JP5526696B2 - 減衰強化型圧延機 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機のバックアップロールを保持するバックアップロールチョックと、圧延機のハウジングとの間に生じる振動を効果的に減衰させる減衰強化型の圧延機に関するものである。
被圧延材を圧延する際に、異常振動であるチャタリングが発生すると、被圧延材の板厚が変動してしまう。そのため、従来から圧延機のチャタリングを防止するための技術が数多く提案されてきた。
例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3には、チャタリングの直接的な発生原因となる圧延バイト部の潤滑状態を適正に保つ技術が提案されている。
また、チャタリングの直接的な発生原因に対する対策ではないが、チャタリングの拡大を抑制するための圧延機の構造も提案されている。
例えば、特許文献4には、圧延機のハウジングの固有振動に一致する周波数を有するばね定数に設定した吸振器をハウジング上に設置することで、ワークロールの上下振動を防止する技術が開示されている。
また、特許文献5には、圧延機の上下ワークロール間にダンパーを取り付けることで上下振動を防止する技術が開示されている。
これらの技術は、チャタリングが圧延機の固有振動であることを利用し、複数存在する固有振動モードのうち、ワークロールの上下逆位相の振動モードによってチャタリングを相殺しようというものである。
上述したワークロールの上下逆位相の振動モードは、圧延機に対して垂直方向の振動現象であるが、実際には、チャタリングが発生すると、ワークロールだけでなく、バックアップロールでも発生し、しかも垂直方向だけでなく水平方向の振動も連成して生じる。また、一般に、3次元構造物の振動は、構造物全体で連成して振動モードを形成する。
従って、所望の部位の振動を抑制することがその機構上難しい場合には、連成して発生している別の部位の、任意の方向の振動を制振することで、その振動モードの固有振動数や減衰比を変化させることができ、その結果、所望の部位の振動を減衰させることができる、ということが分かっている。
上記した技術は、圧延機のチャタリングの軽減にも適用することができる。
例えば、上掲した特許文献4には、この技術も示されている。
また、特許文献6には、垂直方向の振動を抑制するために、ロールチョックの水平方向の振動を低減する技術が開示されている。
また、圧延機のロールを交換する時には、同時に、ロールユニット(ワークロールまたはバックアップロールとベアリングとロールチョック(軸受箱))と呼ばれる部品を圧延機のハウジングから取り出して新品と交換する。
この交換作業を簡便にするために、ロールユニットとハウジングとの間には、隙間が設けてある。
圧延時には、ロールチョックがこの隙間内で動いてしまうので、これを抑制するために、一般的には楔状のライナーを挿入したり、あるいは隙間を埋めるような直動シリンダを装備したロールチョッククランプ装置を用いている(例えば、特許文献7〜特許文献10)。
特開昭52−081054号公報 特開昭57−156807号公報 特開昭60−018219号公報 特開平05−104117号公報 特開平09−174122号公報 特開2001−137915号公報 特開昭61−129208号公報 特開平08−174009号公報 実開昭63−080006号公報 特開2001−340907号公報
しかしながら、前記特許文献1〜3に開示された圧延ロールバイト(圧延ロールと被圧延材との間)の潤滑状態を適正に保つ技術は、圧延荷重、被圧延材の変形抵抗、ロールの変形、摩擦、圧延油の濃度、圧延油の粘度および圧延油の温度など、多岐にわたる要因が複雑に関係し、刻々と変化する圧延状況下で、常に適正な状態を保つというのは大変に難しいものであった。
また、前記特許文献4に開示の圧延機に吸振器を取り付ける技術や、前記特許文献5に開示の上下ワークロール間をダンパーで接続する技術は、被圧延材の板厚変動、すなわちワークロールの上下振動を直接減衰させることを狙った技術であるが、装置が複雑で大規模となり、実操業で頻繁に行われるロールの交換作業が阻害されるため、現実的とはいえなかった。
特許文献6に記載の技術は、チャタリング防止に対し有効な技術として開示されているものの、発明者らの検討の結果、当該文献中、「ロールチョックとハウジングとの間に水平方向に設置するダンパー装置または剛体の押し付け装置」旨の記載となっているが、ダンパー装置、剛体の押し付け装置のいずれか一方では、チャタリングの抑制機能が必ずしも十分ではないことが判明した。
さらに、特許文献6に記載の機構を検討した結果、チャタリングの抑制機能を十分に発揮させるためには、ダンパーおよび押し付け装置の両機能を同時に発揮させなければならないが、特許文献6に開示の技術では、上記したダンパーおよび押し付け装置の両機能を同時に発揮させることが難しいことも分かった。
また、特許文献7〜特許文献10に示されたロールチョッククランプ装置では、装置の構成が複雑になり、結果的に、その装置自身のメンテナンスに長時間を要し、作業能率の低下を招くという問題があった。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、チャタリングを効果的に抑制して、たとえ高速圧延を施した場合であっても、チャタリングを効果的に抑制することができる減衰強化型の圧延機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]ワークロールの圧延荷重を支えるバックアップロールと該バックアップロールを保持するバックアップロールチョックをハウジングに組み込んだ圧延機において、バックアップロールチョックのハウジング対向面の少なくとも一方を、前記ハウジングに対し、流体膜を介して接触させたことを特徴とする減衰強化型圧延機。
[2]前記流体膜を介させるべきバックアップロールチョックのハウジング対向面または/および該ハウジング対向面に対応するハウジング面に、ライナーを設けたことを特徴とする前記[1]に記載の減衰強化型圧延機。
[3]前記流体膜の形成手段として、流体膜を形成すべき個所に流体を滴下する流体滴下装置を備えていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の減衰強化型圧延機。
[4]前記流体膜の形成手段として、流体膜を形成すべき個所に向けて先端が開口した流体供給溝と、該流体供給溝に流体を供給する流体供給装置とを備えていることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の減衰強化型圧延機。
本発明の圧延機によれば、ロールの振動を減衰する機能が付与されているので、水平垂直振動が連成しているチャタリングを効果的に減衰することができる。また、実操業中、チャタリングを抑制するためのバイト部潤滑条件等を考慮する必要がなく、しかも高速での圧延操業が可能な圧延機を提供することができる。
固体2面間の微小隙間における流体の流れの模式図である。 流体膜(スクイズ膜)の厚さと減衰係数との関係の一例を表したグラフである。 本発明の一実施形態に係る圧延機の模式図である。 本発明の一実施形態に係る圧延機における流体膜の形成手段を示した図である。 本発明例におけるチャタリング振動の状態を圧延時間とチョック振動変位との関係で示したグラフである。 従来例におけるチャタリング振動の状態を圧延時間とチョック振動変位との関係で示したグラフである。
本発明の一実施形態について具体的に説明する。
図1に、固体2面間の微小隙間における流体の状態を示す。図中、Aは粘度ηの流体をはさむ固体、Fは固体Aにかかる力、Sは流体と接触している固体Aの面積、Bは流体と接触している固体Aの長さ、Vは固体Aの移動速度、hは流体の厚みである。
図中に示す境界条件で、レイノルズ方程式を解くと、次式(1)となる。
F=±(ηSB/h)V ・・・ (1)
ここで、hがほぼ一定の場合、この式はFがVに比例する。すなわち、固体Aにかかる力Fが弱くなれば動きも遅くなるという減衰の効果を示している。このとき、Vにかかる定数部分が減衰係数となる。この減衰係数を計算した一例を図2に示す。なお、図中のCSとは、粘性(動粘度)の単位であり、mm/secと同じであり、必要減衰値とあるのは、この計算例における圧延機で、最低限必要とされる減衰値である。なお、以下、流体部分(流体膜)のことをスクイズ膜という。
図2より、スクイズ膜の厚みが薄いほど、また流体の粘性が高いほど、減衰係数は大きくなることが分かる。また、粘性のある流体を振動する物体に差し挟むことにより、振動の減衰が得られることも分かる。
ここに、上述した考察は、水平方向で行ったが、流体を縦方向、すなわち垂直面としても同じ式が成立し、同じ作用が発生する。ただし、垂直面とした場合は、スクイズ膜が流れてしまわないように、ある程度粘性を大きくする必要があることは言うまでもない。
図3に、本発明の一実施形態に係る圧延機の模式図を断面で示す。図中、1は圧延機、2はハウジング、3はワークロール(3aは上ワークロール、3bは下ワークロール)、4aは上ワークロール3a用の上ワークロールチョック、4bは下ワークロール3b用の下ワークロールチョック、5は被圧延材(鋼板)、6はバックアップロール(6aは上バックアップロール、6bは下バックアップロール)、7aは上バックアップロール6a用の上バックアップロールチョック、7bは下バックアップロール6b用の下バックアップロールチョック、8aは上ワークロール3a用の上シリンダブロック(ロールバランスシリンダ、ワークロールシフトシリンダ等)、8bは下ワークロール3b用の下シリンダブロック(ロールバランスシリンダ、ワークロールシフトシリンダ等)であり、10aはハウジング2の上部内面側に設けられたライナー(上ハウジングライナー)、10bはハウジング2の下部内面側に設けられたライナー(下ハウジングライナー)、11aは上バックアップロールチョック7aのハウジング2に対向する面に設けられたライナー(上バックアップロールチョックライナー)、11bは下バックアップロールチョック7bのハウジング2に対向する面に設けられたライナー(下バックアップロールチョックライナー)である。そして、9aは上ハウジングライナー10aと上バックアップロールチョックライナー11aとの間に形成されたスクイズ膜(流体膜)(膜厚が薄いため線で表示)、9bは下ハウジングライナー10bと下バックアップロールチョックライナー11bとの間に形成されたスクイズ膜(流体膜)(膜厚が薄いため線で表示)である。また、図3中の右向き矢印は、被圧延材5の圧延方向を示している。
なお、図示はしていないが、図面の裏側に当たる面にも、上記のワークロールチョック4(4a、4b)、バックアップロールチョック7(7a、7b)、シリンダブロック8(8a、8b)、スクイズ膜9(9a、9b)、ハウジングライナー10(10a、10b)およびバックアップロールチョックライナー11(11a、11b)とそれぞれ同様の対になる組合せが存在する。
図3に示した構成のうち、スクイズ膜(流体膜)9、ハウジングライナー10、バックアップロールチョックライナー11を除いては、従来公知の圧延機の設備が使用できる。
以下、本発明の一実施形態を図3によって説明するが、本発明は、図3に示した4段ロールの圧延機に限らず、2段、6段、さらには8段以上のロールがロールチョックに組み込まれるタイプの圧延機であれば、いずれの段数の圧延機にも適用することができる。
まず、この実施形態においては、前述したように、上ワークロール3aの圧延荷重を支えるための上バックアップロール6aと、下ワークロール3bの圧延荷重を支えるための下バックアップロール6bとを備えている。そして、上バックアップロール6aをその左右両端でそれぞれ保持する一対の上バックアップロールチョック7aと、下バックアップロールをその左右両端でそれぞれ保持する一対の6b下バックアップロールチョック7bとを備えている。
また、前述したように、上ハウジングライナー10aと上バックアップロールチョックライナー11aとの間にスクイズ膜9aが形成され、下ハウジングライナー10bと下バックアップロールチョックライナー11bとの間のスクイズ膜9bが形成されている。
すなわち、上バックアップロールチョック7aのハウジング対向面が、上バックアップロールチョックライナー11aと上ハウジングライナー10aとを介在させながら、ハウジング2に対し、スクイズ膜9aを介して接触しており、下バックアップロールチョック7bのハウジング対向面が、下バックアップロールチョックライナー11bと下ハウジングライナー10bとを介在させながら、ハウジング2に対し、スクイズ膜9bを介して接触している。
なお、図3では、ハウジングライナー10とバックアップロールチョックライナー11の両方を設置しているが、いずれか一方のライナーを設置することでもよい。また、ハウジングライナー10とバックアップロールチョックライナー11のいずれも設置せずに、バックアップロールチョック7のハウジング対向面が、ハウジング2に対し、スクイズ膜9を介して接触するようにしてもよい。
ただし、ハウジングライナー10とバックアップロールチョックライナー11のいずれか一方または両方のライナーを設けることが、後述するスクイズ膜形成のための溝加工等の簡便さから好ましい。
また、図3では、バックアップロールチョック7のハウジング対向面の内、圧延方向にみて上流側(圧延機の入口側)のハウジング対向面を、ハウジング2に対し、スクイズ膜9を介して接触するようにしているが、圧延方向でみて下流側(圧延機の出口側)のハウジング対向面を、ハウジング2に対し、スクイズ膜9を介して接触するようにしてもよい。あるいは、上流側および下流側の両方のハウジング対向面を、ハウジング2に対し、スクイズ膜9を介して接触するようにしてもよい。
ただし、安定して圧延させるためにはワークロールチョック4を圧延機出口側に押し付けるとよく、相対的にバックアップロールチョック7には圧延機入口側方向に向かって力がかかるので、図3に示したように、圧延機入口側のハウジング対向面を、ハウジング2に対し、スクイズ膜9を介して接触するようにすることが好ましい。
なお、上述した構成は、図示はしていないが、図面の裏側に当たる面でも、同様の構成となっている。
そして、スクイズ膜9を形成するための潤滑剤は、スクイズ膜9を膜として保持できれば特に限定はないが、動粘度が30万mm/sec(CS)程度のシリコン油等が有利に適合する。というのは、このシリコン油を用いた場合、上述のスクイズ膜の厚みhが0.5mmであれば、必要減衰値に対して、10倍程度の大きな減衰係数を得ることができるからである。
また、スクイズ膜9の厚みhも特に制限はないが、0.1〜5mm程度の範囲が好適である。
次に、スクイズ膜の形成方法を述べる。
スクイズ膜を形成するための好適な方法として、以下の二つが挙げられる。
(1)スクイズ膜を形成すべき個所に流体(潤滑剤)を滴下する。
(2)スクイズ膜を形成すべき個所に向けて先端が開口した流体供給溝(潤滑剤供給溝)を設け、その流体供給溝(潤滑剤供給溝)に流体(潤滑剤)を供給する。
ここでは、図3に示したような、バックアップロールチョック7のハウジング対向面が、バックアップロールチョックライナー11とハウジングライナー10とを介在させながら、ハウジング2に対し、スクイズ膜9を介して接触するようにしている場合について、そのスクイズ膜9を形成するための方法を、図4を用いて説明する。ちなみに、図4は、図3においてバックアップロールチョック7とハウジングライナー10がスクイズ膜9を介して接触している状態を拡大して示した図である。
まず、図4において、上記(1)の方法は、スクイズ膜9を形成すべき個所(ここでは、バックアップロールチョックライナー11とハウジングライナー10との隙間)へ、その上部の滴下位置21から潤滑剤を滴下するものである。
このような上記(1)の方法の場合は、特に複雑な装置は必要とせず、適正量の潤滑剤を隙間に供給できればよい。例えば、バックアップロールチョックライナー11とハウジングライナー10との隙間の上方に、径が7mm程度の銅の給油管等を載置して、滴下位置21から、市販の自動給油装置等で滴下すればよい。
一方、図4において、上記(2)の方法は、スクイズ膜9を形成すべき個所(ここでは、バックアップロールチョックライナー11とハウジングライナー10との隙間)に先端が開口した潤滑剤供給溝22をハウジングライナー10に設け、その潤滑剤供給溝22に潤滑剤供給装置23から潤滑剤を供給するものである。
なお、図4では、潤滑剤供給溝22をハウジングライナー10に設けているが、バックアップロールチョックライナー11に潤滑剤供給溝22を設けて、バックアップロールチョックライナー11とハウジングライナー10との隙間に潤滑剤を供給するようにしてもよい。
また、バックアップロールチョックライナー11をハウジングライナー10に密着させて、ハウジングライナー10とハウジング2との間にスクイズ膜9を形成してもよく、そのハウジングライナー10とハウジング2との隙間に先端が開口した潤滑剤供給溝22を、ハウジングライナー10やハウジング2に設けるようにしてもよい。
また、バックアップロールチョックライナー11をハウジングライナー10に密着させて、バックアップロールチョックライナー11とバックアップロールチョック7との間にスクイズ膜9を形成してもよく、そのバックアップロールチョックライナー11とバックアップロールチョック7との隙間に先端が開口した潤滑剤供給溝22を、バックアップロールチョックライナー11やバックアップロールチョック7に設けるようにしてもよい。
なお、ハウジング2とバックアップロールチョック7との間隙が狭い場合には、ハウジングライナー10あるいはバックアップロールチョックライナー11のいずれか一方のみを設置して、適切な個所にスクイズ膜9を形成できるように、潤滑剤供給溝22を設ければよい。
また、場合によっては、ハウジングライナー10もバックアップロールチョックライナー11も設置せずに、ハウジング2とバックアップロールチョック7とスクイズ膜9を介して直接接触するようにしてもよく、その場合には、ハウジング2やバックアップロールチョック7に潤滑剤供給溝22を設ければよい。
ここで、ハウジングライナー10とバックアップロールチョックライナー11については、同じ仕様であることが望ましいが、異なった仕様のものでもよい。
ちなみに、ライナー10、11の材質としては、高い応力に耐える必要があるが、一般の潤滑剤の供給配管用に使用することができる材料であれば良い。また、ライナー10、11に施す潤滑剤供給溝22の加工は、ライナー10、11の材質に応じた通常の加工方法でよく、潤滑剤供給溝22の断面形状や、その幅、深さ等の大きさも特に制限はない。
また、ライナー10、11の大きさは、図4に示したように、バックアップロールチョック7のハウジング対向面と同程度の大きさが好適であり、その厚みは、30mm程度がよい。
なお、潤滑剤供給溝22に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置23のポンプPは特に制限はなく、従来公知の送液ポンプがいずれも好適に使用できる。
そして、圧延機の使用状況等に応じて、上記の(1)、(2)のスクイズ膜の形成方法とスクイズ膜の形成個所を適宜選択・組み合わせて、バックアップロールチョック7のハウジング対向面が、ハウジング2に対し、スクイズ膜9を介して、直接接触あるいはライナーを介在した間接接触をするようにすればよい。
このようにして、この実施形態においては、ロールの振動を減衰する機能が付与されているので、水平垂直振動が連成しているチャタリングを効果的に減衰することができる。また、実操業中、チャタリングを抑制するためのバイト部潤滑条件等を考慮する必要がなく、しかも高速での圧延操業が可能な圧延機を提供することができる。
本発明例として、図3および図4に示した、本発明の一実施形態に係る圧延機1を用いて鋼板の圧延を行った。すなわち、ハウジングライナー10に設けた潤滑剤供給溝22に潤滑剤を供給して、ハウジングライナー10とワークロールチョックライナー11との隙間にスクイズ膜9を形成させた状態で圧延を行った。
圧延機の仕様および圧延条件は下記の如くである。
ワークロール:径580mm
バックアップロール:径1380mm
バックアップチョックライナー:265mm×480mm×25mm
ハウジングライナー:300mm×480mm×30mm
バックアップチョックライナーとハウジングライナーとの隙間(スクイズ膜):500μm(膜厚)
被圧延材(鋼板):幅800mm、厚み0.15mm〜0.17mm
潤滑剤:シリコン油
また、比較のため、従来例として、スクイズ膜を形成させない従来の圧延機を用いて、鋼板の圧延を行った。
その結果、本発明例においては、図5に示すように、圧延機のラインスピードを1500mpmまで上昇させても、チャタリングの発生は抑制され、被圧延材の厚みにも変動はほとんど見られなかった。
これにより、本発明による圧延機は安定して高速圧延が可能であることが分かる。
これに対して、従来例においては、図6に示すように、ラインスピードが600mpmに上昇させたとき、チャタリング振動が激しく発生した。このときの被圧延材の厚みを測定したところ、3μm程度の板厚のばらつきが発生していた。
以上のことから、本発明の有効性が確認された。
本発明によれば、圧延速度の制限を大幅に上げることができ、圧延機のモーターの能力を最大限に生かした圧延および通板が可能となる。そのため、飛躍的に鋼板の生産性を向上させることができ、もって、鋼板製造における省力化、低コスト化に貢献できる。
1 圧延機
2 ハウジング
3 ワークロール
3a 上ワークロール
3b 下ワークロール
4 ワークロールチョック
4a 上ワークロールチョック
4b 下ワークロールチョック
5 被圧延材(鋼板)
6 バックアップロール
6a 上バックアップロール
6b 下バックアップロール
7 バックアップロールチョック
7a 上バックアップロールチョック
7b 下バックアップロールチョック
8 シリンダブロック
8a 上シリンダブロック
8b 下シリンダブロック
9 スクイズ膜(流体膜)
9a スクイズ膜(流体膜)
9b スクイズ膜(流体膜)
10 ハウジングライナー
10a 上ハウジングライナー
10b 下ハウジングライナー
11 バックアップロールチョックライナー
11a 上バックアップロールチョックライナー
11b 下バックアップロールチョックライナー
21 潤滑剤の滴下位置
22 潤滑剤供給溝
23 潤滑剤供給装置

Claims (4)

  1. ワークロールの圧延荷重を支えるバックアップロールと該バックアップロールを保持するバックアップロールチョックをハウジングに組み込んだ圧延機において、バックアップロールチョックのハウジング対向面の少なくとも一方を、前記ハウジングに対し、厚み0.1〜5mmの流体膜を介して接触させたことを特徴とする減衰強化型圧延機。
  2. 前記流体膜を介させるべきバックアップロールチョックのハウジング対向面または/および該ハウジング対向面に対応するハウジング面に、ライナーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の減衰強化型圧延機。
  3. 前記流体膜の形成手段として、流体膜を形成すべき個所に流体を滴下する流体滴下装置を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の減衰強化型圧延機。
  4. 前記流体膜の形成手段として、流体膜を形成すべき個所に向けて先端が開口した流体供給溝と、該流体供給溝に流体を供給する流体供給装置とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の減衰強化型圧延機。
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