなくなる一方で、蓄圧式燃料噴射装置内に燃料が充填されていないような状況においては引き続き燃料が装置内に供給される。その結果、次回のクランキング時における内燃機関が始動するまでのクランキング時間が短縮され、バッテリへの負荷の増大や、ひいてはバッテリ上がりのおそれを低減することができる。
第1の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置の全体的構成を示す図である。 第1の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態のコントロールユニットによって実行される制御方法の一例を説明するためのタイムチャート図である。 第1の実施の形態のコントロールユニットによって実行される制御方法の一例を説明するためのタイムチャート図である。 第1の実施の形態のコントロールユニットによって実行される制御方法の一例を説明するためのタイムチャート図である。 コントロールユニットによって実行される制御方法の一例を説明するためのフローチャート図である。 第1の実施の形態のコントロールユニットによって実行される電動低圧ポンプの制御の具体例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置の全体的構成を示す図である。 第2の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 第2の実施の形態のコントロールユニットによって実行される制御方法の一例を説明するためのタイムチャート図である。 第2の実施の形態のコントロールユニットによって実行される電動低圧ポンプの制御の具体例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の内燃機関の制御装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、以下の実施の形態は、本発明の一態様を示すものであってこの発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
[第1の実施の形態]
1.全体的構成
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置50の全体的構成の一例を示している。この内燃機関の制御装置50は車両に搭載された内燃機関40の制御を行うためのものである。
内燃機関40は、クランクシャフト43の回転に伴ってピストン42が気筒41内を往復動可能になっており、気筒41内が圧縮状態のときに気筒41内に燃料が噴射されて爆発を生じ、気筒41内が膨張状態となることで駆動力が得られるものである。この内燃機関40には、始動時にクランクシャフト43を強制的に回転させるスタータ装置45が備えられている。また、内燃機関40には、クランクシャフト43の回転数(機関回転数)を検出する回転数センサ44が設けられている。
また、内燃機関の制御装置50は蓄圧式燃料噴射装置20と、各コンポーネントの制御を行うためのコントロールユニット(ECU)60を備えている。蓄圧式燃料噴射装置20は、内燃機関40の気筒41に燃料を噴射するための装置であって、燃料タンク1と、電動低圧ポンプ2と、流量制御弁8と、高圧ポンプ5と、コモンレール10と、圧力制御弁12と、インジェクタ13等を主たる要素として備えている。
電動低圧ポンプ2は、燃料タンク1内の燃料を吸い上げて高圧ポンプ5に向けて圧送するようになっている。電動低圧ポンプ2は、内燃機関40の駆動力によらずに、バッテリから供給される電流によって駆動する電磁式の低圧フィードポンプが用いられている。
高圧ポンプ5は、電動低圧ポンプ2によって圧送され加圧室5aに導入される燃料を加圧してコモンレール10へ圧送するようになっている。高圧ポンプ5には、内燃機関40のクランクシャフト43に連結されたカムシャフトの回転に伴って上下動するプランジャ25が備えられている。このプランジャ25の上下動によって容積が可変する加圧室5aには、燃料吸入弁15を介して燃料が流入するとともに、加圧された燃料が燃料吐出弁16を介してコモンレール10に圧送されるようになっている。
本実施形態において、高圧ポンプ5の燃料吸入弁15は機械式の弁によって構成されたものであり、燃料吸入弁15の上流側の圧力が、燃料吸入弁15を閉弁方向に付勢するバルブスプリングの付勢力と加圧室5a内の圧力との総和を上回ったときに開弁して、加圧室5a内に燃料が導入されるようになっている。すなわち、加圧室5aに向けて供給される燃料の圧力が所定圧力以上に上昇しない限り、プランジャ25の上下動にかかわらず加圧室5a内に燃料が導入されにくくなっている。
電動低圧ポンプ2によって送られる燃料を高圧ポンプ5の加圧室5aに導く低圧供給通路18には、燃料の流量を比例制御するための流量制御弁8が備えられている。流量制御弁8よりも上流側の低圧供給通路18には第1のリターン通路30aが接続されており、第1のリターン通路30aにはオーバーフローバルブ14が備えられている。これにより、流量制御弁8よりも上流側の低圧供給通路18内の圧力が所定の圧力を超えた時に、燃料の一部が第1のリターン通路30aを介して燃料タンク1へ戻されるようになっている。
高圧ポンプ5と高圧供給通路37を介して接続されたコモンレール10には、高圧ポンプ5によって圧送される高圧の燃料が蓄積され、複数の燃料噴射弁13に対して均等な圧力で燃料が供給されるようになっている。このコモンレール10にはレール圧センサ21が設けられている。レール圧センサ21のセンサ信号はECU60に送られて、ECU60ではレール圧が検出される。また、コモンレール10には、コモンレール10から排出する燃料の流量を比例制御するための圧力制御弁12が備えられた第2のリターン通路30bが接続されている。
コモンレール10に接続されたそれぞれの燃料噴射弁13は、通電制御によって開閉の制御が行われ、コモンレール10から供給される燃料を内燃機関40の気筒41に噴射する。この燃料噴射弁13には、燃料噴射弁13の開閉の制御に伴って排出されるリーク燃料等を燃料タンク1に戻すための第3のリターン通路30cが接続されている。
このように構成される内燃機関の制御装置50では、内燃機関40の始動時にイグニッションスイッチがクランキング位置に操作されスタータ装置45によってクランキングが開始されると、内燃機関40のピストン42が気筒41内を上下動する。同時に、クランキングによって高圧ポンプ5の駆動も開始される。そして、各気筒41の圧縮状態において燃料噴射弁13への噴射指示が繰り返され、レール圧が所定圧力に到達したときに燃料噴射弁13による正常噴射が実行されて内燃機関40が始動(完爆)する。
2.コントロールユニット(ECU)
図2は、本実施形態の内燃機関の制御装置50に備えられたECU60の構成のうち、内燃機関40の始動時の制御に関連する部分を機能的なブロックで表した図を示している。
このECU60は、公知の構成からなるマイクロコンピュータを中心に構成されており、クランキング制御部61と、始動検出部62と、燃料噴射弁制御部64と、レール圧検出部65と、低圧ポンプ制御部66等を主要な要素として備えている。これらの各部は、具体的にはマイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現されるものである。
また、ECU60には、種々の制御プログラムやデータ情報があらかじめ記憶されたROM(図示せず。)や、上記の各部による検出結果や演算結果が記憶されるRAM70等の記憶手段、及びタイマカウンタが備えられている。このECU60は、内燃機関40に備えられた回転数センサ44や、アクセル操作量を検出するためのアクセルセンサをはじめとして、種々のセンサのセンサ信号を読込み可能になっている。
クランキング制御部61は、内燃機関40のイグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されている間、スタータ装置45に対してクランキング実行の指示を出力するようになっている。このクランキング実行の指示が出力されている時間がRAM70に記憶されるようになっている。また、レール圧検出部65は、コモンレール10に設けられたレール圧センサ21のセンサ信号に基づいてレール圧Prailを検出するように構成されている。
始動検出部62は、内燃機関40が始動(完爆)したか否かを検出可能に構成されている。例えば、本実施形態においては、始動検出部62は回転数センサ44の信号に基づいて機関回転数Neを求め、機関回転数Neが所定のアイドル回転数に到達したか否かを判別することで内燃機関40の始動を検出するようになっている。ただし、内燃機関40の始動を検出する手段は、機関回転数Ne以外の情報を用いるように構成されていてもよい。
燃料噴射弁制御部64は、イグニッションスイッチ46がオン位置及びクランキング位置に操作されている間、回転数センサ44の信号に基づいて各気筒41のピストン42の位置を検出し、所定の噴射タイミングに合わせて燃料噴射弁13に対して噴射の指示を出力する。内燃機関40の始動時においては、イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作され、レール圧Prailが所定の噴射可能圧力以上である場合に正常な燃料噴射が行われ、内燃機関40の始動が完了する。
低圧ポンプ制御部66は、内燃機関40の始動前において、イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されたときに、電動低圧ポンプ2の作動を開始するようになっている。したがって、クランキングが継続される期間中においては、蓄圧式燃料噴射装置20内を燃料が流通する状態となる。
また、低圧ポンプ制御部66は、イグニッションスイッチ46がクランキング位置からオン位置に戻されたときに、内燃機関40の始動が完了しているか否かの情報を読込むようになっている。そして、内燃機関40の始動が完了している場合には、その後イグニッションスイッチ46が電源オン位置(以下「アクセサリ位置」と称する。)に戻されて内燃機関40の運転が停止されない限り、低圧ポンプ制御部66は電動低圧ポンプ2を作動状態で維持する制御を行う。
また、イグニッションスイッチ46がクランキング位置からオン位置に戻されたときに、内燃機関40が始動していない場合には、低圧ポンプ制御部66は、レール圧Prailが所定の閾値Prail0以上になっているか否かを判別するようになっている。この閾値Prail0は、実際のレール圧Prailが噴射可能圧力に近づいているか否かを判断するための値であり、噴射可能圧力よりも小さい値に設定される。レール圧Prailが閾値Prail0以上になっている場合には、次回のクランキング時に速やかに内燃機関40が始動できる状態であるために、低圧ポンプ制御部66は電動低圧ポンプ2を停止させるようになっている。
一方、レール圧Prailが閾値Prail0未満である場合には、低圧ポンプ制御部66は、さらにRAMに記憶されているクランキング時間Tcrankを読込むようになっている。そして、低圧ポンプ制御部66はクランキング時間Tcrankを所定の閾値Tcrank0と比較し、クランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0未満であれば電動低圧ポンプ2を停止する一方、クランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0以上であれば電動低圧ポンプ2の作動を継続する制御を行う。
クランキング時間Tcrankと比較される閾値Tcrank0は、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていない状態からクランキングを開始して内燃機関40が始動するまでの所要時間よりも短い時間に設定される。
例えば、この場合の所要時間は30秒程度であり、閾値Tcrank0は一例として、所要時間の2分の1の値や3分の1の値とすることができるが、特に制限されるものではない。
ただし、閾値Tcrank0が過度に短い時間である場合には、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されている状態であるにもかかわらず、クランキング停止後も無駄に電動低圧ポンプ2を作動させるおそれがあるため、例えば、10秒以上とする。
なお、燃料が充填されている状態でのクランキングに要する時間、すなわち、クランキングを開始して内燃機関が始動するまでの所要時間は、常温(25℃)であれば1秒以内、極低温(−25℃)であれば2秒程度である。
また、クランキング時間Tcrankに関し、1回のクランキング時間が閾値Tcrank0未満であったとしても、内燃機関40の始動が完了するまでの間にクランキングが繰り返され、その合計時間が閾値Tcrank0を超えた場合には、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていない状態であったことを推定することができる。したがって、内燃機関40の始動が完了するまでの間に実行されたクランキング時間の積算値を閾値Tcrank0との比較に用いるように設定することが好ましい。この場合、内燃機関40の始動が完了したときには積算値がリセットされるようにする。
また、本実施形態において、低圧ポンプ制御部66は、クランキング停止後に電動低圧ポンプ2の作動を継続した場合に、あらかじめ定められた所定時間Txが経過したときに電動低圧ポンプ2の作動を停止するようになっている。イグニッションスイッチ46がオン位置にあってクランキングが停止している状態では高圧ポンプ5も停止した状態であり、高圧ポンプ5の燃料吸入弁15よりも上流側の低圧供給通路18内に燃料が充填された後には電動低圧ポンプ2の作動が無駄になるだけでなく、発生させる必要のない作動音が運転者等に認識されることになるからである。
電動低圧ポンプ2の作動を継続させる所定時間Txは特に制限されるものではないが、例えば、低圧供給通路18内の圧力が、高圧ポンプ5の加圧室5aへの燃料の導入が可能となる必要圧力値に到達するまでの最大時間を考慮して設定することができる。この所定時間Txはクランキングが停止した後に作動を継続させる時間であり、クランキングの停止時までにすでに電動低圧ポンプ2によって低圧供給通路18への燃料の圧送がされていることから、継続させる所定時間Txは最大時間よりも短い時間であってよい。
また、電動低圧ポンプ2の作動を継続させる所定時間Txは、それまでのクランキング時間Tcrankに応じて異なる値であってもよい。クランキング時間Tcrankが長時間であるほど、これまでに電動低圧ポンプ2によって蓄圧式燃料噴射装置20へ圧送された燃料の供給量は多くなり、低圧供給通路18に燃料が充填されるまでに要する時間が短時間で済むようになる。したがって、クランキング停止までのクランキング時間Tcrankが長いほど、その後の電動低圧ポンプ2の作動を継続させる時間が短くなるように設定することができる。
また、クランキング停止後に電動低圧ポンプ2の作動を継続させる期間中、電動低圧ポンプ2の出力が高められるようになっていてもよい。このように設定されている場合には、作動音がやや大きくなるおそれがあるものの、クランキング停止後に電動低圧ポンプ2の作動を継続して低圧供給通路18内に燃料を供給する時間を短くすることができ、内燃機関40の始動までの総時間を短縮することができる。
3.制御方法
次に、これまで説明した内燃機関の制御装置50のECU60によって実行される内燃機関40の始動時の制御方法の具体例を、図3〜図5のタイムチャート図と図6及び図7のフローチャート図に基づいて説明する。
(1)タイムチャート
図3〜図5のタイムチャート図は、内燃機関40の始動時におけるイグニッションスイッチ46の位置、クランキングのオンオフ、電動低圧ポンプ2のオンオフ、レール圧Prailの推移をそれぞれ示している。図3はクランキング停止時にレール圧Prailが所定の閾値Prail0以上になる場合のタイムチャート図である。また、図4は蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されている通常の状態からの再始動時のタイムチャート図であり、図5はガス欠後に燃料を補充した後等、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充分に充填されていない状態からの再始動時のタイムチャート図である。
まず、図3のタイムチャート図において、イグニッションスイッチ46がt0の時点でアクセサリ位置に操作された後、t1の時点でオンの位置に操作され、さらにt2の時点でクランキング位置に操作される。イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されたt2の時点で、電動低圧ポンプ2の作動が開始されるとともに、スタータ装置45によってクランキングが開始される。
クランキング期間中、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填され、クランキングによって高圧ポンプ5からコモンレール10に向けて燃料が圧送されるようになれば、レール圧Prailは徐々に上昇はじめる。クランキングが実行されている間は、クランキング音が生じているために電動低圧ポンプ2の作動音は運転者に認識されない。レール圧Prailが、燃料の正常噴射が可能な噴射可能圧力を超えたときに内燃機関40が始動(完爆)するが、図3のタイムチャート図の例では、内燃機関40の始動前のt3の時点でイグニッションスイッチ46がオンの位置に戻されている。
イグニッションスイッチ46がオンの位置に戻されるとクランキングは停止されるが、クランキングが停止されたt3の時点のレール圧Prailが閾値Prail0以上になっているために、t3の時点で電動低圧ポンプ2の作動も停止される。このように、クランキング停止時にレール圧Prailが閾値Prail0以上であり、次回のクランキング時に速やかに内燃機関40が始動されるような場合には、クランキングの停止に合わせて電動低圧ポンプ2の作動も停止され、本来的に発生させる必要のない音が運転者等に認識されることを防ぐことができる。
その後、t4の時点でイグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作され、再び電動低圧ポンプ2が作動されるとともに内燃機関40のクランキングが開始されると、レール圧Prailが再び上昇する。そして、レール圧Prailが噴射可能圧力に到達したt5の時点で内燃機関40が始動(完爆)する。その結果、運転者によってイグニッションスイッチ46がオン位置に戻され、クランキングは停止する。
次に、図4のタイムチャート図において、イグニッションスイッチ46がt10の時点でアクセサリ位置に操作された後、t11の時点でオンの位置に操作され、さらにt12の時点でクランキング位置に操作される。イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されたt12の時点で、電動低圧ポンプ2の作動が開始されるとともに、スタータ装置45によってクランキングが開始される。
蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されている状況においては、クランキングによって高圧ポンプ5からコモンレール10に向けて燃料が圧送され、レール圧Prailが徐々に上昇する。クランキングが実行されている間は、クランキング音が生じているために電動低圧ポンプ2の作動音は運転者に認識されない。レール圧Prailが、燃料の正常噴射が可能な噴射可能圧力を超えたときに内燃機関40が始動(完爆)するが、図4のタイムチャート図の例では、レール圧Prailが閾値Prail0に到達する前、かつ、クランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0に到達する前のt13の時点でイグニッションスイッチ46がオンの位置に戻されている。
イグニッションスイッチ46がオンの位置に戻されるとクランキングは停止される。また、ここまでのクランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0未満であるために、t13の時点で電動低圧ポンプ2の作動も停止される。このように、クランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0未満であり、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていないと推定することができない場合には、クランキングが停止されるときに電動低圧ポンプ2の作動も停止され、本来的に発生させる必要のない音が運転者等に認識されることを防ぐことができる。
その後、t14の時点でイグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作され、再び電動低圧ポンプ2が作動されるとともに内燃機関40のクランキングが開始されると、レール圧Prailが再び上昇する。そして、レール圧Prailが噴射可能圧力に到達したt15の時点で内燃機関40が始動(完爆)する。その結果、運転者によってイグニッションスイッチ46がオン位置に戻され、クランキングは停止する。
次に、図5のタイムチャート図において、イグニッションスイッチ46がt20の時点でアクセサリ位置に操作された後、t21の時点でオンの位置に操作され、さらにt22の時点でクランキング位置に操作される。イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されたt22の時点で、電動低圧ポンプ2の作動が開始されるとともに、スタータ装置45によってクランキングが開始される。
蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていれば所定回数のクランキングが行われることで内燃機関40が始動するが、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていない状況においては、内燃機関40は長時間始動することがないため、イグニッションスイッチ46が戻されない限りクランキングが継続させられる。図5のタイムチャート図においては、イグニッションスイッチ46がオンの位置に戻されるt23の時点までクランキングが継続している。
t22〜t23の期間は、クランキング音が生じているために電動低圧ポンプ2の作動音は運転者に認識されない。また、ガス欠後に燃料を補充した後の再始動時等、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていない状況においては、電動低圧ポンプ2が作動し、クランキングが実行されているt22〜t23の期間中であっても、高圧ポンプ5からコモンレール10への高圧の燃料の圧送は十分でないためにレール圧Prailが大きく上昇することはない。
t23の時点でクランキングは停止されるが、ここまでのクランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0以上になっている場合には、t23の時点以降も電動低圧ポンプ2の作動が継続される。そして、t23の時点から、あらかじめ決められた所定時間Txが経過したt24の時点で電動低圧ポンプ2の作動が停止される。t24の時点では、低圧供給通路18内に燃料が充填され、低圧供給通路18内の圧力が上昇しているものの、高圧ポンプ5は駆動していないためにレール圧Prailが変化することはない。
その後、t25の時点でイグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作され、再び電動低圧ポンプ2が作動されるとともに内燃機関40のクランキングが開始されると、高圧ポンプ2からコモンレール10に対して高圧の燃料が圧送されることによりレール圧Prailが上昇する。そして、レール圧Prailが噴射可能圧力に到達したt26の時点で内燃機関40が始動(完爆)する。その結果、運転者によってイグニッションスイッチ46がオン位置に戻され、クランキングは停止する。
これら図3及び図5のタイムチャート図に示されるように、本実施形態の内燃機関の制御装置50では、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていないと判断されない限り、クランキングの開始又は停止に合わせて電動低圧ポンプ2の作動又は停止が切換えられるようになっている。そして、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていないと推定される場合に限って、クランキングの停止後も電動低圧ポンプ2の作動が所定時間Tx継続させられるようになっている。
(2)フローチャート
図6及び図7は、本実施形態の内燃機関の制御装置50のECU60によって実行される制御のフローチャートを示している。図6は制御の全体の流れを示すフローチャートであり、図7は電動低圧ポンプ2の作動を継続させる際の具体的な制御の流れを示すフローチャート図である。
まず、イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されると、ECU60は、ステップS1でスタータ装置45によってクランキングを開始させるとともに、ステップS2で電動低圧ポンプ2の作動を開始させる。
その後、イグニッションスイッチ46がオン位置に戻されると、ECU60は、ステップS3でクランキングを停止させた後、ステップS4で内燃機関40が始動したか否かを判別する。ステップS4で内燃機関40が始動したと判別された場合には、ステップS5に進み、ECU60は電動低圧ポンプ2の作動をそのまま継続させる。
一方、ステップS4で内燃機関40が始動していないと判別された場合には、ステップS6に進み、ECU60はレール圧Prailが閾値Prail0未満であるか否かを判別する。レール圧Prailが閾値Prail0以上となっていれば、次回のクランキング時に速やかに内燃機関40が始動される状態となっているために、ステップS10に進んで、ECU60は電動低圧ポンプ2の作動を停止させる。これにより、クランキングの停止中に本来発生させる必要のない電動低圧ポンプ2の作動音が運転者等に認識されることがなくなる。
一方、ステップS6でレール圧Prailが閾値Prail0未満である場合には、ステップS7に進み、ECU60はクランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0以上であるか否かを判別する。クランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0未満であると判別された場合にはステップS9に進み、ECU60は、内燃機関40の始動前に実行されたクランキング時間Tcrankの積算時間が閾値Tcrank0以上であるか否かを判別する。ステップS7あるいはステップS9では、今回の内燃機関40の始動時において蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されているか否かが推定されることになる。
ステップS9において、クランキング時間Tcrankの積算時間も閾値Tcrank0に到達していないと判別された場合には、ステップS10に進んで、ECU60は電動低圧ポンプ2の作動を停止させる。これにより、クランキングの停止中に本来発生させる必要のない電動低圧ポンプ2の作動音が運転者等に認識されることがなくなる。
一方、ステップS7においてクランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0以上であると判別された場合や、ステップS9においてこれまでのクランキングの積算時間が閾値Tcrank0以上であると判別された場合には、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていないと推定されるために、ステップS8に進んで電動低圧ポンプ2の作動を継続させる。本実施形態の内燃機関の制御装置50において、ステップS8は図7のフローチャート図に沿って実行される。
図7のフローチャート図について説明すると、電動低圧ポンプ2の作動を継続させた状態で、ECU60は、ステップS11でタイマカウントを開始した後、ステップS12で、タイマ値Tpumpがあらかじめ設定された所定時間Txに達したか否かを判別する。
ステップS12でタイマ値Tpumpがあらかじめ設定された所定時間Txに到達している場合には、ステップS13に進んで、ECU60は電動低圧ポンプ2の作動を停止した後、次回のクランキング開始に備えて図6のステップS1に戻る。この時点で、蓄圧式燃料噴射装置20内の低圧供給通路18内の圧力が上昇した状態となる。一方、ステップS12でタイマ値Tpumpが所定時間Tx未満である場合には、ステップS14に進み、ECU60はイグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されているか否かを判別する。
イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されていなければステップS12に戻り、ECU60はタイマ値Tpumpの判別を繰り返す。一方、イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されていれば、ステップS15に進んで、ECU60はスタータ装置45によってクランキングを再開させ、電動低圧ポンプ2の作動時間をカウントするタイマ値Tpumpをリセットした後、図6のステップS3に戻ってクランキングの停止を待つ。
本実施形態の内燃機関の制御装置50は、このようにレール圧Prailの上昇具合及びクランキング時間Tcrankの長さに基づいて蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されているか否かを推定し、燃料が充填されていないと推定される状況においてのみクランキング停止後も電動低圧ポンプ2の作動を継続するように構成される。したがって、基本的には電動低圧ポンプ2の作動音が運転者等に認識されることがない一方、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていない場合に限っては、クランキングの停止期間中にも蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が供給されるようになり、クランキング時間の短縮が図られるようになる。
なお、クランキング停止時に電動低圧ポンプ2の作動を継続する間、運転者がそのことを認識できるように準備ランプを点灯させるようにしてもよい。このようにすることで、電動低圧ポンプ2の作動が停止して低圧供給通路18内の圧力が上昇した後にクランキングが再開されやすくなり、クランキング時間を確実に短くすることができるようになる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、基本的には第1の実施の形態の内燃機関の制御装置と同様の構成を有しているが、クランキング停止時に電動低圧ポンプの作動を継続させた後、低圧供給通路内の圧力を監視しながら作動を停止させるタイミングを計る点で第1の実施の形態とは異なっている。以下、本実施形態の内燃機関の制御装置について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
1.低圧センサ
図8は、本実施形態の内燃機関の制御装置50Aの全体的構成の一例を示している。この内燃機関の制御装置50Aは、基本的には第1の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置50と同様の構成を有しているが、電動低圧ポンプ2と高圧ポンプ5の加圧室5aとを結ぶ低圧燃料通路18の途中に低圧センサ27が備えられている。この低圧センサ27のセンサ信号はECU60Aに送信され、ECU60Aでは低圧燃料通路18内の圧力Pfeedが求められるようになっている。
2.ECU
図9は、本実施形態の内燃機関の制御装置に備えられたECU60Aの構成のうち、内燃機関40の始動時の制御に関連する部分を機能的なブロックで表した図を示している。
このECU60Aは、クランキング制御部61と、始動検出部62と、低圧検出部63と、燃料噴射弁制御部64と、レール圧検出部65、低圧ポンプ制御部66A等を主たる要素として備えている。これらの各部のうち、クランキング制御部61、始動検出部62、燃料噴射弁制御部64、レール圧検出部65については第1の実施の形態で説明したものと同様の機能を有している。
低圧検出部63は、低圧センサ27のセンサ信号に基づいて低圧供給通路18内の圧力Pfeedを検出するように構成されている。また、本実施形態のECU60Aの低圧ポンプ制御部66Aは、レール圧Prailが閾値Prail0未満であるか否か、及びクランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0以上であるか否かによって、クランキング停止後においても電動低圧ポンプ2の作動を継続させるか否かを切り分ける制御を行う点については、第1の実施の形態のECU60と同様に構成されている。加えて、低圧ポンプ制御部66Aは、電動低圧ポンプ2の作動を継続させる際に低圧供給通路18内の圧力Pfeedを監視して、この圧力Pfeedが必要圧力値Pfeed0に到達した時点で電動低圧ポンプ2の作動を停止するようになっている。
3.制御方法
次に、本実施形態の内燃機関の制御装置50AのECU60Aによって実行される内燃機関40の始動時の制御方法の具体例を、図10のタイムチャート図及び図11のフローチャート図に基づいて説明する。
(1)タイムチャート
図10のタイムチャート図は、内燃機関40の始動時におけるイグニッションスイッチの位置、クランキングのオンオフ、電動低圧ポンプのオンオフ、低圧供給通路内の圧力の推移、レール圧の推移をそれぞれ示している。図10はガス欠後に燃料を補充した後等、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていない状態からの再始動時のタイムチャート図である。
まず、イグニッションスイッチ46がt30の時点でアクセサリ位置に操作された後、t31の時点でオンの位置に操作され、さらにt32の時点でクランキング位置に操作される。イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されたt32の時点で、電動低圧ポンプ2の作動が開始されるとともに、スタータ装置45によってクランキングが開始される。t32の時点以降、クランキングが実行されている間は、電動低圧ポンプ2が作動しているために低圧供給通路18内の圧力Pfeedは徐々に上昇する。
その後、t33の時点でクランキングは停止されるが、このときのレール圧Prailが閾値Prail0未満であって、かつ、ここまでのクランキング時間Tcrankが閾値Tcrank0以上になっている場合には、t33の時点以降も電動低圧ポンプ2の作動が継続される。そして、低圧供給通路18内の圧力Pfeedが必要圧力値Pfeed0に到達したt34の時点で電動低圧ポンプ2の作動が停止される。t34の時点では、低圧供給通路18内に燃料が充填され、低圧供給通路18内の圧力Pfeedが必要圧力値Pfeed0まで上昇するものの、高圧ポンプ5は駆動していないためにレール圧が変化することはない。
その後、t35の時点でイグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作され、再び電動低圧ポンプ2が作動されるとともに内燃機関40のクランキングが開始されると、高圧ポンプ2からコモンレール10に対して高圧の燃料が圧送されることによりレール圧が上昇する。そして、レール圧が噴射可能圧力に到達したt36の時点で内燃機関40が始動(完爆)する。その結果、運転者によってイグニッションスイッチ46がオン位置に戻され、クランキングは停止する。
(2)フローチャート
本実施形態の内燃機関の制御装置50AのECU60Aによって実行される制御の全体の流れは図6のフローチャート図に示されるとおりであり、電動低圧ポンプ2の作動を継続させるステップS8の具体的フローが第1の実施の形態の例とは異なっている。図11は、本実施形態において電動低圧ポンプ2の作動を継続させる際の具体的な制御の流れを示すフローチャート図である。
図11のフローチャート図について説明すると、電動低圧ポンプ2の作動を継続させた状態で、ECU60Aは、ステップS21で、低圧供給通路18内の圧力Pfeedが必要圧力値Pfeed0に達したか否かを判別する。低圧供給通路18内の圧力Pfeedが必要圧力値Pfeed0に到達した場合には、ステップS23に進んで、ECU60Aは電動低圧ポンプ2の作動を停止した後、次回のクランキング開始に備えて図6のステップS1に戻る。
一方、ステップS21で低圧供給通路18内の圧力Pfeedが必要圧力値Pfeed0に到達していない場合には、ステップS23に進み、ECU60Aはイグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されているか否かを判別する。イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されていなければステップS21に戻り、ECU60Aは低圧供給通路18内の圧力Pfeedの判別を繰り返す。一方、イグニッションスイッチ46がクランキング位置に操作されていれば、ステップS24に進んで、ECU60Aはスタータ装置45によってクランキングを再開させた後、図6のステップS3に戻ってクランキングの停止を待つ。
本実施形態の内燃機関の制御装置50Aは、このようにレール圧Prailの上昇具合及びクランキング時間Tcrankの長さに基づいて蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されているか否かを推定し、燃料が充填されていないと推定される状況においてのみクランキング停止後も電動低圧ポンプ2の作動を継続するように構成される。したがって、基本的には電動低圧ポンプ2の作動音が運転者等に認識されることがない一方、蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が充填されていない場合に限っては、クランキングの停止期間中にも蓄圧式燃料噴射装置20内に燃料が供給されるようになり、クランキング時間の短縮が図られるようになる。
また、本実施形態の内燃機関の制御装置50Aでは、電動低圧ポンプ2の作動を継続する際に、低圧供給通路18内の圧力Pfeedが必要圧力値Pfeed0に到達した時点で停止されるようになっている。したがって、電動低圧ポンプ2を必要充分な時間のみ作動を継続させることができ、バッテリの浪費をなくしつつ、運転者による内燃機関40の始動を速やかに行えるようにすることができる。
なお、本実施形態においても、クランキング停止時に電動低圧ポンプ2の作動を継続する間、運転者がそのことを認識できるように準備ランプを点灯させるようにしてもよい。
1:燃料タンク、2:電動低圧ポンプ、5:高圧ポンプ、5a:加圧室、7:プランジャ、8:流量制御弁、10:コモンレール、12:圧力制御弁、13:燃料噴射弁、14:オーバーフローバルブ、15:燃料吸入弁、16:燃料吐出弁、18:低圧供給通路、20:蓄圧式燃料噴射装置、21:レール圧センサ、25:プランジャ、27:低圧センサ、30a・30b・30c:リターン通路、37:高圧供給通路、40:内燃機関、41:気筒、42:ピストン、43:クランクシャフト、44:回転数センサ、45:スタータ装置、46:イグニッションスイッチ、50・50A:内燃機関の制御装置、60・60A:コントロールユニット(ECU)、61:クランキング制御部、62:始動検出部、63:低圧検出部、64:燃料噴射弁制御部、65:レール圧検出部、66・66A:低圧ポンプ制御部、70:RAM

Claims (5)

  1. 電動低圧ポンプによって供給される燃料を高圧ポンプで加圧してコモンレールに圧送し、前記コモンレールに接続された複数の燃料噴射弁から内燃機関の気筒内に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置を用いて前記内燃機関の運転制御を行う内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関の始動時にクランキングの実行を制御するクランキング制御手段と、
    前記内燃機関が始動したか否かを検出する始動検出手段と、
    前記クランキングの開始時に前記電動低圧ポンプの作動を開始するとともに、前記クランキングの停止時に前記内燃機関が始動していない場合において、クランキング時間が所定の閾値未満である場合には前記電動低圧ポンプを停止する一方、クランキング時間が前記閾値以上である場合には前記電動低圧ポンプの作動を継続する制御を行う低圧ポンプ制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関の始動までに前記クランキングが複数回繰り返された場合には、前記複数回のクランキングの合計時間を前記クランキング時間として用いることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記低圧ポンプ制御手段は、前記クランキングが停止し前記内燃機関が始動していない場合において、前記コモンレール内の圧力が所定の閾値以上であるか否かを判別し、前記コモンレール内の圧力が前記閾値以上である場合には、前記電動低圧ポンプを停止させ、前記コモンレール内の圧力が前記閾値未満である場合には、さらにクランキング時間が所定の閾値以上であるか否かを判別し、クランキング時間が前記閾値未満である場合には前記電動低圧ポンプを停止する一方、クランキング時間が前記閾値以上である場合には前記電動低圧ポンプの作動を継続することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記低圧ポンプ制御手段は、前記クランキング時間が前記閾値以上となって前記電動低圧ポンプの作動を継続させた場合に、予め定められた所定時間の経過後に前記電動低圧ポンプの作動を停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記低圧ポンプ制御手段は、前記クランキング時間が前記閾値以上となって前記電動低圧ポンプの作動を継続させた場合に、前記高圧ポンプへ燃料を導く燃料通路内の圧力が所定の必要圧力値に達したときに前記電動低圧ポンプを停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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