JP5533342B2 - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、多値画像データを高精細かつ高階調に画像出力するための画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
スキャナやディジタルカメラ等の入力装置で読み取った多値画像データをプリンタやディスプレイ等の出力装置に出力する画像入出力システムが普及している。このような画像入出力システムにおいて、入力装置で読み取った多値(例えば8ビット精度ならば256階調)の画像データを出力装置が出力可能な階調数の画像データに変換し、擬似的に連続階調を表現する方法として、擬似中間調処理が知られている。
疑似中間調処理の中でも、出力装置がドットのON/OFFのみの2値しか表現できないときには、2値化処理が従来から行われている。2値化処理としては、高速処理が可能なディザ処理や、解像性と階調性に共に優れたものとして誤差拡散処理や平均誤差最小法が知られている。誤差拡散処理と平均誤差最小法は、誤差の拡散作業をいつ行うかが異なるだけであり、論理的には等価なものである。
さらにこの誤差拡散処理を2値だけでなく3値以上の階調数にも適応したものとして、多値誤差拡散処理が存在する。多値誤差拡散処理では、2値誤差拡散処理と同様に、階調性と解像性に優れた処理が可能である。
出力装置における3値以上の階調数を確保するための方式としては、各種の方式が知られている。インクジェットプリンタにおいては、吐出するインク量を制御することによりインク液滴の大きさを変えて、小・中・大ドットとドット径を変化させることができ、このようなドット径の違い(ドットoffを含む)により3値以上の階調表現を行うことが可能である。
インクジェットプリンタは、大きく分けるとコンティニュアス型とオンデマンド型に分類できる。また、オンデマンド型には、副走査方向にある程度のノズルを用意した印字ヘッドが用紙の主走査方向を往復動作しながら印字するシリアル型と、用紙の主走査幅のノズルを用意したライン型がある。
シリアル型は、シリアル型はノズル数を抑制することができるため安価にプリンタを製造することができるという利点があるが、高速印刷を行うことが難しいという問題がある。すなわち、シリアル型のインクジェットプリンタは、(1)用紙の送りを停止して印字ヘッドを主走査方向に移動させて副走査方向に対してヘッド幅分の印字を行う、(2)ヘッド幅だけ用紙を副走査方向に送る、という(1)と(2)の動作を繰り返して用紙全てに印字を行う。このため、シリアル型は給紙動作が送りと停止を繰り返す動作となり、高速印刷には向かない。
一方、ライン型のインクジェットプリンタでは、用紙の主走査幅に相当する分だけ多数のノズルを主走査方向に並べた印字ヘッドが必要となるため、低コストで製造することが難しいという問題がある。例えばA3用紙を縦方向に給紙させる場合を考えると、主走査幅は297mmとなり、600dpiの解像度で印刷するならばノズル数は約7000になる。このように、印字ヘッドに多数のノズルを設ける必要があるため、プリンタを低コストで製造することが難しい。しかしながら、ライン型のインクジェットプリンタは、用紙を副走査方向に一定速度で通紙させればよいので、高速印刷が可能である。近年では、シリアル型に対して圧倒的な高速化が容易なライン型インクジェットプリンタに対して市場のニーズも高まってきており、例えば理想科学工業株式会社製のORIPHIS X 9050(商品名)のように製品化されている。
ところで、インクジェットプリンタの高画質化を実現する手法としては、吐出するインクの液滴を小さくすることが有効であり、極めて小さい液滴でインクを吐出できるプリンタも実用化されている。例えば、セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンタPM-970C(商品名)では1.8plの最小インク滴を吐出することができる。
以上のように高画質化には好ましいインク滴の微細化であるが、微細なインク滴は濃度が薄いという問題がある。すなわち、最小となるインク滴だけで画像を表現すると高濃度部の濃度が従来のインクジェットプリンタに比べて薄くなってしまうという不具合が生じてきた。この不具合に対しては、インク滴を重ね打ちすることで対応することが提案されている。例えば、大滴を形成する場合、小滴吐出パルスと中滴吐出パルスを1周期内に出力することで大滴を形成する。大滴は短時間に小滴と中滴を吐出しているので、小滴と中滴がそれぞれ紙面上の別の位置に着弾することなく、用紙へ着弾する前に2つのインク滴が合体して紙面に着弾することで1箇所に大ドットを形成させることができる。このように小滴と小滴、小滴と中滴の重ね打ちによる大きなインク滴を用いれば高濃度部の再現性を良好にすることができる。
以上のように高濃度部の再現性を良好にする最小インク滴の重ね打ちであるが、原因は不明であるが、中滴を吐出した後の大滴を吐出した場合、大滴を吐出した後の中滴を吐出した場合、小滴を吐出した後の小滴を吐出した場合などは問題ないものの、大滴を吐出した後の小滴を吐出した場合と、中滴を吐出した後の小滴を吐出した場合に不具合が生じてきた。すなわち、中滴または大滴を吐出した後に小滴を吐出すると、先に吐出した中滴または大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまうという、不本意な小滴の合体という課題が生じてきた。
理想状態であれば中滴と小滴を合わせてできるインク滴を着弾させた濃度は、中滴と小滴を異なる箇所に着弾させたときの濃度と同一である。濃度が変わらないのであれば不本意な小滴の合体が生じても問題はない。しかしながら、実際にはインクが紙面表層にすべて固着すれば濃度として再現するが、用紙中にインクの溶媒成分が染込み濃度に影響しない現象があるため、中滴と小滴を合わせてできるインク滴を着弾させた濃度は、中滴と小滴を異なる箇所に着弾させたときの濃度よりも薄くなってしまう。同様に、大滴に小滴を合わせてできるインク滴を着弾させた濃度は、大滴と小滴を異なる箇所に着弾させたときの濃度よりも薄くなってしまう。
ところで、シリアル型インクジェットプリンタでの印字ヘッド主走査方向往復動作において、特許文献1に記載されているようなマルチパス印字が知られている。主走査方向の1行を1回の往路工程または復路工程で印字する方式を1パス印字法、主走査方向の1行を主走査方向における奇数画素位置については往路工程で印字し、主走査方向における偶数画素位置については復路工程で印字する方式を2パス印字法、2パス印字法をさらに分割して主走査方向の1行を2回の往復工程で印字する方式を4パス印字法といい、2パス印字法や4パス印字法などをマルチパス印字法という。
ここで、2パス印字法による印字を行う場合、主走査方向における奇数画素位置を往路工程で印字するならば、主走査方向における偶数画素位置は往路工程では印字されないことになる。なんらかの中間調処理により、主走査方向に大滴・小滴を隣接して印字する場合であっても2パス印字法で印字を行えば、大滴は往路、小滴は復路で印字することになり、先に吐出した中滴・大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまうという不具合を解消することができる。しかしながら、2パス印字法は1パス印字法に対して印刷時間が2倍も必要となるといった問題を抱えている。
また、上記のようなマルチパス印字が可能なプリンタであっても、近年では複数の印刷モード(高画質モード・標準モード・ドラフトモードなど)を保持するものが多く、標準モードでは2パス印字法で印字を行い、ドラフトモードでは1パス印字法で印字を行うという要望がある。そして、マルチパス印字が可能なプリンタであっても、ドラフトモードで1パス印字法により印字を行った場合には、中滴・大滴を吐出した後に小滴を吐出すると、先に吐出した中滴・大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまう、不本意な小滴の合体という課題が解消されないことになる。
また、不本意な小滴の合体という課題に対しては、例えば特許文献2に記載されている技術を利用して対応することも考えられる。特許文献2に記載されている技術を利用すれば、シリアル型インクジェットプリンタにおいて主走査方向でドットoff−小滴−ドットoffという並びになるため、ノズルが主走査方向の左から右に書き込む動作、右から左に書き込む動作のいずれにおいても小滴はドットoffの後に吐出されることとなり、シリアル型インクジェットプリンタに関しては、先に吐出した中滴・大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまう、不本意な小滴の合体という課題を解消することができる。
ところで、上述したような印刷の高速化への要望の高まりから、シリアル型インクジェットプリンタの印字ヘッドを主走査方向に複数個並べてライン型インクジェットプリンタを構成する試みもなされている。このようなライン型インクジェットプリンタでは、印字ヘッドが設置される向きが、シリアル型インクジェットプリンタの印字ヘッドに対して90度回転した向きとなっている。このため、このようなシリアル型インクジェットプリンタでは、特許文献2に記載されている技術を利用したとしても、不本意な小滴の合体という課題を解消することができない。
もっとも、上記のようなライン型インクジェットプリンタに対して画像を回転させる回転回路を2個追加すれば、特許文献2に記載されている技術を利用することで不本意な小滴の合体という課題を解消することも可能となる。すなわち、一方の回転回路により入力画像を一旦90度回転させて、90度回転させた画像に対して特許文献2に記載されている技術を用いて量子化を行い、量子化済みの画像を他方の回転回路により初期の回転方向と異なる向きに90度回転させるようにすれば、不本意な小滴の合体という課題を解消することができる。しかしながら、この場合には、画像を90度回転させるための画像メモリを量子化の前後で別個に必要となるため、コスト上昇を招く懸念があり好ましくない。特に、例えば入力画像の解像度が1200×1200dpiでA3用紙サイズのメモリとなると、相当量のメモリが必要となって大幅なコストアップを招くため好ましくない。
以上のように、インクジェットプリンタにおいては、先に吐出した中滴・大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまう、不本意な小滴の合体という課題の解決が求められている。特に印刷の高速化が容易なライン型のインクジェットプリンタにおいては、大容量のメモリが要求されることによる大幅なコストアップなどを招くことなく、不本意な小滴の合体という課題を有効に解決できる技術が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、先に吐出した中滴・大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまう、不本意な小滴の合体という課題を解決できる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、多値画像データを、多値誤差拡散処理または多値平均誤差最小法を用いて3値以上のN値に量子化し、量子化した画像データを、吐出するインク量を制御することでN値の階調表現を行う画像出力装置に対して出力する画像処理装置であって、前記画像出力装置からインクを吐出させない画素の量子化値を1、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最小液滴のインクを吐出させる画素の量子化値を2、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最大液滴のインクを吐出させる画素の量子化値をNとしたときに、注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が1または2の場合は、前記注目画素の多値画像データを1〜NのN値に量子化し、前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が3以上の場合は、前記注目画素の多値画像データを、2を除く(N−1)値に量子化する量子化手段を備えること、を特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る画像処理装置と、前記画像処理装置から出力される量子化された画像データに基づいて吐出するインク量を制御することでN値の階調表現を行う画像出力装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理方法は、多値画像データを、多値誤差拡散処理または多値平均誤差最小法を用いて3値以上のN値に量子化し、量子化した画像データを、吐出するインク量を制御することでN値の階調表現を行う画像出力装置に対して出力する画像処理方法であって、前記画像出力装置からインクを吐出させない画素の量子化値を1、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最小液滴のインクを吐出させる画素の量子化値を2、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最大液滴のインクを吐出させる画素の量子化値をNとしたときに、注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が1または2であるか、あるいは、3以上であるかを判定するステップと、前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が1または2の場合は、前記注目画素の多値画像データを1〜NのN値に量子化し、前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が3以上の場合は、前記注目画素の多値画像データを、2を除く(N−1)値に量子化するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理プログラムは、本発明に係る画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるための画像処理プログラムである。
本発明によれば、注目画素の副走査方向に隣接する画素が中滴または大滴のインクを吐出させる場合は注目画素では小滴のインクを吐出させないように多値画像データが量子化されるので、不本意な小滴の合体という課題を解決し、階調性と高速印刷が可能で良好な画質の出力画像結果を得ることができるという効果を奏する。
図1は、画像入出力システムの概略構成を示す図である。 図2は、本実施形態における画像出力装置の機械的な構成を示す斜視図である。 図3は、画像出力装置が備える印字ヘッドをインク吐出面から見た平面図である。 図4は、印字ヘッドが備えるインクジェットヘッド部の斜視図である。 図5は、ノズルの断面図である。 図6は、インクが吐出される際のノズルの駆動波形と吐出されるインク滴との関係を示した説明図である。 図7は、インク滴が用紙に着弾したときのインクのイメージ図である。 図8は、第1の実施形態の画像処理装置のブロック図である。 図9は、誤差拡散部での処理に用いられる拡散係数の一例を示す図である。 図10は、第1の実施形態の画像処理装置における閾値設定部により、注目画素を量子化するための閾値群を設定する処理の流れを示すフローチャートである。 図11は、第2の実施形態の画像処理装置のブロック図である。 図12は、第2の実施形態の画像処理装置における閾値設定部により、注目画素を量子化するための閾値群を設定する処理の流れを示すフローチャートである。 図13は、インク滴が用紙に着弾したときのインクのイメージ図である。 図14は、第3の実施形態の画像処理装置における閾値設定部により、注目画素を量子化するための閾値群を設定する処理の流れを示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法および画像処理プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、画像入出力システムの概略構成を示す図である。画像入出力システムは、画像入力装置1と、画像処理装置2と、画像出力装置3を備える。
画像入力装置1は、スキャナやディジタルカメラ等の入力デバイスである。画像入力装置1では、入力画像が例えば8ビット精度ならば256階調の画像データとして取り込まれる。この画像入力装置1で取り込まれた多値画像データは、画像処理装置2に入力される。
画像処理装置2は、画像入力装置1から入力された多値画像データに対し、この後段の画像出力装置3で出力可能な階調数に変換(量子化)する処理を行う。この階調数変換処理には、例えば多値誤差拡散や多値平均誤差最小法などが用いられる。画像処理装置2で量子化した画像データは、画像出力装置3に送られる。本実施形態では、画像出力装置3としてライン型インクジェットプリンタを例示する。
図2は、本実施形態における画像出力装置3の機械的な構成を示す斜視図である。この画像出力装置3は、図2に示すように、用紙10の幅に相当する分だけ多数のノズルを主走査方向(図中のx方向)に並べた印字ヘッド11a〜11dを用いて、副走査方向に一定速度で搬送される用紙10に印字を行うライン型インクジェットプリンタとして構成されている。
この画像出力装置3における動作の概要は、以下の通りである。まず、給紙台12から用紙10を一枚ずつ分離して、停止したレジストローラ13に受け渡す。このとき、停止したレジストローラ13に用紙10の先端を突き当てることで、用紙10の斜行を直す。そして、レジストローラ13を回転させて用紙10の搬送を開始し、用紙10をガイド板14を介して搬送ベルト15に受け渡す。
搬送ベルト15は、ローラ16,17,18によって懸架された無端状のベルトであり、ローラ16,17,18の少なくともいずれかが図示しない駆動装置により回転駆動されることによって、印字ヘッド11a〜11dと対向する周面が図中のy方向(副走査方向・用紙搬送方向)に沿って移動するように駆動される。搬送ベルト15の印字ヘッド11a〜11dと対向する周面の直下には、図示しない吸引ファンが設けられており、その負圧により用紙10を搬送ベルト15に吸着させて、図中のy方向(副走査方向・用紙搬送方向)に搬送する。
4つの印字ヘッド11a〜11dは、用紙10の幅に相当する分だけ多数のノズルを主走査方向(図中のx方向)に並べたライン型ヘッドであり、それぞれがヘッド保持板19に保持されて、図中のy方向(副走査方向・用紙搬送方向)に並ぶように配列されている。4つの印字ヘッド11a〜11dのうち、印字ヘッド11aはシアン版用のライン型ヘッド、印字ヘッド11bはマゼンタ版用のライン型ヘッド、印字ヘッド11cはイエロー版用のライン型ヘッド、印字ヘッド11dは黒版用のライン型ヘッドである。搬送ベルト15により搬送される用紙10がこれら4つの印字ヘッド11a〜11dの直下を通過するときに、印字ヘッド11a〜11dが画像処理装置2からの画像データに応じてそれぞれの版のインク滴を順次吐出し、用紙10上に画像を記録する。画像が記録された用紙10は搬送ベルト15の搬送により下流側に送られて、図中の右側に設けられている図示しない排紙台に排出される。
図3は、画像出力装置3が備える印字ヘッド11a〜11d(以下、印字ヘッド11と総称する。)をインク吐出面から見た平面図である。印字ヘッド11は、図3に示すように、ライン型ヘッドフレーム20に複数のインクジェットヘッド部21a〜21eを固定して設けた構造である。
図4は、印字ヘッド11が備えるインクジェットヘッド部21a〜21e(以下、インクジェットヘッド部21と総称する。)の斜視図である。インクジェットヘッド部21は、図4に示すように、ノズルフレーム30に複数のノズル31を設けた構造である。
図5は、ノズル31の断面図である。図5(a)に示すように、ノズル31はインク通路32と連通するように形成されている。また、インク通路32と接する位置には、ピエゾ素子33が設けられている。ピエゾ素子33は、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。図5の例では、ピエゾ素子33の両端に設けられた図示しない電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図5(b)に示すように、ピエゾ素子33が電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路32の一側壁を変形させる。この結果、インク通路32の体積はピエゾ素子33の伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴Ipとなって、ノズル31の先端Nzから高速に吐出される。このインク滴Ipが用紙に染み込むことにより、印刷が行われる。
図6は、インクが吐出される際のノズル31の駆動波形(ピエゾ素子33の駆動波形)と吐出されるインク滴Ipとの関係を示した説明図である。図6(a)で示す波形が小滴のインク滴Ipを吐出させる場合の駆動波形を示し、図6(b)で示す波形が大滴のインク滴Ipを吐出させる場合の駆動波形を示している。パルス周期Tp2個を1ドット(画素)の駆動周期Tとしたとき、小滴は駆動周期Tにおいて1パルス、大滴は2パルスで動作する。
大滴・小滴の各々のパルス周期Tpにおいて、一旦、マイナスの電圧をピエゾ素子33に印加すると、図5(b)で示した方向とは逆にインク通路32の断面積を増大する方向にピエゾ素子33が変形するため、メニスカスと呼ばれるインク界面は、ノズル31の先端Nzの内側にへこんだ状態となる。その後、ピエゾ素子33への印加電圧を正にすると、図5(b)を用いて説明した原理に基づいてインク滴Ipが吐出される。図6(b)に示す駆動波形で駆動した場合には、インク滴Ipの2滴が用紙へ着弾する前に合体して大滴となる。
図7は、インク滴Ipが用紙に着弾したときのインクのイメージ図である。図7の左から順にドットoff・小滴・大滴の3種類の状態を示す。画像出力装置3は、以上のようにインク吐出量を制御することで、少なくともドットoff・小滴・大滴を含む3値以上の階調表現が可能となる。以下では、説明を簡単にするために、画像出力装置3が3値の階調表現を行うように構成されているものとし、ドットoffの階調値を0、小滴の階調値を128、大滴の階調値を255として説明する。
以上が本実施形態における画像入出力システムの概要であるが、画像入出力システムのシステム構成としては、様々な形態が考えられる。つまり、図1に示した例では、画像入力装置1、画像処理装置2、画像出力装置3をそれぞれ独立した装置としているが、画像処理装置2の機能を画像入力装置1に含ませるようにしてもよいし、画像処理装置2の機能を画像出力装置3に含ませるようにしてもよい。また、画像入力装置1、画像処理装置2、画像出力装置3のそれぞれの機能を1つの装置に含ませるようにしてもよい。なお、特許請求の範囲に記載の「画像形成装置」は、少なくとも画像処理装置2の機能と画像出力装置3の機能とを併せ持つ装置である。
次に、画像処理装置2についてさらに詳しく説明する。図8は、本実施形態の画像処理装置2のブロック図(特に本実施形態において特徴的な画像処理を行う部分のブロック構成を示す。)である。
図8において、入力端子101には画像入力装置1より多値画像データが入力される。ここで、2次元の画像データを表わすために、入力端子101に入力される多値画像データ(以下、入力データという。)をIn(x,y)として表わす(xは画像の主走査方向のアドレス、yは副走査方向のアドレスを示す)。
入力データIn(x,y)は、加算器104へ入力される。加算器104は、入力データIn(x,y)と誤差メモリ108から入力される誤差成分(誤差補正量)E(x,y)を加算して補正データC(x,y)を計算し、補正データC(x,y)を比較判定部105および減算器107へ出力する。
比較判定部105は、加算器104から入力される補正データC(x,y)と閾値設定部102から入力される閾値群T(x,y)に基づいて、下記(1)のように出力値Out(x,y)を決定する。閾値群T(x,y)は、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)とを含む閾値群であり、第1閾値T1(x,y)はドットoffと小滴の出力判定をするための閾値、第2閾値T2(x,y)は小滴と大滴の出力判定をするための閾値とする。
If(C(x,y)<T1(x,y))
then Out(x,y)=0
Else If(C(x,y)<T2(x,y))
then Out(x,y)=128
Else
then Out(x,y)=255 ・・・(1)
この出力値Out(x,y)が出力端子106から画像出力装置3に対して出力される。
また、出力値Out(x,y)は、量子メモリ103および減算器107にも入力される。減算器107は、下記式(2)に示すように、補正データC(x,y)から出力値Out(x,y)を減算することで、現画素の量子化に伴って発生した誤差e(x,y)を算出して誤差拡散部109に入力する。
e(x,y)=C(x,y)−Out(x,y) ・・・(2)
誤差拡散部109は、予め設定された拡散係数に基づいて、誤差e(x,y)を配分して誤差メモリ108に蓄積されている誤差データE(x,y)に加算していく。ここで、例えば拡散係数として図9に示すような係数を用いた場合、誤差拡散部109では下記式(3)〜(6)で示すような処理を行う。
E(x+1,y)=E(x+1,y)+e(x,y)×7/16 ・・・(3)
E(x−1,y+1)=E(x−1,y+1)+e(x,y)×5/16 ・・・(4)
E(x,y+1)=E(x,y+1)+e(x,y)×3/16 ・・・(5)
E(x+1,y+1)=E(x+1,y+1)+e(x,y)×1/16 ・・・(6)
また、量子メモリ103は、比較判定部105から入力される出力値Out(x,y)を蓄積し、注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)を量子Q(x,y)として閾値設定部102へ出力する。
閾値設定部102は、量子メモリ103から入力される量子Q(x,y)を用いて、図10のフローチャートで示す処理により、注目画素を量子化するための閾値群T(x,y)を設定し、設定した閾値群T(x,y)を比較判定部105へ出力する。
図10のフローが開始されると、閾値設定部102は、まずステップS101にて第1閾値T1(x,y)にドットoffの階調値である0と小滴の階調値である128の中間値64、第2閾値T2(x,y)に小滴の階調値である128と大滴の階調値である255の中間値191をそれぞれセットする。
次に、閾値設定部102は、ステップS102にて量子メモリ103から入力される量子Q(x,y)の値(注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値)を参照し、量子Q(x,y)の値が255となっているかどうか(つまり、ドットoff=「1」、小滴=「2」、大滴=「3」の3値に量子化した場合の量子化値「3」となっているかどうか)を判定する。そして、閾値設定部102は、量子Q(x,y)の値が255の場合(ステップS102:Yes)はステップS103に進み、ステップS103においてステップS101でセットした第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)とが同値となるようにいずれかの閾値の値を変更し、図10のフローを終了する。一方、量子Q(x,y)の値が255でない場合(ステップS102:No)には、ステップS103の処理を行うことなく図10のフローを終了する。
本実施形態の画像処理装置2では、以上のようにして閾値設定部102により設定される閾値群T(x,y)を比較判定部105に入力する図8の構成によって、画像入力装置1からの多値画像データを3値に量子化する多値誤差拡散処理が行われる。
次に、このような処理によりなぜ先に吐出した大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまう、不本意な小滴の合体という課題が解消できるかについて説明する。
図10のフローにおいて、ステップS102にて量子Q(x,y)の値、すなわち注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)に応じて、第1閾値T1(x,y)の値をステップS101でセットした値にするか、あるいは第2閾値T2(x,y)と同値にするかを分けている。
注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)が255でない、すなわち大滴でなければ、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は異なる値となるため、注目画素については、補正データC(x,y)の値に応じてドットoff・小滴・大滴のいずれかとなる。この場合、注目画素の副走査方向に隣接する画素はドットoffか小滴であるから、注目画素で小滴を吐出しても用紙に着弾する前に合体することなく、確実に小滴を紙面に再現させることができる。また、注目画素が大滴・ドットoffのいずれかであったとしても問題なく紙面に再現させることができる。
一方、注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)が 255、すなわち大滴であれば、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は同値となる。上記式(1)より補正データC(x,y)が第1閾値T1(x,y)より低ければ注目画素の出力値Out(x,y)は0、すなわちドットoffとなる。また、補正データC(x,y)が第1閾値T1(x,y)より高くても、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は同値であるため、注目画素の出力値Out(x,y)は255、すなわち大滴となる。このように注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)が255、すなわち大滴である場合は、注目画素において小滴が出力されることはないため、不本意な小滴の合体という課題は解消することができる。
(第2の実施形態)
次に、画像処理装置2の他の構成例を第2の実施形態として説明する。図11は、本実施形態の画像処理装置2のブロック図(特に本実施形態において特徴的な画像処理を行う部分のブロック構成を示す。)である。
図11において、入力端子201には画像入力装置1より入力データIn(x,y)が入力される。
入力データIn(x,y)は、加算器204へ入力される。加算器204は、入力データIn(x,y)と誤差メモリ208から入力される誤差成分(誤差補正量)E(x,y)を加算して補正データC(x,y)を計算し、補正データC(x,y)を比較判定部205および減算器207へ出力する。
比較判定部205は、加算器204から入力される補正データC(x,y)と閾値設定部202から入力される閾値群T(x,y)に基づいて、上記(1)のように出力値Out(x,y)を決定する。閾値群T(x,y)は、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)とを含む閾値群であり、第1閾値T1(x,y)はドットoffと小滴の出力判定をするための閾値、第2閾値T2(x,y)は小滴と大滴の出力判定をするための閾値である。
比較判定部205で決定された出力値Out(x,y)は、出力端子206から画像出力装置3に対して出力されるとともに、量子判定部210および減算器207にも入力される。減算器207は、上記式(2)に示したように、補正データC(x,y)から出力値Out(x,y)を減算することで、現画素の量子化に伴って発生した誤差e(x,y)を算出して誤差拡散部209に入力する。
誤差拡散部209は、予め設定された拡散係数に基づいて、誤差e(x,y)を配分して誤差メモリ208に蓄積されている誤差データE(x,y)に加算していく。ここで、例えば拡散係数として図9に示したような係数を用いた場合、誤差拡散部209では上記式(3)〜(6)で示したような処理を行う。
量子判定部210は、比較判定部205から入力される出力値Out(x,y)を下記(7)のように判定して、2値の判定結果フラグf(x,y)を2値メモリ203へ出力する。
If(Out(x,y)=255)
then f(x,y)=1
Else
then f(x,y)=0 ・・・(7)
また、2値メモリ203は、量子判定部210から入力される2値の判定結果フラグf(x,y)を蓄積し、注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の判定結果フラグf(x、y−1)の値を2値量子B(x,y)として閾値設定部202へ出力する。
閾値設定部202は、2値メモリ203から入力される2値量子B(x,y)を用いて、図12のフローチャートで示す処理により、注目画素を量子化するための閾値群T(x,y)を設定し、設定した閾値群T(x,y)を比較判定部205へ出力する。
図12のフローが開始されると、閾値設定部202は、まずステップS201にて第1閾値T1(x,y)にドットoffの階調値である0と小滴の階調値である128の中間値64、第2閾値T2(x,y)に小滴の階調値である128と大滴の階調値である255の中間値191をそれぞれセットする。
次に、閾値設定部202は、ステップS202にて2値メモリ203から入力される2値量子B(x,y)の値(注目画素の副走査方向に隣接する画素の判定結果フラグの値)を参照し、2値量子B(x,y)の値が1となっているかどうかを判定する。そして、閾値設定部202は、2値量子B(x,y)の値が1の場合(ステップS202:Yes)はステップS203に進み、ステップS203においてステップS201でセットした第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)とが同値となるようにいずれかの閾値の値を変更し、図12のフローを終了する。一方、2値量子B(x,y)の値が0の場合(ステップS202:No)には、ステップS203の処理を行うことなく図12のフローを終了する。
本実施形態の画像処理装置2では、以上のようにして閾値設定部202により設定される閾値群T(x,y)を比較判定部205に入力する図11の構成によって、画像入力装置1からの多値画像データを3値に量子化する多値誤差拡散処理が行われる。
次に、このような処理によりなぜ先に吐出した大滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまう、不本意な小滴の合体という課題が解消できるかについて説明する。
図12のフローにおいて、ステップS202にて2値量子B(x,y)の値、すなわち注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)についての判定結果フラグf(x,y−1)に応じて、第1閾値T1(x,y)の値をステップS201でセットした値にするか、あるいは第2閾値T2(x,y)と同値にするかを分けている。
注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)の判定結果フラグf(x、y−1)が1でない、すなわち大滴でなければ、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は異なる値となるため、注目画素については、補正データC(x,y)の値に応じてドットoff・小滴・大滴のいずれかとなる。この場合、注目画素の副走査方向に隣接する画素はドットoffか小滴であるから、注目画素で小滴を吐出しても用紙に着弾する前に合体することなく、確実に小滴を紙面に再現させることができる。また、注目画素が大滴・ドットoffのいずれかであったとしても問題なく紙面に再現させることができる。
一方、注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)の判定結果フラグf(x、y−1)が1、すなわち大滴であれば、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は同値となる。上記式(1)より補正データC(x,y)が第1閾値T1(x,y)より低ければ注目画素の出力値Out(x,y)は0、すなわちドットoffとなる。また、補正データC(x,y)が第1閾値T1(x,y)より高くても、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は同値であるため、注目画素の出力値Out(x,y)は255、すなわち大滴となる。このように注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)が255、すなわち大滴である場合は、注目画素において小滴が出力されることはないため、不本意な小滴の合体という課題は解消することができる。
また、第2の実施形態の画像処理装置2は、第1の実施形態の画像処理装置2における量子メモリ103に代えて、量子判定部210と2値メモリ203を備えた構成である。第1の実施形態であれば、量子メモリ103で保持する情報は比較判定部105が出力する出力値Out(x,y)であるため、8bitのデータとなる。これに対して、第2の実施形態では、比較判定部205が出力する出力値Out(x,y)を量子判定部210で判定した結果である2値の判定結果フラグf(x,y)を2値メモリ203で保持する構成であるため、2値メモリ203が保持する情報は1bitのデータとなり、省メモリとなる。ライン型インクジェットプリンタにおいて、量子メモリ103や2値メモリ203は出力可能な主走査の画素数分だけ必要となるため、第2の実施形態のように各画素1bitのデータを2値メモリ203で保持する構成としたほうが、メモリを削減できて低コスト化を実現することができる。
(第3の実施形態)
以上は、画像出力装置3がドットoff・小滴・大滴の3値の階調表現を行うように構成されていることを前提として、画像入力装置1から入力される多値画像データを3値に量子化する画像処理装置2について説明したが、画像出力装置3がより多値の階調表現を行うように構成されている場合は、画像処理装置2もそれに合わせた処理を行えばよい。以下では、画像出力装置3がドットoff・小滴・中滴・大滴の4値で階調表現を行うように構成されているものとし、第2実施形態と同様の構成の画像処理装置2により、画像入力装置1から入力される多値画像データを3値に量子化する例を第3の実施形態として説明する。なお、本実施形態の画像処理装置2の構成は第2の実施形態と同様(図11参照)であるので、以下では、構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略し、本実施形態において特徴的な部分についてのみ説明する。
図13は、画像出力装置3が備える印字ヘッド11のノズル31から吐出されるインク滴Ipが用紙に着弾したときのインクのイメージ図である。図13の左から順にドットoff・小滴・中滴・大滴の4種類の状態を示す。画像出力装置3は、これらドットoff・小滴・中滴・大滴の4値での階調表現が可能となっている。ここで、ドットoffの階調値を0、小滴の階調値を85、中滴の階調値を170、大滴の階調値を255とする。
本実施形態の画像処理装置2において、比較判定部205は、加算器204から入力される補正データC(x,y)と閾値設定部202から入力される閾値群T(x,y)に基づいて、下記(8)のように出力値Out(x,y)を決定する。閾値群T(x,y)は、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)と第3閾値T3(x,y)とを含む閾値群であり、第1閾値T1(x,y)はドットoffと小滴の出力判定をするための閾値、第2閾値T2(x,y)は小滴と中滴の出力判定をするための閾値、第3閾値T3(x,y)は中滴と大滴の出力判定をするための閾値である。
If(C(x,y)<T1(x,y))
then Out(x,y)=0
Else If(C(x,y)<T2(x,y))
then Out(x,y)=85
Else If(C(x,y)<T3(x,y))
then Out(x,y)=170
Else
then Out(x,y)=255 ・・・(8)
量子判定部210は、比較判定部205から入力される出力値Out(x,y)を下記(9)のように判定して、2値の判定結果フラグf(x,y)を2値メモリ203へ出力する。
If(Out(x,y)=255)
then f(x,y)=1
Else If(Out(x,y)=170)
then f(x,y)=1
Else
then f(x,y)=0 ・・・(9)
閾値設定部202は、2値メモリ203から入力される2値量子B(x,y)を用いて、図14のフローチャートで示す処理により、注目画素を量子化するための閾値群T(x,y)を設定し、設定した閾値群T(x,y)を比較判定部205へ出力する。
図14のフローが開始されると、閾値設定部202は、まずステップS301にて第1閾値T1(x,y)にドットoffの階調値である0と小滴の階調値である85の中間値43、第2閾値T2(x,y)に小滴の階調値である85と中滴の階調値である170の中間値128、第3閾値T3(x,y)に中滴の階調値である170と大滴の階調値である255の中間値213をそれぞれセットする。
次に、閾値設定部202は、ステップS302にて2値メモリ203から入力される2値量子B(x,y)の値(注目画素の副走査方向に隣接する画素の判定結果フラグの値)を参照し、2値量子B(x,y)の値が1となっているかどうかを判定する。そして、閾値設定部202は、2値量子B(x,y)の値が1の場合(ステップS302:Yes)はステップS303に進み、ステップS303においてステップS301でセットした第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)とが同値となるようにいずれかの閾値の値を変更し、図14のフローを終了する。一方、2値量子B(x,y)の値が0の場合(ステップS302:No)には、ステップS303の処理を行うことなく図14のフローを終了する。
本実施形態の画像処理装置2では、以上のようにして閾値設定部202により設定される閾値群T(x,y)を比較判定部205に入力する図11の構成によって、画像入力装置1からの多値画像データを4値に量子化する多値誤差拡散処理が行われる。
次に、このような処理によりなぜ先に吐出した大滴や中滴に小滴が用紙へ着弾する前に合体してしまう、不本意な小滴の合体という課題が解消できるかについて説明する。
図14のフローにおいて、ステップS302にて2値量子B(x,y)の値、すなわち注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)についての判定結果フラグf(x,y−1)に応じて、第1閾値T1(x,y)の値をステップS301でセットした値にするか、あるいは第2閾値T2(x,y)と同値にするかを分けている。
注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)の判定結果フラグf(x、y−1)が1でない、すなわちドットoffまたは小滴であれば、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は異なる値となるため、注目画素については、補正データC(x,y)の値に応じてドットoff・小滴・中滴・大滴のいずれかとなる。この場合、注目画素の副走査方向に隣接する画素はドットoffか小滴であるから、注目画素で小滴を吐出しても用紙に着弾する前に合体してしまうインク滴は存在しないため、確実に小滴を紙面に再現させることができる。また、注目画素が大滴・中滴・ドットoffのいずれかであったとしても問題なく紙面に再現させることができる。
一方、注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)の判定結果フラグf(x、y−1)が1、すなわち大滴または中滴であれば、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は同値となる。上記式(1)より補正データC(x,y)が第1閾値T1(x,y)より低ければ注目画素の出力値Out(x,y)は0、すなわちドットoffとなる。また、補正データC(x,y)が第1閾値T1(x,y)より高くても、第1閾値T1(x,y)と第2閾値T2(x,y)は同値であるため、注目画素の出力値Out(x,y)は170または255、すなわち中滴または大滴となる。このように注目画素の副走査方向に隣接する画素(x,y−1)の出力値Out(x,y−1)が170または255、すなわち中滴または大滴である場合は、注目画素において小滴が出力されることはないため、不本意な小滴の合体という課題は解消することができる。
(その他の実施形態)
上述した各実施形態では、画像処理装置2において誤差拡散処理により多値画像データを量子化するようにしているが、画像処理装置2において平均誤差最小法により多値画像データを量子化する構成であっても、本発明は同様に適用可能である。
また、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用することもできるし、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用することもできる。
また、本発明は、上述した各実施形態の画像処理装置2の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)がそのプログラムコードを実行することによっても実施可能である。この場合、上記のプログラムコードは記憶媒体に格納されたかたちでシステムあるいは装置に供給されるようにしてもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介してシステムあるいは装置に供給されるようにしてもよい。なお、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが上記のプログラムコードを実行することにより、上述した各実施形態の画像処理装置2の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施形態の画像処理装置2の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、上記のプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施形態の画像処理装置2の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
なお、以上説明した実施形態は本発明の好適な実施形態の一例を示すものであり、本発明の技術範囲は実施形態として開示した技術事項そのままに限定されるものではない。本発明の技術範囲は、実施形態として開示した技術事項に技術常識を加味して容易に導かれる変形例、代替手段なども含むものである。
2 画像処理装置
3 画像出力装置
11(11a〜11d) 印字ヘッド(ライン型ヘッド)
31 ノズル
102,202 閾値設定部(閾値設定手段)
103 量子メモリ(量子メモリ手段)
104,204 加算器(補正データ出力手段)
105,205 比較判定部(量子化手段)
107,207 減算器(誤差算出手段)
108,208 誤差メモリ(誤差補正量算出手段)
109,209 誤差拡散部(誤差補正量算出手段)
203 2値メモリ(フラグメモリ手段)
210 量子判定部(判定手段)
特許第2986124号公報 特許第4257087号公報

Claims (9)

  1. 多値画像データを、多値誤差拡散処理または多値平均誤差最小法を用いてN値(Nは3以上の整数)に量子化し、量子化した画像データを、吐出するインク量を制御することでN値の階調表現を行う画像出力装置に対して出力する画像処理装置であって、
    前記画像出力装置からインクを吐出させない画素の量子化値を1、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最小液滴のインクを吐出させる画素の量子化値を2、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最大液滴のインクを吐出させる画素の量子化値をNとしたときに、注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が1または2の場合は、前記注目画素の多値画像データを1〜NのN値に量子化し、前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が3以上の場合は、前記注目画素の多値画像データを、2を除く(N−1)値に量子化する量子化手段を備えること、を特徴とする画像処理装置。
  2. 前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が1または2の場合は、前記注目画素の多値画像データを量子化値2に量子化するかどうかを判定するための閾値を含む複数の閾値を設定し、前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が3以上の場合は、前記注目画素の多値画像データを量子化値2に量子化するかどうかを判定するための閾値を含まない閾値を設定する閾値設定手段をさらに備え、
    前記量子化手段は、前記閾値設定手段により設定された閾値を用いて、前記注目画素の多値画像データをN値または(N−1)値に量子化すること、を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記量子化に伴って発生する誤差を算出する誤差算出手段と、
    前記注目画素の周辺の既に量子化済みの画素の誤差に基づいて、前記注目画素に配分される誤差補正量を算出する誤差補正量算出手段と、
    前記注目画素の多値画像データに対して、該注目画素に配分される誤差補正量を加えた補正データを出力する補正データ出力手段と、
    既に量子化済みの画素の量子化値を記憶する量子メモリ手段と、をさらに備え、
    前記閾値設定手段は、前記量子メモリ手段から前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値を参照し、該副走査方向に隣接する画素の量子化値に応じて、前記注目画素を量子化するための閾値を設定し、
    前記量子化手段は、前記補正データを前記閾値設定手段が設定した閾値と比較して、前記注目画素の多値画像データをN値または(N−1)値に量子化すること、を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記量子化に伴って発生する誤差を算出する誤差算出手段と、
    前記注目画素の周辺の既に量子化済みの画素の誤差に基づいて、前記注目画素に配分される誤差補正量を算出する誤差補正量算出手段と、
    前記注目画素の多値画像データに対して、該注目画素に配分される誤差補正量を加えた補正データを出力する補正データ出力手段と、
    既に量子化済みの画素の量子化値を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果を2値の判定結果フラグとして記憶するフラグメモリ手段と、をさらに備え、
    前記閾値設定手段は、前記フラグメモリ手段から前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の判定結果フラグを参照し、該副走査方向に隣接する画素の判定結果フラグに応じて、前記注目画素を量子化するための閾値を設定し、
    前記量子化手段は、前記補正データを前記閾値設定手段が設定した閾値と比較して、前記注目画素の多値画像データをN値または(N−1)値に量子化すること、を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記判定手段は、既に量子化済みの画素の量子化値が0または1であるか、あるいは、3以上であるかを判定し、
    前記フラグメモリ手段は、既に量子化済みの画素の量子化値が0または1であると前記判定手段により判定された場合と、既に量子化済みの画素の量子化値が3以上であると前記判定手段により判定された場合とで異なる値をとる前記判定結果フラグを記憶すること、を特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置と、
    前記画像処理装置から出力される量子化された画像データに基づいて吐出するインク量を制御することでN値の階調表現を行う画像出力装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記画像出力装置は、インクを吐出する多数のノズルが主走査方向に並ぶライン型ヘッドを備え、ピエゾ素子を用いて前記ノズルから吐出するインク量を制御するライン型インクジェット方式の画像出力装置であること、を特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 多値画像データを、多値誤差拡散処理または多値平均誤差最小法を用いて3値以上のN値に量子化し、量子化した画像データを、吐出するインク量を制御することでN値の階調表現を行う画像出力装置に対して出力する画像処理方法であって、
    前記画像出力装置からインクを吐出させない画素の量子化値を1、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最小液滴のインクを吐出させる画素の量子化値を2、前記画像出力装置から該画像出力装置で吐出可能な最大液滴のインクを吐出させる画素の量子化値をNとしたときに、
    注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が1または2であるか、あるいは、3以上であるかを判定するステップと、
    前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が1または2の場合は、前記注目画素の多値画像データを1〜NのN値に量子化し、前記注目画素の副走査方向に隣接する画素の量子化値が3以上の場合は、前記注目画素の多値画像データを、2を除く(N−1)値に量子化するステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項8に記載の画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
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