JP5532576B2 - 通信装置 - Google Patents

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本発明は、広帯域移動無線通信システムなどに用いられる無線通信システム用の通信装置に関するものである。
近年、広範囲なエリアを無線でカバーして高速ブロードバンドサービスを提供することができる通信システムとして、例えば、IEEE802.16に規定されるいわゆる「WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)」と呼ばれる広帯域移動無線通信システムが注目されている。
上記WiMAXは、基地局装置と、この基地局装置との間で無線通信を確立する複数の移動端末とを有しており、前記基地局装置は、前記移動端末に対して、広帯域の無線通信サービスを提供する。
上記WiMAXでは、基地局装置と移動端末との間の伝送区間において発生するデータの誤りを低レイヤ(MAC層)で再送処理することによって、短い制御時間で誤りを効率的に補償するARQ(Automatic Repeat Request:自動再送要求)制御が規定されている(例えば、非特許文献1参照)。
上記ARQ制御では、基地局装置が端末装置に信号を送信する場合、上位層(ネットワーク層)から与えられる送信データを一定サイズのデータブロック(ARQブロック)にブロック化し、基地局装置は、そのデータブロックを端末装置に送信する。
端末装置は、受信したARQブロックそれぞれについて誤り検出を行う。誤りが検出されない場合、端末装置は、誤り検出を行ったARQブロックのシーケンス番号とともに受信確認通知(ACK、Acknowledgments:確認応答)を基地局装置に送信する。一方、誤りが検出された場合には、端末装置は、誤り検出を行ったARQブロックのシーケンス番号とともに再送要求通知(NACK、Negative Acknowledgments:否定応答)を基地局装置に送信する。NACKを受けた基地局装置は、当該NACKとともに送信されるARQブロックのシーケンス番号に該当するARQブロックのみを再送することで、伝送区間における誤りを補償することができる。
服部武、藤岡雅宣、"改訂版ワイヤレス・ブロードバンド教科書 高速IPワイヤレス編"、初版、株式会社インプレスR&D、2006年6月21日、p.177−181
図8(a)は、一般的なARQ制御の処理を説明するための図である。ARQ制御には、GBN(Go Back N)型、SR(Selective Repeat)型等が挙げられる。図8(a)においては、GBN(Go Back N)型の態様を示している。なお、図8において、横軸は時間軸を示している。
送信側の基地局装置は、受信側の端末装置にARQ制御によって送信データを送信する場合、まず、上位層から与えられる送信データを送信用のバッファに蓄積し、ARQブロックにブロック化する。その後、誤り検出のための符号化を行い、送信データを複数のARQブロックとして端末装置に順次送信する。また、送信したARQブロックは、NACKを受けた場合に再送する必要があるため、再送用のバッファに蓄積される。図8(a)では、送信データを複数のARQブロックにブロック化し、1番目のARQブロックから順に端末装置に送信する態様を示している。
端末装置は、複数のARQブロックを受信すると、各ARQブロックについて順次誤り検出を行う。その結果、誤りが検出されなければ、端末装置は、基地局装置に対してACKを送信する。ついで、基地局装置は、端末装置が送信したACKを受信する。
図8(a)においては、5番目のARQブロックに誤りが検出された場合を示している。端末装置は、5番目のARQブロックについてNACKを送信する。基地局装置は、7番目のARQブロックを送信した後に当該NACKを受信する。これにより、基地局装置は、7番目のARQブロックの送信後に5番目のARQブロックから再度順番に送信する。6番目及び7番目のARQブロックについては、誤りが検出されたか否かに関わらず再送される。
図8(a)における1番目のARQブロックに着目すると、基地局装置が1番目のARQブロックを送信し、その後この1番目のARQブロックに対する端末装置からのACKを受信するのが、基地局装置が3番目のARQブロックを送信した後となる。これは、無線通信にてデータを送受信するための時間及び端末装置にて誤り検出等の処理を行うための時間を要するためである。すなわち、一のARQブロックを送信した基地局装置は、当該一のARQブロックに関するACKを受信するまでに、2つのARQブロックを送信することができる。従って、図例においては、ARQブロック3個以上蓄積することができるように再送用のバッファサイズが設定されていれば、基地局装置は、ACKを受けたARQブロックを消去しつつ順次新たに送信したARQブロックを蓄積することができる。
図8(a)では、上記バッファサイズを蓄積可能なARQブロック数で示した値であるウィンドウサイズが「3」に設定された場合のウィンドウWを示している。ウィンドウWの内側に位置するARQブロックは、再送用バッファに蓄積されるARQブロックを示しており、このウィンドウをACKを受信するごとに図中右方向に1ブロックずつずらすことで、必要な再送用のARQブロックを蓄積しつつ、順次ARQブロックを連続的に送信することができる。
一方、図8(b)は、ウィンドウサイズを「2」とした場合のARQ制御の処理を示す図である。この場合、再送用バッファは、2個のARQブロックしか蓄積できないので、ACKを待つARQブロックを2個蓄積すると、それ以上ARQブロックを蓄積できず、新たなARQブロックを送信できない時間帯が生じる。この結果、ARQ制御の処理に起因して無線資源を有効に活用できず、一定以上の速度で送信データを送信できないという事態が生じる。
上記のようにARQ制御の処理に起因してデータ送信速度が低下すると、上位層から与えられる送信データを送信しきれず、送信データにパケットロスを生じ、基地局装置と端末装置との間の通信におけるスループットを低下させてしまう。
ところで、前述のWiMAXは、移動端末との間の無線通信に、送信と受信とを高速に切り替えるTDD(時分割複信)方式を採用する。具体的には、図9に示すように、WiMAXでは、一つの基本フレームが、時間軸方向に並べて配置されており、下りサブフレームDL(基地局の信号送信時間)と上りサブフレームUL(基地局の信号受信時間)とを含んで上記TDD方式を構成している。
従って、基地局装置が送信するARQブロックは下りサブフレームDL、端末装置が送信するACK又はNACKは上りサブフレームULによって送信される。
図9は、WiMAXの通信フレームによって、所定の送信データを基地局装置から端末装置に送信したときのARQブロック及びACKの経時的関係の一例を示す図である。図9において、横軸は時間軸を示している。
図9(a)は、変調方式QPSK1/2で、再送用バッファのバッファサイズを1個の下りサブフレームDLフルバーストで送信可能なデータ量が蓄積できる値とし、一の下りサブフレームDLをフルバーストで用いたときに送信可能なデータ量の複数個のARQブロックからなるデータ(1)を送信した場合を示している。
図において、4フレーム目の上りサブフレームULを用いてデータ(1)のACKが送信されている。すなわち、この図例では、基地局装置においてARQブロックを送信してから当該データのACKを受信するのにほぼ4フレーム分の時間を要することとなる。
この場合、ウインドウサイズが上述のように1個の下りサブフレームDLフルバーストで送信可能なデータ量が蓄積できる値に設定されているので、データ(1)を送信した後、ACKが返ってくるまでの4フレーム分の間、データが送信できず、ACKの受信を待った状態で、ARQブロックの送信ができない時間帯が生じる。
これに対して、図9(b)は、変調方式QPSK1/2で、再送用バッファのウィンドウサイズを8個の下りサブフレームDLフルバーストで送信可能なデータ量が蓄積できる値とした場合を示している。この場合、再送用バッファのバッファサイズが、ARQブロックを送信してから当該データのACKを受信するまでの間に送信可能なサイズである4フレーム分よりも多いので、図9(a)のようにACKを待つことなく、連続的にデータを送信でき、無線資源を有効に活用することができる。つまり、ウィンドウサイズを1個の下りサブフレームDLフルバーストで送信可能なデータ量が蓄積できる値とした場合よりも、実質的に5倍の速度でデータを送信することができることとなる。
図9(a)の場合においては、ARQ制御の処理に起因して無線資源を有効に活用できず、本来データを送信することができる(図9(b)の場合の)速度の1/5でしかデータを送信できないこととなる。
ここで、前述のWiMAXは、基地局装置と端末装置との間で通信を確立している間、その通信環境に応じて適応変調が行われる。このため、端末装置にデータを送信する際の変調方式が通信環境の変化等に応じて変更される場合がある。
図9(c)は、変調方式16QAMとし、再送用バッファのバッファサイズを図9(b)の場合と同じデータ量が蓄積できる値とした場合を示している。
変調方式が16QAMの場合、QPSK1/2の場合と比較して、1フレーム当たりに送信可能なビット数が2倍となるため、1フレームで送信可能なデータ量が2倍となり、再送用バッファに蓄積可能なデータ量が、図9(c)に示すように4フレーム分となる。
一方、ARQブロックを送信してからACKを受信するまでの時間は、ほぼ端末装置の性能等に依存しており、変調方式の変更によってはほとんど影響を受けないため、図のように1フレーム分の間、ACKの受信を待った状態でARQブロックを送信できない時間帯が生じることとなる。
上述したように、再送用バッファのバッファサイズは、蓄積可能なARQブロック数で示した値であるウィンドウサイズで表される。つまり、バッファサイズは、ARQブロック1個当たりのサイズであるブロックサイズと、ウィンドウサイズとによって定まる。
これらの値は、通常、端末装置が当該基地局装置との間で通信を確立する際に設定される。しかし、このときの通信環境において好適にバッファサイズを設定したとしても、上記のように、基地局装置と端末装置との間で通信を確立している間に適応変調が行われるので、通信環境の変化に応じて、変調方式が変更される。
すると、図9(c)に示したように、変調方式が変更されることによって、ACKの受信を待った状態でデータ送信ができない時間帯が生じ、無線資源の有効に活用できないおそれが生じる。
これに対して、予め、バッファサイズを必要以上に大きく設定しておくことが考えられるが、送信用バッファ及び再送用バッファは、基地局装置に備えられたメモリ内に設定されるものであり、そのサイズは有限である。さらに、通信を確立している他の端末装置にも再送用バッファを設定する必要がある場合もあるため、必要以上にバッファサイズを大きく設定することは好ましくない。
さらに、上記基地局装置は、端末装置との間で通信を確立すると、当該端末装置のQoSクラスに応じたバッファサイズの調整についても行うことができず、例えば、端末装置が要求するQoSクラスに対して過剰な大きさのバッファサイズに設定される等、この場合においても無線資源の有効活用が図れないおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、無線資源を有効に活用した再送処理を行うことができる通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、端末装置からの受信確認又は再送要求に応じてARQブロックごとにARQ制御を行いつつ、データ送信を行う通信装置であって、前記端末装置に対して送った前記ARQブロックを蓄積する再送用バッファと、前記再送用バッファのバッファサイズを動的に調整するバッファサイズ制御部と、を有することを特徴としている。
上記のように構成された通信装置によれば、バッファサイズ制御部がバッファサイズを動的に調整するので、端末装置にデータを送信する際のARQ制御において、好適な値にバッファサイズを調整することができる。
具体的には、前記バッファサイズ制御部は、前記端末装置に対して前記データを送信する際の変調方式に応じて前記再送用バッファのバッファサイズを調整するものであることが好ましい。また、バッファサイズ制御部は、前記端末装置に対して前記データを送信する際のQoSパラメータに応じて前記再送用バッファのバッファサイズを調整するものであってもよい。この場合、端末装置との間で、変調方式や、QoSパラメータを変更したとしても、バッファサイズ制御部は、その変更した変調方式や、QoSパラメータに応じてバッファサイズを動的に調整することができる。
なお、ここでいう変調方式は符号化率も含んでおり、バッファサイズ制御部は、符号化率も含んだ変調方式に応じてバッファサイズを調整する。
また、一のARQブロックを送信してから、当該一のARQブロックに対応する受信確認を受信するまでの時間幅を検出する受信確認検出部をさらに有し、前記バッファサイズ制御部は、前記時間幅において送信可能なARQブロックの個数以上のARQブロックを蓄積可能なバッファサイズとなるように、前記再送用バッファのバッファサイズを調整するものであってもよく、このようにすることで、受信確認の受信を待った状態で、ARQブロックの送信ができない時間帯が生じるのを防止でき、無線資源を有効に活用することができる。
具体的に、前記再送用バッファのバッファサイズは、前記ARQブロックを蓄積することができる個数であるウィンドウサイズで定められるものであり、前記バッファサイズ制御部は、前記ウィンドウサイズ及び前記ARQブロックのデータサイズを調整することで前記バッファサイズを調整することができる。
前記バッファサイズ制御部は、前記ARQブロックのデータサイズを調整しうる範囲の中で最小値に調整するものであってもよい。
ARQブロックは、所定サイズのデータユニットに格納されて無線送信されるため、ARQブロックのデータサイズが小さく設定されることで、当該データユニットの利用効率を高めることができる。
さらに、再送処理はARQブロックごとに行われるので、再送要求に応じて再送されるデータは、ARQブロックごととなる。従って、バッファサイズ制御部が、このARQブロックのデータサイズをより小さく設定することで、再送処理においてより小さいデータごとに再送することができ、その処理効率を高めることができる。また、再送されるARQブロックにおける誤り訂正を要する部分の占める割合が高くなり、再送処理における誤り訂正の効率が高まる。
以上のように、本発明の通信装置によれば、無線資源を有効に活用した再送処理を行うことができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、WiMAXにおける通信システムの全体構成を示している。この通信システムは、移動端末などの端末装置(MS;Mobile Station)2と、この端末装置2(以下、MS2ともいう)の通信相手となる複数の基地局装置(BS;Base Station)1と、複数の基地局装置1(以下、BS1ともいう)を横断的に制御するためのASN−GW(Access Service Network Gateway)3とを備えている。通常、複数(数千)のBS1が、ASN−GW3に接続されている。BS1は、ASN−GW3を介して、インターネットやその他のネットワークなどの上位ネットワークに接続されている。
本発明の通信装置に係るBS1は、MS2との間で、直交周波数分割多元接続(OFDMA)により通信を行う。また、BS1は、上述のARQ制御を行う機能を有しており、MS2に送信する送信データをブロック化したARQブロックをMS2に与えるとともに、MS2からのACK(受信確認通知)又はNACK(再送要求通知)に応じてARQブロックごとにARQ制御を行う。
なお、ARQ制御、及びARQ制御とWiMAXのフレーム構造との関係等については、上述の通りなので説明を省略する。
MS2は、BS1との間で通信を確立することで、外部のネットワークへのエントリが可能となる。また、MS2は、ARQ制御を実現するために、BS1からのブロック化された送信データを受信すると、ARQブロックそれぞれについて誤り検出を行う機能を有している。さらに、MS2は、誤りが検出されない場合、誤り検出を行ったARQブロックについてのACKをBS1に送信するとともに、誤りが検出された場合には、MS2は、誤り検出を行ったARQブロックについてのNACKをBS1に送信する機能も有している。
図2は、BS1の構成の内、ARQ制御の機能部分を示したブロック図である。
図2において、BS1は、MS2との間で無線通信を行うための信号を送受信するアンテナ4と、このアンテナ4によって信号の送受信を行うための送受信部5,6と、ARQ制御による処理を行うARQ制御部7と、ARQ制御における再送処理において必要なバッファが設定されるメモリ部8とを備えている。さらに、BS1は、MS2との間で通信を行う際の変調方式を設定する変調方式設定部9と、メモリ部8に後述する再送用バッファを設定制御するバッファサイズ制御部10とを備えている。
送受信部5,6は、MS2との間で送受信される信号波の変復調、及びA/D,D/A変換等を行う機能を有しており、この内、送信部5は、ARQ制御部7から与えられるARQブロックを所定容量のPDU(Protocol Data Unit)ごとにMS2に向けて送信する。また、受信部6は、MS2からの受信波を復調し、復調された受信データをネットワーク層といった上位層に出力する。
変調方式設定部9は、通信状況に基づいて送信部5がMS2に向けて送信する際の変調方式を変更設定する。変調方式設定部9は、復調した後の信号が受信部6から与えられると、その信号のCINR(Carrier to Interference plus Noise Ratio)等に基づいて変調方式を決定する。変調方式設定部9は、その決定した変調方式で送信するように送信部5を制御する。また、変調方式設定部9は、バッファサイズ制御部10に対して、設定した変調方式を通知する。
ARQ制御部7は、MAC層において上述のARQ制御についての処理を行うための機能を有しており、MS2に送信する送信データのブロック化を行うブロック化部7aと、ブロック化された送信データについての送信制御を行う送信制御部7bとを備えている。
ブロック化部7aは、ネットワーク層等といった上位層から与えられる送信データについて、所定のサイズに設定されたARQブロックにブロック化する。これにより、送信データは、複数のARQブロックとされて送信制御部7bに順次与えられる。
送信制御部7bは、ブロック化部7aから与えられる前記ARQブロックをMS2に送信すべく、ブロック化部7aから与えられるARQブロックを上記PDUに格納し、このPDUに誤り検出のためのコード(例えばCRC32コード)を付与し、順次送信部5に出力する送信処理を行う。また、送信制御部7bは、受信部6が出力する受信データが与えられるように構成されており、受信部6からの受信データの内、MS2からのACK又はNACKを認識し、そのNACKに応じたARQブロックをMS2に再送すべく、当該ARQブロックをPDUに格納し、コードの付与を行って送信部5に出力する再送処理を行う機能を有している。また、送信制御部7bは、MS2からのACKに応じて、メモリ部8に設定されるバッファに蓄積されるデータの管理を行う機能も有している。
メモリ部8は、RAM等によって構成された、各種情報等を記憶蓄積するためのものであり、送信制御部7bから与えられるARQブロックを一時的に蓄積するための送信用バッファ8aと、上記再送処理のためのARQブロックを蓄積する再送用バッファ8bとが設定されている。
図3(a)は、両バッファ8a,8bを機能的に有しているメモリ部の態様を示す模式図である。両バッファ8a,8bは、それぞれメモリ部8の記憶領域に所定記憶容量(サイズ)に調整される。送信用バッファ8aは、上述の通り、送信制御部7bから与えられるARQブロックを一時的に蓄積するものであり、蓄積されたARQブロックは、送信制御部7bによって、送信部5に出力される。また、再送用バッファ8bは、送信用バッファ8aに蓄積されて送信部5に出力されたARQブロックが蓄積される。
両バッファ8a,8bに蓄積されるARQブロックは、送信制御部7bによって管理される。すなわち、送信制御部7bは、ブロック化部7aから与えられるARQブロックを送信用バッファ8aに一時的に蓄積する。その後、一時的に蓄積したARQブロックを送信部5へ与えるとともに(送信処理)、送信したARQブロックを再送用バッファ8bに蓄積する。
また、送信制御部7bは、受信部6から与えられる受信信号からACKを認識すると、そのACKに対応するARQブロックを再送用バッファ8bから消去する。また、同様に受信信号からNACKを認識すると、送信制御部7bは、再送用バッファ8bを参照し、そのNACKに応じたARQブロックを再送すべく送信部5に出力する(再送処理)。
図3(b)は、再送用バッファ8bに蓄積されるARQブロックの態様を説明するための模式図である。ARQ制御部7に与えられる送信用データは、複数のパケットとして構成されており、ブロック化部7aによって、図に示すように複数の送信用のARQブロックとしてブロック化される。これらARQブロックには、それぞれシーケンス番号が付与される。
これらARQブロックは、送信制御部7bに与えられ、順次送信用バッファ8aに一時的に蓄積されて、送信部5に出力されMS2に送信される。
再送用バッファ8bのバッファサイズは、ARQブロックを蓄積することができる個数であるウィンドウサイズで定められており、図3(b)中のウィンドウWで表される。図3(b)では、ウィンドウWのウィンドウサイズが「8」に設定されている場合を示している。ウィンドウWの内側に位置するハッチングで示される8個のARQブロックは、再送用バッファ8bに蓄積されるARQブロックを示しており、送信制御部7bは、ACKを受信するごとに、ACKに対応するARQブロックである図中左端のARQブロックを再送用バッファ8bから消去して、ウィンドウWを図中右方向に1ブロックずつずらす。これにより、送信制御部7bは、受信したACKに対応するARQブロックを消去しつつ、順次、必要な再送用のARQブロックを蓄積することができる。つまり、ウィンドウサイズが「8」の場合、ARQブロックを8個蓄積することができるので、送信制御部7bは、ACKを受信することなく連続してARQブロックを8個送信することができる。但し、このARQブロックを8個送信するまでの間にACKの受信がなければ、送信制御部7bは、蓄積しているARQブロックを消去できないので、新たに再送用のARQブロックを蓄積することができない。つまり、ウィンドウWをずらすことができなくなり、送信制御部7bは、ACKの受信を待った状態で、ARQブロックの送信を行うことができない状態となる。
図2に戻って、このため、本実施形態の基地局装置1では、再送用バッファ8bを設定制御するバッファサイズ制御部10によって、ウィンドウサイズ等を適宜調整し、上記のようなARQブロックの送信を行うことができない状態となるのを回避するように構成されている。より具体的には、バッファサイズ制御部10は、上記ウィンドウサイズを調整するとともに、ブロック化部7aによるARQブロックのブロックサイズ(データサイズ)の調整を動的に行い、メモリ部8に再送用バッファ8bを設定する機能を有している。
再送用バッファ8bのバッファサイズは、上述のように、ARQブロックを蓄積することができる個数であるウィンドウサイズで定められるが、より具体的には、ウィンドウサイズ及びARQブロック1個当たりのブロックサイズを設定することで、再送用バッファ8bのバッファサイズが定まる。バッファサイズ制御部10は、ウィンドウサイズ及びARQブロック1個当たりのブロックサイズより定まるバッファサイズとなるように再送用バッファ8bをメモリ部8に設定する。また、バッファサイズ制御部10は、送信用バッファ8aについても送信処理がスムーズに行うことができる程度のバッファサイズとなるように調整制御する。
本実施形態の基地局装置1は、一のARQブロックを送信してから当該一のARQブロックに対応するACKを受信するまでの時間幅を検出するACK検出部11をさらに備えている。送信制御部7bは、送信処理によって一のARQブロックを送信した旨、及び前記一のARQブロックに対応するACKを受信した旨をACK検出部11に通知する。ACK検出部11は、送信制御部7bから与えられる前記通知に基づいて、一のARQブロックを送信してから当該一のARQブロックに対応するACKを受信するまでの時間幅を検出する。
ACK検出部11は、検出した前記時間幅をバッファサイズ制御部10に出力する。バッファサイズ制御部10は、前記時間幅に基づき、一のARQブロックを送信してから当該一のARQブロックに対応するACKを受信するまでの間において送信可能なARQブロックの個数以上のARQブロックを蓄積可能なバッファサイズとなるように再送用バッファ8bのバッファサイズを調整する。
また、バッファサイズ制御部10は、上述のように再送用バッファ8bを設定するに当たって、変調方式設定部9から出力される、現状設定された変調方式についても参照し、その変調方式に応じたバッファサイズに調整する。
バッファサイズ制御部10が設定制御する両バッファ8a,8bは、基本的にBS1と通信を確立しているMS2それぞれに設定されるが、メモリ部8の記憶領域は有限であるため、バッファサイズ制御部10は、両バッファ8a,8bについて、通信を確立しているMS2の数やその通信状況に応じて、複数のMS2ごとに個別的に設定する。また、通信を確立している複数のMS2の内、優先順位を定め、優先度の高い一部のMS2にのみ両バッファ8a,8bを設定するといった態様を採ることもできる。
次に上記構成のBS1のバッファサイズ制御部10が行う、上述の再送用バッファ8bのバッファサイズの調整制御について説明する。
図4は、バッファサイズ制御部10による、再送用バッファ8bのバッファサイズ(ウィンドウサイズ及びブロックサイズ)の調整手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、BS1が一のMS2と通信を確立している場合について説明する。
バッファサイズ制御部10は、図4に示すフローチャートを随時実行することで再送用バッファ8bのバッファサイズを動的に調整する制御を行う。
バッファサイズ制御部10は、まず、BS1との間で通信を確立しているMS2に対して現状設定されている変調方式に関する情報を変調方式設定部9から取得するとともに、一のARQブロックを送信してから当該一のARQブロックに対応するACKを受信するまでの時間幅NをACK検出部11から取得し、この時間幅Nの間にBS1が送信可能なバイト数である送信可能バイト数Dを算出する(ステップS101)。なお、送信可能バイト数Dについては、後に詳述する。
本実施形態の通信システムは、上述したように、WiMAXに準拠したものであり、TDD方式を採用する。よって、BS1は、図9に示すように下りサブフレームDLで送信を行い、上りサブフレームULでMS2からの信号を受信する。
そこで、本実施形態では、上記ACKを受信するのに要する時間幅Nについては、図9に示す基本フレーム単位、すなわち基本フレームの個数として取得する。
図5は、ACK検出部11による上記ACKを受信するのに要する時間幅Nの検出方法を説明するための図である。図5では、図中上側から下側に向かって、経過時間に伴って順次配列されるフレームが表されている。各フレームを構成する両サブフレームDL,ULでは、それぞれ、図中に記載されているシーケンス番号のARQブロック、及びACKが送受信される。
この図5では、ACK検出部11が、例えば、シーケンス番号601〜700番のARQブロックに着目して前記時間幅Nを検出する具体的態様を示している。
ACK検出部11は、送信制御部7bからシーケンス番号601〜700番のARQブロックをn番目のフレームで送信した旨の通知を受けると、これを記憶しておく。その後、時間の経過に伴って(n+6)番目のフレームに達すると、ACK検出部11は、送信制御部7bからシーケンス番号601〜700番のARQブロックに対応するACKを受信した旨の通知を受ける。ACK検出部11は、これら通知から、シーケンス番号601〜700番のARQブロックについては、n番目のフレームで送信してから6フレーム後の(n+6)番目のフレームで対応するACKを受信することが把握できる。すなわち、ACK検出部11は、一のARQブロックを送信してから当該一のARQブロックに対応するACKを受信するまでの時間幅Nを6(フレーム分の時間幅)として検出することができる。
なお、ACK検出部11は、同様の処理を複数回(例えば3回程度)繰り返し、その平均を取り、その平均フレーム数を前記時間幅Nとすることもできる。
また、図5では、上記ACKの受信に要する時間幅Nが6フレームの場合を示したが、これは、一例であり、MS2との間の通信環境や、変調方式の違い、MS2自身の処理能力の違い等、種々の要因によって異なる値となる。上記ACKの受信に要する時間幅Nは、ARQブロック及びACKをBS1、MS2相互間で送受信するために必要な時間、及びMS2にて受信したARQブロックの誤り検出等の処理を行うために必要な時間であるためである。
なお、上記時間幅Nをシミュレーション等で予め予測し把握できる場合には、その予測した時間幅Nをバッファサイズ制御部10に予め記憶させておき、それを用いて送信可能バイト数Dを算出することもできる。
図4に戻って、バッファサイズ制御部10は、次に、MS2との間の無線空間が安定した状態であるか否かを判定する(ステップS102)。
バッファサイズ制御部10は、変調方式設定部9からMS2のCINRを取得し、このCINRの所定時間当たりの最大値と最小値の幅を求める。そして、この幅が例えば5dB以下であれば、安定した無線空間と判定する。
なお、上記ではCINRを用いた場合を示したが、上記ステップS102の判定においては、RSSI(Received Signal Strength Indication)の最大値及び最小値を用いてもよいし、CINR、RSSI双方を用いて判定してもよい。
ステップS102において、安定した無線空間と判定された場合、バッファサイズ制御部10は、再送用バッファ8bのブロックサイズを所定値に、ウィンドウサイズを設定しうる最小の値に調整する(ステップS103)。
ここで、再送用バッファ8bのバッファサイズを定めるウィンドウサイズ、ARQブロック1個当たりのブロックサイズは、下記表1に示す値に設定されるように構成されている。
Figure 0005532576
ステップS103において、バッファサイズ制御部10は、ウィンドウサイズについては、設定しうる最小の値として、上記表1に示される設定値である「2」に調整する。ブロックサイズについては、バッファサイズ制御部10は、下記表2に示すテーブルを備えており、このテーブルに基づいて、CINRの所定時間当たりの最大値と最小値の幅に応じて調整する。
Figure 0005532576
次いで、バッファサイズ制御部10は、上記のように調整したブロックサイズ及びウィンドウサイズに基づいて再送用バッファ8bのバッファサイズを求め、このバッファサイズが下記式(1)を満たすか否かを判定する(ステップS104)。
バッファサイズ ≧ 送信可能バイト数D ・・・・ (1)
バッファサイズは、上述したように、ARQブロックを蓄積することができる個数であるウィンドウサイズで定められるため、下記式(2)により求めることができる。
バッファサイズ =
ARQブロックのブロックサイズ × ウィンドウサイズ ・・・・ (2)
また、上記式(1)中の送信可能バイト数Dは、下記式(3)及び(4)で表される値であり、一のARQブロックを送信してから当該一のARQブロックに対応するACKの受信に要する時間幅Nの間にBS1が送信可能なバイト数である。
送信可能バイト数D = 1フレーム当たり送信可能なバイト数 ×
ACKの受信に要する時間幅N(フレームの個数) ・・・・ (3)
1フレーム当たり送信可能なバイト数 =
((1フレーム中のシンボル数/2) × 48 × サブチャネル数 ×
変調方式に対応するビット数) / 8 ・・・・ (4)
なお、上記式(3)中のACKの受信に要する時間幅Nは、ステップS101で得られる値を用い、式(4)中の変調方式に対応するビット数は、ステップS101にて取得した現状設定されている変調方式に関する情報に基づいて調整される。バッファサイズ制御部10は、下記表3に示すテーブルを備えており、このテーブルを参照することで、現状の変調方式に対応するビット数を取得する。
Figure 0005532576
なお、表3でいう変調方式は符号化率も含んでおり、バッファサイズ制御部10は、符号化率も含んだ変調方式に応じてビット数を調整する。
上記式(1)を満たす設定とすることで、ACKの受信に要する時間幅Nで送信することができるサイズ以上にバッファサイズが調整されるので、送信制御部7bが、ACKの受信を待った状態で、ARQブロックが送信できない状態となるのを回避することができる。
ステップS104において、バッファサイズが上記式(1)を満たさないと判定された場合、バッファサイズ制御部10は、ウィンドウサイズの設定値を上記表1に基づいて一つ上げ(ステップS105)、再度バッファサイズが上記式(1)を満たすか否かを判定する(ステップS104)。このように、バッファサイズ制御部10は、上記式(1)を満たす設定となるまで、ステップS104、S105を繰り返す。
バッファサイズが式(1)を満たすと判定されると(ステップS104)、バッファサイズ制御部10は、処理を終了する。この場合、現状調整設定されたブロックサイズ及びウィンドウサイズの設定によって、MS2との間で通信が行われる。
ステップS102において、安定した無線空間と判定されなかった場合(CINRの所定時間当たりの最大値と最小値の幅が5dBより大きいと判定された場合)、バッファサイズ制御部10は、再送用バッファ8bのブロックサイズ及びウィンドウサイズの双方を上記表1に示される設定値の内の最小の値に調整する(ステップS106)。
次に、バッファサイズ制御部10は、ステップS107に進み、上記ステップS104と同様に、調整したブロックサイズ及びウィンドウサイズに基づいて再送用バッファ8bのバッファサイズを求め、このバッファサイズが上記式(1)を満たすか否かを判定する(ステップS107)。
ステップS107において、バッファサイズが上記式(1)を満たさないと判定された場合、バッファサイズ制御部10は、ウィンドウサイズの設定値が上記表1に基づいて設定しうる最大値、すなわち「1024」であるか否かを判定する(ステップS108)。
ステップS108の判定の結果、ウィンドウサイズの設定値が最大値でない場合、バッファサイズ制御部10は、ウィンドウサイズの設定値を上記表1に基づいて一つ上げ(ステップS110)、再度バッファサイズが上記式(1)を満たすか否かを判定する(ステップS107)。
一方、ステップS108において、ウィンドウサイズの設定値が最大値であると判定された場合、バッファサイズ制御部10は、ブロックサイズの設定値を上記表1に基づいて一つ上げ(ステップS109)、再度バッファサイズが上記式(1)を満たすか否かを判定する(ステップS107)。なお、この場合、ウィンドウサイズの設定値は最大値のままとし、バッファサイズの判定を行う。ウィンドウサイズ及びブロックサイズの設定値は、上記表1に示すような2の乗数で表される数値に設定されているので、仮にウィンドウサイズを一つ小さい値に設定し、ブロックサイズの設定値を一つ大きい値に設定した場合、バッファサイズは同じ値となる。このため、ウィンドウサイズの設定値は最大値から下げる必要はない。
上記ステップS108において、バッファサイズ制御部10は、ウィンドウサイズを優先的に増加させ、ウィンドウサイズによって調整できなくなった段階で、ブロックサイズの設定値を一ずつ上げるように制御している。つまり、バッファサイズ制御部10は、ARQブロックのブロックサイズを調整しうる範囲の中で最小の設定値に調整するように構成されている。
BS1の送信部5は、ARQブロックをMS2に送信する際、所定の容量に設定されたPDU(Protocol Data Unit)単位で送信する。すなわち、上述したように、送信制御部7bは、複数のARQブロックをPDUに格納しPDU単位で送信部5に出力する。送信部5は、送信制御部7bから与えられるARQブロックが格納されたPDUを送信する。
送信制御部7bは、複数のARQブロックを格納したときにPDUに当該ARQブロックより小さいサイズの空き容量が生じたときは、その空き容量部分にダミーデータを格納して送信する。
BS1では、上記のようにARQブロックを送信するので、このARQブロックのブロックサイズはできるだけ小さい方がよりPDUの利用効率が高められる。
本実施形態において、バッファサイズ制御部10は、ARQブロックのブロックサイズを、調整しうる範囲の中で最小の設定値に調整するように構成されているので、上記理由からPDUの利用効率が高められる。
バッファサイズ制御部10は、上記式(1)を満たす設定となるまで、ステップS107〜S110を繰り返す。
バッファサイズが式(1)を満たすと判定されると(ステップS107)、バッファサイズ制御部10は、処理を終了する。この場合、現状調整されたブロックサイズ及びウィンドウサイズの設定によって、MS2との間で通信が行われる。
ここで以下に、ウィンドウサイズ及びブロックサイズの調整処理の具体例を示す。
例えば、上記ステップS102において安定した無線空間と判定されず、下記条件である場合について示す。
1フレーム中のシンボル数 = 22
サブチャネル = 30
変調方式 =QPSK1/2
ACKの受信に要する時間幅N = 5
上記の場合、1フレーム当たり送信可能なバイト数は、上記式(4)より、
((22 / 2) × 48 × 30 × 1) / 8 = 1980(バイト)
となる。
従って、ACKの受信に要する時間幅Nの間にBS1が送信可能なバイト数は、上記式(3)より、
送信可能バイト数D = 1980 × 5 = 9900(バイト)
となる。
ブロックサイズは、ステップS106によりまず設定しうる最小値である「16」バイトに調整され、ウィンドウサイズは、「2」に調整される。そして、ウィンドウサイズの設定値をステップS107、S108、及びS110を経ることで、順次上げていく。
このとき、上記式(1)を満たす(バッファサイズが9900バイト以上となる)ウィンドウサイズは、「1024」であるので、バッファサイズ制御部10は、ブロックサイズを「16」バイト、ウィンドウサイズを「1024」に調整することとなる。
上記のように構成されたBS1によれば、バッファサイズ制御部10が、バッファサイズを動的に調整するので、MS2にデータを送信する際のARQ制御において、好適な値にバッファサイズを調整することができる。
つまり、バッファサイズ制御部10は、MS2に送信データを送信する際の変調方式に応じて、上記式(1)を満たすバッファサイズとなるように制御するので、変調方式が変更されたとしても、ACKの受信に要する時間幅Nで送信することができるサイズ以上にバッファサイズが動的に調整される。
これにより、ACKの受信を待った状態で、ARQブロックの送信ができない時間帯が生じるのを防止でき、無線資源を有効に活用することができる。この結果、上位層からの送信データを送信しきれず送信データが溢れてパケットロスの原因となるバッファ溢れの発生を抑制した再送処理を行うことができる。
また、上記実施形態において、再送処理はARQブロックごとに行われるので、NACKに応じて再送されるデータは、ARQブロックごととなる。従って、バッファサイズ制御部10が、このARQブロックのブロックサイズをより小さく設定することで、再送処理においてより小さいデータごとに再送することができ、その処理効率を高めることができる。また、再送されるARQブロックにおける誤り訂正を要する部分の占める割合が高くなり、再送処理における誤り訂正の効率が高まる。
また、上記実施形態において、安定した無線空間と判定された場合には、安定した無線空間と判定されなかった場合と比較して、最初の設定の段階でブロックサイズを大きく設定するように構成したが、これは、安定した無線空間であれば、MS2が受信するARQブロックに誤りが生じる可能性が低くなり、再送要求がなされる頻度も低下するためである。つまり、ARQブロックに誤りが生じる可能性が低い状況であれば、ARQブロックを小さくして誤り訂正の効率を高める必要性も低下するため、誤り訂正の効率よりも伝送効率を優先させることができる。
以上より、本実施形態では、安定した無線空間と判定された場合には、ARQブロックのブロックサイズを大きく設定することで、より伝送効率を高めることができる。
上記実施形態では、BS1に一のMS2が通信を確立している場合について説明したが、BS1に複数のMS2が通信を確立している場合においても、バッファサイズ制御部10による再送用バッファ8bのバッファサイズの調整制御は、上記実施形態と同様に行われる。
図6は、BS1が5つのMS2(端末(1)〜(5))と通信を確立している場合において、MS2それぞれについての、設定されている変調方式や、再送用バッファ8bのバッファサイズ、これに伴うウィンドウサイズ、ブロックサイズ、さらに、残りのバッファサイズを示した表である。なお、この場合、BS1のメモリ部8に再送用バッファ8bとして設定することができるサイズが、最大「200000」バイトであるとする。また、特に明示していない条件については、上述した調整処理の具体例で示した値を採るものとする。
図6に示すように、BS1は、基本的に多数のMS2との間で通信を確立する場合においても、図4で示したフローチャートに従ってウィンドウサイズ、及びブロックサイズを変調方式に応じて設定する。
図6では、BS1は、現状、端末(1)〜(5)の5つの端末装置と通信を確立しており、それぞれの端末に対して再送用バッファ8bを設定している。BS1は、端末装置との間で通信を確立した順に再送用バッファ8bを設定する。また、このとき、再送用バッファ8bとして設定しうる残りサイズが「3392」バイトとなっている。
ここで、新たにBS1に対して通信を確立しようとしている端末(6)がある場合、BS1は、端末(6)に対する再送用バッファ8bを設定せずに通信を確立する。すなわち、BS1は、バッファサイズ制御部10が、必要最小限のサイズ(ブロックサイズ「16」バイト、ウィンドウサイズ「1024」)の再送用バッファ8bが設定できないときには、再送用バッファ8bを設定せず、ARQ制御を行わずに通信を確立する。
通信確立している端末装置がBS1との通信を終えると、バッファサイズ制御部10は、それまで設定していた再送用バッファ8bを消去するので、残りサイズが増加する。
バッファサイズ制御部10は、この残りサイズに応じて、現状ARQ制御を行っていない他の端末装置や、新たに通信を確立しようとしている端末装置に対して、再送用バッファ8bを設定し、ARQ制御を行う。
以上のようにして、BS1は、複数のMS2との間で通信を確立している場合においても、バッファサイズ制御部10によって再送用バッファ8bのバッファサイズの調整制御を行うことができる。
図7は、本発明の他の実施形態に係るBS1のARQ制御の機能部分を示したブロック図である。本実施形態では、バッファサイズ制御部10が、MS2のQoSクラスを設定するためのQoSパラメータに応じて再送用バッファのバッファサイズを動的に調整する点で、上記実施形態と相違している。
図7に示すように、本実施形態のBS1は、上位ネットワークからの送信データが与えられるQoS制御部12を有している。
QoS制御部12は、送信データが与えられると、この送信データに基づいてMS2のQoSクラスに関する情報を取得し、MS2へのデータ送信において要求されるQoSクラスを認識する。
QoSクラスは、例えば、下記表4に示すQoSパラメータの設定値の組み合わせによって複数種類定められている。QoS制御部12は、複数種類のQoSクラスそれぞれに応じた各QoSパラメータの設定値を記憶している。
Figure 0005532576
QoS制御部12は、QoSクラスを認識すると、その認識したQoSクラスに応じた各QoSパラメータの設定値に基づいて、MS2にデータを送信するように送信部5を制御する。
本実施形態のバッファサイズ制御部10は、上記QoSパラメータの内、「Max Sustained Traffic Rate」(以下、MSTRともいう)の数値に基づいて、再送用バッファのバッファサイズを調整する。
すなわち、QoS制御部12は、MS2が要求するQoSクラスを認識し、バッファサイズ制御部10に対して、MS2が要求するQoSクラスに対応するMSTRの数値を通知する。バッファサイズ制御部10は、再送用バッファ8bを設定するに当たって、QoS制御部12から通知される、MSTRの数値について参照し、その数値に基づいてバッファサイズを動的に調整する。
より具体的には、バッファサイズ制御部10は、図4にで示したフローチャートに基づいて、再送用バッファ8bのバッファサイズ(ウィンドウサイズ及びブロックサイズ)の調整を行う。
なお、本実施形態では、図4中、ステップS101にて算出する、送信可能バイト数Dは、下記式(5)に基づいて算出される。
送信可能バイト数D = 「Max Sustained Traffic Rate」の数値 ×
ACKの受信に要する時間幅N ・・・・ (5)
ここで、本実施形態において、ACKの受信に要する時間幅Nは、上述の実施形態のように基本フレームの個数として取得するのではなく、時間として取得するものとする。
例えば、「Max Sustained Traffic Rate」の数値が、2Mbpsで指定されており、ACKの受信に要する時間幅Nが30msecとした場合、送信可能バイト数Dは、下記に示す値となる。
送信可能バイト数D = (2 × 106 / 8) × 30 × 10-3
= 7500(バイト)
このとき、図4中ステップS102において安定した無線空間と判断されない場合、上記式(1)を満たす(バッファサイズが7500バイト以上となる)ブロックサイズ、及びウィンドウサイズは、下記式のように調整される。
バッファサイズ =
ブロックサイズ(「16」バイト) × ウィンドウサイズ(「512」)
= 8192(バイト) ≧ 7500(バイト)
上記構成のBS1によれば、QoSパラメータに応じて再送用バッファのバッファサイズを調整することができるので、MS2が要求するQoSクラスを変更したとしても、その変更したQoSクラスにおいて好適なバッファサイズに調整することができ、これにより、無線資源を有効に活用することができる。
なお、本実施形態では、QoSクラスを設定するためのQoSパラメータの内、「Max Sustained Traffic Rate」の数値のみに基づいて、再送用バッファのバッファサイズを調整するように構成したが、表4に示す他のQoSパラメータの内、単独もしくは複数を参照し、その値に基づいて再送用バッファのバッファサイズを動的に調整するように構成することもできる。
本発明は、上記各実施形態に限定されることはない。例えば、上記実施形態では、ARQ制御部7がGBN型のARQ制御を行う態様を例示したが、SR型のARQ制御を行うように構成することもできるし、GBN,SR混合型のARQ制御を行うように構成することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
WiMAXにおける通信システムの全体構成を示している。 本発明の実施形態に係る基地局装置の構成の内、ARQ制御の機能部分を示したブロック図である。 (a)は、両バッファを機能的に有しているメモリ部の態様を示す模式図であり、(b)は、再送用バッファに蓄積されるARQブロックの態様を説明するための模式図である。 バッファサイズ制御部による再送用バッファのバッファサイズ(ウィンドウサイズ及びブロックサイズ)の調整手順を示すフローチャートである。 ACK検出部によるACKを受信するのに要する時間幅Nの検出方法を説明するための図である。 基地局装置が5つの端末装置と通信を確立している場合において、端末装置それぞれについての、設定されている変調方式や、再送用バッファ8bのバッファサイズ等を示した表である。 本発明の他の実施形態に係る基地局装置のARQ制御の機能部分を示したブロック図である。 (a)は、一般的なARQ制御の処理を説明するための図であり、(b)は、ウィンドウサイズを「2」とした場合のARQ制御の処理を示す図である。 WiMAXの通信フレームによって、所定の送信データを基地局装置から端末装置に送信したときのARQブロック及びACKの経時的関係の一例を示す図であり、(a)は、変調方式QPSK1/2で、再送用バッファのバッファサイズを1個の下りサブフレームDLフルバーストで送信可能なデータ量が蓄積できる値とし、一の下りサブフレームDLをフルバーストで用いたときに送信可能なデータ量の複数個のARQブロックからなるデータ(1)を送信した場合、(b)は、変調方式QPSK1/2で、再送用バッファのウィンドウサイズを8個の下りサブフレームDLフルバーストで送信可能なデータ量が蓄積できる値とした場合、(c)は、変調方式16QAMとし、再送用バッファのバッファサイズを(b)の場合と同じデータ量が蓄積できる値とした場合を示している。
符号の説明
1 基地局装置(BS)
2 端末装置(MS)
8 メモリ部
8b 再送用バッファ
10 バッファサイズ制御部

Claims (4)

  1. 端末装置からの受信確認又は再送要求に応じてARQブロックごとにARQ制御を行いつつ、データ送信を行う通信装置であって、
    前記端末装置に対して送った前記ARQブロックを蓄積する再送用バッファと、
    前記再送用バッファのバッファサイズを動的に調整するバッファサイズ制御部と、を有し、
    前記バッファサイズ制御部は、前記ARQブロックを蓄積することができる個数であるウィンドウサイズ、及び前記ARQブロックのデータサイズを調整することで、前記バッファサイズとして必要なデータサイズ以上となるように前記バッファサイズを調整するものであり、
    前記バッファサイズ制御部は、さらに、前記端末装置との間の無線空間が安定した状態であるか否かを判定し、前記無線空間が安定した状態でないと判定した場合、前記ARQブロックのデータサイズの最初の設定を、安定した状態であると判定した場合よりも小さいサイズに設定し、前記ウィンドウサイズを前記ARQブロックのデータサイズよりも優先的に増加させるように調整することで、ARQブロックのブロックサイズを調整しうる範囲の中で最小の設定値に調整することを特徴とする通信装置。
  2. 前記バッファサイズ制御部は、前記端末装置に対して前記データを送信する際の変調方式に応じて前記再送用バッファのバッファサイズを調整する請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記バッファサイズ制御部は、前記端末装置に対して前記データを送信する際のQoSパラメータに応じて前記再送用バッファのバッファサイズを調整する請求項1に記載の通信装置。
  4. 一のARQブロックを送信してから、当該一のARQブロックに対応する受信確認を受信するまでの時間幅を検出する受信確認検出部をさらに有し、
    前記バッファサイズ制御部は、前記時間幅において送信可能なARQブロックの個数以上のARQブロックを蓄積可能なサイズを、前記バッファサイズに必要なデータサイズとして求める請求項1〜のいずれか一項に記載の通信装置。
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