JP5525901B2 - 液状体注入機用ノズル及び該ノズルを使用する2液混合型注入機 - Google Patents

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本発明は、1種類の液状体又は複数種類の混合液状体を注入する液状体注入機用のノズル及び該ノズルを使用する2液混合型注入機に関する。
従来、かかる液状体注入機用ノズルにあっては、ノズルケースの内部に開閉弁を収容し、注入機からノズルケース内に供給された液状体の圧力により開閉弁が押し下げられ軸方向に移動して開弁する様に成っている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、図5(a)、(b)に示す様に、ノズルケースaの内部に開閉弁bを収容し、ノズルケースaに上下貫通部位cを設け、該上下貫通部位cの下方部分を段差部dを介して縮径し、上下貫通部位cの下方開口部形成面を、後述する弁体部hの座面eとし、開閉弁bは、円管状の頭部fと、該頭部fの下方に位置するシャフト部gと、該シャフト部gの下端に設けられた弁体部hとを有し、該弁体部hの径をシャフト部g及び上下貫通部位cの下方開口部より大きくし、この弁体部hの上方には、座面eに直接当接する環状のシールパッキンiを設け、該シールパッキンiが座面eに当接し圧縮することでシールされる。
ノズルケースaの上下貫通部位cに開閉弁bを、弁体部hの上面のシールパッキンiが座面eと対向する様に収容すると共に、開閉弁bの頭部fの環状の下面と、ノズルケースaの段差部dとの間に圧縮スプリングjを設け、該圧縮スプリングjの上方付勢力により、座面eに対し弁体部hの上面のシールパッキンiを密着状態にしている。
このノズルによれば、ノズルケースaへ達した液状体の圧力により開閉弁bが押し下げられ圧縮スプリングjが圧縮されて開弁し液状体を吐出し、液状体の供給が終了すると、圧縮スプリングjの復元力により、開閉弁bが持ち上げられて閉弁し、上下貫通部位cの下方開口部、即ちノズル口を弁体部hで開閉するため、このノズル口から吐出した液状体だけを注入することが可能になり、上下貫通部位c内に残った液状体は吐出せず、真空注入機に装着使用時に真空力が作用しても液状体は引き出されず、よって液状体の注入量のばらつきが極めて小さいか全く無くなる。
特開2008−260252号公報
しかし、上記従来技術にあっては、上下貫通部位cにおける開閉弁bとの隙間を液状体が通過して吐出するが、開閉弁bを正確に上下動させるためのガイド手段が何ら講じられておらず、よって通過する液状体の状態によって生じる圧力の部分的偏差に伴い開閉弁bが微傾斜して正確に挙動せず、液状体を正確に吐出出来なくなる可能性を排除出来ないなど、解決せねばならない課題があった。
本発明は、上記従来技術に基づく、開閉弁にガイド手段が講じられていない課題に鑑み、先端側が細長形状のノズルケースを縦貫する貫通部位内に開閉弁を収容し、貫通部位内に開閉弁の上方付勢手段を設け、上記貫通部位の上方部位を下方拡開するテーパー穴部として円錐座面を形成し、中間部位をスライド穴部とし、下方部位をスライド穴部より小径なノズル穴部とし、上記開閉弁の上方部位を上記円錐座面に対する弁体部とし、中間部位を上記スライド穴部と同径又は若干小径なスライド部とし、下方部位をノズル穴部より小径な栓棒部とし、上記スライド部の外周面に複数本の通過溝を刻設し、上記栓棒部の下部部位をノズル穴部の内径と同径又は若干小径となる様に拡径して栓体部を形成することによって、液状体を流通可能にしつつ開閉弁におけるスライド部を貫通部位のスライド穴部にガイドさせて開閉弁を正確に挙動させる様にして、上記課題を解決する。
要するに本発明は、先端側が細長形状のノズルケースを縦貫する貫通部位内に開閉弁を収容し、貫通部位内に開閉弁の上方付勢手段を設け、上記貫通部位の上方部位を下方拡開するテーパー穴部として円錐座面を形成し、中間部位をスライド穴部とし、下方部位をスライド穴部より小径なノズル穴部とし、上記開閉弁の上方部位を上記円錐座面に対する弁体部とし、中間部位を上記スライド穴部と同径又は若干小径なスライド部とし、下方部位をノズル穴部より小径な栓棒部とし、上記スライド部の外周面に複数本の通過溝を刻設し、上記栓棒部の下部部位をノズル穴部の内径と同径又は若干小径となる様に拡径して栓体部を形成したので、液状体を流通可能にしつつ開閉弁におけるスライド部が貫通部位のスライド穴部にガイドされて、開閉弁が正確に挙動して、開閉弁における弁体部の上面に作用する圧力により開閉弁が押し下げられて貫通部位上方側のテーパー穴部が開口して開弁し、同時に貫通部位の下方開口部が開口して液状体が吐出するため、注入不良等の不具合を完全に防止することが出来、而も弁体部を開閉弁の上方部位に、円錐座面を貫通部位の上方部位に夫々形成しても、貫通部位の下方開口部を開閉する栓体部が開閉弁の下方部位に形成されていることから、閉弁時に開閉弁が押し上げられて弁体部が円錐座面に着座し閉口すると同時に、貫通部位の下方開口部が栓体部で閉口されるため、貫通部位内の残存液状体が下方開口部から吐出せず、吐出量の正確性を確保することが出来る。
ヘッド部の両側部に一対の薬液供給手段を対向状態で配設し、上記ヘッド部の下部にロータリーミキサーを、上部に該ロータリーミキサーの駆動部を配設し、上記ヘッド部に上下方向に縦貫する貫通部位を形成し、該貫通部位における下方部位にロータリーミキサー側のミキシングローターの基端部位を、上方部位に駆動部側の駆動軸を夫々挿通し、上記貫通部位における中間部位に、ロータリーミキサー側のミキシングローターに駆動部側の駆動軸のトルクを伝達する手段を収容し、上記ヘッド部における上記中間部位より下方部分の両側部に、上記薬液供給手段の受入口を開口形成すると共に、該受入口に流路を連続形成し、該流路の出口をヘッド部の下面に、該出口からロータリーミキサー内に2種類の薬液を供給可能に開口形成し、上記ロータリーミキサーの先端部に請求項1に記載のノズルを装着したので、真空状態下か否かに拘らず、一定量の混合液状体を確実に吐出可能な2液混合型注入機を提供することが出来る等その実用的効果甚だ大である。
本発明に係る液状体注入機用ノズルの断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のに係るノズルを装着した液状体注入機の一部断面正面図である。 液状体注入時の液状体注入機の要部拡大断面図である。 従来の液状体注入機用ノズルの断面図である。 図5(a)のノズルを装着した液状体注入機の液状体注入時の要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る液状体注入機用ノズルの一実施例を図面に基づき説明する。
本発明に係る液状体注入機用ノズルにあっては、図1に示す様に先端側が細長形状のプラスチック製のノズルケース1を縦貫する貫通部位2内に、該貫通部位2の上下方開口部を開閉するプラスチック製の開閉弁3を収容し、貫通部位2内に開閉弁3を上方に付勢する手段を設けている。
上記貫通部位2にあっては、上方部位を下方拡開するテーパー穴部2aとして円錐座面4を形成し、中間部位をテーパー穴部2aの下方開口径より大径なスライド穴部2bとし、下方部位をスライド穴部2bより小径なノズル穴部2cとしている。
上記開閉弁3にあっては、上方部位を上記円錐座面4に対する円錐台状の弁体部3aとし、中間部位を上記スライド穴部2bと同径又は若干小径なスライド部3bとし、下方部位をノズル穴部2cより小径な栓棒部3cとしている。
上記弁体部3aにあっては、中間部位に円錐座面4に密着するシール部材5を周設し、該シール部材5は弁体部3aに形成した溝6内に嵌め込んだOリングとしている。
上記スライド部3bにあっては、外周面に複数本の通過溝7、7a…を刻設している。
上記栓棒部3cにあっては、下部部位をノズル穴部2cの内径と同径又は若干小径となる様に拡径して栓体部8を形成している。
開閉弁3の上方付勢手段を、金属製の圧縮スプリング9とし、該圧縮スプリング9の下端部位スライド穴部2bの下面に凹設したバネ座繰り10内に着座させると共に、上端部をスライド部3bの下面に形成されたバネ受凸部11に外嵌させてスライド部3bの下面に当接させている。
尚、上記ノズルケース1にあっては、取付キャップ1aとノズルキャップ1bとに分割可能にし、取付キャップ1aの下面に形成した凹部とノズルキャップ1bの上面でスライド穴部2bを形成し、取付キャップ1aの上面に形成したロータリーミキサーBの取付凹部12の底面でテーパー穴部2aが開口し、ノズルキャップ1bの上面に形成した取付キャップ1aの取付凹部13の底面にバネ座繰り10を形成している。
上記ノズルを装着する2液混合型注入機にあっては、図3に示す様に、ヘッド部15の両側部に2種類の薬液を供給する手段16、16a を対向状態で配設しており、上記ヘッド部15の下部にロータリーミキサー17を、上部に該ロータリーミキサー17の駆動部18を配設し、上記ヘッド部15内に、ロータリーミキサー17側のミキシングローター19に駆動部18側の駆動軸20のトルクを伝達する手段を備えている。
上記ヘッド部15にあっては、図3に示す様に、中央に上下方向に縦貫する貫通部位21を有し、該貫通部位21は拡径された中間部位21a に上記トルク伝達手段を収容し、下方部位21b に上記ミキシングローター19の上端部位を、上方部位21c を駆動軸20を夫々挿通させている。
又、ヘッド部15における上記中間部位21a より下方部分の両側部に、上記薬液供給手段16、16a の受入口22、22a を開口形成し、該受入口22、22a に流路23、23a を連続形成し、該流路23、23a の出口24、24a をヘッド部15の下面に、ロータリーミキサー17内に2種類の薬液を供給可能に形成している。
具体的には、一方の流路23は、上記貫通部位21における下方部位21b に、該下方部位21b に形成した溝部25を介して連通する様に形成し、出口24を上記下方部位21b の下方開口部とし、他方の流路23a は、上記下方部位21b に連通させずに、逆L字状に屈曲形成している。
上記ロータリーミキサー17にあっては、下端部に上記ノズルが装着され、基端側をヘッド部15の下部に固定するミキサーパイプ26と、該ミキサーパイプ26に回転自在に内装する上記ミキシングローター19とを有し、該ミキシングローター19の基端側をミキサーパイプ26の基端より上方突出させて、ヘッド部15の貫通部位21における下方部位21a を貫通させている。
上記駆動部18にあっては、電動式の駆動モーター27と、該駆動モーター27の出力軸28の先端に動力伝達可能に接続された上記駆動軸20とを有し、該駆動軸20がベアリング等を介してヘッド部15の貫通部位21における上方部位21b 内に回転可能に支持されている。
次に、本発明に係る液状体注入機用ノズル及び該ノズルを使用する2液混合型注入機の作用について説明する。
先ず、両方の薬液供給手段16、16a からヘッド部15の受入口22、22a に2種類の薬液が夫々の設定圧力で、流路23、23a を通過して出口24、24a よりミキサーパイプ26内に供給されて合流し、駆動モーター27の作動により、駆動軸20、トルク伝達手段を介してミキシングローター19がミキサーパイプ26内で回転して、合流した薬液はミキサーパイプ26内のミキシングローター19により下端側へ移動し徐々に混合されて化学反応により硬化開始する。
ミキサーパイプ26からノズルケース1内に供給された液状体の圧力が、開閉弁3における弁体部3aの上面に作用して開閉弁3を押し下げようとし、その圧力が圧縮スプリング9の上方付勢力を超えた時点で圧縮スプリング9が圧縮変形し開閉弁3が押し下げられて開弁し、液状体がテーパー穴部2aと弁体部3aの隙間、通過溝7、7a…、スライド穴部2bのスライド部3bより下方部位、ノズル穴部2cにおける栓棒部3cとの隙間を通って、栓体部8が下方移動して開口した下方開口部より吐出し、液状体の供給が終了すると、圧縮スプリング9の復元力により、開閉弁3が持ち上げられて閉弁し、貫通部位2の下方開口部を栓体部8で閉口するため、この下方開口部から吐出した液状体だけを注入することが可能になり、貫通部位2内に残った液状体は吐出されず、真空雰囲気下であっても引き出されない。
1 ノズルケース
2 貫通部位
2a テーパー穴部
2b スライド穴部
2c ノズル穴部
3 開閉弁
3a 弁体部
3b スライド部
3c 栓棒部
4 円錐座面
7、7a… 通過溝
8 栓体部
15 ヘッド部
16、16a 薬液供給手段
17 ロータリーミキサー
18 駆動部
19 ミキシングローター
20 駆動軸
21 貫通部位
21a 中間部位
21b 下方部位
21c 上方部位
22、22a 受入口
23、23a 流路
24、24a 出口

Claims (2)

  1. 注入機におけるロータリーミキサーの先端に着脱時代に装着されるノズルであって、先端側が細長形状のノズルケースを縦貫する貫通部位内に開閉弁を収容し、貫通部位内に開閉弁の上方付勢手段を設け、上記貫通部位の上方部位を下方拡開するテーパー穴部として円錐座面を形成し、中間部位をスライド穴部とし、下方部位をスライド穴部より小径なノズル穴部とし、上記開閉弁の上方部位を上記円錐座面に対する弁体部とし、中間部位を上記スライド穴部と同径又は若干小径なスライド部とし、下方部位をノズル穴部より小径な栓棒部とし、上記スライド部の外周面に複数本の通過溝を刻設し、上記栓棒部の下部部位をノズル穴部の内径と同径又は若干小径となる様に拡径して栓体部を形成したことを特徴とする液状体注入機用ノズル。
  2. ヘッド部の両側部に一対の薬液供給手段を対向状態で配設し、上記ヘッド部の下部にロータリーミキサーを、上部に該ロータリーミキサーの駆動部を配設し、上記ヘッド部に上下方向に縦貫する貫通部位を形成し、該貫通部位における下方部位にロータリーミキサー側のミキシングローターの基端部位を、上方部位に駆動部側の駆動軸を夫々挿通し、上記貫通部位における中間部位に、ロータリーミキサー側のミキシングローターに駆動部側の駆動軸のトルクを伝達する手段を収容し、上記ヘッド部における上記中間部位より下方部分の両側部に、上記薬液供給手段の受入口を開口形成すると共に、該受入口に流路を連続形成し、該流路の出口をヘッド部の下面に、該出口からロータリーミキサー内に2種類の薬液を供給可能に開口形成し、上記ロータリーミキサーの先端部に請求項1に記載のノズルを装着したことを特徴とする2液混合型注入機。
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