JP5527610B2 - プロジェクションディスプレイ用スクリーン - Google Patents
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Description
このようなディスプレイは、ディスプレイ本体とレンズ素子とを用いることで実現可能であるが、表示する画像の数が増えると、その数に反比例して解像度や輝度が減少するという問題がある。
このとき、プロジェクションディスプレイ用スクリーンに、入射角度依存拡散特性を有し、光軸方向を中心に入射光を拡散させる拡散フィルムを用いる場合、複数のプロジェクタからそれぞれプロジェクションディスプレイ用スクリーンに投影される光(画像)を平行光とする必要がある。
このため、プロジェクタからプロジェクションディスプレイ用スクリーンに投影された光を、レンズを用いて屈折させ平行光に偏向させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、プロジェクタから投影された光を、フレネルレンズを用いて偏向させる技術が開示されている。
また、拡散フィルムには、内部に屈折率分布構造が形成されていることにより、プロジェクタから投影された光(画像)を平行光に偏向させるレンズを設ける必要がない。このため、投影された画像にレンズの界面における反射によって多重像および後方散乱が生じることがなく、画像品位を確保することができる。
また、積層された複数枚の拡散フィルムにおける入射側には、プリズムアレイまたはフレネルレンズが配置されていることにより、画像(光)を投影するプロジェクタなどの投影手段とプロジェクションディスプレイ用スクリーンとの間の距離を短縮することができる。
また、拡散フィルムには、内部に屈折率分布構造が形成されていることにより、プロジェクタから投影された光(画像)を平行光に偏向させるレンズを設ける必要ないため、投影された画像にレンズの界面における反射によって多重像および後方散乱が生じることがなく、画像品位を確保することができる。
以下、本発明の第1実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーンについて、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーン1Aは、2枚の拡散フィルム2(2a,2b)が積層されて形成されている。
そして、図4に示すように、拡散フィルム2は、特定の入射角度領域ωp から入射した光Lを水平方向、垂直方向および水平方向と垂直方向の合成方向(立体的)に拡散させている。このため、拡散角度領域ωd は、拡散フィルム2側を頂部とする略錐状体に形成されており、本実施形態では略四角錐に形成されている。なお、拡散角度領域ωd は、円錐や、四角錐以外の多角錐に形成されるような特性を有していてもよい。
本実施形態の拡散フィルム2に適したフィルムとしては、例えば、株式会社巴川製紙所製のマイクロピラー(登録商標)を挙げることができ、このフィルムは、その拡散角度領域ωd が略円錐に形成されている。
ここで、積層された2枚の拡散フィルム2のうち一方を第1拡散フィルム2a、他方を第2拡散フィルム2bとして以下説明する。
また、第1入射角度領域ωp1と第2入射角度領域ωp2とは水平方向に隣接しており、第1拡散角度領域ωd1と第2拡散角度領域ωd2とは水平方向に隣接している。
第1プロジェクタ3aは、第1入射角度領域ωp1からプロジェクションディスプレイ用スクリーン1Aへ第1画像4aを投影することができ、第2プロジェクタ3bは第2入射角度領域ωp2からプロジェクションディスプレイ用スクリーン1Aへ第2画像4bを投影することができる。
また、プロジェクションディスプレイ用スクリーン1Aの他方の面1b側における第2拡散角度領域ωd2に対向する位置に居る第2観察者5bは、第2プロジェクタ3bから投影された第2画像4bを見ることができる。
また、第2プロジェクタ3bによって第2入射角度領域ωp2からプロジェクションディスプレイ用スクリーン1Aへ第2画像4bを投影すると、第2画像4bは、第2拡散フィルム2bによって、第2拡散角度領域ωd2に拡散される。これにより、第2観察者5bは第2画像4bを観察することができる。
このことから、第1実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーン1Aによれば、拡散角度領域ωd1,ωd2毎に異なる画像4a、4bを表示することができる。
また、拡散フィルム2は、内部に微細な屈折率分布構造が形成されていて、特定の入射角度領域ωp から入射した光Lを、特定の拡散角度領域ωd に拡散する入射角度無依存拡散特性を有していることにより、第1プロジェクタ3aおよび第2プロジェクタ3bからそれぞれ投影された第1画像4aおよび第2画像4bを平行光とするフレネルレンズなどのレンズを設ける必要がないため、画像品位を確保することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図5に示すように、第2実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーン1Bは、4枚の拡散フィルム2(2a,2b,2c,2d)が積層されて形成されている。4枚の拡散フィルム2は、それぞれ入射角度領域ωp および拡散角度領域ωd が異なっている。
ここで、4枚の拡散フィルム2を第1〜第4拡散フィルム2a〜2dとし、各入射角度領域ωp を第1〜第4入射角度領域ωp1〜ωp4、各拡散角度領域ωd を第1〜第4拡散角度領域ωd1〜ωd4として以下説明する。
第1〜第4拡散角度領域ωd1〜ωd4は、第1〜第4拡散フィルム2a〜2dが積層された際に、鉛直方向に2段、水平方向にそれぞれ2列に配列するように構成されている。そして、上段に第1拡散角度領域ωd1と第2拡散角度領域ωd2とが水平方向に隣接して配され、下段に第3拡散角度領域ωd3と第4拡散角度領域ωd4とが水平方向に隣接して配されている。
そして、プロジェクションディスプレイ用スクリーン1Bに、第1〜第4画像4a〜4dが投影されると、第1〜第4画像4a〜4dは、それぞれ第1〜第4拡散角度領域ωd1〜ωd4に拡散され、観察者(不図示)は第1〜第4拡散角度領域ωd1〜ωd4から第1〜第4画像4a〜4dを観察することができる。
次に、第3実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーンは、図6および図7に示すような入射された光Lをある一つの面内方向(平面的)に拡散させる拡散フィルム12が複数積層されている。
図6に示す第1拡散フィルム12aは、入射角度領域ω´p から入射された光L1を鉛直面である拡散角度領域ω´d に拡散させている。また、図7に示す第2拡散フィルム12bは、入射角度領域ω″p から入射された光L2を水平面である拡散角度領域ω″d に拡散させている。
入射光を平面的に拡散させる拡散フィルム12としては、住友化学工業株式会社製のルミスティ(登録商標)が挙げられる。
光L3は、入射角度領域ω´p(図6参照)および入射角度領域ω″p(図7参照)をあわせた入射角度領域ωp から入射された光を示している。そして、光L3は、拡散角度領域ω´d(図6参照)および拡散角度領域ω″d(図7参照)をあわせた拡散角度領域ωd に拡散される。
本実施形態では、拡散フィルム積層体13が第1実施形態の拡散フィルム2(図1参照)に相当している。このため、拡散角度領域ωp が異なる複数のフィルム積層体13を積層させることによって、プロジェクションディスプレイ用スクリーンが形成される。
第4実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーンは、図6および図7に示すような所定の入射角度領域ω´p ,ω″pから入射した入射光を一つの面内方向(平面的)に拡散させる拡散フィルム12と、所定の入射角度領域から入射した光を一方向に拡散させる一方向性拡散フィルム(不図示)とが積層されている。
本実施形態では、拡散フィルム12は、所定の入射角度領域から入射した入射光を一つの面内方向である第1方向に拡散させている。そして、一方向拡散フィルムは、入射角度無依存特性はなく、この第1方向に直交する第2方向へ、第1方向に拡散する角度の半値幅±5°以上拡散させている。
このような一方向性拡散フィルムとしては、例えば、Lumimit社製レンズ拡散板(LSD:Light Shaping Diffusers)が挙げられる。
このように形成されたプロジェクションディスプレイ用スクリーンは、第1方向に対して入射角度無依存拡散特性を有しており、第2方向に対しては、入射角度無依存拡散特性を有していないことになる。
第4実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーンでは、プロジェクタから投影された画像を拡散角度領域の配列方向のみに拡散させることができる。
第5実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーンは、上述した第1乃至第4実施形態によるプロジェクションディスプレイ用スクリーンにおいて、プロジェクションディスプレイ用スクリーンのプロジェクタ側にプリズムアレイまたはフレネルレンズを設置するものである。
このように、プロジェクションディスプレイ用スクリーンのプロジェクタ側にプリズムアレイまたはフレネルレンズを設置することによって、プロジェクタから斜め方向に画像が投射された場合に対応することができる。
例えば、上述した実施形態では、拡散フィルム2を2枚又は4枚積層させているが、観察角度に併せて3枚や5枚以上積層させてもよい。
また、上述した実施形態では、入射角度領域ωP や拡散角度領域ωd が水平方向や鉛直方向に配列されているが、斜め方向に配列されていてもよく、隣接する入射角度領域ωP との間や隣接する拡散角度領域ωd との間に間隔があってもよい。
2,12 拡散フィルム
2a,12a 第1拡散フィルム
2b,12b 第2拡散フィルム
2c 第3拡散フィルム
2d 第4拡散フィルム
3a 第1プロジェクタ
3b 第2プロジェクタ
4a 第1画像
4b 第2画像
5a 第1観察者
5b 第2観察者
ωp,ωp1,ωp2,ωp3,ωp4 入射角度領域
ωd,ωp1,ωp2,ωp3,ωp4 拡散角度領域
Claims (1)
- 内部に屈折率分布構造が形成され、所定の入射角度領域から入射した光を所定の拡散角度領域へ拡散させる拡散フィルムが、複数枚積層されたプロジェクションディスプレイ用スクリーンであって、
前記積層された複数枚の拡散フィルムは、それぞれ前記入射角度領域および前記拡散角度領域が異なっていて、
前記積層された複数枚の拡散フィルムにおける入射側には、プリズムアレイが配置されており、
前記積層された複数枚の拡散フィルムは、前記所定の入射角度領域から入射した光を一つの面内方向である第1方向のみに拡散させる拡散フィルムと、
前記所定の入射角度領域から入射した光を一方向のみに拡散させるものであるとともに前記一方向を前記第1方向に直交する方向とする第2方向とした際の前記第2方向の拡散を前記第1方向に拡散する角度の半値幅±5°以上とする一方向性拡散フィルムと、を有し、
前記第1方向にのみ拡散させる拡散フィルムと前記一方向性拡散フィルムとは、それらの拡散角度領域が前記第1方向に配列されるように積層されていることを特徴とするプロジェクションディスプレイ用スクリーン。
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