JP5524960B2 - 可変圧縮比エンジンのためのボールスクリュリフト装置 - Google Patents

Description

本発明は、少なくとも一つのスクリュを回転させて、可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御することを可能にする制御アクチュエータの少なくとも一つのボールまたはバルブ要素をシートから持ち上げるかシートに載せることを可能にするように設計された少なくとも一つの回転電動モータを具備する、可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置に関する。

スプリングによりシートに保持された時に、油圧流体を一方向のみに通過させるように逆止バルブ要素として作用するボールが、制御アクチュエータの上下の室を接続する移動通路の一方または他方の端部を閉鎖するように設計される。

出願人の所有するＷＯ９８／５１９１１、ＷＯ００／３１３７７、ＷＯ０３／００８７８３によると、可変排気量エンジンのための様々な機械的装置が知られている。

出願人の名によるＷＯ９８／５１９１１において、有効排気量および／または体積比を維持したまま適応により可変の負荷および速度で使用される内燃ピストンエンジンの効率を向上させるのに使用される装置が記載されていることに注意してほしい。このタイプのエンジンは「可変圧縮比エンジン」として当該技術分野の当業者に知られており、以下の文章ではこの名称が使用される。

出願人の名によるＷＯ００／３１３７７によると、可変圧縮比エンジンのための機械的伝動装置は、一方では転動案内装置と、他方では接続ロッドに固定されたギヤホイールと相互作用を行ってピストンと接続ロッドとの間で動作を伝達することを可能にする伝動部材と下部で固定された燃焼ピストンを具備することが知られている。

出願人の名によるＷＯ０３／００８７８３において、可変圧縮比エンジンのための機械的伝動装置は、一方では小型ラックにより転動案内装置と、他方では別の大型ラックにより接続ロッドに固定されたギヤホイールと相互作用を行う「ピストンラック」とも呼ばれる伝動部材と下部で固定された燃焼ピストンが中で移動する少なくとも一つのシリンダを具備することに注意してほしい。可変圧縮比エンジンのための機械的伝動装置は、ギヤホイールと相互作用を行う少なくとも一つの制御ラックと、把持圧縮応力を付与する、燃焼ピストンを伝動部材に装着するための手段と、ラックの歯を強化することを可能にする接続手段と、ギヤホイールの構造を補強および軽量化するための手段もまた具備する。

大型ラックの歯とギヤホイールの歯との間の最小動作間隙が、大型ラックとギヤホイールとに形成されるベアリング面の箇所により確定されることに注意してほしい。

ＦＲ２８９６５４４において、一方では燃焼室でエンジンの少なくとも一つのシリンダの端部を、他方ではアクチュエータの上室でエンジンの制御アクチュエータの少なくとも一つのシリンダの端部を閉じるため、クランクケースと相互作用を行う共通シリンダヘッドを可変圧縮比エンジンが具備し、可変圧縮比エンジンの可動連結部の部品すべてをクランクケースが収容することに注意してほしい。

ＦＲ２８９６５３９において、可変圧縮比エンジンは、エンジンの音響放出を制御してクランクケースの製造公差を増大させるため転動面を相互に常時接触したままにする少なくとも一つのリフタアクチュエータを有し、可変圧縮比エンジンは、それが有するシリンダと同数のリフタアクチュエータおよび制御アクチュエータを有することに注意してほしい。

ＷＯ９８／５１９１１とＦＲ２８９６５３９において、起こり得る制御アクチュエータからの漏出を補正するためと、オイルの圧縮性の影響を軽減することにより制御アクチュエータの垂直位置設定点の維持精度を上昇させるように設計されるとともに、アクチュエータの室の内部の空洞現象を防止するように設計された予供給圧力を提供するために設けられた圧縮油圧流体の入口を具備する制御アクチュエータにより、可変圧縮比エンジンの制御ラックの垂直位置が制御されることにも注意してほしい。

ＷＯ９８／５１９１１では、制御アクチュエータは、下室と、上部アクチュエータロッドとも呼ばれるアクチュエータスピンドル延出部により下室の排気量と同一の排気量が維持される上室とを具備することに注意してほしい。またＷＯ９８／５１９１１によれば、制御アクチュエータはまた、アクチュエータピストンと、スプリングにより定位置に保持されたバルブと、制御ロッドとを具備し、一方ではシリンダヘッドと上部アクチュエータロッドとの間、他方ではシリンダヘッドと制御ロッドとの間の密封手段を具備するシリンダヘッドにより、アクチュエータの上端部が閉じられる。

出願人の名によるＦＲ２８９６５３９およびＦＲ０７／０５２３７のクレームに記載されているように、可変圧縮比エンジンは、一方ではリフタアクチュエータを作動させるのに必要な油圧をリフタアクチュエータに供給するとともに、他方では起こり得る油圧漏出を補正してその精度を高めるのに必要な油圧を制御アクチュエータに提供するように設けられた油圧パワーユニットを具備する。可変圧縮比エンジンのカムシャフトのいずれか一つにより駆動される高圧ポンプを介して、エンジンの潤滑回路によりユニットにオイルが供給され、ユニットは次にエンジンの制御アクチュエータおよびリフタアクチュエータに供給を行うことに注意してほしい。

出願人の名によるＦＲ２８９６５３９またはＷＯ２００７／０８５７３９において、制御アクチュエータに提供される油圧が、可変圧縮比エンジンの体積比を増加させるように設計された作業中に制御アクチュエータの移動速度を上昇させるのにも使用されてよいことに注意してほしい。この後者の変形例によれば、アクチュエータのシリンダヘッドに形成された室により、制御アクチュエータの上部ロッドの上面に油圧が印加される。

出願人の名による特許出願および特許では、可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御するためのシステムの製造を単純化するように、少なくとも一つのセンサと相互作用を行うソレノイドバルブによって制御ロッドが置き換えられると好都合であることに注意してほしい。

しかし、信頼性があり、経済的で、可変圧縮比エンジンの潤滑油に含有される不純物および粒子との適合性を持つソレノイドバルブの製造に見られる困難さのため、出願人の名によるＦＲ０８／０３５８９では、各々がシートに当接するとともに、可変圧縮比エンジンの制御アクチュエータの上室と上室とを接続する移動通路の一端部および他端部を個別に閉鎖する少なくとも二つのボールまたはバルブ要素を具備して、油圧流体を一方向のみに通過させるようにスプリングによりシートに保持された時に逆止バルブ要素としてボールが作用するボールリフト圧縮比調節装置により、ソレノイドバルブを置き換えることが提案されている。

この後者の特許出願では、油圧流体を両方向に通過させるためリフト手段によりボールがシートから持ち上げられ、リフト手段は円筒形リフタによりボールを持ち上げることが分かる。この特許出願によれば、様々な変形例により製造されることができる電気機械式アクチュエータでリフト手段が構成されてよく、変形例のうち二つでは、シートからのボールのリフト高さが二種類設けられるのに対して、別の変形例では増分的リフトが行われる。この特許出願では、圧電部品を用いた二つの変形例と、円筒形リフタを長手方向に平行移動させることを可能にするピストンを具備する、段が形成された変形例とがクレームに記載され、ピストンは、ボールをシートから持ち上げるため、ソレノイドバルブにより可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニットに生じる圧力を利用できる。

可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、直前に引用した出願人の名によるＦＲ０８／０３５８９に記載されたボールリフト圧縮比調節装置に関連する以下のような一連の問題を解決するために設計されるものである。
‐二種類のボールのリフト高さを持つ変形例では、同出願で提案される電磁吸引カップに、例えば開口デューティサイクル中に可変電圧が供給されない限り、ボールのリフト高さを二種類のリフト高さ以外に変化させることが可能でなく、この場合にも、ボールの実際のリフト高さに関して不確実性を伴う。
‐増分的リフトを提案する変形例では、円筒形リフタと、これが相互作用する金属逆止ストリップとの間に存在する摩擦を利用するが、これは、リフタおよびストリップの磨耗のため耐久性および信頼性の保証が困難であるという欠点を持つ。
‐圧電層の積層体に基づく変形例は、かなりの空間の必要性が満たされずにリフト移動が短いという欠点を持つが、「Ｈ」字形の圧電モータに基づいて提示された変形例は、増分的リフトの変形例の場合のように、「Ｈ」字形の圧電モータが間を移動する壁の摩耗のため反復的かつ正確な動作を保証しないという困難を持っている。
‐ボールをシートから持ち上げるのに、ソレノイドバルブによって可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニットに生じる圧力を利用できるピストンに基づく変形例は、ボールのリフト高さが制御不能であるという欠点を持つ。

引例として挙げられたＦＲ０８／０３５８９に記載された可変圧縮比エンジンのためのボールリフト圧縮比調節装置に関連する様々な問題を解決するために、可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置が、
‐ボールのリフト高さを高い精度で絶えず制御すること、
‐ボールのリフト高さの精度または反復性に影響を与えるタイプの摩擦現象を防止すること、
を提案する。

本発明による、上室および下室と制御ラックに接続された少なくとも一つのアクチュエータピストンとを具備する油圧式複動制御アクチュエータを具備する可変圧縮比エンジンのスクリュ利用ボールリフト装置は、
‐各々がシートに当接するとともに、制御アクチュエータの上室と下室とを接続する移動通路の一端部および他端部を個別に閉鎖する少なくとも二つのボールまたはバルブ要素であって、油圧流体を一方向のみに通過させるため、スプリングによりシートに保持された時にボールが逆止バルブ要素として作用する、少なくとも二つのボールまたはバルブ要素と、
‐少なくとも一つのスクリュを回転させて、少なくとも一つのボールをシートから持ち上げるかシートに載せることを可能にするように設計された少なくとも一つの電動モータを具備するリフト手段と、
を具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、
‐ロックスクリュにより制御ラックに装着されたアクチュエータピストンを有する制御アクチュエータと、
‐油圧流体の加圧容器を含む可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニットへ戻すため流体を移動通路から流出させるが、流体が移動通路へ戻ることは防止する少なくとも一つの補正用逆止バルブ要素と、
を具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、移動通路に収容された円筒形リフタで構成されるリフト手段と、円筒形リフタの端部が少なくとも一つのボールをシートから持ち上げるかシートに載せるように、少なくとも一つのスクリュを回転させて円筒形リフタを長手方向に平行移動させることを可能にするように設計された少なくとも一つの電動モータとを具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、機械的伝動手段によりスクリュを回転させる回転電動モータを具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、二つのスクリュを同時に回転させて各々がボールまたはバルブ要素をそのシートから持ち上げるかシートに載せるようにさせる回転電動モータを具備し、第２スクリュが第２ボールから離れる時に第１スクリュは第１ボールの方向に進むか、その逆が行われ、ボールがシートから同時に持ち上げられることはない。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、モータをスクリュに接続する少なくとも一つのギヤホイールにより両方のスクリュを同時に回転させる回転電動モータを具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、少なくとも一つのタイミングベルトにより両方のスクリュを同時に回転させる回転電動モータを具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、少なくとも一つのチェーンにより両方のスクリュを同時に回転させる回転電動モータを具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、同じ方向に回転する二つのスクリュを具備し、第１スクリュは第２スクリュのものとは逆のピッチを有する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、相互に反対方向に同時に回転する二つのスクリュを具備し、第１スクリュが締められると第２スクリュが緩められるか、その逆が行われる。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、角度位置センサを備える回転電動モータを具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、ピストンの最大行程を決定する二つの弾性行程端支承部を具備する油圧式複動制御アクチュエータのアクチュエータピストンを具備し、第１弾性支承部は、可変圧縮比エンジンのクランクケースと接触した時にエンジンの最大圧縮比を制限することを可能にし、第２弾性支承部は、可変圧縮比エンジンの制御アクチュエータのシリンダヘッドと接触した時にエンジンの最小圧縮比を制限することを可能にする。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、二つの弾性行程端支承部の一方または他方が、第１支承部としてエンジンのクランクケースと、または第２支承部としてエンジンの制御アクチュエータのシリンダヘッドと接触した時に、可変圧縮比エンジンの圧縮比を調節できるように、ラックに対するピストンの位置を調節することを可能にする調節ワッシャを、ピストンの下面と制御ラックの下部アクチュエータロッドとの間に具備する、制御ラックに装着された油圧式複動制御アクチュエータのアクチュエータピストンを具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、油圧式複動制御アクチュエータの下室と上室とを接続するピストン減圧管を具備するアクチュエータピストンを具備し、管は、下室にポケットを形成することのある空気を上室へ通過させる。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、油圧式複動制御アクチュエータの下室と上室との間における油圧流体の流量を制限する圧力損失を発生させるように計算されたアクチュエータピストンとロックスクリュとの間に残された空間で構成されるピストン減圧管を具備する。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、アクチュエータピストンとロックスクリュとの間に残されたかなりの空間を包含するアクチュエータピストンのピストン減圧管を具備し、この空間は、ロックスクリュとアクチュエータピストンとの間に把持された減圧ワッシャの下面に形成された溝を介して、油圧式複動制御アクチュエータの下室から上室へ油圧流体を通過させる。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、かなりの長さを有するように螺旋形である、減圧ワッシャの溝を具備し、螺旋の始端はワッシャの中央孔に通じているのに対して、螺旋の端部はワッシャの周縁部に通じている。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、アクチュエータピストンを制御ラックに装着することを可能にするロックスクリュの本体に形成または嵌着された減圧毛細管で構成されるピストン減圧管を具備し、毛細管の輪郭と断面積と長さとは、制御アクチュエータの下室と上室との間での油圧流体の通過を制限する圧力損失を発生させるように計算される。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、上室の最高点に位置する入口を有するとともに可変圧縮比エンジンのいずれかの点に開口する出口を有するアクチュエータ減圧管を具備する油圧式複動制御アクチュエータを具備し、アクチュエータ減圧管は、減圧ソレノイドバルブにより閉鎖または開放される。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、補給用逆止バルブ要素を具備する制御アクチュエータの上室を具備し、バルブ要素は、可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニットからの圧縮油圧流体を上室へ流入させるが、ここから流出させることはない。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、補給用逆止バルブ要素を具備する制御アクチュエータの下室を具備し、バルブ要素は、可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニットからの圧縮油圧流体を下室へ流入させるが、ここから流出させることはない。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置は、移動通路が形成されており可変圧縮比エンジンのクランクケースに嵌着するプレートを具備し、プレートは、ボールを持ち上げるための手段と、移動通路とクランクケースに組み込まれた管との間にシールを設ける密封手段とを具備する。

非限定的な例として挙げられた添付図面に関する以下の説明は、本発明、それが提案する特徴、それが提供できる長所の理解を容易にするだろう。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置の、可変圧縮比エンジンにおける主要部品およびその位置を図示する概略断面図である。 例えば、少なくとも一つのボールまたはバルブ要素をシートから持ち上げるか外すことを可能にする少なくとも一つのスクリュを回転させるように設計された少なくとも一つの回転電動モータにより設けられる、本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置を駆動するための手段を示す断面図である。 本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置を駆動するための手段を表す分解斜視図である。 本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置の動作原理を図示する概略図である。 本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置の動作原理を図示する概略図である。 本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置の動作原理を図示する概略図である。 可変圧縮比エンジンのエンジンブロックと、本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置の、エンジンブロックにおける位置とを示す分解斜視図である。

図１は、油圧式複動制御アクチュエータ８の上室１２１と下室１２２とを接続する少なくとも一つの管を閉鎖するための手段と、油圧流体を両方向に通過させるため閉鎖手段をそのシートから持ち上げるかシートに載せることを可能にするリフト手段とを具備する、可変圧縮比エンジンのための圧縮比を調節するための装置４００を示す。

出願人の所有する特許出願および特許によれば、可変圧縮比エンジンは、ピストンに固定されて、一方では転動案内装置４と、他方ではギヤホイール５と相互作用を行う、「ピストンラック」と呼ばれる伝動部材３を燃焼ピストン２の下部に具備する機械的伝動装置１を具備する。

ピストン２に固定された伝動部材またはピストンラック３は、ギヤホイール５の歯５１と相互作用を行う歯３４を有する第１大型ラック３５をその面の一つに備える。

伝動部材またはピストンラック３は、転動案内装置４のローラ４０の歯と相互作用を行う小型の歯３８を有する第２ラック３７を、第１ラック３５と反対の側に具備する。

クランクケース１００は、転動案内装置４のローラ４０の動作をピストン２の動作と同期化させるラック４６を具備する支持体４１に固定されている。

燃焼ピストン２とクランクシャフト９との間で動作を伝達するため、ギヤホイール５は、クランクシャフト９に接続された接続ロッド６と相互作用を行う。

ギヤホイール５は、伝動部材またはピストンラック３と反対の側において、制御アクチュエータ８を具備する制御装置１２と、クランクケース１００に形成されたアクチュエータシリンダ１１２の中で案内されるアクチュエータピストン１３とにより駆動されるクランクケース１００に対する垂直位置を有する制御ラック７と、相互作用を行う。

制御アクチュエータ８は、アクチュエータピストン１３の上下に上室１２１と下室１２２とを具備し、これらの室は、アクチュエータピストン１３の同一行程について相互に異なる排気量を有する。

制御アクチュエータ８は、制御ラック７に固定された下部アクチュエータロッド１６と、アクチュエータピストン１３を制御ラック７の下部アクチュエータロッド１６に装着することを可能にするロックスクリュ１３２とで構成される。

ロックスクリュ１３２は、制御アクチュエータ８の上室１２１に収容されるロックヘッド１３９を具備する。

油圧式複動制御アクチュエータ８のアクチュエータピストン１３は、アクチュエータピストンの最大行程を決定する二つの弾性行程端支承部１３０，１３１を具備してよい。

第１支承部１３１は、可変圧縮比エンジンのクランクケース１００と接触した時にエンジンの最大圧縮比を制限することを可能にするのに対して、第２支承部１３０は、可変圧縮比エンジンの制御アクチュエータ８のシリンダヘッド３００と接触した時にエンジンの最小圧縮比を制限することを可能にする。

油圧式複動制御アクチュエータ８のアクチュエータピストン１３は、制御ラック７に対するピストン１３の位置を調節することを可能にする調節ワッシャ１３５を、ピストン１３の下面と制御ラック７の下部アクチュエータロッド１６との間に具備する。

二つの弾性行程端支承部１３０，１３１の一方または他方が、第１支承部１３１としてエンジンのクランクケース１００と、または第２支承部１３０としてエンジンの制御アクチュエータ８のシリンダヘッド３００と接触した時に、この調節ワッシャ１３５は、可変圧縮比エンジンの圧縮比を調節することを可能にする。

アクチュエータピストン１３は、油圧式複動制御アクチュエータ８の下室１２２と上室１２１とを接続するピストン減圧管１３３を具備する。ピストン減圧管１３３は、下室１２２にポケットを形成する空気を上室１２１へ通過させる。

ピストン減圧管１３３は、油圧式複動制御アクチュエータ８の下室１２２と上室１２１との間における油圧流体の流量を制限する圧力損失を発生させるように計算された、アクチュエータピストン１３とロックスクリュ１３２との間に残された空間で構成されてよい。

アクチュエータピストン１３のピストン減圧管１３３は、アクチュエータピストン１３とロックスクリュ１３２との間に残されたかなりの空間を包含してよく、この空間は、ロックスクリュ１３２とアクチュエータピストン１３との間に把持された減圧ワッシャ１３６の下面に形成された溝を介して、油圧式複動制御アクチュエータ８の下室１２２から上室１２１へ油圧流体を通過させる。

溝の輪郭と断面積と長さとは、油圧式複動制御アクチュエータ８のロックスクリュ１３２とアクチュエータピストン１３との間における流体の通過を制限する圧力損失を発生させるように計算される。

減圧ワッシャ１３６に形成された溝は、かなりの長さを有するように螺旋形であってよく、螺旋の始端はワッシャの中央孔に通じているのに対して、螺旋の端部はワッシャの周縁部に通じている。

アクチュエータピストン１３のピストン減圧管１３３は、ロックスクリュ１３２の本体に形成または嵌着された減圧毛細管１３４と連通している。減圧毛細管１３４の輪郭と断面積と長さとは、油圧式複動制御アクチュエータ８の下室１２２と上室１２１との間における油圧流体の通過を制限する圧力損失を発生させるように計算される。

油圧式複動制御アクチュエータ８は、上室１２１の最高点に位置する入口を有するとともに、可変圧縮比エンジンのいずれかの点に開口する出口を有するアクチュエータ減圧管１３７を具備してよい。

アクチュエータ減圧管１３７の出口は、エンジンの潤滑油溜め５００に直接的または間接的に通じている。アクチュエータ減圧管１３７は、減圧ソレノイドバルブ１３８により閉鎖または開口されてよい。

可変圧縮比エンジンは、制御ラック７の垂直位置を測定することを可能にする少なくとも一つの位置センサ９５を具備してよい。

可変圧縮比エンジンは、ピストンラック３の通過が検出されたクランクシャフト９の角度位置を考慮してエンジンの圧縮比を導出できるようにピストンラック３の通過を検出する少なくとも一つのセンサを具備してよい。

可変圧縮比エンジンは、油圧式複動制御アクチュエータ８の上室１２１に生じる圧力を測定することを可能にする不図示の少なくとも一つの圧力センサを具備してよい。

可変圧縮比エンジンは、燃焼ピストン２の燃焼室に生じる圧力を測定することを可能にする不図示の少なくとも一つの圧力センサを具備してよい。

可変圧縮比エンジンは、少なくとも一つのクランクシャフト角度位置センサ９３と少なくとも一つのコンピュータ９４とを具備してよい。

本発明による圧縮比を調節するための装置４００は、各々がシート４０３，４０４に当接して、クランクケース１００に組み込まれた管４０６，４０７により油圧式複動制御アクチュエータ８の上室１２１と下室１２２とを接続する移動通路４０５の一端部および他端部を個別に閉鎖する少なくとも二つのボール４０１，４０２またはバルブ要素で構成される閉鎖手段を具備する。

ボール４０１，４０２は、油圧流体を一方向のみに通過させるように、スプリング４０８，４０９によりシート４０３，４０４に保持された時に逆止バルブ要素として作用する。

本発明による圧縮比を調節するための装置４００は、少なくとも一つのボール４０１，４０２またはバルブ要素をそのシート４０３，４０４から持ち上げるかシートに載せることを可能にするリフト手段４１０を具備する。

圧縮比を調節するための装置４００は、流体の加圧容器２５１を含む可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニット２００へ戻るように油圧流体を移動通路４０５から流出させるが、流体が移動通路４０５へ戻ることは防止する少なくとも一つの補正用逆止バルブ要素４１１を具備する。

圧縮比を調節するための装置４００のリフト手段４１０は、各ボール４０１，４０２について、移動通路４０５に収容された円筒形リフタ４１２で構成される。

図２および３は、少なくとも一つのスクリュ４８１，４８２を駆動することを可能にする電動モータ４８０を具備する圧縮比調節装置４００の非限定的な例示的実施形態を示す。

少なくとも一つの円筒形リフタ４１２の一端部が対応のボール４０１，４０２と接触してこれをシート４０３，４０４から押し上げるかシートに載せるように、円筒形リフタを長手方向に平行移動させることを可能にする少なくとも一つのスクリュ４８１，４８２を回転させる少なくとも一つの回転電動モータ４８０で、リフト手段４１０が構成される。

リフト手段４１０は、円筒形リフタ４１２の補助により少なくとも一つのボール４０１，４０２をシート４０３，４０４から持ち上げるかシートに載せることを可能にする少なくとも一つのスクリュ４８１，４８２を機械的伝動手段４８３により回転させるように設計された少なくとも一つの回転電動モータ４８０で構成される。

回転電動モータ４８０は、二つのスクリュ４８１，４８２を同時に回転させて、各々がボール４０１，４０２またはバルブ要素をそのシート４０３，４０４から持ち上げるかシートに載せるようにさせ、第２スクリュ４８２が第２ボール４０２から離れる時に第１スクリュ４８１が第１ボール４０１の方向に進むか、その逆が行われ、ボール４０１，４０２が同時にシート４０３，４０４から持ち上げられることはない。

モータ４８０をスクリュに接続する少なくとも一つのギヤホイール４８４により、回転電動モータ４８０が両方のスクリュ４８１，４８２を同時に回転させる。

回転電動モータ４８０は、不図示の少なくとも一つのタイミングベルトによって両方のスクリュ４８１，４８２を同時に回転させる。

回転電動モータ４８０は、不図示の少なくとも一つのチェーンによって両方のスクリュ４８１，４８２を同時に回転させる。

両方のスクリュ４８１，４８２は同じ方向に回転し、第１スクリュ４８１は第２スクリュ４８２のものとは逆のピッチを有する。

両方のスクリュ４８１，４８２は相互に反対方向に同時に回転し、第１スクリュ４８１が締められると第２スクリュ４８２が緩められるか、その逆が行われる。

本発明による回転電動モータ４８０は、不図示の角度位置センサを備える。このモータはそれ自体公知のステップモータでもよい。

同様に、本発明による圧縮比を調節するための装置４００は、油圧式複動制御アクチュエータ８の上室１２１への補給を可能にする逆止バルブ要素４２８を具備する。補給用逆止バルブ要素４２８は、可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニット２００を始点とする圧縮油圧流体を上室１２１へ流入させるが、ここから流出させることはない。

本発明による圧縮比を調節するためのボールリフト装置４００は、油圧式複動制御アクチュエータ８の下室１２２の補給を可能にする逆止バルブ要素４２９を具備する。補給用逆止バルブ要素４２９は、可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニット２００を始点とする圧縮油圧流体を下室１２２へ流入させるが、ここから流出させることはない。

図７は、移動通路４０５が形成された可変圧縮比エンジンのクランクケース１００に嵌着されるプレート４６０を具備する、圧縮比を調節するための装置４００を図示する。

同様に、プレート４６０は、スクリュ４８１，４８２を利用した圧縮比を調節するための装置４００のボール４０１，４０２を持ち上げるための手段４１０を支持する。プレート４６０は、移動通路４０５と、クランクケース１００に組み込まれて移動通路４０５が連通する管４０６，４０７との間のシールを保証する手段を具備する。

動作：
特定の実施形態によれば、可変圧縮比エンジンのためのスクリュ４８１，４８２利用のボールリフト装置４００の動作は、以下の通りである。

可変圧縮比エンジンのためのボールリフト装置４００は、少なくとも一つのスクリュ４８１，４８２を回転させるように設計された少なくとも一つの回転電動モータ４８０を具備する。回転電動モータ４８０は、制御アクチュエータ８の少なくとも一つのボール４０１，４０２またはバルブ要素をシート４０３，４０４から持ち上げるかシートに載せることを可能にし、アクチュエータは、可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御することを可能にする（図４乃至６）。

可変圧縮比エンジンが、圧縮比の変化を伴わずに所与の圧縮比で使用される時には、制御アクチュエータ８の上室１２１から下室１２２へ油圧流体を通過させること、またはその逆を個別に可能にする二つのボール４０１，４０２が、シート４０３，４０４に当接する。

この場合、上室１２１から下室１２２にもその逆方向にも流体が移動せず、これは可変圧縮比エンジンの制御アクチュエータ８の位置を決定された値に維持するとともに、このエンジンの圧縮比を一定に保持する作用を持つ。

可変圧縮比エンジンの動作条件を考慮すると、その圧縮比を適応させることが常に必要である。場合によっては、エンジンの性能または効率を最高にする、またあるいはその３方向触媒コンバータの動作を向上させるのに、エンジンの圧縮比の変化が利用される。

このような様々な必要性を考慮して、可変圧縮比エンジンのコンピュータ９４（ＥＣＵ）がエンジンの圧縮比を上昇させなければならない場合には、円筒形リフタ４１２によりボール４０２をそのシート４０４から持ち上げる作用を持つ、アクチュエータ下室１２２のボール４０２と対向位置にあるスクリュ４８２を締めるように、コンピュータ９４が回転電動モータ４８０へ電流を送る。

そのため、ボール４０２をシート４０４から持ち上げると、油圧流体を制御アクチュエータ８の下室１２２から流出させ、移動通路４０５を介して上室１２１へ流入させ、制御アクチュエータ８の上室１２１のボール４０１の方は、油圧流体を上室１２１へ流入させるが、その逆止作用のため再び流出させることはない。

図１に見られるように、アクチュエータピストン１３を移動させるのに油圧ポンプは必要ない。

この移動は、実際には、ピストン１３が装着された可変圧縮比エンジンの制御ラック７によりピストンに印加される交互の力によって行われ、ラックそのものは、エンジンの燃焼室に含有されるガスの圧力から生じる力、および／またはギヤホイール５と燃焼ピストン２とピストンラック３とその転動案内装置４とであるエンジンの主要可動部品の慣性から生じる力を受ける。

図１を見れば容易に導き出せるように、制御アクチュエータ８のアクチュエータピストン１３の下室１２２の方への移動は、下室１２２の容量減少より大きな上室１２１の容量増加を発生させ、これは、ロックスクリュ１３２に置き換えられて上部アクチュエータロッドが存在しないことによる。

このため、アクチュエータピストン１３が下室１２２の方へ移動すると上室１２１の圧力が低下し、上室１２１の補給用逆止バルブ要素４２８は、可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニット２００を始点とする圧縮油圧流体を上室１２１へ流入させる。

逆に、可変圧縮比エンジンのコンピュータ９４（ＥＣＵ）がエンジンの圧縮比を低下させなければならない時には、円筒形リフタ４１２により、ボール４０１をそのシート４０３から持ち上げる作用を有する、制御アクチュエータ８の上室１２１のボール４０１と対向位置にあるスクリュ４８１を締めるため、コンピュータは回転電動モータ４８０に電流を送る。

こうして、ボール４０１をそのシート４０３から持ち上げると、油圧流体を制御アクチュエータ８の上室１２１から流出させ、移動通路４０５を介して下室１２２へ流入させるのに対して、制御アクチュエータ８の下室１２２のボール４０２の方は、油圧流体を下室１２２へ流入させるが、ボールの逆止作用のため再び流出させることはない。

図１を見れば容易に導き出せるように、制御アクチュエータ８のアクチュエータピストン１３の上室１２１の方への移動は、ロックスクリュ１３２で置き換えられることで上部アクチュエータロッドが存在しないため、上室１２１の容量減少より小さな下室１２２の容量増加を発生させる。

このため、アクチュエータピストン１３が上室１２１の方へ移動する時には、室１２１，１２２および移動通路４０５の圧力は、油圧パワーユニット２００に生じるものより高くなる。結果的に、管２８０を介して油圧パワーユニット２００に通じる出口を有する補正用逆止バルブ要素４１１は、上室１２１を始点とする圧縮油圧流体を、移動通路４０５を介して油圧パワーユニットへ流出させる。

この場合には、制御アクチュエータ８により補正用逆止バルブ要素４１１を介して油圧パワーユニット２００へ排出される油圧流体の量は、可変圧縮比エンジンの圧縮比を低下させるように設計された動作であるピストンにより実行される移動動作の間にアクチュエータピストン１３により掃引される上室１２１の容量とピストン１３により同時に掃引される下室１２２の容量との差にほぼ等しいことに注意してほしい。

見て分かるように、ボール４０１，４０２と、可変圧縮比エンジンの他の可動部品によりアクチュエータピストン１３に印加される交互の力とが組み合わさった作用は、逆止ラチェットのものと類似した動作を画定し、スクリュ４８１，４８２によりボール４０１，４０２が開いた状態である場合に、ピストン１３は室１２１または１２２の方向に移動できるが、逆方向には移動できない。

可変圧縮比エンジンの圧縮比を上昇させるように設計された移動を伴うにしろ、これを低下させるように設計された別の移動を伴うにしろ、スクリュ４８１，４８２により持ち上げられた状態の対応のボール４０１，４０２が再びそのシート４０３，４０４に載る瞬間は、可変圧縮比エンジンのコンピュータ９４（ＥＣＵ）により決定される。

この瞬間は、制御ラック７の位置に基づいてコンピュータ９４（ＥＣＵ）により導出され、その位置の方は、これが相互作用する位置センサ９５によって報告され、センサはラック７の垂直位置を常時測定する。

このような情報によってコンピュータ９４（ＥＣＵ）は、求められている圧縮比に対応する位置に制御ラック７が到達すると、ボール４０１，４０２をそのシート４０３，４０４に再び位置させることができる。

図４乃至６に図示されているように、スクリュ４８１，４８２を用いて両方のボール４０１，４０２が電動モータ４８０によりシート４０３，４０４から同時に持ち上げられることは決してない。

コンピュータ９４（ＥＣＵ）と制御ラック７の位置センサ９５との間の相互作用は、アクチュエータピストン１３のガスケットの密封不足による制御アクチュエータ８の上室１２１と下室１２２との間の漏出に関係するものであれ、室１２１，１２２のいずれか一方と制御アクチュエータ８の外側との間の漏出に関係するものであれ、様々な漏出から生じる制御ラック７の位置のずれを補正することも可能にする。

この場合にコンピュータ９４（ＥＣＵ）は、アクチュエータピストン１３が要求された位置へ戻るまで、ピストンのずれの方向と反対に室のボール４０１，４０２を一時的に持ち上げることを指示することができる。

また、アクチュエータピストン１３のずれを補正するため、ピストンのずれの方向と反対に室のボール４０１，４０２を部分的に持ち上げることをコンピュータ９４（ＥＣＵ）が指示してもよい。

室のいずれか一方、つまり上室１２１および／または下室１２２と、制御アクチュエータ８の外側との間に漏出が発生すると、直接的に上室１２１を通って、または上室１２１のボール４０１が開いているか若干開いている時には上室および移動通路４０５を介して間接的に下室１２２を通って、上室１２１の補給用逆止バルブ要素４２８により油圧流体がアクチュエータに補給される。

本発明による可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置４００についての特定の実施形態によれば、位置センサ９５によりコンピュータ９４（ＥＣＵ）に常時伝達される制御ラック７の位置に加えて、このコンピュータは、それ自体公知のエンジンのクランクシャフト角度センサ９３により、可変圧縮比エンジンのクランクシャフト９の角度位置についての情報も受け取ることができる。

この実施形態によれば、上室１２１のボール４０１および下室１２２のボール４０２の上流と下流との間における、これらボール４０１，４０２がそのシート４０３，４０４と当接する時の圧力差は、可変圧縮比エンジンの様々な速度点および負荷点に対応するクランクシャフト９の様々な角度位置について、コンピュータ９４（ＥＣＵ）のメモリに予め記録されている。

これらの予め記録された値により、コンピュータ９４（ＥＣＵ）は、エンジンのあらゆる速度点および負荷点において、またクランクシャフト９のあらゆる角度位置について、制御アクチュエータ８の上室１２１および下室１２２のボール４０１，４０２の上流と下流との間の圧力差を導出することができる。

この実施形態によれば、回転電動モータ４８０に高い出力および／またはトルクを発生させる必要なくスクリュ４８１，４８２によりボール４０１，４０２をそのシート４０３，４０４から持ち上げるために、ボールの上流と下流との間の若干の圧力差に対応するクランクシャフト９の角度において、制御アクチュエータ８の上室１２１または下室１２２のボール４０１，４０２の持ち上げを、コンピュータ９４（ＥＣＵ）が開始させることができる。

そのうえ、この実施形態によれば、コンピュータ９４（ＥＣＵ）は制御アクチュエータ８の動作を高い精度で予想できるが、それは、アクチュエータピストン１３を新たな位置設定点に到達させる量の油圧流体を、制御アクチュエータ８の上室１２１または下室１２２のボール４０１，４０２とそのシート４０３，４０４との間で通過させるのに必要なクランクシャフト９の回転度数を予測するのに必要な情報を、この時にコンピュータ９４（ＥＣＵ）が持っているからである。

そのためコンピュータ９４（ＥＣＵ）は、アクチュエータピストン１３が新しい位置設定点に達するのに必要な、シート４０３，４０４におけるボール４０１，４０２のリフトの高さおよび時間を、これから導出できる。

アクチュエータピストン１３の位置決め精度を高めるため、ボール４０１，４０２のリフト高さおよびリフト時間を、油圧流体の粘度の関数としてコンピュータ９４（ＥＣＵ）により補正してもよいことに注意してほしい。この粘度は特に、油圧流体の温度に基づいてコンピュータ９４（ＥＣＵ）により導出され、この温度の方は不図示のセンサにより伝達される。

スクリュ４８１，４８２を利用したボールリフト装置４００は、制御アクチュエータ８の上室１２１または下室１２２のボール４０１，４０２を、ボール４０１，４０２がそのシート４０３，４０４と接触している時のゼロ高さとボールが最大リフト支承部と接触している時の最大高さとの間の無限の高さにわたって、シート４０３，４０４から持ち上げることを可能にすることに注意してほしい。

制御ラック７により制御アクチュエータ８のアクチュエータピストン１３に印加される所与の力について、高リフト高さは高いピストン移動速度の達成を可能にするのに対して、低リフト高さは低いピストン移動速度の達成を可能にする。

高い速度は、設定点位置から離間したアクチュエータピストン１３の位置から設定点位置に隣接した別の位置への高速での移動を可能にするのに対して、低い速度は、設定点位置に隣接した位置から設定点位置への移動を可能にする。

低い速度は、起こり得る漏出により誘発されるアクチュエータピストン１３の低速ドリフトの補正、または一つの設定点位置と別の設定点位置とが相互に近接している時に一つの設定点位置から別の設定点位置への移動にも利用される。

上記説明は単なる例として挙げられたものであることと、説明した実施の詳細を他の均等物と置き換えることによって逸脱することのない発明の範囲をいかなる点でも制限しないこととを、さらに理解すべきである。

１ 機械的伝動装置
２ 燃焼ピストン
３ 伝動部材（ピストンラック）
４ 転動案内装置
５ ギヤホイール
６ 接続ロッド
７ 制御ラック
８ 油圧式複動制御アクチュエータ
９ クランクシャフト
１２ 制御装置
１３ アクチュエータピストン
１６ 下部アクチュエータロッド
３４ 第１大型ラックの歯
３５ 第１大型ラック
３７ 第２ラック
３８ 小型の歯
４０ ローラ
４１ 支持体
４６ ラック
５１ ギヤホイールの歯
９３ クランクシャフト角度位置センサ
９４ コンピュータ（ＥＣＵ）
９５ 位置センサ
１００ クランクケース
１１２ アクチュエータシリンダ
１２１ 上室
１２２ 下室
１３０，１３１ 弾性行程端支承部
１３２ ロックスクリュ
１３３ ピストン減圧管
１３４ 減圧毛細管
１３５ 調節ワッシャ
１３６ 減圧ワッシャ
１３７ アクチュエータ減圧管
１３８ 減圧ソレノイドバルブ
１３９ ロックヘッド
２００ 油圧パワーユニット
２５１ 加圧容器
２８０ 管
３００ シリンダヘッド
４００ ボールリフト装置
４０１，４０２ ボール
４０３，４０４ シート
４０５ 移動通路
４０６，４０７ 管
４０８，４０９ スプリング
４１０ リフト手段
４１１ 逆止バルブ要素
４１２ 円筒形リフタ
４２８，４２９ 補給用逆止バルブ要素
４６０ プレート
４８０ 回転電動モータ
４８１，４８２ スクリュ
４８３ 機械的伝動手段
４８４ ギヤホイール
５００ 潤滑油溜め

Claims (22)

1. 上室（１２１）および下室（１２２）と制御ラック（７）に接続されたアクチュエータピストン（１３）とを具備する油圧式複動制御アクチュエータ（８）を具備する、可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置であって、
   各々がシート（４０３，４０４）に当接するとともに、油圧式複動制御アクチュエータ（８）の上室（１２１）と下室（１２２）とを接続する移動通路（４０５）の一端部および他端部を個別に閉鎖するボール（４０１，４０２）であって、油圧流体を一方向のみに通過させるため、スプリング（４０８，４０９）によりシート（４０３，４０４）に保持された時にボール（４０１，４０２）が逆止バルブ要素として作用する、ボールと、
   スクリュ（４８１，４８２）を回転させて、ボール（４０１，４０２）をシート（４０３，４０４）から持ち上げるかシートに載せることを可能にするように設計された電動モータ（４８０）を具備するリフト手段（４１０）と、
   を具備することを特徴とする、装置。
2. ロックスクリュ（１３２）により制御ラック（７）に装着されたアクチュエータピストン（１３）を有する制御アクチュエータ（８）と、
   油圧流体の加圧容器（２５１）を含む可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニット（２００）に戻すため、油圧流体を移動通路（４０５）から流出させるが、流体が移動通路へ戻ることは防止する、補正用逆止バルブ要素（４１１）と、
   を具備することを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
3. リフト手段（４１０）が、移動通路（４０５）に収容された円筒形リフタ（４１２）と、円筒形リフタの端部がボール（４０１，４０２）をシート（４０３，４０４）から持ち上げるかシートに載せるように、スクリュ（４８１，４８２）を回転させて円筒形リフタ（４１２）を長手方向に平行移動させることを可能にするように設計された電動モータ（４８０）とで構成されることを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
4. 回転電動モータ（４８０）が、機械的伝動手段（４８３）によりスクリュ（４８１，４８２）を回転させることを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
5. 回転電動モータ（４８０）が、二つのスクリュ（４８１，４８２）を同時に回転させて、各々がボール（４０１，４０２）をシート（４０３，４０４）から持ち上げるかシートに載せ、第２スクリュ（４８２）が第２ボール（４０２）から離れる時に第１スクリュ（４８１）が第１ボール（４０１）の方向に進むか、その逆が行われ、ボール（４０１，４０２）がシート（４０３，４０４）から同時に持ち上げられないことを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
6. 回転電動モータ（４８０）をスクリュ（４８１，４８２）に接続するギヤホイール（４８４）により、モータが両方のスクリュを同時に回転させることを特徴とする、請求項５に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
7. 回転電動モータ（４８０）が、タイミングベルトにより両方のスクリュ（４８１，４８２）を同時に回転させることを特徴とする、請求項５に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
8. 回転電動モータ（４８０）が、チェーンにより両方のスクリュ（４８１，４８２）を同時に回転させることを特徴とする、請求項５に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
9. 両方のスクリュ（４８１，４８２）が同じ方向に回転し、第１スクリュが第２スクリュのものと逆のピッチを有することを特徴とする、請求項５に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
10. 両方のスクリュ（４８１，４８２）が相互に反対方向に同時に回転し、第１スクリュが締められると第２スクリュが緩められるか、その逆が行われることを特徴とする、請求項５に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
11. 回転電動モータ（４８０）が、角度位置センサを備えることを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
12. 油圧式複動制御アクチュエータ（８）のアクチュエータピストン（１３）が、ピストンの最大行程を決定する二つの弾性行程端支承部（１３０，１３１）を具備し、第１弾性支承部（１３１）が、可変圧縮比エンジンのクランクケース（１００）と接触した時にエンジンの最大圧縮比を制限することを可能にし、第２弾性支承部（１３０）が、可変圧縮比エンジンの制御アクチュエータ（８）のシリンダヘッド（３００）と接触した時にエンジンの最小圧縮比を制限することを可能にすることを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
13. 制御ラック（７）に装着された油圧式複動制御アクチュエータ（８）のアクチュエータピストン（１３）が、二つの弾性行程端支承部（１３０，１３１）の一方または他方が、第１支承部（１３１）として可変圧縮比エンジンのクランクケース（１００）と、または第２支承部（１３０）としてエンジンの制御アクチュエータ（８）のシリンダヘッド（３００）と接触する時に、エンジンの圧縮比を調節できるように、ピストンの位置をラック（７）に対して調節することを可能にする調節ワッシャ（１３５）を、ピストン（１３）の下面と制御ラック（７）の下部アクチュエータロッド（１６）との間に具備することを特徴とする、請求項１２に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
14. 油圧式複動制御アクチュエータ（８）の下室（１２２）と上室（１２１）とを接続するピストン減圧管（１３３）をアクチュエータピストン（１３）が具備し、下室（１２２）にポケットを形成することのある空気を管が上室（１２１）へ通過させることを特徴とする、請求項２に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
15. ピストン減圧管（１３３）が、油圧式複動制御アクチュエータ（８）の下室（１２２）と上室（１２１）との間における油圧流体の流量を制限する圧力損失を発生させるように計算された、アクチュエータピストン（１３）とロックスクリュ（１３２）との間に残された空間で構成されることを特徴とする、請求項１４に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
16. アクチュエータピストン（１３）のピストン減圧管（１３３）が、アクチュエータピストン（１３）とロックスクリュ（１３２）との間に残されたかなりの空間を包含し、空間が、ロックスクリュ（１３２）とアクチュエータピストン（１３）との間に把持された減圧ワッシャ（１３６）の下面に形成された溝を介して、油圧式複動制御アクチュエータ（８）の下室（１２２）から上室（１２１）へ油圧流体を通過させることを特徴とする、請求項１４に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
17. 減圧ワッシャ（１３６）が具備する溝が、かなりの長さを有するように螺旋形であり、螺旋の始端がワッシャの中央孔に通じているのに対して、螺旋の端部がワッシャの周縁部に通じていることを特徴とする、請求項１６に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
18. ピストン減圧管（１３３）が、アクチュエータピストン（１３）を制御ラック（７）に装着することを可能にするロックスクリュ（１３２）の本体に形成または嵌着された減圧毛細管（１３４）で構成され、毛細管（１３４）の輪郭と断面積と長さとが、制御アクチュエータ（８）の下室（１２２）と上室（１２１）との間における油圧流体の通過を制限する圧力損失を発生させるように計算されることを特徴とする、請求項１４に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
19. 上室（１２１）の最高点に位置する入口を有するとともに可変圧縮比エンジンのいずれかの点に開口する出口を有するアクチュエータ減圧管（１３７）を油圧式複動制御アクチュエータ（８）が具備し、アクチュエータ減圧管（１３７）が、減圧ソレノイドバルブ（１３８）により閉鎖または開放されることを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
20. 制御アクチュエータ（８）の上室（１２１）が、補給用逆止バルブ要素（４２８）を具備し、バルブ要素が、可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニット（２００）からの圧縮油圧流体を上室（１２１）へ流入させるが流出はさせないことを特徴とする、請求項２に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
21. 制御アクチュエータ（８）の下室（１２２）が、補給用逆止バルブ要素（４２９）を具備し、バルブ要素が、可変圧縮比エンジンの油圧パワーユニット（２００）からの圧縮油圧流体を下室（１２２）へ流入させるが流出はさせないことを特徴とする、請求項２に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。
22. 移動通路（４０５）が形成された、可変圧縮比エンジンのクランクケース（１００）に嵌着したプレート（４６０）を具備し、プレートが、ボール（４０１，４０２）を持ち上げるための手段（４１０）と、移動通路（４０５）とクランクケース（１００）に組み込まれた管（４０６，４０７）との間にシールを設ける密封手段とを具備することを特徴とする、請求項１に記載の可変圧縮比エンジンのためのスクリュ利用ボールリフト装置。