JP5531468B2 - 絶縁電線 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁電線に関するものであり、さらに詳しくは、電力線等の比較的断面の大きい導体を有する電線に好適に用いられる絶縁電線に関するものである。
従来、自動車のバッテリーとインバーター間等の電力回路に用いられる電線(電力線)として、例えば断面円形の太い導体の周囲を絶縁体で被覆してなる丸線を複数組み合わせた絶縁電線が用いられていた。一方、配線の省スペース化などの要求される用途では、厚み方向に対する幅方向の大きさが大きく、全体として扁平状の外観を有している平板状(フラット型)の絶縁電線が用いられている。フラット型の絶縁電線は、一般に、複数の平角形状の導体を、間隔をあけて平行に配列し、周囲が絶縁体により被覆されて構成されている(例えば特許文献1参照)。
フラット型の絶縁電線は、丸線からなる絶縁電線と比較して、表面積が大きいため、放熱性に優れており冷却が容易である。そのため、電力回路等に用いられる絶縁電線として、従来の丸線からなる絶縁電線の代わりにフラット型の絶縁電線を使用すれば、電線の導体サイズを小さくして、軽量化等に寄与できる可能性がある。
特許文献1に記載の導体が平角導体よりなるフラット型の絶縁電線は、導体の断面積を小さくできる利点はあるが、丸線の絶縁電線と比較して、電線の幅が広くなる。絶縁電線の幅が広がると配線スペースを大きく取る必要がある。絶縁電線の配線スペースが大きくなると、配索性が低下してしまう。そこで、少しでも絶縁電線の配線スペースを小さくするためには、絶縁電線の幅をできるだけ小さくする必要がある。しかし電力線等の絶縁電線の場合、導体は一定以上の断面積が必要である。
平角導体を用いたフラット型の絶縁電線において、導体の幅を小さくして絶縁電線の幅を小さくしようとすると、導体断面積を確保するために、導体の厚さを厚く形成する必要がある。しかし導体が厚くなると、絶縁電線の柔軟性および耐屈曲性が低下して曲げ加工がしにくくなり、曲げ加工性が低下する。平角型の導体を用いたフラット型の絶縁電線を電力線等に利用しようとした場合、配索性と曲げ加工性を同時に満足させるのはきわめて困難である。
そこで、フラット型の絶縁電線の配索性と曲げ加工性を満足させるために、上記平角導体の代わりに、同一平面上に配列された複数本の素線よりなる導体を用いて絶縁電線を構成すると、配索性と曲げ加工性を満足させることができることが判った。
特開2003−323928号公報
しかしながら、上記の複数の素線よりなる導体を用いたフラット型の絶縁電線の場合、電線の導体のサイズが小さくなると、電線の引っ張り強度が低下するという問題がある。絶縁電線の引っ張り強度が低下すると、接続部における端子固着力が不足することになる。
本発明の解決しようとする課題は、上記問題点を解決しようとするものであり、導体のサイズを小さくすることが可能であると共に、配索性及び曲げ加工性に優れ、更に引っ張り強度に優れた絶縁電線を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の絶縁電線は、一本の素線からなる単線、複数本の素線からなる複数線、又は複数本の素線が撚られた撚線の中から選ばれる少なくとも1種の線材が、平面方向に2つ以上配列された線材の集合線からなる導体と、該導体を覆う絶縁体とからなる平板状の絶縁電線であって、前記導体を構成する素線の一部が高強度の線材からなるテンションメンバーにより置換されていることを要旨とするものである。
本発明の絶縁電線は、導体を構成する素線の一部が高強度の線材からなるテンションメンバーにより置換されている構成を採用したことにより、引っ張り強度に優れた絶縁電線が得られる。絶縁電線は、テンションメンバーにより十分な引っ張り強度が得られるので、接続部における端子固着力が不足する虞がない。更に、本発明の絶縁電線は、一本の素線からなる単線、複数本の素線からなる複数線、又は複数本の素線が撚られた撚線の中から選ばれる少なくとも1種の線材が、平面方向に2つ以上配列された線材の集合線から導体が構成されているので、配索性と曲げ加工性を満足させることができる。
図1は絶縁電線の第1実施例の外観を示す斜視図である。 図2は図1の絶縁電線の長手方向であるB−B線縦断面図である。 図3(a)〜(g)は本発明の第1実施例を説明するための図1の幅方向断面であるA−A線縦断面を示す図であり、(a)は導体の素線がテンションメンバーで置換される前の状態を示し、図3(b)〜(g)は本発明の第1実施例の態様を示している。 図4(a)〜(f)は本発明の第2実施例を説明するための絶縁電線の幅方向縦断面図であり、図4(a)は導体の素線がテンションメンバーで置換される前の状態を示し、図4(b)〜(f)は本発明の第2実施例の態様を示している。 図5(a)〜(d)は本発明の第3実施例を説明するための絶縁電線の幅方向縦断面図であり、図5(a)は導体の素線がテンションメンバーで置換される前の状態を示し、図5(b)〜(d)は本発明の第3実施例の態様を示している。 図6(a)〜(d)は本発明の第4実施例を説明するための絶縁電線の幅方向縦断面図であり、図6(a)は導体の素線がテンションメンバーで置換される前の状態を示し、図6(b)〜(d)は本発明の第4実施例の態様を示している。
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。図1は絶縁電線の斜視図であり、図2は絶縁電線の長手方向である図1のB−B断面図である。本発明絶縁電線1は、単線、複数線、撚線等の線材が、平面方向に2本以上配列された線材の集合線からなる導体2と、導体の外周を覆う絶縁体とからなり、厚みに対し幅方向が広い平板状(フラット型ということもある)に構成されている電線である。本発明絶縁電線1は、導体2を構成する素線の一部が高強度の線材からなるテンションメンバーにより置換されている点に大きな特徴がある。以下、素線の一部をテンションメンバーにより置換する場合の各種態様について説明する。
図3(b)〜(g)は、本発明絶縁電線の第1実施例の断面図であり、同図(a)は第1実施例の絶縁電線の素線をテンションメンバーで置換する前の断面図である。図3(a)に示すように、第1実施例は、テンションメンバーで置換する前の状態の絶縁電線1Pの基本的な構成としては、7本の素線21が撚られた撚線22(22a〜22f)を線材として、この線材が平面方向に6本並列に配列された集合線から導体2が構成されている。撚線22a〜22fは、それぞれ隙間なく配列されて、隣接する撚線と接するようになっていて、全体で1つの導体として形成されている。このように、導体2として2本以上の複数の撚線22が平面方向に配列されて構成されていることで、厚み方向に曲げられた場合に、幅方向に隣接する撚線同士は自由に動けるので、作用する応力を緩和することができ、屈曲性に優れた絶縁電線が得られる。
図3(b)に示す絶縁電線1は、同図(a)の絶縁電線1Pの6本の撚線22a〜22fの中の一部の撚線として図中右端の1つの撚線22aを、高強度の線材からなるテンションメンバー4により置換されている補強撚線5に代えて構成したものである。補強撚線5は、撚線22を構成している7本の素線21全てが、素線21よりも引っ張り強度の高い高強度の線材からなるテンションメンバー4により置換されている。補強撚線5がテンションメンバー4を有しているので、絶縁電線1の引っ張り強度が向上している。
図3(b)に示す絶縁電線1は、素線がテンションメンバーにより置換された補強撚線5が、導体2の端部に位置するように配置したものであるが、特にこのような配置に限定されず、補強撚線5は導体3どの位置に配置してもよい。例えば、図3(c)に示すように、補強撚線5を、導体3の両端以外の内部側に配置してもよい。
また図3(b)、(c)に示す絶縁電線1は、同図(a)の絶縁電線1Pの6本の撚線22a〜22fのうちの1つの撚線を補強撚線5に代えたものであるが、の撚線22a〜22fの中の任意の2つ以上の撚線22を補強撚線5に代えて導体2を構成してもよい(図示せず)。
図3(d)に示す絶縁電線1は、同図(a)の絶縁電線1Pの6本の撚線のうち両端の撚線22a、22fを、素線21をテンションメンバーで置換した補強撚線6、6に代えたものである。補強撚線6が、図3(b)、(c)に示す補強撚線5と異なるのは、7本の素線のうち中心の素線21を1本だけテンションメンバー4で置換した点である。また補強撚線は、撚線22の素線21を1本或いは全部置換する以外に、2本〜6本の素線をテンションメンバーで置換した補強撚線(図示せず)を用いても良い。
図3(e)に示す絶縁電線1は、同図(a)の絶縁電線1Pの内側の撚線22c、22dを補強撚線6に代えたものである。また特に図示しないが、撚線22の一部の撚線として3本〜5本の撚線を、補強撚線6に代えて導体2を構成してもよい。また補強撚線が、全部の素線21ではなく一部の素線21をテンションメンバーで置換したものである場合は、導体2の全部の撚線22a〜22fを補強撚線6に代えてもよい。
図3(f)に示す絶縁電線1は、同図(a)の絶縁電線1Pの中心の素線21以外の周囲の6本の素線21をテンションメンバー4で置換した補強撚線7を用いて導体2を構成したものである。図3(f)に示す絶縁電線1は、導体2を構成する6本の撚線全てを補強撚線7に代えたものである。
図3(g)に示す絶縁電線1は、同図(a)の絶縁電線1Pの両端の撚線22a、22fを補強撚線に代えて導体2を構成したものである。すなわち図3(f)の導体2は、図中右端の撚線22aを中心の素線21をテンションメンバー4で置換した補強撚線6に代え、図中左端の撚線22fを周囲の素線21をテンションメンバー4で置換した補強撚線7に代えたものである。このように撚線の素線をテンションメンバーで置換した数や、その位置等が異なる2種類以上の補強撚線を適宜組み合わせて導体2を構成してもよい。
図4(b)〜(f)は、本発明絶縁電線の第2実施例の断面図であり、同図(a)は、第2実施例の絶縁電線の素線をテンションメンバーで置換する前の断面図である。図4(a)に示すように、第2実施例は、素線をテンションメンバーで置換する前の絶縁電線1Pの基本的な構成として、撚線22a〜22fからなる6本の線材が、同一平面に配列されてなる線材層23が、厚み方向に2層重ねられた積層集合線から導体2が構成されている。すなわちこの態様の導体は、図3(a)の導体が厚み方向に2層積層された形態である。上下の線材層23は互いに接していて、積層集合線全体が1つの導体2として形成されている。
図4(b)に示す絶縁電線1は、素線21がテンションメンバー4により置換された補強撚線7を、両端の撚線22a、22fに代えた補強線材層8を2層積層した積層集合線により導体2を構成したものである。上記補強撚線7は、撚線を構成する7本の素線21のうち中心の素線を除く周囲の6本の素線21をテンションメンバー4により置換したものである。
図4(c)に示す絶縁電線1は、図中上側の線材層9aとして同図(a)の撚線22dを補強撚線7に代えたものを用い、図中下側の線材層9bとして撚線22cを補強撚線7に代えたものを用いて導体2を構成した。補強撚線7は、周囲の6本の素線をテンションメンバー4で置換したものである。このように上下の線材層として、補強撚線7を異なる位置に配置したものを積層して導体2を構成してもよい。
図4(d)に示す絶縁電線1は、同図(a)の幅方向両端の撚線22a、22fを、6本の素線21を全部テンションメンバー4で置換した撚線5に代えた補強線材層10を用いたものである。導体2は、上記の補強線材層10を2層に積層して構成されている。
図4(e)に示す絶縁電線1は、同図(a)の撚線22c、22dを補強撚線5、5に代えた補強線材層11を2層に積層した積層線材層により導体2を構成したものである。補強撚線5は、撚線の7本の素線21全部をテンションメンバー4で置換したものである。
図4(f)に示す絶縁電線1は、図中上側の線材層として同図(a)の両端の撚線22a、22fを補強撚線6に代えた補強線材層12を用い、図中下側の線材層として同図(a)の撚線22cを補強撚線5に代えた補強線材層13を用いて導体2を構成したものである。補強撚線5は、撚線の7本の素線21全部をテンションメンバー4で置換したものである。また補強撚線6は中心の素線をテンションメンバー4で置換したものである。
図5(b)〜(d)は、本発明絶縁電線の第3実施例の断面図であり、同図(a)は、第3実施例の絶縁電線の素線をテンションメンバーで置換する前の断面図である。図5(a)に示すように、第3実施例は、素線をテンションメンバーで置換する前の絶縁電線1Pの基本的な構成として、導体2は、18本の素線21(単線)が、同一平面に配列されてなる線材層24a〜24cが、厚み方向に3層重ねられた積層集合線から構成されている。各線材24a、24b、24cは互いに接していて、全体で1つの導体を形成している。
図5(b)に示す態様の絶縁電線1は、同図(a)の3つの線材層のうち中央の線材層24bに代えて、一部の素線をテンションメンバー4で置換した補強線材層14を用いて、導体2を構成したものである。補強線材層14は18本の素線21のうちの6本の素線が、テンションメンバー4により置換されたものである。補強線材層14のテンションメンバー4は、所定の数の素線を間に配して所定の間隔に配置されている。
図5(c)に示す態様の絶縁電線1は、図中上側の線材層と図中下側の線材層24a、24cを、同図(a)の両端の素線21をテンションメンバー4で置換した補強線材層15に代えて導体2を構成したものである。
図5(d)に示す態様の絶縁電線1は、同図(a)の全部の線材層24a、24b、24cを補強線材層14、15に代えて導体2を構成したものである。図中上側と下側の補強線材層14は、両端の素線21をテンションメンバー4で置換したものである。また中央の補強線材層15は、両端の素線21をテンションメンバー4で置換したものである。
図6(b)〜(d)は、本発明絶縁電線の第4実施例の断面図であり、同図(a)は、第4実施例の絶縁電線の素線をテンションメンバーで置換する前の断面図である。図6(a)に示すように、第4実施例は、素線をテンションメンバーで置換する前の絶縁電線1Pの基本的な構成として、3つの導体2A、2B、2Cが所定の間隔をもって配置され、各導体2A、2B、2Cは、5本の素線(単線)25a〜25eが、平面方向に配列されて構成されている。
図6(b)に示す絶縁電線1は、各導体2A、2B、2Cにおける5本の素線21a〜21eのうち中央の素線21cがテンションメンバー4により置換されている。図6(c)に示す絶縁電線1は、各導体2A、2B、2Cにおける両端の素線25a、25eがテンションメンバーにより置換されている。また図6(d)に示す絶縁電線1は、3本の導体2A、2B、2Cのうち一部の導体である両端の導体2A、2Cの中央の素線25cがテンションメンバー4により置換されている。
上記第1実施例〜第3実施例は、一つの導体2を配置して絶縁電線を構成したが、本発明絶縁電線は、第4実施例に示すように幅方向に2つ以上の導体2を並列に配置して構成してもよい。本発明の絶縁電線は、導体の数が1〜3の範囲であるのが好ましい。絶縁電線において、複数の導体2が配列される場合には、導体2同士は、互いに離間されて平行に配置され、複数の導体2の幅方向の間にも絶縁体が存在するように形成される。
本発明の絶縁電線1において、導体2を構成する素線21の材料としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属線が用いられる。銅、銅合金としては、例えば、無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅などを例示することができる。素線21は、軟質のものでも良いし、硬質のものでも良い。また素線21には、スズやニッケルなどの金属めっきが施されていても良い。
上記素線21の外径は、絶縁電線1の用途やサイズ等に応じて適宜選択することができるが、0.05〜0.60mmのものが好ましく用いられる。素線の外径が0.6mm以下であると、応力低減効果に優れ、耐屈曲性に優れたワイヤーハーネス1が得られる。また素線の外径が0.05mm以上であると、製造時の取り扱いが容易であり、ワイヤーハーネス1の製造時や使用時に導体が断線する虞が小さくなる。素線21の外径の上限としては、より好ましくは、0.5mm以下、さらに好ましくは、0.4mm以下である。
また上記撚線22において、全ての素線21の外径が同一であっても良いし、異なっていても良い。例えば、中心の素線21の外径がその周囲に配置される素線21の外径より大きい構成であっても良い。
上記素線21の断面形状は、特に限定されるものではないが、より好ましくは略円形状の丸線である。この場合、撚線22において各々の素線21は圧縮加工されないで円形状を維持していても良い。また撚線22が撚り合わされた状態で、全体の断面形状が円形状となるように円形圧縮加工されていても良い。撚線22が円形圧縮加工されていれば、一の撚線22b〜22fを構成する素線21と素線21との間の空隙を小さくできるため、同じ断面積において、導体厚や導体幅をより小さくできる。これにより、絶縁電線1をより小さくできるため、配索性を更に高めることができる。一方、各々の素線21が圧縮加工されていない場合には、各素線12は互いに独立に動きやすいため、応力の低減効果に優れる。これにより、柔軟性、屈曲性に優れる。
上記テンションメンバー4としては、上記素線21と比較して引っ張り強度が高い高強度の線材であれば用いることができる。例えば素線21として軟銅を使用した場合には、テンションメンバー4を構成する高強度の線材の材料として、半硬銅や硬銅、或いはCu−Cr合金、Cu―Zr合金、Cu−Ag合金等の銅合金を用いることができる。また、高強度の線材は、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維等の芳香族ポリアミド繊維のような高強度の弾性繊維を用いても良い。
またテンションメンバー4の太さは、素線21の太さと同じでも異なっていてもいずれでも良いが、配索性を考慮すると、素線21と略同じ径のものを用いるのが好ましい。
本発明絶縁電線1において、導体2の集合線を構成する線材は、一本の素線からなる単線、複数本の素線からなる複数線、複数本の素線が撚りあわされた撚線が用いられる。これらの線材は1種のみでも良いし2種以上を組み合わせて構成してもよい。そして、テンションメンバーで置換する素線は、単線の一部の素線、複数線の一部の素線、又は撚線の一部の素線のいずれでも良い。またテンションメンバーで置換する素線は、集合線の中の一部の撚線の素線であっても良いし、集合線の中の全部の撚線の素線のいずれでも良い。尚、集合線が撚線のみから構成されている場合には、テンションメンバーで置換する素線は、全部の撚線の全部の素線ではなく、全部の撚線の一部の素線である。
絶縁電線において、導体2は撚線を用いることが好ましい。撚線を用いると、絶縁電線1が幅方向に曲げられた際に、導体2の配列が乱れる虞が小さい。撚線は、一般に撚りを解消するように伸張することができるので伸張変形が容易である。また導体2に撚線を用いると絶縁電線1が厚み方向に曲げられた場合に、応力を緩和することができ、屈曲性が優れたものとなる。
複数の素線21を組み合わせた撚線から導体3を構成する場合、各素線21は、同一のサイズを用いても良いし、複数のサイズを組み合わせて用いても、いずれでも良い。例えば、導体3が撚線の場合には、中心の素線21の直径が、その周囲に配置される素線21の直径より大きい構成であっても良い。
また導体2に撚線を用いた場合、撚りピッチが異なると、伸張変形することが可能な量も異なる。撚りピッチの大きさが異なる撚線を配列して導体2を構成してもよい。
絶縁体3は、導体2の外周を覆っていればよく、その形状は特に限定されるものではない。絶縁体3の形状は、幅方向の断面が角を有する方形状であっても良いし、幅方向の断面が角を有しない楕円形状などであっても、いずれでも良い。絶縁体3は、例えばポリオレフィン系樹脂や塩化ビニル樹脂等の絶縁性の材料が用いられる。
導体2の断面積(複数の導体を設けた場合は各導体2の断面積)は、特に限定されるものではないが、10mm以上であるのが好ましい。導体2を一つの丸線や平角導体等で構成した場合、断面積が大きくなると曲げ難くなる傾向がある。これに対し本発明絶縁電線は、導体2の断面積が大きくなった場合であっても、導体2は複数の素線の集合線として形成されているので、柔軟性や屈曲性の効果を発揮できる。特に導体4の断面積が10mm以上の場合に、柔軟性および屈曲性が顕著に優れる絶縁電線1が得られる。
本発明の絶縁電線1は、フラット型に形成されていて放熱性に優れることから、丸線等を用いた絶縁電線と比較して導体2の断面積を小さくすることができる。
また導体2の厚みは、柔軟性および屈曲性に優れるなどの観点から、5mm以下であることが好ましい。より好ましい導体の厚みは、4mm以下である。
また絶縁電線1の、導体2の厚みである導体厚Eと、導体の幅である導体幅Wの比S(=W/E)が、3以上であるのが好ましい。更に好ましい導体厚と導体幅の比Sは、5以上である。
本発明の絶縁電線1は、例えば、導体2を幅方向(或いは必要に応じ更に厚み方向)に配置して、導体2の外周を覆うように絶縁体3により被覆することで得られる。導体2を絶縁体3で被覆するには、導体2の外周に樹脂等の絶縁材料を押出成形することや、導体2を一対の絶縁性フィルム間で挟む方法等を用いることができる。これらの絶縁体3による導体2の被覆方法は、公知のフラットケーブル等の製造方法を利用することができる。
本発明の絶縁電線は、自動車用絶縁電線として好適に用いることができ、特にバッテリーとインバーターを接続する電線のような電力線等に好適に用いることができる。
1 絶縁電線
1P 絶縁電線(テンションメンバー置換前)
2 導体
3 絶縁体
4 テンションメンバー
5 補強撚線(素線を全部置換したもの)
6 補強撚線(中心の素線を1本置換したもの)
7 補強撚線(周囲の素線を6本置換したもの)
8、9a、9b、10、11、12、13、14、15 補強線材層
21 素線

Claims (11)

  1. 絶縁体が被覆されていない導電性の素線を用い、複数本の前記素線からなる複数線、又は複数本の前記素線が撚られた撚線の中から選ばれる少なくとも1種の線材が、平面方向に2つ以上配列された線材の集合線からなる、複数本の素線を有する導体と、該導体を覆う絶縁体とからなる平板状の絶縁電線であって、
    前記導体を構成する複数本の素線の中の一部の素線が、前記素線よりも引張強度の高い高強度の線材からなるテンションメンバーにより置換されていることを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記導体が、前記線材が同一平面に配列されてなる線材層が厚み方向に複数層重ねられた積層集合線からなることを特徴とする請求項1記載の絶縁電線。
  3. 前記テンションメンバーにより置換されている素線が、前記複数線の一部の素線であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記テンションメンバーにより置換されている素線が、前記撚線の一部の素線であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  5. 前記テンションメンバーにより置換されている素線が、前記集合線の中の一部の撚線の素線であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 前記素線が、丸線であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  7. 前記導体の数が1〜3のいずれかであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  8. 前記素線の外径が、0.05〜0.60mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  9. 前記1つの導体の断面積が、10mm以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  10. 前記1つの導体の幅が、15mm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  11. 前記1つの導体の厚みが、6mm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の絶縁電線。
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