JP5527099B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明はエンジンに関し、特に吸気弁を遅閉じにするとともに、吸気通路にブローバイガスを導入するエンジンに関する。
エンジンでは、吸気弁を遅閉じにすることがある(例えば特許文献1参照)。また、クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に導入することがある(例えば特許文献2参照)。吸気弁を遅閉じにすることで、ポンピングロスの低減を図ることができる。ブローバイガスを吸気通路に導入することで、ブローバイガスの燃焼を図ることができる。このほか、特許文献3では1つの燃焼室に対して設けられる同種の機関弁である第1、第2機関弁のバルブタイミングを変更する動弁装置が開示されている。
特開平10−184370号公報 特開2007−162530号公報 特開2009−144521号公報
吸気弁を遅閉じにする場合、微粒子を含んだガスが下死点後に筒内から吸気通路に吹き返す。これに対し、吸気通路にブローバイガスを導入すると、ブローバイガスに含まれるオイル成分と微粒子とが結合してデポジットが生成されることがある。また、筒内から吹き返したガスがブローバイガスを上流側へ吹き返す結果、オイルが堆積することがある。そして、流れが悪い部分にオイルが堆積すると、堆積したオイルがある時点で突如として筒内に吸入される結果、燃焼および排気エミッションを悪化させることがある。
本発明は上記課題に鑑み、吸気弁を遅閉じにするとともに、吸気通路にブローバイガスを導入するにあたり、デポジットの生成およびオイルの堆積を抑制可能なエンジンを提供することを目的とする。
本発明は燃焼室に吸気を導く吸気ポートと、前記燃焼室に対して設けられた第1および第2の吸気弁と、前記第1および第2の吸気弁のバルブタイミングを互いに独立して設定可能な動弁装置と、クランクケース内のブローバイガスを前記吸気ポートに導入するPCV通路部と、を備え、前記動弁装置が、前記第1および第2の吸気弁のうち、一方の吸気弁を遅閉じにし、前記PCV通路部が、前記吸気ポートのうち、前記一方の吸気弁側から吹き返すガスの流れから外れた部分に開口部を有するエンジンである。
また本発明は前記部分が前記第1および第2の吸気弁のうち、他方の吸気弁に対応する部分吸気ポートである構成であることが好ましい。
本発明によれば、吸気弁を遅閉じにするとともに、吸気通路にブローバイガスを導入するにあたり、デポジットの生成およびオイルの堆積を抑制できる。
エンジンの概略構成図である。 エンジンの吸気ポートを示す図である。 吸気弁のバルブタイミングを示す図である。
図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
図1はエンジン50の概略構成図である。図2はエンジン50の吸気ポート52aを示す図である。図1、図2では、一気筒あたりのエンジン50の要部を示している。エンジン50はシリンダブロック51と、シリンダヘッド52と、ピストン53と、第1および第2の吸気弁54A、54Bと、第1および第2の排気弁55A、55Bと、クランクケース56と、クランクシャフト57と、PCV通路部58と、吸気側VVT(InVVT)59とを備えている。
シリンダブロック51には、シリンダ51aが形成されている。シリンダ51a内にはピストン53が収容されている。シリンダブロック51の上面にはシリンダヘッド52が固定されている。燃焼室60はシリンダブロック51、シリンダヘッド52及びシリンダ53に囲まれた空間として形成されている。シリンダヘッド52には、燃焼室60に吸気を導く吸気ポート52aと、燃焼室60からガスを排出する排気ポート52bとが形成されている。
シリンダヘッド52には、吸気ポート52aを開閉する第1および第2の吸気弁54A、54Bと、排気ポート52bを開閉する第1および第2の排気弁55A、55Bとが設けられている。エンジン50は、燃焼室60に対して吸気弁54A、54Bおよび排気弁55A、55Bからなる4つの弁が設けられた4バルブエンジンとなっている。
吸気ポート52aは、第1および第2の部分吸気ポート52aA、52aBを有している。第1の部分吸気ポート52aAは第1の吸気弁54Aに対応する吸気ポートであり、第2の部分吸気ポート52aBは第2の吸気弁54Bに対応する吸気ポートである。吸気ポート52aは上流側から燃焼室60に向かって途中で第1の吸気弁54A側と第2の吸気弁54B側とに分岐している。そして、分岐した先の部分が部分吸気ポート52aA、52aBになっている。吸気弁54A、54Bは、具体的には部分吸気ポート52aA、52aBを開閉する。
シリンダブロック51には、クランクケース56が設けられている。クランクケース56はクランクシャフト57を収容する。PCV通路部58は、クランクケース56内と吸気ポート52aが形成する吸気通路とを連通する。PCV通路部58は、クランクケース56内のブローバイガスを吸気ポート52aに導入する。PCV通路部58は具体的には、クランクケース56内外を連通する連通孔を形成する第1の通路部と、シリンダヘッド52、クランクケース56間に設けられた配管部と、吸気ポート52aとシリンダヘッド52外部とを連通する連通孔を形成する第2の通路部とを有して構成されている。
シリンダヘッド52には、吸気側VVT59が設けられている。吸気側VVT59は吸気弁54A、54Bのバルブタイミングを可変にする。吸気側VVT59には吸気弁54A、54Bのバルブタイミングを互いに独立して設定可能なものを適用する。かかる吸気側VVT59としては、例えば前述した特許文献3が開示する動弁装置を適用できる。動弁装置は、例えば吸気弁54A、54Bの駆動を電磁駆動化した場合の電磁駆動装置それぞれを有した構成として実現することもできる。
吸気側VVT59は、電子制御装置であるECU1に制御対象として電気的に接続されている。吸気側VVT59は、ECU1の制御のもと駆動する。バルブタイミングは、吸気側VVT59を制御するECU1を介して設定することができる。本実施例では、吸気側VVT59が吸気弁54A、54Bの閉弁時期に位相差を設けるようにバルブタミングを設定している。具体的には次に示すようにしてバルブタイミングを設定している。
図3は吸気弁54A、54Bのバルブタイミングを示す図である。縦軸はバルブリフト量、横軸はクランク角度を示す。エンジン50は4サイクルエンジンであり、図3に示すクランク角度において、上死点(TDC)から下死点(BDC)までが吸気行程に対応してピストン53が下降する過程、下死点から上死点までが圧縮行程に対応してピストン53が上昇する過程となっている。
図3に示すように、第1の吸気弁54Aについては、下死点から上死点までの間のクランク角度を4等分した場合に、第1から第4までの区間D1からD4までのうち、最も下死点側に位置する第1の区間D1内に閉弁時期を設定する。第2の吸気弁54Bについては、下死点から上死点までの間のクランク角度を4等分した場合に、第1から第4までの区間D1からD4までのうち、中央に位置する第2および第3の区間D2、D3内に閉弁時期を設定する。そしてこれにより、吸気弁54A、54Bのうち、第2の吸気弁54B(一方の吸気弁)を遅閉じにする。
一方、図2に示すように、PCV通路部58は、吸気ポート52aのうち、第2の吸気弁54B側から吹き返すガスの流れFから外れた部分Rに開口部58aを有している。具体的にはPCV通路部58は、第1の吸気弁54A(他方の吸気弁)に対応する第1の部分吸気ポート52aAに開口部58aを有している。
次にエンジン50の作用効果について説明する。エンジン50では、流れFから外れた部分Rに開口部58aを有している。このためエンジン50は、筒内から吹き返すガスとブローバイガスとの接触機会を減らすことができる。また、筒内から吹き返すガスがブローバイガスを上流側へ吹き返すことも抑制できる。そしてこれにより、デポジットの生成およびオイルの堆積を抑制できる。同時に上流側へのオイルの堆積を抑制することで、堆積抑制のため吸気通路に傾斜をつけるといった形状的な制約も緩和できる。このため、吸気系の設計自由度を高めることもできる。さらに第1の部分吸気ポート52aAに開口部58aを有することで、これらの効果を好適に奏することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
吸気弁のバルブタイミングの設定は、開弁時期と閉弁時期とを一体的に設定するだけでなく、個別的に設定することで行われてもよい。
エンジンは本発明を実施可能なエンジンであれば特に限定されない。例えばガソリンエンジンのほかディゼールエンジンであってもよい。また筒外で燃料を噴射し、混合気を吸入するタイプのエンジンのほか、筒内燃料直接噴射式のエンジンであってもよい。
エンジン 50
吸気ポート 52a
第1の吸気弁 54A
第2の吸気弁 54B
PCV通路部 58
開口部 58a
吸気側VVT 59

Claims (2)

  1. 燃焼室に吸気を導く吸気ポートと、
    前記燃焼室に対して設けられた第1および第2の吸気弁と、
    前記第1および第2の吸気弁のバルブタイミングを互いに独立して設定可能な動弁装置と、
    クランクケース内のブローバイガスを前記吸気ポートに導入するPCV通路部と、を備え、
    前記動弁装置が、前記第1および第2の吸気弁のうち、一方の吸気弁を遅閉じにし、
    前記PCV通路部が、前記吸気ポートのうち、前記一方の吸気弁側から吹き返すガスの流れから外れた部分に開口部を有するエンジン。
  2. 請求項1記載のエンジンであって、
    前記部分が、前記第1および第2の吸気弁のうち、他方の吸気弁に対応する部分吸気ポートであるエンジン。
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