JP5531192B2 - 超音波発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、処理層内の液体中に超音波を照射して気泡を発生させる超音波発生装置に関するものである。
液体中に超音波を照射すると減圧と加圧とが交互に発生し、減圧時の圧力によって液体中に気泡(空洞)が生じる。この現象をキャビテーション(空洞現象)という。キャビテーションには蒸気性キャビテーションと気体性キャビテーションとがある。蒸気性キャビテーションは、気泡内部が主に液体蒸気からなり、気泡の圧壊を伴うキャビテーションである。一方、気体性キャビテーションは、気泡内部が主に溶在気体からなり、気泡の振動のみで圧壊を伴わないキャビテーションである。これらキャビテーションのうち、物理的・化学的に特異な現象を示し、工業利用上で有用な作用をするキャビテーションは、蒸気性キャビテーションである。具体的には、液体中において蒸気性キャビテーションを発生させると、気泡圧壊時に生じる衝撃波及びマイクロジェットによる物理的作用によって、洗浄、抽出、乳化、分散、混合、攪拌、破砕、霧化等の処理を効率よく行うことができる。また、気泡圧壊時の高温高圧場(ホットスポット)による熱分解によって、ヒドロキシラジカル(OHラジカル)等のラジカル種が生成される。そして、熱分解やラジカル反応によって、有害物質の分解無害化、殺菌、高分子重合などの処理を効率よく行うことができる。なお、キャビテーションの圧壊に伴う衝撃力は、崩壊前の状態の気泡半径に比例する。気泡半径は周波数が低くなるほど大きくなる。従って、キャビテーション強度(気泡圧壊時の衝撃力)は周波数が低いほど大きくなる。
液体中にキャビテーションを発生させるために必要な最低音圧、すなわちキャビテーション閾値は、使用する超音波の周波数の増加とともに高くなる。低周波数の超音波を用いる場合は小さい音圧でキャビテーションが発生し、高い周波数の超音波を用いる場合には、キャビテーションを発生させるために大きな音圧を要する。
超音波の周波数が50kHz以上となると、キャビテーション閾値が急増するため、キャビテーションを利用した一般的な超音波洗浄装置では、20kHz以上50kHz未満の周波数領域の超音波が使用されている。
また、蒸気性キャビテーションのキャビテーション閾値は、気体性キャビテーションと比べて高く10倍以上の音圧となる。超音波洗浄装置において、低周波数の超音波を用いれば、キャビテーション閾値が低くなるため、蒸気性キャビテーションを比較的容易に発生させることができ、被洗浄物に付着した強力な汚れを除去することができる。また、周波数が低くなると超音波の指向性が少なくなり、被洗浄物の裏側など洗浄槽全体に超音波が伝達しやすくなるといったメリットがある。しかしながら、低周波数の超音波は波長が長いため、キャビテーションの発生位置にムラが生じる。この場合、気泡圧壊の衝撃波が局所的に作用することで、洗浄ムラができることに加え、被洗浄物の表面がダメージを受けて破損してしまうことがある。
これに対して、高周波数の超音波を用いると、超音波の波長が短いため、1/2波長ごとに現れる音圧の強弱間隔が小さくなり、均一でムラがない音場を形成することができる。この結果、洗浄ムラのない均一な洗浄が可能となる。また、キャビテーションによるダメージや騒音が少ないといったメリットもある。しかしながら、高周波数の超音波では、キャビテーション閾値が高くなるため、蒸気性キャビテーションを発生させることが困難となる。従って、低周波数の超音波を用いる場合のような強力な洗浄力を得ることができない。さらに、周波数が高くなると超音波の指向性が鋭くなり、超音波振動子における振動面の直上に超音波が集中するため、超音波を有効利用できるエリアが狭くなるといった問題がある。
そこで、本出願人は、洗浄槽に高周波超音波振動子と低周波超音波振動子とを装着し、高周波数の超音波と低周波数の超音波とを洗浄液中に照射することにより、洗浄効率を高めるようにした超音波洗浄装置を提案している(例えば、特許文献1参照)。この超音波洗浄装置では、高周波超音波振動子から160kHz以上の超音波を連続的に照射して洗浄液中に気泡を発生させる。そして、低周波超音波振動子から20kHz〜100kHzの超音波を予め決められた時間間隔で照射している。
特許第3336323号公報
ところが、上述した特許文献1の超音波洗浄装置では、共振周波数が異なる2種類の超音波振動子を用いており、連続的に高周波超音波振動子を駆動するとともに、バースト波を用いて所定の時間間隔で低周波超音波振動子を駆動している。このため、各超音波振動子やそれらを駆動するための回路などの部品点数が増えて、装置コストが嵩んでしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置コストを抑えつつ、液体中に気泡を効率よく発生させることができる超音波発生装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、処理槽内の液体中に超音波を照射して気泡を発生させる超音波発生装置であって、軸方向の縦振動成分が1/2波長の整数倍の周波数で共振する振動モードを有する超音波振動体と、前記1/2波長の整数倍の周波数信号であって、低周波の周波数とその周波数よりも高い高周波の周波数との少なくとも2種類の信号成分を含んだ超音波発振信号を生成して前記超音波振動体に出力する超音波発振器とを備え、前記超音波発振器は、前記低周波の周波数信号を発生する第1信号源と、前記高周波の周波数信号を発生する第2信号源と、前記第1信号源及び前記第2信号源が発生した周波数信号を加算する信号加算部と、前記信号加算部が加算した信号を増幅する信号増幅部とを備えるとともに、前記超音波振動体が受信した受信信号に基づいて共振周波数を検知し、駆動負荷によって前記超音波振動体の前記共振周波数が変動した場合、前記共振周波数に応じた周波数となるように前記第1信号源及び前記第2信号源で発生する周波数信号を個々にかつ直接的に調整可能な周波数調整部を備えることを特徴とする超音波発生装置をその要旨とする。
従って、手段1に記載の発明によると、超音波発振器において、低周波の周波数と高周波の周波数との少なくとも2種類の信号成分を含んだ超音波発振信号が生成され超音波振動体に出力される。これにより、超音波振動体は、2種類以上の周波数で共振し、それら周波数に応じた超音波を液体中に照射する。このようにすると、1つの超音波振動体によって低周波数及び高周波数の超音波を同時に照射することができ、それら超音波の照射エリアも重なるため、処理槽内の液体中に気泡を効率よく発生させることができる。
手段2に記載の発明は、手段1において、前記低周波の周波数は、10KHz以上50KHz未満の周波数であり、前記高周波の周波数は、50KHz以上160KHz未満の周波数であることをその要旨とする。
従って、手段2に記載の発明によると、10KHz以上50KHz未満の周波数である低周波数の超音波と50KHz以上160KHz未満の周波数である高周波数の超音波とが超音波振動体から同時に照射される。ここで、高周波数の超音波が液体中に照射されることによって、その液体中にて定在波が形成されるとともに微小サイズの気泡が発生される。そして、定在波の音響放射圧(音圧)により微小気泡が液体中で捕捉される。超音波の周波数が高いほど、定在波の音圧の腹、節の間隔が短くなり、より多くの微小気泡を捕捉することができる。また、低周波数の超音波を液体中に照射することにより、高周波の定在波で捕捉した微小気泡が強制振動して、その気泡が圧壊する。このようにすると、気泡の圧壊を伴う蒸気性キャビテーションを効率よく生じさせることができ、気泡の圧壊時に生じる衝撃波の物理的作用によって、洗浄、乳化、分散、拡散、霧化などの処理効率を高めることができる。さらに、蒸気性キャビテーションを均一かつ広範囲で発生させることができるため、気泡圧壊時の高温高圧場により生じるOHラジカル等のラジカル生成量を増大させることが可能となる。従って、ラジカル種に起因するソノケミカルの反応効率を高めることができ、有害物質の分解無害化、殺菌、高分子重合などの処理を効率よく行うことができる。
また、上記手段1に記載の発明によると、超音波発振器において、第1信号源により低周波の周波数信号が発生され、第2信号源により高周波の周波数信号が発生される。そして、信号加算部により低周波の周波数信号と高周波の周波数信号とが加算され、加算後の信号が信号増幅部により増幅されることで、超音波振動体を駆動するために必要な所定の信号強度を有する超音波発振信号が生成される。このように超音波発振器を構成すると、低周波の周波数と高周波の周波数との信号成分を含んだ超音波発振信号を確実に生成することができる。
手段に記載の発明は、手段1または2において、前記超音波発振器は、前記超音波発振信号に含まれる前記低周波及び前記高周波の各周波数信号の大きさ調整するための信号調整部として、作業者が操作可能な調整用ツマミをさらに備えることをその要旨とする。
手段に記載の発明によると、超音波発振器の信号調整部によって、超音波発振信号に含まれる低周波及び高周波の各周波数信号の大きさが調整される。このようにすると、超音波振動子から液体中に照射される低周波数及び高周波数の超音波の出力を変更することができ、洗浄、乳化、分散、拡散、霧化などの処理能力を適度な状態に調整することができる。
また、上記手段1に記載の発明によると、処理槽内に導入される液体の量や被処理物のサイズなどによって超音波発生装置の駆動負荷が変わると、超音波振動体の共振周波数が変動する。この場合、超音波発振器において、周波数調整部により第1信号源及び第2信号源で発生する周波数信号が超音波振動体の共振周波数に応じて調整され、それら信号成分を含んだ超音波発振信号が超音波振動体に出力される。このようにすると、超音波発生装置の駆動負荷が変わった場合でも、超音波振動体を確実に共振させることができ、低周波数及び高周波数の超音波を効率よく出力することができる
手段4に記載の発明は、前記超音波発振器は、前記信号増幅部と前記超音波振動子との間のインピーダンス整合を行うための整合回路をさらに備えることを特徴とする手段1乃至3のいずれか1項に記載の超音波発生装置をその要旨とする。
以上詳述したように、請求項1乃至に記載の発明によると、装置コストを抑えつつ、液体中に気泡を効率よく発生させることができる超音波発生装置を提供することができる。
第1の実施の形態の超音波発生装置を示す概略構成図。 超音波発振信号の電圧波形を示す説明図。 超音波発振信号の周波数スペクトルを示す説明図。 第2の実施の形態の超音波振動体を示す構成図。 第3の実施の形態の超音波発振器を示す構成図。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を超音波洗浄装置に具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施の形態の超音波洗浄装置(超音波発生装置)を示す概略構成図である。
図1に示されるように、超音波洗浄装置10は、被洗浄物11及び洗浄液12(液体)を入れる金属製の洗浄槽13(処理槽)と、洗浄槽13内の洗浄液12に超音波を照射する超音波振動子14と、その超音波振動子14を駆動するための超音波発振器15とを備える。
超音波振動子14は、軸方向の縦振動成分が1/2波長の整数倍の周波数で共振する振動モードを有するボルト締めランジュバン振動子であり、振動面を上方に向けた状態で洗浄槽13の底部に装着されている。本実施の形態における超音波振動子14は、1/2波長共振モードと3/2波長共振モードとを組み合わせて同時駆動されるようになっている。なお、本実施の形態において、1/2波長共振モードの共振周波数fは28kHzであり、3/2波長共振モードの共振周波数fは75kHzである。
超音波発振器15は、第1信号源21と、第2信号源22と、信号調整器23(信号調整部)と、加算器24(信号加算部)と、電力増幅器25(信号増幅部)と、整合回路26とを備え、低周波の周波数(28kHz)と高周波の周波数(75kHz)との2種類の信号成分を含んだ超音波発振信号vを生成して超音波振動子14に出力する。
具体的には、第1信号源21は、次式(1)で示す低周波数fの正弦波信号(周波数信号)v(t)を発生する。
Figure 0005531192
また、第2信号源22は、次式(2)で示す高周波数fの正弦波信号(周波数信号)v(t)を発生する。
Figure 0005531192
信号調整器23は、作業者によって操作される調整用ツマミを有し、そのツマミの操作量によって、第1信号源21及び第2信号源22で発生する信号の電圧振幅V,Vを調整する。加算器24は、第1信号源21から出力される正弦波信号v(t)と第2信号源22から出力される正弦波信号v(t)とを加算して電力増幅器25に出力する。電力増幅器25は、加算した周波数信号を増幅して整合回路26に出力する。整合回路26は、超音波発振器15と超音波振動子14との間のインピーダンス整合を行うための回路であり、電力損失を抑えつつ、電力増幅器25で増幅した信号を超音波振動子14に出力する。
従って、本実施の形態では、次式(3)に示す超音波発振信号v(t)が超音波発振器15から超音波振動子14に出力される。
Figure 0005531192
ただし、Kは、電力増幅器25及び整合回路26でのゲインである。
図2には、超音波発振器15から出力される超音波発振信号v(t)の電圧波形を示し,図3には、超音波発振信号v(t)の周波数スペクトルを示している。図2及び図3に示されるように、本実施の形態では、低周波数f及び高周波数fの2つの周波数成分を含む超音波発振信号v(t)が超音波発振器15で発生されて超音波振動子14に供給される。そして、超音波発振信号v(t)によって超音波振動子14が駆動されることで、低周波数f及び高周波数fの2つの周波数で超音波振動子14が共振し、それら2つの周波数成分を含む超音波が洗浄槽13内の洗浄液12に同時に照射される。
ここで、高周波数fの超音波が洗浄液12中に照射されると、その洗浄液12中を伝搬した超音波が液面12a(音響インピーダンスが異なる洗浄液12と空気との界面)で反射することで、洗浄液12中にて定在波が形成される。また、この超音波の照射によって、洗浄液12中に微小サイズの気泡が発生される。そして、定在波の音圧により微小気泡(マイクロバブル)が洗浄液12中で捕捉される。さらに、低周波数fの超音波が洗浄液12中に照射されることにより、高周波の定在波で捕捉された微小気泡が強制振動して、その気泡が圧壊する。また、気泡圧壊時には、多数個の微小気泡が分裂・生成され、それら微小気泡は高周波数fの定在波の音圧で捕捉される。このように、低周波数fの超音波及び高周波数fの超音波を同時に照射することにより、洗浄液12中で蒸気性キャビテーションが効率よく発生され、被洗浄物11が洗浄される。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の超音波洗浄装置10では、低周波数f及び高周波数fの2種類の信号成分を含んだ超音波発振信号vが生成され、超音波振動子14に出力される。これにより、1つの超音波振動子14によって低周波数f及び高周波数fの超音波を照射することができ、別々の振動子から低周波数f及び高周波数fの超音波を照射する場合と比較して、装置コストを抑えることができる。また、超音波振動子14の設置スペースを抑えることができ、装置の小型化が可能となる。さらに、低周波数f及び高周波数fの超音波を同時に照射することができ、それら超音波の照射エリアが重なるため、低周波数f及び高周波数fの2つの超音波が干渉するエリアを最大限に確保することができる。この結果、洗浄槽13内の洗浄液12中に気泡を効率よく発生させることができ、洗浄効率を高めることができる。また、被洗浄物11の洗浄を短時間で行うことができるので、超音波洗浄装置10の消費電力を抑えることができる。
(2)本実施の形態の超音波洗浄装置10では、気泡の圧壊を伴う蒸気性キャビテーションを効率よく生じさせることができ、気泡の圧壊時に生じる衝撃波の物理的作用によって、強力な洗浄効果を得ることができる。従って、洗浄液12に含まれる洗浄剤の使用量を削減することができる。特に、洗浄液12として洗浄剤を含まない洗浄水を使用した場合、洗浄剤の費用やその廃棄費用などのランニングコストを抑えることができ、さらに環境負荷も低減させることができる。またこの場合、洗浄剤の使用が好ましくない食品や医療品などの洗浄に適用することができる。
(3)本実施の形態の超音波発振器15は、信号調整器23を備え、調整用ツマミを操作することにより、超音波発振信号vに含まれる低周波数f及び高周波数fの各周波数信号の大きさを調整することができる。このように構成すると、洗浄液12中に照射される各超音波の出力を変更することができ、被洗浄物11の種類に応じて超音波洗浄装置10の洗浄能力を調整することができる。具体的には、機械部品等に付着した頑固な汚れを洗浄する場合には、低周波数fの超音波の出力を大きくするよう信号調整器23の調整用ツマミを操作する。この場合、洗浄槽13の洗浄液12中において、蒸気性キャビテーションの発生頻度が増し、蒸気性キャビテーションの圧壊時に生じる衝撃波によって、機械部品等に付着した頑固な汚れを確実に除去することができる。一方、半導体部品などの精密部品を洗浄する場合には、高周波数fの超音波の出力を大きくするよう信号調整器23の調整用ツマミを操作する。この場合、洗浄槽13の洗浄液12中において、気体性キャビテーションの発生頻度が増し、部品表面を傷つけることなくその表面に付着した微細な汚れを確実に除去することができる。また、洗浄初期の段階で低周波数fの超音波の出力を大きくして、被洗浄物11の表面を粗洗浄した後、低周波数fの超音波の出力を小さくするとともに高周波数fの超音波の出力を大きくして、被洗浄物11の表面を精密洗浄するようにしてもよい。このようにすると、被洗浄物11の汚れを効率よく確実に除去することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図4に基づき説明する。
第1の実施の形態の超音波洗浄装置10では、超音波振動子14単体で超音波振動体を構成していたが、本実施の形態の超音波洗浄装置10Aでは、図4に示されるように、超音波振動子14とその振動面に装着される超音波ホーン17とによって超音波振動体を構成している。なお、超音波発振器15は、上記第1の実施の形態と同じ構成である。
本実施の形態では、超音波ホーン17の振動面を下方に向けた状態で、洗浄槽13の上方に超音波振動子14及び超音波ホーン17が装着されており、超音波ホーン17の先端が洗浄槽13の洗浄液12中に浸けられている。このように構成すると、超音波ホーン17の先端を被洗浄物11の近傍に位置させることができ、超音波振動子14で発生した低周波数f及び高周波数fの超音波を、洗浄液12中の被洗浄物11に向けて確実に照射することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態を図5に基づき説明する。
本実施の形態では、超音波発振器15Aの構成が上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なっている。図5に示されるように、本実施の形態の超音波発振器15Aは、第1信号源21と、第2信号源22と、信号調整器23と、加算器24と、電力増幅器25と、整合回路26とに加え、受信回路28と周波数調整器29(周波数調整部)とを備えている。超音波洗浄装置10において、洗浄槽13に導入される洗浄液12の量や被洗浄物11のサイズなどが変更されて、装置の駆動負荷が変更されると、超音波振動子14やそれが装着される洗浄槽13の底部などからなる振動系の機械共振点が変化する場合がある。本実施の形態の超音波洗浄装置10では、その機械共振点の変化を追尾し、機械共振点に応じた周波数成分を含む超音波発振信号vを超音波発振器15Aから出力するようにしている。
具体的には、超音波発振器15Aにおいて、受信回路28は、超音波振動子14に接続されており、超音波振動子14で受信された受信信号を取得して周波数調整器29に出力する。周波数調整器29は、その受信信号に基づいて振動系の機械共振点を判定し、機械共振点に応じた周波数となるよう各信号源21,22で発生する信号周波数f,fを調整する。そして、加算器24では周波数調整後の信号が加算され、電力増幅器25で信号増幅された後、機械共振点に応じた超音波発振信号vが整合回路26から出力される。
このように構成すれば、装置の駆動負荷が変更された場合でも、振動系の機械共振点に応じた適切な超音波発振信号vで超音波振動子14を駆動することができ、超音波振動子14を確実に共振させることができる。この結果、エネルギーのロスを抑えつつ、超音波振動子14から超音波を効率よく照射することができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態では、超音波を利用して洗浄する超音波洗浄装置10,10Aに適用するものであったが、洗浄以外に、抽出、乳化、分散、混合、攪拌、破砕、霧化等の処理を行う超音波発生装置に適用してもよい。具体的には、例えば、超音波乳化装置に適用した場合、エマルジョンをナノ粒子まで高効率に微細化することができ、長期間安定化、界面活性剤の削減などの効果を期待することができる。また、超音波分散装置に適用した場合には、ナノ粒子(金属ナノ粒子、カーボンナノチューブ、セラミックスナノ粒子、磁性ナノ粒子など)を高効率に分散化することができる。さらに、化学的作用を利用した超音波処理装置として具体化してもよい。この場合、蒸気性キャビテーションを均一かつ広範囲で効率よく発生させることができるため、気泡圧壊時の高温高圧場により生じるOHラジカル等のラジカル生成量を増大させることが可能となる。従って、ラジカル種に起因するソノケミカルの反応効率を高めることができ、有害物質の分解無害化、殺菌、高分子重合などの処理を効率よく行うことができる。
・上記各実施の形態の超音波洗浄装置10,10Aにおいて、洗浄槽13の外部にバブル発生器を別途設け、そのバブル発生器からパイプなどを介して洗浄槽13の洗浄液12中に微小気泡を導入するように構成してもよい。このようにすれば、洗浄液12中においてより多くの微小気泡を捕捉することができ、その微小気泡を核として蒸気性キャビテーションを効率よく発生させることができる。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1乃至5のいずれかに記載の超音波発生装置において、前記超音波振動体は、前記容器の底部に固定されることを特徴とする超音波発生装置。
(2)手段1乃至5のいずれかに記載の超音波発生装置において、前記超音波振動体は、ボルト締めランジュバン振動子であることを特徴とする超音波発生装置。
(3)手段1乃至5のいずれかに記載の超音波発生装置において、前記超音波振動体は、ボルト締めランジュバン振動子とその振動子に装着される超音波ホーンとからなることを特徴とする超音波発生装置。
(4)手段5に記載の超音波発生装置において、前記周波数調整部は、前記超音波振動体が受信した受信信号に基づいて、前記共振周波数を検知することを特徴とする超音波発生装置。
(5)被洗浄物を含む洗浄液を導入可能な洗浄槽を有し、前記洗浄槽内の洗浄液中に超音波を照射して気泡を発生させて被洗浄物の表面を洗浄する超音波洗浄装置であって、軸方向の縦振動成分が1/2波長の整数倍の周波数で共振する振動モードを有する超音波振動体と、前記1/2波長の整数倍の周波数信号であって、低周波の周波数とその周波数よりも高い高周波の周波数との少なくとも2種類の信号成分を含んだ超音波発振信号を生成して前記超音波振動体に出力する超音波発振器とを備えることを特徴とする超音波洗浄装置。
10,10A…超音波発生装置としての超音波洗浄装置
12…液体としての洗浄液
13…処理層としての洗浄槽
14…超音波振動体としての超音波振動子
15,15A…超音波発振器
17…超音波振動体を構成する超音波ホーン
21…第1信号源
22…第2信号源
23…信号調整部としての信号調整器
24…信号加算部としての加算器
25…信号増幅部としての電力増幅器
29…周波数調整部としての周波数調整器

Claims (4)

  1. 処理槽内の液体中に超音波を照射して気泡を発生させる超音波発生装置であって、
    軸方向の縦振動成分が1/2波長の整数倍の周波数で共振する振動モードを有する超音波振動体と、
    前記1/2波長の整数倍の周波数信号であって、低周波の周波数とその周波数よりも高い高周波の周波数との少なくとも2種類の信号成分を含んだ超音波発振信号を生成して前記超音波振動体に出力する超音波発振器と
    を備え
    前記超音波発振器は、
    前記低周波の周波数信号を発生する第1信号源と、前記高周波の周波数信号を発生する第2信号源と、前記第1信号源及び前記第2信号源が発生した周波数信号を加算する信号加算部と、前記信号加算部が加算した信号を増幅する信号増幅部とを備えるとともに、
    前記超音波振動体が受信した受信信号に基づいて共振周波数を検知し、駆動負荷によって前記超音波振動体の前記共振周波数が変動した場合、前記共振周波数に応じた周波数となるように前記第1信号源及び前記第2信号源で発生する周波数信号を個々にかつ直接的に調整可能な周波数調整部を備える
    ことを特徴とする超音波発生装置。
  2. 前記低周波の周波数は、10KHz以上50KHz未満の周波数であり、前記高周波の周波数は、50KHz以上160KHz未満の周波数であることを特徴とする請求項1に記載の超音波発生装置。
  3. 前記超音波発振器は、前記超音波発振信号に含まれる前記低周波及び前記高周波の各周波数信号の大きさ調整するための信号調整部として、作業者が操作可能な調整用ツマミをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波発生装置。
  4. 前記超音波発振器は、前記信号増幅部と前記超音波振動子との間のインピーダンス整合を行うための整合回路をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波発生装置。
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