JPH10288107A - 内燃機関の高圧燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の高圧燃料供給装置

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JPH10288107A
JPH10288107A JP9095733A JP9573397A JPH10288107A JP H10288107 A JPH10288107 A JP H10288107A JP 9095733 A JP9095733 A JP 9095733A JP 9573397 A JP9573397 A JP 9573397A JP H10288107 A JPH10288107 A JP H10288107A
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JP
Japan
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fuel
pressure
pump
engine
fuel supply
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JP9095733A
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English (en)
Inventor
Yoichi Sugiura
洋一 杉浦
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH10288107A publication Critical patent/JPH10288107A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な始動性を確保できる内燃機関の高圧燃料
供給装置を提供する。 【解決手段】高圧燃料供給装置は、燃料タンク10、燃
料を高圧に加圧する高圧ポンプ11、燃料を高圧ポンプ
11側に供給するフィードポンプ12、及び燃料噴射弁
13に燃料を分配供給するデリバリパイプ14等を備え
る。フィードポンプ12の電動モータは電圧変更回路4
5を介して電子制御装置(ECU)30の出力インタフ
ェース回路に接続されている。ECU30の入力インタ
ーフェース回路には、デリバリパイプ14内の燃料圧力
を検出する燃圧センサ41、エンジンの回転速度を検出
する回転速度センサ40、スタータ信号を出力するスタ
ータスイッチ42が接続されている。ECU30は、デ
リバリパイプ14内の燃料圧力が所定値以下になったエ
ンジン始動時において、電圧変更回路45のリレー46
を制御してフィードポンプ12に供給される電圧を増大
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料噴射弁から
高圧に加圧された燃料を内燃機関の燃料噴射弁に供給す
る内燃機関の高圧燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射式の内燃機関にあっては、燃料
噴射弁から燃料を燃焼室内に直接噴射するために、燃料
を高圧に加圧して同燃料噴射弁に供給する高圧燃料供給
装置が不可欠である。例えば、特開平6−200857
号公報には、燃料タンク内の燃料を吸引して吐出するフ
ィードポンプと、このフィードポンプからの燃料を高圧
に加圧して機関側に圧送する高圧燃料ポンプとを備えた
高圧燃料供給装置の一例が記載されている。
【0003】上記のような高圧燃料供給装置の構成例を
図7に示す。同図に示すように、この装置は、燃料を貯
留する燃料タンク100と、燃料を高圧に加圧して機関
側に圧送する高圧ポンプ101と、燃料タンク100内
の燃料を高圧ポンプ101に供給する燃料供給ポンプ
(フィードポンプ)102とを備えている。燃料供給ポ
ンプ102は燃料タンク100内に設けられており、印
加される電圧に応じてその吐出量を変化させることがで
きる電動式ポンプである。また、この燃料供給ポンプ1
02は、高圧ポンプ101に設けられた電磁弁103の
内部通路(図示略)に低圧燃料通路104を介して接続
されている。
【0004】高圧ポンプ101はカムシャフト105の
回転に伴い往復駆動されるプランジャ106と、同プラ
ンジャ106の往復動に伴い燃料を高圧に加圧する燃料
加圧室107とを備えている。また、燃料加圧室107
に開口する導入ポート108は、電磁弁103によって
開閉されるようになっている。
【0005】電磁弁103の内部通路はリリーフ通路1
09を介して燃料タンク100に接続されている。この
リリーフ通路109には圧力調整弁110が設けられて
おり、この圧力調整弁110によって低圧燃料通路10
4内の燃料圧力が調圧され、燃料加圧室107に導入さ
れる燃料の圧力が略一定値に調整されるようになってい
る。
【0006】また、燃料加圧室107内に開口する高圧
ポート111は高圧燃料通路112を介してデリバリパ
イプ113に接続されている。このデリバリパイプ11
3には複数の燃料噴射弁114が接続されており、各燃
料噴射弁114は内燃機関(図示略)の各気筒内に燃料
を直接噴射することができるようになっている。
【0007】こうした高圧燃料供給装置にあっては、燃
料タンク100内の燃料が燃料供給ポンプ102により
吸引され低圧燃料通路104に吐出される。燃料は低圧
燃料通路104を通じて電磁弁103の内部通路に導入
され、同弁103の開弁に伴い燃料加圧室107に流入
する。更に、燃料加圧室107に流入した燃料はプラン
ジャ106の往復動に伴って高圧に加圧された後、高圧
燃料通路112を通じてデリバリパイプ113内に導入
される。このようにしてデリバリパイプ113内に高圧
ポンプ101から燃料が圧送されることにより、同デリ
バリパイプ113内の燃料圧力は所定圧に保持される。
そして、デリバリパイプ113内の燃料は燃料噴射弁1
14が開弁することにより、同弁から所定の燃料噴射圧
をもって内燃機関の燃焼室内に噴射供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関の
運転を停止した後は、デリバリパイプ113内における
燃料温度の低下やデリバリパイプ113から燃料通路へ
の燃料の漏出に起因して同パイプ113内の燃料圧力が
徐々に低下する傾向がある。従って、内燃機関の運転を
停止してから長時間経過した後に同機関を再始動時させ
る際にあっては、良好な始動性の確保ができないおそれ
があった。即ち、デリバリパイプ113内の燃料圧力、
換言すれば燃料噴射弁114の燃料噴射圧が低下してい
ると燃料噴霧の粒径が増大してしまったり或いは所定量
の燃料を噴射することが困難になるからである。
【0009】特に、前述した高圧燃料供給装置では高圧
ポンプ101をカムシャフト105によって駆動するよ
うにしているため、機関始動時にあっては高回転時と比
較して時間当たりの高圧ポンプ101からの吐出量が少
なく、同高圧ポンプ101からの燃料圧送によってデリ
バリパイプ113内の燃料圧力を所定圧にまで速やかに
増加させることが困難な状況にある。
【0010】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は良好な始動性を確保すること
のできる内燃機関の高圧燃料供給装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内燃機関の高圧燃料供給装
置において、内燃機関の燃料噴射弁に供給される燃料を
貯留する燃料タンクと、燃料噴射弁と燃料タンクとを接
続する燃料供給通路と、燃料供給通路に設けられ、内燃
機関の出力軸の回転に伴って駆動されることにより燃料
を高圧に加圧して燃料噴射弁へ圧送する高圧ポンプと、
燃料供給通路において高圧ポンプより上流側に設けら
れ、燃料を同高圧ポンプに供給する燃料供給ポンプと、
燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する燃料圧力
検出手段と、内燃機関が始動状態にあることを検出する
始動状態検出手段と、燃料圧力検出手段により検出され
る燃料圧力が始動状態検出手段により検出される機関始
動時において所定燃圧以下であるときに、吐出量が増大
するように燃料供給ポンプを駆動制御する駆動制御手段
とを備えたことをその趣旨とするものである。
【0012】上記構成によれば、燃料噴射弁に供給され
る燃料圧力が機関始動時において所定燃圧以下であると
きには、吐出量が増大するように燃料供給ポンプが駆動
制御されるため、燃料供給通路を通じて燃料噴射弁に供
給される燃料量が増大する。従って、燃料噴射弁の燃料
噴射圧は機関始動に必要な圧力にまで速やかに上昇す
る。
【0013】上記目的を達成するために、請求項2記載
の発明は、請求項1に記載した内燃機関の高圧燃料供給
装置において、燃料供給ポンプは電動式ポンプであり、
駆動制御手段は燃料供給ポンプへの印加電圧を変更する
印加電圧変更手段を備え、当該印加電圧変更手段は検出
される燃料圧力が機関始動時において所定燃圧以下であ
るときに印加電圧を増大させるものであることをその趣
旨とするものである。
【0014】上記構成によれば、燃料噴射弁に供給され
る燃料圧力が機関始動時において所定燃圧以下であると
きには、電動式ポンプからなる燃料供給ポンプへの印加
電圧が増大されるため、同ポンプの吐出量が増加し燃料
供給通路を通じて燃料噴射弁に供給される燃料量が増大
する。従って、燃料噴射弁の燃料噴射圧は機関始動に必
要な圧力にまで速やかに上昇する。一方、機関始動時以
外のとき、或いは、機関始動時であっても燃料噴射弁に
供給される燃料圧力が所定燃圧より大きいときは、印加
電圧が増大されないため、過剰な燃料が燃料供給ポンプ
から吐出されることがない。
【0015】上記目的を達成するために、請求項3記載
の発明は、内燃機関の高圧燃料供給装置において、内燃
機関の燃料噴射弁に供給される燃料を貯留する燃料タン
クと、燃料噴射弁と燃料タンクとを接続する燃料供給通
路と、燃料供給通路に設けられ、内燃機関の出力軸の回
転に伴って駆動されることにより燃料を高圧に加圧して
燃料噴射弁へ圧送する高圧ポンプと、燃料供給通路にお
いて高圧ポンプより上流側に設けられ、燃料を同高圧ポ
ンプに供給する燃料供給ポンプと、燃料供給通路におい
て燃料供給ポンプと高圧ポンプとの間に接続され、燃料
供給通路内の一部の燃料を燃料タンクに戻すためのリリ
ーフ通路と、リリーフ通路に設けられ、同リリーフ通路
を通じて燃料供給通路から燃料タンクに燃料を戻すこと
により燃料供給通路において燃料供給ポンプより下流側
の部分における燃料圧力を所定リリーフ圧に調節し、且
つ、当該所定リリーフ圧として少なくとも第1のリリー
フ圧と当該第1のリリーフ圧より大きい第2のリリーフ
圧とを選択可能な圧力調整手段と、燃料噴射弁に供給さ
れる燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段と、内燃機
関が始動状態にあることを検出する始動状態検出手段
と、燃料圧力検出手段により検出される燃料圧力が始動
状態検出手段により検出される機関始動時において所定
燃圧以下であるときに、所定リリーフ圧として第2のリ
リーフ圧が選択されるように圧力調整手段を制御する制
御手段とを備えたことをその趣旨とするものである。
【0016】上記構成では、圧力調整手段によって燃料
供給通路を流れる燃料の一部がリリーフ通路を通じて燃
料タンクに戻されることにより、同燃料供給通路におい
て燃料供給ポンプより下流側の部分における燃料圧力が
所定リリーフ圧に調節される。このように燃料供給通路
内の燃料圧力が所定リリーフ圧に調節されることによ
り、燃料供給ポンプに過大な負荷がかかることが抑制さ
れる。
【0017】更に、上記構成では、所定リリーフ圧とし
て少なくとも第1のリリーフ圧と当該第1のリリーフ圧
より大きい第2のリリーフ圧とが選択可能である。そし
て、燃料噴射弁に供給される燃料圧力が機関始動時にお
いて所定燃圧以下であるときには、この所定リリーフ圧
としてより大きな第2のリリーフ圧が選択される。
【0018】従って、リリーフ通路を通じて燃料タンク
に戻される燃料の量が減少し、その減少分だけ燃料噴射
弁に供給される燃料量が増大するため、燃料噴射弁の燃
料噴射圧は機関始動に必要な圧力にまで速やかに上昇す
る。
【0019】一方、機関始動時以外のとき、或いは、機
関始動時であっても燃料噴射弁に供給される燃料圧力が
所定燃圧より大きいときは、所定リリーフ圧として第2
のリリーフ圧より小さな第1のリリーフ圧が選択される
ため、燃料供給通路内における燃料圧力が大きくなって
燃料供給ポンプに過大な負荷がかかることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]以下、本発明を筒内噴射式4気筒ガ
ソリンエンジンの高圧燃料供給装置として具体化した第
1の実施形態について説明する。
【0021】図1は、本実施形態における高圧燃料供給
装置の構成を示す概略構成図である。同図に示すよう
に、この高圧燃料供給装置は、燃料を貯留する燃料タン
ク10、燃料を高圧に加圧してエンジンEに圧送する高
圧ポンプ11、燃料タンク10内の燃料を高圧ポンプ1
1側に供給するフィードポンプ12、及び燃料噴射弁1
3に燃料を分配供給するデリバリパイプ14等によって
構成されている。
【0022】フィードポンプ12は、燃料タンク10の
内部に固定される電動式ポンプであり、電動モータ(図
示略)等を内蔵するケーシング16と同ケーシング16
に取り付けられた燃料ストレーナ17とを備えている。
ケーシング16内には前記電動モータの他、ポンプ室
(図示略)、及び電動モータにより回転駆動されるイン
ペラ(図示略)等が設けられている。フィードポンプ1
2は、ポンプ室内にインペラの回転速度に応じた量の燃
料を吸入するとともに、その燃料を同室から吐出するこ
とができる。また、フィードポンプ12の燃料吐出量は
インペラの回転速度に応じて変化し、同速度は電動モー
タに印加される電圧に応じて調節されるようになってい
る。尚、本実施形態におけるフィードポンプ12の最大
吐出圧は「6.0kgf/cm^2」(「^2」は平方を示す)に
設定されている。
【0023】高圧ポンプ11はエンジンEのシリンダヘ
ッド(図示略)に設けられ、同エンジンEのカムシャフ
ト18の回転に伴い往復駆動されるプランジャ19、同
プランジャ19の往復動に伴い燃料を高圧に加圧する燃
料加圧室20、燃料加圧室20から吐出される燃料の量
を調節する電磁弁21等を備えている。
【0024】電磁弁21の内部には内部通路(図示略)
が形成されており、同通路は低圧燃料通路22を介して
フィードポンプ12に接続されている。この低圧燃料通
路22には燃料がフィードポンプ12側へ流れることを
防止するための逆止弁23が設けられている。更に、低
圧燃料通路22において同逆止弁23の下流側には、燃
料中の異物を捕集する燃料フィルタ24が設けられてい
る。
【0025】電磁弁21は、燃料加圧室20に開口する
導入ポート25を開閉する弁体26と、同弁体26を駆
動する電磁ソレノイド27とを備えている。また、電磁
弁21の内部通路は導入ポート25を介して燃料加圧室
20に連通されるとともに、リリーフ通路28を介して
燃料タンク10に接続されている。電磁ソレノイド27
は後述する電子制御装置(以下、「ECU」という)3
0に接続されている。そして、ECU30によって電磁
ソレノイド27が通電制御され、導入ポート25が所定
のタイミングをもって前記弁体26により開閉されるこ
とにより、燃料加圧室20から吐出される燃料量が調節
されるようになっている。
【0026】リリーフ通路28には圧力調整弁31が設
けられており、同弁31によって内部通路及び低圧燃料
通路22内の燃料圧力(以下、この燃料圧力を「供給燃
料圧PP」という)が調節されるようになっている。
【0027】図2は内部通路から圧力調整弁31を介し
てリリーフ通路28側に移動する燃料の流量Qと、前記
供給燃料圧PPとの関係を示すグラフである。圧力調整
弁31は、供給燃料圧PPが所定のリリーフ圧P1(本
実施形態では「3.0kgf/cm^2」に設定されている)に
達するまでは閉弁状態に保持されており、従って、図2
に示すように燃料流量Qは「0」になっている。一方、
供給燃料圧PPがリリーフ圧P1以上にまで増加すると
圧力調整弁31は開弁状態になり、内部通路内の燃料は
リリーフ通路28を通じて燃料タンク10に戻されるよ
うになる。このように、圧力調整弁31が開弁して内部
通路内の燃料が燃料タンク10側に戻されることによ
り、供給燃料圧PPはリリーフ圧P1と略等しい圧力に
保持される。
【0028】また、図1に示すように、高圧ポンプ11
には燃料加圧室20に開口する高圧ポート33が設けら
れている。この高圧ポート33には逆止弁34が取り付
けられるとともに、同弁34は高圧燃料通路35を介し
てデリバリパイプ14に接続されている。この逆止弁3
4はデリバリパイプ14から燃料加圧室20への燃料の
移動を規制するとともに、デリバリパイプ14内の燃料
圧力と燃料加圧室20内の燃料圧力との差圧が所定圧以
上になったときに開弁して同燃料加圧室20からデリバ
リパイプ14への燃料の移動を許容する機能を有してい
る。
【0029】更に、デリバリパイプ14はリリーフ弁3
6が設けられた圧力通路37を介してリリーフ通路28
に接続されている。デリバリパイプ14内の燃料圧力が
所定圧以上にまで上昇した場合、リリーフ弁36が開弁
してデリバリパイプ14内の燃料が圧力通路37及びリ
リーフ通路28を通じて燃料タンク10に戻されるよう
になっている。従って、デリバリパイプ14内の燃料圧
力は前記所定圧よりも小さい圧力に保持される。
【0030】デリバリパイプ14には4つの燃料噴射弁
13が接続されており、同パイプ14内の燃料が各燃料
噴射弁13に分配されるようになっている。この燃料噴
射弁13はエンジンEの各気筒(図示略)内に燃料を直
接噴射することができる高圧用燃料噴射弁13である。
【0031】上記エンジンシステムには、高圧燃料供給
装置の制御に用いられる各種センサ等が設けられてい
る。即ち、エンジンEのクランクシャフト(図示略)近
傍には回転速度センサ40が取り付けられており、同セ
ンサ40によって単位時間当たりにおけるクランクシャ
フトの回転数、即ちエンジン回転速度NEに応じた検出
信号が出力される。
【0032】また、デリバリパイプ14には燃圧センサ
41が取り付けられており、同センサ41によりデリバ
リパイプ14内における燃料圧力PDに応じた検出信号
が出力される。
【0033】更に、エンジンEには、同エンジンEを始
動させるためのスタータ(図示略)が設けられている。
このスタータにはその動作状態を検知するスタータスイ
ッチ42が設けられている。スタータスイッチ42は、
エンジン始動時において運転者によりイグニションスイ
ッチ(図示略)がOFF位置の状態からスタート位置ま
で操作され、スタータが作動しているとき(クランキン
グ中)に、スタータ信号STAを「ON」として出力す
る。一方、エンジンEの始動が完了して、イグニション
スイッチがスタート位置からON位置まで戻されると、
スタータスイッチ42は、スタータ信号STAを「OF
F」として出力する。
【0034】次に、前述したECU30、及びフィード
ポンプ12へ印加される電圧を変更するための電圧変更
回路について説明する。ECU30は、CPU、各種制
御プログラム等が記憶されたメモリ、A/D変換器等を
含む入力インターフェース回路、駆動回路等を含む出力
インタフェース回路(いずれも図示略)等を備えてい
る。回転速度センサ40、燃圧センサ41、及びスター
タスイッチ41は入力インターフェース回路に接続さ
れ、電磁弁21の電磁ソレノイド27は出力インタフェ
ース回路に接続されている。
【0035】また、フィードポンプ12の電動モータは
電圧変更回路45を介して出力インタフェース回路に接
続されている。この電圧変更回路45は、出力インタフ
ェース回路を介してECU30により通電制御されるコ
イル46と、一対の固定接点Sa,Sbに選択的に接触
可能な可動接点Smとを有したリレー47を備えてい
る。一方の固定接点Saはフィードポンプ12の電動モ
ータに直接、電気的に接続され、他方の固定接点Sbは
抵抗R1を介して電動モータに電気的に接続されてい
る。また、可動接点Smは出力インタフェース回路に接
続されている。
【0036】こうした電圧変更回路45において、EC
U30によりコイル46が消磁された(コイル46への
通電が停止された)場合、可動接点Smが固定接点Sb
に接触することによりフィードポンプ12の電動モータ
は抵抗R1を介して出力インターフェース回路に接続さ
れる。
【0037】一方、ECU30によってコイル46が励
磁された(コイル46が通電された)場合、可動接点S
mが固定接点Saに接触することにより電動モータは直
接、出力インターフェース回路に接続される。従って、
この場合には、コイル46が消磁されている場合に比べ
て、抵抗R1における電圧降下分だけ電動モータに印加
される電圧が増大し、フィードポンプ12からの燃料吐
出量が増大する。
【0038】以上説明した高圧燃料供給装置にあって
は、以下のようにして燃料が高圧に加圧され、デリバリ
パイプ14内に供給される。即ち、フィードポンプ12
が駆動されることにより、燃料タンク10内の燃料が同
フィードポンプ12により吸引され低圧燃料通路22内
に吐出される。低圧燃料通路22内に吐出された燃料は
逆止弁23、及び燃料フィルタ24を通過した後、電磁
弁21の内部通路内に導入される。一方、クランクシャ
フトの回転に伴ってカムシャフト18が回転することに
より、高圧ポンプ11のプランジャ19は往復動を繰り
返す。そして、電磁弁21の開弁に伴い内部通路内の燃
料は導入ポート25を通じて燃料加圧室20に導入され
る。
【0039】ここで、電磁弁21がそのまま開弁状態に
保持されている場合、プランジャ19の上動に伴い燃料
加圧室20の容積が減少すると、燃料は燃料加圧室20
から再び導入ポート25を通じて内部通路に戻される。
更に、燃料は圧力調整弁31の開弁に伴いリリーフ通路
28を通じて燃料タンク10に戻される。即ち、燃料加
圧室20において燃料は加圧されず、デリバリパイプ1
4に燃料は圧送されない(但し、デリバリパイプ14内
の燃料圧力PDが十分大きい場合を想定している)。
【0040】これに対して、燃料加圧室20内に燃料が
導入された後、電磁弁21が閉弁した場合には、同室2
0内の燃料がプランジャ19の上動に伴い高圧に加圧さ
れる。そして、高圧に加圧された燃料は、逆止弁34が
開弁することにより高圧燃料通路35を通じてデリバリ
パイプ14内に圧送される。
【0041】ここで、デリバリパイプ14内の燃料圧力
PDが所定圧力より低い場合、ECU30は電磁弁21
の閉弁時期を早めることにより、燃料加圧室20からデ
リバリパイプ14内に圧送される燃料の量を増加させて
デリバリパイプ14内の燃料圧力PDを上昇させる。
【0042】これに対して、デリバリパイプ14内の燃
料圧力PDが所定圧力より高い場合、ECU30は電磁
弁21の閉弁時期を遅らせることにより、燃料の圧送量
を減少させる。従って、デリバリパイプ14内の燃料圧
力PDは燃料噴射弁13からの燃料噴射に伴い徐々に減
少する。
【0043】以上のように、ECU30はデリバリパイ
プ14内の燃料圧力PDに応じて電磁弁21の閉弁時期
を調節することにより、デリバリパイプ14内の燃料圧
力PDを所定圧力に制御する。
【0044】次に、本実施形態におけるフィードポンプ
12の印加電圧制御手順を示す「フィードポンプ制御ル
ーチン」を図3に示すフローチャートに基づいて説明す
る。この「フィードポンプ制御ルーチン」はECU30
によって所定のクランク角周期をもって繰り返し実行さ
れる。
【0045】図3に示すステップ100において、EC
U30はエンジンEの回転速度NE、スタータ信号ST
A、及びデリバリパイプ14内の燃料圧力PDをそれぞ
れ読み込む。
【0046】そして、ステップ101において、ECU
30はスタータ信号STAが「ON」であるか否か、即
ちエンジンEがクランキング中であるか否かを判定す
る。このステップ101において否定判定された場合、
ECU30は、エンジンEがクランキング中ではないこ
とから、処理をステップ105に移行する。
【0047】そして、ステップ105において、ECU
30はリレー47のコイル46を消磁する。即ち、この
ステップ105において、ECU30は、コイル46が
現在、励磁されている場合には同コイル46に対する通
電を停止し、同コイル46への通電が停止され同コイル
46が消磁されている場合にはその状態を保持する。そ
の結果、リレー47の可動接点Smが固定接点Sbに接
触した状態となり、フィードポンプ12(電動モータ)
は抵抗R1を介して出力インタフェース回路に接続され
る。
【0048】従って、ステップ105の処理では、後述
するステップ104とは異なりフィードポンプ12に対
する印加電圧は増大されない。即ち、エンジンEがクラ
ンキング中でない場合には、回転速度NEが十分に大き
く高圧ポンプ11から十分な燃料がデリバリパイプ14
側に圧送されるため、印加電圧を大きくしてフィードポ
ンプ12への燃料吐出量を増大させる必要がないからで
ある。
【0049】これに対して、ステップ101において肯
定判定された場合、ECU30は、エンジンEがクラン
キング中であり、高圧ポンプ11からの燃料吐出量が十
分に確保できない可能性があることから、処理をステッ
プ102に移行する。
【0050】ステップ102において、ECU30は回
転速度NEが判定回転速度NEJ未満であるか否かを判
定する。ここで、判定回転速度NEJは、クランキング
によってエンジンEが完爆状態に移行したことを判定す
るためのものであり、本実施形態では「500rpm」
に設定されている。即ち、このステップ102におい
て、ECU30は、回転速度NEが「500rpm」未
満であるときには、エンジンEが始動中であると判断
し、回転速度NEが「500rpm」以上にまで上昇し
たときには、始動が完了してエンジンEが完爆状態にな
ったと判断する。
【0051】このステップ102において否定判定され
た場合、ECU30は処理を前述したステップ105に
移行する。そして、同ステップ105において、ECU
30はコイル46を消磁する。従って、フィードポンプ
12における燃料吐出量は増大されない。エンジンEが
完爆状態となって回転速度NEが「500rpm」以上
に上昇した場合には、高圧ポンプ11から十分な燃料が
デリバリパイプ14側に圧送されるようになるため、フ
ィードポンプ12の燃料吐出量を増大させる必要がない
からであるこれに対して、ステップ102において肯定
判定された場合、ECU30は、エンジンEが完爆状態
となっていないことから、処理をステップ103に移行
する。
【0052】ステップ103において、ECU30は燃
料圧力PDが判定燃料圧力PDJ以下である否かを判定
する。ここで、判定燃料圧力PDJは、燃料圧力PDが
良好な始動性を確保するのに十分な大きさであるか否か
を判定するためのものであり、本実施形態では「2.0
kgf/cm^2」に設定されている。即ち、このステップ10
3において、ECU30は、燃料圧力PDが「2.0kg
f/cm^2」以下である場合には、燃料圧力PDが低く良好
な始動性が確保できない可能性があると判定し、燃料圧
力PDが「2.0kgf/cm^2」より大きい場合には、良好
な始動性を確保することができると判定する。
【0053】このステップ103において否定判定され
た場合、ECU30は処理を前述したステップ105に
移行する。従って、フィードポンプ12における燃料吐
出量は増大されない。燃料圧力PDが「2.0kgf/cm^
2」より大きい場合には、仮に、エンジンEが始動状態
にあり高圧ポンプ11からの燃料吐出量が少なくても良
好な始動性を確保することができるからである。
【0054】これに対して、ステップ103において肯
定判定された場合、ECU30は燃料圧力PDが良好な
始動性を確保するうえで十分に大きくないことから、処
理をステップ104に移行する。
【0055】そして、ステップ104において、ECU
30はリレー47のコイル46を励磁する。即ち、この
ステップ104において、ECU30は、コイル46が
現在、消磁されている場合には同コイル46に対する通
電を開始し、同コイル46が通電され同コイル46が励
磁されている場合にはその状態を保持する。その結果、
リレー47の可動接点Smが固定接点Saに接触された
状態となり、フィードポンプ12(電動モータ)は直
接、出力インタフェース回路に接続される。従って、コ
イル46が消磁されている場合に比べて抵抗R1におけ
る電圧降下がないことから、フィードポンプ12に印加
される電圧が増大し、同ポンプ12からの燃料吐出量が
増大する。
【0056】このステップ104における処理、或いは
前述したステップ105における処理を実行した後、E
CU30は本ルーチンを一旦終了する。次に、エンジン
Eの運転が停止されてから長時間が経過して、デリバリ
パイプ14内における燃料圧力PDが極めて小さく(例
えば、「1.0kgf/cm^2」)なった状態から、再びエン
ジンEを始動させる場合を例にして、本実施形態におけ
る作用を説明する。
【0057】上記のように、燃料圧力PDが極めて小さ
くなっている状態でエンジンEを再始動させる場合、フ
ィードポンプ12から吐出されて燃料加圧室20に流入
した燃料は、プランジャ19によって加圧されなくても
高圧燃料通路35を通じてデリバリパイプ14内に流入
することができる。これは、デリバリパイプ14内にお
ける燃料圧力PDに対して前記供給燃料圧PPが十分大
きいため、逆止弁34が燃料加圧室20内の燃料圧力に
より開弁し、同加圧室20から高圧燃料通路35側への
燃料の移動が許容されるためである。
【0058】また、高圧ポンプ11によって燃料が加圧
される場合にも同様に、燃料加圧室20内に導入された
燃料は高圧燃料通路35を通じてデリバリパイプ14内
に流入する。
【0059】従って、上記のような再始動時にあって
は、燃料がデリバリパイプ14内に常時流入することに
なり、同パイプ14内の燃料圧力PDはその燃料の流入
に伴い徐々に上昇する。ここで、良好な始動性を確保す
るためには燃料圧力PDの上昇速度を大きくし同燃料圧
力PDを早期に増大させる必要がある。
【0060】この点、本実施形態によれば、上記のよう
な再始動時において、フィードポンプ12の印加電圧が
増大され同ポンプ12からはより多くの燃料が吐出され
る。このように、フィードポンプ12の燃料吐出量が増
大することにより、高圧ポンプ11によって加圧される
ことなくデリバリパイプ14側に移動する燃料の量が増
大する。また、燃料加圧室20にはより多くの燃料が導
入されるようになるため、高圧ポンプ11により加圧さ
れてデリバリパイプ14側に移動する燃料の量も同様に
増大する。
【0061】従って、デリバリパイプ14内の燃料圧力
PD、換言すれば、燃料噴射弁13における燃料噴射圧
は速やかに上昇することになる。その結果、本実施形態
によれば、燃料噴射弁13における噴射不良を防止し
て、エンジンEの良好な始動性を確保することができる
また、エンジンEを始動させた後、デリバリパイプ1
4、高圧燃料通路35等の内部にある燃料がエンジンE
の熱によって燃料蒸気(ベーパ)となる場合がある。こ
のように燃料配管系にベーパが存在し、且つ、デリバリ
パイプ14内の燃料圧力PDが低い状態でエンジンEを
始動させる場合、燃料噴射弁13から所定量の燃料を噴
射することが困難になり始動性が悪化するおそれがあ
る。
【0062】この点、本実施形態によれば、始動時にお
いてフィードポンプ12の燃料吐出量を増大させるよう
にしているため、燃料配管系に存在するベーパを燃料タ
ンク10へ速やかに排出することができ、始動性の悪化
を防止することができる。
【0063】一方、本実施形態によれば、エンジンEが
クランキング中ではない場合や、同エンジンEの回転速
度NEが「500rpm」以上である場合には、高圧ポ
ンプ11から十分な量の燃料が吐出されることから、フ
ィードポンプ12の印加電圧は増大されない。同様に、
デリバリパイプ14内の燃料圧力PDが十分に大きい場
合も、フィードポンプ12の印加電圧は増大されない。
即ち、本実施形態において、フィードポンプ12に対す
る印加電圧の増大はごく限られたときにのみに行われこ
とになる。
【0064】その結果、本実施形態によれば、フィード
ポンプ12における消費電力の増大を抑えて燃費悪化を
抑制することができるとともに、同ポンプ12の耐久寿
命低下を極力抑えることができる。
【0065】更に、フィードポンプ12は燃料吐出量が
多い程、即ち、印加電圧が大きい程、その作動音が大き
くなる傾向がある。この点、本実施形態によれば、フィ
ードポンプ12に対する印加電圧の増大が不必要に行わ
れることがないため、同ポンプ12からの騒音を極力抑
えることができる。
【0066】また、本実施形態とは異なり、フィードポ
ンプ12の燃料吐出量を常時増大させる構成を採用した
場合、多量の燃料が一旦、高圧ポンプ11に供給された
後、リリーフ通路28を介して燃料タンク10内に戻さ
れるようになる。そして、高圧ポンプ11に供給された
燃料はエンジンEの熱によって加熱され、燃料タンク1
0内における燃料温度が上昇する結果、燃料タンク10
内において発生するベーパ量が増大するおそれがある。
【0067】この点、本実施形態によれば、フィードポ
ンプ12の燃料吐出量を不必要に増大させることがない
ため、このような燃料タンク10内におけるベーパ量の
増大を抑えるうえでも有利である。
【0068】ところで、本実施形態では、フィードポン
プ12の印加電圧を増大することにより、良好な始動性
を確保するようにしているが、例えば、高圧ポンプ11
の最大吐出量を増大させることによっても同様の効果は
得られる。しかしながら、このような構成を採用した場
合、高圧ポンプ11の大型化を招くとともに、同ポンプ
11を作動させるための駆動力が増大して、カムシャフ
ト18に作用する負荷の増大、ひいては燃費の低下を招
くこととなる。この点、本実施形態によれば、上記のよ
うな高圧ポンプ11の大型化を招くことなく、良好な始
動性を確保することができる。
【0069】更に、本実施形態では、エンジンEがクラ
ンキング中であり未だ完爆していないこと、即ち、始動
中であることをスタータ信号STA及び回転速度NEに
基づいて検出するようにしている。従って、例えば、ス
タータ信号STAのみ、或いは回転速度NEのみにより
これを検出するようにした場合と比較して、確実にエン
ジンEが始動中であることを検出することができる。そ
の結果、フィードポンプ12に対する印加電圧が不必要
に増大されることを極力抑えることができる。
【0070】[第2の実施形態]次に、第2の実施形態
について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明す
る。尚、上記第1の実施形態と同様の構成については同
一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0071】図4は、本実施形態にかかる高圧燃料供給
装置の構成を示す概略構成図である。同図に示すよう
に、本実施形態における高圧ポンプ11には一対の圧力
調整弁50,51が設けられている。一方の圧力調整弁
50は第1の実施形態における圧力調整弁31と同様、
リリーフ圧が「3.0kgf/cm^2」に設定されており(以
下、この圧力調整弁50を「第1の圧力調整弁50」と
いう)、もう一方の圧力調整弁51は、そのリリーフ圧
が第1の圧力調整弁50よりも高い「5.0kgf/cm^2」
に設定されている(以下、この圧力調整弁51を「第2
の圧力調整弁51」という)。
【0072】第2の圧力調整弁51は電磁弁21の内部
通路と燃料タンク10とを連通するリリーフ通路28の
途中に設けられている。また、リリーフ通路28におい
て第2の圧力調整弁51の上流側及び下流側はバイパス
通路52によって連通されており、第1の圧力調整弁5
0はこのバイパス通路52に設けられている。更に、こ
のバイパス通路52において第1の圧力調整弁50の上
流側には電磁弁53が設けられている。この電磁弁53
は、バイパス通路52を開放閉鎖する弁体54と、同弁
体54を駆動する電磁ソレノイド55とを備えており、
同電磁ソレノイド55はECU30の出力インタフェー
ス回路に接続されている。
【0073】電磁弁53は、ECU30により電磁ソレ
ノイド55が通電され、弁体54が図4の上方に移動し
てバイパス通路52を閉鎖することにより閉弁状態とな
る。このように、電磁弁53が閉弁状態となることによ
り、バイパス通路52内における燃料の流通が遮断され
る。
【0074】これに対して、ECU30による電磁ソレ
ノイド55の通電が停止され、弁体54が図4の下方に
移動してバイパス通路52が開放されることにより、電
磁弁53は開弁状態となる。このように、電磁弁53が
開弁状態となることにより、バイパス通路52内におけ
る燃料の流通が許容される。
【0075】この電磁弁53の開閉状態はエンジンEの
運転状態に応じてECU30によって制御されるように
なっている。また、本実施形態における高圧燃料供給装
置では電圧変更回路45が省略されている。フィードポ
ンプ12はECU30の出力インタフェース回路に接続
されており、同回路から一定の電圧が印加されるように
なっている。
【0076】次に、本実施形態における電磁弁53の制
御手順を示す「電磁弁制御ルーチン」を図5に示すフロ
ーチャートに基づいて説明する。この「電磁弁制御ルー
チン」はECU30によって所定のクランク角周期をも
って繰り返し実行される。
【0077】本ルーチンの各ステップ200〜203に
おいては、図3に示す「フィードポンプ制御ルーチン」
の各ステップ100〜103と同様の処理が行われる。
そして、各ステップ201〜203のいずれかの判定処
理において否定判定された場合、ECU30は処理をス
テップ205に移行する。
【0078】そして、ステップ205において、ECU
30は電磁弁53の電磁ソレノイド55に対する通電を
停止する。従って、電磁弁53が開弁状態となりバイパ
ス通路52内における燃料の流通が許容される。この場
合、前記供給燃料圧PPが、低く設定された第1の圧力
調整弁50のリリーフ圧以上に上昇すると同弁が開弁し
てリリーフ通路28を通じて燃料が燃料タンク10に戻
される。また、このように燃料が燃料タンク10に戻さ
れることにより、供給燃料圧PPが第1の圧力調整弁5
0のリリーフ圧(「3.0kgf/cm^2」)と略等しい圧力
に保持されるため、より高いリリーフ圧(「5.0kgf/
cm^2」)に設定された第2の圧力調整弁51は常に閉弁
状態となっている。
【0079】これに対して、各ステップ201〜203
の判定処理においていずれも肯定判定された場合、EC
U30は処理をステップ204に移行する。そして、ス
テップ204において、ECU30は電磁弁53の電磁
ソレノイド55を通電する。従って、電磁弁53が閉弁
状態となりバイパス通路52内における燃料の流通が遮
断される。この場合、供給燃料圧PPは、より高く設定
された第2の圧力調整弁51のリリーフ圧と略等しい圧
力に保持されるようになる。その結果、前記ステップ2
05の処理によって電磁弁53を開弁させている場合と
比較して、リリーフ通路28を通じて燃料タンク10に
戻される燃料の量が減少し、デリバリパイプ14に供給
される燃料の量はその減少した燃料分だけ増大すること
になるこのステップ204における処理、或いは前述し
たステップ205における処理を実行した後、ECU3
0は本ルーチンを一旦終了する。
【0080】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第1の実施形態において説明したような始動性の悪
化が懸念されるエンジンEの再始動時において、前述し
たように電磁弁53によりバイパス通路52内における
燃料の流通が遮断されることにより、デリバリパイプ1
4内に供給される燃料の量が増大する。このため、デリ
バリパイプ14内の燃料圧力PD、換言すれば、燃料噴
射弁13における燃料噴射圧は速やかに上昇することに
なる。その結果、本実施形態によれば、燃料噴射圧を早
期に増大させてエンジンEの良好な始動性を確保するこ
とができる等、第1の実施形態と同等の効果を奏するこ
とができる。
【0081】また、本実施形態とは異なり、バイパス通
路52、第1の圧力調整弁50、及び電磁弁53等の構
成を省略し、前記供給燃料圧PPを常時、高い圧力、即
ち、第2の圧力調整弁51のリリーフ圧(「5.0kgf/
cm^2」)と略等しい圧力に保持することにより、上記の
ような再始動時における始動性を向上させることが可能
である。しかしながら、このような構成を採用した場
合、フィードポンプ12における燃料吐出圧が常時大き
くなり、同ポンプ12にかかる負荷が過大なものとなる
場合がある。
【0082】この点、本実施形態によれば、デリバリパ
イプ14に供給する燃料を増大する必要がない場合に
は、電磁弁53が開弁され前記供給燃料圧PPは低い圧
力、即ち、第1の圧力調整弁50のリリーフ圧(「3.
0kgf/cm^2」)と略等しい圧力に保持される。その結
果、フィードポンプ12の負荷を不必要に増大させるこ
とがなく、同ポンプ12の耐久寿命低下を極力抑えるこ
とができる。
【0083】尚、上記各実施形態は以下に示すように構
成を変更することができる。このような構成によっても
上記各実施形態と同等の作用効果を奏することができ
る。 ・上記第1の実施形態では、リレー47を備えた電圧変
更回路45によりフィードポンプ12に印加される電圧
を変更するようにした。これに対して、トランジスタ等
の半導体スイッチを用いた電圧変更回路によりフィード
ポンプ12に印加される電圧を変更するようにしてもよ
い。
【0084】・上記第1の実施形態では、電圧変更回路
45によりフィードポンプ12への印加電圧を変更する
ようにした。これに対して、フィードポンプ12への印
加される電圧の大きさを変更するのではなく、図6に示
すように電圧信号のデューティ比を変更するようにして
もよい。
【0085】即ち、再始動時においてデリバリパイプ1
4への燃料供給量を増大させる場合には、フィードポン
プ12に電圧を連続的に印加する。一方、通常運転時の
ようにデリバリパイプ14への燃料供給量を増大させる
必要がない場合には、図6に示すように、フィードポン
プ12に電圧を断続的に印加する。
【0086】・上記第2の実施形態では、高圧ポンプ1
1に二つの圧力調整弁50,51を設け、電磁弁53に
よって前記供給燃料圧PPを各圧力調整弁50,51の
リリーフ圧と略等しい圧力に切り替えることにより、デ
リバリパイプ14に供給される燃料量を調節するように
した。これに対して、開弁圧を変更可能な圧力制御弁を
設け、同弁の開弁圧を制御して前記供給燃料圧PPを調
節するようにしてもよい。
【0087】・上記各実施形態では、高圧ポンプ11の
プランジャ19をカムシャフト18により往復駆動する
ようにした。これに対して、同プランジャ19をクラン
クシャフトにより往復駆動するようにしてもよい。
【0088】・上記各実施形態では、燃圧センサ41に
よってデリバリパイプ14内の燃料圧力PDを燃料噴射
弁13の燃料噴射圧として検出するようにした。これに
対して、燃圧センサ41を高圧燃料通路35において逆
止弁34の下流側に設け、同燃料通路35内における燃
料圧力を検出するようにしてもよい。
【0089】・上記各実施形態では、スタータ信号ST
Aが「ON」になり、且つ、回転速度NEが判定回転速
度NEJより小さいときに、エンジンEが未だ完爆に至
らず始動中であることを検出するようにした。これに対
して、例えば、スタータ信号STAのみ、或いは回転速
度NEのみよってエンジンEが始動中であることを検出
するようにしてもよい。 ・上記各実施形態では、フィードポンプ12を電動式ポ
ンプにより構成したが、例えば、このフィードポンプ1
2は、エンジン始動時においてスタータにより補助的に
駆動される機械式のポンプであってもよい。
【0090】上記各実施形態から把握できる技術的思想
についてその効果とともに以下に記載する。 ・請求項1乃至3に記載した内燃機関の高圧燃料供給装
置において、前記始動状態検出手段は、前記内燃機関が
クランキング中であり、且つ、機関回転速度が所定回転
速度以下であるときに、同内燃機関が始動状態にあると
して検出するものであることを特徴とする。
【0091】上記構成によれば、請求項1乃至3に記載
した発明の効果に加え、機関始動状態をより確実に検出
することができる。
【0092】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、燃料噴射弁に
供給される燃料圧力が機関始動時において所定燃圧以下
であるときに、吐出量が増大するように燃料供給ポンプ
を駆動制御するようにしている。従って、燃料供給通路
を通じて燃料噴射弁に供給される燃料量が増大し、燃料
噴射弁の燃料噴射圧は機関始動に必要な圧力にまで速や
かに上昇する。その結果、本発明によれば、内燃機関の
良好な始動性を確保することができる。
【0093】請求項2記載の発明では、燃料噴射弁に供
給される燃料圧力が機関始動時において所定燃圧以下で
あるときに、電動式ポンプからなる燃料供給ポンプへの
印加電圧を増大させるようにしている。従って、燃料供
給ポンプの吐出量が増加し燃料供給通路を通じて燃料噴
射弁に供給される燃料量が増大するため、燃料噴射弁の
燃料噴射圧は機関始動に必要な圧力にまで速やかに上昇
する。一方、機関始動時以外のとき、或いは、機関始動
時であっても燃料噴射弁に供給される燃料圧力が所定燃
圧より大きいときは印加電圧が増大されないため、過剰
な燃料が燃料供給ポンプから吐出されることがない。そ
の結果、本発明によれば、燃料供給ポンプにおける消費
電力を不必要に増大させることなく、内燃機関の良好な
始動性を確保することができる。
【0094】請求項3記載の発明では、燃料噴射弁に供
給される燃料圧力が機関始動時において所定燃圧以下で
あるときに、圧力調整手段における所定リリーフ圧とし
てより大きな第2のリリーフ圧を選択するようにしてい
る。従って、リリーフ通路を通じて燃料タンクに戻され
る燃料の量が減少し、その減少分だけ燃料噴射弁に供給
される燃料量が増加するため、燃料噴射弁の燃料噴射圧
は機関始動に必要な圧力にまで速やかに上昇する。一
方、機関始動時以外のとき、或いは、機関始動時であっ
ても燃料噴射弁に供給される燃料圧力が所定燃圧より大
きいときは、所定リリーフ圧として第2のリリーフ圧よ
り小さな第1のリリーフ圧が選択されるため、燃料供給
通路内における燃料圧力が大きくなり燃料供給ポンプに
過大な負荷がかかることがない。その結果、本発明によ
れば、燃料供給ポンプの負荷を不必要に増大させること
なく、内燃機関の良好な始動性を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における高圧燃料供給装置を示
す概略構成図。
【図2】圧力調整弁を流れる燃料流量と供給燃料圧との
関係を示すグラフ。
【図3】第1の実施形態におけるフィードポンプへの印
加電圧制御手順を示すフローチャート。
【図4】第2の実施形態における高圧燃料供給装置を示
す概略構成図。
【図5】第2の実施形態における電磁弁の制御手順を示
すフローチャート。
【図6】フィードポンプに印加される電圧信号を示す説
明図。
【図7】従来における高圧燃料供給装置を示す概略構成
図。
【符号の説明】
10…燃料タンク、11…高圧ポンプ、12…フィード
ポンプ、13…燃料噴射弁、22…低圧燃料通路、28
…リリーフ通路、30…ECU、35…高圧燃料通路、
41…燃圧センサ、40…回転速度センサ、42…スタ
ータスイッチ、45…電圧変更回路、50…第1の圧力
調整弁、51…第2の圧力調整弁。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃料噴射弁に供給される燃料
    を貯留する燃料タンクと、 前記燃料噴射弁と前記燃料タンクとを接続する燃料供給
    通路と、 前記燃料供給通路に設けられ、前記内燃機関の出力軸の
    回転に伴って駆動されることにより燃料を高圧に加圧し
    て前記燃料噴射弁へ圧送する高圧ポンプと、 前記燃料供給通路において前記高圧ポンプより上流側に
    設けられ、燃料を同高圧ポンプに供給する燃料供給ポン
    プと、 前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する燃料
    圧力検出手段と、 前記内燃機関が始動状態にあることを検出する始動状態
    検出手段と、 前記検出される燃料圧力が前記検出される機関始動時に
    おいて所定燃圧以下であるときに、吐出量が増大するよ
    うに前記燃料供給ポンプを駆動制御する駆動制御手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の高圧燃料供給
    装置において、 前記燃料供給ポンプは電動式ポンプであり、 前記駆動制御手段は前記燃料供給ポンプへの印加電圧を
    変更する印加電圧変更手段を備え、当該印加電圧変更手
    段は前記検出される燃料圧力が機関始動時において前記
    所定燃圧以下であるときに前記印加電圧を増大させるも
    のであることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装
    置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の燃料噴射弁に供給される燃料
    を貯留する燃料タンクと、 前記燃料噴射弁と前記燃料タンクとを接続する燃料供給
    通路と、 前記燃料供給通路に設けられ、前記内燃機関の出力軸の
    回転に伴って駆動されることにより燃料を高圧に加圧し
    て前記燃料噴射弁へ圧送する高圧ポンプと、 前記燃料供給通路において前記高圧ポンプより上流側に
    設けられ、燃料を同高圧ポンプに供給する燃料供給ポン
    プと、 前記燃料供給通路において前記燃料供給ポンプと前記高
    圧ポンプとの間に接続され、前記燃料供給通路内の一部
    の燃料を前記燃料タンクに戻すためのリリーフ通路と、 前記リリーフ通路に設けられ、同リリーフ通路を通じて
    前記燃料供給通路から前記燃料タンクに燃料を戻すこと
    により前記燃料供給通路において前記燃料供給ポンプよ
    り下流側の部分における燃料圧力を所定リリーフ圧に調
    節し、且つ、当該所定リリーフ圧として少なくとも第1
    のリリーフ圧と当該第1のリリーフ圧より大きい第2の
    リリーフ圧とを選択可能な圧力調整手段と、 前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する燃料
    圧力検出手段と、 前記内燃機関が始動状態にあることを検出する始動状態
    検出手段と、 前記検出される燃料圧力が前記検出される機関始動時に
    おいて所定燃圧以下であるときに、前記所定リリーフ圧
    として前記第2のリリーフ圧が選択されるように前記圧
    力調整手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴と
    する内燃機関の高圧燃料供給装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100430587C (zh) * 2003-09-22 2008-11-05 五十铃自动车株式会社 柴油机
JP2012031759A (ja) * 2010-07-29 2012-02-16 Bosch Corp 内燃機関の制御装置
JP2013522514A (ja) * 2010-03-12 2013-06-13 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 内燃機関の燃料噴射システム

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