JP5532866B2 - マルチアンテナ装置および携帯機器 - Google Patents

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Description

この発明は、マルチアンテナ装置および携帯機器に関し、特に、複数のアンテナ素子を備えたマルチアンテナ装置および携帯機器に関する。
従来、複数のアンテナ素子を備えたマルチアンテナ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、モノポールアンテナからなる2つのアンテナ素子と、2つのアンテナ素子間の相互結合を小さくするために2つのアンテナ素子の間に配置されたアイソレーション素子とを備えるMIMOアレーアンテナ(マルチアンテナ装置)が開示されている。このMIMOアレーアンテナでは、2つのアンテナ素子を互いに対応する電波の波長λの1/2の距離を隔てて配置するとともに、アイソレーション素子を各アンテナ素子からλ/4の距離を隔てた位置に配置することによって、アイソレーション素子を共振させてモノポールアンテナからなるアンテナ素子の相互結合を小さくしている。
また、従来、モノポールアンテナなどの線状アンテナとは特性の異なるループアンテナ(ループ状アンテナ)からなるアンテナ素子が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
上記特許文献2には、両端に一対の開放端部を有するループアンテナと、ループアンテナの近傍に配置され、ループアンテナの一対の開放端部の一方に電気的に接続される金属部材とを備える、ループアンテナユニットが開示されている。
特開2007−97167号公報 特開2006−93977号公報
上記特許文献1のMIMOアレーアンテナ(マルチアンテナ装置)では、モノポールアンテナからなるアンテナ素子の相互結合を小さくすることが可能である一方、ループアンテナからなるアンテナ素子の相互結合を小さくする構成については記載されていない。また、ループアンテナは、上記のように、モノポールアンテナなどの線状アンテナとは特性が異なるので、上記特許文献1のモノポールアンテナを前提とする技術を特許文献2に記載したようなループアンテナに適用することはできないと考えられる。
したがって、従来では、ループアンテナによりマルチアンテナ装置を構成した場合に、ループアンテナからなるアンテナ素子間の相互結合を小さくするのが困難であり、その結果、ループアンテナ(ループ状アンテナ)を含むマルチアンテナ装置の小型化を図るのが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ループアンテナ(ループ状アンテナ)からなるアンテナ素子の相互結合を小さくすることによりマルチアンテナ装置の小型化を図ることが可能なマルチアンテナ装置および携帯機器を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の第1の局面によるマルチアンテナ装置は、第1給電点から所定方向に巻かれる第1ループ状アンテナ素子と、第2給電点から所定方向とは反対方向に巻かれる第2ループ状アンテナ素子と、第1ループ状アンテナ素子の第1給電点が配置される側とは反対の端部側と、第2ループ状アンテナ素子の第2給電点が配置される側とは反対の端部側とを互いに接続する接続部と、接続部と接地電位との間に配置されるインピーダンス素子とを備え、第1ループ状アンテナ素子、第2ループ状アンテナ素子および接続部は、同一平面状に形成されている。ここで、ループ状アンテナ素子とは、完全に閉じたループ(環状)の形状のアンテナ素子のみならず、部分的にループ(環状)の部分を有する形状のアンテナ素子も含む広い概念である。
この発明の第1の局面によるマルチアンテナ装置では、上記のように、第1給電点から所定方向に巻かれる第1ループ状アンテナ素子と、第2給電点から所定方向とは反対方向に巻かれる第2ループ状アンテナ素子とを設けることによって、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流により第1ループ状アンテナ素子に発生する電圧の方向と、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の方向とを反対方向にすることができる。また、第1ループ状アンテナ素子の第1給電点が配置される側とは反対の端部側と第2ループ状アンテナ素子の第2給電点が配置される側とは反対の端部側とを互いに接続する接続部と、接続部と接地電位との間に配置されるインピーダンス素子とを設けることによって、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流により第1ループ状アンテナ素子に発生する電圧の方向と、インピーダンス素子を介して接地電位に流れる電流によりインピーダンス素子に発生する電圧の方向とを同じ方向にすることができる。これにより、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、インピーダンス素子を介して接地電位に流れる電流によりインピーダンス素子に発生する電圧の方向と、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の方向とが反対方向になるので、第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の少なくとも一部がインピーダンス素子に発生する電圧により打ち消される。その結果、第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を小さくすることができる。これにより、ループ状アンテナからなるアンテナ素子間の相互結合を小さくするためにアンテナ素子間の距離を大きくする必要がなく、その分、ループ状アンテナを用いたマルチアンテナ装置の小型化を図ることができる。
上記第1の局面によるマルチアンテナ装置において、好ましくは、所定の周波数において、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧を打ち消す方向の電圧がインピーダンス素子を介して接地電位に流れる電流により発生するように構成されている。このように構成すれば、容易に、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の少なくとも一部をインピーダンス素子に発生する電圧により打ち消して第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を小さくすることができる。
この場合、好ましくは、インピーダンス素子は、所定の周波数において、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧と略同じ大きさの電圧がインピーダンス素子を介して接地電位に流れる電流により発生するインピーダンス値を有するように構成されている。このように構成すれば、インピーダンス素子のインピーダンス値を所定の値にするだけの簡易な方法により、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の略全てがインピーダンス素子に発生する電圧により打ち消されるので、第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合をより小さくすることができる。その結果、ループ状アンテナ素子を用いたマルチアンテナ装置の小型化をより図ることができる。
上記第1の局面によるマルチアンテナ装置において、好ましくは、第1ループ状アンテナ素子および第2ループ状アンテナ素子が略U字形状に形成されており、略U字形状の第1ループ状アンテナ素子の一方端部近傍が第1給電点に接続され、略U字形状の第2ループ状アンテナ素子の一方端部近傍が第2給電点に接続され、第1ループ状アンテナ素子の他方端部近傍と第2ループ状アンテナ素子の他方端部近傍とが互いに接続部により接続されているとともに、接続部にはインピーダンス素子が接続されている。このように構成すれば、簡易な形状からなる略U字形状のループ状アンテナ素子を用いたマルチアンテナ装置の小型化を図ることができる。
上記第1の局面によるマルチアンテナ装置において、好ましくは、第1給電点は、第2給電点との離間距離が第1ループ状アンテナ素子および第2ループ状アンテナ素子が出力する電波の波長λの1/4未満の大きさになるように配置されている。このように構成すれば、第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との距離が小さくなるので、ループ状アンテナを用いたマルチアンテナ装置の小型化を図ることができる。
上記第1の局面によるマルチアンテナ装置において、好ましくは、第1ループ状アンテナ素子と第1給電点との間に配置され、所定の周波数において、インピーダンス整合を図りながら第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を抑制するための第1整合回路と、第2ループ状アンテナ素子と第2給電点との間に配置され、所定の周波数において、インピーダンス整合を図りながら第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を抑制するための第2整合回路とをさらに備える。このように構成すれば、所定の周波数において、第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を小さくすることができるとともにインピーダンス整合が図られるので、アンテナ素子を介して伝達されるエネルギの伝達損失をより軽減させることができる。これにより、モノポールアンテナなどの線状アンテナに比べて利得(ゲイン)が大きいループ状アンテナからなるアンテナ素子の利得をより大きくすることができる。
上記第1の局面によるマルチアンテナ装置において、好ましくは、インピーダンス素子はインダクタである。このように構成すれば、インダクタ(コイル)からなる簡易な構成のインピーダンス素子により、容易に、第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を小さくすることができる。
上記第1の局面によるマルチアンテナ装置において、好ましくは、第1ループ状アンテナ素子および第2ループ状アンテナ素子は、複数の位置で屈曲または湾曲した形状に形成されている。このように構成すれば、第1ループ状アンテナ素子および第2ループ状アンテナ素子の配置領域が小さい場合にも、屈曲または湾曲した形状により、第1ループ状アンテナ素子および第2ループ状アンテナ素子に必要な長さを確保することができるので、配置する領域を広げる必要がない分、マルチアンテナ装置をより小型化することができる。
この発明の第2の局面による携帯機器は、第1給電点から所定方向に巻かれる第1ループ状アンテナ素子と、第2給電点から所定方向とは反対方向に巻かれる第2ループ状アンテナ素子と、第1ループ状アンテナ素子の第1給電点が配置される側とは反対の端部側と、第2ループ状アンテナ素子の第2給電点が配置される側とは反対の端部側とを互いに接続する接続部と、接続部と接地電位との間に配置されるインピーダンス素子とを含み、第1ループ状アンテナ素子、第2ループ状アンテナ素子および接続部は、同一平面状に形成されているマルチアンテナ装置を備える。
この発明の第2の局面による携帯機器では、上記のように、第1給電点から所定方向に巻かれる第1ループ状アンテナ素子と、第2給電点から所定方向とは反対方向に巻かれる第2ループ状アンテナ素子とを設けることによって、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流により第1ループ状アンテナ素子に発生する電圧の方向と、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の方向とを反対方向にすることができる。また、第1ループ状アンテナ素子の第1給電点が配置される側とは反対の端部側と第2ループ状アンテナ素子の第2給電点が配置される側とは反対の端部側とを互いに接続する接続部と、接続部と接地電位との間に配置されるインピーダンス素子とを設けることによって、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流により第1ループ状アンテナ素子に発生する電圧の方向と、インピーダンス素子を介して接地電位に流れる電流によりインピーダンス素子に発生する電圧の方向とを同じ方向にすることができる。これにより、第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、インピーダンス素子を介して接地電位に流れる電流によりインピーダンス素子に発生する電圧の方向と、第1ループ状アンテナ素子を流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の方向とが反対方向になるので、第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧の少なくとも一部がインピーダンス素子に発生する電圧により打ち消される。その結果、第1ループ状アンテナ素子と第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を小さくすることができる。これにより、ループ状アンテナからなるアンテナ素子間の相互結合を小さくするためにアンテナ素子間の距離を大きくする必要がなく、その分、ループ状アンテナを用いたマルチアンテナ装置の小型化を図ることができる。その結果、携帯機器を小型化することができる。
本発明の第1実施形態による携帯電話機の全体構成を示した平面図である。 本発明の第1実施形態による携帯電話機のマルチアンテナ装置を示した平面図である。 本発明の第1実施形態に対応するマルチアンテナ装置のシミュレーションにおけるSパラメータの特性を示した図である。 本発明の第2実施形態による携帯電話機のマルチアンテナ装置を示した平面図である。 本発明の第3実施形態による携帯電話機のマルチアンテナ装置を示した平面図である。 本発明の第3実施形態による携帯電話機のマルチアンテナ装置の整合回路を示した図である。 本発明の第3実施形態の変形例を示したT型の整合回路の概略図である。 本発明の第3実施形態の変形例を示したL型の整合回路の概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による携帯電話機100の構成について説明する。なお、携帯電話機100は、本発明の「携帯機器」の一例である。
本発明の第1実施形態による携帯電話機100は、図1に示すように、正面から見て、略長方形形状を有している。また、携帯電話機100は、表示画面部1と、番号ボタンなどからなる操作部2と、マイク3と、スピーカ4とを備えている。また、携帯電話機100の筐体内部には、マルチアンテナ装置10が設けられている。
マルチアンテナ装置10は、複数のアンテナ素子を用いて所定の周波数において多重の入出力が可能なMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)通信用に構成されている。また、マルチアンテナ装置10は、1.8GHz帯に対応している。
マルチアンテナ装置10は、図2に示すように、給電素子としての第1ループ状アンテナ素子11および給電素子としての第2ループ状アンテナ素子12と、2つのアンテナ素子11および12を互いに接続する接続部13と、接地面14と、接続部13と接地面14との間に配置されるインピーダンス素子15と、第1ループ状アンテナ素子11に高周波電力を供給するための第1給電点16および第2ループ状アンテナ素子12に高周波電力を供給するための第2給電点17とを含んでいる。
第1ループ状アンテナ素子11は、第2ループ状アンテナ素子12のX1方向側に隣接するように配置されている。また、第1ループ状アンテナ素子11は、第1給電点16からA1方向に巻かれるように略U字形状に形成されている。また、第2ループ状アンテナ素子12は、第2給電点17からA1方向とは反対のA2方向に巻かれるように略U字形状に形成されている。詳細には、略U字形状の第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)は、第1給電点16(第2給電点17)からY1方向に延びる第1縦部111(121)と、第1縦部111(121)のY1方向側の端部からX2方向(X1方向)に延びる横部112(122)と、横部112(122)のX2方向(X1方向)側の端部からY2方向に延びる第2縦部113(123)とを有している。また、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)は、第1縦部111(121)のY2方向側の端部が第1給電点16(第2給電点17)を介して接地面14に接地されているとともに、第2縦部113(123)のY2方向側の端部が接続部13およびインピーダンス素子15を介して接地面14に接地されている。また、第1ループ状アンテナ素子11および第2ループ状アンテナ素子12は、第2縦部113および123が互いに対向するように配置されている。
また、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)は、薄板形状を有し、図示しない基板の表面上に設けられている。また、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)は、マルチアンテナ装置10が対応する1.8GHzの波長λと略同じ電気長を有している。なお、電気長とは、物理的な長さではなく、信号の遅延時間を基準とした長さである。また、第1ループ状アンテナ素子11および第2ループ状アンテナ素子12は、X方向においてλ/4未満の範囲内に配置されている。すなわち、第1ループ状アンテナ素子11の最もX1方向に配置される第1縦部111と第2ループ状アンテナ素子12の最もX2方向に配置される第1縦部121との離間距離D1がλ/4未満である。
接続部13は、第1ループ状アンテナ素子11の第1給電点16が配置される側とは反対側の端部と第2ループ状アンテナ素子12の第2給電点17が配置される側とは反対側の端部とを接続している。すなわち、接続部13は、第1ループ状アンテナ素子11の第2縦部113のY2方向側の端部と第2ループ状アンテナ素子12の第2縦部123のY2方向側の端部とを接続している。また、接続部13は、X方向に延びるように形成されている。また、接続部13は、インピーダンス素子15を介して接地面14に接地されている。また、接続部13は、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)と同様に、薄板形状を有し、図示しない基板の表面上に設けられている。
インピーダンス素子15は、接続部13と接地面14との間に配置されている。また、インピーダンス素子15は、インダクタ(コイル)である。また、インピーダンス素子15は、マルチアンテナ装置10が対応する1.8GHzにおいて、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12(第1ループ状アンテナ素子11)に誘起される電圧と略同じ大きさの電圧がインピーダンス素子15を介して接地面14に流れる電流により発生するインピーダンス値を有するように構成されている。この際、インピーダンス素子15は、第2ループ状アンテナ素子12(第1ループ状アンテナ素子11)に誘起される電圧を打ち消す方向の電圧がインピーダンス素子15に発生するように構成されている。
第1給電点16(第2給電点17)は、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)の第1縦部111(121)のY2方向側の端部に配置されている。また、第1給電点16(第2給電点17)は、第1ループ状アンテナ素子11(第2ループ状アンテナ素子12)と図示しない給電線とを接続している。また、第1給電点16は、第2給電点17との離間距離D1がλ/4未満になるように配置されている。
第1実施形態では、上記のように、第1給電点16からA1方向に巻かれる第1ループ状アンテナ素子11と、第2給電点17からA1方向とは反対のA2方向に巻かれる第2ループ状アンテナ素子12とを設けることによって、第1ループ状アンテナ素子11に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子11を流れる電流により第1ループ状アンテナ素子11に発生する電圧の方向と、第1ループ状アンテナ素子11を流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧の方向とを反対方向にすることができる。また、第1ループ状アンテナ素子11の第1給電点16が配置される側とは反対の端部側と第2ループ状アンテナ素子12の第2給電点17が配置される側とは反対の端部側とを互いに接続する接続部13と、接続部13と接地面14との間に配置されるインピーダンス素子15とを設けることによって、第1ループ状アンテナ素子11に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子11を流れる電流により第1ループ状アンテナ素子11に発生する電圧の方向と、インピーダンス素子15を介して接地面14に流れる電流によりインピーダンス素子15に発生する電圧の方向とを同じ方向にすることができる。これにより、第1ループ状アンテナ素子11に電流が流れる際に、インピーダンス素子15を介して接地面14に流れる電流によりインピーダンス素子15に発生する電圧の方向と、第1ループ状アンテナ素子11を流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧の方向とが反対方向になるので、第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧の少なくとも一部がインピーダンス素子15に発生する電圧により打ち消される。その結果、第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合を小さくすることができる。これにより、ループ状アンテナからなるアンテナ素子間の相互結合を小さくするためにアンテナ素子間の距離を大きくする必要がなく、その分、マルチアンテナ装置10の小型化を図ることができる。その結果、携帯電話機100を小型化することができる。
また、第1実施形態では、1.8GHzにおいて、第1ループ状アンテナ素子11に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子11に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧を打ち消す方向の電圧がインピーダンス素子15を介して接地面14に流れる電流により発生するように構成することによって、容易に、第1ループ状アンテナ素子11に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子11に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧の少なくとも一部をインピーダンス素子15に発生する電圧により打ち消して第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合を小さくすることができる。
また、第1実施形態では、1.8GHzにおいて、第1ループ状アンテナ素子11に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子11に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧と略同じ大きさの電圧がインピーダンス素子15を介して接地面14に流れる電流により発生するインピーダンス値を有するようにインピーダンス素子15を構成することによって、インピーダンス素子15のインピーダンス値を所定の値にするだけの簡易な方法により、第1ループ状アンテナ素子11に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子11に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧の略全てがインピーダンス素子15に発生する電圧により打ち消されるので、第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合をより小さくすることができる。その結果、ループ状アンテナ素子を用いたマルチアンテナ装置10の小型化をより図ることができる。
また、第1実施形態では、インピーダンス素子15をインダクタ(コイル)にすることによって、インダクタからなる簡易な構成のインピーダンス素子15により、容易に、第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合を小さくすることができる。
次に、上記した第1実施形態の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果について説明する。
図2に示した第1実施形態に対応するマルチアンテナ装置10では、距離D1がλ/4未満の32mmになるように第1ループ状アンテナ素子11および第2ループ状アンテナ素子12を配置した。また、第1ループ状アンテナ素子11の第2縦部113と第2ループ状アンテナ素子12の第2縦部123との中心間距離D2が4mmになるように第1ループ状アンテナ素子11および第2ループ状アンテナ素子12を配置した。また、上記第1実施形態では、第1ループ状アンテナ素子11、第2ループ状アンテナ素子12および接続部13を図示しない基板の表面上に設ける構成を示したが、このシミュレーションでは、第1ループ状アンテナ素子11、第2ループ状アンテナ素子12および接続部13を真空中に設ける構成にした。また、二次元に対応したシステムによりシミュレーションを行うため、第1ループ状アンテナ素子11、第2ループ状アンテナ素子12および接続部13を厚さ0mmの導体で構成した。
次に、図3を参照して、第1実施形態に対応するマルチアンテナ装置10のSパラメータの特性について説明する。ここで、図3に示すSパラメータのうちのS11は、アンテナ素子の反射係数を意味し、SパラメータのうちのS12は、2つのアンテナ素子間の相互結合の強さを意味する。また、図3では、横軸に周波数をとり、縦軸にS11およびS12の大きさ(単位:dB)をとっている。
第1実施形態に対応するマルチアンテナ装置10では、図3に示すように、マルチアンテナ装置10が対応する1.8GHzにおいて、S11が約−24dBであり、S12が約−17.5dBであった。
この結果、第1実施形態に対応するマルチアンテナ装置10のS12の値がアンテナ素子間の相互結合が微小であると考えられる−10dBよりも小さいので、接続部13により第1ループ状アンテナ素子11および第2ループ状アンテナ素子12を互いに接続するとともに接続部13と接地面14との間にインピーダンス素子15を設けることによって、アンテナ素子間の相互結合を小さくすることができることが判明した。
これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、第1実施形態に対応するマルチアンテナ装置10では、マルチアンテナ装置10が対応する1.8GHzにおいて、第1ループ状アンテナ素子11を流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子12に誘起される電圧の少なくとも一部がインピーダンス素子15を介して接地面14に流れる電流によりインピーダンス素子15に発生する電圧により打ち消されて第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合が小さくなると考えられる。
また、第1実施形態に対応するマルチアンテナ装置10は、図3に示すように、マルチアンテナ装置10が対応する1.8GHzにおいて、アンテナ素子の反射係数を意味するS11の値が比較的小さい−24dBであるので、アンテナ素子から効率よく電波を出力することができることが判明した。
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態による携帯電話機100のマルチアンテナ装置20について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、第1ループ状アンテナ素子21の第2縦部213および第2ループ状アンテナ素子22の第2縦部223が複数の位置で屈曲した形状に形成されているマルチアンテナ装置20について説明する。
第2実施形態による携帯電話機100のマルチアンテナ装置20は、図4に示すように、給電素子としての第1ループ状アンテナ素子21および給電素子としての第2ループ状アンテナ素子22と、2つのアンテナ素子21および22を互いに接続する接続部23と、接地面14と、接続部23と接地面14との間に配置されるインピーダンス素子15と、第1ループ状アンテナ素子21に高周波電力を供給するための第1給電点16および第2ループ状アンテナ素子22に高周波電力を供給するための第2給電点17とを含んでいる。
第1ループ状アンテナ素子21は、第2ループ状アンテナ素子22のX1方向側に隣接するように配置されている。また、第1ループ状アンテナ素子21は、第1給電点16からA1方向に巻かれるように略U字形状に形成されている。また、第2ループ状アンテナ素子22は、第2給電点17からA1方向とは反対のA2方向に巻かれるように略U字形状に形成されている。詳細には、第1ループ状アンテナ素子21(第2ループ状アンテナ素子22)は、第1給電点16(第2給電点17)からY1方向に延びる第1縦部211(221)と、第1縦部211(221)のY1方向側の端部からX2方向(X1方向)に延びる横部212(222)と、横部212(222)のX2方向(X1方向)側の端部と接続部23のX1方向(X2方向)側の端部とを互いに接続する第2縦部213(223)とを有している。
ここで、第2実施形態では、第2縦部213(223)は、複数の位置で屈曲した形状に形成されている。また、上記第1実施形態とは異なり、第2縦部213(223)のY1方向側の端部は、Y2方向側の端部に対してX2方向(X1方向)にずれた位置に配置されている。また、第1ループ状アンテナ素子21(第2ループ状アンテナ素子22)は、第1縦部211(221)のY2方向側の端部が第1給電点16(第2給電点17)を介して接地面14に接地されているとともに、第2縦部213(223)のY2方向側の端部が接続部23およびインピーダンス素子15を介して接地面14に接地されている。また、第1ループ状アンテナ素子21および第2ループ状アンテナ素子22は、第2縦部213および223が互いに対向するように配置されている。
また、第1ループ状アンテナ素子21(第2ループ状アンテナ素子22)は、薄板形状を有し、図示しない基板の表面上に設けられている。また、第1ループ状アンテナ素子21(第2ループ状アンテナ素子22)は、マルチアンテナ装置20が対応する1.8GHzの波長λと略同じ電気長を有している。また、第1ループ状アンテナ素子21および第2ループ状アンテナ素子22は、X方向においてλ/4未満の範囲内に配置されている。すなわち、第1ループ状アンテナ素子21の最もX1方向に配置される第1縦部211と第2ループ状アンテナ素子22の最もX2方向に配置される第1縦部221との離間距離D3がλ/4未満である。
接続部23は、第1ループ状アンテナ素子21の第2縦部213のY2方向側の端部と第2ループ状アンテナ素子22の第2縦部223のY2方向側の端部とを接続している。また、接続部23は、X方向に延びるように形成されている。また、接続部23は、インピーダンス素子15を介して接地面14に接地されている。また、接続部23は、第1ループ状アンテナ素子21(第2ループ状アンテナ素子22)と同様に、薄板形状を有し、図示しない基板の表面上に設けられている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、第1ループ状アンテナ素子21の第2縦部213および第2ループ状アンテナ素子22の第2縦部223を複数の位置で屈曲した形状に形成することによって、第1ループ状アンテナ素子21および第2ループ状アンテナ素子22の配置領域が小さい場合にも、屈曲した形状により、第1ループ状アンテナ素子21および第2ループ状アンテナ素子22に必要な長さを確保することができるので、配置する領域を広げる必要がない分、マルチアンテナ装置20を小型化することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図5を参照して、本発明の第3実施形態による携帯電話機100のマルチアンテナ装置30について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、第1ループ状アンテナ素子11と第1給電点16との間に配置される第1整合回路31と、第2ループ状アンテナ素子12と第2給電点17との間に配置される第2整合回路32とを含むマルチアンテナ装置30について説明する。
第3実施形態による携帯電話機100のマルチアンテナ装置30は、図5に示すように、第1ループ状アンテナ素子11と第1給電点16との間に配置される第1整合回路31と、第2ループ状アンテナ素子12と第2給電点17との間に配置される第2整合回路32とを含んでいる。
第1整合回路31(第2整合回路32)は、マルチアンテナ装置30が対応する1.8GHzにおいて、インピーダンス整合(マッチング)を図ることによってエネルギの伝達損失を軽減させる機能を有している。また、第1整合回路31(第2整合回路32)は、マルチアンテナ装置30が対応する1.8GHzにおいて、インピーダンス整合(マッチング)を図りながらアンテナ素子間の相互結合を抑制するために設けられている。具体的には、第1整合回路31(第2整合回路32)のインピーダンス値を調整することによって、容易に、2つのアンテナ素子間の相互結合の強さを意味するS12の最小値を所望の周波数の近傍に位置させることができる。また、第1整合回路31(第2整合回路32)は、図6に示すように、インダクタ(コイル)により構成されたπ型回路(πマッチ)からなる。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、第1ループ状アンテナ素子11と第1給電点16との間に配置され、1.8GHzにおいて、インピーダンス整合を図りながら第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合を抑制するための第1整合回路31と、第2ループ状アンテナ素子12と第2給電点17との間に配置され、1.8GHzにおいて、インピーダンス整合を図りながら第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合を抑制するための第2整合回路32とを設けることによって、1.8GHzにおいて、第1ループ状アンテナ素子11と第2ループ状アンテナ素子12との間の相互結合を小さくすることができるとともにインピーダンス整合が図られるので、アンテナ素子を介して伝達されるエネルギの伝達損失をより軽減させることができる。これにより、モノポールアンテナなどの線状アンテナに比べて利得(ゲイン)が大きいループ状アンテナからなるアンテナ素子の利得をより大きくすることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、マルチアンテナ装置を備える携帯機器の一例として、携帯電話機を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、マルチアンテナ装置を備えるPDA(Personal Digital Assistant)や小型のノートパソコンなど携帯電話機以外の携帯機器にも適用可能である。また、マルチアンテナ装置を備える機器であれば、携帯機器以外にも本発明は適用可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、マルチアンテナ装置の一例として、MIMO通信用のマルチアンテナ装置を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、ダイバシティなどMIMO以外の形式に対応するマルチアンテナ装置であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、マルチアンテナ装置を1.8GHz帯に対応するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、1.8GHz帯以外の周波数に対応するように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、接続部により第1ループ状アンテナ素子の第1給電点が配置される側とは反対の端部と第2ループ状アンテナ素子の第2給電点が配置される側とは反対の端部とを接続する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続部により第1ループ状アンテナ素子の第1給電点が配置される側とは反対の端部側と第2ループ状アンテナ素子の第2給電点が配置される側とは反対の端部側とを接続する構成であれば、第1ループ状アンテナ素子および第2ループ状アンテナ素子の端部以外の部分を接続する構成であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、インピーダンス素子がインダクタ(コイル)である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、インピーダンス素子がキャパシタ(コンデンサ)である構成であってもよいし、インピーダンス素子がインダクタ(コイル)およびキャパシタ(コンデンサ)の両方を含む構成であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、第1ループ状アンテナ素子(第2ループ状アンテナ素子)に電流が流れる際に、第1ループ状アンテナ素子(第2ループ状アンテナ素子)に流れる電流に起因して第2ループ状アンテナ素子(第1ループ状アンテナ素子)に誘起される電圧と略同じ大きさの電圧がインピーダンス素子を介して接地面に流れる電流により発生するインピーダンス値を有するようにインピーダンス素子を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2ループ状アンテナ素子(第1ループ状アンテナ素子)に誘起される電圧を打ち消す方向の電圧がインピーダンス素子を介して接地面に流れる電流により発生するように構成されていれば、インピーダンス素子を介して接地面に流れる電流により発生する電圧の大きさを調整する必要はない。
また、上記第1〜第3実施形態では、マルチアンテナ装置に2つのアンテナ素子を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数のアンテナ素子であれば、3つ以上のアンテナ素子を設ける構成であってもよい。
また、上記第3実施形態では、インダクタ(コイル)により構成されたπ型回路(πマッチ)からなる第1整合回路(第2整合回路)を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、図7に示すようなインダクタ(コイル)により構成されたT型回路(Tマッチ)や、図8に示すようなインダクタ(コイル)により構成されたL型回路(Lマッチ)などπ型回路以外の形状からなる第1整合回路(第2整合回路)を設ける構成であってもよい。また、π型回路やT型回路、L型回路などを、インダクタ(コイル)またはキャパシタ(コンデンサ)の一方のみにより構成してもよいし、インダクタ(コイル)およびキャパシタ(コンデンサ)の両方により構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、第1ループ状アンテナ素子(第2ループ状アンテナ素子)の第2縦部を複数の位置で屈曲した形状に形成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ループ状アンテナ素子(第2ループ状アンテナ素子)の第2縦部を複数の位置で湾曲した形状に形成する構成であってもよい。また、本発明では、第1ループ状アンテナ素子(第2ループ状アンテナ素子)の第2縦部以外の第1縦部および横部を複数の位置で屈曲または湾曲した形状に形成する構成であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、接続部をX方向に延びるように形成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続部を所定の位置で屈曲または湾曲した形状に形成する構成であってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、第1ループ状アンテナ(第2ループ状アンテナ)を部分的にループ(環状)の部分を有する形状(完全に閉じていない形状)に形成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ループ状アンテナ(第2ループ状アンテナ)を完全に閉じたループ(環状)の形状に形成する構成であってもよい。
10、20、30 マルチアンテナ装置
11、21 第1ループ状アンテナ素子
12、22 第2ループ状アンテナ素子
13、23 接続部
15 インピーダンス素子
16 第1給電点
17 第2給電点
31 第1整合回路
32 第2整合回路
100 携帯電話機(携帯機器)

Claims (9)

  1. 第1給電点から所定方向に巻かれる第1ループ状アンテナ素子と、
    第2給電点から前記所定方向とは反対方向に巻かれる第2ループ状アンテナ素子と、
    前記第1ループ状アンテナ素子の前記第1給電点が配置される側とは反対の端部側と、前記第2ループ状アンテナ素子の前記第2給電点が配置される側とは反対の端部側とを互いに接続する接続部と、
    前記接続部と接地電位との間に配置されるインピーダンス素子とを備え
    前記第1ループ状アンテナ素子、前記第2ループ状アンテナ素子および前記接続部は、同一平面状に形成されている、マルチアンテナ装置。
  2. 所定の周波数において、前記第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、前記第1ループ状アンテナ素子に流れる電流に起因して前記第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧を打ち消す方向の電圧が前記インピーダンス素子を介して前記接地電位に流れる電流により発生するように構成されている、請求項1に記載のマルチアンテナ装置。
  3. 前記インピーダンス素子は、前記所定の周波数において、前記第1ループ状アンテナ素子に電流が流れる際に、前記第1ループ状アンテナ素子に流れる電流に起因して前記第2ループ状アンテナ素子に誘起される電圧と略同じ大きさの電圧が前記インピーダンス素子を介して前記接地電位に流れる電流により発生するインピーダンス値を有するように構成されている、請求項2に記載のマルチアンテナ装置。
  4. 前記第1ループ状アンテナ素子および前記第2ループ状アンテナ素子が略U字形状に形成されており、
    前記略U字形状の前記第1ループ状アンテナ素子の一方端部近傍が前記第1給電点に接続され、
    前記略U字形状の前記第2ループ状アンテナ素子の一方端部近傍が前記第2給電点に接続され、
    前記第1ループ状アンテナ素子の他方端部近傍と前記第2ループ状アンテナ素子の他方端部近傍とが互いに前記接続部により接続されているとともに、前記接続部には前記インピーダンス素子が接続されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルチアンテナ装置。
  5. 前記第1給電点は、前記第2給電点との離間距離が前記第1ループ状アンテナ素子および前記第2ループ状アンテナ素子が出力する電波の波長λの1/4未満の大きさになるように配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマルチアンテナ装置。
  6. 前記第1ループ状アンテナ素子と前記第1給電点との間に配置され、所定の周波数において、インピーダンス整合を図りながら前記第1ループ状アンテナ素子と前記第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を抑制するための第1整合回路と、
    前記第2ループ状アンテナ素子と前記第2給電点との間に配置され、所定の周波数において、インピーダンス整合を図りながら前記第1ループ状アンテナ素子と前記第2ループ状アンテナ素子との間の相互結合を抑制するための第2整合回路とをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマルチアンテナ装置。
  7. 前記インピーダンス素子は、インダクタである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマルチアンテナ装置。
  8. 前記第1ループ状アンテナ素子および前記第2ループ状アンテナ素子は、複数の位置で屈曲または湾曲した形状に形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマルチアンテナ装置。
  9. 第1給電点から所定方向に巻かれる第1ループ状アンテナ素子と、
    第2給電点から前記所定方向とは反対方向に巻かれる第2ループ状アンテナ素子と、
    前記第1ループ状アンテナ素子の前記第1給電点が配置される側とは反対の端部側と、前記第2ループ状アンテナ素子の前記第2給電点が配置される側とは反対の端部側とを互いに接続する接続部と、
    前記接続部と接地電位との間に配置されるインピーダンス素子とを含み、
    前記第1ループ状アンテナ素子、前記第2ループ状アンテナ素子および前記接続部は、同一平面状に形成されているマルチアンテナ装置
    を備える、携帯機器。
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