JP5526952B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどに用いられる搬送装置に関する。
従来から、プリンターには、プリンターの載置トレイに載置された用紙束から用紙(被搬送媒体)を1枚ずつ分離して送り出すための搬送装置が設けられている。このような搬送装置には、給送ローラーが用紙を確実に送り出すために給送ローラーを用紙に向けて付勢することによって、給送ローラーを用紙に圧接した状態を維持するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
図10を参照して、従来の搬送装置の構成について説明する。
搬送装置100には、用紙Qを載置するための載置トレイ110と、載置トレイ110に載置された用紙Qをプリンターの記録部に向けて搬送する給送ローラー120とが設けられている。この給送ローラー120は、アーム130を介して駆動軸となる駆動シャフト140に取り付けられている。この駆動シャフト140の回転を図示しないギア列を介して給送ローラー120に伝達することにより、給送ローラー120が回転するようになる。また搬送装置100には、アーム130を用紙Qに向けて、即ちアーム130を図中の反時計回りに向けて付勢するねじりコイルばね150が取り付けられている。これにより、給送ローラー120を用紙Qに向けて圧接するようしている。そして給送ローラー120が図中の白抜き矢印にて示すように時計回りに回転することにより、用紙Qは一点鎖線の矢印にて示す用紙搬送方向に送り出される。
このような搬送装置100では、ねじりコイルばね150の付勢力により、用紙Qの枚数が少なくなるにつれて駆動シャフト140を中心に載置トレイ110に向けてアーム130及び給送ローラー120が回動するようになる。これにより、給送ローラー120が用紙Qの枚数に応じて用紙束の最上位置の用紙Qへの圧接を維持するようになる。
特開2003−285936号公報
ところで、ねじりコイルばね150は、そのばね150自体の製品のばらつきや搬送装置100への取付誤差等により、その付勢力が予め設定した付勢力に対してばらつきを生じてしまう。これにより、給送ローラー120の用紙Qへの圧接力にばらつきを生じてしまう。その結果、給送ローラー120の用紙Qへの圧接力が過大となるときには、用紙Qの重送が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被搬送媒体の重送を抑制することのできる搬送装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の搬送装置は、給送ローラーにより被搬送媒体を搬送する搬送装置本体と、前記搬送装置本体に対して第1回動部を中心に回動可能となるように前記搬送装置本体に取り付けられる第1アームと、前記第1アームに対して第2回動部を中心に回動可能となるように前記第1アームに取り付けられるとともに、前記第2回動部に対して前記第1回動部とは反対側に前記給送ローラーが固定される第2アームと、前記給送ローラーを前記被搬送媒体に向けて付勢するように前記第2回動部に作用するねじりコイルばねとを備える搬送装置であって、前記第1アームには、前記ねじりコイルばねの一方の端部を固定する第1固定部が設けられ、前記第2アームには、前記ねじりコイルばねの他方の端部を固定する第2固定部が設けられ、前記第1固定部及び前記第2固定部の少なくとも一方には、前記ねじりコイルばねのばね力を調整するための複数のばね掛け部が設けられ、前記ねじりコイルばねには、巻回されたコイル部の巻き始めと巻き終わり部分の少なくとも一方には、直線状のアーム部が設けられ、複数の前記ばね掛け部は、複数のリブにより構成され、前記アーム部は隣接する前記リブ間に挿入されることで前記リブに取り付けられ、前記アーム部が取り付けるリブを変更することにより前記ねじりコイルばねのばね力を調節する
この構成によれば、ばね掛け部によりねじりコイルばねのばね力が調整可能となるため、ねじりコイルばね自体のばね力のばらつきや取付誤差等に起因するねじりコイルばねのばね力のばらつきを抑制することができるようになる。これにより、給送ローラーの被搬送媒体への圧接力が過大となることが抑制されるため、被搬送媒体の重送を抑制することができる。また、作業者がねじりコイルばねのばね力を調節するときに、アーム部をリブから外した後に別のリブに取り付けるのみにて調整することができる。これにより、作業者がねじりコイルばねのばね力の調節する作業を容易に行うことができる。
本発明の搬送装置において、前記第2アームが前記第1アームに対する回動に基づいて前記ねじりコイルばねが弾性変形することにより、前記ねじりコイルばねが前記給送ローラーを前記被搬送媒体に向けて付勢する。
第1アームに対して第2アームが回動する場合には、ねじりコイルばねが弾性変形することにより、ねじりコイルばねが給送ローラーを被搬送媒体に向けて付勢するため、第2アームが第1アームに対して回動せずに第1アームと第2アームとが一体に第1回動部を中心に回動する場合よりも給送ローラーが被搬送媒体に向けて付勢する力が大きくなる。このような構成において、給送ローラーと載置面との間に被搬送媒体を挿入するときには、被搬送媒体が給送ローラーを押す力により第1アームと第2アームとが第1回動部を中心に一体に回動するようになる。これにより、給送ローラーを被搬送媒体に向けて付勢する力の増大が抑制されるため、給送ローラーが被搬送媒体を圧接する力の増大が抑制されるようになる。これにより、被搬送媒体を搬送装置に容易に載置することができる。
本発明の搬送装置において、当該搬送装置には、前記給送ローラーと対向するところに前記被搬送媒体を載置する載置面が設けられ、前記第1回動部における前記被搬送媒体と対向する部位には、前記第1回動部の回動径方向の外側から前記第1回動部を覆うカバーが設けられ、前記載置面と前記カバーとがなす隙間により前記被搬送媒体の載置枚数が規制される。
第2回動部に被搬送媒体の載置枚数を規制する機構を設けた場合には、給送ローラーが被搬送媒体を搬送する状況において、第2回動部は第1アーム及び第2アームの回動に伴い第1回動部を中心に回動するため、第2回動部の載置面に対する位置は変化してしまう。その結果、被搬送媒体の載置枚数を規制する位置が変化してしまう。これにより、被搬送媒体が実際にどの程度載置できるかを明確に規定することができない。
その点、本発明では、カバーが第1回動部の回動径方向の外側から第1回動部を覆うため、第1回動部が回動したときにもカバーが載置面に対する位置が変化しない。したがって、給送ローラーが被搬送媒体を搬送する状況に対して載置面とカバーとの位置が変化することはない。したがって、被搬送媒体の載置枚数を明確に規定することができる。
本発明の搬送装置において、前記カバーは、前記被搬送媒体を搬送する前記給送ローラーの動作に伴って、前記第1アームが回動する範囲に亘り設けられる。
この構成によれば、第1アームが回動する範囲に亘りカバーが設けられるため、第1アームの回動途中にて被搬送媒体が載置面とカバーとの隙間から外れることが抑制されるようになる。
実施形態のプリンターの概略斜視図。 実施形態の搬送装置の概略斜視図。 実施形態のピックアップユニットの分解斜視図。 ピックアップユニットのギア列を示す模式図。 ピックアップユニットの正面構造を示す斜視図。 (a)は、待機状態の搬送装置を示す側面図、(b)は、(a)の搬送装置を示す模式図。 (a)は、搬送直前状態の搬送装置を示す側面図、(b)は、(a)の搬送装置を示す模式図。 (a)は、用紙搬送状態の搬送装置を示す側面図、(b)は、(a)の搬送装置を示す模式図。 (a)は、厚紙を用いた場合の搬送直前状態の搬送装置を示す側面図、(b)は(a)の搬送装置を示す模式図。 従来の搬送装置を示す模式図。
以下、本発明の搬送装置をインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」)に用いられた搬送装置として具体化した実施形態を図1〜図9に従って説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」をいう場合は、特に説明がない限り、図1において矢印で示す「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」をいうものとする。なお本実施形態では、上下方向を鉛直方向と同一方向として規定している。
図1に示すように、プリンター11は、後面側から供給される被搬送媒体としての用紙に文字や画像等を記録する記録装置である。このプリンター11は、用紙を搬送する自動シート搬送装置(ASF:Auto Sheet Feeder)である搬送装置12と、搬送装置12により搬送される用紙に画像等を記録する記録装置13と、記録装置13により画像等が記録された用紙が排出される排紙口14とを備えている。
図2に示すように、搬送装置12には、用紙を載置するための載置トレイ21が設けられている。この載置トレイ21は、用紙が載置される傾斜状の載置面21aと、前後方向及び左右方向に沿った平面である支持面21bとを有している。載置トレイ21の右端には、この載置トレイ21に固定されるとともに用紙の位置決めを行うガイド壁22が設けられている。ガイド壁22には、このガイド壁22から左方に向けて延びるとともに図示しない電動モーターにギア列を介して接続された搬送装置本体としての支持軸23が取り付けられている。この支持軸23には、用紙を記録装置13(図1参照)に向けて搬送するピックアップユニット24が支持されている。
また載置面21aには、この載置面21aと当接する用紙と当接するローラー25(図6参照)が設けられている。支持面21bには、用紙を1枚ずつに分離するための分離機構としての分離パッド26が設けられている。分離パッド26は、支持面21bに取り付けられる矩形箱状のケース26aと、このケース26aの左右方向の中央部において、ケース26aの前後方向に延びる分離部26bとが設けられている。この分離部26bには、ケース26aよりも摩擦係数の高い部材が用いられている。
図3に示すように、ピックアップユニット24は、支持軸23に回動可能に取り付けられる第1アーム31と、第1アーム31の下端に回動可能に取り付けられる第2アーム32と、第2アーム32の下端に取り付けられる給送ローラー33とを有している。この第2アーム32には、付勢部としてのねじりコイルばね35が取り付けられている。これにより給送ローラー33(第2アーム32)を用紙Pに向けて付勢するようになる。また給送ローラー33は、従動ギア34a〜34cにより構成される伝達機構34を介して支持軸23の回転力が伝達されるようになる。このねじりコイルばね35には、コイル部35aと、コイル部35aの巻き始めの一端である直線状のアーム部としての第1係合部35bと、コイル部35aの巻き終わりの一端であるL字状の第2係合部35cとが設けられている。
第1アーム31は、左右方向に離間した一対の第1腕部41と、これら第1腕部41を互いに接続するとともに支持軸23を上方から覆う上方カバー部42とを有している。各第1腕部41には、その上方の部位に同腕部41を左右方向に貫通する貫通孔を有する第1軸受部43が設けられている。右側の第1腕部41の下方の部位には、同腕部41から右方に向かい突出する第1軸部44が設けられている。左側の第1腕部41の下方の部位には、同腕部41を左右方向に貫通する貫通孔を有する第2軸受部45が設けられている。第1軸受部43には、支持軸23が摺動可能に挿入されている。本実施形態では、支持軸23と第1軸受部43とにより、「第1回動部61」が構成されている。
上方カバー部42には、第1回動部61を外側から囲うとともに第1回動部61の回動中心を中心とする円弧形状の湾曲部42aが設けられている。この湾曲部42aは、第1アーム31の回動範囲に亘り設けられている。ここで、搬送装置12では、湾曲部42aと載置面21aとのなす隙間G(図6参照)によって、用紙の最大積載量(最大載置枚数)が規定されるようになる。湾曲部42aは第1アーム31の回動により上記隙間Gの大きさが変更されないため、第1アーム31の回動状態によって用紙の最大積載量が常に一定の状態が維持されている。
上方カバー部42には、右側の第1腕部41よりも右方に向けて突出する突出部42bが設けられている。この突出部42bの後部の内面には、後方に向けて凹む溝部42cが設けられている。
第2アーム32は、左右方向に離間した一対の第2腕部51と、この第2腕部51の上方及び前方を覆うカバー体52とを有している。右側の第2腕部51の上方の部位には、同腕部51を貫通する貫通孔を有するとともに同腕部51から右方に向けて突出する突起部53が設けられている。左側の第2腕部51の上方の部位には、同腕部51の左方に向けて突出する円筒形状の第2軸部54が設けられている。各第2腕部51の下方の部位には、同腕部51を左右方向に貫通する貫通孔である第3軸受部55がそれぞれ設けられている。第2アーム32は、第2軸部54が第2軸受部45に摺動可能に挿入されるとともに突起部53に第1軸部44に摺動可能に挿入されることにより、第1アーム31に取り付けられるようになる。本実施形態では、第2軸部54と第2軸受部45とにより「第2回動部62」が構成されるとともに、突起部53と第1軸部44とにより左側の「第2回動部62」が構成されている。
突起部53には、第2回動部62と同軸となるようにねじりコイルばね35が嵌合されている。
また右側の第2腕部51の突起部53より前方には、第2回動部62の回転中心を中心とした円弧状に配列されるとともに同腕部51から右方に向けて延びる複数のリブ76にて構成されるばね固定部70が設けられている。これらリブ76は、右方から見た平面視において、第2回動部62の回転中心を中心とした径方向に向けて延びる長方形状にて形成されている。
ねじりコイルばね35の第1係合部35bは、隣り合うリブ76の間に挿入されるようになる。またねじりコイルばね35の第2係合部35cは、上方カバー部42の溝部42cに嵌合されるとともに第1腕部41に設けられた挿通孔(不図示)内に挿入されるようになる。
給送ローラー33には、第3軸受部55に嵌合されるとともに円筒形状に形成されるローラー本体部33aが設けられている。このローラー本体部33aの外周面には、用紙に当接するとともに円筒形状のゴム部材である摺接部材33bが取り付けられている。ローラー本体部33aの左端には、従動ギア34cと噛み合うギア部33c(図4参照)が設けられている。
図4に示すように、伝達機構34は、従動ギア34a〜34cにより構成されている。従動ギア34aは、支持軸23に一体に回転するように取り付けられる。従動ギア34bは、従動ギア34a,34cの両方に噛み合っている。従動ギア34cは、ギア部33cと噛み合っている。そして図中の白抜き矢印にて示すように、支持軸23の反時計回りの回転に伴い従動ギア34aが反時計回りに回転すると、従動ギア34bは従動ギア34aの回転により時計回りに回転するとともに従動ギア34cを反時計回りに回転させる。そして給送ローラー33は、従動ギア34cの回転により時計回りに回転するようになる。
図5に示すように、ばね固定部70には、隣り合うリブ76の間にて形成された第1調節部71〜第5調節部75が設けられている。ねじりコイルばね35の第1係合部35bがこれら第1調節部71〜第5調節部75のいずれかに係合されることにより、ねじりコイルばね35は、その付勢力が調節されるようになる。ここで下方から上方に向けて順に第1調節部71〜第5調節部75として形成されている。ねじりコイルばね35は、第1調節部71に係合されたときに最も付勢力が小さくなる。一方、ねじりコイルばね35は、第5調節部75に係合されたときに最も付勢力が大きくなる。また第1調節部71から第5調節部75に向かうにつれてねじりコイルばね35の付勢力は増大するようになる。
第1係合部35bが第3調節部73に係合されている状態からねじりコイルばね35の付勢力を増大させるために第4調節部74に係合する場合、作業者は、図中の破線にて示すように、第1係合部35bを第3調節部73よりも右方に弾性変形させることにより第3調節部73から第1係合部35bを外す。そして第2回動部62を中心とした時計回りに向けてねじりコイルばね35を捩るとともに第4調節部74に係止する。同様にねじりコイルばね35の付勢力を減少させるために、第3調節部73から第2調節部72に係合する場合、作業者は、第1係合部35bを第3調節部73よりも右方に弾性変形させた後、第2回動部を中心とした反時計回りに向けてねじりコイルばね35を捩るとともに第2調節部72に係止する。
次に、搬送装置12による用紙Pの載置から搬送について図6〜図9にしたがって説明する。なお、各図の(b)は、ピックアップユニット24周辺に働く力及びピックアップユニット24がなす角度の関係をそれぞれ示す模式図である。図6〜図8では、用紙Pとして相対的に紙厚が薄く柔軟な用紙である「普通紙」を用いている。
用紙Pを載置トレイ21に載置する前では、ピックアップユニット24は、給送ローラー33が載置面21aに当接するように配置されている。ここで、ピックアップユニット24は、第1回動部61の回動中心と第2回動部62の回動中心とを結ぶ直線の長さである第1軸間距離D1が、第2回動部62の回動中心と給送ローラー33の回転軸Jとを結ぶ直線の長さである第2軸間距離D2よりも小さくなるように形成されている(図6(b)参照)。
図6に示すように、用紙Pに載置トレイ21を載置するときには、用紙Pを給送ローラー33より搬送方向の上流側に載置するとともに、用紙Pが下流側に向けて移動することにより用紙Pが給送ローラー33に当接するようになる。したがって、用紙Pの自重の載置面21aに沿った分力が給送ローラー33に加わるようになる。これにより、図中の破線にて示すように、上記分力により、第1回動部61を中心にしてピックアップユニット24を時計回りに回動させる力が働くようになるため、ピックアップユニット24は第1アーム31及び第2アーム32が第1回動部61を中心として時計回り方向に一体に回動するようになる。そして給送ローラー33が載置面21aに対して離間するようになるとともに、用紙Pが給送ローラー33と載置面21aとの隙間を通過するようになる。これにより、用紙Pが分離パッド26に当接するとともに用紙Pの最上面に給送ローラー33が当接するようになる。
図6の実線にて示すように、用紙Pが載置トレイ21に載置される状態であるとともに給送ローラー33の回転が停止している待機状態では、ピックアップユニット24は、ねじりコイルばね35により、第1アーム31が下方に向かうにつれて前方に向けて傾斜するとともに、第2アーム32が下方に向かうにつれて後方に向けて傾斜する状態が維持されている。
ところで、用紙Pの枚数が少なくなった場合では、ピックアップユニット24の自重により、ピックアップユニット24は、図6中の破線のピックアップユニット24の状態から実線のピックアップユニット24の状態に変化するようになる。即ちピックアップユニット24は、第1アーム31が第1回動部61を中心として、第1アーム31の下端が用紙Pに向けて(図中の反時計回り)回動する。これに伴い、第2アーム32は、第1アーム31に対する傾斜角を維持しつつ、即ち第1アーム31と第2アーム32とが一体に用紙Pに向けて回動するようになる。
また待機状態では、ねじりコイルばね35は自然長になっている。このため、ねじりコイルばね35によって第2アーム32を反時計回りに付勢する力が生じていない。即ち、第2アーム32には、ねじりコイルばね35による給送ローラー33を用紙Pのうちの最上位置にある第1被搬送媒体としての用紙P1に向けて付勢する力(以下、「付勢力S」)は生じていない。したがって、給送ローラー33が用紙P1に当接するのみの状態である。また給送ローラー33が回転しようとしていないため、用紙P1が給送ローラー33に与える摩擦力であるローラー摩擦力fは「0」である。
ここで、待機状態のときの第1アーム31と第2アーム32との成す角度であるアーム角Aを基準角A1とする。そして待機状態のときの第2回動部62と給送ローラー33の回転軸Jとを結ぶ直線JLと載置面21a、即ち用紙P1における給送ローラー33の当接面との成す鋭角である傾斜角Bを基準角B1とする。
図7に示すように、給送ローラー33の回転により用紙P1が搬送される直前の状態(搬送直前状態)では、用紙P1とこの用紙P1と積層方向に当接する第2被搬送媒体としての用紙P2との間に生じる用紙間摩擦力Fが最大となる(以下、「用紙間摩擦力F1」)。加えて、分離パッド26が用紙P2から用紙P1を分離するための負荷である分離負荷Hが最大となる(以下、「分離負荷H1」)。これにより、用紙P1を搬送するためには、用紙間摩擦力F1及び分離負荷H1の合力に相当する力が必要となるため、給送ローラー33の回転による用紙P1を搬送する力Tは最大となる(以下、「搬送力T1」)。またローラー摩擦力fは、搬送力T1の反力に相当するため、搬送直前状態において搬送力T1と同じ大きさとなる。
このとき、ピックアップユニット24は、ローラー摩擦力fにより第2アーム32に同アーム32を時計回りに回動させようとする力が加わる。これにより、第1アーム31の下端が第1回動部61を中心に反時計回りに回動するとともに第2アーム32の上端が給送ローラー33の回転軸Jを中心に時計回りに回動するようになる。その結果、第2回動部62が用紙Pに向けて移動するようになる。このような第2回動部62の移動により、アーム角Aが基準角A1より大きい角度A2となる(A1<A2)とともに傾斜角Bが基準角B1よりも小さい角度B2となる(B2<B1)。これらアーム角A及び傾斜角Bの変化に伴い、給送ローラー33は、待機状態と比較して、用紙Pの搬送方向の下流側に移動するようになる。これにより、待機状態において付勢力S1が加わったと仮定したときの仮想付勢力SKよりも搬送方向の下流側に向けて付勢力S1が付勢されるようになる。
一方、第2回動部62の回動に伴い、ねじりコイルばね35は付勢方向とは反対方向に曲げられるようになる。これに伴い、ねじりコイルばね35の復元力R1が第2アーム32に加わるようになる。即ち上記復元力R1に相当する付勢力S1が第2アーム32に加わるようになる。これにより、アーム角Aは基準角A1から増大するにつれてねじりコイルばね35が付勢方向とは反対側に曲げられるため、ねじりコイルばね35の復元力R1が増大するようになる。
ここで、傾斜角Bが角度B2であるため、ローラー摩擦力fに起因する給送ローラー33を用紙P1に向けて食い込ませる力(f・sinB2)は、待機状態の傾斜角Bの角度B1において同様にローラー摩擦力fが生じていたと仮定した場合の給送ローラー33が用紙P1に向けて食い込ませる力(f・sinB1)よりも小さくなる(f・sinB2<f・sinB1)。
図8に示すように、用紙P2に対して用紙P1が搬送される状態(用紙搬送状態)では、用紙P1と用紙P2との間の摩擦力F2が図6(b)の搬送直前状態のときの摩擦力F1よりも小さくなる(F2<F1)。加えて、用紙P1と用紙P2とは分離されているため、分離負荷Hは、「0」である。これにより、用紙P1の搬送状態を維持するためには、摩擦力F2に相当する力が必要となるため、用紙搬送状態のときの搬送力T2は、搬送力T1よりも小さくなる(T2<T1)。これにより、ローラー摩擦力fは、搬送力T2に相当するため、搬送直前状態よりも小さくなる。
このとき、ピックアップユニット24は、ローラー摩擦力fの減少に伴い、第1アーム31の下端が時計回りに回動するとともに第2アーム32の上端が反時計回りに回動するようになる。これにより、第2回動部62が用紙Pに向けて移動するようになる。その結果、アーム角Aは、角度A1と角度A2との間の角度A3となる(A2<A3<A1)。そして傾斜角Bは、角度B1と角度B2との間の角度B3となる(B1<B3<B2)。これらアーム角A及び傾斜角Bの変化に伴い、給送ローラー33は、搬送直前状態よりも上流側且つ待機状態よりも下流側に移動するようになる。
また、第2回動部62の回動に伴い、ねじりコイルばね35は付勢方向と同じ方向に曲げられるようになるため、このときの復元力R2は、復元力R1よりも小さくなる(R2<R1)。これにより、付勢力S2は、付勢力S1よりも小さくなる(S2<S1)。
このように、ピックアップユニット24は、待機状態から用紙搬送状態に遷移するにつれてローラー摩擦力f、搬送力T、付勢力S及び傾斜角Bがそれぞれ変更されるようになる。即ち、搬送力T(ローラー摩擦力f)が増大するにつれて、付勢力Sが増大する一方、傾斜角Bが減少するようになる。
ところで、用紙Pの厚さが異なることによってもローラー摩擦力f、付勢力S、搬送力T及び傾斜角Bがそれぞれ変更されるようになる。即ち、用紙Pの厚さが異なる場合には、分離負荷Hが変更されるため、ローラー摩擦力fが変更されるようになる。具体的には、図9に示すような分離負荷Hが「写真紙」または「ハガキ」のように厚さが厚い用紙P3では、図7に示すような普通紙のように厚さが薄い用紙P1と比較して、分離負荷Hが大きくなる。これに伴い、搬送直前状態において用紙P3を搬送する場合は用紙P1を搬送する場合よりもローラー摩擦力fが大きくなる。これにより、用紙P3を搬送する搬送力T3が搬送力T1よりも大きくなるため、用紙P1を搬送する場合の基準角B1よりも用紙P3を搬送する場合の角度B4が小さくなる(B4<B1)。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1調節部71〜第5調節部75によりねじりコイルばね35の付勢力が調整可能となるため、ねじりコイルばね35自体のばね力のばらつきや取付誤差等に起因するねじりコイルばね35の付勢力のばらつきを抑制することができるようになる。これにより、給送ローラー33の用紙P1への圧接力が過大となるが抑制されるため、用紙Pの重送を抑制することができる。
(2)第1アーム31に対して第2アーム32が回動する場合には、ねじりコイルばね35が弾性変形することにより、ねじりコイルばね35が給送ローラー33を用紙Pに向けて付勢するため、第2アーム32が第1アーム31に対して回動せずに第1アーム31と第2アーム32とが一体に第1回動部61を中心に回動する場合よりも付勢力Sが大きくなる。このような構成において、給送ローラー33と載置面21aとの間に用紙Pを挿入するときには、用紙Pが給送ローラー33を押す力により第1アーム31と第2アーム32とが第1回動部61を中心に一体に回動するようになる。これにより、付勢力Sの増大が抑制されるため、給送ローラー33が用紙Pを圧接する力の増大が抑制されるようになる。これにより、用紙Pを搬送装置12に容易に載置することができる。
(3)第2回動部62に用紙Pの載置枚数を規制する機構を設けた場合には、給送ローラー33が用紙Pを搬送する状況において、第2回動部62は第1アーム31及び第2アーム32の回動に伴い用紙Pに向けて移動する、または用紙Pから離れる側に移動するため、第2回動部62の載置面21aに対する位置は変化してしまう。その結果、用紙Pの載置枚数を規制する位置が変化してしまう。これにより、用紙Pが実際にどの程度載置できるかを明確に規定することができない。
その点、本発明では、上方カバー部42の湾曲部42aが第1回動部61の回動径方向の外側から第1回動部61を覆うため、第1回動部61が回動したときにも湾曲部42aが載置面21aに対する位置が変化しない。したがって、給送ローラー33が用紙Pを搬送する状況に対して載置面21aと湾曲部42aとの位置が変化することはない。これにより、用紙Pの最大積載量(載置枚数)を明確に規定することができる。
(4)第1アーム31が回動する範囲に亘り上方カバー部42の湾曲部42aが設けられるため、第1アーム31の回動途中にて用紙Pが載置面21aと湾曲部42aとがなす隙間Gから外れることが抑制されるようになる。
(5)第1係合部35bをリブ76に掛けるのみにて、第1係合部35bをリブ76に対して保持することができるため、作業者がねじりコイルばね35のばね力を調節するときに、第1係合部35bをリブ76から外した後にリブ76に取り付けるのみにて調整することができる。これにより、作業者がねじりコイルばね35のばね力の調節する作業を容易に行うことができる。
(6)ピックアップユニット24には、第1回動部61及び第2回動部62を有するとともに第2回動部62に第2アーム32に付勢力を与えるねじりコイルばね35が取り付けられている。これにより、搬送直前状態及び用紙搬送状態では、ローラー摩擦力fの分力が第2アーム32を時計回りに回動させる力として第2アーム32に加わるようになる。この力の作用により、第1アーム31が第1回動部61を中心に反時計回りに回動するとともに第2アーム32が給送ローラー33の回転軸Jを中心に時計回りに回動することに伴い、第2回動部62は用紙Pに向けて移動するようになる。これにより、待機状態と比較して、傾斜角Bが第2回動部62の回動に伴い小さくなる。
加えて、第2回動部62の回動によりねじりコイルばね35には復元力が生じるとともにねじりコイルばね35の復元力によりねじりコイルばね35は第2アーム32に用紙Pに向かう方向の付勢力を与えるようになる。この付勢力は、ねじりコイルばね35の復元力の増大に比例して増大する。
したがって、ねじりコイルばね35が第2アーム32に与える付勢力が増大する一方、傾斜角Bが小さくなるため、ローラー摩擦力fの増大の度合が上記付勢力の増大の度合よりも小さくなる。その結果、用紙間摩擦力Fに対してローラー摩擦力fが過大となることを抑制することができるため、用紙Pの重送を抑制することができる。
ところで、プリンターの小型化に伴い搬送装置も小型化の要求が高まっている。この要求に対しては、ピックアップユニットを小型化することが考えられる。即ち図10に示すアーム130の長さを短くすることにより小型化を図ることが考えられる。しかしながら、アーム130の長さを短くしたときには、アーム130と載置面111とのなす鋭角が図10に示す鋭角Xよりも大きくなってしまうため、給送ローラー120の用紙Qへの食い込みが助長されてしまう。したがって、上記食い込みを抑制するためには、上記鋭角を小さくする必要があるため、アーム130を長くする、即ち駆動シャフト140の位置をより上方に配置する必要がある。しかしながら、この場合では、搬送装置が大型化してしまう問題があった。
その点、本実施形態では、第1アーム31に対して第2アーム32を傾斜させることにより、支持軸23の位置を変えることなく、第2回動部62の回動により上記鋭角に相当する傾斜角Bがローラー摩擦力fの増大に伴い減少するため、上記食い込みの発生を抑制することができる。したがって、搬送装置12の小型化と上記食い込みの抑制とを両立することができる。
特に図10に示す搬送装置100では、鋭角(傾斜角B)が用紙Qの積載量に応じて変化することに起因して、用紙Qの分離負荷や用紙間摩擦力とは関係なく設定されるようになる。これにより、用紙Qの積載量が少ないときには、分離負荷や用紙間摩擦力が変化していないにもかかわらず、用紙Qが給送ローラー120に与える摩擦力(ローラー摩擦力)が増大してしまう。
その点、本実施形態では、分離負荷H及び用紙間摩擦力Fからなる搬送力Tに応じて傾斜角Bが変更されるため、ローラー摩擦力fによる給送ローラー33が用紙P1に向けて食い込ませる力(f・sinB)が過大となることを抑制することができる。
(7)用紙の種類によっては、同じ枚数であっても分離負荷Hの大きさが異なる。例えば、普通紙とハガキとでは、ハガキの紙厚が普通紙の紙厚よりも厚いため、分離負荷Hが高くなる。これに対して、図10に示す搬送装置100では、用紙枚数に応じて給送ローラー120の位置を調整することはできるが、用紙種類に応じて給送ローラー120の用紙への圧接力を変更することができない。したがって、搬送装置100では、例えばハガキの分離負荷Hを基準に設定した場合、普通紙の用紙枚数が少ないときに、普通紙が重送されてしまう場合がある。一方、普通紙の分離負荷Hを基準に設定した場合、厚紙の用紙枚数が少ないときに、給送ローラー33の搬送力Tが足りずに空回りする場合がある。
その点、本実施形態では、ピックアップユニット24が分離負荷Hの増大に応じて付勢力Sが増大するため、用紙Pがハガキ等の紙厚の厚い用紙のときには、給送ローラー33の搬送力Tが増大するようになる。一方、ピックアップユニット24が分離負荷Hの減少に応じて付勢力Sが減少するため、用紙Pが普通紙等の紙厚の薄い用紙のときには、搬送力Tが減少するようになる。これにより、用紙Pの厚さの違いによる分離負荷Hが異なる場合にも給送ローラー33の用紙Pの重送や給送ローラー33の空回りを抑制することができる。
(8)第1軸間距離D1が第2軸間距離D2よりも小さいことにより、第1軸間距離が第2軸間距離よりも大きい場合と比較して、第2回動部62の回動する距離が大きくなる。これにより、ねじりコイルばね35の復元力により給送ローラー33が用紙P1に付勢する力を調整する範囲を大きくすることができる。
(9)搬送直前状態では、用紙間摩擦力F及び分離負荷Hがそれぞれ最大となるため、搬送力Tが最大となる。これに対して、傾斜角Bが最小となるように第2回動部62が回動するため、ローラー摩擦力fの増大を抑制することができる。したがって、給送ローラー33が用紙P1に食い込むことを抑制することができる。
(10)給送ローラー33が付勢力Sの増大に伴い、用紙Pの搬送方向の下流側に移動することにより、給送ローラー33と分離パッド26との距離が短くなる。これにより、用紙Pの先端が分離パッド26に当接したときの用紙Pの腰が相対的に強くなるため、用紙Pが好適に分離されるようになる。
加えて、付勢力Sの増大に伴い、付勢力Sが下流側に向くようになるため、付勢力Sの増大の度合に対して、付勢力Sの上流側に向かう分力の増大の度合が小さくなる。これにより、付勢力Sの増大の度合に対して、ローラー摩擦力fの増大の度合が小さくなる。したがって、給送ローラー33が用紙P1に食い込むことを抑制することができる。
(11)図7または図9に示すような搬送直前状態において、第2回動部62は、用紙P1,P3に対して離間する位置に回動動作が規制されている。これにより、第2回動部62が用紙P1,P3に向けて回動しても用紙P1,P3に当接することが回避されるため、搬送装置12によって用紙P1,P3を好適に搬送することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、第1回動部61と第2回動部62との間の第1軸間距離D1は第2回動部62と給送ローラー33の回転軸Jとの間の第2軸間距離D2と同等以上としてもよい。
・上記実施形態において、分離パッド26は省略してもよい。
・上記実施形態において、用紙Pの搬送方向は、前後方向に沿った方向であってもよい。この場合、給送ローラー33は、用紙Pの上面に当接する。また待機状態において、第2アーム32は、搬送方向の上流側に向かうにつれて上方に向けて傾斜する。第1アーム31は、搬送方向の上流側に向かうにつれて下方に向けて傾斜する。そして用紙搬送直前状態となったときには、アーム角Aが増大するとともに傾斜角Bが減少する。これにより、給送ローラー33は搬送方向の下流側に向けて移動するようになる。この給送ローラー33の移動に伴いねじりコイルばね35の復元力Rが増大することにより、給送ローラー33の付勢力Sが増大するようになる。また用紙搬送状態では、用紙搬送直前状態と比較して、アーム角Aが減少するとともに傾斜角Bが増大する。これにより、給送ローラー33が搬送方向の上流側に向けて移動するようになる。これにより、ねじりコイルばね35の復元力Rが減少するため、給送ローラー33の付勢力Sが減少するようになる。
・上記実施形態において、ねじりコイルばね35は第1アーム31に取り付けられてもよい。この場合にも、ねじりコイルばね35の両端部を第1アーム31及び第2アーム32にそれぞれ取り付けることにより、第2回動部62の回動に伴い、ねじりコイルばね35の復元力Rが増減するようになる。
・上記実施形態において、ピックアップユニット24は、載置トレイ21の一部またはプリンター11の他の部位に取り付けられてもよい。この場合、上記部位と第1軸受部43とにより第1回動部が構成されるようになる。またこの場合、上記部位が第1軸受部43に相当する形状にて形成され、第1アーム31に上記部位に嵌合する軸部を設けてもよい。
・上記実施形態において、ばね固定部70は、第1アーム31に設けてもよい。この場合、第2係合部35cが直線状に形成されるとともに、ばね固定部70に係合されるようになる。
・上記実施形態において、上方カバー部42の湾曲部42aは、第1回動部61の回動範囲よりも小さい範囲に亘り設けられてもよい。また、湾曲部42aは省略してもよい。
・上記実施形態において、第1調節部71〜第5調節部75の5段階によってねじりコイルばね35の付勢力を調節したが、この調節段階は、複数段階あれば、その数に限定されることはない。
・上記実施形態において、搬送装置12が搬送する被搬送媒体として普通紙、写真紙及びハガキ以外にも例えばOHP等を搬送してもよい。
・上記実施形態において、搬送装置12は、インクジェット式プリンター11への適用に限定されず、例えばドットインパクト式プリンター、レーザー式プリンター、熱転写記録式プリンターなどに適用してもよい。また、プリンターに限定されず、被搬送媒体を搬送する他の装置にも適用してもよい。
11…プリンター、12…搬送装置、21a…載置面、23…支持軸(搬送装置本体)、26…分離パッド(分離機構)、31…第1アーム、32…第2アーム、33…給送ローラー、35…ねじりコイルばね、35b…第1係合部(アーム部)、42…上方カバー部(カバー)、42c…溝部(第1固定部)、61…第1回動部、62…第2回動部、70…ばね固定部(第2固定部)、71…第1調節部(ばね掛け部)、72…第2調節部(ばね掛け部)、73…第3調節部(ばね掛け部)、74…第4調節部(ばね掛け部)、75…第5調節部(ばね掛け部)、76…リブ、P,P1,P2,P3…用紙(被搬送媒体)。

Claims (4)

  1. 給送ローラーにより被搬送媒体を搬送する搬送装置本体と、
    前記搬送装置本体に対して第1回動部を中心に回動可能となるように前記搬送装置本体に取り付けられる第1アームと、
    前記第1アームに対して第2回動部を中心に回動可能となるように前記第1アームに取り付けられるとともに、前記第2回動部に対して前記第1回動部とは反対側に前記給送ローラーが固定される第2アームと、
    前記給送ローラーを前記被搬送媒体に向けて付勢するように前記第2回動部に作用するねじりコイルばねとを備える搬送装置であって、
    前記第1アームには、前記ねじりコイルばねの一方の端部を固定する第1固定部が設けられ、
    前記第2アームには、前記ねじりコイルばねの他方の端部を固定する第2固定部が設けられ、
    前記第1固定部及び前記第2固定部の少なくとも一方には、前記ねじりコイルばねのばね力を調整するための複数のばね掛け部が設けられ
    前記ねじりコイルばねには、巻回されたコイル部の巻き始めと巻き終わり部分の少なくとも一方には、直線状のアーム部が設けられ、
    複数の前記ばね掛け部は、複数のリブにより構成され、
    前記アーム部は隣接する前記リブ間に挿入されることで前記リブに取り付けられ、
    前記アーム部が取り付けるリブを変更することにより前記ねじりコイルばねのばね力を調節する
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 請求項1に記載の搬送装置において、
    前記第2アームが前記第1アームに対する回動に基づいて前記ねじりコイルばねが弾性変形することにより、前記ねじりコイルばねが前記給送ローラーを前記被搬送媒体に向けて付勢する
    ことを特徴とする搬送装置。
  3. 請求項1または2に記載の搬送装置において、
    当該搬送装置には、前記給送ローラーと対向するところに前記被搬送媒体を載置する載置面が設けられ、
    前記第1回動部における前記被搬送媒体と対向する部位には、前記第1回動部の回動径方向の外側から前記第1回動部を覆うカバーが設けられ、
    前記載置面と前記カバーとがなす隙間により前記被搬送媒体の載置枚数が規制される
    ことを特徴とする搬送装置。
  4. 請求項3に記載の搬送装置において、
    前記カバーは、前記被搬送媒体を搬送する前記給送ローラーの動作に伴って、前記第1アームが回動する範囲に亘り設けられる
    ことを特徴とする搬送装置
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